JP2008197256A - 位相差制御部材とそのアライメント調整方法、およびカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

位相差制御部材とそのアライメント調整方法、およびカラーフィルタの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アライメントマークが設けられた基材上で液晶分子をホメオトロピック配向させてこれを固定化した位相差層を備える位相差制御部材であって、アライナー機構によるアライメントマークの光学的な認識を良好に行うことのできる位相差制御部材やその製造方法、および当該位相差制御部材のアライメント調整方法を提供する。
【解決手段】光透過性の基材2と、前記基材2に設けられた位置合わせするための一つまたは複数のアライメントマーク3と、前記基材2上に塗工形成された、光透過性かつ光学等方性の下地層と、重合性液晶分子を含有する液晶性インキを前記下地層6の上に直接塗布し、前記重合性液晶分子をホメオトロピック配向させた状態で固定化してなる位相差層4と、を備えるとともに、前記アライメントマーク3の少なくとも一つが、前記下地層6に覆われて保護マーク30を構成する位相差制御部材。
【選択図】図1

Description

本発明は、透過光に位相差を与える複屈折機能を有する位相差層を備えた位相差制御部材とそのアライメント調整方法、および位相差制御部材の例としてのカラーフィルタの製造方法に関する。
液晶表示装置は、薄型化や軽量化容易である点や、消費電力を低減できる点、フリッカーを生じ難い点等の利点があることから、テレビや医療機器など様々な分野に用いられているが、その一方で、使用者が液晶表示画面を見る角度によっては光漏れや階調反転現象を生じる問題、即ち視野角の狭さという問題を抱えていた。
この問題を解消するため、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムを1軸延伸や2軸延伸処理した位相差フィルムや、液晶分子を特定方向に配向させて固定した位相差層などを液晶表示装置に組み合わせて出・入射光を制御する発明が各種提案されている。
特に近年では、位相差フィルムを基板に接着する粘着層が削除できることで液晶表示装置全体の厚さを低減でき、また良好な耐久性や光透過性を得ることができるという観点から、駆動液晶分子を二枚の基板で挟んでなる液晶セルの内側にこの位相差層を造り込む、いわゆるインセルタイプの位相差層を備える位相差制御部材が提案されている。
インセルタイプの位相差層には、液晶分子の配向方向の相違に基づく面内/面外方向の屈折率の大小関係により、例えば正のCプレート、正のAプレート、または負のCプレートなど各種が知られている。このうち、位相差層に対して液晶分子を垂直に配向させてなる正のCプレートは、液晶セルをクロスニコル状態で挟み込む二枚の直線偏光板の視野角を拡大する機能があるため重用され、近年開発が進められている。
一方、液晶表示装置は、液晶セルからの出・入射する可視光を画素ごとにR(赤)G(緑)B(青)等に分光する着色層が基板上に微細にパターン形成されたカラーフィルタを備えている。着色層は、顔料を着色剤としてポリマーに分散させた着色材料を、有効表示領域内で微細にパターニングした状態で固定化してなることが一般である。
したがってインセルタイプの位相差層をカラーフィルタの着色層の上に積層することにより、視野角の補償機能に加え、着色層を物理的に保護する透明保護層としての機能を併せもった位相差制御部材が得られるため別途の保護層が不要となり、部品点数の削減や生産コストの低減に加え、液晶パネル全体の薄型化が可能となる。
架橋性液晶や高分子液晶等の液晶分子を基材の有効表示領域でホメオトロピック配向(垂直配向)させ、さらにかかる配向状態を固定化してなるインセルタイプの正のCプレートを作製する方法としては、(ア)基板の表面に垂直配向膜を形成し、次いで液晶分子を溶媒に分散してなる位相差層形成用の塗布組成物(以下、「液晶性インキ」という。)を当該垂直配向膜上に塗布することで液晶分子をホメオトロピック配向させる方法(下記特許文献1を参照)や、(イ)液晶分子の配向規制力を強化するカップリング剤を垂直配向助剤として液晶性インキに添加することで垂直配向膜を用いずに液晶分子をホメオトロピック配向させる方法(下記特許文献2を参照)が検討されている。
後者の場合、配向膜を用いずに正のCプレートが得られるため、製版工程数や位相差制御部材全体の厚さを更に低減できるという利点がある。
ここで、位相差制御部材の各種製造および取扱工程においては、他の装置や基板との位置合わせ(アライメント調整)を行うことが必要である。アライメント調整には、冶具上に立てたピンに位相差制御部材を当接させて行う簡易かつ低精度のピンアライメント調整と、各種装置の備えるアライナー機構でアライメントマークをパターン認識して行う高精度の光学調整(いわゆるトンボ調整)とが代表的に行われている。一般に、前者は1mm程度以下の位置精度、後者は5μm以下の位置精度にアライメント調整することが可能である。
微小な十字形状などに形成されるアライメントマークは、位相差制御部材を構成する光透過性の基材のうち、有効表示領域が予定形成された区画領域の外部に複数個設けられ、各種製版工程やその後の切断または貼り合わせ工程などにおいて、複数個のアライメントマークのうちのいずれか一以上を適宜選択して各種装置やパネルとの位置合わせに用いられる。
アライメントマーク(以下、簡単のため「AM」と略記する場合がある。)を用いて基材の位置合わせをする具体的なケースとしては、
(一)基材上面に着色層をフォトリソグラフィー法やインクジェット法により微細にパターン形成する場合の、基材と当該フォトマスク、または基材とインクジェットコーターとの位置合わせ;
(二)塗布された液晶性インキをフォトリソグラフィー法でパターニング露光する場合の、基材とフォトマスクとの位置合わせ;
(三)位相差層形成後に、液晶セルのセル厚さ(以下、セルギャップという。)を一定に保持するための柱状体やシール、または駆動液晶分子の配向方向を規制するための突起などをフォトリソグラフィー法や転写法などにより微細にパターン形成する場合の、基材と当該フォトマスク、または転写装置との位置合わせ;
(四)位相差層形成後に、駆動液晶分子やその配向膜などを位相差層の上に直接または間接に塗工する場合の、基材と塗工装置との位置合わせ;
(五)位相差層形成後に、当該基材を所定のカットラインで切断する場合の、基材と切断装置との位置合わせ;
(六)位相差層を形成した基材と、液晶駆動回路を画素ごとにパターン配置した液晶駆動基板とを貼り合わせる場合の、基材と液晶駆動基板との位置合わせ;
などを一例として挙げることができる。
アライナー機構によるAMの認識は、対物CCDカメラを搭載したアライナー機構の備える照明系でAMを照らし、吸光性または光反射性のAMと、その周囲にあたる光透過性の近傍領域との透過率または反射率のコントラスト比を、光学的に測定して行うことが通常である。アライナー機構の照明光源とその受光部(対物CCDカメラ)とは、AMに対して同一側に配置される場合と反対側に配置される場合とがある。同一側に配置する場合、AMを光反射性とすることで、AM形成位置では照明光が反射されて受光部で明るく観察され、その周囲は照明光が透過して黒色に観察される。照明光源と受光部とを反対側に配置する場合、AMを遮光性(吸光性または光反射性)とすることで、AM形成位置では照明光が吸収または反射されて黒色の光抜けとして受光部で観察され、その周縁は透過した照明光が明るく観察される。受光部で観察された上記照明光はコンピュータにて画像処理が施され、隣接する画素にて所定の閾値以上のコントラスト比が計測された場合にAMのエッジが検出される。
特開2005−165239号公報 特開2005−165240号公報
アライナー機構による光学的なアライメント調整にあたり、AMを含む基材全面に未露光の液晶性インキが塗工された場合は、下記の理由によりAMおよびその周囲では液晶分子の垂直配向が乱れ、アライナー機構の照明光に散乱光成分が発生してアライメント調整が不可能になる虞がある。すなわち、垂直配向膜を用いずにインセルタイプの正のCプレートを作製する場合、液晶分子が溶媒に分散された液晶性インキを基材の有効表示領域内に塗布してこれをホメオトロピック配向させるためには、塗布される下地の性状にあわせて液晶性インキに添加剤(垂直配向助剤)を適宜添加することが求められるところ、ガラス基板などの基材素地面と、着色層などの樹脂皮膜とでは、液晶分子に対する表面自由エネルギーが全く異なるため、たとえ基材素地面と樹脂皮膜とに共通の表面処理を施したとしても両者に対して等しく良好に液晶分子をホメオトロピック配向させることは、極めて困難だからである。
より詳しく説明すると、正のCプレートを作製するための液晶性インキは、母材となる液晶分子のほか、その垂直配向を誘起する垂直配向助剤を添加し、さらに適切な溶剤を用いてインキ化されてなる。垂直配向助剤としては、親水基と疎水基とをともに備える界面活性剤を、液晶分子にあわせて適宜選択して用いることが従来一般的である。
インキ中の垂直配向助剤は、液晶性インキが下地に塗工されて液晶塗布膜となった後、下地とインキとの界面(液晶塗布膜の下面側)に移動し、親水基を下地側に向けて下地表面に吸着したり、または下地表面の活性官能基と反応して下地表面に結合したりする。垂直配向助剤は一般に疎水基としてアルキル基を有しており、上記のように下地との界面に移動した垂直配向助剤は、疎水基を、下地界面とは反対方向(液晶塗布膜の上面側)に向ける。この疎水基と液晶分子の相互作用により、液晶分子には垂直配向が誘起されることが知られている。
したがって、下地表面を親水化処理することにより、垂直配向助剤の親水基との親和性が向上し、疎水基は下地に対して綺麗に立ち上がることとなるため、液晶分子の垂直配向性がより向上することとなる。
具体的には、例えばガラス基板であれば、UV−オゾン処理することで親水性を向上することができる。
