JP2008202728A - プーリ - Google Patents

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栄 梅田
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Abstract

【課題】自動調心プーリ4をベルト伝動装置A等に組み込む際の調整を容易に行えるようにする。
【解決手段】プーリ本体5を回転自在に支持する円筒部材7に主軸部材8が挿入され、それらがピン9(枢軸C2)により揺動可能に連結されている。枢軸C2を軸荷重L方向に対しプーリ本体5の回転方向前側に角度α傾倒させることで、ベルト3の片寄りを生じたときにプーリ本体5が、軸荷重方向にて高低差を生ずるように傾斜しかつベルト3に対し斜交いになるように回動変位して、ベルト3を元に戻す力を発生する。プーリ本体5の側部に所定の角度範囲に亘って目盛りs,s,…を設ける一方、それを支持する円筒部材7には枢軸C2の方向を示すようにマークMを設ける。
【選択図】 図8

Description

本発明は、ベルトを巻き掛けるプーリの構造に関し、特に平ベルトの蛇行や片寄りを防止するための自動調心機能を有するものに係る。
従来より、平ベルトを用いたベルト駆動装置においては、ベルトが走行中に蛇行したり、プーリの片側に寄る片寄り走行をしたりする、という問題のあることが知られている。これは、平ベルトが、他のベルトに比べて、プーリ軸の正規位置からのずれや、軸荷重の変化によるプーリ軸のたわみ、プーリの揺れ等のミスアライメントに敏感なためである。このような蛇行・片寄り走行を生じた場合には平ベルトがプーリのフランジに接触して、その側面に毛羽立ちや心線のほつれを生ずる。
この問題に対してプーリの外周面にクラウンをつけることは良く知られている(例えば特許文献1等を参照)。すなわち、プーリ外周面が中凸形状となるようにその幅の中央寄りを相対的に大径として、ベルト幅内で張力差が生じるようにすると、張力の高い中央部に向かってベルトが左右両側から引き寄せられ、プーリ幅の中央付近を安定して走行するようになるからである(以下、そのようにして張力が高くなっている側にベルトが寄っていくことをクラウン作用ともいう)。
そのように張力の高い側にベルトが寄っていく理由は未だ十分に解明されていないが、例えば平ベルトがクラウンのついたプーリの外周上で幅方向に片寄り、そのベルト幅内で張力差を生じると、この張力差によってベルトが該クラウンプーリ自体やその進出側のプーリ上で斜めに巻き付くようになり、この結果としてベルトの走行位置が変化するものと考えられている。
また、特許文献2には、プーリの外周面に多数の溝を周方向に間隔をおいて形成したものが開示されている。その溝は、プーリの幅中央から左右両側へ「く」の字状になるように対称に延びたものであり、ベルトとプーリとの間に該ベルトを中央に寄せるような摩擦力を発生させて、当該ベルトの蛇行ないしは片寄りを防止するようになっている。
さらに、平プーリの両側にガイドプーリを配置し、これによりベルトの走行位置を規制するという技術も知られている(例えば特許文献3等を参照)。
しかしながら、前記従来例のようにプーリ外周にクラウンをつける場合、ベルトの走行安定性(蛇行や片寄りの防止)を重要視してクラウンの曲率半径を小さくすれば、そのベルトの幅の中央付近に応力が集中し、ベルト幅全体を伝動に有効に利用することができず、心線の早期疲労及び伝動能力の低下を招くことになる。
また、平プーリに上述の如き溝加工をすると、該平プーリの製造コストが高くなり、しかも、溝加工だけではベルトの蛇行や片寄りを確実に防止することは難しい。
