JP2008197474A - スペーサ粒子分散液、液晶表示装置の製造方法及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インクジェット装置を用いて液晶表示装置の基板の上にスペーサ粒子を配置する際に用いられるスペーサ粒子分散液であって、少なくとも、スペーサ粒子と媒体とを含有し、前記媒体は、プロピレングリコール、又は、プロピレングリコールと水とを含有するスペーサ粒子分散液。
【選択図】なし
Description
この製造方法では、スペーサは、透明基板201の基板上に均一にランダムに散布されるため、図9に示されているように、画素電極上すなわち液晶表示装置200の表示部(画素領域)にもスペーサ粒子213が配置され易かった。スペーサ粒子は一般的に合成樹脂やガラス等から形成されており、画素電極上にスペーサ粒子が配置されると消偏作用によりスペーサ粒子部分が光漏れを起こす。また、スペーサ粒子表面での液晶の配向が乱れると光抜けが起こり、コントラストや色調が低下し、表示品質が悪化する。他方、TFT液晶表示装置においては、基板上にTFT素子が配置されている。スペーサ粒子がこのTFT素子上に配置されると、基板に圧力が加わったときに素子が破損することがあった。
このようなインクジェット装置を用いてスペーサを配置する場合において、スペーサ粒子による光抜け等がなく優れた表示品質を有する液晶表示装置を得るには、スペーサ粒子分散液を基板の遮光領域を狙って吐出し、スペーサ粒子を遮光領域下に配置する必要があった。更に、液晶表示装置の表示品質を向上させるためには、液晶や配向膜の汚染を防ぐ必要があった。
本発明のスペーサ粒子分散液は、少なくとも、スペーサ粒子と媒体とを含有する。
本発明のスペーサ粒子分散液において、上記媒体は、プロピレングリコール、又は、プロピレングリコールと水とを含有するものである。このようなプロピレングリコール、又は、プロピレングリコールと水とを含有する媒体(以下、本発明に係る媒体ともいう)は、後述するスペーサ粒子の分散安定性が優れたものとなるため、インクジェット装置を用いて液晶表示装置の基板上に高精度でスペーサ粒子を配置することが可能となる。
例えば、本発明に係る媒体18ngの液滴を600×200μm間隔で基板に吐出した条件下で完全に乾燥させるのに要する時間は1分程度であるのに対し、エチレングリコールと水とを95/5〜60/40(重量比)で含有する媒体を、同条件で完全に乾燥させるのに要する時間は2分程度である。
上記本発明に係る媒体中にプロピレングリコールが少量でも(好ましくは3重量%以上、より好ましくは5重量%以上)添加されていれば、理由は明らかではないが、水/エチレングリコールの2成分系に比べ、配向膜に対する固着性を上げるための表面処理を行ったスペーサ粒子の本発明に係る媒体に対する分散性を高めることができる。上記エチレングリコールが更に添加されていると、本発明に係る媒体の表面張力が高くなり、基板に吐出されて着弾した本発明のスペーサ粒子分散液の液滴の液滴径を小さくできる等の利点がある。
ただし、上記エチレングリコールの添加量としては、多すぎると乾燥性の点でプロピレングリコール、又は、プロピレングリコールと水との系に対して劣るようになるため、95重量%以下、好ましくは90重量%以下である。
上記他の媒体としては特に限定されず、例えば、1−ブタノール、2−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等のモノアルコール類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のエチレングリコールの多量体、及び、これらのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノイソプロピルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等の低級モノアルキルエーテル類;モノアセテート、ジアセテート等のアルキルエステル類等;、及び、これらのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノイソプロピルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等の低級モノアルキルエーテル類;ジオール類のエーテル誘導体等が挙げられる。これら他の媒体の配合量としては、好ましい上限が40重量%未満、より好ましい上限は5重量%未満である。
