JP4423636B2 - ベルト伝動装置 - Google Patents

ベルト伝動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4423636B2
JP4423636B2 JP2004189424A JP2004189424A JP4423636B2 JP 4423636 B2 JP4423636 B2 JP 4423636B2 JP 2004189424 A JP2004189424 A JP 2004189424A JP 2004189424 A JP2004189424 A JP 2004189424A JP 4423636 B2 JP4423636 B2 JP 4423636B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulley
belt
transmission
transmission belt
pulleys
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004189424A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006009986A (ja
Inventor
博文 宮田
真志 吉村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP2004189424A priority Critical patent/JP4423636B2/ja
Publication of JP2006009986A publication Critical patent/JP2006009986A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4423636B2 publication Critical patent/JP4423636B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)

Description

本発明は、ベルト伝動装置に関する。
平ベルトを用いた伝動装置においては、平ベルトが走行中に蛇行したり、プーリの片側に寄る片寄り走行をすることがある。これは、平ベルトが、他の伝動ベルトに比べて、プーリ軸の正規位置からのずれや、軸荷重の変化によるプーリ軸のたわみ、プーリの揺れなど、伝動装置構成要素の変化に敏感なためである。このような蛇行・片寄り走行を生じた場合、平ベルトが平プーリのフランジに接触して、該平ベルト側面の毛羽立ちや心線のほつれを生ずる。
この問題に対して、平プーリの外周面にクラウンをつける(中高曲面に形成する)ことが知られている。また、プーリ外周面のクラウンを該プーリの回転中心を中心とする球状に形成するという提案もある(特許文献1参照)。これは、平ベルトの左側部と右側部とに張力差を生じてプーリ軸が傾き、それに伴って平ベルトがプーリ上で片寄ったときに、平ベルトの張力によってプーリに回転モーメントが働くことを利用して、プーリ軸の傾き及び平ベルトの片寄りを解消せんとするものである。
また、平プーリの外周面に多数の溝を周方向に間隔をおいて形成したものが知られている(特許文献2参照)。すなわち、その溝は、プーリの幅中央から両側へ「く」の字状になるように対称に延びたものであり、平ベルトとプーリとの間に平ベルトを中央に寄せるような摩擦力を発生させることにより、該ベルトの蛇行ないしは片寄りを防止するようにしている。
さらに、平ベルトの両側にガイドローラを配置し、この平ベルトの走行位置を規制することも知られている(特許文献3参照)。
実開昭59−45351号公報 特開平6−307521号公報 実公昭63−6520号公報
しかし、プーリにクラウンを形成する場合、平ベルトの走行安定性(蛇行や片寄りの防止)を重要視してクラウンの曲率半径を小さくすれば、ベルトの幅中央に応力が集中し、ベルト幅全体を伝動に有効に利用することができず、心線の早期疲労及び伝動能力の低下を招く。
また、プーリのクラウンを該プーリの回転中心を中心とする球状に形成した場合、仮に伝動ベルトの片寄り防止の効果が高まるとしても、プーリのクラウンによってベルトの幅中央に応力が集中するという問題は依然として残る。
また、平プーリに上述の如き溝加工をすると、該平プーリの製造コストが高くなり、しかも、溝加工だけでは平ベルトの蛇行や片寄りを確実に防止することは難しい。