さらに、平プーリの両側にガイドプーリ等を配置してその走行位置を規制する方式を採用すると、ベルトの両側がそのような規制部材に常時接触することになるため、その側面のほころび、心線のほつれを生じ易くなる。従って、それらを防止するためにベルトに特殊な加工を施すことが必要になり、その製造コスト低減に不利になる。
以上のような理由から、平ベルトは、Vベルトなど他のベルトに比べて曲げによるロスが少なく、伝動効率が非常に高いにも拘わらず、伝動装置において十分に活用されていないのが実情である。また、前記の蛇行や片寄り走行は、ベルト伝動装置のみならず、ベルト搬送装置も含めたベルト駆動装置全般に共通の問題である。
このような問題に対して本願の発明者は、ベルトの片寄りを生じたときに、このベルトの張力によってプーリやプーリの軸にかかる軸荷重の位置が変化することを利用して、この軸荷重によりプーリをベルトの走行方向に対し斜交いになるように傾斜させ、これによりベルトの片寄りを戻すようにした新規なベルト伝動装置を開発して、先に特許出願をしている(例えば特許文献4を参照)。
この先願に係るベルト伝動装置(特許文献4)の特徴は、前記の如く自動的にベルトの走行位置を調整するプーリ(以下、自動調心プーリともいう)の構造にあり、具体的には本発明の実施形態である図2〜4を参照して説明すると、自動調心プーリ1は、ベルト3の巻き掛けられるプーリ本体5と、これを回転自在に支持する筒状の軸部材7(以下、筒部材という)と、この筒部材7の内部に挿入された支持ロッド8(以下、主軸部材という)とを備え、その筒部材7及び主軸部材8がピン9等により互いに揺動可能に連結されている。
そして、自動調心プーリ1がベルト伝動装置に組み込まれた状態では、図4のようにプーリ本体5の回転中心軸C1に沿って見て、前記ピン9等の軸心C2、即ち、主軸部材8に対するプーリ本体5及び筒部材7の揺動中心(以下、枢軸という)が、該プーリ本体5の回転中心軸C1に直交し、かつ軸荷重Lの方向に対して当該プーリ本体5の回転方向前側に所定角度αだけ傾倒するようになされている。
こうすると、ベルト3の片寄りに伴い軸荷重Lの位置がプーリ幅方向にずれて、この軸荷重Lによりプーリ本体5が揺動し、枢軸C2の周りに回動変位したときに、その軸荷重Lの方向について高低をみれば、プーリ本体5はベルト3の片寄ってきた側が低く、反対側が高くなるように傾斜するとともに、そのベルト3の片寄ってきた側がベルト走行方向の前側になるように、ベルト3の走行方向に対して斜交いの状態になる。
そうして軸荷重Lの方向に傾斜することでプーリ本体5の外周面は、あたかも上述のクラウンプーリのような状態になり、クラウン作用によってベルト3がその張力の高い側、即ちプーリ幅の中央寄りに引き寄せられることになる。また、ベルト3の片寄ってきた側が前側になるように、プーリ本体5がベルト3の走行方向に対し斜交いになることで、直接的にベルト3の走行方向がプーリ幅の中央寄りに向けられることになり、それら両方の作用によってベルト3の走行位置が速やかにプーリ幅の中央寄りに戻されるのである。
実開昭59−45351号公報 特開平06−307521号公報 実公昭63−6520号公報 特開2005−121205号公報
ところで、前記のような自動調心プーリ(特許文献4)によるベルトの走行位置の修正機能を有効に発揮させるためには、軸荷重Lの方向に対する枢軸C2の傾倒状態が極めて重要であり、その傾倒角αの大きさによってプーリ本体の揺動し易さが変化するとともに、それが揺動したときの軸荷重方向への傾斜の度合と、ベルト進行方向に対し斜交いになる度合とがそれぞれ変化することから、前記のようにベルトの片寄りを修正する際の応答性や修正可能な片寄りの大きさ等、或いはプーリ自体の耐久性にも大きな影響が及ぶことになる。
