JP3097989U - ピンチローラ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】テープの斜行を抑制することにより、良好なテープ送りを実現することが可能なピンチローラ装置を提供する。
【解決手段】ピンチローラ13と、その内面に装着されるスリーブ14と、円形状の軸受部15と、ピンチローラ軸12とを備え、ピンチローラ軸12の少なくとも軸受部15に挿入される軸受挿入部12bは、平坦部12dと円形状部12cとを有する実質的にDカット形状の断面形状を含み、実質的にDカット形状の軸受挿入部12bは、平坦部12dと円形状部12cとの境界線上に位置する部分により構成された2つの支持部12eを含み、2つの支持部12eは、ピンチローラ13の中心を通るピンチローラ13の押圧方向を示す線に対して、左右に所定の角度θ1およびθ2ずつ傾いた2つの位置で、軸受部15を支持するように配置されており、2つの支持部12eは、面取りまたは丸みを持った形状を有している。
【選択図】図1

Description

【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、ピンチローラ装置に関し、特に、キャプスタン軸に対してテープを押圧した状態でテープを走行させるピンチローラを備えたピンチローラ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、テープレコーダやビデオテープレコーダ等に用いられる磁気テープを走行させるためのピンチローラを備えた種々のピンチローラ装置が知られている(たとえば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
上記特許文献1には、大径キャプスタンに磁気テープを介して押圧されるピンチローラの上端部にピンチローラの径よりさらに大きな径を有する係止部材を設けた従来の一例によるピンチローラ装置が開示されている。上記特許文献1では、大径キャプスタンがピンチローラに対して上方の力を受けるように傾斜していた場合に、係止部材により大径キャプスタンの上方への移行が規制されるので、大径キャプスタンがキャプスタン軸から脱落するのが抑制される。
【0004】
また、上記特許文献2には、ピンチローラを保持するスリーブと一体的に構成された摺動規制部と、ピンチローラ軸と一体的に構成された傾斜規制部とを備えたピンチローラ装置が開示されている。上記特許文献2では、傾斜規制部の摺動規制部と接触する部分の断面形状を非円形にすることによって、ピンチローラの回転中心線とピンチローラ軸の中心線とのなす角θが、圧着方向には必要十分に確保されるとともに、テープ走行方向には許容値以下に制限されるので、テープ走行が安定化される。
【0005】
図7は、従来の他の例によるピンチローラ装置を示した斜視図である。図8は、図7に示した従来のピンチローラ装置のピンチローラ部を示した分解斜視図である。図9は、図7に示した従来のピンチローラ装置の部分平面図である。図10は、図9に示した従来のピンチローラ装置の400−400線に沿った断面図である。図11は、図9に示した従来のピンチローラ装置の500−500線に沿った断面図である。
【0006】
次に、図7〜図10を参照して、従来のピンチローラ装置の構造について説明する。まず、図7に示すように、従来のピンチローラ装置100は、回転機能を有するキャプスタン部120と、キャプスタン部120に対してテープを押圧した状態でテープを走行させるためのピンチローラ部110とにより構成されている。キャプスタン部120は、キャプスタン軸121と、キャプスタン軸121を回転させるためのキャプスタンモータ122とを有する。
【0007】
また、図8に示すように、ピンチローラ部110のベース111の先端部には、ピンチローラ軸112が設けられている。ピンチローラ軸112は、ベース111から上方に延びた円形状の断面を有するピンチローラ軸基礎部112aと、ピンチローラ軸基礎部112aの先に形成され、ピンチローラ軸基礎部112aよりも小さい径の円形状の断面を有する軸受挿入部112bとを含む。