さらに、平ベルトの両側にガイドローラ等を配置してその走行位置を規制する方式を採用すると、平ベルトの両側がそのような規制部材に常時接触することになるため、その側面のほころび、心線のほつれを生じ易くなる。従って、それらを防止するための平ベルトに特殊な加工を施すことが必要になり、平ベルトの製造コスト低減に不利になる。
以上のような理由から、平ベルト伝動装置は、Vベルトなど他のベルトに比べて、ベルトの曲げによるロスが少なく伝動効率が非常に高いにも拘わらず、十分に活用されていないのが実情である。
そこで、本発明は、平ベルト、その他の伝動ベルトの蛇行や片寄りを確実に防止することができるようにして、ベルト伝動装置を各種の産業機械、その他の機器に有効利用できるようにせんとするものである。
本発明は、伝動ベルトの片寄りを生じたときに、この伝動ベルトの張力によってプーリ軸にかかる軸荷重の位置が変化することを利用してプーリを変位させ、伝動ベルトの片寄り走行・蛇行を防止する自動調心プーリを実現した。
さらに本発明は、上記自動調心プーリによって伝動ベルトの片寄り走行・蛇行が防止されてベルトの走行位置を一定に保つことができることから、原動側プーリ及び/又は従動側プーリにおいて、伝動ベルトが巻き掛けられるプーリを切り替え可能にして、クラッチ機構、変速機構等を含む、種々のベルト伝動装置を実現した。
すなわち、本発明のベルト伝動装置は、原動側プーリと、少なくとも1つの従動側プーリと、自動調心プーリと、上記原動側プーリ、従動側プーリ及び自動調心プーリ間に巻き掛けられた伝動ベルトと、を備える。
そして、上記自動調心プーリは、上記伝動ベルトが巻き掛けられるプーリ本体と、上記プーリ本体を、プーリ軸周りに回転自在にかつ、所定の枢軸周りに揺動自在に支持する支持手段と、を有するものとして、上記枢軸を、上記プーリ軸方向に沿って見て軸荷重の方向に対して上記プーリ本体の回転方向前側に所定の傾倒角で傾倒させ、上記原動側プーリ及び従動側プーリの少なくとも一方は、その回転軸方向に並設されかつ、互いに略面一の外周面を有する複数のプーリを有するものとして、上記伝動ベルトの走行位置に対して上記複数のプーリをその回転軸方向に往復動可能に構成する。
このベルト伝動装置によれば、伝動ベルトが、自動調心プーリのプーリ本体上で片寄って、軸荷重が枢軸の位置からプーリ本体幅方向の片側にずれて作用するようになると、その軸荷重によって、このプーリ本体に枢軸を中心とする回転モーメントが働き、プーリ本体が枢軸回りに回転変位する。
このときに、詳しくは後述するが、上記枢軸はプーリ軸方向に沿って見て軸荷重の方向に対して上記プーリ本体の回転方向前側に所定の傾倒角で傾倒しているため、その傾倒角が90度であるときは、上記プーリ本体は、上記伝動ベルトが片寄った側とは反対側が高くなるように傾斜し、上記傾倒角が0度を超え90度未満であるときは、上記プーリ本体は傾斜するだけでなく、伝動ベルトが片寄ってきた側がベルト走行方向の先側になった斜交い状態になる。
このプーリ本体の傾斜及び/又は斜交いによって、プーリ本体から伝動ベルトに当該片寄りを戻す力が働く。よって、伝動ベルトは、上記戻し力と片寄り力とがつり合う位置で走行することになる。こうして、伝動ベルトの片寄り走行及び蛇行が高いレベルで防止され、伝動ベルトの走行位置は、上記自動調心プーリによって略一定に規制される。
そして、上記原動側プーリ及び従動側プーリの少なくとも一方は、回転軸方向に移動可能な複数のプーリを有し、略一定の走行位置に規制された伝動ベルトに対して、その複数のプーリを回転軸方向に移動させることによって、上記伝動ベルトの巻き掛けられるプーリを切り換えることが可能になる。プーリの移動に伴い伝動ベルトに外力が作用しても、上記自動調心プーリによって伝動ベルトは安定して走行し、ベルトの脱落等が防止される。
このように、原動側プーリ及び従動側プーリの少なくとも一方を、伝動ベルトの巻き掛けられるプーリを切り換え可能とすることによって、上記ベルト伝動装置を、クラッチ機構又は変速機構を含む装置とすることが可能になる。
すなわち、複数のプーリのいずれか1つをクラッチプーリとし、他のプーリを動力伝達プーリとすれば、上記ベルト伝動装置はクラッチ機構を備えた装置となる。また、複数のプーリを、互いに速比の異なるプーリとすれば、上記ベルト伝動装置は変速機構を備えた装置となる。
上記ベルト伝動装置は、伝動ベルトが巻き掛けられるプーリを切り換えることによって、動力伝達の断続や変速を行うため、電磁クラッチが不要になると共に、動力伝達の断続又は変速をスムースに行って、伝動ベルトの負荷変動を小さくする上で有利になる。