そのため、従来は実際に自動調心プーリのプーリ本体にベルトを巻き掛けて、その接触角を例えば分度器により実測し、これに基づいて軸荷重の方向を特定した後に、この方向に対して枢軸が所定角度、傾倒するようにしてプーリの主軸を固定しており、手間がかかる上に、ベルトのレイアウトによっては実測し難い場合もあって誤差が大きくなり易く、ひいては枢軸の傾倒角の設定にばらつきを生じる一因になっていた。
斯かる点に鑑みて本発明の目的とするところは、ベルトの蛇行や片寄りを防止するために上述の如き自動調心プーリを用いる場合に、それをベルト駆動装置に組み込む際の調整を容易に行えるようにすることにある。
前記の目的を達成するために、本発明では、プーリ本体側にベルトの接触角を読み取るための角度表示部を設ける一方、それを支持する筒部材や主軸部材には、枢軸の方向を示す方向表示部を設けたものである。
すなわち、本発明のプーリは、ベルトの巻き掛けられる円筒状のプーリ本体と、該プーリ本体を回転自在に支持するとともに、その回転中心軸に沿って見て、軸荷重の方向に対し当該プーリ本体の回転方向前側に傾倒した枢軸の周りに揺動可能に支持する支持機構と、を備えたものである。
そして、前記支持機構に、前記プーリ本体の内部に挿入されてこれを回転自在に支持する筒部材と、この筒部材の内部に挿入されてこれを前記枢軸の周りに揺動可能に支持する主軸部材と、を備える場合に、それらプーリ本体及び支持機構のうち、プーリ本体の側には周方向に所定の角度範囲に亘って等間隔に角度表示部を設ける一方、支持機構の側である前記筒部材及び主軸部材の少なくとも一方には、前記枢軸の方向を示す方向表示部を設けている。
前記構成のプーリをベルト駆動装置等に組み込むときには、そのハウジング等の支持体に主軸部材を取り付けて、軸心の周りに回動可能な状態で仮留めした上で、プーリ本体にベルトを巻き掛ける。この際、角度表示部の設けられている周方向の所定角度範囲にベルトが接触するように、このベルトに対しプーリ本体の位置を調整する。
そうして巻き掛けたベルトがプーリ本体に接触する範囲の周方向の両端位置を、対応する角度表示部の表示から読めば、その範囲、即ちベルトの接触角を容易に読み取ることができ、こうして読み取った接触角を2等分する直線を、軸荷重の方向線として容易に特定することができる。
次いで、主軸部材を筒部材と共に軸心周りに回動させて、その筒部材に設けられている方向表示部が前記軸荷重の方向から所定角度だけ傾斜した方向を示すようにする。この際、前記方向表示部とプーリ本体側の角度表示部とを見比べることで、分度器等を用いることなく容易に調整することができる。
そうしてベルトの接触角を読み取ったり、方向表示部と見比べたりするための角度表示部は、その間隔が広すぎると読み取りが不正確になり易いので、それは例えば10°以下の間隔で形成した目盛りとするのが好ましいが(請求項4)、一方で目盛りが細かすぎると、却って読み難い場合もあり、目盛りの間隔は概略3〜6°くらいが最もよい。
また、前記のような自動調心プーリにおいて好ましいのは、支持機構を構成する筒部材の内周及び主軸部材の外周に、互いに摺接する面を、その少なくとも一部において枢軸と直交するように設けて、この摺接面において軸荷重を受け止めるようにすることであり、その場合には方向表示部を、前記枢軸の方向において前記摺接面に対し筒部材の側に設けるのがよい(請求項2)。
すなわち、上述の如く自動調心プーリをベルト駆動装置に組み込む際に、プーリ本体に角度表示部の設けられている角度範囲にてベルトを巻き掛けると、これによる軸荷重は、そうして角度表示部の設けられている側から反対側に向かって作用することになる。よって、前記のように方向表示部を枢軸の方向において摺接面に対し筒部材の側に設ければ、その方向表示部が、枢軸の方向について角度表示部と同じ側に位置することになり、それらを見比べることが容易になるのである。
