JP2008205061A - 半導体基板の製造方法 - Google Patents

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Takeshi Senda
剛士 仙田
Hiromichi Isogai
宏道 磯貝
Eiji Toyoda
英二 豊田
Akiko Narita
明子 成田
Koji Sensai
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Abstract

【課題】 2枚の半導体ウェーハが直接接合した半導体基板の製造方法であって、貼りあわせ前のウェーハを高速昇降温熱処理することにより、接合界面でのボイドの発生を効果的に抑制する半導体基板の製造方法を提供する。
【解決手段】 2枚の半導体ウェーハが直接接合した半導体基板の製造方法であって、第1の半導体ウェーハと第2の半導体ウェーハとを同一の処理炉内において、100℃/秒以上の昇温速度で、1000℃以上1400℃以下の所定温度まで加熱する工程と、この所定温度において、第1の半導体ウェーハと第2の半導体ウェーハとを貼り合わせる工程と、この貼り合せる工程において形成された半導体基板を、100℃/秒以上の降温速度で冷却する工程を有することを特徴とする半導体基板の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体基板の製造方法に関し、特に2枚の半導体ウェーハを直接接合することによって形成される半導体基板の製造方法に関する。
現在の半導体製品の製造においては、一般に、表面が単一の結晶面方位を有するシリコンウェーハなどの半導体ウェーハが使用される。特に、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)で構成されるLSI(Large Scale Integrated circuit)においては、結晶面方位が(100)のシリコンウェーハを使用することが主流となっている。
シリコンウェーハにおいては、MOSFETのキャリアのうち、電子は(100)結晶面方位の<110>方向で、正孔は(110)結晶面方位の<110>方向で高い移動度を有することが知られている。すなわち、(100)結晶面方位での正孔移動度は、電子移動度にくらべて1/2〜1/4になる。このアンバランスを補うため、通常、正孔をキャリアとするpMOSFETのチャネル幅は、電子をキャリアとするnMOSFETに対し幅広くなるように設計されている。この設計により、nMOSFETとpMOSFETの駆動電流のバランスが保たれ、均一な回路動作が保障されている。もっとも、この場合には、幅広のpMOSFETによりLSIのチップ面積が増大するという別の問題がある。
他方、(110)結晶面方位での<110>方向の正孔移動度は、(100)結晶面方位での正孔移動度に比べて約2倍になる。したがって、(110)面上に形成されたpMOSFETは、(100)面上に形成されたpMOSFETに比べて高い駆動電流を示す。しかし、残念ながら、(110)結晶面方位での電子移動度は、(100)結晶面方位に比べて大幅に劣化するためnMOSFETの駆動能力は劣化する。
このように、表面が(110)結晶面方位を有するシリコンウェーハは、正孔移動度に優れるためpMOSFETにとって最適であるが、電子移動度に劣るためnMOSFETには適していない。逆に、表面が(100)結晶面方位を有するシリコンウェーハは、電子移動度に優れるためnMOSFETにとって最適であるが、正孔移動度に劣るためpMOSFETには適していない。
そこで、2枚のウェーハの接合(貼り合わせ)によって、シリコンウェーハ表面に相異なる結晶面方位を有する領域を作成し、nMOSFETとpMOSFETをそれぞれ最適な結晶面方位の上に作成する様々な技術が提案されている。すなわち、例えば、シリコンウェーハ表面に(100)面と(110)面の領域を作成し、(100)面上にnMOSFETを、(110)面上にpMOSFETを形成することにより、高性能かつ高集積化されたLSIの実現を可能とする技術が提案されている。
その技術の一つとして、異なる結晶面方位を表面に有するシリコンウェーハ同士を直接接合したのち、シリコン等のイオン注入によって、上層のシリコン単結晶層を下層との接合界面までアモルファス化し、アニールで下層の結晶方位情報をもとに再結晶化することによって、シリコンウェーハ表面に相異なる結晶面方位を有する領域を作成する方法(ATR法:Amorphization/Templated Recrystalization法)が、例えば、特許文献1に開示されている。
そして、2枚のウェーハを直接接合した半導体基板は、上記LSIのみならず、半導体パワーデバイス、半導体圧力変換器、あるいはMEMS(メムス、Micro Electro Mechanical Systems)等さまざまな素子への適用が行われている。
このような、2枚のウェーハを直接接合した半導体基板の製造方法(例えば、特許文献2)においては、ウェーハの接合を強化する接合熱処理の際に、界面に存在するOH基や水分が界面からH0あるいはHガスして抜け出る際に凝集してボイドが発生するという問題があった。
このような、接合界面のボイド(界面ボイド)は、半導体基板を用いた素子形成の際に、界面高抵抗、ジャンクションリークの増大、機械的強度の低下等を生じさせ、さまざまな初期不良、信頼性不良の原因となる。したがって、ボイドの発生を抑制するための効果的な製造方法が切望されている。
例えば、特許文献2においては、2枚のウェーハの貼り合わせを減圧雰囲気中で行うことにより、界面に存在するOH基や水分等を減らし、界面ボイドの発生を抑制する技術が開示されている。
