JP4318584B2 - 伝動ベルト用プーリ及びベルト伝動装置 - Google Patents

伝動ベルト用プーリ及びベルト伝動装置 Download PDF

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Description

本発明は、伝動ベルト用プーリ及びそれを用いたベルト伝動装置に関するものである。
一般に、平ベルトを用いた伝動装置においては、ベルトが走行中に蛇行したり、プーリの片側に寄る片寄り走行をすることがある。これは、平ベルトが、他のベルトに比べて、プーリ軸の正規位置からのずれや、軸荷重の変化によるプーリ軸のたわみ、プーリの揺れ等、装置構成要素の変化に敏感なためである。このような蛇行・片寄り走行を生じた場合には平ベルトが平プーリのフランジに接触して、該平ベルト側面の毛羽立ちや心線のほつれを生ずる。
この問題に対して、平プーリの外周面にクラウンをつける(中高曲面に形成する)ことが知られている。また、プーリ外周面のクラウンを該プーリの回転中心を中心とする球状に形成するという提案もある(特許文献1参照)。これは、平ベルトの左側部と右側部とに張力差を生じてプーリ軸が傾き、それに伴って平ベルトがプーリ上で片寄ったときに、平ベルトの張力によってプーリに回転モーメントが働くことを利用して、プーリ軸の傾き及び平ベルトの片寄りを解消せんとするものである。
また、平プーリの外周面に多数の溝を周方向に間隔をおいて形成したものが知られている(特許文献2参照)。すなわち、その溝は、プーリの幅中央から両側へ「く」の字状になるように対称に延びたものであり、平ベルトとプーリとの間に平ベルトを中央に寄せるような摩擦力を発生させることにより、該ベルトの蛇行ないしは片寄りを防止するようにしている。
さらに、平ベルトの両側にガイドプーリを配置し、この平ベルトの走行位置を規制することも知られている(特許文献3参照)。
実開昭59−45351号公報 特開平6−307521号公報 実公昭63−6520号公報
しかし、プーリにクラウンを形成する場合、平ベルトの走行安定性(蛇行や片寄りの防止)を重要視してクラウンの曲率半径を小さくすれば、ベルトの幅中央に応力が集中し、ベルト幅全体を伝動に有効に利用することができず、心線の早期疲労及び伝動能力の低下を招く。
また、プーリのクラウンを該プーリの回転中心を中心とする球状に形成した場合、仮にベルトの片寄り防止の効果が高まるとしても、プーリのクラウンによってベルトの幅中央に応力が集中するという問題は依然として残る。
また、平プーリに上述の如き溝加工をすると、該平プーリの製造コストが高くなり、しかも、溝加工だけでは平ベルトの蛇行や片寄りを確実に防止することは難しい。
さらに、平ベルトの両側にガイドプーリ等を配置してその走行位置を規制する方式を採用すると、平ベルトの両側がそのような規制部材に常時接触することになるため、その側面のほころび、心線のほつれを生じ易くなる。従って、それらを防止するための平ベルトに特殊な加工を施すことが必要になり、平ベルトの製造コスト低減に不利になる。
以上のような理由から、平ベルト伝動装置は、Vベルトなど他のベルトに比べて、ベルトの曲げによるロスが少なく伝動効率が非常に高いにも拘わらず、十分に活用されていないのが実情である。
そこで、本発明は、平ベルト、その他の伝動ベルトの蛇行や片寄りを確実に防止することができるようにして、ベルト伝動装置を各種の産業機械、その他の機器に有効利用できるようにせんとするものである。
本発明は、伝動ベルトの片寄りを生じたときに、このベルトの張力によってプーリやプーリの軸にかかる軸荷重の位置が変化することを利用して該プーリを変位させ、これにより伝動ベルトの片寄り走行・蛇行を防止するようにした。