本発明に使用されるスペーサ粒子の材料は特に限定されず、例えば、シリカ粒子等の無機系粒子であっても、有機高分子等の有機系粒子であってもよい。なかでも、有機系粒子は、液晶表示装置の基板上に形成された配向膜を傷つけない適度の硬度を有し、熱膨張や熱収縮による厚みの変化に追随しやすく、更にセル内部でのスペーサ粒子の移動が比較的少ないという長所を持つために好ましく使用される。
また、スペーサ粒子には帯電可能な処理が施されていてもよい。
上記表面処理層は、スペーサ粒子を均一に被覆するものであってもよいし、部分的に被覆するものであってもよい。
なかでも、液晶表示装置のセル中で表面処理層が剥離して液晶へ溶出するという問題が少ないことから、スペーサ粒子表面に化学的に結合した表面層を形成する方法が好適であり、例えば、特開平9−113915号公報に記載のグラフト重合を行う方法が好適である。
なお、本明細書において帯電可能な処理とは、スペーサ粒子を本発明のスペーサ粒子分散液中でも何らかの電位を持つように処理することを意味し、この電位(電荷)は、ゼータ電位測定器等既存の方法によって測定できる。
上記荷電制御剤としては特に限定されないが、例えば、特開2002−148865号公報に記載の荷電制御剤や、有機金属化合物、キレート化合物、モノアゾ系染料金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ヒドロキシルカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類等、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、非金属カルボン酸系化合物、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及び、これらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等が挙げられる)、高級脂肪酸の金属塩、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド、ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類等が挙げられる。これら荷電制御剤は単独で用いられてもよく、2種類以上が組合せて用いられてもよい。
上記スペーサ粒子の表面電位を制御する方法としては、上述したようにスペーサ粒子を作る際に使用する材料を適宜選択する方法や、上述したようにスペーサに表面処理を行う際、使用する単量体の官能基等を調整する方法が挙げられる。また、上述したように積極的に荷電制御材を使用する方法も挙げられる。
次に、スペーサ粒子分散液を基板上に吐出するのに用いられるインクジェット装置について説明する。
図1は、本発明のスペーサ粒子分散液を用いて得られた液晶表示装置の一例を模式的に示す正面断面図である。
図1に示すように、液晶表示装置1では、透明基板からなる第1、第2の基板2、3が対向されている。図9に示した従来の液晶表示装置200の場合と同様に、第1の基板1の内面には、カラーフィルタ4及びブラックマトリックス5が形成されている。カラーフィルタ4及びブラックマトリックス5を覆うようにオーバーコート層6が形成されている。オーバーコート層6上には、透明電極7が形成されている。また、透明電極7を覆うように配向膜8が形成されている。
他方、第2の基板3の内面には、カラーフィルタ4と対向する位置に、透明電極9が形成されている。透明電極9を覆うように配向膜10が形成されている。
なお、第1、第2の基板2、3の外面には、それぞれ、偏光板11、12が積層されている。
上記スペーサ粒子分散液は、プロピレングリコール、又は、プロピレングリコール及び水を含有する媒体中に、スペーサ粒子が分散されたものである。このようなスペーサ粒子分散液としては、例えば、上述した本発明のスペーサ粒子分散液と同様のものが挙げられる。
これを達成する手段としては、液滴近傍の媒体蒸気を速やかに取り除く、すなわち、風を当てたり、減圧下で乾燥を行ったりすることである。ただし、その風量はあまり強すぎると粒子が液滴内を動き回り結果として、スペーサ粒子の寄り集まりが阻害されるので、風量は適宜調整する必要がある。
ただし、配向膜の種類によっては、スペーサ粒子寄り集まりをよくするために、90℃を超える高温で短時間で乾燥してもよい。具体的には、100〜150℃で5〜20秒程度の乾燥を行うことが好ましい。
なお、本発明中でいう乾燥完了とは基板上の液滴が消失した時点をいう。
本発明の液晶表示装置の製造方法では、本工程において、スペーサ粒子を配置した基板を、スペーサ粒子が配置されていない基板と周辺シール剤を用いて加熱圧着し、形成した基板間の空隙に液晶を充填することで液晶表示装置を製造してもよい(真空注入法)。あるいは、片方の基板に周辺シール剤を塗布し、それに囲まれた範囲内に液晶を滴下しもう一方の基板を貼り合わせシール剤を硬化させることで液晶表示装置を製造してもよい(液晶敵下工法)。この場合、いずれの基板にスペーサ粒子が配置されてもよい。
(スペーサ粒子の調製)
ジビニルベンゼン15重量部と、イソオクチルアクリレート5重量部と、重合開始剤として過酸化ベンゾイル1.3重量部とを、セパラブルフラスコ中で均一に混合した。
次に、ポリビニルアルコール(商品名「クラレポバールGL−03」、クラレ社製)の3%水溶液20重量部と、ドデシル硫酸ナトリウム0.5重量部とを、セパラブルフラスコ中に投入し充分攪拌した。しかる後、イオン交換水140重量部を更に添加した。この溶液を攪拌しながら窒素気流下、80℃で15時間反応させた。
得られた粒子を熱水及びアセトンを用いて洗浄した後、分級操作を行い、平均粒子径が4μm、CV値が3.0%であるスペーサ粒子を得た。
疎水性配向膜に対する固着性(乾燥後のスペーサ粒子と配向膜との接着力)を高めるため、かつ、スペーサ粒子分散液を構成する溶剤混合物に対する分散性を高めるために、スペーサに下記の表面処理を行った。
ジメチルスルホキシド(DMSO)200重量部と、ヒドロキシメチルメタクリレート120重量部と、メタクリル酸60重量部と、イソブチルメタアクリレート20重量部との混合物中に、得られたスペーサ粒子50重量部を投入し、超音波分散機を用いて均一に分散させた。しかる後、反応系に窒素ガスを導入し、30℃で2時間撹拌を続けた。次に、1Nの硝酸水溶液で調製した0.1mol/Lの硝酸第2セリウムアンモニウム溶液50重量部を添加し、5時間反応させた。反応終了後、2μmのメンブランフィルタを用いて、スペーサ粒子と反応液とを濾別した。このスペーサ粒子をエタノール及びアセトンにて充分洗浄し、真空乾燥器にて減圧乾燥を行い、表面処理されたスペーサ粒子を得た。
得られた表面処理されたスペーサ粒子を、粒子濃度で1.5wt%になるように必要量をとり、下記表1に示す組成の溶媒中にゆっくり添加し、超音波機を用いて充分撹拌し分散させた。しかる後、10μmの目開きのステンレスメッシュを用いて濾過し、凝集物を除去することにより、実施例1〜20及び比較例1〜10に係るスペーサ粒子分散液を得た。
下記の項目について評価を行った。結果を表2に示す。
得られた実施例1〜20及び比較例1〜10に係るスペーサ粒子分散液の粘度は、E型粘度計で測定し、表面張力は、白金板を使用するウイルヘルミー法で測定した。表面張力及び粘度の測定結果を下記表2に示した。
実施例1〜20及び比較例1〜10に係るスペーサ粒子分散液をインクジェット装置から吐出させ、吐出安定性を以下のようにして評価した。なお、インクジェットヘッドは、高表面張力のインクも吐出可能なように材質、流路を工夫したヘッドを使用した。
実施例1〜20及び比較例1〜10に係るスペーサ粒子分散液をインクジェットヘッドから基板に吐出する前に、別途、ヘッドからスペーサ粒子分散液の液滴が吐出されている状態を観察し、飛行軌跡の直進性や、未吐出ノズルの有無などを調べることで吐出の安定性の評価を行った。飛翔状態の観察は、ヘッドの駆動周波数に同期した周波数で(あるいは分周された周波数(駆動周波数/整数)で)、若干の遅延時間(例60μ秒)を付加した時間に同期させ、発光し、閃光時間の短いストロボを光源として、スペーサ分散液がヘッドから吐出されている状態を、焦点距離の長い拡大カメラ(テレセントリックレンズをつけたCCDカメラ)で撮影することによって行った。吐出の条件は下記の基準とした。
吐出安定性(室温):室温1kHzで吐出テスト
吐出安定性(加温):粘度が15mPa・s位になるような温度にヘッドを加温して1k Hzで吐出テスト
吐出安定性(5kHz):粘度が15mPa・s位になるような温度に加温して、又は、 室温で、高周波数(5kHz)で吐出テスト
上述の条件で吐出し、液滴飛翔状態観察を行い、下記の判断基準で吐出安定性を判断した。なお、比較例6〜9は、スペーサ粒子の分散が悪く凝集したので、スペーサ粒子濃度を半分に落とし、濾過した上で評価を行った。