上記自動調心プーリにおいて、上記枢軸の傾倒角は、0度を超え90度を超えない角度範囲に設定することが好ましい。
上記傾倒角が90度である場合、すなわち、枢軸が軸荷重の方向と直交している場合、プーリ本体は、伝動ベルトが片寄った側が軸荷重の方向に移動するように回転変位することになる。つまり、軸荷重の方向で高低をみれば、伝動ベルトが片寄ってきた側が低く、反対側が高くなるように傾斜する。言わば、プーリ本体の外周面がクラウンと同様に傾斜した状態となる。これにより、伝動ベルトには上記片寄り方向とは反対の方向の戻し力が働く。従って、伝動ベルトは、上記プーリ本体の傾斜による戻し力と、当該ベルト伝動装置の特性によって伝動ベルトに作用する片寄り力とがつり合う位置で走行することになる。仮に伝動ベルトが大きく片寄ることがあっても、その伝動ベルトは上記戻し力と片寄り力とがつり合う位置に戻される。
上記傾倒角が90度未満である場合、伝動ベルトに片寄りを生じたときのプーリ本体の回転変位には、上記軸荷重の方向の成分だけでなく、軸荷重方向に直交する前後方向(上記伝動ベルトが上記プーリ本体に接触して走行している方向)の成分が加わる。つまり、プーリ本体は軸荷重方向に傾斜するだけでなく、伝動ベルトに対して斜交いになって接触した状態になる。
そうして、上記枢軸は上記軸荷重方向を基準として上記ベルト走行方向の手前側に傾倒しているから、伝動ベルトに片寄りを生じたときには、プーリ本体は伝動ベルトが片寄ってきた側がベルト走行方向の先側になった斜交い状態になる。このプーリ本体が斜交い状態で回転することにより、伝動ベルトにはプーリ本体から上記片寄りを戻す方向の力が与えられる。
結局、上記傾倒角が0度を越え且つ90度未満である場合は、伝動ベルトに片寄りを生じたとき、この自動調心プーリには、プーリ本体が軸荷重の方向に高低差を生ずるように傾斜することによる戻し力と、プーリ本体が伝動ベルトに対して斜交いになることによる戻し力との双方が働くことになる。そうして、この両戻し力の合力と、当該ベルト伝動装置の特性によって伝動ベルトに作用する片寄り力とがつり合う位置で伝動ベルトが走行することになる。
上記傾斜による戻し力と上記斜交いによる戻し力とでは、後者の方が片寄り防止効果が高い。
従って、好ましいのは、上記傾倒角を0度を越え90度未満とすることである。さらに好ましいのは、上記斜交いによる戻し力を有効に利用するために、上記傾倒角を0度を越え45度以下とすることである。一方、上記傾倒角が0度近くになると、上述の枢軸を中心とする回転モーメントが発生しにくくなる。従って、さらに好ましいのは、上記傾倒角を5度以上45度以下、或いは10度以上30度以下とすることである。
上記枢軸は、上記プーリ本体の幅の中央付近に配置することが好ましい。これにより、伝動ベルトをプーリ本体の幅の中央付近に位置付けて走行させる上で有利になり、ベルトの脱落等が防止される。
上記伝動ベルトとしては、平ベルト、歯付ベルト(タイミングベルト)などその種類は問わない。平ベルトの場合は、その内面(伝動面)及び外面(背面)のいずれをプーリ本体に接触させるようにしてもよいが、歯付ベルトでは外面(背面)をプーリ本体に接触させることが好ましい。
以上のように、本発明によれば、自動調心プーリのプーリ本体を支持手段によってプーリ軸周りに回転自在にかつ枢軸周りに揺動自在に支持し、上記枢軸を上記プーリ軸方向に沿って見て軸荷重の方向に対して上記プーリ本体の回転方向前側に所定の傾倒角で傾倒したから、伝動ベルトがプーリ軸方向に移動して軸荷重が枢軸に対してずれたときに、プーリ本体を少なくとも傾斜した状態にすることができ、伝動ベルトの片寄りや蛇行を速やかに且つ確実に解消することができる。
そして、伝動ベルトの走行位置を略一定に規制することによって、回転軸方向に往復動可能な複数のプーリによって構成された原動側プーリ及び従動側プーリの少なくとも一方において、伝動ベルトが巻き掛けられるプーリを切り換えることが可能になり、例えばクラッチ機構、変速機構等を含む、種々のベルト伝動装置を構成することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すベルト伝動装置において、1は、原動軸1aに嵌め込まれてこの原動軸1aと回転一体にされ原動側プーリ(平プーリ)、2a,2bは従動側プーリ(平プーリ)であり、これらのプーリ1,2a,2bに伝動ベルト(平ベルト)3が巻き掛けられ、この伝動ベルト3に張力を付与すべく自動調心プーリ4が伝動ベルト3に押し当てられている。このベルト伝動装置は、後述するように、クラッチ機構を含む伝動装置であり、例えば上記原動側プーリ1をエンジンのクランクシャフトに取り付け、上記2つの従動側プーリ2a,2bをそれぞれ別の補機の回転軸21a,21bに取り付けて、エンジンの補機駆動用の伝動装置とすることが可能である。