【0008】
また、ピンチローラ軸112の軸受挿入部112bには、図8および図10に示すように、軸受部115が挿入されている。この軸受部115の内面には、ピンチローラ軸112の軸受挿入部112bの外周面に接触しながら回転する凸状の軸受面115aが形成されている。この凸状の軸受面115aの内面は円形状に形成されている。
【0009】
また、図10に示すように、軸受部115の外周面に、軸受部115と一体的に回転するように、スリーブ114が取り付けられている。スリーブ114の外周面には、ピンチローラ113が嵌め込まれている。また、ピンチローラ軸112の軸受挿入部112bの先端部には、軸受部115がピンチローラ軸112の軸受挿入部112bから脱落するのを防止するための抜け止め部材116が嵌め込まれている。この抜け止め部材116の下部端面と、ピンチローラ軸112のピンチローラ軸基礎部112aの上部端面との間で、軸受部115は回転可能に保持されている。
【0010】
また、図7および図8に示すように、べ−ス111には、軸111aが設けられている。ピンチローラ部110は、この軸111aを支点にして回動可能に構成されている。また、ベース111には、引張りバネ117が取り付けられている。この引張りバネ117は、ピンチローラ113が、キャプスタン軸121を押圧する方向にピンチローラ部110を付勢するために設けられている。
【0011】
また、図9および図10に示すように、従来のピンチローラ装置では、テープ130は、引張りバネ117(図8参照)の押圧力によって、ピンチローラ113とキャプスタン軸121との間に挟まれた状態で保持される。このとき、図9に示すように、ピンチローラ軸112の軸受挿入部112bと軸受部115の軸受面115aとは、1箇所(P2)で接触している。また、キャプスタン軸121が右回り、左回りの両方向に回転できることにより、テープ130の走行方向は変更可能に構成されている。
【0012】
次に、図7および図9を参照して、従来のピンチローラ装置の動作について説明する。従来のピンチローラ装置の動作としては、まず、キャプスタンモータ122(図7参照)の駆動によって、キャプスタン軸121は、図9中の矢印A(B)方向に回転される。このとき、テープ130を介してキャプスタン軸121の回転がピンチローラ113に伝わることにより、ピンチローラ113は図9中の矢印C(D)方向に回転される。そして、テープ130が、キャプスタン軸121とピンチローラ113との回転に伴って、図9中の矢印F(E)方向に搬送される。
【0013】
このとき、ピンチローラ113は、引張りバネ117(図7参照)によりキャプスタン軸121に押圧されているため、キャプスタン軸121から抗力として力F4(図9参照)を受ける。これにより、軸受部115の軸受面115aは、力F4線上でピンチローラ軸112の軸受挿入部112bの外周面に押圧されるので、軸受部115の軸受面115aと、ピンチローラ軸112の軸受挿入部112bとの間に、μF4(μは動摩擦係数)の摩擦力が働く。この摩擦力μF4によって、軸受面115aの軸受挿入部112bに対する接触位置は、力F4の線上からピンチローラ軸112の軸受挿入部112bの外周面に沿ってピンチローラ113の回転方向(図9中の矢印H(G)方向)に角度θ3だけ傾いたP3(P1)の位置に移動する。この角度θ3の傾斜によって、接触点がそれ以上移動するのが阻止される。すなわち、角度θ3の傾斜位置で、接触点を移動させようとする摩擦力μF4と、その移動を阻止する力とが釣り合う。これにより、ピンチローラ113の軸受部115の軸受面115aは、ピンチローラ軸112の軸受挿入部112aの外周面と接触位置P3(P1)で接触しながら回転される。
【0014】
【特許文献1】
実開昭49−9691号公報
【特許文献2】
特開2002−352488号公報