すなわち、本発明は、伝動ベルトの巻き掛けられる円筒状のプーリ本体と、該プーリ本体に挿入されて、これを回転自在に支持する軸部材と、該軸部材を、上記プーリ本体の回転中心軸の方向に見て軸荷重の方向に対し該プーリ本体の回転方向前側に所定角度傾倒した枢軸の周りに揺動自在に支持する支持手段とを備えた伝動ベルト用プーリであって、
上記軸部材が筒状であり、
上記支持手段が上記筒状の軸部材に挿入された支持ロッドを有し、
上記軸部材には、その内筒面から上記枢軸の方向に上記支持ロッドに向かって膨出するように嵌合凸部が設けられ、その膨出端には該枢軸に直交する平坦面が形成されるとともに、当該嵌合凸部の上記回転中心軸方向の両端部にはそれぞれ上記枢軸を中心とする円弧状部が形成される一方、
上記嵌合凸部に対向する支持ロッドの外周には、該嵌合凸部と遊嵌するように嵌合凹部が設けられ、その底面に、上記軸部材にかかる軸荷重によって上記嵌合凸部の平坦面と摺動自在に接触する平坦面が形成されるとともに、当該嵌合凹部の上記回転中心軸方向両端の周面にはそれぞれ上記嵌合凸部の各円弧状部を摺動自在に支持する摺動支持部が設けられている、ことを特徴とする。
この構成の伝動ベルト用プーリによれば、ベルトがプーリ本体上で片寄って、軸荷重が枢軸の位置からプーリ本体の幅方向にずれて軸部材に作用するようになると、その軸荷重によって軸部材に枢軸を中心とする回転モーメントが働き、この軸部材がプーリ本体と共に枢軸の周りに回動変位(揺動)する。これにより、プーリ本体は、ベルトの片寄った側が軸荷重の方向に移動するように、即ち、軸荷重の方向で高低をみれば、ベルトが片寄ってきた側が低く、反対側が高くなるように傾斜する。つまり、プーリ本体は、その外周面がプーリのクラウンと同様に傾斜した状態になるので、ベルトには上記片寄り方向とは反対の方向への戻し力が働くことになる。
また、上記のような回動変位の中心となる枢軸が、軸荷重の方向に対して該プーリ本体の回転方向前側に傾倒している(即ち傾倒角度が0度を越え且つ90度未満である)ことから、プーリ本体の回動変位には、上記軸荷重の方向の成分だけでなく、軸荷重方向に直交する前後方向(ベルトがプーリ本体に接触して走行している方向である)の成分が含まれる。すなわち、プーリ本体は上記の如く軸荷重の方向に傾斜するだけでなく、ベルトの片寄った側がベルト走行方向の前側に移動して、当該ベルトに対し斜交いになって接触した状態になり、このことによってもベルトにはプーリ本体から上記片寄りを戻す方向の力が与えられる。
結局、上記プーリ本体が軸部材を介して上記枢軸の周りに揺動自在に支持されていることにより、その枢軸の傾倒角が0度を越え且つ90度未満である場合は、プーリ本体の幅方向にベルトが片寄ったときに、このプーリ本体が軸荷重の方向に高低差を生ずるように傾斜することによる戻し力と、プーリ本体がベルトに対して斜交いになることによる戻し力との双方が働き、この両戻し力の合力と、ベルト伝動装置の特性によってベルトに作用する片寄り力とがつり合う位置でベルトが走行することになる。よって、ベルトの蛇行や片寄り走行を防止することができる。
上述の如く伝動ベルト用プーリのプーリ本体に働く傾斜による戻し力と斜交いによる戻し力とでは、後者の方が片寄り防止効果が高いので、好ましくは、上記斜交いによる戻し力を有効に利用するために、上記枢軸の傾倒角は0度を越え45度以下の範囲に設定するのがよく、30度以下とするのがより好ましい。
さらに、上記構成の伝動ベルト用プーリでは、上記支持手段として、筒状の上記軸部材の内筒面から上記枢軸の方向に膨出する嵌合凸部が設けられ、この嵌合凸部が支持ロッド外周の嵌合凹部に遊嵌されている。そして、両者にそれぞれ形成された平坦面同士が摺接することにより、上記軸部材にかかる軸荷重をしっかりと受け止めることができるとともに、上記嵌合凸部に形成した円弧状部を嵌合凹部の摺動支持部によって摺動自在に支持することにより、上記軸部材を枢軸の周りに揺動自在とすることができる。