より好ましいのは、プーリ本体と筒部材との間に転がり軸受が介設されている場合に、その転がり軸受の外輪自体か、或いはこれに近接するプーリ本体の側部に角度表示部を設ける一方、方向表示部は、転がり軸受の内輪に近接する筒部材の側部に設けることである(請求項3)。こうすれば、プーリ本体側の角度表示部と筒部材の方向表示部とが近接するようになり、両者を見比べることがさらに容易になる。尚、転がり軸受の内輪自体に方向表示部を設けてもよいが、この場合には内輪を筒部材に嵌め込む際に枢軸との位置合わせに注意が必要であり、前記のように筒部材に設ける方が好ましい。
以上、説明したように、本発明に係るプーリは、そのプーリ本体に巻き付けたベルトの片寄りに伴い軸荷重によって回動変位(揺動)し、これによりベルトの走行位置を調整する自動調心機能を有するものであり、斯かる機能を十全に発揮させるためにはプーリ本体の揺動中心(枢軸)の軸荷重に対する傾倒角を適切に設定する必要があるが、これに対し本発明では、プーリ本体側に角度表示部を設ける一方、それを支持する筒部材や主軸部材には枢軸の方向を示す方向表示部を設けたので、分度器等を用いることなく軸荷重の方向を特定し、これに対して枢軸の方向を設定することができ、ベルト駆動装置に組み込む際の調整を容易に行うことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1には、本発明に係るプーリを使用したベルト伝動装置Aの一例を示し、1は駆動プーリ、2は従動プーリである。この両プーリ1,2の間には平ベルトからなる伝動ベルト3が巻き掛けられていて、このベルト3には背面に押し当てられたプーリ4から所定の張力が付与されている。尚、図示のベルト伝動装置Aの構成はあくまで一例に過ぎない。本発明に係るプーリ4は、各種の産業機械、その他の機器に使用することができ、その機器等における要求に応じて種々のベルトレイアウトが採用される。
この実施形態では、前記プーリ4が、ベルト3の片寄りに伴いその片寄りを戻すように揺動して、そのベルト3の走行位置を自動調整する自動調心プーリである。その具体的な構造は、例えば図2及び図3に示すように、ベルト3の巻き掛けられる円筒状のプーリ本体5と、このプーリ本体5をボールベアリング6を介して回転中心軸C1の周りに回転自在に支持するとともに、その回転中心軸C1に直交する枢軸C2の周りに揺動可能に支持する支持機構と、を備えたものである。
前記支持機構は、ベアリング6の内輪6aが被嵌される円筒部材7と、この円筒部材7の内部に挿入された主軸部材8とからなり、それら円筒部材7及び主軸部材8は、前記枢軸C2を構成するピン9によって連結されて、このピン9の軸心(枢軸C2)の周りに相互に揺動可能になっている。詳しくは、主軸部材8は、その軸心方向の中央付近に鍔部8aが形成され、この鍔部8aよりも基端側の部位は、図示は省略するが、軸心周りの回動位置を連続的に調節可能な固定機構を介して、ベルト伝動装置Aのハウジング等の支持体に取り付けられる。
一方、円筒部材7の内部に挿入される主軸部材8の先端側の部位は、図4にも示すように断面D字状とされ、その外周に形成された平坦面8b(以下、Dカット面という)が枢軸C2に略直交している。このDカット面8bの略中央には断面円形の孔部が開口しており、この孔部は前記枢軸C2に沿って直線状に主軸部材8の直径方向に延びて、Dカット面8bの周方向に連なる主軸部材8の外周円弧面に開口している(以下、それを主軸部材8の貫通孔という)。