上記2つの従動側プーリ2a,2bはそれぞれ、図2に示すように、互いに同軸とされた動力伝達プーリ22と、クラッチプーリ23との2つのプーリからなる。2つの従動側プーリ2a,2bは共に同じ構成であるため、以下、一方の従動側プーリ2aについて説明し、他方の従動側プーリ2bについては説明を省略する。
上記従動側プーリ2aは、補機の回転軸21aをベアリング31を介して回転自在に支持する内筒体24と、この内筒体24に摺動材を介して外挿された外筒体25と、を備えていて、外筒体25は、内筒体24に対してその軸方向に相対移動可能にされている。
上記内筒体24及び外筒体25の基端部(図2の上側)には、それぞれ径方向に拡がるフランジ24a,25aが設けられており、この2つのフランジ24a,25aの周面は、伸縮部26によって互いに連結されている。こうして、2つのフランジ24a,25aと伸縮部26とによって、軸方向に伸縮可能なバキュームシリンダ27が構成されている。
このバキュームシリンダ27内において、上記2つのフランジ24a,25aの間には圧縮バネ28が配設されており、この圧縮バネ28の付勢力によって上記外筒体25は内筒体24に対してその先端側(図2の下側)に付勢されている。また、上記内筒体24のフランジ24aには、図示省略の真空ポンプに接続されるチューブ29が取り付けられている。上記バキュームシリンダ27内が常圧の状態から、上記真空ポンプを駆動させてバキュームシリンダ27内を負圧にすることによって、上記外筒体25は上記圧縮バネ28の付勢力に抗して内筒体24の基端側に移動し、逆に、上記バキュームシリンダ27内が負圧の状態から、上記バキュームシリンダ27内を常圧にすることによって、上記圧縮バネ28の付勢力により、上記外筒体25は内筒体24の先端側に移動するようになっている。
上記外筒体25は、軸方向の先端側に配置された動力伝達プーリ22と、その動力伝達プーリ22の基端側に配置されたクラッチプーリ23との2つのプーリを、その外周面に外嵌されたベアリング32,33を介して回転自在に支持している。上記動力伝達プーリ22とクラッチプーリ23とは、その2つのプーリ面の間に僅かな隙間が形成されるように配設されていると共に、2つのプーリ面は略面一の状態にされている。そして、上記外筒体25が軸方向に往復動することによって、上記2つのプーリ22,23も軸方向に往復移動する。
上記回転軸21aは、上述したように、上記内筒体24の内周面に内嵌されたベアリング31を介して上記内筒体24に回転自在に支持されており、上記回転軸21aの先端は、上記内筒体24の先端よりも前方に突出している。そして、上記動力伝達プーリ22と上記回転軸21aとは、上記動力伝達プーリ22の側面に固定される取付フランジ81と、上記回転軸21aの先端部にスプライン嵌合される嵌合部82とを有する連結部材8を介して、互いに連結されている。これによって、上記連結部材8、ひいては動力伝達プーリ22と回転軸21aとの間のトルク伝達を実現しつつ、上記動力伝達プーリ22が軸方向に往復動したときには、上記連結部材8(嵌合部82)が軸方向に往復動することが許容される。
そうして、上記動力伝達プーリ22及びクラッチプーリ23を軸方向に往復動させることによって、図2における右側の従動側プーリ2bのように、上記動力伝達プーリ22に伝動ベルト3が巻き掛けられた状態では、その伝動ベルト3によって原動側プーリ1の動力が回転軸21bに伝達される動力伝達状態となり、図2における左側の従動側プーリ2aのように、クラッチプーリ23に伝動ベルト3が巻き掛けられた状態では、原動側プーリ1の動力が回転軸21aに伝達されない動力遮断状態となる。
上記自動調心プーリ4は、付勢アーム16の先端に取り付けられてこのアーム16によって伝動ベルト3に押し付けられている(図1参照)。
この自動調心プーリ4は、図3,4に示すように、伝動ベルト3が巻き掛けられるプーリ本体5と、プーリ本体5をプーリ軸C1周りに回転自在にかつ枢軸C2周りに揺動自在に支持する支持手段10と、を備えている。
