JP2008201958A - 未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチの製造方法、ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents
未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチの製造方法、ゴム組成物及びタイヤ Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】(a)ゴム成分を含むゴム液とカーボンブラック分散スラリー液との混合液を調製する工程、(b)前記混合液を凝固処理し、形成された凝固物を取り出す工程、及び(c)取り出された凝固物を乾燥させる工程を有し、かつ前記(a)工程におけるカーボンブラック分散スラリー液が、未造粒カーボンブラックを分散させたスラリー液であることを特徴とする未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチの製造方法である。
【選択図】なし
Description
カーボンブラックの造粒プロセスは、大別すると、乾式法と湿式法とに分類される。湿式法は、粉末カーボンブラックと、水または造粒助剤を添加した水溶液とを、一定の割合でかつ連続的に造粒機に供給して、カーボンブラックを造粒する方法であり、現状における造粒プロセスの主要な工業的手段とされている。
前記造粒助剤としては、例えば糖蜜、リグニンスルホン酸マグネシウム、リグニンスルホン酸カリウムなどが用いられる。
このようなカーボンブラック造粒品においては、ハンドリング性は改良されるものの、カーボンブラック自体の表面活性が低下するため、ゴムの補強用充填材として用いる場合、ゴムの補強性や耐摩耗性などが低下するのを免れないという問題があった。
ところで、一般に、加工性に優れたゴムの製造方法としてウェットマスターバッチを用いることが知られている。これは、カーボンブラック、シリカ等の充填材と水とをあらかじめ一定の割合で混合し機械的な力で充填材を水中に微分散させたスラリーと、ゴムラテックスを混合し、その後、酸、無機塩、アミン等の凝固剤を加えて凝固させたものを、回収、乾燥するものである(例えば、特許文献1、2及び3参照)。
しかしながら、このウェットマスターバッチの製造に用いられるカーボンブラックは、市販の造粒品であって、前述した問題を有しており、ゴムの補強性や耐摩耗性などについては、必ずしも充分に満足し得るとはいえなかった。
すなわち、本発明は、
(1)ゴム成分とカーボンブラックを含有するウェットマスターバッチを製造する方法であって、(a)前記ゴム成分を含むゴム液とカーボンブラック分散スラリー液との混合液を調製する工程、(b)前記混合液を凝固処理し、形成された凝固物を取り出す工程、及び(c)取り出された凝固物を乾燥させる工程を有し、かつ前記(a)工程におけるカーボンブラック分散スラリー液が、未造粒カーボンブラックを分散させたスラリー液であることを特徴とする未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチの製造方法、
(2)(a)工程におけるゴム成分を含むゴム液が、天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックスである上記(1)に記載の未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチの製造方法、
(3)(a)工程におけるカーボンブラック分散スラリー液が、カーボンブラックと、シリカ及び一般式(I)
nM・xSiOy・zH2O ・・・(I)
[式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、それらの水和物、及び前記金属の炭酸塩の中から選ばれる少なくとも一種であり、n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。]
で表される無機充填材の中から選ばれる少なくとも一種とからなる充填材を含む上記(1)又は(2)に記載の未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチの製造方法、
(5)カーボンブラック分散スラリー液中の充填材の粒度分布が、体積平均粒径(mV)25μm以下で、90体積%粒径(D90)30μm以下であり、かつスラリー液から回収した乾燥充填材の24M4DBP吸油量が、分散溶媒に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上を保持する上記(3)又は(4)に記載の未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチの製造方法、
(6)カーボンブラック分散スラリー液が、水分散スラリー液である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチの製造方法、
(7)(c)工程において、凝固物を乾燥させるに際し、機械的なせん断力をかけながら乾燥を行う上記(1)〜(6)のいずれかに記載の未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチの製造方法、
(8)凝固物の乾燥に連続混練機を用いる上記(7)に記載の未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチの製造方法、
(9)連続混練機が、多軸混練押出機である上記(8)に記載の未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチの製造方法、
(10)上記(1)〜(9)のいずれかに記載の方法で得られたことを特徴とする未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチ、
(11)上記(10)に記載の未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチを用いてなるゴム組成物、及び
(12)上記(11)に記載のゴム組成物を用いてなるタイヤ、
を提供するものである。
