JP2008197523A - マイクロレンズ基板、そのマイクロレンズ基板を用いた液晶表示素子及び液晶プロジェクタ、並びにマイクロレンズ基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゾル‐ゲル法による製造方法を含んでマイクロレンズアレイのレンズ形成面に無機材料層を形成する場合において、無機材料層におけるクラックの発生を抑制する。
【解決手段】無機材料層8は、ゾル‐ゲル法により形成された塗布膜8aが堆積法によって形成された堆積膜8bを間に挟んで積層されたものである。最上層は堆積膜8bであり、その表面はマイクロレンズアレイ6のレンズ形成面4とは反対側の面に平行な平坦面となっており、最上層の堆積膜8bの表面にブラックマトリックス12、透明電極14及び配向膜16が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロレンズ基板、そのマイクロレンズ基板を用いた液晶表示素子及び液晶プロジェクタ、並びにマイクロレンズ基板の製造方法に関する。
レンズ等の光学デバイスとして、従来の研磨法によるのでなく、種々の物理的・化学的な方法で製造されるものが提案され、実用化されつつある。
例えば、透明なガラス基板上にフォトレジスト層を設け、これにフォトリソグラフィ法により円形状や楕円形状をパターニングし、パターニングされたフォトレジスト層をガラス転移点以上に加熱し、フォトレジスト層の熱流動と表面張力の作用で、フォトレジスト層の表面を凸球面形状に形成する。その後、フォトレジスト層と透明基板とに対してエッチングを行い、フォトレジスト層表面に存在する凸球面形状を、透明基板に彫り写すことにより、透明基板自体の表面形状として「凸球面の屈折面」を形成することが提案されている(特許文献1参照。)。このような方法で製造される光学デバイスは、例えば、マイクロレンズ、マイクロレンズアレイやレンチキュラーレンズアレイとして使用できる。
このような光学デバイスの製造方法では、フォトレジスト層に形成される凸球面形状が、フォトレジスト層の熱流動と表面張力に依存するので、形成される球面形状は良好であるが、球面の曲率半径の制御は必ずしも容易でない。このため、精度の良い光学デバイスを設計通りに得ようとすると、光学デバイス製造の歩留まりを向上させることが困難であった。また、フォトレジストに形成される凸面形状は、熱流動と表面張力に依存するから、球面形状以外の形状は形成が容易でない。このため非球面形状をもった光学デバイスの製造が難しい。
これに対して、高精度の光学デバイスを得る方法として、濃度分布マスクを使用した方法が光通信用マイクロレンズ、計測器用マイクロレンズや産業機器用マイクロレンズとして提案され実用化されている(例えば、特許文献2参照。)。
マイクロレンズ基板を用いた透過型液晶シャッターデバイスよりも光源側に近い側に配置して、液晶デバイスの光利用効率向上に寄与させようとする液晶表示素子においては、レンズ基板とこのレンズ基板上に形成されたレンズ形状部分とを有するマイクロレンズアレイ又はレンチキュラーレンズアレイに、レンズ形成面と対向するように透明基板を張り合わせて構成されたマイクロレンズ基板を用いた液晶表示素子を使用していた。その張り合わせは、透明基板と異なる屈折率を有し、かつ透明基板と異なる熱膨張係数を有する接着剤にておこなわれている(例えば、特許文献3,4参照。)。
図9はそのような液晶表示素子を示したものであり、対向基板108とアクティブマトリックス基板114とがシール材110によって封入された液晶層112を介して張り合わされて構成されている。アクティブマトリックス基板114は透明基板上に図示されていない絵素電極、スイッチング素子、バス配線等が形成されたものである。対向基板108はマイクロレンズ基板103上の液晶層112側の面に、ブラックマトリクス104、透明電極106、配向膜116が順に形成されたものである。マイクロレンズ基板103は、透明基板上に複数のマイクロレンズが形成されたマイクロレンズアレイ100とカバーガラス102とが接着剤層101を介して張り合わされた構成であり、カバーガラス102の接着剤層101と接する面に密着処理が施されている。
しかしながら、このような接着剤層を有する液晶表示素子は、以下の問題を有していた。
曲面を有するマイクロレンズアレイは、屈折率の異なる接着剤層と接合されているため光を有効に屈折させることが可能である。しかし、熱膨張係数の大きく異なる接着剤で張り合わされていたため、表示素子が高温度で使用される場合はマイクロレンズアレイと接着剤層との間に応力や歪が発生し、マイクロレンズ基板が変形し平面度が悪化する現象が発生した。
また、接着剤は、種類によるが多くは有機物質で合成されている。有機物質の接着剤は、材料物性の基本骨格上、共有結合による部分が多い。そのためTg(ガラス転移点)温度が100℃以下のものが多く、製品の製造プロセス中で或いは製品使用中において150℃以上の環境条件下では接着剤層が軟化し、接着力の低下や変形を起こすことが避けられなかった。
これによって、接着剤の変色による透過率低下、接着剤収縮が生じ、以下の問題が発生していた。
(1)表示画面内の段差発生。また、これを誘引とする液晶厚さの変化と色ムラが発生する。
(2)パネル平行度低下。また、これを誘引とするコントラストムラが発生する。
その結果、バラツキに伴う不良品の発生が避けられなかった。