○:連続で吐出して、20分以上飛行曲がり、未吐出ノズルの発生が無い
△:連続で吐出して、5分以内は飛行曲がり、未吐出ノズルの発生が無い
×:吐出開始時より飛行曲がり、未吐出ノズルの発生がある
実施例1〜20及び比較例1〜10に係るスペーサ粒子分散液のスペーサ粒子濃度を1wt%にして、スライドガラス上に滴下、光学顕微鏡にて400倍でスペーサ粒子の分散性を5視野観察し、以下の基準に従って評価した。また、サンプル数n=3とした。
○:1視野内に2個以上が凝集したスペーサ凝集塊が平均で1個以内、かつ、4個以上の凝集塊がない
△:1視野内に2個以上が凝集したスペーサ凝集塊が平均で1個〜10個、かつ、4個以上の凝集塊がない
×:1視野内に2個以上が凝集したスペーサ凝集塊が平均で10個を超える、あるいは4個以上の凝集塊がある
実施例1〜20及び比較例1〜10に係るスペーサ粒子分散液の液滴の吐出量を、1周期1ノズルあたり18ngとし、(600×200μm)間隔で吐出し、吐出後、45℃で乾燥して乾燥時間をチェックした。乾燥状態は、基板上の液滴が目視で実質上無くなった時間とした。また、サンプル数n=3とした。
−×:室温で既に乾燥している
○:0.5分〜1.0分で乾燥
△:1.0〜2.0分で乾燥
×:2分以上かかる
100mLのポリエチレン製の容器に80gの実施例1〜20及び比較例1〜10に係るスペーサ粒子分散液を入れて密閉し、55℃で2週間放置した。インクの溶剤組成(スペーサ粒子分を除く)を経時前後で、ガスクロマトグラフを用いて測定した。組成変化の多少を評価以下の基準により評価した。
○:それぞれの成分の組成率の変化が0.5wt%以下
×:いずれかの成分の組成率の変化が0.5wt%を超える
2…第1の基板
3…第2の基板
4…カラーフィルタ
5…ブラックマトリックス
6…オーバーコート層
7…透明電極
8…配向膜
9…透明電極
10…配向膜
11、12…偏向板
13…シール材
14…スペーサ粒子
15…液晶
200…液晶表示装置
201、202…透明基板
203…カラーフィルタ
204…ブラックマトリックス
205…オーバーコート層
206、208…透明電極
207、209…配向膜
210、211…偏光板
212…シール剤
213…スペーサ粒子
214…液晶
Claims (4)
- インクジェット装置を用いて液晶表示装置の基板の上にスペーサ粒子を配置する際に用いられるスペーサ粒子分散液であって、少なくとも、スペーサ粒子と媒体とを含有し、前記媒体は、プロピレングリコール、又は、プロピレングリコールと水とを含有することを特徴とするスペーサ粒子分散液。
- 媒体は、更にエチレングリコールを含有することを特徴とする請求項1記載のスペーサ粒子分散液。
- 画素領域と非画素領域とを有する液晶表示装置の製造方法であって、
第1の基板又は第2の基板上に、インクジェット装置を用いて、プロピレングリコール、又は、プロピレングリコールと水とを含有する媒体中に、スペーサ粒子が分散されているスペーサ粒子分散液を吐出することにより、前記非画素領域に対応する特定の位置にスペーサ粒子を配置する工程と、
前記第1の基板と前記第2の基板とを、液晶及び前記スペーサ粒子を介して対向するように重ね合わせる工程を有する
ことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。 - 請求項1若しくは2記載のスペーサ粒子分散液、又は、請求項3記載の液晶表示装置の製造方法を用いてなることを特徴とする液晶表示装置。
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JPH11316380A (ja) * | 1998-05-06 | 1999-11-16 | Asahi Glass Co Ltd | スペーサ散布方法及びそれを用いて製造した液晶表示素子 |
JP2006209105A (ja) * | 2004-12-27 | 2006-08-10 | Sekisui Chem Co Ltd | 液晶表示装置の製造方法、スペーサ粒子分散液及び液晶表示装置 |
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2007
- 2007-02-14 JP JP2007033676A patent/JP2008197474A/ja active Pending
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