JP2001232356A - ダイオキシン類含有液の処理方法及び処理装置 - Google Patents

ダイオキシン類含有液の処理方法及び処理装置

Info

Publication number
JP2001232356A
JP2001232356A JP2000047931A JP2000047931A JP2001232356A JP 2001232356 A JP2001232356 A JP 2001232356A JP 2000047931 A JP2000047931 A JP 2000047931A JP 2000047931 A JP2000047931 A JP 2000047931A JP 2001232356 A JP2001232356 A JP 2001232356A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
dioxin
membrane separation
containing liquid
dioxins
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000047931A
Other languages
English (en)
Inventor
Daisuke Iizuka
大介 飯塚
Takashi Tanabe
尚 田辺
Noboru Fujiwara
昇 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurita Water Industries Ltd filed Critical Kurita Water Industries Ltd
Priority to JP2000047931A priority Critical patent/JP2001232356A/ja
Publication of JP2001232356A publication Critical patent/JP2001232356A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイオキシン類含有液に粉末活性炭を添加し
た後膜分離手段を用いて固液分離することによりダイオ
キシン類含有液からダイオキシン類を除去する方法にお
いて、膜分離手段からの排水量を低減する。また、ダイ
オキシン類含有液と粉末活性炭との接触時間を十分に確
保してダイオキシン類含有液中のダイオキシン類を高度
に除去して高水質処理水を得ると共に、添加した粉末活
性炭当たりのダイオキシン類吸着量を高めて粉末活性炭
の必要量の低減を図る。 【解決手段】 膜分離手段の濃縮液を膜分離手段の入口
側へ返送するダイオキシン類含有液の処理方法。ダイオ
キシン類含有液に粉末活性炭を添加する粉末活性炭添加
手段と、粉末活性炭が添加されたダイオキシン類含有液
を固液分離する膜分離手段と、膜分離手段の濃縮液を膜
分離手段の入口側に返送する手段とを備えてなるダイオ
キシン類含有液の処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ塩化−p−ジ
ベンゾダイオキシン類(PCDD)やポリ塩化ジベンゾ
フラン類(PCDF)、コプラナーPCB等の有機塩素
化合物(以下、これらを「ダイオキシン類」と称す。)
を含有した液からダイオキシン類を除去する技術に係
り、特に粉末活性炭を用いてダイオキシン類を除去する
ダイオキシン類含有液の処理方法及び処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ごみ焼却場等の排ガスを、電気集塵機や
バグフィルタに通して除塵した後、水と接触させてガス
状のダイオキシン類を水に吸収させてガス中からダイオ
キシン類を除去することがある。ダイオキシン類を吸収
した水は、粉末活性炭が添加され、ダイオキシン類を該
粉末活性炭に吸着させ、次いでこの粉末活性炭を該水か
ら分離することにより、該水中からダイオキシン類が除
去される。
【0003】従来、このダイオキシン類を吸着した粉末
活性炭を前記水から分離する固液分離手段としては凝集
沈殿処理法が用いられているが、凝集沈殿により粉末活
性炭を固液分離する場合、若干の粉末活性炭が処理水側
にリークし、ダイオキシン類が少量ながら捕捉できない
ことがある。
【0004】この問題を解決し、ダイオキシン類を吸着
した水中の粉末活性炭を該水から確実に固液分離するこ
とにより、該水からダイオキシン類を効率的に除去する
方法として、本出願人は先に、ダイオキシン類含有液に
粉末活性炭を添加し、その後膜分離手段を用いて固液分
離するダイオキシン類含有液の処理方法を提案した(特
