JP2008051720A - 動釣合試験機 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転体の回転に伴う振動を正確に安定して測定できる動釣合試験機を提供。
【解決手段】動釣合試験機は、基部と、基部に支持され試験対象である回転体7を回転自在に保持する回転支持部材4と、回転体7の回転に伴う振動を検出する振動検出センサとを有する。回転支持部材4は、回転体7と当接して回転自在に支持するローラ11,12と、ローラ11,12の回転による軸方向の移動を阻止するストッパ45とを持つ。ローラ11,12は、回転体7の回転方向と所定角度で傾斜して当接する傾動ローラである。
【選択図】図9

Description

本発明は、高精度に回転体のアンバランスを測定する動釣合試験機に関する。
特許文献1の動釣合試験機は、基部と、基部から立設し試験対象である回転体を回転自在に支承する回転支持部材とを有する。回転支持部材は、回転体の周側面とそれぞれ当接する当接部をもつ一対のローラと、回転体の軸方向の端部に当接して回転体の軸方向の移動を制限するストッパとを持つ。動釣合試験機は、回転体がローラの当接部に当接して回転するときの回転支持部材の振動を検出する。動釣合試験機は、回転体のスラスト力(推進力)と釣り合うようにストッパを回転体の方向へ付勢する引張りバネを持つ。ストッパは、引張りバネにより回転体に付勢されているため、試験中に回転体がストッパの方向へ移動しようとしても、ストッパと回転体との接触状態が保たれ、振動検出への影響を抑制する。
特開2000−28468号公報
しかしながら、上記特許文献1では、回転体とストッパとの接触を、引張りバネの回転体への付勢力により保持している。引張りバネの付勢力は、些細な振動や使用環境により影響を受けることがある。このため、回転体とストッパとの接触を確保することができない場合がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、回転体の回転に伴う振動を正確に安定して測定できる動釣合試験機を提供しようとするものである。
課題を解決するための手段及び効果
上記課題を解決する発明は、基部と、基部に支持され試験対象である回転体を回転自在に保持する回転支持部材と、回転体の回転に伴う振動を検出する振動検出手段とを持ち、回転支持部材は、回転体と当接するローラと、回転体の回転による軸方向の移動を阻止するストッパとを有する動釣合試験機において、ローラは、回転体の回転方向と所定角度で傾斜して当接する傾動ローラであることを特徴とする。
上記構成によれば、回転体と当接するローラは、試験対象である回転体の回転方向に対して所定角度で傾斜して回転体と当接する傾動ローラである。このため、傾動ローラは、回転体の回転方向と所定角度に傾斜した方向に摩擦力が働く。摩擦力は、傾動ローラをその回転方向に回転させるとともに、傾動ローラをその軸方向に移動させようとする。しかし、傾動ローラは軸方向に固定されているため、動くことができない。そのため、傾動ローラは、これと当接する回転体を軸方向に移動させることにより、傾動ローラの軸方向に移動しようとする力を打ち消す。このように、回転体は、傾動ローラからの軸方向へ移動しようとするスラスト力を受ける。このスラスト力により、回転体は、一定方向に移動しようとし、ストッパに当接することになる。ゆえに、回転体がストッパに片寄せされた状態で、回転体の回転に伴う振動を検出することができる。したがって、回転体の回転に伴う振動を、安定して正確に測定することができる。
以上のように本発明によれば、回転体の回転に伴う振動を正確に安定して測定できる動釣合試験機を提供することができる。
傾動ローラは、回転体の回転方向に対して所定角度で傾斜して当接している。ここで、回転体の回転方向とは、回転体が軸を中心として周方向に回転するときの方向をいう。
回転支持部材は、回転体の回転方向に対して傾いて当接する少なくとも1つの傾動ローラを持つ。ここで、回転支持部材は、一対の傾動ローラを持つことが好ましい。これにより、回転体が回転方向に2点で支承され、回転体を安定して保持できる。