また、特許文献3においては、2枚のウェーハの貼り合わせを不活性ガス雰囲気中で行うことにより、界面に存在するOH基や水分等を減らし、界面ボイドの発生を抑制する技術が開示されている。
US 7,060,585 B1 特開昭60−51700号公報 特開2004−221447号公報
もっとも、例えば、特許文献2や特許文献3の方法においても、貼りあわせ前の、ウェーハ表面からOH基や水分等を完全に排除することは困難である。すなわち、減圧雰囲気中あるいは不活性ガス雰囲気中に置いたとしても、既に付着していた水分等は完全に除去されにくい。また、微量とはいえ雰囲気中にある水分等が付着する、したがって、貼りあわせ後の界面のOH基の除去も完全ではなかった。よって、従来の方法では接合界面でのボイド発生の抑制が必ずしも十分とはいえなかった。
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的とするところは、2枚の半導体ウェーハが直接接合した半導体基板の製造方法であって、貼りあわせ前のウェーハを高速昇降温熱処理することにより、接合界面でのボイドの発生を効果的に抑制する半導体基板の製造方法を提供することにある。
本発明の第1の態様の半導体基板の製造方法は、
2枚の半導体ウェーハが直接接合した半導体基板の製造方法であって、
第1の半導体ウェーハと第2の半導体ウェーハとを同一の処理炉内において、100℃/秒以上の昇温速度で、1000℃以上1400℃以下の所定温度まで加熱する工程と、
前記所定温度において、前記第1の半導体ウェーハと前記第2の半導体ウェーハとを貼り合わせる工程と、
前記貼り合せる工程において形成された半導体基板を、100℃/秒以上の降温速度で冷却する工程を有することを特徴とする。
ここで、前記加熱する工程および前記貼り合せる工程を、減圧雰囲気中または不活性ガス雰囲気中で行うことが望ましい。
ここで、前記冷却する工程の後、前記処理炉内で、100℃/秒以上の昇降温速度で、1000℃以上1400℃以下の温度で熱処理を行うことが望ましい。
また、本発明の第2の態様の半導体基板の製造方法は、
2枚の半導体ウェーハが直接接合した半導体基板の製造方法であって、
第1の半導体ウェーハを、減圧雰囲気中または不活性ガス雰囲気中において、100℃/秒以上の昇降温速度で、1000℃以上1400℃以下の温度で熱処理する工程と、
第2の半導体ウェーハを、減圧雰囲気中または不活性ガス雰囲気中において、100℃/秒以上の昇降温速度で、1000℃以上1400℃以下の温度で熱処理する工程と、
前記第1の半導体ウェーハを熱処理する工程および前記第2の半導体ウェーハを熱処理する工程の後、前記第1の半導体ウェーハおよび前記第2の半導体ウェーハを減圧雰囲気中または不活性ガス雰囲気中に保持した状態で、前記第1の半導体ウェーハと前記第2の半導体ウェーハとを貼り合わせる工程とを有することを特徴とする。
ここで、第2の態様の半導体基板の製造方法において、前記第1の半導体ウェーハを熱処理する工程、前記第2の半導体ウェーハを熱処理する工程および前記貼り合わせる工程を同一熱処理装置内で行い、前記貼り合わせる工程の後、前記熱処理装置内で、100℃/秒以上の昇降温速度で、1000℃以上1400℃以下の温度で熱処理を行うことが望ましい。
ここで、第1の態様および、第2の態様の半導体基板の製造方法において、前記貼り合せる工程において、前記第1の半導体ウェーハ表面および前記第2の半導体ウェーハ表面にたいして垂直方向に外力を加えることで、前記第1の半導体ウェーハと前記第2の半導体ウェーハとを圧着することが望ましい。
また、第1の態様および、第2の態様の半導体基板の製造方法において、前記第1の半導体ウェーハおよび前記第2の半導体ウェーハがシリコンウェーハであって、前記第1の半導体ウェーハおよび前記第2の半導体ウェーハのいずれか一方の表面が、概ね{100}の結晶面方位を有し、他方の表面が概ね{110}の結晶面方位を有することが望ましい。
本発明によれば、2枚の半導体ウェーハが直接接合した半導体基板の製造方法であって、貼りあわせ前のウェーハを高速昇降温熱処理することにより、接合界面でのボイドの発生を効果的に抑制する半導体基板の製造方法を提供することが可能になる。
以下、本発明に係る半導体基板の製造方法についての実施の形態につき、添付図面に基づき説明する。
なお、実施の形態においては、半導体ウェーハとしてシリコンウェーハを用いる場合を例にして説明するが、本発明は必ずしもシリコンウェーハを用いた半導体基板の製造方法に限定されるわけではない。
また、実施の形態においては、LSIを表面に製造するための、異なる結晶面方位を有するシリコンウェーハを重ね合わせたシリコン基板、いわゆるHOT(Hybrid crystal Orientation Technology)基板を例に説明するが、本発明の適用は必ずしもHOT基板に限られるものではない。
そして、本明細書中においては、(100)面、(110)面と結晶学的に等価な面を代表する表記として、それぞれ、{100}面、{110}面という表記を用いる。そして、〔100〕方向、〔110〕方向と結晶学的に等価な方向を代表する表記として、それぞれ<100>方向、<110>方向という表記を用いる。
〔第1の実施の形態〕
本実施の形態の半導体装置の製造方法は、2枚のシリコンウェーハが直接接合したシリコン基板の製造方法であって、第1のシリコンウェーハと第2のシリコンウェーハとを同一の処理炉内において、100℃/秒以上の昇温速度で、1000℃以上1400℃以下の所定温度まで加熱する工程と、この所定温度において、第1の半導体ウェーハと第2の半導体ウェーハとを貼り合わせる工程と、この貼り合せる工程において形成された半導体基板を、100℃/秒以上の降温速度で冷却する工程を有することを特徴とする。