すなわち、例えば高回転仕様のプーリでは、発熱を抑えるために、軸部材にプーリ本体を回転支持するベアリングの直径を小さくしたいという要請があり、自ずと軸部材の直径が小さくなるので、その内部に、該軸部材自体を揺動支持する支持機構として、例えば支持シャフトを貫通するピンなどを設けるとすると、軸強度を確保することが非常に難しくなる。
この点、上記の構成では、軸部材の嵌合凸部と支持シャフトの嵌合凹部とを遊嵌させて、該嵌合凸部の両端部に設けた円弧状部を嵌合凹部の摺動支持部によって支持することにより、上記ピンなどを設けなくても、軸部材を枢軸の周りに揺動自在とすることができ、軸強度を確保する上で有利になる。
特に好ましいのは、上記軸部材の嵌合凸部を上記プーリ本体の回転中心軸方向(即ち、軸部材の軸心方向)に長く形成し、その両端の各円弧状部をそれぞれ上記プーリ本体の外方に位置付けることである。
こうすれば、上記高回転仕様のプーリのように軸部材の直径が小さい場合でも、該軸部材の嵌合凸部と支持シャフトの嵌合凹部との摺動面を上記軸部材の軸心方向に長くして、この摺動面の面積を十分に大きくすることができるので、その分、摺動面圧が小さくなって、耐摩耗性が向上する。
しかも、上述の如くベルトがプーリ本体上で片寄ったときでも、軸荷重の作用線は必ず軸部材の嵌合凸部内に含まれて、この嵌合凸部と支持シャフトの嵌合凹部との摺動面内に作用することになるので、該摺動面における面圧の偏りが比較的小さくなり、このことによっても耐摩耗性が向上するものである。
上記軸部材の嵌合凸部の円弧状部は、上記枢軸を中心とする中凸の円弧面からなるものとし、これに対応して、上記支持ロッドの嵌合凹部の摺動支持部を上記嵌合凸部の円弧面と略同じ形状の中凹の円弧面からなるものとすればよい。或いは、上記支持ロッドの嵌合凹部の摺動支持部に転がり軸受を配設してもよい。
また、本発明は、上述した如き伝動ベルト用プーリがベルトに張力を付与するように押し当てられていることを特徴とするベルト伝動装置である。
このベルト伝動装置では、上述の伝動ベルト用プーリによりベルトに対して安定した張力を与えながら、該ベルトの蛇行や片寄り走行を防止することができ、ベルト伝動装置においてベルトの伝動能力を十分に発揮させる上で有利になる。
なお、本発明に係るベルトとしては、平ベルト、歯付ベルト(タイミングベルト)等、その種類は問わない。平ベルトの場合は、その内周面及び外周面のいずれをプーリ本体に接触させるようにしてもよいが、歯付ベルトの場合は、その伝動面の背面をプーリ本体に接触させるようにする。
以上のように、本発明によれば、ベルトの巻き掛けられるプーリ本体を回転自在に支持するとともに、軸荷重の方向に対して所定方向に傾倒した枢軸の周りに揺動自在に支持するようにしたから、ベルトがプーリ本体上で幅方向に片寄ったときに、このプーリ本体を軸荷重の方向において高低差を生ずるように傾斜させるとともに、プーリ本体をベルトに対して斜交いになった状態にして、ベルトに片寄りを戻す戻し力を作用させることができ、これにより、ベルトの耐久性の低下を招くことなく、簡単な構造でベルトの片寄り走行や蛇行を速やかに且つ確実に解消することができる。
しかも、上記軸部材を筒状として、その内部に支持ロッドを挿入し、軸部材の内筒面から枢軸の方向に膨出させた嵌合凸部を上記支持ロッド外周に形成した嵌合凹部に遊嵌させて、両者の摺接面において軸荷重を受け止めるとともに、上記嵌合凸部の円弧状部を嵌合凹部の摺動支持部によって摺動自在に支持することにより、軸強度の低下を招くことなく、上記軸部材を枢軸周りに揺動自在に支持することができる。