前記Dカット面8bに対応して、円筒部材7の内部には樹脂製の摺動材10が配設されている。この摺動材10も断面D字状のものであり、その外周に形成された平坦面10aが主軸部材8のDカット面8bと摺接する一方、該平坦面10aの周方向に連なる摺動材10の外周円弧面は、円筒部材7の内周面に接合されている。この摺動材10には、平坦面10aの略中央に開口して主軸部材8の貫通孔に連通するとともに、この貫通孔と同じく直線状に枢軸C2に沿って延びる貫通孔が形成されている。
そうして互いに連なる主軸部材8及び摺動材10の各貫通孔に亘ってピン9が挿通されており、その両端部がそれぞれ主軸部材8の外周及び摺動材10の外周から突出して、円筒部材7に形成された支持孔に嵌入されている。また、図の例では主軸部材8を貫くピン9の外周に樹脂製の摺動ブッシュ11が装着されている。
斯くしてプーリ本体5及び円筒部材7は、主軸部材8に対しピン9(枢軸C2)の周りに揺動可能になっており、その主軸部材8のDカット面8bが摺動材10の平坦面10aと摺接することで、ベルト3の張力による軸荷重を安定的に受け止めながら、その際の摺動摩擦抵抗の低減が図られている。
そして、図1のような装置における使用状態でプーリ4は、図4に模式的に示すように、軸荷重Lの方向を基準として、枢軸C2をプーリ本体5の回転方向前側に、即ち、図に矢印Rで示すベルト走行方向の前側に、所定角度αだけ傾倒させて設置される。このことで、プーリ本体5に巻き掛けられて走行するベルト3が幅方向に片寄ったときには、これによる軸荷重中心のずれによって、プーリ本体5が軸荷重方向に傾斜するとともに、ベルト3に対し斜交いになって、ベルトの片寄りを戻す戻し力を発生するようになる。
詳しくは、図5に示すように、ベルト3がプーリ本体5の幅の中央付近に掛かっているときには、軸荷重のベクトルL(実線で示す)は枢軸C2と交差し、その分力Loが枢軸C2に沿って作用するとともに、分力L1が枢軸C2に直交するように作用する。一方、図示しないが、ベルト3がプーリ本体5の中央からその片側へ寄ると、その片側に軸荷重Lがずれて円筒部材7に作用するようになる。こうなると、軸荷重の分力L1により円筒部材7に枢軸C2周りの回転モーメントが働き、これにより円筒部材7がプーリ本体5と共にピン9(枢軸C2)の周りに回動変位(揺動)することになる。
すなわち、仮に前記軸荷重Lの方向が枢軸C2と平行であれば、このときにはL=Lo、L1=0となり、枢軸C2周りの回転モーメントは発生しないが、この実施形態のように軸荷重Lの方向が枢軸C2の方向から角度αだけ傾いていれば、その軸荷重の分力L1によって枢軸C2周りの回転モーメントが発生するので、円筒部材7はプーリ本体5とともに回動変位するのである。ここで、前記角度αは、軸荷重Lの方向を基準とする枢軸C2の傾倒角に相当する。
そして、この実施形態では、前記の図4等に示すように枢軸C2がプーリ本体5の回転方向前側に傾倒していることで、前記の如くプーリ本体5及び円筒部材7が軸荷重の分力L1によってピン9(枢軸C2)の周りに回動させられるとき、該プーリ本体5は、軸荷重Lに直交する方向に見て図6(図4のVI矢視図)に誇張して示すように、その軸荷重Lの方向について、ベルト3の片寄ってきた側が低く、反対側が高くなるように傾斜するとともに、その軸荷重Lの方向に見て図7(図4のVII矢視図)に誇張して示すように、ベルト3の片寄ってきた側がベルト走行方向の前側になるように、ベルト3に対して斜交いの状態になる。尚、前記図4、図6及び図7においてはプーリ本体5が回動変位した状態を仮想線(二点鎖線)で示している。