【0015】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、図9に示した従来のピンチローラ装置では、テープ130の張力(負荷)の変動によりピンチローラ113が回転により受ける力F4が変動するため、軸受部115の軸受面115aとピンチローラ軸112との間に働く摩擦力μF4の大きさが増減する。このため、軸受部115の軸受面115aのピンチローラ軸112に対する接触位置P3(P1)が、ピンチローラ軸112の周面に沿って左右方向に移動するという不都合がある。具体的には、回転により受ける力F4が大きくなることにより軸受面115aとピンチローラ軸112の軸受挿入部112bの外周面との間に働く摩擦力μF4の大きさが大きくなった場合には、接触位置P3(P1)が、図9中の角度θ3が大きくなる方向に移動するという不都合がある。その一方、回転により受ける力F4が小さくなることにより軸受面115aとピンチローラ軸112の軸受挿入部112bの外周面との間に働く摩擦力μF4の大きさが小さくなった場合には、接触位置P3(P1)が、図9中の角度θ3が小さくなる方向に移動するという不都合がある。
【0016】
また、図11に示すように、テープ130の走行方向に対して直交する方向の上下の端部にそれぞれ加わる張力F5およびF6がたとえばF5<F6の関係となる場合、F4(図9参照)は、張力F5が加わる上側の端部よりも張力F6が加わる下側の端部の方が大きくなる。このとき、張力F5が加わる上側の端部よりも張力F6が加わる下側の端部の方が、θ3(図9参照)は大きくなる。これにより、テープ130を図11中の矢印E方向に走行させた場合、図12に示すように、ピンチローラ113はテープ130の走行方向(図12中の矢印E方向)に対してθ4の角度分傾く。その結果、ピンチローラ113の傾きに追従して、テープ130の走行方向がもとの走行方向Eからθ4だけ傾いた走行方向(図12中の矢印I方向)に変化するという不都合がある。すなわち、テープ130の上側と下側とで張力(負荷)に差があることに起因して、テープ130の斜行が生じるという問題点がある。
【0017】
また、上記特許文献1に開示されたピンチローラ装置においても、ピンチローラ軸に対するピンチローラの軸受部の変動を抑制するための対策がなされていないため、図7に示した従来のピンチローラ装置と同様に、テープの斜行を制御するのが困難であるという問題点がある。
【0018】
また、上記特許文献2に開示されたピンチローラ装置では、テープの斜行を抑えるために、テープ走行方向におけるスリーブの摺動規制部とピンチローラ軸の傾斜規制部との嵌合隙間をできるだけ小さくする必要がある。そのためには、部品精度を向上させる必要があり、その結果、部品コストが上昇するという問題点がある。
【0019】
この考案は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この考案の1つの目的は、部品の精度を向上させることなく、テープの斜行を抑制することにより、良好なテープ送りを実現することが可能なピンチローラ装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段および考案の効果】
上記目的を達成するために、この考案の第1の局面におけるピンチローラ装置では、キャプスタン軸に対してテープを押圧した状態で回転することによりテープを走行させるピンチローラと、ピンチローラの内面に装着されるスリーブと、スリーブの内部に取り付けられた円形状の軸受部と、軸受部に挿入されるピンチローラ軸とを備え、ピンチローラがピンチローラ軸の回りに回転するピンチローラ装置において、ピンチローラ軸の少なくとも軸受部に挿入される部分は、平坦部と円形状部とを有する実質的にDカット形状の断面形状を含み、ピンチローラ軸の実質的にDカット形状の部分は、平坦部と円形状部との境界線上に位置する部分により構成された2つの支持部を含み、2つの支持部は、ピンチローラの中心を通るピンチローラの押圧方向を示す線に対して、左右に所定の角度ずつ傾いた2つの位置で、軸受部を支持するように配置されており、2つの支持部は、面取りまたは丸みを持った形状を有している。
【0021】