そして、本実施の形態においては、第1のシリコンウェーハの表面は、概ね{100}の結晶面方位を有し、第2のシリコンウェーハの表面は概ね{110}の結晶面方位を有している。したがって、この2枚のシリコンウェーハが貼り合わせられることによって形成されるシリコン基板は、異なる結晶面方位を有するウェーハ同士が直接接合した、いわゆるHOT(Hybrid crystal Oreintation Technology)基板である。
ここで、直接接合するとは、2枚のウェーハの接合界面に厚いシリコン酸化膜がない状態、すなわち、明瞭に連続したシリコン酸化膜層が界面に形成されていない状態をいう。より厳密には、2枚のウェーハの少なくとも一部の領域で、界面を挟んで上側のシリコン原子と、下側のシリコン原子が酸素を介さずに結合している状態をいう。
以下、本実施の形態の半導体基板の製造方法について、図1の製造工程フローおよび図2の本実施の形態に用いられるRTP装置の概念図を参照しつつ、より具体的に記載する。
まず、図2(a)に示す本実施の形態に用いられる熱処理炉であるRTP(Rapid Thermal Processing)装置は、第1のシリコンウェーハ102を載置する載置台118、第2のシリコンウェーハ104を支持し、水平方向に移動することによって第2のシリコンウェーハ104を落下させることが可能な支持部材122、ウェーハの加熱のためにウェーハのためにリング状に配置されたハロゲンランプ120、これらを囲むチャンバー壁112によって構成されている。
ここで、支持部材122は、第2のシリコンウェーハ122支持のため、第2のシリコンウェーハ104外周に沿って、3箇所以上設けられている。
また、図2(b)に示すように、これらの支持部材112は、ウェーハ温度や加熱開始からの経過時間に連動して、水平移動機構(図示せず)により外側へ移動し、所望のタイミングで第2のシリコンウェーハ104を落下させ、第1のシリコンウェーハ102と貼り合せ、シリコン基板130を形成することが可能となっている。
本実施の形態の製造方法においては、まず、例えば、チョクラルスキー法(CZ法)により引上げた結晶方位{100}のシリコン単結晶インゴットを、切り出されるシリコンウェーハの表面が概ね{100}面の結晶面方位を有するようにスライスする。ここで、概ね{100}面の結晶方位を有するとは、具体的には{100}面に対して0度以上5度以下の傾斜角(オフ角)を有することをいう。
このスライスによって、表面が{100}面に対して所定の傾斜角(オフ角)を有するベースウェーハ(第1のシリコンウェーハ)102を準備する。
次に、やはり、例えば、チョクラルスキー法(CZ法)により引上げた結晶方位{110}のシリコン単結晶インゴットを、切り出されるシリコンウェーハの表面が概ね{100}面の結晶面方位を有するようにスライスする。ここで、概ね{100}面の結晶方位を有するとは、具体的には{100}面に対して0度以上5度以下の傾斜角(オフ角)を有することをいう。
このスライスによって、表面が{110}面に対して所定の傾斜角(オフ角)を有するボンドウェーハ(第2のシリコンウェーハ)104を準備する。
次に、これらのシリコンウェーハを、例えば、RCA洗浄等の前処理を行った後に、鏡面研磨する(図1のS1)。
なお、{100}面および{110}面に対する傾斜角を0度以上5度以下とするのは、この範囲を超えると、nMOSFET、pMOSFETそれぞれについて、キャリアの移動度の増大効果を十分に享受できなくなる可能性があるためである。
次に、RCA洗浄等のウェーハ洗浄(図1のS2)を行い、ウェーハ表面の付着物等を除去すると共に、1〜2nm程度の厚さのシリコン酸化膜(ケミカルオキサイド)をそれぞれの表面に成長させる。
次に、ベースウェーハ102およびボンドウェーハ104を、図2(a)に示すRTP装置で熱処理を行う。
まず、ベースウェーハ102は載置台118上に載置される。そして、ボンドウェーハ104は、支持部材122によって、ベースウェーハ102直上に支持される。この状態で、大気雰囲気で、例えば、ハロゲンランプ120により、1000℃以上1400℃
以下の所定温度、例えば1100℃まで100℃/秒以上の高速昇温を行い加熱する(図1のS3)。
そして、所定温度である1100℃において、支持部材122を水平移動機構(図示せず)により外側に移動させることによって、ボンドウェーハ104を落下させて、ベースウェーハ102と貼り合わせる(図1のS4)。
その後、所定温度である1100℃から100℃/秒以上の高速降温を行い冷却する(図1のS5)。
ここで、熱処理温度を1000℃以上1400℃以下の範囲とするのは、この範囲を下回ると、十分なOH基や水分等の除去効果が得られず、この範囲を上回るとウェーハへのスリップの発生や、金属不純物の汚染等が懸念されるからである。
また、高速昇降温速度を100℃/秒以上とするのは、この範囲を下回ると後に詳述する熱処理時間が増大することによる副作用が顕著となるからである。また、やはり後に詳述する、貼り合わせ時の気泡発生抑制効果が低下するからである。
なお、上記のように所定温度に達した時点で支持部材122を水平移動させることにより、ボンドウェーハ104を落下させるが、落下時期の判定は、例えば、熱伝対等によりウェーハ温度をモニタし、モニタ温度が所定温度に達した時点で支持部材122を移動させることによって可能となる。