開平11−319809号公報)。この方法によれば、
ダイオキシン類を吸着した粉末活性炭を処理水側に実質
的に全くリークさせることなく固液分離することがで
き、水中からダイオキシン類を高度に除去することが可
能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平11−3198
09号公報に記載される方法によれば、ダイオキシン類
含有液からダイオキシン類を高度に除去することができ
るが、この方法では、膜分離手段から、ダイオキシン類
を吸着した活性炭を含む濃縮液が大量に排出されるた
め、この濃縮液の処理のための設備が大型化し、処理コ
ストも高騰するという問題があった。
【0006】また、ダイオキシン類含有液と粉末活性炭
との接触時間を十分に確保することが難しく、ダイオキ
シン類含有液と粉末活性炭とが十分に接触しないうちに
膜分離処理されてしまう場合があり、このために、粉末
活性炭の単位量当たりのダイオキシン類吸着量を十分に
高めることができない場合もあった。
【0007】本発明は上記従来の問題点を解決し、ダイ
オキシン類含有液に粉末活性炭を添加した後膜分離手段
を用いて固液分離することによりダイオキシン類含有液
からダイオキシン類を除去する方法において、排水量を
大幅に低減することができるダイオキシン類含有液の処
理方法及び処理装置を提供することを目的とする。
【0008】本発明はまた、ダイオキシン類含有液と粉
末活性炭との接触時間を十分に確保してダイオキシン類
含有液中のダイオキシン類を高度に除去して高水質処理
水を得ると共に、添加した粉末活性炭当たりのダイオキ
シン類吸着量を高めて粉末活性炭の必要量の低減を図る
ことができるダイオキシン類含有液の処理方法及び処理
装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のダイオキシン類
含有液の処理方法は、ダイオキシン類含有液に粉末活性
炭を添加した後、膜分離手段を用いて固液分離するダイ
オキシン類含有液の処理方法において、該膜分離手段の
濃縮液を該膜分離手段の入口側へ返送することを特徴と
する。
【0010】本発明のダイオキシン類含有液の処理装置
は、ダイオキシン類含有液に粉末活性炭を添加する粉末
活性炭添加手段と、粉末活性炭が添加されたダイオキシ
ン類含有液を固液分離する膜分離手段と、該膜分離手段
の濃縮液を該膜分離手段の入口側に返送する手段とを備
えてなることを特徴とする。
【0011】本発明のダイオキシン類含有液の処理方法
及び処理装置によれば、膜分離手段の濃縮液を膜分離手
段の入口側に返送して濃縮液を循環処理することによ
り、系外へ排水として排出する濃縮液量を大幅に低減す
ることができる。このため、排水処理設備を小型化する
と共に、排水処理コストを低減することができる。
【0012】また、濃縮液を返送して原水と混合するこ
とで、粉末活性炭とダイオキシン類含有液との接触時間
を長くすることができ、ダイオキシン類を粉末活性炭に
吸着させるに必要な接触時間を十分に確保することが可
能となる。このため、粉末活性炭の単位量当たりのダイ
オキシン類吸着量を高め、少ない粉末活性炭量で多くの
ダイオキシン類を吸着させて粉末活性炭の必要添加量の
低減、処理水水質の向上を図ることができる。
【0013】本発明のダイオキシン類含有液の処理方法
では、膜分離手段の濃縮液を引き抜き、引き抜いた濃縮
液を凝集沈殿分離処理し、分離された固形分中の有害物
質を処理する工程を備えることが好ましい。
【0014】また、本発明のダイオキシン類含有液の処
理装置においては、膜分離手段の前段に、ダイオキシン
類含有液の受入配管と、膜分離手段からの返送濃縮液の
受入配管と、濃縮液の引き抜き配管とを有する反応槽を
設けることにより、粉末活性炭とダイオキシン類含有液
との接触時間をより一層十分に確保することが可能とな
る。
【0015】また、排ガスの湿式洗煙塔から排出される
ダイオキシン類含有液を原水として処理する装置の場
合、粉末活性炭添加手段は、湿式洗煙塔、原水槽、原水
受入配管及び反応槽のいずれか1以上に設けることがで
きる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明のダイオキシン類含
有液の処理方法及び処理装置の実施の形態を詳細に説明
する。
【0017】本発明において、ダイオキシン類含有液と
しては、ゴミ焼却炉等の各種の焼却炉の排ガスと接触し
てダイオキシン類を吸着した液、例えば、湿式洗煙装置
を備えたごみ焼却炉等の各種焼却炉から排出される冷却
水や、最終処分場の浸出水、火力発電の洗煙排水、ダイ
オキシン類を含有する固体、例えばごみ焼却場から排出