更には、マイクロレンズを形成した透明基板とこれに対向する別の透明基板とを接着剤で接合し、一方を研磨加工によって薄肉化加工していた。そのため材料費が嵩み、また工程が長いため高コストであった。
また、マイクロレンズを形成した透明基板とこれに対向する別の透明基板の材質が異なる場合がある。例えば、前者が耐熱性低膨張ガラス(例えば、商品名:ネオセラム(日本電気ガラス社製))、後者が石英材料といった場合である。そのように材質が異なる場合は、マイクロレンズ基板を用いた透過型液晶シャッターデバイスの製造プロセスにおいて僅かに画素ズレが生じるなどの問題を有していた。
そこで、マイクロレンズアレイのレンズ形状が形成されているレンズ形成面に表面が平坦化された無機材料層を形成することで、接着剤を介して透明基板を張り合わせることなくマイクロレンズ基板を構成する方法が本願出願人により提案されている(特許文献5を参照。)。無機材料層は有機物質の接着剤よりも耐熱性があり、熱膨張係数は同じく無機材料からなるマイクロレンズアレイに近い。そのため、有機物質の接着剤層を備えた従来の液晶表示素子の抱える問題は生じないし、接合するための別の透明基板が不要になるためコストの低減が図れる。
マイクロレンズアレイのレンズ形成面に無機材料層を形成する方法として、堆積による方法と塗布による方法が挙げられる。堆積による方法とは、火焔堆積法、化学気相成長法又はスパッタリング法のいずれかの方法である。塗布による方法とはゾル‐ゲル法を用いた方法である。
マイクロレンズアレイのレンズ形成面上に無機材料層を形成しさらにその上面を平坦化するためには、無機材料層にある程度の厚みが必要である。堆積による方法のみである程度の厚みをもつ無機材料層を形成するには相当の時間を要し、コスト的に好ましくない。ゾル‐ゲル法を用いれば容易に膜厚の厚い無機材料層を形成することができ、堆積による方法よりもコスト的に有利である。
特開平5−173003号公報 特願平6−021114号公報 特願平8−328002号公報 特願平8−327986号公報 特開2004−317827号公報 Izawa.T., Kobayashi.S., Sudo.S. and Hanawa.F. "Continuous Fabrication of High Silica fiber Preform", IOOC '77, C1-1, 1977 Koenings.J. et al. "Deposition of SiO2 with Low Impurity Content by Oxidation of SiCl4 in a Nonthermal Plasma", Chemical Vaper Deposition, Fifth International Conference, 1975
しかし、ゾル‐ゲル法である程度の膜厚をもつ無機材料層を形成する場合、無機材料層を厚膜化する際に無機材料層にクラックが生じることのあることがわかった。
ゾル‐ゲル法では、ゾル溶液をゲル化(焼成)する際に塗布したゾル溶液が収縮することが知られており、その収縮によってゲル化後に形成された塗布膜の内部に応力が発生する。塗布膜の内部応力は、塗布膜の膜厚が厚いほど強大になる。ゾル‐ゲル法によって膜厚の厚い無機材料層を形成する場合は、一定膜厚の塗布膜を順に形成して積層していくことで塗布膜を厚膜化することが一般的である。この厚膜化工程において積層された塗布膜は一体化し、一層の厚い塗布膜となる。この状態で焼成を行なって塗布膜に収縮が起こると、塗布膜の内部応力は強大なものとなり、その内部応力が塗布膜の破断強度を超えるとクラックが発生する。無機材料層はマイクロレンズアレイのレンズ形成面を被うものであり製品の光学特性に大きく影響するため、無機材料層におけるクラックは光学素子としての致命的な欠陥となる。
そこで本発明は、ゾル‐ゲル法による製造法を含んでマイクロレンズアレイのレンズ形成面に無機材料層を形成する場合において、無機材料層におけるクラックの発生を抑制することを目的とするものである。
本発明にかかるマイクロレンズ基板は、無機材料からなる透明基板の表面にその透明基板と同一材料にて一体的に形成されたレンズ形成面を有するマイクロレンズアレイと、レンズ形成面上に形成され、マイクロレンズアレイとは異なる屈折率をもち、上面が平坦化された無機材料層と、で構成されたマイクロレンズ基板であって、無機材料層は堆積膜を間に挟んで積層された2層以上の塗布膜を含んでいることを特徴とするものである。
本発明にかかるマイクロレンズ基板の製造方法は上記のマイクロレンズ基板を製造する方法である。すなわち本発明のマイクロレンズ基板の製造方法は、透明基板を加工してその透明基板と同一材料にて一体的に形成されたレンズ形成面を有するマイクロレンズアレイを形成し、形成した前記マイクロレンズアレイのレンズ形成面上に無機材料層を形成するマイクロレンズ基板の製造方法であって、以下の工程(a)〜(c)を少なくとも含んでいる。
(a)マイクロレンズアレイのレンズ形成面の表面に無機材料のゾル溶液を塗布し、そのゾル溶液をゲル化させて塗布膜を形成する工程、
(b)塗布膜上に堆積法により無機材料からなる堆積膜を形成する工程、及び
(c)堆積膜上に無機材料のゾル溶液を塗布し、そのゾル溶液をゲル化させて塗布膜をさらに形成する工程。
上記の製造方法により製造されたマイクロレンズ基板は、無機材料層の形成時において、無機材料のゾル溶液を塗布してゲル化する際の塗布膜一層あたりの膜厚が薄くなり、塗布膜の内部に発生する応力が小さくなる。これにより、クラックの発生が抑制される。したがって、本発明のマイクロレンズ基板は製造段階での無機材料層におけるクラックの発生頻度が低下し、歩留まり及び信頼性が向上する。