一方、位相差層の下地層となりうる着色層などの樹脂皮膜については、ガラス素地よりも一般に親水性が低いが、界面活性剤を用いた超音波洗浄処理やUV−オゾン処理などによってその濡れ性を向上することできる。
しかしながら、ガラス基板と着色層とに共通してUV−オゾン処理を施すことを試みたとしても、ガラス基板に必要なUV−オゾン処理量と、樹脂皮膜に必要なUV−オゾン処理量はまったく相違し、また発生した水酸基の活性はそれぞれ異なるスピードで刻々と低下してしまう。これに対し、着色層などの下地層は有効表示領域にのみ塗工形成されて、その外部に設けられるAMおよびその周囲では素ガラスなどの基材素地面が下地として露出していることが通常であることから、両者に共通の表面処理を施してから液晶性インキを塗布したとしても、AM近傍と、有効表示領域内とで良好なホメオトロピック配向をともに得ることはできない。
なお、ガラス基板の親水化に必要な量のUV−オゾン処理を樹脂皮膜に施した場合、樹脂皮膜にとっては過剰処理となる場合がある。たとえば着色層に過剰なUV−オゾン処理を施した場合、紫外線により高分子鎖が切断されて不純物が発生したり、顔料成分の溶出が発生したりして、むしろ濡れ性が悪化する虞がある。
このように、基材自体の特性と着色層などの下地層の特性とは異なるため、同時に良好な表面状態を実現することは非常に困難である。
ここで、インセルタイプの正のCプレートを塗工形成することで位相差制御部材に視野角補償機能を得んとする場合、当然のことながら有効表示領域内での液晶分子のホメオトロピック配向性を優先すべきである。したがって、AMおよびその近傍では基材の濡れ性が不十分となるため、塗布された液晶分子の垂直配向性が阻害されて液晶分子の倒れが生じ、液晶塗布膜を観察するアライナー機構の照明光には光散乱が生じる。
したがって上記(一)〜(六)に例示される基材の位置合わせケースのうち、上記ケース(二)における位置合わせが不可能となり、位相差層をフォトリソグラフィー法により有効表示領域にパターン形成することができなくなるという重大な問題が生じる。
またAMおよびその近傍で垂直配向不良を生じたままであっても、活性放射線を全面露光することで液晶分子の配向状態を固定化することは可能であるが、この場合、光散乱の生じる正のCプレートによってAMが常に覆われた状態となるため、以後の工程である上記ケース(三)〜(六)においてもアライメント調整を行うことが不可能となる虞がある。
このように、画素が微細にパターニングされて高い位置精度でのアライメント調整が求められるとともに、基材上で液晶分子を配向させて固定化する必要のあるインセルタイプの位相差層を備える位相差制御部材を作製する場合には、上記のようにアライメントマークの視認性に関する固有の問題が生じることとなる。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、すなわち本発明は、アライメントマークが設けられた基材上で液晶分子をホメオトロピック配向させてこれを固定化したインセルタイプの位相差層を備える位相差制御部材であって、アライナー機構によるアライメントマークの光学的な認識を良好に行うことのできる位相差制御部材やその製造方法、および当該位相差制御部材のアライメント調整方法を提供することを目的とする。本発明のその他の目的は以下の説明より明らかとなろう。
本発明は、液晶性インキに含まれる液晶分子を良好にホメオトロピック配向させるための下地層を、有効表示領域内のみならず、AMおよびその周囲についてもこれを覆うように共通して設けることにより、液晶性インキが基材上に全面塗布された場合であっても、AMおよびその周囲と、有効表示領域内とにおいて液晶分子を良好にホメオトロピック配向させることができるという知見に基づいてなされたものである。すなわち本発明は、AMの少なくとも一つに対して、そのインセル側の上方に、当該AMの形成領域およびその周囲における重合性液晶分子のホメオトロピック配向性を有効表示領域内と同等にするための共通の下地層を塗工形成するという技術思想に基づいてなされたものである。
本発明にかかる位相差制御部材は、
(1)光透過性の基材と、
前記基材に設けられた、当該基材を位置合わせするための一つまたは複数のアライメントマークと、
前記基材に区画形成または予定形成された有効表示領域に少なくとも塗工形成された、光透過性かつ光学等方性の下地層と、
重合性液晶分子を含有する液晶性インキを前記下地層の上に直接塗布し、前記重合性液晶分子をホメオトロピック配向させた状態で固定化してなる位相差層と、
を備えるとともに、
前記下地層が、更に前記アライメントマークの少なくとも一つを覆うよう塗工形成されることによって、アライメントマークとこれを被覆する下地層とからなる保護マークが構成されていることを特徴とする位相差制御部材;
(2)前記保護マークが前記有効表示領域の外側に設けられるとともに、
前記下地層が、前記有効表示領域の内側と、前記保護マークおよびその周囲と、にパターン形成されていることを特徴とする上記(1)に記載の位相差制御部材;
(3)有効表示領域の内側に形成された下地層と、保護マークおよびその周囲を覆う下地層とには、共通の表面処理が施されていることを特徴とする上記(2)に記載の位相差制御部材;
(4)前記下地層が、光透過性の複数色の着色領域を配列してなる着色層であり、
前記保護マークおよびその周囲が、少なくとも1色の前記着色領域によって覆われていることを特徴とする上記(1)から(3)のいずれかに記載の位相差制御部材;
を要旨とする。
また本発明にかかるアライメント調整方法は、
(5)上記(4)に記載の位相差制御部材を位置合わせするアライメント調整方法であって、
前記保護マークを被覆する着色領域に対して透過率のもっとも高い波長の光を少なくとも含む照明光を照射するアライナー機構により、前記保護マークを光学的にパターン認識して行うことを特徴とするアライメント調整方法;
を要旨とする。
また本発明にかかるカラーフィルタの製造方法は、
(6)有効表示領域の内側を通過する透過光を分光する分光機能と、前記透過光に位相差を与える複屈折機能とを有するカラーフィルタの製造方法であって、
(i)光透過性の基材に予定形成された前記有効表示領域の外側にアライメントマークを形成する工程と;
(ii)前記基材に直接または間接に、感光性の着色材料を塗工して前記アライメントマークを被覆する塗工工程と;
(iii)前記アライメントマークおよびその周囲ならびに前記有効表示領域内の所定位置にそれぞれ対応してマスクパターンが形成された遮光性のフォトマスクと、前記基材とを、前記アライメントマークをアライナー機構で認識することにより互いに位置合わせするアライメント工程と;
(iv)前記フォトマスクを介したパターン露光およびエッチング除去により、前記マスクパターンに対応して前記着色材料を固定化して着色層を形成するフォトリソグラフィー工程と;
(v)重合性液晶分子を含有する液晶性インキを前記着色層の上に塗布し、前記重合性液晶分子をホメオトロピック配向させた状態で固定化して位相差層を作製する工程と;
を含むカラーフィルタの製造方法;
(7)上記工程(ii)乃至工程(iv)を、N(ただしNは2以上の整数である)色の着色材料にそれぞれ替えながら前記N回繰り返した後に、上記工程(v)を行う上記(6)に記載のカラーフィルタの製造方法において、
前記N回繰り返しておこなう工程(iii)と工程(iv)との間に、
(vi)前記マスクパターンより認識されるアライメントマークおよびその周囲を、遮光部材により遮蔽する遮蔽工程;
を、前記N回のうち1回以上N−1回以下おこなうことにより、当該塗工工程(ii)で塗工された着色材料については、前記アライメントマークおよびその周囲に対して露光しないことを特徴とするカラーフィルタの製造方法;
(8)有効表示領域の内側を通過する透過光を分光する分光機能と、前記透過光に位相差を与える複屈折機能とを有するカラーフィルタの製造方法であって、
(i)光透過性の基材に予定形成された前記有効表示領域の外側にアライメントマークを形成する工程と;
(ii)インクジェットコーターと前記基材とを、アライナー機構によって前記アライメントマークを認識することで位置合わせするアライメント工程と;
(iii)前記基材上であって、前記アライメントマークおよびその周囲ならびに前記有効表示領域内の所定位置に、それぞれ前記インクジェットコーターにより着色材料を塗布する塗布工程と;
(iv)塗布された着色材料を固定化して着色層を形成する工程と;
(v)重合性液晶分子を含有する液晶性インキを前記着色層の上に塗布し、前記重合性液晶分子をホメオトロピック配向させた状態で固定化して位相差層を作製する工程と;
を含むカラーフィルタの製造方法;
(9)上記工程(iii)において、有効表示領域内にN(ただしNは2以上の整数である)色の着色材料を塗布するとともに、前記アライメントマークおよびその周囲に対して、前記N色のうちの少なくとも1色の着色材料を塗布することにより、
上記工程(iv)にて当該アライメントマークおよびその周囲を光透過性の着色層で被覆することを特徴とする上記(8)に記載のカラーフィルタの製造方法;
(10)前記N色の着色材料のうち、前記アライナー機構からアライメントマークに向けて照射される照明光の透過率が最も低い色の着色材料を、前記アライメントマークおよびその周囲において固定化しないことを特徴とする上記(7)または(9)に記載のカラーフィルタの製造方法;
(11)垂直配向助剤を液晶性インキに添加するとともに、
前記アライメントマークおよびその周囲と、前記有効表示領域内とに形成された前記着色層の表面に、ともに親水化処理を行った後に、前記液晶性インキを塗布することを特徴とする上記(6)から(10)のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法;
(12)重合性液晶分子をホメオトロピック配向させた状態で固定化して位相差層を作製する前記工程において、