この第1の局面によるピンチローラ装置では、上記のように、ピンチローラ軸の少なくとも軸受部に挿入される部分を実質的にDカット形状に形成するとともに、そのDカット形状の平坦部と円形状部との境界線上に位置する部分により構成された2つの支持部を、ピンチローラの中心を通るピンチローラの押圧方向を示す線に対して、左右に所定の角度ずつ傾いた2つの位置で、円形状の軸受部を支持するように配置することによって、軸受部をピンチローラ軸の周面の1箇所で支持する場合に比べて、軸受部がピンチローラ軸の外周面に沿って移動しにくくなる。このため、テープの上側と下側とで張力(負荷)に差があることに起因して、軸受部のピンチローラ軸に対する接触位置をピンチローラ軸の外周面に沿って左右方向に移動させる力が働いた場合にも、軸受部のピンチローラ軸に対する接触位置が、ピンチローラ軸の外周面に沿って左右方向に移動するのを抑制することができる。これにより、テープの上側と下側とで張力(負荷)に差があることに起因して、テープの走行方向にピンチローラが傾くのを抑制することができるので、テープが斜行するのを抑制することができる。その結果、良好なテープ送りを実現することができる。また、ピンチローラ軸の少なくとも軸受部に挿入される部分を実質的にDカット形状にするだけでよいので、部品の精度を上げる必要もない。また、ピンチローラ軸の2つの支持部を面取り形状または丸みを持った形状に形成することによって、2つの支持部により円形状の軸受部を支持しながらピンチローラを回転させる場合に、軸受部に傷などが発生するのを抑制することができる。
【0022】
この考案の第2の局面におけるピンチローラ装置は、キャプスタン軸に対してテープを押圧した状態で回転することによりテープを走行させるピンチローラと、ピンチローラの内部に設けられた円形状の軸受部と、軸受部に挿入されるピンチローラ軸とを備え、ピンチローラ軸の少なくとも軸受部に挿入される部分は、円形状部と、円形状部以外の形状を有する非円形状部とを含み、ピンチローラ軸の少なくとも軸受部に挿入される部分は、円形状部と非円形状部との境界線上に位置する部分により構成された2つの支持部を含み、2つの支持部の少なくとも一方は、ピンチローラの中心を通るピンチローラの押圧方向を示す線に対して、左右に所定の角度傾いた位置で、円形状の軸受部を支持するように配置されている。
【0023】
この第2の局面によるピンチローラ装置では、上記のように、ピンチローラ軸の少なくとも軸受部に挿入される部分に円形状部と円形状部以外の形状を有する非円形状部とを形成するとともに、その円形状部と非円形状部との境界線上に位置する部分により構成された2つの支持部の少なくとも一方を、ピンチローラの中心を通るピンチローラの押圧方向を示す線に対して、所定の角度傾いた位置で、円形状の軸受部を支持するように配置することによって、軸受部をピンチローラ軸の周面の1箇所で支持する場合に比べて、軸受部がピンチローラ軸の外周面に沿って左右方向の少なくとも一方に移動しにくくなる。このため、テープの上側と下側とで張力(負荷)に差があることに起因して、軸受部のピンチローラ軸に対する接触位置をピンチローラ軸の外周面に沿って左右方向に移動させる力が働いた場合にも、軸受部のピンチローラ軸に対する接触位置が、ピンチローラ軸の外周面に沿って左右方向の少なくとも一方に移動するのを抑制することができる。これにより、テープの上側と下側とで張力(負荷)に差があることに起因して、テープの走行方向にピンチローラが傾くのを抑制することができるので、テープが斜行するのを抑制することができる。その結果、良好なテープ送りを実現することができる。また、ピンチローラ軸の少なくとも軸受部に挿入される部分に、円形状部と非円形状部とを形成するだけでよいので、部品の精度を上げる必要もない。
【0024】