される飛灰や焼却灰を洗浄した水などが例示される。
【0018】ダイオキシン類の水に対する溶解度はきわ
めて低く、通常の場合上記の水にはng/Lオーダーの
ダイオキシン類が溶解している。
【0019】本発明において、このようなダイオキシン
類含有液に対し添加する粉末活性炭としては、最大粒径
が200μm以下特に100μm以下であり、平均粒径
では50μm以下、特に10〜40μm、とりわけ15
〜25μm程度のものが好ましい。粉末活性炭の平均粒
径が50μmを超えるものでは、ダイオキシン類含有液
に添加した活性炭が沈降しやすくなるため、ダイオキシ
ン類含有液と活性炭とが十分に接触できない可能性があ
る。
【0020】ダイオキシン類含有液に対する粉末活性炭
の添加量は、300mg/L以上であることが好まし
く、特に500〜1000mg/Lであることが好まし
い。この添加量が少ないとダイオキシン類を十分に吸着
除去することができず、多いとコスト面で不利である。
【0021】粉末活性炭をダイオキシン類含有液に添加
する場合、粉末のまま活性炭をダイオキシン類含有液に
添加しても良く、粉末活性炭を水、アルコールなどの液
体(好ましくは水)、あるいは少量のダイオキシン類含
有液に分散させた後、この分散液をダイオキシン類含有
液に添加しても良い。また、粉末活性炭の分散性を良く
するために分散剤を用いても良い。粉末活性炭を分散液
として添加することにより、ダイオキシン類含有液中に
粉末活性炭を短時間で均一に分散させることができ、好
ましい。
【0022】なお、添加する粉末活性炭としては、ピー
ト系、石炭系、亜炭系、ヤシガラ系等が挙げられるが、
ダイオキシン類の吸着に適していることから、特に20
〜500Åの中間孔を多く有するピート系、亜炭系の活
性炭が好適である。
【0023】粉末活性炭が添加されたダイオキシン類含
有液は、膜分離手段で膜分離処理されるが、本発明にお
いては、粉末活性炭とダイオキシン類含有液との接触時
間を十分に確保するために、必要に応じて膜分離手段の
前段に反応槽を設け、この反応槽内で粉末活性炭とダイ
オキシン類含有液とを十分に接触させる。即ち、ダイオ
キシン類含有液中のダイオキシン類を粉末活性炭に十分
に吸着させて除去するためには、ある程度以上の接触時
間を確保する必要があり、この接触時間が不十分なうち
に膜分離手段で膜分離処理すると、ダイオキシン類含有
液中のダイオキシン類を高度に除去し得ない。ダイオキ
シン類の高度除去に必要な接触時間は、後述の実験例1
の結果からも明らかなように、1分以上、好ましくは5
分以上である。ただし、接触時間が過度に長いと処理時
間が徒に長くなって工業的に不利であるため、接触時間
は1〜60分、特に5〜30分とするのが好ましい。
【0024】接触時間を確保するために膜分離手段の前
段に設ける反応槽には、後述の如く、膜分離手段の濃縮
液の循環のために、膜分離手段からの濃縮液の受入配管
と濃縮液の引き抜き配管を設け、更に、粉末活性炭とダ
イオキシン類含有液との接触頻度を高めるために、攪拌
羽根等による攪拌手段等を設けるのが好ましい。
【0025】なお、本発明により、粉末活性炭スラリー
で洗煙処理を行っている湿式洗煙塔のブロー水を処理す
る場合においては、多くの場合、湿式洗煙塔内におい
て、粉末活性炭の接触時間が十分に確保されていること
から、このような反応槽を省略することができる。ただ
し、この場合においても、膜分離手段の濃縮液の返送の
ための濃縮槽(循環槽)を膜分離手段の前段に設けるの
が、循環液流の安定化の面で好適である。また、膜分離
手段への導入に当たり、ダイオキシン類含有液流量の安
定化のために、ダイオキシン類含有液を一時的に貯留す
る原水槽を設けても良い。
【0026】なお、粉末活性炭の添加箇所は、粉末活性
炭とダイオキシン類含有液との接触時間が十分に確保で
きるような箇所であれば良く、原水槽、原水受入配管、
反応槽のいずれであっても良い。また、前述の如く、湿
式洗煙塔に直接注入する方法であっても良い。
【0027】粉末活性炭を添加したダイオキシン類含有
液を膜分離処理する膜分離手段としては特に制限はな
く、スパイラル型膜モジュール、中空糸型膜モジュー
ル、平膜型膜モジュール、管型膜モジュール、浸透型膜
分離装置など各種の膜モジュール、膜分離装置を用いる
ことができる。
【0028】また、分離膜としては、セラミック膜、樹
脂膜、金属製精密膜など各種素材よりなる精密濾過(M
F)膜や限外濾過(UF)膜を用いることができる。膜
素材としては、セラミックのようにダイオキシン類を吸
着し難いものが好ましい。また、膜素材の耐熱性は通常
の場合特に必要とされないが、ダイオキシン類含有液が
洗煙排水の場合は、高温の排ガスを水又は水と活性炭の