(1)ゴム成分とカーボンブラックを含有するウェットマスターバッチを製造するに際し、ゴム成分を含むゴム液とカーボンブラック分散スラリー液との混合液の調製において、該カーボンブラック分散スラリー液として、未造粒カーボンブラックを分散させたスラリー液を用いることにより、カーボンブラック造粒品を用いた場合に生じるカーボンブラックの表面活性の低下を抑えることができる上、未造粒カーボンブラックは微粒子であるため、ゴムとの接触が増え、ゴムの補強性や耐摩耗性などの改良を図ることができ、かつハンドリング性や混練り性などの良好なカーボンブラック含有マスターバッチを容易に得ることができる。
(2)ゴム成分を含むゴム液が天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックスの場合、前記(1)の効果がより良好に発揮される。
(3)未造粒カーボンブラック分散スラリー液として、カーボンブラックと、シリカや他の無機充填材とからなる充填材を高速せん断ミキサーを用いて分散溶媒中に分散させてなるスラリー液、好ましくは水分散スラリー液を用いることができ、この場合も、前記(1)の効果を発揮することができる。
(4)上記(3)におけるスラリー液中の充填材が特定の粒度分布を有し、かつスラリー液から回収した乾燥充填材の24M4DBP吸油量が特定の値を有する場合、上記(3)の効果が、より良好に発揮される。
(5)乾燥工程において凝固物を乾燥させるに際し、機械的せん断力をかけながら乾燥を行うことにより、好ましくは連続混練機、より好ましくは多軸混練押出機を用いて乾燥を行うことにより、より一層均質に分散したカーボンブラックやその他充填材を含有するウェットマスターバッチを生産性よく製造することができる。
本発明によれば、このような効果を奏する未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチの製造方法を提供することができ、またこの方法で得られた未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチ、該マスターバッチを用いてなるゴム組成物及び該ゴム組成物を用いてなるタイヤを提供することができる。
本発明の未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチ(以下、単にウェットマスターバッチと称することがある。)の製造方法は、ゴム成分とカーボンブラックを含有するウェットマスターバッチを製造する方法であって、(a)前記ゴム成分を含むゴム液とカーボンブラック分散スラリー液との混合液を調製する工程、(b)前記混合液を凝固処理し、形成された凝固物を取り出す工程、及び(c)取り出された凝固物を乾燥させる工程を有し、かつ前記(a)工程におけるカーボンブラック分散スラリー液が、未造粒カーボンブラックを分散させたスラリー液であることを特徴とする。
[(a)工程]
この工程は、ゴム成分を含むゴム液とカーボンブラック分散スラリー液との混合液を調製する工程である。
当該(a)工程において用いられるゴム液としては、天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックス、あるいは溶液重合による合成ゴムの有機溶媒溶液などを挙げることができるが、これらの中で、得られるウェットマスターバッチの性能や製造しやすさなどの観点から、天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックスが好適である。
天然ゴムラテックスとしては、フィールドラテックス、アンモニア処理ラテックス、遠心分離濃縮ラテックス、酵素で処理した脱蛋白ラテックス、前記のものを組み合わせたものなど、いずれも使用することができる。
合成ゴムラテックスとしては、例えばスチレン−ブタジエン重合体ゴム、ニトリルゴム、ポリクロロプレンゴムなどのラテックスを使用することができる。
ここで未造粒カーボンブラックのグレードとしては、通常ゴム工業に用いられるもの、例えば、SAF、HAF、ISAF、FEF、GPFなど種々のグレードの未造粒カーボンブラックを単独に又は混合して使用することができる。
このような未造粒カーボンブラックは、糖蜜、リグニンスルホン酸マグネシウム、リグニンスルホン酸カリウムなどの造粒剤を含まないため、表面活性が高く、しかも微粒子であるので、ゴムとの接触が増えることから、ゴムに対する補強性を向上させることができる。
本発明においては、この未造粒カーボンブラックを分散させたスラリー液は、該カーボンブラックと、シリカ及び一般式(I)
nM・xSiOy・zH2O ・・・(I)
[式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、それらの水和物、及び前記金属の炭酸塩の中から選ばれる少なくとも一種であり、n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。]
で表される無機充填材の中から選ばれる少なくとも一種とからなる充填材を含むことができる。
前記シリカは特に限定されないが、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカが好ましい。これらは単独に又は混合して使用することができる。
水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al2O3)、クレー(Al2O3・2SiO2)、カオリン(Al2O3・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al2O3・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al2O3・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5 、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2・SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al2O3・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO3)2]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩などが使用できる。
また、一般式(I)で表される無機充填材としては、Mがアルミニウム金属、アルミニウムの酸化物又は水酸化物、それらの水和物、及びアルミニウムの炭酸塩から選ばれる少なくとも一種のものが好ましい。