そのようなプーリ本体5の回動変位によって、ベルト3には、該プーリ本体5が斜交いになることによる戻し力(片寄りを戻す力)と、プーリ本体5が傾斜することによる戻し力とが働き、この両方の戻し力によってベルト3の片寄りが効果的に防止されることになる。すなわち、前記のようにプーリ本体5が軸荷重の方向に傾斜すると、その外周面が所謂クラウンプーリと同様に傾斜した状態になるから、ベルト3は、その幅内において張力の高い側、即ちプーリ幅の中央寄りに引き寄せられるようになる(クラウン作用)。
また、前記のようにプーリ本体5がベルト3に対して斜交いになれば、このプーリ本体5からベルト3に対し直接的に、その走行方向をプーリ幅の中央寄りに戻すような戻し力が作用することになり、ベルト3は、前記のようにプーリ本体5が傾斜しかつ斜交いになることによる戻し力と、ベルト伝動装置Aの特性によって作用する片寄り力とが釣り合う位置で走行するようになる。仮に外乱等によって大きく片寄ることがあっても、ベルト3は前記戻し力と片寄り力とが釣り合う位置に戻される。
ここで、前記のようにプーリ本体5がベルト3に対し斜交いになることによる戻し力は、クラウン作用による戻し力よりも効果が高いので、それを有効に利用するためには前記した枢軸C2の傾倒角αを小さくするのが好ましい。一方で、傾倒角αが小さくなると幾何学的に軸荷重Lがピン9の軸心の方向(枢軸C2方向)に大きく作用するようになり、軸荷重の分力L1が小さくなるとともに、枢軸C2方向の分力Loが大きくなって摺動摩擦抵抗が大きくなることから、プーリ本体5及び円筒部材7が枢軸C2の周りにスムーズに回動し難くなるきらいがある。
すなわち、前記した自動調心プーリ4の機能を有効に発揮させるためには、枢軸C2の傾倒角αの設定が極めて重要であり、この角度αの大きさによってプーリ本体5の揺動し易さが変化するとともに、それが揺動したときの軸荷重方向への傾斜の度合と、ベルト進行方向に対し斜交いになる度合とがそれぞれ変化することから、前記のようにベルト3の片寄りを修正する際の応答性や修正可能な片寄りの大きさ等が大きく異なるものとなり、さらにはプーリ自体の耐久性にも影響を及ぼすことになる。
この点に付き、この実施形態の自動調心プーリ4では、本発明の特徴部分として図8に示すように、プーリ本体5の側部に概ね180°の範囲に亘って5°間隔で目盛りs,s,…(角度表示部)を刻印する一方、円筒部材7の側部には枢軸C2の方向を示すマークM(方向表示部)を刻印しており、それらを見比べることで、前記傾倒角αの設定が容易に行える。
すなわち、自動調心プーリ4をベルト伝動装置Aに組み込むときには、図示しないが、まず主軸部材8の基端側の部位を固定機構を介して軸心周りに回動可能に支持体に取り付け、これを仮留めした後にプーリ本体5にベルトを巻き掛ける。この際、図示の如く、目盛りs,s,…の設けられている角度範囲にベルト3が接触するように、このベルト3に対しプーリ本体5の位置を調整する。
そうして巻き掛けたベルト3がプーリ本体5に接触する範囲の周方向の両端位置に各々対応する目盛りsを読めば、その範囲、即ちベルト3のプーリ本体5への接触角θを容易に読み取ることができ(図の例ではθ=60°)、こうして読み取った接触角θを2等分する直線を、軸荷重Lの方向線として特定することができる。
次いで、そのように特定した軸荷重Lの方向線に対して、図示の如く、円筒部材7に設けられているマークMが所定角度αだけ傾斜した方向を示すようにすれば、その角度αが、軸荷重Lの方向に対する枢軸C2の傾倒角αになるから、マークMとプーリ本体5側の目盛りs,s,…とを見比べるだけで、分度器等を用いることなく、枢軸C2の傾倒角αを設定することができる。