この第2の局面によるピンチローラ装置において、好ましくは、ピンチローラ軸の2つの支持部は、ピンチローラの中心を通るピンチローラの押圧方向を示す線に対して、左右に所定の角度ずつ傾いた2つの位置で、円形状の軸受部を支持するように配置されている。このように構成すれば、軸受部がピンチローラ軸の外周面に沿って左右方向の両方に移動しにくくなる。これにより、テープの上側と下側とで張力(負荷)に差があることに起因して、軸受部のピンチローラ軸に対する接触位置をピンチローラ軸の外周面に沿って左右方向に移動させる力が働いた場合にも、軸受部のピンチローラ軸に対する接触位置が、ピンチローラ軸の外周面に沿って左右方向に移動するのを抑制することができる。
【0025】
この第2の局面によるピンチローラ装置において、好ましくは、ピンチローラ軸の少なくとも軸受部に挿入される部分は、平坦部と円形状部とを有する実質的にDカット形状の断面形状を含む。このように構成すれば、容易に、ピンチローラ軸の少なくとも軸受部に挿入される部分に、平坦部と円形状部との境界線上に位置する部分により構成される2つの支持部を形成することができるので、この2つの支持部により、容易に、円形状の軸受部を支持することができる。
【0026】
この第2の局面によるピンチローラ装置において、好ましくは、ピンチローラ軸の2つの支持部は、面取り形状を有する。このように構成すれば、ピンチローラ軸の2つの支持部により円形状の軸受部を支持しながらピンチローラを回転させる場合に、軸受部に傷などが発生するのを抑制することができる。
【0027】
この第2の局面によるピンチローラ装置において、好ましくは、ピンチローラ軸の2つの支持部は、丸みを持った形状を有する。このように構成すれば、ピンチローラ軸の2つの支持部により円形状の軸受部を支持しながらピンチローラを回転させる場合に、軸受部に傷などが発生するのを抑制することができる。
【0028】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
図1は、本考案の一実施形態によるピンチローラ装置のピンチローラ部を示した分解斜視図である。図2は、本考案の一実施形態によるピンチローラ装置の軸受挿入部の形状の一例を示した側面図である。図3は、本考案の一実施形態によるピンチローラ装置の軸受挿入部の形状の他の例を示した側面図である。図4は、本考案の一実施形態によるピンチローラ装置の部分平面図である。図5は、図4に示した本考案の一実施形態によるピンチローラ装置の200−200線に沿った断面図である。図6は、図4に示した本考案の一実施形態によるピンチローラ装置の300−300線に沿った断面図である。
【0030】
次に、図1〜図5を参照して、本実施形態によるピンチローラ装置の構造について説明する。まず、図1に示すように、本実施形態によるピンチローラ装置は、回転機能を有するキャプスタン部20と、キャプスタン部20に対してテープを押圧した状態でテープを走行させるためのピンチローラ部10とにより構成されている。また、キャプスタン部20は、キャプスタン軸21と、キャプスタン軸21を回転させるためのキャプスタンモータ22とを有する。
【0031】
また、ピンチローラ部10のベース11の先端部には、ピンチローラ軸12が設けられている。ピンチローラ軸12は、ベース11から上方に延びた円形状の断面を有するピンチローラ軸基礎部12aと、ピンチローラ軸基礎部12aの先に形成され、ピンチローラ軸基礎部12aよりも小さい径の断面を有する軸受挿入部12bとを含む。
【0032】
ここで、本実施形態では、図1〜図3に示すように、ピンチローラ軸12の軸受挿入部12bは、実質的にDカット形状の断面形状を有している。このDカット形状の軸受挿入部12bは、金属製のピンチローラ軸12をプレス成形する際に、同時に、その端部をDカット形状にプレス成形することにより形成されている。この実質的にDカット形状の軸受挿入部12bは、平坦部12dと円形状部12cとを備えている。なお、平坦部12dは、本考案における「非円形状部」の一例である。また、実質的にDカット形状の軸受挿入部12bは、平坦部12dと円形状部12cとの境界線上に位置する部分により構成された2つの支持部12eを備えている。この2つの支持部12eは、図2に示すような面取り形状、または、図3に示すような丸みを持った形状を有している。
【0033】