また、上記伝動ベルト用プーリがベルトに張力を付与するように押し当てられていることを特徴とするベルト伝動装置では、ベルトに対して安定した張力を与えながら、該ベルトの蛇行や片寄り走行を防止することができ、ベルトの伝動能力を十分に発揮させる上で有利になる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すベルト伝動装置Aにおいて、1は駆動プーリ(平プーリ)、2は従動プーリ(平プーリ)であり、この両プーリ1,2に伝動ベルト3(平ベルト)が巻き掛けられ、この伝動ベルト3に張力を付与すべく、本発明に係る伝動ベルト用プーリ4が伝動ベルト3の背面に押し当てられている。
なお、図示のベルト伝動装置Aの全体構成はあくまで一例に過ぎず、これを各種の産業機械、その他の機器に利用する場合には必要に応じて種々のレイアウトを採用することができる。
上記プーリ4は、図2及び図3にそれぞれ示すように、伝動ベルト3の巻き掛けられる円筒状のプーリ本体5と、このプーリ本体5をベアリング6によって回転中心軸C1の周りに回転自在に支持する筒状の軸部材7と、この軸部材7の筒孔に挿入されて、プーリ本体5及び軸部材7を前記回転中心軸C1に直交する枢軸C2の周りに揺動自在に支持する支持ロッド8と、を備えている。
上記軸部材7には、図4に示すように回転中心軸C1の方向に見て、内筒面から枢軸C2と略平行に内方に延びるように、即ち支持ロッド8に向かって膨出するように嵌合凸部9が一体に設けられ、この嵌合凸部9の先端には上記枢軸C2に直交する平坦な摺動面9aが形成されている。また、図2及び図3に示すように、嵌合凸部9は、軸部材7の軸心(プーリ本体5の回転中心軸C1と一致)方向に長く形成され、その両端部はプーリ本体5の幅方向(回転中心軸C1方向)の両端部よりも外方にまで延びていて、それぞれに上記枢軸C2を中心とする中凸の円弧面9b,9bが形成されている。
一方、上記支持ロッド8は、基端部(図2、3の右端部)に設けられた取付部8aにより、ベルト伝動装置Aの設けられるハウジング等の支持体に片持ち状態で取り付けられており、その基端部を除く部位において上記軸部材7の嵌合凸部9に対応する外周側の部位が削り取られたように平坦に形成されて、断面がD字状になっている。そして、そのDカット面8bにおいてロッド軸心方向(回転中心軸C1の方向)に長い長方形状となるように、嵌合凹部10が開口形成されている。
上記嵌合凹部10は、上記図4に示すように横断面が矩形状であり、その底面全体が、上記軸部材7の嵌合凸部9の摺動面9aと摺動自在に接触する平坦な摺動面10aとされている。このように軸部材7の嵌合凸部9と支持シャフト8の嵌合凹部10とが互いに摺接する摺動面9a,10aがプーリ4の回転中心軸方向C1に長い形状であることから、軸部材7の直径が小さくても、摺動面9a,10aの面積は十分に大きくすることができ、該軸部材7にかかる軸荷重(伝動ベルト3の張力によって軸部材7にかかる荷重)を安定的に支持することができる。
また、図2に示すように枢軸C2の方向に見ると、嵌合凹部10の長さ(図の左右方向に示す回転中心軸C1方向の長さ)は上記嵌合凸部9と略同じであり、該嵌合凹部10の両端の周面がそれぞれ嵌合凸部9両端の各円弧面9bと略同じ形状の中凹の円弧面10b、10bとされている。つまり、上記嵌合凸部9の両端の中凸の円弧面9b,9bと嵌合凹部10の両端の中凹の円弧面10b、10bとは隙間なく当接して、互いに摺動自在になっている。
一方、上記嵌合凹部10の幅(図2の上下方向の長さ)は、図2及び図4に示すように上記嵌合凸部9よりも大きいので、該嵌合凸部9の幅方向両側にはそれぞれ嵌合凹部10との間に隙間11,11が形成されている。すなわち、上記軸部材7の嵌合凸部9は、対向する支持ロッド8外周の嵌合凹部10に遊嵌されて、長手方向両側の円弧面9b,9bがそれぞれ嵌合凹部10の円弧面10b,10bにより摺動自在に支持されており、これにより、それらの円弧面9b,10bの中心に仮想される枢軸C2の周りに揺動自在となっている。