一対の傾動ローラの回転体と当接する当接部の間を通る直線は、回転体の回転方向に対して傾斜していることが好ましい。これにより、回転体の軸方向へのスラスト力が、一方の傾動ローラの当接部から他方の傾動ローラの当接部へと受け継がれ、回転体をスムーズに軸方向へ移動させることができる。
回転支持部材は、回転体の軸方向の両端部に配置されていることが好ましい。回転体の軸方向の両端に配置された回転支持部材は、いずれも傾動ローラを持つ。このため、回転体の両端側から軸方向へのスラスト力が得られ、回転体を安定して片寄せすることができる。
回転支持部材は、傾動ローラを回転自在に軸支する軸穴をもつ保持プレートを有し、軸穴の軸方向は、回転体の軸方向と所定角度で傾斜していることが好ましい。このように保持プレートの軸穴に傾斜をつけることにより、傾動ローラを回転体の回転方向に対して傾斜して当接させることができる。このため、従来用いていたローラを軸穴に組み付けることにより、ローラ自体には設計変更を加えずに、傾動ローラとして用いることができる。
傾動ローラの回転体と当接する部分は、傾動ローラの周側面に設けられその遠心方向に突出する突出曲面に形成されていることが好ましい。これにより、傾動ローラと回転体との当接面積が少なくなり、摩擦を低減させることができる。そのため、安定して回転体の振動を検出することができる。
(実施例1)
以下、本発明の一実施例である動釣合試験機について図面に基づいて詳細に説明する。
動釣合試験機は、図1に示すように、基部47と、基部47に支持され試験対象である回転体7を回転自在に保持する回転支持部材4と、回転体7の回転に伴う振動を検出する振動検出手段である振動検出センサ5とを有する。回転支持部材4は、回転体7と当接して回転体7を回転自在に支持するローラ11,12と、ローラ11,12の回転による軸方向の移動を阻止するストッパ45とを持つ。ローラ11,12は、回転体7の回転方向と所定角度α’で傾斜して当接する傾動ローラである。
基部47は、水平に配置された平板であり、その上の前方側A(図1の左側)及び後方側B(図1の右側)に、一対の回転支持部材4、4が立設されている。回転支持部材4、4は、回転体7の軸部78をその両端部から保持できる程度に間隔をあけて配置されている。回転支持部材4、4は、図示しないボルトなどの締結具により基部47に固定されている。
図2に示すように、回転支持部材4は、コ字形状で上方に開口した枠部材41と、枠部材41の上部にボルトで固定された平板状の上部材42とを有する。枠部材41の内部には、板バネ3により振動架台2が吊り下げられている。これにより振動架台2は板バネ3により弾性支持され、振動架台2に外部の振動が伝達することが抑制される。板バネ3は、枠部材41の上部及び振動架台2の下部においてボルトで締結されている。
振動架台2の上部には、保持プレート10を取り付けるための取付凹部21を設けている。図4に示すように、取付凹部21は、保持プレート10の側面107を保持する側面保持部22と、保持プレート10の背面108を保持する背面保持部23とにより形成されている。側面保持部22及び背面保持部23は、振動架台2と一体的に形成されている。保持プレート10は、取付凹部21の内部に配置された後に、背面保持部23に対してボルト24で固定される。
図3,図4に示すように、保持プレート10は、ローラ11,12の軸部111,121を回転自在に保持する軸穴101,102と、ボルト24により背面保持部23に対して固定する固定穴109とを有する。保持プレート10の上方中央部には、回転駆動部を進退可能にする凹部107が形成されている。
保持プレート10は、ローラ11,12を回転自在に軸支する軸穴101,102と、ローラ11,12を突設させたローラ保持面100をもつ。軸穴101,102の軸方向は、回転体7の軸方向に対して所定角度αで傾斜している。本例においては、所定角度αは0.17°である。また、ローラ保持面100は、回転体7の軸方向と所定角度αで傾斜している。