前記有効表示領域に対応してマスクパターンが形成された遮光性の位相差層用フォトマスクと、前記基材とを、前記アライメントマークを用いて位置合わせした後、前記位相差層用フォトマスクを介してパターン露光することにより、前記有効表示領域において前記固定化を行うことを特徴とする上記(6)から(11)のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法;
を要旨とする。
また本発明にかかるカラーフィルタの製造方法においては、
(13)上記工程(ii)乃至工程(iv)をN回繰り返す上記(7)に記載のカラーフィルタの製造方法において、
前記N色のうち最後の1色の着色材料のみを、前記アライメントマークおよびその周囲において固定化することを特徴とするカラーフィルタの製造方法;
(14)前記位相差層を基材の全面に対して固定形成した後、当該位相差層の上に直接または間接に、多数の柱状体をパターニングして立設することを特徴とする上記(6)から(11)のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法;
についても上記本発明の目的を達成することができる。
なお本発明において、保護マークが下地層に覆われているまたは被覆されているとは、(a)基材に対し保護マークと下地層とが同一面側に設けられて、保護マークの一部分または全体の上に、直接にまたは他層を介して間接に、下地層が塗工形成される場合と、(b)保護マークと下地層とが基材の反対面側にそれぞれ設けられて、保護マークが形成された領域の一部または全部が、下地層が形成された領域と、基材面内位置において重複している場合、の両者を意味するものである。
また本発明において、材料が光学等方性であるとは、透過光に有意な位相差を与えることのない実質的に等方性の材料であることを意味するものであって、数学的に厳密な等方性を要するものではない。
またアライメントマーク(保護マーク)の周囲とは、アライメントマークの一部または全部をアライナー機構の視野内に収めた場合に、当該アライメントマークとともに観察される近接領域を意味するものである。
本発明の位相差制御部材は、液晶性インキの塗布工程における、アライメントマークおよびその周囲と有効表示領域との表面性状を共通としたことにより、塗布された液晶分子のホメオトロピック配向性がアライメントマーク近傍においても良好となるため、液晶性インキのパターニング工程、およびその後の工程において、アライナー機構による認識エラーが生じることなく基材の位置合わせを確実に行うことが可能となる。
また本発明の位相差制御部材は正のCプレートの機能を有する位相差層をインセルタイプで備えることから、これを液晶駆動基板と組み合わせることで液晶表示装置の視野角を拡大し、また装置全体の厚さを低減するとともに位相差層の良好な耐久性や光透過性を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について具体的に説明する。
[第一の実施形態について]
図1は本発明の第一の実施形態にかかる位相差制御部材の一部を模式的に示す平面図であり、図2(a)はそのII−II断面図(立面図)である。また図2(b)は、従来の位相差制御部材の立面図である。
本発明の位相差制御部材1は、これを通過する透過光に位相差を与える複屈折機能を有する光学部材であり、以下に詳述するように液晶表示装置に用いられるカラーフィルタのほか、出/入射光の位相差を制御するデジタルカメラなどの光学機器と組み合わせて用いられるものである。これらの表示装置や光学機器において、透過光が出/入射して所定の表示や観測が行なわれる領域は有効表示領域とよばれ、位相差制御部材1についてもこれと対応して有効表示領域10が用意されている。
本実施形態の位相差制御部材1は、位置合わせ用のアライメントマーク(AM)3が一つまたは複数形成された光透過性の基材2の表面に、直接または間接に下地層6を塗工形成し、さらに下地層6の上に液晶性インキを直接塗布し、液晶分子をホメオトロピック配向させた正のCプレートである位相差層4を形成して構成されている。また本発明の位相差制御部材1は、有効表示領域のみならず上記AM3の少なくとも一つをも覆うように下地層6が塗工形成されていることを特徴とする。本発明においては、アライメントマークと、これを被覆する下地層との組み合わせを保護マークと呼ぶものとする。
保護マーク30は単層の下地層に覆われていれば足りるが、基材2の厚さ方向に複数枚の下地層が積層して保護マーク30を覆っていてもよい。また当該下地層は、保護マーク30の被覆領域に対して、さらに基材面内方向に微細にパターニングして塗工されても、単一材料によってベタ塗工されていてもよい。以下に詳述する本発明の各実施形態においては、単層または積層の下地層6は保護マーク30の被覆領域に対して基材面内方向にはベタ塗工されている場合を例示する。
なお、後述のように本発明においては下地層6を必須とするものではなく、すなわち所定の親水化処理を施した基材2に液晶性インキを直接塗布して位相差層4を作製することもできる。
下地層6は、基材2の上に塗工形成された積層体のひとつであり、正のCプレートとして機能する位相差層4を作製するための液晶性インキが直接その上に塗布されるとともに、当該液晶分子をホメオトロピック配向させるための下地となる層であり、いわゆる垂直配向膜を除く。具体的な下地層6としては、光透過性の複数色の着色領域を配列してなる着色層や、着色層を物理的に保護する透明保護層、正のAプレートなどの他の位相差制御機能層などを例示することができる。特に、着色層を下地層6として用いることにより、上述のように位相差層4は複屈折機能と、着色領域の保護機能とを併せもつことができる。
図1に示す本実施形態の位相差制御部材1は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)などの複数色の光透過性の着色領域61,62,63が配列された着色層60を下地層6として備えるカラーフィルタであり、有効表示領域10の内側を通過する透過光を、着色層60によってRGBなどに分光する分光機能と、位相差層4によって位相差を与える複屈折機能とを有する。
図2(a)に示す本実施形態のように着色層60を下地層6として兼用することにより、図2(b)に示す従来の位相差制御部材101と同じ積層数および同じ積層厚さとしながらも、アライナー機構の照明光の照射域(各図に両側矢印にて示す)内において液晶分子40のホメオトロピック配向性を良好にし、もってアライナー機構によるAM3(保護マーク30)の光学的な認識を良好にしている。
すなわち、下地層6(着色層60)を有効表示領域10のみならず、吸光性または光反射性のAM3を含む領域、特にAM3の周縁に隣接する透過領域31を覆うように形成して当該AM3を被覆保護することにより、着色層60の上に液晶性インキを塗布して液晶塗布膜41を形成した場合、これに含まれる液晶分子40をホメオトロピック配向させた際に、透過領域31で配向不良が生じることが抑制できる。有効表示領域10内の下地層6に対して良好なホメオトロピック配向が得られるよう垂直配向助剤を適宜添加して配向性が調整された液晶性インキの液晶分子は、AM3の周囲においても良好にホメオトロピック配向することができるためである。これにより、保護マーク30周囲の透過領域31を透過するアライナー機構の照明光には光散乱が生じることがない。
液晶塗布膜41を塗工して液晶分子40をホメオトロピック配向させた状態から、基材2の全面に対して紫外線などの活性放射線を露光することで、位相差層4をベタ製版して得ることができる。このとき本発明においては、図2(a)に示すようにAM3およびその周囲、ならびに有効表示領域10内において、液晶分子40の良好なホメオトロピック配向を固定化することができる。
ただし本発明においては、後述するように、有効表示領域10を囲うように設けられるシール8(図5,6を参照)を避けるため、有効表示領域10内にのみ位相差層4を固定形成してもよい。この場合、位相差層4のパターニング用の遮光性のフォトマスクと、基材2とを、アライナー機構によって相対的な面内位置を合わせた後に、上記フォトマスクを介して紫外線などの活性放射線を露光することで、位相差層4をパターン製版することができる。かかるフォトマスクには、有効表示領域10を含む所望の領域に対応して光学的に開口した光透過性の開口部を設けておくことで、活性放射線の露光およびその後のエッチングにより、液晶塗布膜41を固定化した位相差層4を有効表示領域10にパターン形成することができる。
これに対し、従来の位相差制御部材101(図2(b))では、着色層60は有効表示領域10の内側にのみパターニングされ、AM103の周囲の透過領域131は基材102の素地が露出しているため、当該領域では液晶分子40のホメオトロピック配向が不十分となってアライナー機構の照明光が散乱し、AM103の特に周縁近傍において、受光される照明光のコントラスト比が低下するために、AM103の正確な位置を特定できなくなる虞があった。
なお、周知のように活性放射線の露光によって感光するフォトレジスト材料にはポジ型とネガ型とが存在する。仮焼成したフォトレジスト材料を露光することでエッチング除去可能となるポジ型の場合、用いられるフォトマスクは、有効表示領域10の対向位置が遮光され、その周囲が光学的に開口したマスクパターンとなる。一方、露光することで固定化されるネガ型のフォトレジスト材料の場合、用いられるフォトマスクは、有効表示領域10の対向位置が開口し、その周囲が遮光されたマスクパターンとなる。後者の場合、フォトマスクにはAM3を認識するための光透過性の覗き窓が設けられる。
本発明において、有効表示領域10に対応して開口部が設けられているとは、上記のポジ型とネガ型のマスクパターンの両者を意味するものである。