上記支持手段10は、プーリ本体5をベアリング12によって支持する筒状の軸部材11と、支持ロッド13と、枢軸C2を構成するピン17と、を備えて構成される。
支持ロッド13は、付勢アーム16に取り付けられる取付部13aと、該取付部13aの一端に続いて設けられ筒状軸部材11の筒孔に挿入された支持部13bとからなる。
支持部13bは、断面円形ロッドの直径方向に対応する部位をD字状にカットして形成されたものであり、このDカットによって、図4及び図5に示すように、互いに平行になった平坦な摺動面13c,13cが形成されている。
従って、支持部13bは、相対応する平坦な摺動面13c,13cと、この摺動面13c,13cの側縁同士を結ぶ両サイドの円弧面とを備えて、断面形状が略長方形状になっている。
一方、軸部材11の筒孔は、支持ロッド13の支持部13bの断面形状に対応して断面略長方形状に形成されている。すなわち、軸部材11の内面には、支持ロッド13の摺動面13c,13cが摺動自在に接触する平坦な摺動面11a,11aが相対向するように形成され、また、この摺動面11a,11aの両側縁を結ぶ両サイドの円弧面が形成されている。
支持手段10のピン17は、支持ロッド13の支持部13bに形成された貫通孔に嵌められ、該ピン17の両端は軸部材11に形成された支持孔に嵌められている。ピン17はプーリ本体5の幅の中央付近に配置され、支持ロッド13の摺動面13cに直交している。
そうして、支持ロッド13の支持部13bの両サイドの円弧面と軸部材11の筒孔の両サイドの円弧面との間に、ピン17を軸として軸部材11がプーリ本体5と共に揺動することを許容する隙間15,15が形成されている。従って、上記プーリ本体5は、プーリ軸C1周りに回転自在にかつ、そのプーリ軸C1に直交する枢軸C2周りに揺動自在に支持される。
上記自動調心プーリ4は、図4に示すように、軸荷重(伝動ベルトの張力によって軸部材11に係る荷重)Lの方向を基準としてピン17をベルト走行方向Aの手前側に傾倒させて使用される。
図4に示す使用形態において、図6に示すように、プーリ本体5の幅の中央付近に掛かっていた伝動ベルト3が鎖線で示す如くプーリ本体5の中央からその片側へ寄ると、軸荷重はピン17の位置からプーリ本体5の片側にずれて軸部材11に作用するようになる。これにより、軸部材11にピン17を中心とする回転モーメントが働き、この軸部材11がプーリ本体5と共にピン17の回りに回転変位する。
すなわち、図5に支持ロッド13の支持部13b、ピン17及び軸部材11を示すように、軸荷重の方向がピン17と平行であるとき(Loのとき)は、このピン17周りの回転モーメントは発生しない。これに対して、軸荷重の方向がピン17の方向に対して角度αだけ傾いたLになると、その分力L1によって、ピン17周りの回転モーメントが発生し、軸部材11は回転変位することになる。上記角度αは、軸荷重Lの方向を基準とするピン17の傾倒角に相当する。
そうして、図4の場合は、軸荷重Lによって、プーリ本体5が傾倒したピン17周りに回転変位することにより、プーリ本体5は、図6(平面図)に示すように、伝動ベルト3が片寄ってきた側がベルト走行方向の先側になるようにこの伝動ベルト3に対して斜交い状態になり、また、図7(図4VII矢視図)に示すように、伝動ベルト3が片寄ってきた側が低く、反対側が高くなるように軸荷重Lの方向において傾斜する。図4、図6及び図7ではプーリ本体5が回転変位した状態を鎖線で示している。
従って、伝動ベルト3には、プーリ本体5が斜交い状態になることによる戻し力(片寄りを戻す力)と、プーリ本体5が傾斜することによる戻し力とが働き、これによって、伝動ベルト3の当該片寄りが防止される。すなわち、伝動ベルト3は、プーリ本体5が斜交いになり且つ傾斜することによる戻し力と、当該ベルト伝動装置の特性によって伝動ベルト3に作用する片寄り力とがつり合う位置で走行することになる。仮に伝動ベルト3が大きく片寄ることがあっても、この伝動ベルト3は上記戻し力と片寄り力とがつり合う位置に戻される。
また、支持ロッド13及び筒状軸部材11の摺動面13c,11aが軸荷重によって接触し、この両摺動面13c,11a間に適度の摺動抵抗が働く。よって、伝動ベルト3がプーリ本体5の中央付近を走行しているときに、プーリ本体5が伝動ベルト3の走行振動等によって微小揺動することが避けられるとともに、伝動ベルト3に片寄りを生じたときに、プーリ本体5が過敏に反応して回転変位し、それによって、プーリ本体5が左右に小刻みに揺動するハンチングを生ずることが防止される。