ローラ11,12は、保持プレート10に保持されている軸芯部111,121と、軸芯部111,121の後方側Bに遠心方向に幅広に延びるローラ本体部110,120とを有する。軸芯部111,121にはカラー116,126が嵌められ、ローラ本体110,120と保持プレート10のプレート保持面100との間が所定間隔になるように規定している。軸芯部111,121は、保持プレート10の軸穴101,102に嵌入され、抜け止め部材119,129にて保持プレート10に対して回転自在に保持されている。
ローラ11,12のローラ本体部110,120の側面部には、その周方向に連続する半円状の凸状リング部112、122が形成されている。試験対象である回転体7をローラ11,12に支承させたときに、凸状リング部112、122は回転体7の軸部78の側面782に当接する。
図1に示すように、回転保持部材4の上部に設けられた上部材42の中央部には、回転体7の端部781に当接して回転体7の軸方向の流れを阻止するストッパ45が吊り下げられている。ストッパ45は、上部材42に対してボルト47にて回転自在に保持されている。
回転保持部材4には、回転体7の回転に伴い発生する振動を検出する振動検出センサ5が搭載されている。振動検出センサ5は、枠部材41に固定されたセンサ本体部51と、センサ本体部51から振動架台2を横切るように水平方向に延びるセンサバー52と、センサバー52と振動架台2との間を連結し振動架台2の振動をセンサバー52に伝達する伝達部53とを有する。
動釣合試験機は、回転体7の回転位置を検出する位置基準センサ8を持つ。位置基準センサ8は、回転体7の軸部78に埋設され軸部78の側面782にライン状に露出している樹脂部783を感知し、回転体7の回転位置を検出する。
回転保持部材4には、振動架台2を挟持・解放するクランプ機構60が搭載されている。クランプ機構60は、内部にシリンダを搭載したクランプ本体部62と、シリンダにより駆動されることにより振動架台2の凸部26を把持・解放し得る把持部61とを有する。クランプ機構60は、回転体7の振動を測定するときに振動架台2を解放し、それ以外の時には振動架台2を把持する。
回転体7の軸方向の延長線上には、回転体7を把持し回転駆動し得る駆動センタ65が設けられている。
次に、動釣合試験機を用いて、回転体として自動車等に搭載されるオルタネータの回転にともなうアンバランス量を測定する。
まず、図8に示すように、図示しない搬送用クランプで、回転体7を駆動センタ65の間に配置する。駆動センタ65を前進させて、ストッパ45と、保持プレート10及びローラ11,12との間の空間に挿入する。そして、駆動センタ65で回転体7の軸方向の両端部781を把持する。駆動センタ65にて回転体7を回転させ所定回転速度(本例では1320rpm)に到達させる。回転体7の回転方向は、右方向(時計回転)とする。クランプ機構60は、振動架台2を把持させておく。
次に、図9に示すように、駆動センタ65を後退させ、所定回転速度に到達した回転体7をローラ11,12の上に置く。次に、クランプ機構60により振動架台2を解放する。すると、回転体7は、右方向に惰性回転し続けるとともに、スラスト力Fにより後方側Bへ移動する。このメカニズムについて図4〜図7を用いて説明する。
図4,図5に示すように、ローラ11,12を軸支する軸穴101,102の軸方向は、回転体7の軸方向と所定角度αで傾斜している。このため、ローラ11,12の軸方向Tも回転体7の軸方向tに対して所定角度αで傾斜する。また、この軸方向t、T間の角度αの傾斜に起因して、ローラ11,12の回転方向Hも回転体7の回転方向hに対して所定角度αで傾斜する。図3,図7に示すように、ローラと回転体の接点P1が存在し双方の径方向に対して垂直な接線面(後述の△P1P2P3を含む平面)は、水平面(後述の△P1P7P6を含む平面と平行な面)に対してローラの接触角θの角度で傾斜しているため、回転方向h、H間の角度α’と軸方向t、T間の傾斜角度αとは異なる。