また、この貼り合せる工程において、ベースウェーハ102およびバンドウェーハ104表面にたいして垂直方向に外力を加えることで、ベースウェーハ102およびバンドウェーハ104を圧着することがより望ましい。なぜなら、加圧することにより、更に2枚のウェーハの密着度があがり、ウェーハ界面に生ずる気泡を押し出すと共に、より強固な接合界面が実現できるためである。なお、加圧機構は図2には図示しないが、例えば、機械的に上方からボンドウェーハ104を加圧する円筒状の加圧機構を設けることによって貼り合わせ時の加圧が可能となる。
次に、貼り合わせにより形成されたシリコン基板130に対して、還元性ガス、不活性ガス、または、還元性ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気中、例えば、アルゴンガス雰囲気中で接合熱処理が行われる(図1のS6)。この熱処理により、主に水素結合により接合されていた2枚のウェーハ界面で、熱エネルギーにより、対向した原子同士の反応が進む。そして、シリコン(Si)同士、あるいは、シリコン(Si)と酸素(O)間で共有結合により結びつき、より強固な接合が形成される。
この熱処理は、十分に強固な接合を実現するために、例えば、縦型熱処理炉により1000℃〜1350℃の温度範囲で、30分〜5時間程度の条件で行われる。
なお、接合熱処理の雰囲気を、還元性ガス、不活性ガス、または、還元性ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気とするのは、酸化性ガスが存在する雰囲気中で処理を行った場合、ウェーハ表面あるいは接合界面が酸化されることを避けることが主な理由である。すなわち、表面の酸化膜を除去するための付加的工程により工程数が増大すること、あるいは、後の界面酸化膜除去の熱処理により、界面酸化膜を除去することが困難になることを回避するためである。
そして、上記接合熱処理を、同一のRTP装置の同一処理炉内で、連続して、例えば、100℃/秒以上の昇降温速度で、1000℃以上1400℃以下の温度で行うことも可能である。このように、同一のRTP装置の同一処理炉内で連続して接合熱処理を行うことにより、製造工程の短縮が可能となり、半導体基板の製造コストの削減が可能である。
また、接合熱処理を高速昇降温で行うことにより、一層のボイド削減効果を得ることが可能となる。
次に、半導体デバイス製造工程で素子が表面に形成されるシリコン上層となるボンドウェーハ104が、研削装置および研磨装置により研削、研磨することにより、例えば、200nm〜1μm程度に薄膜化される(図1のS7)。
この工程において、シリコン上層の表面を平坦化する処理を付加してもかまわない。この平坦化処理は、例えば、研磨装置による鏡面研磨、あるいは、ウェットエッチング等により行うことが考えられる。
なお、このシリコン上層の薄膜化は、半導体デバイス製造工程において、ATR法等により、異なる結晶面方位をウェーハ表面に現出させる場合には不可欠である。
次にシリコン基板130に対し、例えば、900℃以上1350℃以下の温度、30分以上5時間以下の時間、還元性ガス、不活性ガス、または、還元性ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気中で界面酸化膜除去熱処理が行われる(図1のS8)。この界面酸化膜除去熱処理は、シリコン基板130の界面シリコン酸化膜の、ウェーハ表面への酸素拡散による除去を行うための熱処理である。この熱処理は、例えば、ヒーター加熱による縦型熱処理炉を用いて行う。
ここで、界面酸化膜除去熱処理の雰囲気を、還元性ガス、不活性ガス、または、還元性ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気中とするのは、酸化性ガスが混入すると、界面シリコン酸化膜からウェーハ表面への酸素拡散が生じないため、界面シリコン酸化膜が除去されないためである。
また、熱処理を900℃以上1350℃以下の温度、30秒以上2時間以下の時間とするのは、これより低温または短時間の範囲では、熱処理による界面酸化膜の除去の実現が困難となるからである。また、これより高温または長時間の範囲では、シリコンウェーハの金属汚染が増大するからである。さらに、高温または長時間の範囲では、シリコンウェーハへのスリップ発生の可能性が高くなり、かつ、熱処理装置の部材寿命が短くなり現実的でないからである。
このようにして、平坦化された表面が概ね{110}の結晶面方位を有するシリコン上層と、表面が概ね{100}の結晶面方位を有するベースウェーハ102が、シリコン酸化膜のない界面で接合されたシリコン基板が形成される。
以上の本実施の形態の半導体基板の製造方法によれば、接合界面でのボイドの発生が効果的に抑制されるという作用・効果が得られる。
この点について、以下説明する。
確かに、従来の不活性ガス、あるいは減圧雰囲気中でのウェーハ貼り合わせによっても、貼り合わせ雰囲気中から水分量等を低減させることにより、ウェーハ表面のOH基や水分等を減少させ、後の接合熱処理における界面ボイドの発生を抑制できた。しかしながら、上述のように、従来の方法では、不活性ガスあるいは減圧雰囲気中にウェーハを導入する前に吸着していた水分等は、必ずしも十分に除去できない。また、微量ではあるが不活性ガスあるいは減圧ガス雰囲気中にも水分等は存在する。
本実施の形態においては、ウェーハを加熱することにより、貼り合わせの前に、積極的にウェーハ表面に存在しているOH基や水分等を雰囲気中に拡散させることによって、より効果的に除去する。そして、温度を低下させることなく高温状態のまま貼り合わせることによって、ウェーハ表面の水分量等が低い状態を維持したまま、貼り合わせが行われる。したがって、効果的に接合熱処理の際に発生する界面ボイドの抑制が可能である。
また、従来に比較して、熱処理が追加されるが、熱処理の際に、昇降温速度を100℃/秒以上とする高速昇降温を用いるため、昇降温の時間が短縮される。したがって、通常の昇降温速度を有する縦型熱処理炉を用いることに比べれば、半導体基板製造のスループットが格段にあがり、製造コストの低減が可能である。よって、従来の方法よりも大幅にコストが増大することはない。さらに、本実施の形態においては、大気圧中で貼り合わせを行うため、従来の方法のように、処理炉に機密性を要求しない。この点において、本実施の形態のコスト削減効果が発揮される。そして、高速昇降温で熱処理を行うため、通常の処理炉に比較して、ベースウェーハ、ボンドウェーハおよびこれら2枚のウェーハが接合されたシリコン基板の経る熱処理時間が短くなる。したがって、後に、半導体素子特性を劣化させる酸素析出物の発生等、シリコンの結晶性に対する影響も効果的に抑制できる。
さらに、昇降温速度を100℃/秒以上とする高速昇温した場合には、ウェーハ表面がウェーハ裏面に比べて高温になるため相対的に膨張し、ウェーハ表面が凸状に反り返る。特に、ウェーハ表面が下向きで支持部材のみによって、ウェーハ周辺が支持されるボンドウェーハは、所定温度到達時の下側に向かってウェーハ表面が凸状になる度合いが大きい。したがって、この状態で、ボンドウェーハが落下し、ベースウェーハと貼り合わせられることによって、まずウェーハの中心部が接触し、続いてウェーハ外周に向けて接触面積が拡大していく。したがって、2枚のウェーハ界面の間に、ウェーハ貼り合わせ時に気泡が残存することを防止するという効果も得られる。このような、気泡は、上述の界面ボイド同様、半導体素子の不良原因となるため、貼り合わせ時に排除されることが望ましい。
また、高温で熱処理することにより、ウェーハ表面の酸化膜中の酸素の雰囲気中への拡散が促進される。したがって、ウェーハ貼り合わせ後の界面酸化膜の厚さを薄くすることが可能となる。よって、後の界面酸化膜除去熱処理による界面酸化膜除去が容易になるという作用・効果もある。
なお、本実施の形態においては、高速昇降温を実現する装置としてRTP装置を例に説明したが、高速昇降温が可能な装置であれば、例えば、FLA(フラッシュランプアニール、Flash Ramp Anneal)装置あるいはレーザーアニール(Laser Anneal)装置等を用いてもかまわない。
そして、例えば、RTP装置で用いられるハロゲンランプにかえてキセノンランプ等を用いてより速い昇降温速度を実現するFLA装置を用いることにより、熱処理時間が短縮されて、より効率よく界面ボイドの発生を抑制することが可能となる。また、酸素析出物の発生等、シリコン基板への影響もより効果的に抑制できる。そして、ウェーハ表面と裏面との相対的温度差がRTA装置に比較して大きくなるため、ウェーハ表面の反り量も大きくなる。したがって、上述の気泡除去効果も大きくなる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の半導体基板の製造方法の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態の半導体基板の製造方法は、ベースウェーハとボンドウェーハとを貼り合わせる工程を、減圧雰囲気中かつ不活性ガス雰囲気中で行う以外は、第1の実施の形態と同様であるので記述を省略する。
まず、図3(a)に示す本実施の形態に用いられる熱処理炉であるRTP装置は、第1の実施の形態に用いられる図2(a)のRTP装置に加え、炉内を減圧雰囲気に保持するための排気管114および真空ポンプ116が設けられている。また、炉内を不活性ガス雰囲気に保持するためのガス導入管124が設けられている。
本実施の形態の半導体基板の製造方法においては、図3(a)のRTP装置により、例えば、アルゴンガス雰囲気、10Pa以下の減圧下で、図1の高速昇温(S3)、図3(b)に示す貼りあわせ(S4)、高速降温(S5)のステップを行う。
この処理によって、第1の実施の形態の作用・効果に加え、さらに界面ボイドの発生を抑制することが可能となる。なぜなら、減圧雰囲気かつ不活性ガス雰囲気においては、雰囲気中の水分量等が低く抑えられるため、ウェーハ表面への水分等吸着量がさらに低減できるからである。
なお、界面ボイドの発生をもっとも効果的に抑制するためには、上述のように減圧雰囲気中かつ不活性雰囲気中で熱処理することが望ましいが、減圧雰囲気中または不活性ガス雰囲気中いずれか一方の雰囲気中においても、大気雰囲気中で行われる第1の実施の形態に比べ、一定の効果をあげることが可能である。
〔第3の実施の形態〕
本実施の形態の半導体基板の製造方法は、2枚のシリコンウェーハが直接接合したシリコン基板の製造方法であって、第1のシリコンウェーハを、減圧雰囲気中かつ不活性ガス雰囲気中において、100℃/秒以上の昇降温速度で、1000℃以上1400℃以下の温度で熱処理する工程と、第2のシリコンウェーハを、減圧雰囲気中かつ不活性ガス雰囲気中において、100℃/秒以上の昇降温速度で、1000℃以上1400℃以下の温度で熱処理する工程と、第1のシリコンウェーハを熱処理する工程および第2のシリコンウェーハを熱処理する工程の後、第1のシリコンウェーハおよび第2のシリコンウェーハを減圧雰囲気中かつ不活性ガス雰囲気中に保持した状態で、第1のシリコンウェーハと第2のシリコンウェーハとを貼り合わせる工程とを有することを特徴とする。
そして、本実施の形態においては、第1のシリコンウェーハの表面は、概ね{100}の結晶面方位を有し、第2のシリコンウェーハの表面は概ね{110}の結晶面方位を有している。