ここで、前記したようにベルト3は、プーリ本体5に目盛りs,s,…の設けられている側に巻き掛けられ、この目盛りs,s,…の設けられている側(図では下側)から反対側(図では上側)に向かって軸荷重Lが作用することになるが、この軸荷重Lを受け止めるべく、主軸部材8はDカット面8bを下向きにして配置される。よって、枢軸C2の方向においてDカット面8bに対し摺動材10及び円筒部材7の位置する側(図では下側)にマークMを設ければ、このマークMは、枢軸C2の方向について目盛りs,s,…と同じ側に位置することになる。
しかも、前記マークMがベアリング6の内輪6aに近接して、円筒部材7の側部に設けられる一方、目盛りs,s,…は、ベアリング6の外輪6bの側部を覆うプーリ本体5の側部に設けられており、それらマークM及び目盛りs,s,…が近接しているため、両者を見比べることは極めて容易であって、軸荷重Lの方向の特定や傾倒角αの設定を正確に行うことができる。
したがって、この実施形態に係る自動調心プーリ4は、それをベルト伝動装置Aに組み込む際に、プーリ本体5の側部の目盛りs,s,…によって軸荷重Lの方向を容易に特定でき、その目盛りs,s,…と円筒部材7のマークMとを見比べることで、分度器等を用いることなく枢軸C2の傾倒角αを正確に設定することができる。そうして傾倒角αを設定した後に主軸部材8をしっかりと固定すればよい。
そのようにして自動調心プーリ4を組み込めば、そのプーリ本体5に巻き掛けられて走行するベルト3が幅方向に片寄ったときに、軸荷重のずれによってプーリ本体5が遅れなくスムーズに回動し、これにより、ベルト3には必要十分な戻し力が直ちに作用して、速やかに中立位置に戻されることになる。
(他の実施形態)
尚、本発明の構成は、前記した実施形態のものに限定されず、それ以外の種々の構成を包含する。すなわち、例えば前記の自動調心プーリ4では、プーリ本体5の側部に5°間隔の目盛りs,s,…を設けているが、その間隔は例えば10°以下であればよく、読み取りのし易さを考慮すると、概略3〜6°くらいとするのが最もよい。
また、目盛りs,s,…はプーリ本体5側の全周に亘って設けてもよいが、通常、自動調心プーリ4へのベルト3の接触角はあまり大きくはならないから、概ね120°以上であればよい。
また、前記実施形態のようにベアリング6の外輪6bの側部プーリ本体5の側部が覆っているのでなければ、目盛りs,s,…をプーリ本体5の側部でなく、ベアリング6の外輪6bの側部に設けてもよい。
一方、マークMも、前記実施形態のように円筒部材7に設けることに限定されず、例えば主軸部材8に設けてもよいし、反対にベアリング6の内輪6aに刻印することもできるが、こうすると、内輪6aを円筒部材7に嵌め込む際に枢軸C2との位置合わせに注意が必要なので、前記のように円筒部材7に設ける方が好ましい。
さらに、前記実施形態では、円筒部材7と主軸部材8のDカット面8bとの間に摺動材10を配置して摩擦抵抗を減らすようにしているが、これに限るものではなく、円筒部材7の内周面に平坦な摺接面を設けてもよいし、摺動材10の代わりにベアリング等を配設することも可能である。
また、そうして摺接する面は平坦面には限らず、例えば球面であってもよく、その少なくとも一部が枢軸C2と直交していればよい。そうして球面により構成すれば、ピン9がなくても枢軸C2を構成することが可能になる。
同様に、ピン9を用いず、例えば主軸部材8のDカット面8b(平坦面)上に成形した半球状凸部によって枢軸C2を構成することもできるし、Dカット面8bに凹設した窪みに球体を嵌めこむようにしてもよい。或いは円筒部材7及び主軸部材8を、ゴム弾性体によって枢軸C2周りに揺動するように連結するだけでもよい。
さらにまた、前記実施形態では枢軸C2が、プーリ本体5の回転中心軸C1と直交しているが、これに限らずく、枢軸C2は、プーリ本体5の回転中心軸C1に沿って見たときに軸荷重Lの方向に対して所定角度α傾倒していれば、回転中心軸C1とは交差していなくてもよい。