スラリー液により洗うことから、結果として排出される
ダイオキシン類含有液(洗煙排水)は高温となるため、
膜素材としては耐熱性を持っているものが望ましい。こ
のような点から、膜素材としてはセラミックが最も好ま
しい。
【0029】用いる分離膜の孔径は0.005〜0.2
μm、特に0.01〜0.1μm程度であることが好ま
しい。このような細孔径の分離膜であれば、液中の粉末
活性炭をほぼ完全に濾別することができる。なお、細孔
径が過度に小さいと、濾過時間が徒に長くなる。また、
細孔径が過度に大きいと、活性炭がリークするおそれが
ある。
【0030】本発明においては、このような膜分離手段
による膜分離処理により得られた透過水を処理水として
取り出す一方で、濃縮液を膜分離手段の入口側へ返送し
て循環処理する。このように、濃縮液を循環処理するこ
とにより、系外へ排出する排水量を大幅に低減すること
ができる。
【0031】本発明においては、処理するダイオキシン
類含有液の水質や粉末活性炭添加量等によっても異なる
が、このように濃縮液を循環処理することにより、原水
中の固形分を除く液分の90〜99%を処理水として回
収し、残部のわずかな濃縮液のみを排水として排出する
ことが可能となる。
【0032】系外へ引き抜かれた排水は、ダイオキシン
類を吸着した粉末活性炭が高濃縮された液であり、この
排水は、必要に応じて凝集沈殿分離処理した後、分離さ
れた固形分中の有害物質の処理を行うのが好ましい。こ
の有害物質の処理手段としては、多くの場合、固形分の
焼却処分が行われるが、その他、固形分を加熱して脱塩
素処理したり、分解薬剤又は微生物によりダイオキシン
類を分解したりしても良い。また、固形分中に更に重金
属類が含まれている場合には、薬剤によりこれを固定化
する処理を施しても良い。また、系外へ引き抜いた排水
は、適当な処理を施した後、湿式洗煙塔等のダイオキシ
ン類除去用活性炭として再利用しても良い。
【0033】なお、上記膜分離手段による膜分離に先立
ち、粉末活性炭を添加して十分に接触させた後のダイオ
キシン類含有液を自然沈降分離処理、遠心分離処理、凝
集分離、浮上分離など予備的な固液分離処理を行っても
良い。また、粉末活性炭とダイオキシン類含有液との接
触効率をより一層高めるために、液の移送配管にライン
ミキサ等を設けても良い。また、ダイオキシン類含有液
は粉末活性炭の添加前又は添加後に必要に応じて冷却し
ても良い。
【0034】
【実施例】以下に実験例、実施例及び比較例を挙げて本
発明をより具体的に説明する。
【0035】実験例1 ダイオキシン類含有液と粉末活性炭との接触時間とダイ
オキシン類除去効果との関係を調べる実験を行った。
【0036】ごみ焼却場の湿式洗煙塔のブロー水(S
S:60mg/L,ダイオキシン類濃度:1.2ng−
TEQ/L)を反応槽に導入し、ピート系粉末活性炭
(中心細孔径20〜500Å,平均粒径20μm)を5
00mg/Lの割合で添加して0.5分、1分、5分、
10分、30分、60分、120分間それぞれ攪拌した
後、孔径0.05μmのAl製膜で膜分離処理
し、処理水(透過水)のダイオキシン類濃度を測定し、
結果を図3に示した。
【0037】図3より、ダイオキシン類を十分に吸着除
去するためには、1分以上、好ましくは5分以上の接触
時間が必要であることがわかる。
【0038】実施例1 図1に示す装置で、本発明に従ってダイオキシン類含有
液の処理を行った。
【0039】この装置では、ごみ焼却場の排ガスを粉末
活性炭スラリーで洗煙している湿式洗煙塔1のブロー水
を原水とし、濃縮槽2を経てポンプPにより膜分離装置
3に供給して固液分離し、透過水を処理水として系外へ
取り出し、濃縮液は濃縮槽2に循環した。
【0040】なお、粉末活性炭としては、ピート系活性
炭(中心細孔径20〜500Å,平均粒径20μm)を
用い、その添加量は湿式洗煙塔1のブロー水のSS中の
約90%程度(約500mg/L)である。
【0041】また、膜分離装置の分離膜としては、孔径
0.05μmのAl製膜を用い、膜分離処理条件
は以下の通りとした。 〔膜分離処理条件〕 原水流入量 :310L/hr 処理水取出量 :300L/hr 濃縮液循環量 :3000L/hr 濃縮槽からの濃縮液引き抜き量:10L/hr その結果、SS:543mg/L,ダイオキシン類濃
度:79ng−TEQ/Lの原水(湿式洗煙塔ブロー
水)から、ダイオキシン類濃度:0.0045ng−T
EQ/Lの処理水が得られ、高いダイオキシン類除去効
果が達成された。また、濃縮槽2内の水を分析したとこ
ろ、SS濃度は7840mg/Lであり、原水と比べて
14.4倍に濃縮されていた。
【0042】この実施例1においては、湿式洗煙塔1内