ここで、ローラ11,12は、回転体7に対して、周方向に半円状に突出した凸状リング112,122の当接部113,123で当接する。当接部113,123は、凸状リング112,122の半円状の曲面に位置する。図3に示すように、ローラ11,12は回転体7の軸部78の側面782を斜め下方側から支承している。図5(a)、図5(b)に示すように、一方(右側)のローラ11の軸方向Tは、回転体7の軸方向tと角度αだけ傾斜しているため、ローラ11の当接部113は、凸状リング112の曲面の頂部119よりも前方側Aで、回転体の軸方向tの接線と凸状リング112の曲面とが接する部分に位置する。他方(左側)のローラ12の当接部123は、凸状リング123の曲面の頂部129よりも後方側Bで、回転体7の軸方向の接線と凸状リング112の曲面とが接する部分に位置する。
まず、一方のローラ11の当接部113について、図6を用いて説明する。ローラ11の軸方向Tは回転体7の軸方向tと角度αだけ傾斜している。また、ローラ11の回転方向Hは、回転体7の回転方向hと角度α’で傾斜している。ここで、ローラ11,12には、その円周面に対して鉛直方向に、回転体7の重力による押圧力Nが働く。ローラ11は、惰性回転する回転体7との摩擦により回転する。このローラ11が回転体7から受ける摩擦力M1は、回転体7の回転方向hに作用する。ここで、図6に示すように、ローラ11の回転方向Hは、当接部113において、回転体7の回転方向hに対して角度α’で傾斜している。このため、回転体から受ける摩擦力M1は、ローラの回転方向Hに対して前方側Aに傾斜している。図6に示すように、回転体の重力によるローラの押圧力をN、回転体とローラとの間の摩擦係数をμとすると、回転体から受ける摩擦力M1は、Nμであらわすことができる。この摩擦力M1を、ローラ11の回転方向Hに作用する力M11と、この回転方向Hと垂直な方向、すなわちローラの軸方向Tに作用する力M12とに分解する。ローラ11の回転方向Hに作用する力M11は、Nμcosα’であらわされ、ローラ11の回転方向Hと垂直な方向(軸方向T)に作用する力M12は、Nμsinα’であらわされる。このローラ11に加わる摩擦力のローラ回転方向Hの成分M11はローラ11を回転させる。一方、ローラ11の軸方向Tの成分M12は、ローラ11を前方側Aに移動させようとするが、ローラ11は軸方向に不動である。このため、この力M12を軽減するように、ローラ11は回転体に力M12と反対方向(後方側B)の反作用の力(−M12)を与える。回転体7は反作用の力(−M12)を受ける。回転体7とローラ11とはその軸方向が角度αで傾斜している。このため、回転体7は、その軸方向tの成分の力(−M12cosα)によって移動する。この移動させる力がスラスト力F1となる。すなわち、回転体7の軸方向tのスラスト力F1は、F1=−Nμsinα’×cosαであらわされる。このように、図6に示すように、スラスト力F1は、回転体の後方側Bへ向く。
次に、回転体7の回転方向hとローラ11の回転方向Hとのなす角度α’を、回転体7の軸方向tとローラの軸方向Tとのなす角度αに変換する。図7に示すように、当接部113を接点P1とする。接点P1をローラ11の中心軸Oを含む水平面上に投影した点をPP1とする。回転体の中心軸O’を、△P1OPP1を含む面に投影した点をP5とする。点P5を含む垂線L(点PP2も含む)と、ローラの回転方向Hとの交点をP2とする。点P5を含む垂線Lと点P1を含む水平面に平行な面との交点をP7とする。点P5を含む垂線Lとローラの中心軸Oを含む水平面との交点をPP1とする。また、回転体の中心軸O’を含む垂線Lとローラの中心軸Oを含む水平面との交点をPP3とする。回転体の中心軸O’を含む垂線L(点PP3も含む)と、回転体の回転方向hとの交点をP3とする。回転体の中心軸O’を含む垂線Lと接点P1を含む水平面との交点をP6とする。