また、上述した実施形態では、本発明に係る自動調心プーリ4をテンショナとして用いているが、本発明のプーリの用途は、それに限定されず、例えば、ベルトの長さや接触角の調節、ベルト走行方向の変更等、ベルト伝動装置における種々の用途に用いることができる。ベルト3としては、平ベルト以外に歯付ベルトを用いることもできる。
以上、説明したように本発明に係る自動調心プーリを用いれば、伝動効率の非常に高い平ベルトを十分に活用できるようになり、あらゆる装置に適用して高い省エネ効果が得られるものであり、しかも、その装置への組み込みが容易に行えるから、有用である。
本発明に係る自動調心プーリを使用したベルト伝動装置の構成の一例を示す概略図である。 同プーリを枢軸の方向に見た一部断面図である。 同プーリを枢軸と直交する方向に見た一部断面図である。 同プーリの使用状態を一部断面で示す側面図である。 同使用状態において軸荷重により軸部材に回転モーメントが発生することを説明するための斜視図である。 同使用状態においてベルトが片寄ったときのプーリ本体の回動変位状態を、軸荷重Lに直交する方向(図4の矢印VIの方向)に見て模式的に示す説明図である。 同使用状態においてベルトが片寄ったときのプーリ本体の回動変位状態を、軸荷重Lの方向(図4の矢印VIIの方向)に見て模式的に示す説明図である。 プーリ本体側の目盛りと円筒部材側のマークとを示す側面図である。
符号の説明
A ベルト伝動装置
3 ベルト
4 自動調心プーリ
5 プーリ本体
6 ベアリング
6a 内輪
6b 外輪
7 円筒部材(筒部材)
8 主軸部材
8a Dカット面(摺接面)
9 ピン
10 摺動材
10a 平坦面(摺接面)
C1 回転中心軸
C2 枢軸
L 軸荷重
M マーク(方向表示部)
s,s,… 目盛り(角度表示部)

Claims (4)

  1. ベルトの巻き掛けられる円筒状のプーリ本体と、
    前記プーリ本体を回転自在に支持するとともに、その回転中心軸に沿って見て、軸荷重の方向に対し当該プーリ本体の回転方向前側に傾倒した枢軸の周りに揺動可能に支持する支持機構と、を備えたプーリであって、
    前記支持機構は、
    前記プーリ本体の内部に挿入されて、これを回転自在に支持する筒部材と、
    前記筒部材の内部に挿入されて、これを前記枢軸の周りに揺動可能に支持する主軸部材と、を備え、
    前記プーリ本体及び支持機構のうち、プーリ本体の側には周方向に所定の角度範囲に亘って等間隔に角度表示部が設けられる一方、支持機構の側である前記筒部材及び主軸部材の少なくとも一方には、前記枢軸の方向を示す方向表示部が設けられている、ことを特徴とするプーリ。
  2. 筒部材の内周及び主軸部材の外周には、互いに摺接する面が、少なくとも一部において枢軸と直交するように設けられており、
    方向表示部は、前記枢軸の方向において前記摺接面に対し筒部材の側に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のプーリ。
  3. プーリ本体と筒部材との間に転がり軸受が介設され、
    角度表示部は、前記プーリ本体乃至これと一体に回転する転がり軸受の外輪に設けられている一方、方向表示部は、前記転がり軸受の内輪に近接して筒部材に設けられている、ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のプーリ。
  4. 角度表示部が10°以下の間隔で形成された目盛りである、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のプーリ。
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