重合性の液晶分子を含む液晶性インキの場合も上記フォトレジスト材料と同様である。すなわち、ポジ型のフォトリソグラフィー法によって位相差層4を有効表示領域10にパターン形成する場合、(1a)例えばエポキシ系などの熱重合性の液晶分子40を含む液晶性インキを下地層6または基材2の上に塗布して液晶塗布膜41を形成し、(2a)液晶分子40をホメオトロピック配向させた後にこれを固定化することで位相差層4を基材2の全面に一旦形成し、(3a)ポジ型のフォトレジストを位相差層4上に全面塗布し、(4a)有効表示領域10が遮光されたマスクパターンのフォトマスクを、保護マーク30をアライナー機構で視認することで基材2と位置合わせし、(5a)フォトマスクを介して位相差層4に活性放射線を照射して露光部分を感光させ、つづいて現像により感光部分を除去し、(6a)現像により露出した部分をドライエッチングなどにより除去して、有効表示領域10に所望の位相差層4を残すことができる。
またネガ型のフォトリソグラフィー法によって位相差層4を有効表示領域10にパターン形成する場合、(1b)光重合性の液晶分子40を含む液晶性インキを下地層6または基材2の上に塗布して液晶塗布膜41を形成し、(2b)液晶塗布膜41を減圧乾燥するとともに液晶相温度に加熱して液晶分子40をホメオトロピック配向させ、(3b)有効表示領域10が光学的に開口したマスクパターンのフォトマスクを、覗き窓を通じて保護マーク30をアライナー機構で視認することで基材2と位置合わせし、(4b)フォトマスクを介して活性放射線を露光して有効表示領域10内の液晶分子40を重合固定し、(5b)未露光部をエッチング除去して有効表示領域10に位相差層4を形成することができる。
本発明において、位相差層4をパターン形成するにあたっては、保護マーク30およびその周囲を覆う液晶塗布膜41をエッチング除去してもよく、または除去せず位相差層4として残置してもよく、さらには基材2の全面に位相差層4を固定形成してもよい。すなわち保護マーク30周囲の透過領域31では液晶分子40が良好にホメオトロピック配向していることから、液晶分子40が液晶相を示す液晶塗布膜41の状態であっても、または液晶分子40同士を重合させて固相の位相差層4とした状態であっても、アライナー機構の照明光に光散乱を生じることはなく、したがって有効表示領域10内とともに当該配向を固定化してもアライメント調整の上で問題は生じない。
なお、保護マーク30およびその周囲に塗工された液晶塗布膜41をエッチング除去する場合については、フォトマスクの開口(覗き窓)を通じて保護マーク30を視認することで当該フォトマスクと基材2とを位置合わせした状態から、ポジ型のフォトリソグラフィー法による場合は保護マーク30およびその周囲に対してそのまま活性放射線を露光すればよい。一方、ネガ型のフォトリソグラフィー法による場合は覗き窓を遮光板で遮蔽してから露光すればよい。
有効表示領域10内の着色層60が複数色の着色領域(たとえば図1に示す着色領域61〜63)を組み合わせてなる場合、保護マーク30を被覆する着色領域としては、光透過性である限り、任意の一色のみを選択して設けてもよく、複数色を積層して設けてもよい。すなわち加色混法(RGB法)のカラーフィルタの場合、RGB三色のうち一色のみを選択してAM3を覆い、減色混法(CMY法)のカラーフィルタの場合、CMY三色のうち一色または任意の二色を積層してAM3を覆うことで保護マーク30を得ることができる。本実施形態では、着色領域63のみがAM3(保護マーク30)およびその周囲に隣接する透過領域31を被覆するようパターン形成されている。着色領域の具体的なパターニング方法については後述する。
なお、保護マーク30と下地層6とは、保護マーク30が下地層6に覆われている限り、基材2に対して同一側に設けられても、反対側に設けられてもよい。換言すると、(a)基材2の一方の面上に形成されたAM3の少なくとも一つに対してその一部分または全体の上に、下地層6を直接接触させて形成して保護マーク30としても、または他の積層を介して間接に下地層6を形成して保護マーク30としてもよく、また(b)AM3を基材2の一方の面上に形成するとともに、基材2の他方の面上であって、面内位置がAM3の少なくとも一つに対してその一部分または全体と重複する領域に下地層6を形成することで保護マーク30としてもよい。
いずれの場合も、遮光性(吸光性または光反射性)のAM3のエッジに隣接する透過領域31において液晶分子を良好にホメオトロピック配向させることができるため、液晶性インキのパターニング工程を含む、位相差制御部材1の以後の製造および取扱工程において、アライナー機構による保護マーク30の光学的な認識が良好に行われ、基材2のアライメント調整が可能になる。
図1および図2(a)に示す本実施形態においては、位相差制御部材1の基材2には、AM3と同一面側に、透過光の通過する有効表示領域10の外縁を形成する遮光性のブラックマトリクス(以下、BMと略記する場合がある。)5が設けられている。
なお、位相差制御部材1に用意される有効表示領域10は、本実施形態のようにBM5などの遮光材料によって明示的にパターン形成される場合と、位相差制御部材1の面央などに当該有効表示領域の予定域を包絡する広さの光透過領域が存在しているだけの場合とがある。いずれの場合も、本発明の位相差制御部材1が用いられる表示装置や光学機器の仕様に基づいて求められる有効表示領域をまず基材2上に仮想的に予定形成し、これと干渉しない位置にAM3を配置することとなる。
すなわち本発明において、基材2に有効表示領域が区画形成された状態とは、BM5または後述する額縁状のシール8などによって開口部が囲み形成された状態や、着色層60などの下地層6や位相差層4が基材2の面央などにパターン形成された状態をいう。一方、基材2に有効表示領域が予定形成された状態とは、AM3が設けられた基材2にBM5やシール8が未形成である状態や、BM5やシール8が形成されることなく、基材2に下地層6や位相差層4が、AM3の少なくとも一つを避けてベタ塗工された状態をいう。
また、BM5は有効表示領域10の内部に多数の画素開口35を微細に区画形成している。画素開口35のそれぞれには、これを覆うように上記の着色層60を構成する着色領域が設けられ、液晶表示装置のひとつの画素を構成する。BM5は隣り合う着色領域の混色を防止するとともに、画素の輪郭を鮮明化し、また液晶駆動基板(同図では図示せず。図8,9を参照。)の備える液晶駆動回路や駆動電極などを透過光から隠蔽して保護する機能をもつ。互いに異なる着色領域61,62,63で覆われた隣り合う3つの画素開口35(画素)が合わさったものを絵素36と呼ぶ場合がある。
なお本発明においては、位相差制御部材1の用途や仕様によってはBM5や着色層60を不要とし、無色透明層を下地層6として基材2上に塗工形成してもよい。また着色層60を構成する着色領域についても、上記RGB方式の三色の場合のほか、その補色系であるCMY方式とすることも可能であり、さらに単色もしくは二色の場合、または四色以上の場合なども採りうる。
さらに本発明においては、下地層6を基材2上に設けることなく、基材2のうち、AM3の近傍領域と有効表示領域10とに親水化処理を施して表面性状を共通化し、その上に液晶性インキを塗工することで、両領域で液晶分子の垂直配向性をともに好適化してもよい。なおこの場合、AM3が形成される基材面と、親水化処理が施されて液晶性インキが塗布される面とは同一であっても反対側であってもよい。
基材2、AM3、位相差層4、BM5および着色層60の各構成要素について、その具体的な材料や作製方法は後述する。
<着色層のパターニング方法について>
有効表示領域10と、その外側に設けられたAM3およびその周囲とをともに覆う着色層60のパターニング方法について以下説明する。例として、基材2上にフォトリソグラフィー法で着色層60を形成する方法(図3〜6を参照)と、これをインクジェット法により形成する方法(図7を参照)とを挙げる。なお、フォトリソグラフィー法による場合については、ネガ型の着色フォトレジスト材料を用いる場合を例にとり以下説明するが、フォトマスクのマスクパターンを反転しておこなうポジ型の着色フォトレジスト材料を用いる場合については、上記説明および本発明の内容に照らし当業者であれば容易に想到できよう。また本実施形態の位相差制御部材1は、RGBの三色の着色領域61,62,63(図1を参照)を備えるカラーフィルタであるが、上記のようにこれが三色以外の場合についても当業者であれば容易に適用可能であろう。
なお、本発明で用いることのできるアライメントマークの形状は、以下に説明する十字状および矩形枠状の組み合わせに限られるものではない。
(1.フォトリソグラフィー法による場合)
図3〜6は、下地層6としての着色層60をフォトリソグラフィー法によりパターン形成する方法を模式的に示す平面図であり、図3(a)はAM3(3a,3b,3c,3d)およびBM5が形成された基材2の全面に紫外線硬化型(ネガ型)の一色目の着色材料64aを塗布してAM3およびその周囲の透過領域31ならびに有効表示領域10を被覆した状態を示す部分模式図であり、図の上下方向および右方向に伸びる基材2やBM5、着色材料64aなどは図示を省略している。また基材2上の図示しない領域にも他のAM3が設けられて、以下の説明における基材2とフォトマスク11との位置合わせを複数個のAM3を用いてより高精度に行ってもよい。
同図(b)は、有効表示領域10に対応してスリットがストライプ状に形成された開口部12と、AM3を視認するための覗き窓13が光透過性に形成されたマスクパターンをもつ遮光性のフォトマスク11を示す部分模式図であり、同図(a)と同様に上下方向および右方向は図示を省略している。
開口部12のスリットの幅寸法は、BM5で区画形成された画素幅に対応しており、長さ寸法は有効表示領域10の長さ方向に対応している。
本実施形態の着色層60は、RGB三色の着色領域を有効表示領域10内にストライプ状に並べてパターン配置するとともに、そのうちの一色の着色領域を、AM3dおよびその周囲の透過領域31を被覆するように形成してなる。BM5によって微細に区画形成された画素パターンに対して、AM3a〜3cを用いて位置精度よく着色層60を形成し、AM3dを保護マーク30となす方法を以下に説明する。