において粉末活性炭とダイオキシン類含有液とが十分な
時間接触しているため、濃縮槽2は、特に滞留時間が確
保される構成とはされていないが、この濃縮槽2に反応
槽としての機能を持たせても良い。
【0043】比較例1 実施例1において、膜分離装置の濃縮液を濃縮槽に返送
せずに系外に排出して運転したこと以外は、同様にして
処理を行ったところ、得られた処理水のダイオキシン類
濃度は0.0030ng−TEQ/Lで、ダイオキシン
類除去効果は良好であったが、系外へ排出される排水
(濃縮液)量は実施例1の場合の180倍であった。
【0044】実施例1及び比較例1の結果から、膜分離
装置の濃縮液を循環処理することにより、ダイオキシン
類の除去効果を殆ど変えることなく、排水量を大幅に低
減できることがわかる。
【0045】実施例2 図2に示す装置で、本発明に従ってダイオキシン類含有
液の処理を行った。
【0046】この装置では、ごみ焼却場の湿式洗煙塔の
ブロー水(SS:60mg/L,ダイオキシン類濃度:
1.5ng−TEQ/L)を反応槽4に導入し、ピート
系粉末活性炭(中心細孔径50〜200Å,平均粒径2
0μm)を500mg/Lの割合で添加して滞留させた
後、ポンプPにより、孔径0.05μmのAl
膜を装着した膜分離装置5に供給して固液分離し、透過
水を処理水として系外へ取出し、濃縮液は反応槽4に循
環した。
【0047】なお、反応槽4における滞留時間は1時間
となるようにして運転を行い、膜分離処理条件は以下の
通りとした。 〔膜分離処理条件〕 原水流入量 :200L/hr 処理水取出量 :190L/hr 濃縮液循環量 :2000L/hr 反応槽からの濃縮液引き抜き量:10L/hr 得られた処理水のダイオキシン類濃度を測定したとこ
ろ、処理水中からダイオキシン類は検出されなかった。
【0048】比較例2 実施例2において、反応槽を設けず、膜分離装置の1m
手前の送水ラインに粉末活性炭スラリーを実施例2と同
等の活性炭添加量となるように、注入したこと以外は同
様にして行った。
【0049】その結果、得られた処理水のダイオキシン
類濃度は0.3ng−TEQ/Lで、十分なダイオキシ
ン類除去効果を得ることはできなかった。
【0050】実施例2及び比較例2の結果から、膜分離
装置の前段に反応槽を設けてダイオキシン類含有液と粉
末活性炭との接触時間を確保することにより、ダイオキ
シン類を高度に除去することができることがわかる。
【0051】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、ダイオキ
シン類含有液に粉末活性炭を添加した後膜分離手段を用
いて固液分離することによりダイオキシン類含有液から
ダイオキシン類を除去するに当たり、膜分離手段から排
出される排水(濃縮液)を大幅に低減することができる
ため、排水処理設備の小型化、排水処理コストの低減を
図ることができる。
【0052】また、ダイオキシン類含有液と粉末活性炭
との接触時間を十分に確保してダイオキシン類含有液中
のダイオキシン類を高度に除去して高水質処理水を得る
と共に、添加した粉末活性炭当たりのダイオキシン類吸
着量を高めて粉末活性炭の必要量の低減を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における処理装置を示す系統図であ
る。
【図2】実施例2における処理装置を示す系統図であ
る。
【図3】実験例1で求めた接触時間と処理水のダイオキ
シン類濃度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 湿式洗煙塔 2 濃縮槽 3,5 膜分離装置 4 反応槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/52 C02F 9/00 502G 9/00 502 502P 503C 504E 503 B01D 53/34 134F 504 (72)発明者 藤原 昇 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D002 AA21 AC04 BA02 BA04 BA14 CA01 CA13 DA35 DA41 EA02 EA07 4D006 GA07 HA01 HA21 HA41 HA61 JA57Z JA67Z KA01 KA02 KA03 KA63 KA72 KB12 KB13 KD19 MA01 MA02 MA03 MA22 MC03 PA02 PB08 PB70 PC80 4D015 BA19 BA23 BB01 BB05 CA20 FA01 FA03 FA17 FA22 FA26 FA29 FA30 4D024 AA04 AB11 BA02 BB01 BC04 CA01 CA06 DB05 DB14 DB18 DB21 4D062 BA19 BA23 BB01 BB05 CA20 FA01 FA03 FA17 FA22 FA26 FA29 FA30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイオキシン類含有液に粉末活性炭を添