また、ローラの半径をR、回転体の半径r、ローラの中心軸Oから接点P1(当接部113)への直線OP1と垂直線Lとがなす接触角をθ、回転体の中心軸O’から接点P1への直線O’P1と垂直線Lとがなす接触角をφとする。すると、ローラ円周面に加わる摩擦力M1、その摩擦力のローラ回転方向Hの成分M11は、それぞれ直線P1P3上、直線P1P2上に作用する。力M11(P1P2)と力M1(P1P3)とがなす角度は、回転方向H、h間のなす角度α’に等しい。M11はM1のローラ回転方向の分力であるため、M1が作用する直線P1P3から、M11が作用する直線P1P2へ向かう垂線P3P2は、P1P2に対して直角である。したがって、直線P1P3と直線P1P2とのなす角度α’は、
tanα’=P2P3/P1P2=rsinφsinα/(rsinφcosα/cosθ)
→ tanαcosθ=tanα’・・・数式I
図3に示すように、ローラ11,12の軸間距離をP/2とすると、この軸間距離P/2と接触角θ、φとの関係は、
Rsinθ+rsinφcosα=P/2
→ sinφ=(P−2Rsinθ)/(2rcosα)・・・数式II
三角形△P1P2P3は、回転体とローラとの接点P1及び軸方向H、hを含む平面上にあり、接点P1を含む水平面上に投影すると、三角形△P1P7P6が作成される。また、角P2P1P7は、ローラの接触角θに等しい。このことから、直線O’P6は、直線P5P7と等しくなり(O’P6=P5P7)、
rcosφ=rsinφcosα/tanθ
→sinθ/cosθ=sinφcosα/cosφ=tanφcosα
∴sinθ=cosθtanφcosα・・・数式III
数式IIから、
Rcosθtanφcosα+rsinφcosα=P/2
∴cosθ=(P/2−rsinφcosα)/(Rtanφcosα)・・・数式IV
数式IVを数式Iに代入して、
tanα’=tanα(P/2−rsinφcosα)/(Rtanφcosα)
α’=arc(tanα(P/2−rsinφcosα)/(Rtanφcosα))・・・・数式V
F1=Nμsinα’×cosαの式に数式Vを代入すると、F1は、
F1=Nμsin (arc(tanα(P/2−rsinφcosα)/(Rtanφcosα)))×cosα・・・数式VI
であらわされる。
他方(左側)のローラ12の当接部123について、図5(a)を用いて説明する。ローラ12の軸方向Tは、ローラ11と同様に、回転体7の軸方向tと角度αだけ傾斜している。ローラ12の回転方向Hは、ローラ12と同様に、回転体7の回転方向hと角度α’で傾斜している。したがって、ローラ12も、ローラ11と同様に、回転体を軸方向の後方側Bに移動させるスラスト力を発生させる。
以上のように、回転体7は、図9に示すように、前方側A及び後方側Bの軸部78をそれぞれ保持するローラ11,12からスラスト力(F)を受ける。回転体7は、惰性回転しているため、このスラスト力と相まって、スパイラル状に回転しながら後方側Bへ移動する。図10に示すように、回転体7は、軸方向に所定間隔を移動すると、その軸部78の端部782がストッパ45に当接し、軸方向の移動は停止する。回転体7には常にスラスト力が加わっているため、後方側Bのストッパ45に当接し続けながら、惰性回転をする。
このように回転体7がストッパ45に当接しながら惰性回転する状態になったとき、クランク機構60をアンクランプにする。そして、回転体7の回転に伴い発生する振動を振動検出センサ5で測定するとともに、位置基準センサ8にて回転体7の回転位置を測定する。振動が回転体の所定の回転位置で許容値を超えて変化する傾向があると、その回転体は周方向のバランスが不良であると判定される。
以上により回転体のアンバランス量が動釣合試験機にて測定される。
測定後には、搬送用クランプで回転体を次の工程へ搬送する。なお、周方向のバランスが悪く不良と判定された回転体については、次の工程で、バランスの悪い回転位置がドリルやカッターで切削加工されてアンバランスが除去される。
本例においては、回転体7は、ローラ11,12から軸方向に所定のスラスト力を受けるため、安定してストッパ45に当接し続けることができる。このため、安定して誤差のない振動測定を行うことができる。
図5に示すように、ローラ11,12の回転体7と当接する当接部113,123の間を通る直線15は、回転体7の回転方向hに対して所定角度βで傾斜している。このため、回転体7の軸方向へのスラスト力が、一方のローラ11の当接部113から他方のローラ12の当接部132へと連続的に受け継がれ、回転体7をスムーズに軸方向へ移動させることができる。
回転体7の軸方向の両端に配置された回転支持部材4は、いずれもローラ11,12を持つ。このため、回転体7の両端側から軸方向へのスラスト力が得られ、回転体7を安定して片寄せすることができる。
保持プレート10に設けられた軸穴101,102の軸方向は、回転体7の軸方向と所定角度αで傾斜している。このため、軸穴101,102に従来用いていたローラを組み付けることにより、ローラ自体には設計変更を加えずに、従来のローラを、回転体の回転方向に対して傾斜して当接するローラ11,12として用いることができる。
ローラ11,12の当接部113,123は、ローラ11,12の遠心方向に突出しその軸方向になめらかに半円状に湾曲する曲面をもつ凸状リング部112,122に形成されている。このため、ローラ11,12と回転体7との当接面積が少なくなり、摩擦を低減させることができる。そのため、安定して回転体7の振動を検出することができる。
上記実施例においては、回転体を時計回りに回転させているが、反時計回りに回転させてもよい。また、ローラ11,12の傾斜方向を、本実施例と反対側にしてもよい。これらの場合、回転体が傾動ローラから受けるスラスト力は、前方側Aに向く。このため、回転体はスラスト力により前方側Aのストッパに当接する。
また、上記実施例においては、回転支持部材4の中の保持プレート10及びローラ11,12を回転体に対して傾斜させたが、回転支持部材4全体を回転体に対して傾斜させてもよい。
(実施例2〜実施例5)
本例では、ローラの傾斜角度αを変化させている点の他は、実施例1と同様である。保持プレート10の厚みは、均一とする。図11(a)に示すように、前方側Aの保持プレート10では、その背面108のローラ12の側(左側)の端部と背面保持部材23との間に種々の厚みのシム9を挟み込み、所定角度αになるようにする。図11(b)に示すように、後方側Bの保持プレート10では、その背面108のローラ11の側(右側)の端部と背面保持部材23との間に種々の厚みのシム9を挟み込み、所定角度αになるようにする。前方側A及び後方側Bの保持プレートの幅Hは78mm、軸穴の間隔は56mm、厚み7.8mmである。保持プレート10の背面108にシム9を挟み込むことにより、シム9の厚みTだけ保持プレート10のプレート保持面100が傾斜角度αで傾斜する。ローラ11,12の軸方向が回転体の軸方向に対して角度αで傾斜する。ローラが回転体の回転方向に対して角度αで傾斜して当接する。
実施例2ではシム厚さが0.1mm,傾斜角度αが0.07°、実施例3ではシム厚さが0.2mm,傾斜角度αが0.15°、実施例4ではシム厚さが0.3mm,傾斜角度αが0.22°、実施例5ではシム厚さが0.4mm、傾斜角度αが0.30°である。回転体の回転方向hとローラの回転方向Hとのなす角度α’は、上記軸方向t、T間の角度αより上記数式Vにて算出された数値になる。
(比較例)
本例では、ローラの傾斜角度αは0°である。保持プレートと背面保持部材との間にシムは挟み込んでいない。
(評価)
実施例2〜5及び比較例の動釣合試験機について、振動の最大振幅を測定するとともに回転体の挙動を観察した。試験に供する回転体は、重量(G)1800gのオルタネータで、1320rpmの回転速度でローラに当接させた。回転体とローラとの摩擦係数(μ)は、0.02である。回転体の軸部78の半径rは7.5〜8.5mmであり、ローラ11,12の中心軸と当接部113,123との距離(半径R)は18mmである。ローラ11とローラ12との間の距離P/2は19mmである。