そうして、上記伝動ベルト用プーリ4は、上記図1に示すような使用状態において図4に模式的に示すように、軸荷重Lの方向を基準として、枢軸C2をプーリ本体5の回転方向前側に、即ち、図に矢印Rで示すベルト走行方向の前側に、所定角度αだけ傾倒ささせて使用される。これにより、該プーリ本体5に巻き掛けられて走行するベルト3が幅方向に片寄ったときには、このことに起因する軸荷重中心のずれによってプーリ本体5がベルト3に対し斜交いになり、ベルトの片寄りを戻す戻し力を効果的に発生するようになる。
詳しくは、上下を逆転させて図5に示すように、伝動ベルト3がプーリ本体5の幅の中央付近に掛かっているときには、軸荷重のベクトルL(実線で示す)は枢軸C2と交差し、その分力Loが枢軸C2に沿って作用するとともに、分力L1が枢軸C2に直交するように作用する。一方、図示しないが、伝動ベルト3がプーリ本体5の中央からその片側へ寄ると、その片側に軸荷重Lがずれて軸部材7に作用するようになる。こうなると、軸荷重の分力L1により軸部材7に枢軸C2周りの回転モーメントが働き、これにより軸部材7がプーリ本体5と共に枢軸C2の周りに回動変位することになる。
すなわち、仮に上記軸荷重Lの方向が枢軸C2と平行であれば、このときにはL=Lo、L1=0となり、枢軸C2周りの回転モーメントは発生しないが、この実施形態のように軸荷重Lの方向が枢軸C2の方向から角度αだけ傾いていれば、その軸荷重の分力L1によって枢軸C2周りの回転モーメントが発生するので、軸部材7はプーリ本体5とともに回動変位するのである。ここで、上記角度αは、軸荷重Lの方向を基準とする枢軸C2の傾倒角に相当する。
そして、この実施形態では、上記図4等に示すように枢軸C2がプーリ本体5の回転方向前側に傾倒しているから、上記の如くプーリ本体5及び軸部材7が軸荷重の分力L1によって枢軸C2周りに回動させられるとき、該プーリ本体5は、軸荷重Lに直交する方向に見て図6(図4のVI矢視図)に誇張して示すように、その軸荷重Lの方向について、伝動ベルト3の片寄ってきた側が低く、反対側が高くなるように傾斜するのと同時に、その軸荷重Lの方向に見て図7(図4のVII矢視図)に誇張して示すように、伝動ベルト3の片寄ってきた側がベルト走行方向の前側になるように、伝動ベルト3に対して斜交いの状態になる。なお、上記図4、図6及び図7においてはプーリ本体5,5が回動変位した状態を仮想線(二点鎖線)で示している。
そのようなプーリ本体5の回動変位によって、伝動ベルト3には、該プーリ本体5が斜交い状態になることによる戻し力(片寄りを戻す力)と、プーリ本体5が傾斜することによる戻し力とが働き、これにより伝動ベルト3の片寄りが防止される。すなわち、伝動ベルト3は、プーリ本体5が傾斜し且つ斜交いになることによる戻し力と、ベルト伝動装置Aの特性によって伝動ベルト3に作用する片寄り力とがつり合う位置で走行することになり、仮に外乱等によって伝動ベルト3が大きく片寄ることがあっても、上記戻し力と片寄り力とがつり合う位置に戻されるので、蛇行や片寄り走行をすることはない。
なお、上記斜交いによる戻し力は傾斜による戻し力に比べて効果が高いので、その斜交いによる戻し力を有効に利用するために、上記枢軸C2の傾倒角αは0度を越え45度以下の範囲に設定するのが好ましく、30度以下とするのがさらに好ましい。