フォトマスク11の覗き窓13の内部には、遮光性のマスク側アライメントマーク(マスク側AM)14が矩形枠状(井桁状)に3つ(14a,14b,14c)形成されている。隣り合うマスク側AM14aと14bの中心間距離は、基材2側の隣り合うAM3aと3bの中心間距離とは一画素幅(同図(a)に図示)だけ相違しており、AM3aとマスク側AM14aとを位置合わせした状態と、AM3bとマスク側AM14bとを位置合わせした状態とでは、開口部12が基材2に対して一画素分だけ画素幅方向(同図の上下方向)にずれるように構成されている。マスク側AM14bと14cの中心間距離と、AM3bとAM3cの中心間距離も同様である。
なお本実施形態では、隣り合うAM3a〜3c同士の中心間距離と、マスク側AM14a〜14c同士の中心間距離とを一画素分だけ相違させているが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、従来のアライメントマークの配置パターンを適宜選択して用いることができる。
図4(a)は、AM3a〜3dのうち少なくともAM3aを、覗き窓13を通してアライナー機構により認識し、これをマスク側AM14aと光学的に位置合わせした状態である。AM3aとマスク側AM14aとの位置合わせは、十字状のAM3がマスク側AM14に囲まれた状態となるように中心あわせをして行われる。マスク側AM14の矩形内側の開口サイズは、AM3の十字よりもわずかに大きく形成され、両者の中心同士を一致させた状態で互いに重なり合うことなく非接触に観察される。これにより、アライナー機構を用いた基材2とフォトマスク11との位置合わせの際に、AM3とその周囲の透過領域31との間の照明光強度のコントラスト比、およびマスク側AM14と透過領域31との間の照明光強度のコントラスト比が、それぞれ精度よく測定される。
同図(b)は、覗き窓13を遮光性の遮光板15で遮蔽した状態である。この状態で、フォトマスク11を介して着色材料64aを露光して、開口部12より臨む領域のみ着色材料64aを短冊状に硬化させ、さらに未硬化領域をエッチング除去することにより、同図(c)に示すように一画素幅の短冊状の着色領域61を、二画素幅間隔のストライプ状にパターン形成することができる。
遮光板15は、出没自在に露光装置(図示せず)に設けられた可動部材であり、これをアライナー機構の照明光の光源とフォトマスク11との間に突出させることで、遮光板15の影になる領域について照明光を遮ることができる。すなわちAM3を視認して基材2とフォトマスク11とを位置合わせして互いに相対位置を固定した状態から遮光板15で覗き窓13を遮蔽することで、AM3の周囲が露光されることを防ぐ。
図5(a)は、着色領域61の固定形成された基材2の全面に、二色目のネガ型の着色材料64bを塗布し、さらにアライナー機構によって、基材2側のAM3bとマスク側AM14bとを光学的に位置合わせした状態を示す。すなわち、アライメント調整に用いるAM3とマスク側AM14のペアを替えることにより、図4(a)に示す一色目の着色材料64aのフォトリソグラフィー工程におけるフォトマスク11と基材2との相対位置と、図5(a)に示す二色目の着色材料64bのフォトリソグラフィー工程における相対位置とは、画素幅方向(各図でいう上下方向、本実施形態では上方向)に一画素分だけずらして位置合わせすることができる。
図5(b)は、図4(b)と同様に遮光板15によって覗き窓13を遮蔽し、ストライプ状に伸びる開口部12に臨む基材2上の領域のみ着色材料64bを露出させた状態を示す。かかる状態からフォトマスク11を介して活性放射線を露光し、さらに着色材料64bの未露光部をエッチング除去することにより、図5(c)に示すように、着色領域61に隣り合う画素位置に対応して、有効表示領域10内のみに短冊状の二色目の着色領域62を二画素幅間隔でストライプ状にパターニングして固定形成することができる。
図6(a)は、着色領域61,62の設けられた基材2の全面に、三色目のネガ型の着色材料64cを塗布し、さらにアライナー機構によって基材2側のAM3cとマスク側AM14cとを光学的に位置合わせした状態を示す。図示のように、AM3cとマスク側AM14cの中心同士の面内位置を一致させることで、基材2とフォトマスク11との相対位置は、図5(a)の状態から更に画素幅方向に一画素分だけずれて位置合わせされる。
またこの状態で、AM3dおよびその周囲の透過領域31は覗き窓13から露出している。
かかる位置合わせ状態から、本実施形態に特徴的な工程として、遮光板15によって覗き窓13を遮蔽することなくフォトマスク11を介して活性放射線を露光し、ストライプ状の開口部12の形状のみならず、覗き窓13の開口形状にあわせて着色材料64cを固定化する。そしてさらに着色材料64cの未露光部をエッチング除去することにより、図6(b)に示すようにAM3dおよびその周囲の透過領域31を被覆するように三色目の着色領域63が形成される。また有効表示領域10内についても、着色領域61,62が形成されずにストライプ状に残った基材2の未着色領域に着色領域63がそれぞれ短冊状に形成される。
このようにして、有効表示領域10と、AM3の少なくとも一つ(AM3d)およびその周囲には、着色層60をパターン形成することができる。これにより、液晶性インキが後に塗布される下地層6となる着色層60を、AM3およびその周囲と、有効表示領域10の内側とに共通して設けることができ、したがって液晶性インキに含まれる液晶分子の垂直配向性を、AM3およびその周囲と、有効表示領域10内とで同等とすることができる。
ここで従来の位相差制御部材1の製造方法においては、いずれの色の着色材料についても、基材2とフォトマスク11とをアライメント調整した状態で、図4(b)や図5(b)に示すように遮光板15を突出させてAM3およびその周囲を遮蔽してから活性放射線によるマスク露光をおこなっていた。これは、覗き窓13を遮光板15で遮蔽せずに露光を行った場合、AM3およびその周囲には、例えばRGB三色のうちの二色以上やCMY三色の着色領域が順に積層されると黒色となってAM3dがアライナー機構によって認識できなくなることが周知であるため、たとえ一色の着色材料のみといえども、覗き窓13の内部をパターン露光してAM3を着色層60で被覆するという技術思想が従来なかったためである。
なお、本実施形態にかかるカラーフィルタの製造方法については、着色領域61乃至63のパターニングに用いたAM3a〜3cの周囲には、マスク側AM14a〜14cの影にあたる位置に、抜け領域65が当該露光によって形成される場合がある。
しかし本実施形態のように、着色層60のアライメント調整に用いるものとは別のアライメントマーク(AM3d)を、着色層60の塗工工程の一回のみ露光することで、その近傍領域を含めて当該アライメントマークを覆う均一な着色領域を形成して下地層6となすことができる。
なお、本実施形態のように加色混法(RGB)の三色カラーフィルタを作製するにあたっては、AM3dを覆って二色以上の着色領域を積層形成すると、透過領域31の光透過性が失われて以後の工程においてAM3dを位置合わせに用いることができなくなる。ただし減色混法(CMY)の三色カラーフィルタを作製する場合は、一色の着色領域を単層で、または二色の着色領域を積層して、AM3dを被覆形成することができる。
上記実施形態においては、各色の着色材料64a〜64cをそれぞれマスク露光するための位置合わせに、専用のアライメントマーク(AM3a,AM3b,AM3c)を色ごとに設け、後の工程におけるアライメント調整に用いる保護マーク30(AM3d)をこれらとは更に別に設けているが、本発明においては、AM3a〜AM3dのいずれかまたはすべてを共用してもよい。
この場合、図6(b)に示す抜け領域65が保護マーク30の近傍に形成されることは、後に下地層6の上に液晶性インキを塗布した場合に液晶分子40(図2を参照)の垂直配向性を乱す要因となる。したがってAM3dと、着色材料の位置合わせマーク(AM3a〜3c)とを共用する場合については、
(1)マスク側AM14の線幅を極力細くし、活性放射線の回り込みによって基材2上にマスク側AM14の影が残らないようにする、または液晶分子の配向不良が問題とならない程度に抜け領域65を細くする;
(2)着色層60の製版工程で用いるマスク側AM14と、その後の製版または取扱工程で用いるアライメントマーク(AM3と位置合わせされるアライメントマーク)とを異なる寸法とし、抜け領域65で液晶分子の配向不良が生じて照明光の光散乱が生じたとしてもアライメント調整ができるようにする;
などの方策を採るとよい。
また本実施形態のように、着色材料64a〜64cをマスク露光するための位置合わせマーク(AM3a〜3c)と、保護マーク30(AM3d)とを並べて配置することにより、一つの遮光板15の出没動作のみによって任意の色の着色材料を選択してAM3dを被覆固定して保護マーク30となすことができる。
ただし本発明においては、着色材料64a〜64cのマスク露光用のAM3a〜3cと、保護マーク30となすAM3dとを隔離して配置し、すなわちAM3dを覗き窓13の外部に設けることも可能である。この場合、AM3dおよびその周囲はいずれかの色の着色領域で被覆する必要があることから、(a)着色材料64a〜64cのいずれかをマスク露光して着色領域を得る際にAM3dおよびその周囲についても露光を行い、他の色の着色材料をマスク露光する場合には、AM3dおよびその周囲を、遮光板15(図4,5を参照)とは異なる他の遮光板で遮光するか、または(b)着色材料64a〜64cのいずれかをAM3dおよびその周囲を覆うように固定化する場合は、AM3dに対応する位置に開口部が設けられたフォトマスクを用い、他の色の着色材料をマスク露光する場合は、AM3dに対応する位置が遮光された他のフォトマスクを用いるとよい。
基材2に塗布される着色材料64(64a〜64c)は、基材2に直接塗布されても、他の層を介して間接に塗布されてもよい。また本実施形態では着色材料64をスピンコート法などで基材2の全面に均一な塗布厚さとなるようベタ塗工している。スピンコート法による場合、塗布工程でのアライメント調整は不要である。ダイコート法による場合は、基材2とダイコータとをピンアライメントまたは任意で光学的アライメント調整をして行うとよい。