以下、本実施の形態の半導体基板の製造方法について、図4の製造工程フローおよび図5の本実施の形態に用いられる熱処理炉の概念図を参照しつつ、より具体的に記載する。
まず、図5に示す本実施の形態に用いられる熱処理炉であるRTP装置は、ウェーハ導入用ロードロックチャンバー202、ウェーハ搬出用ロードロックチャンバー204、搬送チャンバー206、第1のRTPチャンバー208、第2のRTPチャンバー210および貼り合わせ用チャンバー212で構成されている。
本実施の形態の製造方法においては、まず、例えば、チョクラルスキー法(CZ法)により引上げた結晶方位{100}のシリコン単結晶インゴットを、切り出されるシリコンウェーハの表面が概ね{100}面の結晶面方位を有するようにスライスする。ここで、概ね{100}面の結晶方位を有するとは、具体的には{100}面に対して0度以上5度以下の傾斜角(オフ角)を有することをいう。
このスライスによって、表面が{100}面に対して所定の傾斜角(オフ角)を有するベースウェーハ(第1のシリコンウェーハ)102を準備する。
次に、やはり、例えば、チョクラルスキー法(CZ法)により引上げた結晶方位{110}のシリコン単結晶インゴットを、切り出されるシリコンウェーハの表面が概ね{100}面の結晶面方位を有するようにスライスする。ここで、概ね{100}面の結晶方位を有するとは、具体的には{100}面に対して0度以上5度以下の傾斜角(オフ角)を有することをいう。
このスライスによって、表面が{110}面に対して所定の傾斜角(オフ角)を有するボンドウェーハ(第2のシリコンウェーハ)104を準備する。
次に、これらのシリコンウェーハを、例えば、RCA洗浄等の前処理を行った後に、鏡面研磨する(図4のS21)。
次に、RCA洗浄等のウェーハ洗浄(図4のS22)を行い、ウェーハ表面の付着物等を除去すると共に、1〜2nm程度の厚さのシリコン酸化膜(ケミカルオキサイド)をそれぞれの表面に成長させる。
次に、ベースウェーハ(第1のウェーハ)102およびボンドウェーハ(第2のウェーハ)104を、図5に示すRTP装置のウェーハ導入用ロードロックチャンバー202にセットする。
まず、ベースウェーハ102はウェーハ導入用ロードロックチャンバー202から搬送用ロボット(図示せず)によって、減圧雰囲気かつ不活性ガス雰囲気に制御された搬送チャンバー206を経由して、第1のRTPチャンバー208にて熱処理される(第1のウェーハ熱処理、図4のS23)。この熱処理は、減圧雰囲気かつ不活性ガス雰囲気中、100℃/秒以上の昇降温速度で、1000℃以上1400℃以下の温度で行われる。
次に、ベースウェーハ102の熱処理中に、ボンドウェーハ104はウェーハ導入用ロードロックチャンバー202から搬送用ロボット(図示せず)によって、減圧雰囲気かつ不活性ガス雰囲気に制御された搬送チャンバー206を経由して、第2のRTPチャンバー206にて熱処理される(第2のウェーハ熱処理、図4のS24)。この熱処理も、減圧雰囲気かつ不活性ガス雰囲気中、100℃/秒以上の昇降温速度で、1000℃以上1400℃以下の温度で行われる。
なお、ここで第1のウェーハ熱処理および第2のウェーハ熱処理の条件を、減圧雰囲気かつ不活性ガス雰囲気中、100℃/秒以上の昇降温速度で、1000℃以上1400℃以下の温度する理由は、第1および第2の実施の形態と同様である。
次に、第1のウェーハ熱処理を終えたベースウェーハ102は、大気中に開放されることなく、減圧雰囲気かつ不活性ガス雰囲気に制御された搬送チャンバー206を経由して、貼り合わせチャンバー212に移送される。
続いて、第2のウェーハ熱処理を終えたボンドウェーハ104も、大気中に開放されることなく、減圧雰囲気かつ不活性ガス雰囲気に制御された搬送チャンバー206を経由して、貼り合わせチャンバー212に移送される。
次に、やはり、減圧雰囲気かつ不活性ガス雰囲気に制御された、貼り合わせチャンバー212内において、ベースウェーハ102とボンドウェーハ104の貼り合わせが行われる(図4のS25)。
次に、貼り合わせにより形成されたシリコン基板130は、搬送チャンバー206を経由してウェーハ搬出用ロードロックチャンバー204へと移送され、RTP装置外へと搬出される。
このように、本実施の形態の半導体基板の製造方法においては、第1のウェーハ熱処理(S23)、第2のウェーハ熱処理(S24)および貼り合わせ(S25)の間、処理されるウェーハを大気中に開放することなく、減圧雰囲気中かつ不活性ガス雰囲気中に保持したままにすることが最大の特徴である。
この後、シリコン基盤130に対して、第1および第2の実施の形態同様の条件で接合熱処理が行われる(図1のS26)。
なお、上記接合熱処理を、同一のRTP装置内で、連続して、例えば、100℃/秒以上の昇降温速度で、1000℃以上1400℃以下の温度で行うことも可能である。このように、同一のRTP装置内で連続して接合熱処理を行うことにより、製造工程の短縮が可能となり、半導体基板の製造コストの削減が可能である。
また、接合熱処理を高速昇降温で行うことにより、一層のボイド削減効果を得ることが可能となる。
次に、第1および第2の実施の形態同様、ボンドウェーハ104の薄膜化が行われる(図4の27)。
次に、やはり、第1および第2の実施の形態同様、シリコン基板130に対し界面酸化膜除去熱処理が行われる(図4のS28)。
このようにして、平坦化された表面が概ね{110}の結晶面方位を有するシリコン上層と、表面が概ね{100}の結晶面方位を有するベースウェーハ102が、シリコン酸化膜のない界面で接合されたシリコン基板が形成される。
以上の本実施の形態の半導体基板の製造方法によれば、接合界面でのボイドの発生が効果的に抑制されるという作用・効果が得られる。