また、図1に示すように、ピンチローラ軸12には、ピンチローラ13と、ピンチローラ13の内面に装着されるスリーブ14と、スリーブ14の内部に取り付けられる軸受部15とが、軸受部15の内面をピンチローラ軸12の軸受挿入部12bに挿入されるように構成されている。ここで、図5に示すように、軸受部15の内面には、凸状の軸受面15aが形成されている。この軸受面15aの内面は円形状に形成されている。また、図5に示すように、ピンチローラ軸12の先端部には、ピンチローラ13のピンチローラ軸12からの脱落を防止するための抜け止め部材16が嵌め込まれている。この抜け止め部材16の下部端面と、ピンチローラ軸12のピンチローラ軸基礎部12aの上部端面との間で、軸受部15は回転可能に保持される。
【0034】
また、図1に示すように、べ−ス11には、軸11aが設けられている。ピンチローラ部10は、この軸11aを支点にして回動可能に構成されている。また、ベース11には、引張りバネ17が取り付けられている。この引張りバネ17は、ピンチローラ13が、キャプスタン軸21を押圧する方向にピンチローラ部10を付勢するために設けられている。
【0035】
また、図4よび図5示すように、本実施形態によるピンチローラ装置では、テープ30は、引張りバネ17(図1参照)の押圧力によって、ピンチローラ13とキャプスタン軸21との間に挟まれた状態で保持される。このとき、実質的にDカット形状のピンチローラ軸12の軸受挿入部12bの平坦部12dは、ピンチローラ13の中心を通るピンチローラ13の押圧方向を示す線に対して面がほぼ垂直になるように配置されている。そして、ピンチローラ軸12の軸受挿入部12bの2つの支持部12eは、ピンチローラ13の中心を通るピンチローラ13の押圧方向を示す線に対して左側および右側にそれぞれ所定の角度θ1および角度θ2(θ1、θ2=約10°〜約45°)ずつ傾いた2つの位置で、軸受部15の内面に形成された軸受面15aの円形状の内周面と接触している。また、テープ30は、テープ30内部に設けられたローラ(図示せず)によって、まっすぐ張られた状態を維持される。また、キャプスタン軸21が右回り、左回りの両方向に回転できることにより、テープ30の走行方向が変更可能に構成されている。
【0036】
次に、図1、図4および図6を参照して、本実施形態によるピンチローラ装置の動作について説明する。本実施形態によるピンチローラ装置の動作としては、まず、キャプスタンモータ22(図1参照)の駆動によって、キャプスタン軸21は、図4中の矢印A(B)方向に回転される。このとき、テープ30を介してキャプスタン軸21の回転がピンチローラ13に伝わることによりピンチローラ13は図4中の矢印C(D)方向に回転される。そして、テープ30が、ピンチローラ13の回転に伴って、図4中の矢印F(E)方向に搬送される。
【0037】
このとき、ピンチローラ13は、引張りバネ17(図1参照)によりキャプスタン軸21に押圧されているため、キャプスタン軸21から抗力として力F1を受ける。これにより、軸受部15の軸受面15aは、ピンチローラ軸12の軸受挿入部12bの2つの支持部12eに押圧されるので、2つの支持部12eと軸受部15の軸受面15aとの間に摩擦力が働く。この摩擦力の大きさは、ピンチローラ13が回転により受ける力F1の大きさが変動するのに伴って増減する。そして、摩擦力の大きさが増減することに起因して、軸受面15aの軸受挿入部12bに対する接触位置をピンチローラ軸12の軸受挿入部12bの外周面に沿って左右方向に移動させる力が働く。具体的には、力F1が増大した場合には、軸受面15aと2つの支持部12eとの間に働く摩擦力の大きさが大きくなる。この場合には、軸受面15aの軸受挿入部12bに対する接触位置をピンチローラ軸12の軸受挿入部12bの外周面に沿って図4中の矢印H(G)方向に移動させる力が働く。その一方、力F1が減少した場合には、軸受面15aと2つの支持部12eとの間に働く摩擦力の大きさが小さくなる。この場合には、軸受面15aの軸受挿入部12bに対する接触位置をピンチローラ軸12の軸受挿入部12bの外周面に沿って図4中の矢印G(H)方向に移動させる力が働く。