本実施形態の位相差制御部材1は三色の着色領域を備えるカラーフィルタであるが、これを多色カラーフィルタに一般化し、N(Nは二以上の整数である)色の着色材料を、N回の塗布およびフォトリソグラフィー工程によってパターニングして、N色の着色領域を固定形成して着色層60を製版する場合についていえば、N回のフォトリソグラフィー工程において、1回〜N−1回より選択された所定回数(M回)については遮光板15で覗き窓13を遮蔽して露光工程を行い、逆にN−M回については遮蔽せずに覗き窓13を通じてAM3およびその周囲を露光することにより、AM3の周囲の透過領域31に着色領域をN−M層積層して設け、黒色でない光透過性の下地層6を形成することができる。下地層6で被覆された当該AM3が、保護マーク30となる。
上述のようにRGBの三色カラーフィルタを作製する場合は、M=1が選択され、CMYの三色カラーフィルタを作製する場合はM=1または2が選択される。
なお、AM3およびその周囲に固定化する着色領域の色は特に限定されるものではなく、また上記Mが複数の選択肢を採り得る場合はそのいずれを選択してもよいが、液晶性インキを塗布する下地層6を形成するという本発明の目的から、一層のみの着色領域を設ければ足りる。また、ある色の着色領域をAM3周囲の透過領域31に固定化して保護マーク30とした後に他の色の着色材料をさらに塗布した状態でフォトマスク11のアライメント調整を行う場合、当該透過領域31を透過するアライナー機構の照明光の強度はその分だけ低下してAM3とのコントラスト比が低下する場合があることから、覗き窓13を遮光板15で遮蔽せずにAM3およびその周囲を露光する工程は、N回のフォトリソグラフィー工程のうち最後の1回とすることが好ましい。
また、AM3(保護マーク30)を被覆する着色領域は、アライナー機構の照明光に含まれる光の波長のいずれかを良好に透過する色であることが好ましい。換言すると、アライナー機構の照射する照明光は、保護マーク30を被覆する着色領域に対して透過率のもっとも高い波長の光を少なくとも含むものであるとよい。保護マーク30を被覆する着色領域の透過波長と照明光の波長とを一致、または少なくとも重複させることにより、保護マーク30近傍の透過領域31を通過する照明光の透過率が低下することを極力抑えることができるためである。
具体的には、アライナー機構の照明光としては、液晶性インキが感光しないよう可視光のうちエネルギーの高い紫色光や青色光の短波長成分をフィルタリングして除去した黄色光(イエローライト)を用いることが一般的であるため、その補色である青色の着色材料についてはAM3およびその周囲で固定化することを避け、イエローライトに波長成分として含まれる赤色や緑色の着色材料を固定化することが好ましい。換言すると、照明光の透過率が最も低い色の着色材料については、AM3(保護マーク30)およびその周囲において固定化しないことが好ましい。
(2.インクジェット法による場合)
図7各図は、AM3およびその周囲の透過領域31に、下地層6としての着色層60をインクジェット法によりパターン形成する方法の一つを例示的に示す模式図であり、同図(a)はAM3およびBM5が形成された基材2、同図(b)は一色目の着色材料64aを有効表示領域10にのみ塗布した状態、同図(c)は二色目の着色材料64bをやはり有効表示領域10にのみ塗布した状態をそれぞれ示す。また同図(d)は、三色目の着色材料64cを、AM3およびその周囲の透過領域31と、有効表示領域10とにともに塗布し、さらにかかる基材2を焼成して着色材料64a〜64cを固定化して着色領域61〜63を形成した状態を示す。これにより、AM3およびその周囲の透過領域31と、有効表示領域10内とを覆うように、下地層6としての着色層60を形成し、AM3を保護マーク30とすることができる。なお、図7各図では、同図(a)に矢印にて示すように、BM5で区画される画素の幅方向は図の左右方向に相当し、ストライプ状の着色層60は図の上下方向に伸びて形成されている。
上記工程において、各色の着色材料を基材2に塗布するにあたっては、その都度インクジェットコーターのノズル(図示せず)と基材2とをアライナー機構によって画素レベルの高精度に位置合わせした状態からこれを行う。ノズルと基材2との位置合わせは、上記塗布工程の最初に一度のみインクジェットコーター本体と基材2との間で行っても、着色材料の色を替える都度ノズルと基材2とを位置合わせしてもよい。
インクジェット法によってAM3およびその周囲、ならびに有効表示領域10に着色層60を塗工形成するにあたっては、着色材料の色数に応じて並設された複数本のノズルを用いて、すべての色の着色材料を同時に有効表示領域10に塗布してもよい。RGB三色からなる短冊状の着色領域61〜63をパターニングしてストライプ状の着色層60を有効表示領域10内に形成する本実施形態においては、着色材料の吐出幅がそれぞれ画素幅に等しくなるよう形成されたインクジェットノズルを3の倍数本だけ横並びに配置し、当該ノズルとAM3とをアライメント調整した状態から、ノズルを短冊の伸びる方向に送ることで、三色の着色材料64a〜64cを同時に基材2上に塗布することができる。この場合、ノズルがAM3のいずれかを通過する際に、任意の一色の着色材料を当該AM3およびその周囲の透過領域31に塗布し、保護マーク30を得るとよい。保護マーク30となすアライメントマークと、インクジェットノズルの位置合わせに用いるアライメントマークとは同一であっても異なるものであってもよい。
有効表示領域10内にN(位相差制御部材1が多色カラーフィルタの場合は2以上の整数である。本実施形態ではN=3)色の着色材料をインクジェット法で塗布して着色層60を製版する本実施形態の場合、前記N色のうちの少なくとも1色の着色材料をAM3のいずれかおよびその周囲を覆って塗布し、当該領域に光透過性の下地層6を着色層60によって形成することで、その上に塗布される液晶分子40(図2を参照)の垂直配向性を有効表示領域10内と同等とすることができる。
なお、RGBの三色カラーフィルタを作製する場合は三色のうちのいずれか1色が選択されて単層に、CMYの三色カラーフィルタを作製する場合はいずれか1色または2色が選択されて単層または重ね塗りにてAM3(保護マーク30)を被覆することはフォトリソグラフィー法の場合と同様である。また上記単層または重ね塗りにてAM3を被覆する着色材料は、保護マーク30およびその周囲に対してベタ塗工されることが、塗り漏れや色の混色を防ぐとともに着色領域の厚さを均一化する観点から好ましい。
またインクジェットノズルと基材2とのアライメント調整を複数回行う場合は、最後の塗布工程においてAM3およびその周囲に着色材料を塗布することにより、それ以前のアライメント調整作業をより容易に行うことができる。また塗布する着色材料についても、アライナー機構の照明光と同色系のものを選択するとよく、換言すると、照明光の透過率が最も低い色の着色材料についてはAM3(保護マーク30)およびその周囲の透過領域31に塗布せず、照明光に含まれる光の波長のいずれかを良好に透過する色の着色材料を塗布することが好ましい。
なお本発明においては、着色層60は、基材2上に直接または間接に、その全面に塗工形成することもできるが、後述するシール8と基材2との間に着色層60が成膜されないよう、着色層60は有効表示領域10の内側と、AM3(保護マーク30)およびその周囲の透過領域31とにパターニングして形成し、有効表示領域10の外周にはシール8を避けて少なくとも額縁状に着色層60の非形成領域を設けるとよい。
[第二の実施形態について]
図8は、本発明の第二の実施の形態にかかる位相差制御部材1を模式的に示す平面図であり、図9はそのIX−IX断面図である。ただし図8では位相差層4は図示を省略している。
本実施形態の位相差制御部材1は、上記第一の実施形態にかかる位相差制御部材1に対して、
(1)画素ごとにパターニングして設けられた、セルギャップを一定に保持するための柱状体7;
(2)有効表示領域10の周囲を囲んで設けられた、駆動液晶分子を封止するための額縁状のシール8;
をさらに備えることを特徴とする。
第一および第二の実施形態に共通して用いられるその他の構成要素、および柱状体7、シール8について、より具体的に以下説明する。
<基材について>
基材2は、ガラス基板などのガラス材の他、種々の材質からなる板状体を適宜選択できる。特に位相差制御部材1を液晶ディスプレイ用に用いる場合には、基材2は無アルカリガラス製のガラス基板とすることが好ましい。ガラス基板のほか、基材2には、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロースなどからなるプラスチック基板や、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリプロプレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルケトンなどの樹脂フィルムを用いてもよい。
基材2には、AM3、BM5、および着色層60などに対する濡れ性を向上するため、洗浄処理を含む公知の表面処理を施すとよい。
また、基材2が位相差層4の下地層となる場合、すなわち基材2の表面に液晶性インキを直接塗布する場合、基材2の有効表示領域10内と、AM3およびその周囲とには、液晶性インキに含まれる液晶分子のホメオトロピック配向性を向上する垂直配向処理を施すとよい。かかる処理は、液晶性インキの塗布工程の直前に行うことが好ましい。
垂直配向処理としては、基材2にガラス基板を用いる場合は上記のようにUV−オゾン処理を、プラスチック基板や樹脂フィルムを用いる場合はUV−オゾン処理のほか、超音波洗浄処理を行うとよい。
かかる濡れ性の改善処理は、予め表面自由エネルギーが判明している適切な溶媒を下地層6の表面に接触させ、その際の接触角から見積もることができる。