本発明において、スラリー液の調製に用いられる高速せん断ミキサーとは、ローターとステーター部からなる高速せん断ミキサーであって、高速で回転するローターと、固定されたステーターが狭いクリアランスで設置され、ローターの回転によって高いせん断速度を生み出す。
高速せん断とは、せん断速度が2000/s以上、好ましくは4000/s以上であることを意味する。
高速せん断ミキサーは、市販品としては、例えば特殊機化工業社製ホモミキサー、独PUC社製コロイドミル、独キャビトロン社製キャビトロン、英シルバーソン社製ハイシアーミキサーなどが挙げられる。
さらに好ましくは、体積平均粒子径(mv)が20μm以下、かつ90体積%粒径(D90)が25μm以下である。粒度が大きすぎるとゴム中の充填材分散が悪化し、補強性、耐摩耗性が悪化することがある。
他方、粒度を小さくするためにスラリーに過度のせん断力をかけると、充填材のストラクチャーが破壊され、補強性の低下を引き起こす。スラリー液から回収乾燥した充填材の24M4DBP吸油量が、分散溶媒に分散させる前の充填材の24M4DBP吸油量の93%以上であることが望ましい。さらに好ましくは96%以上である。
本発明においては、このスラリー液としては、水分散スラリー液であることが、特にゴム液として天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックスを用いる場合に、混合性の観点から好ましい。
このカーボンブラックスラリー液と前記ゴム液との混合は、例えば、ホモミキサー中に該スラリー液を入れ、攪拌しながら、ラテックスを滴下する方法や、逆にラテックスを攪拌しながら、これに該スラリー液を滴下する方法がある。また、一定の流量割合をもったスラリー流とラテックス流とを、激しい水力攪拌の条件下で混合する方法などを用いることもできる。
このようにして、ゴム成分を含むゴム液とカーボンブラック分散スラリー液との混合液が調製される。
(b)工程は前述の(a)工程で調製された混合液を凝固処理し形成された凝固物を取り出す工程である。
当該(b)工程における凝固処理は、従来公知の方法、例えば蟻酸、硫酸などの酸や、塩化ナトリウムなどの塩の凝固剤を用いて行われる。
この凝固処理により形成された凝固物は、従来公知の固液分離手段を用いて、取り出され、充分に洗浄される。洗浄は、通常水洗法が採用される。
(c)工程は、前記(b)工程で取り出され、充分に洗浄された凝固物を乾燥させる工程である。当該(c)工程においては、凝固物を乾燥させるに際し、機械的なせん断力をかけながら乾燥を行うことが好ましい。そのためには、工業的生産性の観点から、連続混練機を用いることが好ましい。さらには、同方向回転、あるいは異方向回転の多軸混練押出機を用いることが好ましく、特に二軸混練押出機を用いることが好ましい。
このようにして、未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチを効率よく製造することができる。
本発明はまた、前記本発明の方法で得られた未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチをも提供する。
また、このゴム組成物において、ゴム成分の全体に対して上記ウェットマスターバッチにおけるゴム成分を30質量%以上含むことが好ましい。上記ウェットマスターバッチに追加して用いられる他のゴム成分としては、通常の天然ゴム及びジエン系合成ゴムが挙げられ、ジエン系合成ゴムとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合体及びこれらの混合物などが挙げられる。
上記加硫剤としては、硫黄等が挙げられ、その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、硫黄分として0.1〜10.0質量部が好ましく、0.5〜5.0質量部がより好ましい。
本発明で使用できる老化防止剤は、特に限定されるものではないが、例えばアミン系、フェノール系、有機ホスファイト系あるいはチオエーテル系などの老化防止剤を挙げることができる。その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1〜5.0質量部が好ましく、0.5〜3.0質量部がより好ましい。
本発明はまた、前記本発明のゴム組成物を用いてなるタイヤをも提供する。
本発明のタイヤは、前記本発明のゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、ウェットマスターバッチと共に必要に応じて、上記のように各種薬品を含有させたゴム組成物が未加硫の段階で、例えばタイヤトレッドに加工され、タイヤ成型機上で通常の方法により貼り付け成型され、生タイヤが成型される。この生タイヤを加硫機中で加熱、加圧してタイヤが得られる。
このようにして得られた本発明のタイヤは、補強性、耐摩耗性などに優れている。
各実施例、比較例における各種測定は下記の方法により行なった。
(1)スラリー液中の充填材の粒度分布測定(体積平均粒径(mv)、90体積%粒径(D90))
レーザー回折型粒度分布計(MICROTRAC FRA型)を使用し、水溶媒(屈折率1.33)を用いて測定した。粒子屈折率(Particle refractive index)は全ての測定において1.57を用いた。また、充填材の再凝集を防ぐため、分散後直ちに測定を行った。
(2)充填材の24M4DBP吸油量
ISO 6894に準拠して測定した。
(3)破壊強力試験
JIS K6251−1993に準拠し、23℃で測定した時の引張強さを求めた。値が大きいほど補強性が高い。
(4)ランボーン耐摩耗試験
ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率40%で摩耗量を測定し、その逆数を、比較例2のゴム組成物を100とする指数で表示した。値が大きいほど質量減少が少なく耐摩耗性は良好である。
(1)スラリー液の調製
水中にカーボンブラック(N110)の未造粒品を5質量%の割合で入れ、シルバーソン社製ハイシアーミキサーにて微分散させてスラリー液を作製した。ここで得られたスラリー液のカーボンブラックの粒度分布は体積平均粒径mv=13.7μm、D90(90体積%粒径)=19.2μmであった。
また、分散前のカーボンブラック(CB)の24M4DBP吸油量は98mL/100g、スラリー回収乾燥CBの24M4DBP吸油量は94mL/100gであり、DBP吸油量の保持率([スラリー回収乾燥CBの24M4DBP吸油量/分散前CBの24M4DBP吸油量]×100)は96%であった。
(2)ウェットマスターバッチの調製
上記(1)で作製したフラリー液3kgと、10質量%に希釈した天然ゴム濃縮ラテックス3kgとを攪拌しながら混合したのち、これを蟻酸にてPH4.5に調整して凝固させた。この凝固物をろ取し、充分に洗浄してウェット凝固物900gを得た。その後、計量カップに60g(固形分30g)ずつはかり取ったウェット凝固物を1分間隔で、神戸製鋼社製二軸連続混練機「KTX−30」に投入することで、未造粒カーボンブラックを用いたマスターバッチを作製した。
このマスターバッチにおいては、天然ゴム100質量部当りのカーボンブラックの量は50質量部であった。
(1)スラリー液の調製
水中にカーボンブラック(N110)を用いた以外は、実施例1(1)と同様にしてスラリー液を調製した。ここで得られたスラリー液のカーボンブラックの粒度分布は体積平均粒径mV=13.7μm、D90(90体積%粒径)=19.2μmであった。
また、分散前のカーボンブラック(CB)の24M4DBP吸油量は98mL/100g、スラリー回収乾燥CBの24M4DBP吸油量は94mL/100gであり、DBP吸油量の保持率は96%であった。
(2)ウェットマスターバッチの調製
上記(1)で得られたスラリー液を用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、造粒カーボンブラックを用いたマスターバッチを作製した。
このマスターバッチにおいては、天然ゴム100質量部当たりのカーボンブラックの量は50質量部であった。
実施例1及び比較例1で得られたウェットマスターバッチを用い、バンバリーミキサーを使用し、表1に示す配合組成の各ゴム組成物を調製した。
各ゴム組成物を150℃で30分間加硫して、試験用サンプルを作製し、破壊強力及びランボーン耐摩耗性を求めた。その結果を表1に示す。
尚、表1配合組成の欄のウェットマスターバッチの項に記載の天然ゴム及びカーボンブラックの配合量(質量部)はウェットマスターバッチ由来の値である。
Claims (12)
- ゴム成分とカーボンブラックを含有するウェットマスターバッチを製造する方法であって,(a)前記ゴム成分を含むゴム液とカーボンブラック分散スラリー液との混合液を調製する工程、(b)前記混合液を凝固処理し、形成された凝固物を取り出す工程、及び(c)取り出された凝固物を乾燥させる工程を有し、かつ前記(a)工程におけるカーボンブラック分散スラリー液が未造粒カーボンブラックを分散させたスラリー液であることを特徴とする未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチの製造方法。
- (a)工程におけるゴム成分を含むゴム液が、天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックスである請求項1に記載の未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチの製造方法。
- (a)工程におけるカーボンブラック分散スラリー液が、カーボンブラックと、シリカ及び一般式(1)
nM・xSiOy・zH2O ・・・(I)
[式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物,それらの水和物、及び前記金属の炭酸塩の中から選ばれる少なくとも一種であり、n、x、y、及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。]
で表される無機充填材の中から選ばれる少なくとも一種とからなる充填材を含む請求項1又は2に記載の未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチの製造方法 - カーボンブラック分散スラリー液が、充填材を高速せん断ミキサーを用いて分散溶媒中に分散させてなる請求項3に記載の未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチの製造方法。
- カーボンブラック分散スラリー液中の充填材の粒度分布が、体積平均粒径(mv)25μm以下で、90体積%粒径(D90)30μm以下であり、かつスラリー液から回収した乾燥充填材の24M4DBP吸油量が、分散溶媒に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上を保持する請求項3又は4に記載の未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチの製造方法。
- カーボンブラック分散スラリー液が、水分散スラリー液である請求項1〜5のいずれかに記載の未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチの製造方法。
- (c)工程において、凝固物を乾燥させるに際し、機械的なせん断力かけながら乾燥を行う請求項1〜6のいずれかに記載の未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチの製造方法。
- 凝固物の乾燥に連続混練機を用いる請求項7に記載の未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチの製造方法。
- 連続混練機が、多軸混練押出機である請求項8に記載の未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチの製造方法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の方法で得られたことを特徴とする未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチ。
- 請求項10に記載の未造粒カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチを用いてなるゴム組成物。
- 請求項11に記載のゴム組成物を用いてなるタイヤ。
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