振動の最大振幅は、実施例1の振動検出センサとは別のFFTアナライザ(振動測定器)を用いて測定した。FFTアナライザは、回転支持部材4の上部材42にセンサ部を接触させ、回転体より上部材に伝達される振動を検出した。測定結果について判定した。◎は最良、○は良、△はほぼ良、×は不良を意味する。
測定結果を表1に示す。
Figure 2008051720
同表より、実施例2〜5の場合には、回転体が軸方向に片寄せされた。実施例2〜4はスラスト力が適切で、ほぼ安定してストッパに当接した。また、実施例2〜4では、実施例5に比べて、枠部材の最大振幅も比較例と同程度に低かった。特に実施例3では、すべての回転体が安定してストッパに当接し、最大振幅も比較例と大差はなかった。実施例2では、実施例3〜5に比べて、スラスト力が弱く、回転体の軸方向の流れ方が遅かった。実施例5では、実施例1〜4に比べて、スラスト力が若干大きく、回転体がスラスト方向と逆方向に跳ね返されることもあった。
このことから、ローラの軸方向Tと回転体の軸方向tとのなす角度αが0.07〜0.22°の範囲にある場合に好ましいことがわかる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
本発明の動釣合試験機は、オルタネータ、スタータなどの自動車部品を始め、様々な回転体のアンバランス測定に用いることができる。
実施例1の動釣合試験機の斜視図。 実施例1における、前方側の回転支持部材の正面図。 実施例1における、保持プレート及びローラと、回転体と当接状態を説明するための保持プレートの正面図。 実施例1における、回転支持部材の平面図。 実施例1における、ローラの当接部とローラに作用する摩擦力の方向を説明するための、ローラと回転体との平面図(a)、及び回転体に対するローラの当接部の向きを示す説明図(b)。 実施例1における、回転体と一方のローラとの間に働く摩擦力を説明するための説明図。 図6に続く、回転体と他方のローラとの間に働く摩擦力を説明するための説明図。 実施例1における、回転体をローラに載せたときの状態を示す、動釣合試験機の平面説明図。 実施例1における、回転体が軸方向に移動している状態を示す、動釣合試験機の平面説明図。 実施例1における、回転体がストッパに当接している状態を示す、動釣合試験機の平面説明図。 実施例2〜5における、前方側の回転支持部材の平面図(a)、及び後方側の回転支持部材の平面図(b)。
符号の説明
10:保持プレート、100:プレート保持面、101,102:軸穴、11,12:ローラ、110,120:ローラ本体、113,123:当接部、2:振動架台、3:板バネ、4:回転支持部材、41:枠部材、42:上部材、45:ストッパ、47:基部、5:振動検出センサ、60:クランプ機構、7:回転体、8:位置基準センサ
A:前方側、B:後方側

Claims (3)

  1. 基部と、該基部に支持され試験対象である回転体を回転自在に保持する回転支持部材と、該回転体の回転に伴う振動を検出する振動検出手段とを持ち、
    前記回転支持部材は、前記回転体と当接するローラと、前記回転体の回転による軸方向の移動を阻止するストッパとを有する動釣合試験機において、
    前記ローラは、前記回転体の回転方向と所定角度で傾斜して当接する傾動ローラであることを特徴とする動釣合試験機。
  2. 前記回転支持部材は、前記回転体の軸方向の両端部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の動釣合試験機。
  3. 前記回転支持部材は、前記傾動ローラを回転自在に軸支する軸穴をもつ保持プレートを有し、該軸穴の軸方向は、前記回転体の軸方向と所定角度で傾斜していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の動釣合試験機。
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