<ブラックマトリクス(BM)について>
BM5の形成方法としては、(1)スパッタリング法や真空蒸着法等によりクロム等の金属薄膜を基材2上に形成し、この薄膜をパターニングする方法、(2)カーボン微粒子や金属酸化物等の遮光性粒子を含有させたポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂層を基材2上に形成し、この樹脂層をパターニングする方法、等を例示することができる。
なお同図では、位相差制御部材1の幅方向に9つの画素が並び形成された状態が模式的に図示されているが、液晶表示装置に組み合わせて用いられる位相差制御部材1の場合、有効表示領域10の幅寸法が数cmから数十cm程度であるのに対し、画素幅は100μm程度である。
<アライメントマーク(AM)について>
AM3は、基材2を位置合わせする際の基準となる見当マークであり、上記位置合わせケース(一)〜(六)などに例示される様々な場合にアライナー機構によって光学的に認識される。AM3は、アライナー機構の照明光に対して、AM3形成位置とその周囲近傍とで明確に対比しうるコントラスト比の光透過率または反射率を有している。
したがってAM3は、吸光性もしくは実質的に吸光性と同視しうる低い透過率の光透過性となるよう上記BM5と同様に黒色樹脂材料や黒色金属材料の単層、または黒色金属材料により形成するか、または高い光反射性が得られるよう金属光沢のある金属材料の積層などにより形成するとよい。
なお、AM3を光透過性とする場合は、アライナー機構の照明光に対する吸光度の高い色を選択することでコントラスト比が向上し、パターン認識の精度が高くなる。例えば上記のように黄色光(イエローライト)をアライナー機構の照明光に用いる場合は、AM3を青色とすることで照明光が吸収されて、アライメントマーク位置は暗視(黒色)、その周囲は明視(黄色)に観察されてアライメント調整が可能となる。
AM3のサイズは特に限定されるものではないが、アライナー機構による視認性と、AM3が有効表示領域の外部に設けられることから、平面視寸法は0.1〜10mmとするとよい。またAM3の厚さは、その材料や製法にもよるが、0.05〜2μm程度とすることが代表的である。
AM3は基材2上に一つまたは複数個が設けられ、位置合わせのケースによってそのうちの一つ以上が選択して用いられることが通常である。AM3を設ける基材2の面は、BM5や位相差層4が塗工形成される面と同一側であっても、その裏面側であってもよい。ただし後述するように位相差制御部材1と液晶駆動基板71(図11,12を参照)とを対向させて互いに位置合わせする場合に、両者の備えるアライメントマークの面外距離を近接させてアライナー機構の焦点深度を近づけることが好ましいことから、位相差制御部材1の基材2に設けるAM3は、インセル側、すなわち位相差層4や柱状体7の形成側に設けるとよい。
AM3は、基材2の位置と向きを精度よく調整できるよう、それぞれ十字状や鉤型など、ラインが交叉したコーナー部を含む形状にするとよい。またAM3は、位置調整精度を向上するため、有効表示領域10を挟んで対向する位置に複数個設けられるとよい。
ただしAM3の形状や位置、および複数個のAM3の形成順序は、基材2の位置合わせのケースに応じて適宜設定しうるものである。
AM3のうち、位相差層4を塗工形成するための位置合わせ工程に用いられるものについては、有効表示領域10内で位相差層4の直下(基材2側)に存在する下地層6と共通の積層によって覆われているか、または有効表示領域10内で位相差層4が基材2上面に直接塗工形成されている場合はAM3が設けられた基材面内位置およびその周囲と有効表示領域10内には、ともに基材2上面に親水化処理が施されている。
AM3およびBM5は、まずAM3の塗工装置と基材2とをピンアライメントにより位置合わせした状態でAM3のみを基材2上に形成し、続けて、BM5の材料となる黒色樹脂材料インキや黒色金属材料等を、当該AM3およびその周囲から塗り逃げて基材2の全面に塗布し、アライナー機構によってAM3を捕捉してアライメントをとりながらこれを所望の形状にエッチング除去することで、AM3に対して所定の相対位置にBM5をパターン形成することができる。または、AM3を基準位置として黒色樹脂材料インキをインクジェット法によって所定位置にオンデマンドで塗布してBM5を形成してもよい。
ただし、AM3の形成およびその後の製版工程を簡易かつ精度よく行うため、遮光性のアライメントマークの場合はBM5とともに、すなわちBM5のマスクパターンにおいてAM3の該当箇所についても開口させて、BM5と同一の遮光性材料により同時に形成するとよい。
また光透過性のマークとする場合は、後述する着色層60のうちの一色をAM3の予定位置に塗工して形成することができる。また着色層60がCMY方式の場合については、選択された任意の二色を積層してAM3としてもよい。
<着色層について>
BM5によって多数の画素が開口形成された基材2上には、次いで色パターンを形成することができる。図8,9に示すようにRGBの三色カラーフィルタを得る場合は、赤色パターン形成領域に赤色の着色領域61、緑色パターン形成領域に緑色の着色領域62、青色パターン形成領域に青色の着色領域63を、同時または任意の順番で形成し、着色層60を作製する。各色の着色領域の塗工形成方法については上記第一の実施形態について詳述したとおり、フォトリソグラフィー法によってもインクジェット法によってもよい。
なお、着色層60の形成方法としては上述した顔料分散法の他に、例えば、
(a)基材2上に染色用の材料である水溶性高分子材料を塗布し、これをフォトリソグラフィー法により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る染色法;
(b)熱硬化型の樹脂に顔料を分散させ、印刷(または熱転写)を繰り返すことにより各色を塗り分けた後、樹脂を熱硬化させることにより着色層60を形成する印刷法(熱転写法);
(c)基材2上に予め透明導電膜を形成し、顔料、樹脂、電解液等の入った電着塗装液に浸漬して所定の色を電着して各色の着色パターン層を形成し、樹脂を熱硬化させる電着法;
を用いることもできる。これらの方法による場合も、AM3およびその周囲の透過領域31を覆って着色層60を形成し、当該AM3を保護マーク30とすることにより、位相差層4の作製工程時のアライメント調整に供することができる。
形成された着色層60を位相差層4の下地層6とする場合には、着色層60の上面に垂直配向処理としての、界面活性剤を用いた超音波洗浄処理や、UV−オゾン処理による表面活性化などを施すとよい。
<位相差層について>
位相差層4は、これを透過する光を複屈折させる機能を有する層であり、その面内にx−y軸を、厚み方向にz軸をとってxyz直交三次元空間を想定した場合のx,y,z軸方向の光の屈折率をそれぞれnx,ny,nzとして、nx=ny<nzの関係を満たす、いわゆる正のCプレート(+Cプレート)である。
位相差層4は、分子構造中に重合性官能基を有する重合性の液晶分子を垂直配向させた状態で相互に三次元架橋させてなる高分子構造を有している。かかる位相差層4は、垂直配向助剤などの種々の添加剤とともに重合性液晶分子を溶媒に分散させた液晶性インキを、基材2に薄膜状に塗布し、これを垂直配向させた状態で固定化して作製することができる。
(液晶性インキの成分について)
位相差層4を構成する重合性液晶分子には、その液晶分子の構造中に不飽和二重結合を重合性官能基として有するものが好ましく、分子構造の両末端に不飽和二重結合を有するもの(不飽和二重結合を2以上有するもの)がより好ましい。
位相差層4を得るために用いられる重合性液晶分子としては、架橋重合性を有するネマチック液晶分子(架橋性ネマチック液晶分子)などをあげることができる。架橋性ネマチック液晶分子としては例えば、1分子中に(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキタセン基、イソシアネート基等の重合性基を少なくとも1個有するモノマー、オリゴマー、ポリマー等が挙げられる。また、このような架橋性液晶分子として、より具体的には、下記化1に示す一般式(1)で表される化合物のうちの1種の化合物(化合物(I))、下記化2に示す一般式(2)で表される化合物のうちの1種の化合物(化合物(II))もしくは2種以上の混合物、化3、化4に示す化合物(化合物(III))のうちの1種の化合物或いは2種以上の混合物、またはこれらを組み合わせた混合物を用いることができる。
Figure 2008197256
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化1に示す一般式(1)において、RおよびR2は、それぞれに、水素またはメチル基を示すが、架橋性液晶分子が液晶相を示す温度の範囲をより広くするには少なくともR及びR2のどちらか一方が水素であることが好ましく、両方が水素であることがより好ましい。また一般式(1)におけるXおよび一般式(2)のYは、水素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、シアノ基またはニトロ基のいずれであってもよいが、塩素またはメチル基であることが好ましい。また、一般式(1)の分子鎖両端の(メタ)アクリロイロキシ基と芳香環と間のアルキレン基の鎖長を示すaおよびb並びに、一般式(2)におけるdおよびeは、それぞれ個別に1〜12の範囲で任意の整数をとり得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。a=b=0である一般式(1)の化合物(I)またはd=e=0である一般式(2)の化合物(II)は安定性に乏しく、加水分解を受けやすい上に、化合物(I)または(II)自体の結晶性が高い。また、aやb、あるいはdやeがそれぞれ13以上である一般式(1)の化合物(I)または一般式(2)の化合物(II)は、等方相転移温度(TI)が低い。この理由から、これらの化合物は、どちらについても液晶分子が液晶性を安定的に示す温度範囲(液晶相を維持する温度範囲)が狭いものとなり、位相差層4に用いるには好ましくない。