【0038】
このとき、本実施形態では、2つの支持部12eが、ピンチローラ13の中心を通るピンチローラ13の押圧方向を示す線に対して左側および右側にそれぞれ所定の角度θ1および角度θ2(θ1、θ2=約10°〜約45°)ずつ傾いた2つの位置でピンチローラ13の軸受部15の軸受面15aを支持しているので、ピンチローラ13の軸受部15の軸受面15aを1箇所で支持する場合に比べて、ピンチローラ13の軸受部15の軸受面15aがピンチローラ軸12の軸受挿入部12bの外周面に沿って移動しにくくなる。これにより、軸受面15aの軸受挿入部12bに対する接触位置を、ピンチローラ軸12の軸受挿入部12bの外周面に沿って左右方向に移動させる力が働いた場合にも、軸受面15aの軸受挿入部12bに対する接触位置が、ピンチローラ軸12の軸受挿入部12bの外周面に沿って左右方向に移動するのが抑制される。これにより、図6に示すように、テープ30の走行方向に対して直交する方向の上下の端部にそれぞれ加わる張力F2およびF3がたとえばF2<F3の関係となる場合においても、ピンチローラ13のピンチローラ軸12に対する傾きが抑制される。
【0039】
本実施形態では、上記のように、ピンチローラ軸12の少なくとも軸受部15に挿入される部分を実質的にDカット形状に形成するとともに、そのDカット形状の平坦部12dと円形状部12cとの境界線上に位置する部分により構成された2つの支持部12eを、ピンチローラ13の中心を通るピンチローラ13の押圧方向を示す線に対して、左右に所定の角度θ1およびθ2ずつ傾いた2つの位置で、円形状の軸受部15を支持するように配置することによって、テープ30の上側と下側とで張力(負荷)に差があることに起因して、軸受面15aの軸受挿入部12bに対する接触位置をピンチローラ軸12の軸受挿入部12bの外周面に沿って左右方向に移動させる力が働いた場合にも、軸受面15aの軸受挿入部12bに対する接触位置が、ピンチローラ軸12の軸受挿入部12bの外周面に沿って左右方向に移動するのを抑制することができる。これにより、テープ30の上側と下側とで張力(負荷)に差があることに起因して、テープ30の走行方向にピンチローラ13が傾くのを抑制することができるので、テープ30が斜行するのを抑制することができる。その結果、良好なテープ送りを実現することができる。
【0040】
また、本実施形態では、ピンチローラ軸12の軸受部15に挿入されるピンチローラ軸12の軸受挿入部12bを実質的にDカット形状にするだけでよいので、軸受挿入部12bと軸受部15の軸受面15aとの間の隙間をできるだけ小さくすることによりピンチローラ13の傾きを小さくする場合と異なり、部品の寸法精度をそれほど上げる必要もない。
【0041】
また、本実施形態では、ピンチローラ軸12の軸受挿入部12bの2つの支持部12eを面取り形状または丸みを持った形状に形成することによって、2つの支持部12eにより円形状の軸受部15を支持しながらピンチローラ13を回転させる場合に、軸受部15に傷などが発生するのを抑制することができる。
【0042】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本考案の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく実用新案登録請求の範囲によって示され、さらに実用新案登録請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0043】
たとえば、上記実施形態では、ピンチローラ軸の軸受挿入部を実質的にDカット形状に形成したが、本考案はこれに限らず、軸受挿入部を他の形状に形成してもよい。たとえば、軸受挿入部の平坦部を凹状の形状などの他の形状に形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施形態によるピンチローラ装置のピンチローラ部を示した分解斜視図である。
【図2】本考案の一実施形態によるピンチローラ装置の軸受挿入部の形状の一例を示した側面図である。