本発明のマイクロレンズ基板の製造方法では、上記工程(b)と(c)を複数回繰り返すことで、無機材料層におけるクラック発生のリスクを高めることなく無機材料層を厚膜化することができる。
なお、ゾル‐ゲル法によって形成した塗布膜の内部には応力が蓄積することが知られている。製品化された後、急激な温度変化を繰り返す環境下での使用により、塗布膜に蓄積された応力が原因となってクラックが発生することも考えられる。内部応力は蓄積されている層の他層との接合面側に引っ張られる方向に作用する。塗布膜が無機材料層の最上層となっていると、内部応力は他層との接合面とはなっていない上面方向には働かないため、不均一な方向に内部応力が発生しクラックが発生しやすくなる。
そこで、無機材料層の最上層に堆積膜を形成することが好ましい。そうすれば、全ての塗布膜の上面が他層との接合面となるため、発生する内部応力が均一化され、クラックの発生を防止することができる。
上記の工程(a)又は(c)において用いるゾル溶液は、その工程で形成する塗布膜の膜厚よりも小さい直径をもち、かつ該塗布膜と屈折率の等しい微粒子を含んだものであってもよい。
ここでの「微粒子」とは、その微粒子を含んだゾル溶液をゲル化することで形成する塗布膜の表面形状に影響を与えない程度の大きさのものである。そのような微粒子をゾル溶液に含ませることで、微粒子はゾル溶液のゲル化の際も収縮しないので、ゾル溶液全体の収縮率が低下し、ゲル化時のゾル溶液の内部応力が小さくなって、クラックが発生しにくくなる。
なお、本発明のマイクロレンズ基板の製造方法における堆積法として以下の3方法を挙げることができる。
1.FHD(Frame Hydrolysis Deposition:火焔堆積)法(例えば、特許文献5−8参照。)。
FHD法の先駆技術としてVAD(Vapor phase Axial Deposition:気相軸付け)法がある。両者の原理は同じである。FHD法は基板上に製膜する方法であり、VAD法は光ファイバー用のプリフォームとしてのガラス棒を製作する方法である。VAD法が初めに開発され、改良後に続いてFHD法が開発された。
(イ)VAD法について
VAD法は、工程が単純で、連続製造、大型プリフォームの製造が可能である特徴を有する。回転している石英棒の下方から光ファイバーの原料となるSiCl4、屈折率を制御するために必要なドーパントとしてGeCl4などをH2、O2ガスとともに吹き付け、酸水素バーナーにより火炎加水分解反応を起こさせる。これによりプリフォームを石英棒の軸のまわりに堆積させる。この棒を回転させながら上方に引き上げ、リング状ヒーターで加熱することにより多孔質プリフォームを透明ガラス化し、プリフォームを得る。このプリフォームを透明ガラス化する際は、SOCl2雰囲気中で加熱することにより水酸イオン(OH-)を十分に除去することが可能である。極めて低損失の光ファイバーを作ることが出来る。
本方法は、1997年NTTの伊沢らによって発表され、後にNTTの稲垣、枝広、中原らによって幾多の洗練を受け進歩を遂げている(非特許文献1,2参照。)。
(ロ)FHD法について
FHD法は、VAD法と同様の原理によって基板材料上に石英の粉を堆積した後に、1500℃前後の熱処理により石英を透明化し、光導波路を形成する方法として開発された。光導波路用としては、コアとクラッドの屈折率差を得るためにコアにゲルマニウム単独、酸化チタン単独、又は燐とボロンの両方がドープされた石英を得ている。
2.プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法:
被膜を形成する成分元素を基板表面で化学反応させて被膜を形成する方法である。
まず、熱CVD法について説明する。熱CVD法は、被膜材料を一旦気化しやすい化合物(ハロゲン化物、水素化物、有機金属化合物など)に変えて気化させ、適当なキャリアガスを用いて反応管へ導き、高温の基材表面での化学反応により被膜を析出させる方法である。
一方、プラズマCVD法は、熱CVD法において化学反応の駆動力となっていた熱に代え、プラズマ状態を用いた化学反応により被膜を形成させる技術である。その為、熱CVD装置と比べプラズマ発生装置が付加されているのが装置の特徴である。また、処理上では低温における被膜形成が可能であることが大きなメリットとして挙げられる。
本発明の場合は、プラズマCVD装置にTEOS(テトラエトキシシラン)ガスを導入し、基板表面を300〜350℃に加熱しながらプラズマ中で処理する。基板表面上にはTEOSガスが化学反応で分解しSiO2膜が生成する。
また、SiH4ガスを導入することでも同様にSiO2膜を成膜することが可能である。
反応性ガスの種類は、成膜するSiO2膜の組成安定性、成膜速度、膜質、表面モホロジー、装置構成・特性によって異なる。
成膜条件の一例を挙げると、Novellus社製CVD装置では、TEOS=0.20μm/分、SiH4=0.20〜0.60μm/分、Applied Materials社製PECVD装置では、SiH4=0.89μm/分である。
屈折率を変更する場合には、TEOSガスやSiH4ガス中に、例えば、Ti成分を含むチタンエトキシド(Titanium Ethoxide)ガスを同時に導入することによってSiO2中のTiO2量を調整し屈折率を調整することができる。
3.スパッタリング法、蒸着法:
スパッタリング法は、加速された粒子が固体表面に衝突したとき、固体を構成する原子又は分子が空間に放出される現象を利用し、蒸着が困難な高融点材料や化合物でも容易に膜形成ができること、付着力が大きいこと、大面積化が容易であることなどの利点を備えているので広く利用されている。スパッタリング法による薄膜製作法には、直流二極スパッタリング、高周波スパッタリング、イオンビームスパッタリング、化成スパッタリングなどがある。
また、本発明のマイクロレンズ基板においては、マイクロレンズアレイ材料はガラスであり、堆積膜又は塗布膜はシリコン酸化物又はシリコン酸化物と他の金属酸化物との混合物により構成されていてもよい。
無機材料層を構成する各層をシリコン酸化物又はシリコン酸化物と他の金属酸化物との混合物により構成すれば、原材料の混合比によって屈折率が変更可能である。そのようなシリコン酸化物と他の金属酸化物との混合物からなる層は、例えば、SiO2の成膜時に微量に屈折率変更材料、例えばTiO2,Ta25などの単体又は複合材料、を混合することによって形成することができる。
無機材料層を構成する各層は互いに屈折率が等しくなっていてもよいし、異なっていても良い。
屈折率が同じ複数層が積層される場合には、同じ材料を複数回積層する場合もあるし、屈折率は同じだが積層方法が異なる層を形成することも可能である。また、同じ材料を複数回積層する間に積層方法の異なる層を形成する場合も可能である。例えば、1層目と3層目等の奇数番目の層が塗布法で形成されるSiO2層で、その間に挟む2層目と4層目等の偶数層が堆積による方法によって形成される薄膜材料で形成された構成のものである。
屈折率の異なる複数層が積層された無機材料層を形成する1つの方法は、膜厚方向に対して、例えば2段階、3段階というように段階的に分けて材料成分濃度を変更して段階的屈折率分布をもたせる方法である。例えば、1層目と2層目がSiO2とTiO2の混合膜で、TiO2濃度が1層目よりも2層目の方が薄くなるように形成されたものであり、3層目がSiO2膜となっているような構成のものである。
また、膜厚方向に屈折率が徐々に変化する層構造は、膜厚方向に対して混合する材料成分を徐々に増加又は減少させるように濃度分布をもたせることによって形成することができる。
もちろん、無機材料層の屈折率は、マイクロレンズアレイ材料との屈折率の関係で決定されるものであり、マイクロレンズアレイ材料の屈折率が相対的に高い場合は、無機材料層の屈折率は低くてよい。屈折率が低い場合は、TiO2,Ta25などの単体又は複合材料、を混合しない場合もある。
屈折率の異なる複数層が積層された無機材料層を形成する他の方法は、膜厚方向に対して、例えば2段階、3段階というように段階的に分けて材料成分の組合わせを変更して段階的屈折率分布をもたせる方法である。例えば、1層目がSiO2とTa23の混合膜、2層目がSiO2とTiO2の混合膜、3層目がSiO2層となっているような構成のものである。
無機材料層として膜厚方向に屈折率分布をもった無機材料層を使用すれば、無機材料層の光学性能を調整することができ、屈折率の選択の範囲(自由度)が広がり液晶表示素子の性能向上を図ることができる。
マイクロレンズアレイと無機材料層との間に応力や歪が発生してマイクロレンズ基板が変形し平面度が悪化するのを抑えるために、マイクロレンズアレイ材料の線膨張係数とこの無機材料層の線膨張係数との差は10倍以内であることが好ましい。これにより、高温プロセス及び高温使用条件下でも使用に耐えうるマイクロレンズ基板を得ることができる。
そのような線膨張係数の差の小さいマイクロレンズアレイ材料と無機材料層材料の組合せの一例は、マイクロレンズアレイ材料が石英、耐熱性ガラス、光学ガラス等のガラスである場合、無機材料層材料としてはシリコン酸化物やシリコン酸化物と金属酸化物との混合物や、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムなどの無機材料である。
本発明において、マイクロレンズアレイ又はマイクロレンズ基板という場合のマイクロレンズは、半球状のマイクロレンズのみでなく、蒲鉾型のレンチキュラーレンズも含む意味で使用している。また、マイクロレンズのレンズは凸面状に限らず凹状に形成されたものも含んでおり、その形状は球面及び非球面を含む曲面又は円錐形状である。レンズ形状は光学的使用目的と構成する材料の屈折率等によって、凸面状にするか凹面状にするかを決定すればよい。
本発明の液晶表示素子は、アクティブマトリックス基板と対向基板とが液晶層を介して張り合わされて構成された液晶表示素子であって、対向基板は本発明のマイクロレンズ基板の無機材料層の平坦化された表面に配向膜及び透明電極層が形成され、配向膜と透明電極層が液晶層と接するように配置されていることを特徴としている。
本発明の液晶プロジェクタは液晶表示素子として本発明の液晶表示素子を用いたものである。液晶プロジェクタは光源からの光を3原色の光に分離し、再び同一の光路上でそれらの3原色の光を合成する光学系と、その合成された光の光軸上に配置された投影レンズと、3原色の光の光軸上にそれぞれ配置された本発明の液晶表示素子とを備えている。
本発明にかかるマイクロレンズ基板及びその製造方法では、マイクロレンズアレイのレンズ形成面上の無機材料層を、堆積法による堆積膜を間に挟んでゾル‐ゲル法による2層以上の塗布膜を積層することで形成しているので、塗布膜のゲル化の際に、塗布膜一層あたりの膜厚が薄くなって塗布膜の内部応力が小さくなり、クラックの発生が抑制される。これにより、製造段階での無機材料層におけるクラック発生の頻度を低下させ、マイクロレンズ基板の信頼性及び歩留まりの向上を図ることができる。
本発明の液晶表示素子及び液晶プロジェクタは本発明のマイクロレンズ基板を用いて構成されているので、高い信頼性を得ることができる。
図1を参照しながら本発明のマイクロレンズ基板及び液晶表示素子の一実施例を説明する。
図1は一実施例の液晶表示素子を示す図であり、(A)はその断面図、(B)は(A)の破線円Xで囲まれた部分の拡大図である。
対向基板18とアクティブマトリックス基板24とがシール材20によって封入された液晶層22を介して張り合わされて構成されている。アクティブマトリックス基板24は透明基板上に図示されていない絵素電極、スイッチング素子、バス配線等が形成されたものである。
対向基板18はマイクロレンズ基板10のレンズ形成面側の平坦化された表面上に、ブラックマトリクス12、透明電極14、配向膜16が順に形成されたものである。
マイクロレンズ基板10は、無機材料で構成され、一方の面がレンズ形成面となっており、その反対側の面が平坦面となっているマイクロレンズアレイ6と、マイクロレンズアレイ6のレンズ形成面(図では下面)を被うように形成された無機材料層8とで構成されている。
無機材料層8は、図1(B)に示されているように、ゾル‐ゲル法により形成された塗布膜8aが堆積法によって形成された堆積膜8bを介して積層されたものである。最上層は堆積膜8bであり、その表面はマイクロレンズアレイ6のレンズ形成面4とは反対側の面に平行な平坦面となっており、最上層の堆積膜8b上にブラックマトリックス12、透明電極14及び配向膜16が形成されている。
マイクロレンズアレイ6のレンズ形成面の各レンズの平面パターンが円形であれば、その表面形状は凸球面であり、各レンズの平面パターンが楕円形であれば、その表面形状は長軸方向に大きい曲率半径を有し、単軸方向に短い曲率半径を有する回転楕円面状の凸曲面になる。また、マイクロレンズアレイ6のレンズ形成面の各レンズの平面パターンが矩形状や多角形状の場合には、そのパターンに対応した形状の凸曲面になる。
マイクロレンズアレイ6のレンズ形成面の各レンズの平面パターンが、楕円形状や矩形形状、多角形形状のように、非円形形状である場合には、「凸曲面の曲率」とは、表面形状の頂部近傍における曲率のうちで、最大又は最小のものをいう。
[実施例1]
マイクロレンズ基板の製造方法の一実施例を説明する。
図2(a)に示すように、マイクロレンズアレイ材料として屈折率1.52のネオセラムガラスの平行平板基板2を用意し、その表面に熱可塑性材料層32としてフォトレジスト(商品名:OFPR800)をスピンコートした後、プリベークして厚さ10μmに形成した(パターニング後に行なう焼成後は8.9μmに変化した)。
次に、マスク38を用いて熱可塑性材料層32を露光する。そのマスク38は、透明ガラス基板36の片面にクロムなどの金属薄膜で形成された直径19.7μmの黒円(概略円形状である)34がピッチ20μmで碁盤の目状に配列されたものである。
その後、光照射された部分を現像して除去することにより、熱可塑性材料層32を1以上のレンズパターン(黒円に対応する円形)に応じてレリーフ状にパターニングした。図2(b)は、パターニング後の状態を示している。
パターニングされた熱可塑性材料層32aを熱処理し、熱可塑性材料32aの熱流動と表面張力により、熱可塑性材料32aの表面形状を、レンズパターンごとに凸曲面形状としたところ、高さが9.2μmの凸球面形状が得られた。
続いて行なうECR(Electron Cyclotron Resonance)エッチングにおいて、選択比を1.1に設定して熱可撓性材料32のパターンをネオセラム基板2に転写したところ、ネオセラム基板2の表面に、直径19.7μm、高さ10.12μmの凸球面を20μmピッチで形成することができ、マイクロレンズアレイ6を得ることができた(図2(c)を参照。)。このエッチング工程では、途中段階において選択比を経時的に変更することにより、製作後の形状を非球面形状とした。このときのドライエッチングの条件は、以下の通りである。選択比を1.1にするために、導入ガスは、O2:1.8sccM(経時的に変更し時間と共に減少させる。)、CHF3:25.0sccMとし、反応室内圧力:3〜4×10-4Torr、マイクロ波実行電力:620W、RF実行電力:480W、エッチング時間:25分とした。
次いで、このマイクロレンズアレイ6のレンズ形成面上にゾル‐ゲル法によって、塗布膜(屈折率:1.400)8aを形成した(図3(a)を参照。)。本実施例では、無機材料であるSiO2又はTiO2のゾル溶液をスピンコートした後、プリベークと焼成を順に行った。プリベークはホットプレートを用い、設定温度90℃として120秒間実施した。また、焼成はオーブンを用い、250℃で30分間とした。結果として、マイクロレンズアレイ6のマイクロレンズの形成されていない平坦部上で膜厚2.0μmの塗布膜8aが成膜できた。
なお、無機材料のゾル溶液に、その無機材料と屈折率の等しい、SiO2やTiO2等の微粒子を混合しておくことで、焼成時のゾル溶液の収縮率が低下して内部応力が緩和されて、塗布膜8aにクラックが入りにくくなる。この場合の微粒子の大きさは、塗布膜8aの表面形状に影響を与えない程度の大きさであり、直径が塗布膜8aの膜厚以下、ここでは2.0μm以下である。
塗布膜8a上にCVD法によって、堆積膜としてSiO2層(屈折率:1.452)8bを成膜した(図3(b)を参照。)。本実施例では、CVD法はNovellus社製プラズマCVD装置にTEOSガスを導入し、マイクロレンズアレイ6を350℃に加熱しながらプラズマ中で処理した。塗布膜8aの表面上にはTEOSガスが化学反応で分解しSiO2膜が生成する。本実施例では、SiO2膜を0.4μm/分の成膜速度で約1.25分間成膜した。結果として、0.5μmのSiO2膜8bが塗布膜8a上に成膜できた。
なお、堆積膜8bは、火焔堆積法、スパッタ法や蒸着法によって形成することもできる。
スパッタ法を用いる方法として、例えばULVAC社製スパッタ装置にアルゴンガスを導入し、基板(マイクロレンズアレイ6)を150℃に加熱しながらプラズマ中で処理した。そうすることで、塗布膜8aの表面上にSiO2膜が生成した。この実施例では、SiO2膜を0.02μm/分の成膜速度で約10分間成膜した結果、0.2μmのSiO2膜8bが塗布膜8a上に成膜できた。
また、蒸着法用いる方法として、例えば昭和真空社製蒸着装置を用い、基板(マイクロレンズアレイ6)を150℃に加熱しながら成膜を行なうことで、塗布膜形成面の表面上にSiO2膜が生成した。この方法では、SiO2膜を0.015μm/分の成膜速度で約20分間成膜した結果、0.3μmのSiO2膜8bが塗布膜8a上に成膜できた。
堆積膜8b上にゾル‐ゲル法によってさらに塗布膜8aを形成することで、無機材料層を厚膜化することができる。この実施例では、堆積膜8bを介して塗布膜8aを10層積層した結果、厚さ20μmの無機材料層8を形成することができた。塗布膜と堆積膜を積層していくにしたがって、各層の表面のマイクロレンズアレイ6のレンズ形成面の凸形状による「表面盛り上がり」が徐々に小さくなり、最終的に無機材料層8の最上層の表面は平坦面となっている。このような場合には、無機材料層8の表面をCMP(化学的機械的研磨)等の研磨処理を施して平坦化する必要がない。なお、無機材料層の表面が完全な平坦面となっていない場合には、CMP処理によって無機材料層の表面を完全に平坦化することが好ましい。
なお、この実施例では塗布膜8aを堆積膜8bを介して10層積層しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、積層数は無機材料層8の膜厚に応じて決定されるものである。
2層の塗布膜8aを積層した例の断面図を図4(A),(B)に示す。この例では、無機材料層8の最上層の表面にマイクロレンズアレイ6のレンズ形成面の凸形状による「表面盛り上がり」があるため、CMP処理を施して平坦化している。(A)では、最上層である堆積膜8bを少し厚めに形成しておき、その表面を平坦化している。(B)では、最上層の堆積膜8bを形成する前に塗布膜8aの表面を平坦化している。
また、本実施例では、無機材料層8の最上層に堆積膜8bが形成されているが、最上層は塗布膜8aであってもよい。
[実施例2]
マイクロレンズ基板の製造方法の他の実施例を説明する。
マイクロレンズアレイ材料として屈折率1.452の石英ガラスの平行平板基板2aを用意した。また、別途用意した凸形状型51(例えば、上記実施例1に示したマイクロレンズアレイ6)を用意し、その型51の表面に光硬化性樹脂55を塗布する。光硬化性樹脂55との付着強度を高めるためのシランカップリング剤処理を施した石英ガラス基板2aを樹脂55上から押し当てた後、紫外線を石英ガラス基板2a側から照射する(図5(a)を参照。)。
この後、型51を剥離すると、石英ガラス基板2aの表面上に凸形状が転写された凹形状の樹脂形状55が形成される(図5(b)を参照。)。
これをドライエッチング法によって石英ガラス基板2aに転写してマイクロレンズアレイ50とする(図5(c)を参照。)。このドライエッチングはECRエッチングにより行う。そのECRエッチングにおいて、選択比を1.1に設定したところ、石英ガラス基板2aの表面に、直径19.7μm、深さ11.2μmの凹球面4aを20μmピッチで形成することができた。
このエッチングでは、途中段階において、選択比を経時的に変更することにより、製作後の形状を非球面形状とした。このときのドライエッチングの条件は、以下の通りである。選択比を1.1とするために、導入ガスは、O2:3.0sccM(経時的変更し時間と共に減少させている)、CHF3:15.0sccMとし、反応室内圧力:3×10-4Torr、マイクロ波実行電力:620W、RF実行電力:500W、エッチング時間:32分とした。
次いで、マイクロレンズアレイ50のレンズ形成面上にゾル‐ゲル法によって、塗布膜(屈折率:1.600)8cを形成した(図6(a)を参照。)。塗布膜8cの形成は、無機材料であるSiO2又はTiO2のゾル溶液をスピンコートした後、プリベークと焼成を順に行った。この塗布膜形成工程において、プリベークではホットプレートを用い、設定温度を90℃として120秒間実施した。焼成ではオーブンを用い、250℃で30分間実施した。その結果、マイクロレンズアレイの平坦部で2.0μmの膜厚を有する塗布膜8cが成膜できた。
なお、無機材料のゾル溶液に、その無機材料と屈折率の等しい、SiO2やTiO2等の微粒子を混合しておくことで、焼成時のゾル溶液の収縮率が低下して内部応力が緩和され、塗布膜8cにクラックが入りにくくなる。この場合の微粒子の大きさは、塗布膜8cの表面形状に影響を与えない程度の大きさであり、直径が塗布膜8aの膜厚以下、ここでは2.0μm以下である。
さらに、塗布膜8c上にCVD法によって、堆積膜としてSiO2とTiO2の混合膜8d((SiO2+TiO2)膜と表記する。)(屈折率:1.56)を成膜した(図6(b)を参照。)。この堆積膜形成工程では、Novellus社製プラズマCVD装置にTEOSガスとチタンエトキシドガスを導入し、マイクロレンズアレイ50を350℃に加熱しながらプラズマ中で処理することにより、塗布膜11の表面にTEOSガスとチタンエトキシドガスが化学反応で分解して(SiO2+TiO2)膜8dが生成した。この実施例では、(SiO2+TiO2)膜を0.36μm/分の成膜速度で約1.4分間成膜した結果、0.5μmの(SiO2+TiO2)膜8dを塗布膜8c上に成膜できた。この堆積膜8dの成膜において、最初の1.2分間はTEOSガスとチタンエトキシドガスを導入して(SiO2+TiO2)膜を成膜し、残りの0.2分間は徐々にチタンエトキシドガス量を減少させ、TEOSガスのみ導入しSiO2膜を成膜した。これによって、成膜の成長方向に層状の屈折率分布を有する堆積膜8dが製作できた。なお、堆積膜8dは実際には膜厚方向に組成が変化しているが、図では単層として表示している。
堆積膜8d上にゾル‐ゲル法によってさらに塗布膜8cを形成することで、無機材料層を厚膜化することができる。この実施例では、堆積膜8dを介して塗布膜8cを10層積層した結果、厚さ20μmの無機材料層8’を形成することができた。塗布膜8cと堆積膜8dを積層していくにしたがって、各層の表面のマイクロレンズアレイ6のレンズの凹形状外周部に形成された凸形状による「表面盛り上がり」が徐々に小さくなり、最終的に無機材料層8’の最上層の表面は平坦化されている。このような場合には、無機材料層8’の表面をCMP処理によって平坦化しなくてもよい。無機材料層8’の表面が完全な平坦面となっていない場合には、CMP処理によって無機材料層の表面を完全に平坦化することが好ましい。
なお、この実施例では塗布膜8cを堆積膜8dを介して10層積層しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、積層数は無機材料層8’の膜厚に応じて決定されるものである。
2層の塗布膜8cを積層した例の断面図を図7(A),(B)に示す。この例では、マイクロレンズアレイ6のレンズの凹形状外周部に形成された凸形状による「表面盛り上がり」があるため、CMP処理を施して平坦化している。(A)では、最上層である堆積膜8dを少し厚めに形成しておき、その表面を平坦化している。(B)では、最上層の堆積膜8dを形成する前に塗布膜8cの表面を平坦化している。
また、本実施例では、無機材料層8の最上層に堆積膜8bが形成されているが、最上層は塗布膜8cであってもよい。
図8は液晶プロジェクタの一実施例を示す概略構成図である。
117はメタルハライドランプ等の白色光源であり、その白色光源117の照射光でUV−IRフィルタ118を透過した光を赤、緑、及び青の三原色に分離するために、その照射光の光軸上にダイクロイックミラー119aと119bが配置されている。ダイクロイックミラー119aは青色光を反射しそれより長波長の光を透過させる特性をもつものであり、ダイクロイックミラー119bは緑色光を反射しそれより長波長の光を透過させる特性をもつものである。
ダイクロイックミラー119aにより反射された青色光は反射鏡120aにより反射され、その反射光の光軸上に液晶表示素子121aとフィールドレンズ122aが配置されており、その液晶表示素子121aとフィールドレンズ122aを透過した光の光軸上に投影レンズ124が配置されている。
ダイクロイックミラー119bにより反射された緑色光の光軸上に液晶表示素子121bとフィールドレンズ122bが配置されており、その液晶表示素子121bとフィールドレンズ122bを透過した光の光軸上には青色光の光軸との交点にダイクロイックミラー123aが配置されている。ダイクロイックミラー123aは青色光を透過しそれより長波長の光を反射する特性をもち、このダイクロイックミラー123aにより青色光と緑色光が同一の光軸上で合成されて投影レンズ124に導かれる。
ダイクロイックミラー119bを透過した赤色光の光軸上には液晶表示素子121cとフィールドレンズ122cが配置されている。液晶表示素子121cとフィールドレンズ122cを透過した光の光軸上には反射鏡120bが配置され、その反射鏡120bによる反射光の光軸上には青色光と緑色光の合成光の光軸との交点にダイクロイックミラー123bが配置されている。ダイクロイックミラー123bは緑色光よりも短波長光を透過しそれより長波長の光を反射する特性をもち、このダイクロイックミラー123bにより青色光、緑色光及び赤色光が同一の光軸上で合成されて投影レンズ124に導かれる。
液晶表示素子121a〜121cは実施例に示した本発明の液晶表示素子であり、映像信号に基づいて各原色画像を表示する。液晶表示素子121a〜121cをそれぞれ透過した原色光が合成された後、投影レンズ124により図示されていないスクリーン上に映像が拡大投影される。
本発明の液晶表示素子の一実施例を示す断面図である。 マイクロレンズ基板の製造方法の一実施例を説明するための工程断面図である。 図2の続きを示す工程断面図である。 同実施例の変形例を示す断面図である。 マイクロレンズ基板の製造方法の他の実施例を説明するための工程断面図である。 図5の続きを示す工程断面図である。 同実施例の変形例を示す断面図である。 液晶プロジェクタの一実施例を示す概略構成図である。 従来の液晶表示素子の構成の一例を示す断面図である。
符号の説明
2,2a 透明基板
6,6a マイクロレンズアレイ
8,8’ 無機材料層
8a,8c 塗布膜
8b,8d 堆積膜
10 マイクロレンズ基板
12 ブラックマトリックス
14 透明電極
16 配向膜
18 対向基板
22 液晶層
24 アクティブマトリックス基板
117 白色光源
119a,119b,123a,123b ダイクロイックミラー
121a,121b,123c 液晶表示素子
124 投影レンズ

Claims (15)

  1. 無機材料からなる透明基板の表面にその透明基板と同一材料にて一体的に形成されたレンズ形成面を有するマイクロレンズアレイと、前記レンズ形成面上に形成され、前記マイクロレンズアレイとは異なる屈折率をもち、上面が平坦化された無機材料層と、で構成されたマイクロレンズ基板において、
    前記無機材料層は堆積膜を間に挟んで積層された2層以上の塗布膜を含んでいることを特徴とするマイクロレンズ基板。
  2. 前記無機材料層は最上層に堆積膜を備えている請求項1に記載のマイクロレンズ基板。
  3. 前記マイクロレンズアレイ材料はガラスであり、前記塗布膜及び堆積膜はシリコン酸化物又はシリコン酸化物と他の金属酸化物との混合物により構成されている請求項1又は2に記載のマイクロレンズ基板。
  4. 少なくとも1つの前記塗布膜は、該塗布膜を構成する無機材料と屈折率が等しく、該塗布膜の膜厚よりも小さい直径をもつ微粒子を含む請求項1から3のいずれか一項に記載のマイクロレンズ基板。
  5. 互いに接する少なくとも一組の前記塗布膜と堆積膜は屈折率が異なっている請求項1から4のいずれか一項に記載のマイクロレンズ基板。
  6. 互いに接する少なくとも一組の前記塗布膜と堆積膜は屈折率が等しい請求項1から4のいずれか一項に記載のマイクロレンズ基板。
  7. 前記塗布膜及び堆積膜の線膨張係数と前記マイクロレンズアレイの線膨張係数との差は10倍以内である請求項1から6のいずれか一項に記載のマイクロレンズ基板。
  8. 前記マイクロレンズアレイの前記レンズ形成面のレンズは凸面状又は凹面状に形成され、その形状は球面もしくは非球面からなる曲面又は円錐形状である請求項1から7のいずれか一項に記載のマイクロレンズ基板。
  9. アクティブマトリックス基板と対向基板とが液晶層を介して張り合わされて構成された液晶表示素子において、
    前記対向基板は請求項1から8のいずれか一項に記載のマイクロレンズ基板の無機材料層の平坦化された表面に配向膜及び透明電極層が形成されたものであり、配向膜と透明電極層が液晶層に接するように配置されていることを特徴とする液晶表示素子。
  10. 光源からの光を3原色の光に分離し、再び同一の光路上でそれらの3原色の光を合成する光学系と、その合成された光の光軸上に配置された投影レンズと、前記3原色の光の光軸上にそれぞれ配置された液晶表示素子とを備えた液晶プロジェクタにおいて、
    前記液晶表示素子として請求項9に記載の液晶表示素子を用いたことを特徴とする液晶プロジェクタ。
  11. 透明基板を加工してその透明基板と同一材料にて一体的に形成されたレンズ形成面を有するマイクロレンズアレイを形成し、形成した前記マイクロレンズアレイのレンズ形成面上に無機材料層を形成するマイクロレンズ基板の製造方法において、以下の工程(a)〜(c)を少なくとも含むことを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方法。
    (a)前記マイクロレンズアレイのレンズ形成面の表面に無機材料のゾル溶液を塗布し、そのゾル溶液をゲル化させて塗布膜を形成する工程、
    (b)前記塗布膜上に堆積法により無機材料からなる堆積膜を形成する工程、及び
    (c)前記堆積膜上に無機材料のゾル溶液を塗布し、そのゾル溶液をゲル化させて塗布膜をさらに形成する工程。
  12. 前記工程(b)及び(c)を複数回繰り返す請求項11に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
  13. 前記無機材料層の最上層として堆積膜を形成する請求項11又は12に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
  14. 前記工程(a)又は(c)において用いるゾル溶液は、その工程で形成する塗布膜の膜厚よりも小さい直径をもち、かつ該塗布膜と屈折率の等しい微粒子を含んだものである請求項11から13のいずれか一項に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
  15. 前記堆積法は、火焔堆積法、化学気相成長法、スパッタリング法及び蒸着法のいずれかの方法である請求項11から14のいずれか一項に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
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