このように、上記自動調心プーリ4は、伝動ベルト3の走行位置を略一定に規制することができる。そのため、上記従動側プーリ2a,2bにおいて、動力伝達プーリ22及びクラッチプーリ23を、回転軸方向に往復動させることにより、上記伝動ベルト3が巻き掛けられるプーリを、上記動力伝達プーリ22とクラッチプーリ23との間で切り換えることができる。その結果、各補機において、動力伝達状態と動力遮断状態とを切り換えることが可能になる。このように上記ベルト伝動装置は、電磁クラッチが無くても動力伝達の断続を実現するものであり、動力伝達の断続又は変速をスムースに行って、伝動ベルトの負荷変動を小さくする上で有利になる。
また、上記従動側プーリ2a,2bにおいて、動力伝達プーリ22及びクラッチプーリ23は、軸荷重の方向に直交する方向に移動するため、その移動力が比較的小さくてすむ。
しかも、2つの従動側プーリ2a,2bのそれぞれにおいて、動力伝達プーリ22及びクラッチプーリ23を回転軸方向に往復動可能に構成されているため、その2つの従動側プーリ2a,2bそれぞれが独立して動力伝達状態と動力遮断状態とを切り換えることが可能である。
例えば伝動ベルト3の走行位置を変更することによって伝動ベルト3が巻き掛けられるプーリを切り替え、それによってクラッチ機能を実現することも考えられるが、その場合、複数の従動側プーリ(補機)それぞれにおいて独立にクラッチ機能を実現するには、複数の伝動ベルトを並べて配設する必要がある。これに対し、上記ベルト伝動装置は、1本の伝動ベルト3で、複数の補機それぞれで独立に切り替え可能なクラッチ機能を実現するため、ベルト伝動装置の配設スペースを小さくすることができる。
尚、上記従動側プーリ2a,2bにおける動力伝達プーリ22及びクラッチプーリ23の移動速度は、ベルトの走行速度、ベルト長さ、スパン長さ、負荷、ベルトの特性(癖)、伝動レイアウト、傾倒角αの大きさ、プーリ本体5の回転変位の大きさ、その他の因子を考慮して、伝動ベルト3が自動調心プーリ4又は原動側プーリ1から脱落しない範囲で適宜調整すればよい。
また、上記実施形態の如く、自動調心プーリ4をテンションプーリとして使用すると、伝動ベルト3に対して安定した張力を与えることができ、伝動ベルト3の伝動能力を十分に発揮させる上で有利になる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、従動側プーリ2a,2bを、動力伝達プーリ22とクラッチプーリ23とから構成してクラッチ機構を有するものとしたが、従動側プーリの構成はこれに限るものではない。例えば、従動側プーリ2a,2bを、高速比用プーリと、例えば内部に減速ギヤ等が組み込まれた低速比用プーリと、から構成して変速機構を有する装置に構成することも可能である。この場合、軸方向に並んだ2つのプーリの速比が異なることから、伝動ベルト3が巻き掛けられるプーリを切り換える際の動力循環を回避するために、一方向クラッチを付加してもよい。また、高速比用プーリと低速比用プーリとの間にニュートラルプーリを介設することによって、動力循環を回避することも可能である。
尚、プーリ本体5の外周面には緩やかなクラウンを付けるようにしてもよい。クラウンが緩やかであれば、伝動ベルト3に大きな負荷がかかることは避けられる。
また、上記ベルト伝動装置では、従動側プーリ2a,2bにおいてプーリ22,23を往復動させるための駆動源をバキュームシリンダ27によって構成したが、駆動源はこれに限らず、モータ、リニアモータ、ソレノイド、油圧シリンダ等、種々のデバイスを利用可能である。
さらに、従動側プーリの数は2つに限らず、1つでもよいし、3以上でもよい。また全ての従動側プーリが動力伝達プーリとクラッチプーリとを有する必要はない。
加えて、各従動側プーリ2a,2bに含まれるプーリの数も2つに限らず、3以上であってもよい。
ベルト伝動装置の正面図である。 従動側プーリの横断面図である。 自動調心プーリの横断面図(図4のIII−III断面図)である。 図3のIV−IV断面図である。 同プーリの使用状態において軸荷重によって軸部材に回転モーメントが発生することを説明する図である。 同プーリの使用状態を示す平面図である。 図4のVII矢視図である。
符号の説明
1 原動側プーリ
2a,2b 従動側プーリ
3 伝動ベルト
4 自動調心プーリ
5 プーリ本体
10 支持手段
11 軸部材
13 支持ロッド
17 ピン
22 動力伝達プーリ
23 クラッチプーリ
C1 プーリ軸
C2 枢軸
α 傾倒角