本実施の形態によれば減圧雰囲気中かつ不活性ガス雰囲気中で高温熱処理されることにより、ウェーハ表面に存在するOH基や水分等が効果的に除去され、その後も貼り合わせまでの間、大気中に暴露されることが無いため、水分等の付着がない。したがって、界面の水分量等が低く保たれるため、後の接合熱処理による脱ガスに起因する界面ボイドの発生が抑制されるからである。
なお、界面ボイド発生を抑制する観点からは、第1のウェーハ熱処理(S23)、第2のウェーハ熱処理(S24)、貼り合わせ(S25)は、熱処理減圧雰囲気中、かつ、不活性ガス雰囲気中であることが望ましいが、減圧雰囲気中または不活性ガス雰囲気中のいずれか一方の雰囲気中で行われても、大気中に暴露することに比べれば、十分な界面ボイドの発生を抑制する効果をえることができる。
また、通常の昇降温速度を有する縦型熱処理炉を用いることに比べれば、半導体基板製造のスループットが格段にあがり、製造コストの低減が可能であることは第1および第2の実施の形態と同様である。そして、高速昇降温で熱処理を行うため、半導体素子特性を劣化させる酸素析出物の発生等の結晶性への影響が効果的に抑制できる点についても第1および第2の実施の形態と同様である。
また、高温で熱処理することにより、ウェーハ表面の酸化膜中の酸素の雰囲気中への拡散が促進され、後の界面酸化膜除去熱処理による界面酸化膜除去が容易になるという作用・効果がある点についても第1および第2の実施の形態同様である。
本実施の形態においては、第1の熱処理および第2の熱処理後、大気開放されず、非酸化性雰囲気に保持されるため、熱処理により除去あるいは薄膜化した酸化膜が、貼り合わせ前に成長することがない。
なお、本実施の形態においては、高速昇降温を実現する装置としてRTP装置を例に説明したが、高速昇降温が可能な装置であれば、例えば、FLA(フラッシュランプアニール、Flash Ramp Anneal)装置あるいはレーザーアニール(Laser Anneal)装置等を用いてもかまわない。
そして、例えば、RTP装置で用いられるハロゲンランプにかえてキセノンランプ等を用いてより速い昇降温速度を実現するFLA装置を用いることにより、熱処理時間が短縮されて、より効率よく界面ボイドの発生を抑制することが可能となる。また、酸素析出物の発生等の結晶性に対する影響もより効果的に抑制できる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。実施の形態の説明においては、半導体基板、半導体基板の製造方法等で、本発明の説明に直接必要としない部分等については記載を省略したが、必要とされる半導体基板、半導体基板の製造方法等に関わる要素を適宜選択して用いることができる。
例えば、実施の形態においては、表面が概ね{110}の結晶面方位を有するシリコンウェーハと、表面が概ね{100}の結晶面方位を有するシリコンウェーハを接合するシリコン基板の製造方法について記述したが、本発明は、これ以外の異なる結晶面方位を有するシリコンウェーハ同士、あるいは、同一の結晶面方位を有するシリコンウェーハ同士を接合するシリコン基板の製造方法に適用することが可能である。
また、本実施の形態においては、不活性ガスとしてアルゴンガスを例示したが、窒素ガス等その他の不活性ガスを用いてもかまわない。
また、例えば、実施の形態においては、半導体ウェーハの材料がSi(シリコン)ある場合について記述したが、本発明をその他の半導体材料とする半導体ウェーハ、例えば、SixGe1−x(0≦x<1)、SiC、GaN、GaAs、InP等を材料とする半導体ウェーハについても適用することが可能である。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての半導体基板の製造方法は、本発明の範囲に包含される。
以下、本発明の実施例について説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
(実施例)
まず、チョコラルスキー法(CZ法)により、φ200mm(8インチ)の結晶面方位(100)のシリコン単結晶インゴットを製造した。そして、このシリコン単結晶インゴットを、シリコンウェーハ表面の(100)に対するオフ角が0.2度となるようにスライスしベースウェーハを準備した。
次に、チョコラルスキー法(CZ法)により、φ200mm(8インチ)の結晶面方位(110)のシリコン単結晶インゴットを製造した。そして、このシリコン単結晶インゴットを、シリコンウェーハ表面の(110)に対するオフ角が0.2度となるようにスライスしボンドウェーハを準備した。
これらのインゴットは、ボロンを不純物とするpタイプシリコン単結晶であり、抵抗率は9〜22Ωcmとした。
次に、スライスによって得られたベースウェーハおよびボンドウェーハを、RCA洗浄を行った後に、鏡面研磨した。
その後に、ベースウェーハおよびボンドウェーハを希HF処理した後、RCA洗浄を行い、2nm程度のシリコン酸化膜(ケミカルオキサイド)をウェーハ表面に形成した。
そして、この2枚のウェーハを同時にRTP装置に挿入し、高速昇温を行い、設定温度に達した時点で貼り合わせを行い、シリコン基板を形成した。その後、高速降温を行った。この時、高速昇温、高速降温は400℃/秒で行った。また、設定温度は1000℃、1200℃、1300度の3条件として、設定温度における熱処理時間はすべて60秒とした。
貼り合わせの後に、シリコン基板に対し、縦型熱処理炉により、1000℃、1時間の接合熱処理を行った。
以上のシリコン基板について、公知の超音波照射による手法(超音波探傷法)によりボイド検査を行い基板中のボイド総面積を算出した。ボイド検査の結果は図6に示す。