【図3】本考案の一実施形態によるピンチローラ装置の軸受挿入部の形状の他の例を示した側面図である。
【図4】本考案の一実施形態によるピンチローラ装置の部分平面図である。
【図5】図4に示した本考案の一実施形態によるピンチローラ装置の200−200線に沿った断面図である。
【図6】図4に示した本考案の一実施形態によるピンチローラ装置の300−300線に沿った断面図である。
【図7】従来の他の例によるピンチローラ装置を示した斜視図である。
【図8】図7に示した従来のピンチローラ装置のピンチローラ部を示した分解斜視図である。
【図9】図7に示した従来のピンチローラ装置の部分平面図である。
【図10】図9に示した従来のピンチローラ装置の400−400線に沿った断面図である。
【図11】図9に示した従来のピンチローラ装置の500−500線に沿った断面図である。
【図12】図11に示した従来のピンチローラ装置のテープ斜行時の状態を示した断面図である。
【符号の説明】
12 ピンチローラ軸
12a ピンチローラ軸基礎部
12b 軸受挿入部
12c 円形状部
12d 平坦部(非円形状部)
13 ピンチローラ
14 スリーブ
15 軸受部
15a 軸受面
16 抜け止め部材
21 キャプスタン軸

Claims (6)

  1. キャプスタン軸に対してテープを押圧した状態で回転することにより前記テープを走行させるピンチローラと、前記ピンチローラの内面に装着されるスリーブと、前記スリーブの内部に取り付けられた円形状の軸受部と、前記軸受部に挿入されるピンチローラ軸とを備え、前記ピンチローラが前記ピンチローラ軸の回りに回転するピンチローラ装置において、
    前記ピンチローラ軸の少なくとも前記軸受部に挿入される部分は、平坦部と円形状部とを有する実質的にDカット形状の断面形状を含み、
    前記ピンチローラ軸の実質的にDカット形状の部分は、前記平坦部と前記円形状部との境界線上に位置する部分により構成された2つの支持部を含み、
    前記2つの支持部は、前記ピンチローラの中心を通る前記ピンチローラの押圧方向を示す線に対して、左右に所定の角度ずつ傾いた2つの位置で、前記軸受部を支持するように配置されており、
    前記2つの支持部は、面取りまたは丸みを持った形状を有している、ピンチローラ装置。
  2. キャプスタン軸に対してテープを押圧した状態で回転することにより前記テープを走行させるピンチローラと、
    前記ピンチローラの内部に設けられた円形状の軸受部と、
    前記軸受部に挿入されるピンチローラ軸とを備え、
    前記ピンチローラ軸の少なくとも前記軸受部に挿入される部分は、円形状部と、前記円形状部以外の形状を有する非円形状部とを含み、
    前記ピンチローラ軸の少なくとも前記軸受部に挿入される部分は、前記円形状部と前記非円形状部との境界線上に位置する部分により構成された2つの支持部を含み、
    前記2つの支持部の少なくとも一方は、前記ピンチローラの中心を通る前記ピンチローラの押圧方向を示す線に対して、左右に所定の角度傾いた位置で、前記円形状の軸受部を支持するように配置されている、ピンチローラ装置。
  3. 前記ピンチローラ軸の2つの支持部は、前記ピンチローラの中心を通る前記ピンチローラの押圧方向を示す線に対して、左右に所定の角度ずつ傾いた2つの位置で、前記円形状の軸受部を支持するように配置されている、請求項2に記載のピンチローラ装置。
  4. 前記ピンチローラ軸の少なくとも前記軸受部に挿入される部分は、平坦部と円形状部とを有する実質的にDカット形状の断面形状を含む、請求項2または3に記載のピンチローラ装置。
  5. 前記ピンチローラ軸の2つの支持部は、面取り形状を有する、請求項2〜4のいずれか1項に記載のピンチローラ装置。
  6. 前記ピンチローラ軸の2つの支持部は、丸みを持った形状を有する、請求項2〜4のいずれか1項に記載のピンチローラ装置。
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