Claims (2)

  1. 原動側プーリと、
    少なくとも1つの従動側プーリと、
    自動調心プーリと、
    上記原動側プーリ、従動側プーリ及び自動調心プーリ間に巻き掛けられた伝動ベルトと、を備え、
    上記自動調心プーリは、
    上記伝動ベルトが巻き掛けられるプーリ本体と、
    上記プーリ本体を、プーリ軸周りに回転自在にかつ、所定の枢軸周りに揺動自在に支持する支持手段と、を有し、
    上記枢軸は、上記プーリ軸方向に沿って見て軸荷重の方向に対して上記プーリ本体の回転方向前側に、0度を超え90度を超えない角度範囲に設定された傾倒角で傾倒しており、
    上記原動側プーリ及び従動側プーリの少なくとも一方は、その回転軸方向に並設されかつ、互いに略面一の外周面を有する複数のプーリを有し、上記伝動ベルトの走行位置に対して上記複数のプーリをその回転軸方向に往復動可能に構成されているベルト伝動装置。
  2. 請求項に記載のベルト伝動装置において、
    上記枢軸は、上記プーリ本体の幅の中央付近に配置されているベルト伝動装置。
JP2004189424A 2004-06-28 2004-06-28 ベルト伝動装置 Expired - Fee Related JP4423636B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004189424A JP4423636B2 (ja) 2004-06-28 2004-06-28 ベルト伝動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004189424A JP4423636B2 (ja) 2004-06-28 2004-06-28 ベルト伝動装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006009986A JP2006009986A (ja) 2006-01-12
JP4423636B2 true JP4423636B2 (ja) 2010-03-03