また、その際には、上述の如く上記軸部材7の嵌合凸部9及び支持ロッド8の嵌合凹部10の摺動面9a,10a間に軸荷重が作用することになるので、これら摺動面9a,10aの材料(摺動材)を適切に選択すれば、適度の摺動摩擦抵抗が働くようにすることができる。よって、伝動ベルト3がプーリ本体5の中央付近を走行しているときに、プーリ本体5が伝動ベルト3の走行振動等によって微小揺動することが避けられるとともに、伝動ベルト3に片寄りを生じたときに、プーリ本体5が過敏に反応して回転変位し、それによって、プーリ本体5が左右に小刻みに揺動するハンチングを生ずることが防止される。
ところで、上述の如き伝動ベルト用プーリ4を例えば高回転仕様とする場合、発熱を抑えるためには、プーリ本体5を回転支持するベアリング6の直径をできるだけ小さくするのが好ましく、そのためには軸部材7及び支持シャフト8の直径も小さくせざるを得ない。従って、該軸部材7を支持シャフト8に揺動自在に支持するために、仮に枢軸C2に沿って支持シャフト8を貫通するピンなどを設けるとすると、軸強度を確保することが非常に難しくなる。
この点について、この実施形態の伝動ベルト用プーリ4では、上述したように、軸部材7の嵌合凸部9と支持シャフト8の嵌合凹部10とを遊嵌させて、それらを、軸心方向(プーリ本体5の回転中心軸C1方向)の両端部に設けた円弧面9b,10b同士の摺接によって、上記枢軸C2の周りに相対回動するように組み合わせており、上記支持シャフト8を貫通するピンなどを設けなくてもよいから、軸強度を確保しやすい。
しかも、上記軸部材7の嵌合凸部9及び支持シャフト8の嵌合凹部10のそれぞれの両端部を上記プーリ本体5の幅方向(回転中心軸C1方向)の両端部よりも外方に突出させ、該嵌合凸部9及び嵌合凹部10の摺動面9a,10aを上記の方向に長く形成しているので、軸部材7の直径が小さい場合でも摺動面積は十分に大きくなり、その分、摺動面圧が小さくなって、耐摩耗性が向上する。
また、上記図6に示すように伝動ベルト3がプーリ本体5上で幅方向に片寄ったときでも、軸荷重Lの作用線が必ず軸部材7の嵌合凸部9内に含まれ、この嵌合凸部9及び支持シャフト8の嵌合凹部10の摺動面9a,10a内に軸荷重Lが作用することになるので、摺動面圧の偏りも比較的小さくなり、このことによっても耐摩耗性が向上するものである。
そうして、この実施形態のベルト伝動装置Aでは、上述の如く伝動ベルト3の片寄りを戻す機能が与えられた伝動ベルト用プーリ4をテンショナとして用いているので、伝動ベルト3に対して安定した張力を与えながら、該伝動ベルト3の蛇行や片寄り走行を防止することができ、これにより、ベルトの伝動能力を十分に発揮させる上で有利になる。
なお、上述した実施形態では、伝動ベルト用プーリ4の軸部材7の嵌合凸部9及び支持シャフト8の嵌合凹部10のそれぞれの両端部をプーリ本体5の幅方向の両端部よりも外方に位置づけて、該嵌合凸部9及び嵌合凹部10の摺動面積を確保するようにしているが、これに限ることはなく、上記嵌合凸部9及び嵌合凹部10の摺動面9a,10aがプーリ本体5の回転中心軸C1の方向に長い(真円形を基準として相対的に長いということ)形状であればよい。
また、上記伝動ベルト用プーリ4において、軸部材7の嵌合凸部9両端の円弧面9a,9aをそれぞれ支持する支持ロッド8の嵌合凹部10の両端部(摺動支持部)に、ニードルベアリングやボールベアリングなどの転がり軸受を配設してもよい。
また、上記実施形態では、プーリ本体5及び軸部材7の揺動中心である枢軸C2が、該プーリ本体5の回転中心軸C1と直交しているが、これに限るものではない。
さらに、上述した実施形態では、本発明の伝動ベルト用プーリ4をテンショナとして用いているが、本発明の伝動ベルト用プーリの用途は、それに限定されず、例えば、ベルトの長さや接触角の調節、ベルト走行方向の変更等、ベルト伝動装置における種々の用途に用いることができる。