また、SIMS(Secondary Ion Mass Spectroscopy)検査により、貼り合わせ界面の酸素(O)を分析し、酸素面密度を求めた。結果は図7に示す。
(比較例)
比較例として、実施例のRTP装置での熱処理にかえて、ヒーター加熱方式の熱処理炉で、400℃、500℃、600℃でそれぞれ30分、昇降温速度を5〜10℃/分の熱処理をする以外は、実施例と同様の条件で処理したシリコン基盤を準備した。ボイド検査の結果、SIMS検査の結果は、それぞれ、図6、図7に示す。
図6は、ボイド検査結果である。RTP装置により貼り合わせたシリコン基板のボイド面積は、約30mm以下と良好である。これに対し、ヒーター加熱の場合は、ボイド面積が100〜120mmとなっている。
また、酸素面密度は、加熱温度の高いRTP装置の場合が減少している。
本実施例によって、本発明によれば、2枚の半導体ウェーハが直接接合した半導体基板の製造方法において、接合界面でのボイドの発生を効果的に抑制することが可能であることが示された。
第1の実施の形態の半導体基板の製造方法のフロー。 第1の実施の形態で用いられるRTP装置の概念図。 第2の実施の形態で用いられるRTP装置の概念図。 第3の実施の形態の半導体基板の製造方法のフロー。 第3の実施の形態で用いられるRTP装置の概念図。 実施例および比較例のボイド検査結果を示す図。 実施例および比較例のSIMS検査結果を示す図。
符号の説明
102 ベースウェーハ(第1のシリコンウェーハ)
104 ボンドウェーハ(第2のシリコンウェーハ)
112 チャンバー壁
114 排気管
116 真空ポンプ
118 載置台
120 ハロゲンランプ
122 支持部材
124 ガス導入管
130 シリコン基板
202 ウェーハ導入用ロードロックチャンバー
204 ウェーハ搬出用ロードロックチャンバー
206 搬送チャンバー
208 第1のRTPチャンバー
210 第2のRTPチャンバー
212 貼り合わせ用チャンバー

Claims (7)

  1. 2枚の半導体ウェーハが直接接合した半導体基板の製造方法であって、
    第1の半導体ウェーハと第2の半導体ウェーハとを同一の処理炉内において、100℃/秒以上の昇温速度で、1000℃以上1400℃以下の所定温度まで加熱する工程と、
    前記処理炉内において、前記所定温度において、前記第1の半導体ウェーハと前記第2の半導体ウェーハとを貼り合わせる工程と、
    前記処理炉内において、前記貼り合せる工程において形成された半導体基板を、100℃/秒以上の降温速度で冷却する工程を有することを特徴とする半導体基板の製造方法。
  2. 前記加熱する工程および前記貼り合せる工程を、減圧雰囲気中または不活性ガス雰囲気中で行うことを特徴とする請求項1記載の半導体基板の製造方法。
  3. 前記冷却する工程の後、前記処理炉内で、100℃/秒以上の昇降温速度で、1000℃以上1400℃以下の温度で熱処理を行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載の半導体基板の製造方法。
  4. 2枚の半導体ウェーハが直接接合した半導体基板の製造方法であって、
    第1の半導体ウェーハを、減圧雰囲気中または不活性ガス雰囲気中において、100℃/秒以上の昇降温速度で、1000℃以上1400℃以下の温度で熱処理する工程と、
    第2の半導体ウェーハを、減圧雰囲気中または不活性ガス雰囲気中において、100℃/秒以上の昇降温速度で、1000℃以上1400℃以下の温度で熱処理する工程と、
    前記第1の半導体ウェーハを熱処理する工程および前記第2の半導体ウェーハを熱処理する工程の後、前記第1の半導体ウェーハおよび前記第2の半導体ウェーハを減圧雰囲気中または不活性ガス雰囲気中に保持した状態で、前記第1の半導体ウェーハと前記第2の半導体ウェーハとを貼り合わせる工程とを有することを特徴とする半導体基板の製造方法。
  5. 前記第1の半導体ウェーハを熱処理する工程、前記第2の半導体ウェーハを熱処理する工程および前記貼り合わせる工程を同一熱処理装置内で行い、
    前記貼り合わせる工程の後、前記熱処理装置内で、100℃/秒以上の昇降温速度で、1000℃以上1400℃以下の温度で熱処理を行うことを特徴とする請求項4記載の半導体基板の製造方法。
  6. 前記貼り合せる工程において、前記第1の半導体ウェーハ表面および前記第2の半導体ウェーハ表面にたいして垂直方向に外力を加えることで、前記第1の半導体ウェーハと前記第2の半導体ウェーハとを圧着することを特徴とする請求項1ないし請求項5記載の半導体基板の製造方法。
  7. 前記第1の半導体ウェーハおよび前記第2の半導体ウェーハがシリコンウェーハであって、前記第1の半導体ウェーハおよび前記第2の半導体ウェーハのいずれか一方の表面が、概ね{100}の結晶面方位を有し、他方の表面が概ね{110}の結晶面方位を有することを特徴とする請求項1ないし請求項6記載の半導体基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011086734A1 (ja) * 2010-01-15 2011-07-21 住友電気工業株式会社 炭化珪素基板の製造方法
JP2011151127A (ja) * 2010-01-20 2011-08-04 Tokyo Electron Ltd 接合装置、接合方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体
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