    加した後、膜分離手段を用いて固液分離するダイオキシ
    ン類含有液の処理方法において、 該膜分離手段の濃縮液を該膜分離手段の入口側へ返送す
    ることを特徴とするダイオキシン類含有液の処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該膜分離手段の濃縮
    液を引き抜く工程と、 引き抜いた濃縮液を凝集沈殿分離処理する工程と、 該凝集沈殿分離処理で分離された固形分中の有害物質を
    処理する工程とを備えることを特徴とするダイオキシン
    類含有液の処理方法。
  3. 【請求項3】 ダイオキシン類含有液に粉末活性炭を添
    加する粉末活性炭添加手段と、 粉末活性炭が添加されたダイオキシン類含有液を固液分
    離する膜分離手段と、 該膜分離手段の濃縮液を該膜分離手段の入口側に返送す
    る手段とを備えてなることを特徴とするダイオキシン類
    含有液の処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記膜分離手段の前
    段に、ダイオキシン類含有液の受入配管と、該膜分離手
    段からの返送濃縮液の受入配管と、該濃縮液の引き抜き
    配管とを有する反応槽が設けられていることを特徴とす
    るダイオキシン類含有液の処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、排ガスの湿式洗煙塔
    から排出されるダイオキシン類含有液を原水として処理
    する装置であって、前記粉末活性炭添加手段が湿式洗煙
    塔、原水槽、原水受入配管及び反応槽のいずれか1以上
    に設けられていることを特徴とするダイオキシン類含有
    液の処理装置。
JP2000047931A 2000-02-24 2000-02-24 ダイオキシン類含有液の処理方法及び処理装置 Pending JP2001232356A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000047931A JP2001232356A (ja) 2000-02-24 2000-02-24 ダイオキシン類含有液の処理方法及び処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000047931A JP2001232356A (ja) 2000-02-24 2000-02-24 ダイオキシン類含有液の処理方法及び処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001232356A true JP2001232356A (ja) 2001-08-28

Family

ID=18570098

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000047931A Pending JP2001232356A (ja) 2000-02-24 2000-02-24 ダイオキシン類含有液の処理方法及び処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001232356A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003225506A (ja) * 2002-02-05 2003-08-12 Daicen Membrane Systems Ltd 汚染排水の処理方法
WO2004062767A1 (ja) * 2003-01-16 2004-07-29 Nissei Bio Co., Ltd. 二本鎖dnaを用いた有害物質の濃縮除去方法、並びにそのための吸着体および装置
WO2004067453A1 (ja) * 2003-01-31 2004-08-12 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 難分解性有害物質含有廃水の処理方法
JP2006130452A (ja) * 2004-11-08 2006-05-25 Mhi Environment Engineering Co Ltd 焼却灰含有水の濾過システム、及び、それの濾過方法