Family

ID=35777459

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004189424A Expired - Fee Related JP4423636B2 (ja) 2004-06-28 2004-06-28 ベルト伝動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4423636B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6108993B2 (ja) * 2013-07-04 2017-04-05 バンドー化学株式会社 蛇行制御プーリのアライメント調整方法、及びそれに用いるアライメント調整用治具
CN110546404A (zh) * 2017-04-27 2019-12-06 阪东化学株式会社 带轮用单向离合器、包括该带轮用单向离合器的带轮及包括该带轮的平带传动系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006009986A (ja) 2006-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20130006392A (ko) 전동 벨트용 풀리 및 벨트 전동 장치
JP4648762B2 (ja) 伝動ベルト用プーリ及びベルト伝動装置、並びにエンジンの補機駆動システム
KR20050014815A (ko) 체인전동 및 체인
JP3927959B2 (ja) 伝動ベルト用プーリ及びベルト伝動装置
JP3792199B2 (ja) ベルト式駆動リングcvt連結器
JP4423636B2 (ja) ベルト伝動装置
AU2001273547A1 (en) Belt drive ring CVT coupler
RU2247272C2 (ru) Ремень для вариатора с приводными кольцами (варианты)
JP4414822B2 (ja) 伝動ベルト用プーリ及びベルト伝動装置
JP4871146B2 (ja) ベルト車及びベルト駆動装置
JP4683620B2 (ja) ベルト伝動装置
JP4365713B2 (ja) 伝動ベルト用プーリ及びベルト伝動装置
JP4685495B2 (ja) 伝動ベルト用プーリ及びベルト伝動装置
JP2007155095A (ja) 伝動リング式無段変速機
JP4607646B2 (ja) ベルト伝動装置
JP4414789B2 (ja) 伝動ベルト用プーリ及びベルト伝動装置
JP4318584B2 (ja) 伝動ベルト用プーリ及びベルト伝動装置
JP4373839B2 (ja) 伝動ベルト用プーリ及びベルト伝動装置
JP2006300189A (ja) ベルト駆動装置、及びそれに用いるベルト
JP4359179B2 (ja) 伝動ベルト用プーリ及びベルト伝動装置
JP2021046884A (ja) ベルト伝動装置
JPH0735153Y2 (ja) 無段変速装置
JP6016660B2 (ja) 伝動ベルト用プーリユニット及びそれを備えたベルト伝動装置
JP3696373B2 (ja) 無段変速機
JP2004316874A (ja) 自動変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070518

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090804

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091005

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091124

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091127

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4423636

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131218

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees