JP2016218137A - マイクロレンズアレイおよび液晶パネル - Google Patents
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Abstract
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例えば、液晶画素を2次元的にアレイ配列した「液晶素子」には、個々の液晶画素を画定するブラックマトリックス(以下、「BM」と言う。)や、液晶画素駆動用の薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と言う。)が設けられている。
図1に示すのは、液晶パネルにおける「1画素を構成する部分」である。
図において、符号10はマイクロレンズを示し、符号20は液晶素子を示す。
液晶素子20の、図1に示された部分は、液晶素子の1画素をなす部分であり、以下この部分を「画素部分」と称する。液晶素子20は、図1に示された画素部分が、図の上下方向と図面に直交する方向へ2次元的にアレイ配列された一体構造のものである。
液晶素子20は、液晶層21が1対のガラス基板に挟まれてなり、入射側のガラス基板にはBM22が形成され射出側のガラス基板にはTFT23が形成されている。
マイクロレンズアレイは、マイクロレンズ10を、図の上下方向と図面に直交する方向へ2次元的にアレイ配列した一体構造のものである。
一体に構成されてマイクロレンズアレイを構成する複数のマイクロレンズアレイは、同一構造であって「同じ正の屈折力」を持つ。
図1における符号「d」は、BM22により遮光されない部分(この部分を「開口」と称する。)の径であり、以下、開口径:dと称する。
また符号「D」は、1画素部分のサイズを表し、以下、画素径:Dと称する。
1画素部分の形状は「正方形形状」である。
「開口」は、種々の形状が可能であるが、一般的には「正方形あるいは長方形に近い略矩形形状」であり、4隅の部分は階段形状等の形で面取り処理されている。
これら3実施例において、液晶素子は、1画素部分が画素径:D=10μmの正方形形状で、開口部の開口径:d=7μmである。從って、図2〜図4において液晶素子の部分については、図1におけると同じく符号20をもって表し、符号21により液晶層、符号22によりBM、符号23によりTFTを示す。
図2に示す実施例1は、図1に構成を示したものの具体例である。
マイクロレンズ10Aは、透明基板11Aと、導光層12Aを構成する蒸着膜121Aおよび122Aを有する。
透明基板11Aの入射側から、面A0A、A1A、A2A、A3Aとし、その曲率半径を、それぞれR0、R1、R2、R3とする。また、これらの面の間隔を入射側から、図示の如く、d0、d1、d2とする。
さらに、透明基板11Aと、蒸着膜121Aおよび122Bの材質の屈折率を、それぞれ、N0、N1、N2とする。
これらのデータを以下に挙げる。
A0A R0=∞ d0=1mm N0=1.46 石英
A1A R1=9μm d1=5μm N1=2.14 Ta2O5
A2A R2=9μm d2=5μm N2=1.46 SiO2
A3A R3=∞ 。
図2にはまた、透明基板11Aの入射側面に直交させて、平行光束を入射させた場合の各光線の様子を示す。
透明基板11Aの側から入射する平行光束は、マイクロレンズ10Aにより、導光層12A内で集束傾向を与えられて射出する。
図3に示す実施例2のマイクロレンズ10Bは、透明基板11Bと、導光層12Bを構成する蒸着膜121B、122Bおよび123Bを有する。
透明基板11Bの入射側から、面A0B、A1B、A2B、A3B、A4Bとし、その曲率半径を、それぞれR0、R1、R2、R3、R4とする。また、これらの面の間隔を入射側から、図示の如く、d0、d1、d2、d3とする。
さらに、透明基板11Bと、蒸着膜121B、122B、123Bの材質の屈折率を、それぞれ、N0、N1、N2、N3とする。
これらのデータを以下に挙げる。
A0B R0=∞ d0=1mm N0=1.46 石英
A1B R1=9μm d1=3μm N1=2.14 Ta2O5
A2B R2=10μm d2=3μm N2=1.46 SiO2
A3B R3=∞ d3=4μm N3=1.67 Al2O3
A4B R4=∞ 。
図3にはまた、透明基板11Bの入射側面に直交させて、平行光束を入射させた場合の各光線の様子を示す。
図4に示す実施例3のマイクロレンズ10Cは、透明基板11Cと、導光層12Cを構成する蒸着膜121C、122Cおよび123Cを有する。
透明基板11Cの入射側から、面A0C、A1C、A2C、A3C、A4Cとし、その曲率半径を、それぞれR0、R1、R2、R3、R4とする。また、これらの面の間隔を入射側から、図示の如く、d0、d1、d2、d3とする。
さらに、透明基板11Cと、蒸着膜121C、122C、123Cの材質の屈折率を、それぞれ、N0、N1、N2、N3とする。
これらのデータを以下に挙げる。
A0C R0=∞ d0=1mm N0=1.46 石英
A1C R1=10μm d1=5μm N1=2.31 TiO2
A2C R2=10μm d2=5μm N2=1.67 Al2O3
A3C R3=10μm d3=2μm N3=1.46 SiO2
A4C R4=∞ 。
図4にはまた、透明基板11Cの入射側面に直交させて、平行光束を入射させた場合の各光線の様子を示す。
透明基板11Cの側から入射する平行光束は、マイクロレンズ10Cにより、導光層12C内で集束傾向を与えられて射出する。
上に説明した実施例1〜3において、透明基板は光入射側面が平面状で、透明基板としての屈折作用は、光射出側の「凹面によるマイクロレンズ面」が担っている。このため、透明基板の厚み(実施例1〜3において「d0」)は、適宜に設定でき、実施例3では「1mm」としている。
しかし、液晶パネルをプロジェクタ装置等において用いる場合、液晶パネルに入射する入射光は厳密な「平行光束」ではなく、入射光を構成する光線は、進行方向に対して±10度程度の範囲で分布している。
同じ正の屈折力を持つマイクロレンズ(10、10A、10B、10C)が2次元的に配列されたマイクロレンズアレイであって、光入射側に配置されて光射出側面に凹面によるマイクロレンズ面(A1、A1A、A1B、A1C)が2次元的にアレイ配列して形成された透明基板(11、11A、11B、11C)と、該透明基板の光射出側に形成された導光層(12、12A、12B、12C)と、を有し、該導光層は、導光方向に無機材料による蒸着膜(121、122、121A、122A、121B、122B、123B、121C、122C、123C)を2層以上に積層してなり、光射出側の面(A3A、A4B、A4C)が平面状であり、前記2層以上の蒸着膜は、隣接する膜の屈折率が異なり、膜相互の境界面の1以上が、前記凹面によるマイクロレンズ面の個々に1対1で対応する微小凹曲面(A2A、A2B、A2C、A3C)を有し、且つ、各蒸着膜は厚みが数μmオーダーであり、前記透明基板の側から入射する光束を、前記各マイクロレンズにより、導光層内で集束傾向を与えて射出させる光学機能をもつマイクロレンズアレイ。
[1]記載のマイクロレンズアレイであって、導光層(12B、12C)が3層の蒸着膜(121B、122B、123B、121C、122C、123C)で形成されているマイクロレンズアレイ(10B、10C)。
[1]または[2]記載のマイクロレンズアレイであって、導光層12Bの最も光射出側の蒸着膜123Bの、光軸に直交する面(A3B、A4B)が両面とも平面状であるマイクロレンズアレイ10B。
[1]〜[3]の何れか1に記載のマイクロレンズアレイであって、透明基板が石英により形成され、該透明基板に密着する蒸着膜がTa2O5により形成され、該Ta2O5により形成された蒸着膜よりも光射出側に、SiO2により形成された蒸着膜を有するマイクロレンズアレイ(実施例1、2)。
[4]記載のマイクロレンズアレイであって、
導光層が3層の蒸着膜で形成され、透明基板に密着した蒸着膜がTa2O5もしくはTiO2により形成され、その光射出側にSiO2により形成された蒸着膜と、Al2O3により形成された蒸着膜と、を有するマイクロレンズアレイ(実施例2、3)。
[1]〜[5]の何れか1に記載のマイクロレンズアレイであって、マイクロレンズの2次元的な配列が、透過型の液晶素子における2次元的な画素配列に合致し、個々のマイクロレンズから射出する光束が、液晶素子におけるブラックマトリックスBMの開口部に入射するように、マイクロレンズの光学特性が設定されているマイクロレンズアレイ(実施例1〜3)。
2次元的な画素配列を有する透過型の液晶素子を用いる液晶パネルであって、[6]記載のマイクロレンズアレイを用いる液晶パネル(実施例1〜3)。
この発明の実施の形態に記載された効果は、発明から生じる好適な効果を列挙したに過ぎず、発明による効果は「実施の形態に記載されたもの」に限定されるものではない。
11A 透明基板
12A 導光層
121A、122A 無機材料の蒸着膜
A1A 透明基板11Aの光射出側面に形成された凹面によるマイクロレンズ面
20 液晶素子
21 液晶層
22 BM(ブラックマトリックス)
23 TFT(薄膜トランジスタ)
Claims (7)
- 同じ正の屈折力を持つマイクロレンズが2次元的に配列されたマイクロレンズアレイであって、
光入射側に配置されて光射出側面に凹面によるマイクロレンズ面が2次元的にアレイ配列して形成された透明基板と、
該透明基板の光射出側に形成された導光層と、を有し、
該導光層は、導光方向に無機材料による蒸着膜を2層以上に積層してなり、光射出側の面が平面状であり、前記2層以上の蒸着膜は、隣接する膜の屈折率が異なり、膜相互の境界面の1以上が、前記凹面によるマイクロレンズ面の個々に1対1で対応する微小凹曲面を有し、且つ、各蒸着膜は厚みが数μmオーダーであり、
前記透明基板の側から入射する光束を、前記各マイクロレンズにより、導光層内で集束傾向を与えて射出させる光学機能をもつマイクロレンズアレイ。 - 請求項1記載のマイクロレンズアレイであって、
導光層が3層の蒸着膜で形成されているマイクロレンズアレイ。 - 請求項1または2記載のマイクロレンズアレイであって、
導光層の最も光射出側の蒸着膜の、光軸に直交する面が両面とも平面状であるマイクロレンズアレイ。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載のマイクロレンズアレイであって、
透明基板が石英により形成され、該透明基板に密着する蒸着膜がTa2O5により形成され、該Ta2O5により形成された蒸着膜よりも光射出側に、SiO2により形成された蒸着膜を有するマイクロレンズアレイ。 - 請求項4記載のマイクロレンズアレイであって、
導光層が3層の蒸着膜で形成され、該透明基板に密着する蒸着膜がTa2O5もしくはTiO2より形成され、その光射出側に、SiO2により形成された蒸着膜と、Al2O3により形成された蒸着膜と、を有するマイクロレンズアレイ。 - 請求項1〜5の何れか1項に記載のマイクロレンズアレイであって、
マイクロレンズの2次元的な配列が、透過型の液晶素子における2次元的な画素配列に合致し、個々のマイクロレンズから射出する光束が、液晶素子におけるブラックマトリックスの開口部に入射するように、マイクロレンズの光学特性が設定されているマイクロレンズアレイ。 - 2次元的な画素配列を有する透過型の液晶素子を用いる液晶パネルであって、
請求項6記載のマイクロレンズアレイを用いる液晶パネル。
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