WO2006082997A1 (ja) * 2005-02-02 2006-08-10 Kurita Water Industries Ltd. 溶解性cod成分除去剤、水処理方法及び水処理装置
JP2012045550A (ja) * 2011-11-28 2012-03-08 Idemitsu Kosan Co Ltd 難分解性物質含有水の処理方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003225506A (ja) * 2002-02-05 2003-08-12 Daicen Membrane Systems Ltd 汚染排水の処理方法
WO2004062767A1 (ja) * 2003-01-16 2004-07-29 Nissei Bio Co., Ltd. 二本鎖dnaを用いた有害物質の濃縮除去方法、並びにそのための吸着体および装置
WO2004067453A1 (ja) * 2003-01-31 2004-08-12 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 難分解性有害物質含有廃水の処理方法
US7335310B2 (en) 2003-01-31 2008-02-26 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Method of treating wastewater containing hardly decomposable harmful substances
JP2006130452A (ja) * 2004-11-08 2006-05-25 Mhi Environment Engineering Co Ltd 焼却灰含有水の濾過システム、及び、それの濾過方法
WO2006082997A1 (ja) * 2005-02-02 2006-08-10 Kurita Water Industries Ltd. 溶解性cod成分除去剤、水処理方法及び水処理装置
JP2012045550A (ja) * 2011-11-28 2012-03-08 Idemitsu Kosan Co Ltd 難分解性物質含有水の処理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5087370A (en) Method and apparatus to detoxify aqueous based hazardous waste
KR20080033260A (ko) 난분해성 물질 함유수의 처리방법
JP2001232356A (ja) ダイオキシン類含有液の処理方法及び処理装置
JPH0387699A (ja) 溶解・固体放射性物質の濃縮方法及び装置
JP4169614B2 (ja) 排水処理方法
JP3404013B2 (ja) 洗煙排水処理方法及び装置
JP5845478B2 (ja) 放射性物質含有排水の処理方法及び処理装置
JP2002228795A (ja) 放射性排水の処理方法及び処理装置
JP2004202313A (ja) 洗浄排水の処理方法及びその装置
JP3347673B2 (ja) 廃棄物の処理方法
JP3703368B2 (ja) 汚染土壌、スラリー等の浄化方法
KR100483694B1 (ko) 분말 활성탄을 이용한 흡착 반응장치 및 방법
JP2003340247A (ja) 水処理装置および方法
EP1914014A1 (en) Method of detoxification treatment for filter with persistent substance adhering thereto
JP2006007145A (ja) 一般ごみ焼却場排水の処理方法
JPH11319809A (ja) ダイオキシン類含有液の処理方法
JPH0356773B2 (ja)
JP2003266090A (ja) 排水処理方法
JP3704684B2 (ja) メッキ洗浄廃液処理装置及びその処理方法
JP2003220380A (ja) 土壌浄化装置
JPH06296993A (ja) 洗濯排水の処理方法
JP2008029911A (ja) 骨炭洗浄排水の処理方法
WO1999065585A1 (fr) Procede et equipement permettant de traiter des substances liquides non traitees
JPS60118283A (ja) 有機溶剤含有排水の処理方法
JP2005000713A (ja) インク廃液の処理方法