本発明に係るベルト伝動装置の側面図である。 本発明に係る伝動ベルト用プーリを枢軸の方向に見た一部断面図である。 本発明に係る伝動ベルト用プーリを枢軸と直交する方向に見た一部断面図である。 同プーリの使用状態を一部断面で示す側面図である。 同使用状態において軸荷重により軸部材に回転モーメントが発生することを説明する斜視図である。 同使用状態においてベルトが片寄ったときのプーリ本体の回動変位状態を、軸荷重Lに直交する方向(図4の矢印VIの方向)に見て模式的に示す説明図である。 同使用状態においてベルトが片寄ったときのプーリ本体の回動変位状態を、軸荷重Lの方向(図4の矢印VIIの方向)に見て模式的に示す説明図である。
符号の説明
A ベルト伝動装置
1 駆動プーリ
2 従動プーリ
3 平ベルト
4 伝動ベルト用プーリ
5 プーリ本体
6 ベアリング
7 軸部材
8 支持シャフト
9 嵌合凸部
9a 摺動面(平坦面)
9b 中凸の円弧面(円弧状部)
10 嵌合凹部
10a 摺動面(平坦面)
10b 中凹の円弧面(摺動支持部)
C1 回転中心軸
C2 枢軸
L 軸荷重

Claims (6)

  1. 伝動ベルトの巻き掛けられる円筒状のプーリ本体と、
    上記プーリ本体に挿入されて、これを回転自在に支持する軸部材と、
    上記軸部材を、上記プーリ本体の回転中心軸の方向に見て軸荷重の方向に対し該プーリ本体の回転方向前側に所定角度傾倒した枢軸の周りに揺動自在に支持する支持手段と、を備え、
    上記軸部材が筒状であり、
    上記支持手段は、上記筒状の軸部材に挿入された支持ロッドを有し、
    上記軸部材には、その内筒面から上記枢軸の方向に上記支持ロッドに向かって膨出するように嵌合凸部が設けられ、その膨出端には該枢軸に直交する平坦面が形成されるとともに、当該嵌合凸部の上記回転中心軸方向の両端部にはそれぞれ上記枢軸を中心とする円弧状部が形成され、
    一方、上記嵌合凸部に対向する支持ロッドの外周には、該嵌合凸部と遊嵌するように嵌合凹部が設けられ、その底面に、上記軸部材にかかる軸荷重によって上記嵌合凸部の平坦面と摺動自在に接触する平坦面が形成されるとともに、当該嵌合凹部の上記回転中心軸方向両端の周面にはそれぞれ上記嵌合凸部の各円弧状部を摺動自在に支持する摺動支持部が設けられている
    ことを特徴とする伝動ベルト用プーリ。
  2. 請求項1に記載の伝動ベルト用プーリにおいて、
    上記軸部材の嵌合凸部が上記プーリ本体の回転中心軸方向に長く形成され、その両端の各円弧状部がそれぞれ上記プーリ本体の回転中心軸方向の両端部よりも外方に位置することを特徴とする伝動ベルト用プーリ。
  3. 請求項1又は2のいずれかに記載の伝動ベルト用プーリにおいて、
    上記軸部材の嵌合凸部の円弧状部が中凸の円弧面からなり、
    上記支持ロッドの嵌合凹部の摺動支持部が、上記嵌合凸部の円弧面と略同じ形状の中凹の円弧面からなることを特徴とする伝動ベルト用プーリ。
  4. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の伝動ベルト用プーリにおいて、
    上記支持ロッドの嵌合凹部の摺動支持部には、転がり軸受が配設されていることを特徴とする伝動ベルト用プーリ。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の伝動ベルト用プーリにおいて、
    上記枢軸の傾倒角が、0度を越え且つ45度を越えない角度範囲に設定されていることを特徴とする伝動ベルト用プーリ。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載された伝動ベルト用プーリが伝動ベルトに張力を付与するように押し当てられていることを特徴とするベルト伝動装置。
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