架橋性液晶分子として、上記化1、化2、化3、化4では重合性を備える液晶モノマーを例示したが、重合性液晶のオリゴマーや重合性液晶のポリマー等を用いてもよく、これらについても、上記化1、化2、化3、化4などのオリゴマーやポリマーなど公知のものを適宜選択して用いることができる。
位相差層4においては、液晶分子の重合度(架橋重合性液晶分子の場合は、架橋重合度)が80以上程度であることが好ましく、90以上程度であることがより好ましい。位相差層4を構成する液晶分子の重合度が80より小さいと、均一な配向性を十分に維持できない虞がある。なお、上記重合度、架橋重合度は、液晶分子の重合性官能基のうち液晶分子の重合反応に消費された割合を示す。
液晶性インキは、位相差層4を構成する上記化合物(I)〜(III)のような液晶分子と、溶媒とを配合して調整される。
液晶性インキには、必要に応じて、液晶分子の垂直配向性を向上する界面活性剤などの垂直配向助剤や、重合性液晶分子が光重合性の架橋性液晶分子である場合に、活性放射線の照射により不飽和二重結合を開環させて架橋重合反応を生じさせる公知の光重合開始剤や、同じく光重合反応を促進する増感剤などの各種添加剤を添加してもよい。
液晶性インキの調整に用いる溶媒としては、位相差層4を構成する液晶分子を溶解させるものであれば特に限定されず、具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン等の炭化水素類、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン等のケトン類、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のアルコール類、フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類等の1種又は2種以上が使用可能である。単一種の溶媒を使用しただけでは、重合性液晶分子等の配合物成分の溶解性が不充分である場合や、液晶性インキを塗布する際における塗布の相手方となる素材(基材を構成する素材)が侵される虞がある場合等には、2種以上の溶媒を混合使用することにより、これらの不都合を回避することができる。上記した溶媒のなかにあって、単独溶媒として好ましいものは、炭化水素系溶媒とグリコールモノエーテルアセテート系溶媒であり、混合溶媒として好ましいものは、エーテル類又はケトン類と、グリコール類とを混合した混合系溶媒である。液晶性インキの配合物成分の濃度は、これに用いる配合物成分の溶媒への溶解性や位相差層に望まれる層厚み等により異なるが、通常は1〜60重量%、好ましくは3〜40重量%の範囲である。
重合性液晶分子を基材2に対して垂直配向させることで位相差層4は正のCプレートとして機能する。本実施形態の位相差制御部材1は、液晶性インキに垂直配向助剤を添加するとともに、当該インキを塗布する下地(基材2または下地層6)表面の濡れ性を改善する表面処理を行うことで液晶分子の垂直配向性を向上している。具体的な表面処理方法については上記第一の実施形態において説明したとおりである。
垂直配向助剤としては、疎水基および親水基を備える界面活性剤や、疎水基および加水分解基を備えるカップリング剤が例示される。
垂直配向助剤に用いる界面活性剤は、重合性液晶分子をホメオトロピック配向させることができるものであればよいが、位相差層の形成の際に液晶分子を液晶相への転移温度まで加熱する必要があることから、液晶相への転移温度でも分解されない程度に耐熱性を有するものがよい。また、液晶性インキの溶媒との親和性をふまえて、ノニオン系、カチオン系、アニオン系等より適宜選択しうる。
垂直配向助剤としてカップリング剤を用いる場合、具体的には、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、n−ドデシルトリメトキシシラン、n−ドデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシランなどのシラン化合物を加水分解して得られるシランカップリング剤や、アミノ基含有シランカップリング剤、フッ素基含有シランカップリング剤などを例示することができる。
(液晶性インキの塗布方法について)
上記のように位相差層4の下地表面処理が施され、また液晶性インキが調整されると、次いで基材2にこれを塗布して液晶塗布膜41(図2を参照)を作成する。
液晶性インキの塗布方法は特に限定されるものではなく、例えばグラビア印刷法、オフセット印刷法、凸版印刷法、スクリーン印刷法、静電印刷法、無版印刷法などの各種印刷方法や、グラビアコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、バーコート法、ディップコート法、キスコート法、スプレーコート法、(スリット)ダイコート法、コンマコート法、インクジェット法、スピンコート法などの塗工方法、さらにはこれらを組合せた方法を適宜用いることができる。このうち、後述するように均一な塗布厚が容易に得られる観点から特にスピンコート法や(スリット)ダイコート法が好適に用いられる。
すなわち液晶表示装置の大型化が進む近年では、これに用いられる位相差制御部材1についても、基材2の面積に対して有効表示領域10を可能な限り広く取るために、有効表示領域10と基材2の端面とのクリアランスは10mm程度以下と小さくなっている。このため、着色層60を形成する着色材料(着色インキ)や位相差層4を形成する液晶性インキなど、有効表示領域10を少なくとも包絡するように塗工されるインキ材料の塗布工程においては、AM3を覆って基材2全面にインキ材料を一旦ベタ塗工してから、フォトリソグラフィー法により不要箇所をエッチング除去する製版方法が一般的である。
なお、位相差制御部材1の製版にあたっては、基材2上の必要箇所にオンデマンドでインキ材料を塗布することのできるインクジェット法も近年開発が進められている。特に複数色の着色材料をパターン塗工する着色層60については、着色材料の塗布・露光現像・エッチング除去の各工程を色の数だけ繰り返すフォトリソグラフィー法は製版工程数が多く、またエッチング除去されて廃棄される着色材料の無駄が多いことから、上述のようにインクジェット法によるパターン塗工も好適に用いられ、またそのメリットが享受されるといえる。
しかし位相差層4については、特にこれを有効表示領域10内にベタ製版する場合、液晶性インキの塗布工程を行うのは一度のみであるため、製版工程数やインキの無駄の問題は僅かであり、むしろ装置が簡易であって均一な塗布厚が容易に実現される観点からスピンコート法やダイコート法により液晶性インキを基材上にベタ塗工することが好適といえる。
なお、インクジェット法でインキ材料を基材に塗布する場合、基材2とインクジェットコーターとは高精度に位置合わせをする必要があることから、両者はアライメントマークによる光学的なアライメント調整が必要である。
一方、スピンコート法やダイコート法でインキ材料を基材2にベタ塗工する場合、これらの塗布装置と基材2との位置合わせはピンアライメント調整で足りるという利点もある。
(重合性液晶分子の配向および固定について)
基材2の表面に液晶性インキを塗布して作製された液晶塗布膜41に含まれる重合性液晶分子には垂直配向性が付与される。液晶分子に対する配向性の付与は、液晶塗布膜41を加熱して、内部の液晶分子が液晶相となる温度(液晶相温度)以上、等方相(液体相)となる等方相転移温度未満になるよう温度制御することで行われる。このとき液晶塗布膜41の加熱手段は特に限定されず、伝熱または輻射による加熱を適宜組み合わせて加熱するとよい。なお、重合性液晶分子を配向させる方法は、上記方法による他、液晶塗布膜41を一旦等方相温度まで加熱した後の冷却過程で自発的に液晶分子に配向を誘起させる方法や、液晶塗布膜41に対して所定方向から電場や磁場を負荷する方法によっても実現可能である。
このようにして液晶塗布膜41中に含まれる液晶分子に垂直配向が付与された状態が形成された後、液晶分子同士を重合反応させる。この重合反応は、液晶性インキに添加された光重合開始剤の感光波長の光(具体的には例えば紫外線)などの活性放射線を、液晶相状態の液晶塗布膜41に向けて全面照射またはパターニング照射して進行させる。
ただし本実施形態の位相差制御部材1の場合、着色層60の場合と同様に、後述するシール8と基材2との間に位相差層4が成膜されないよう、有効表示領域10の外周にはシール8の形成領域を確保するために少なくとも額縁状に位相差層4の非形成領域を設けるとよい。なお、液晶性インキを塗布する下地層6として着色層60を用いる本実施形態においては、AM3の少なくとも一つについてはその周囲近傍を着色層60で被覆しているが、保護マーク30を覆う着色層60の上に位相差層4を固定形成する必要はないため、液晶塗布膜41の露光に際しては、有効表示領域10内のみに位相差層4を形成すべく活性放射線をパターニング照射するとよい。
なお、有効表示領域10内でさらに画素ごとに位相差層4を微細にパターニングしてもよい。
液晶塗布膜41に照射する光の波長は、この塗膜中に含まれている光重合開始剤の種類に応じて適宜選択するとよい。ネガ型のフォトリソグラフィー法によって位相差層4をパターニングする本実施形態の場合、位相差層4の形成予定位置が開口した位相差層パターニング用のフォトマスクを介して活性放射線を露光し、パターン露光後には液晶塗布膜41のうちの未重合部分をエッチング除去し、残ったパターン露光部分をさらに焼成して熱重合硬化させるとよい。
かかる位相差層4のパターニングは、保護マーク30を用いて当該フォトマスクと基材2とを光学的にアライメント調整して行う。すなわち、保護マーク30およびその周囲の透過領域31は有効表示領域10と同様の表面性状であるため、液晶分子の垂直配向性もまた同等に良好であってアライナー機構によるパターン認識が好適に行われる。
<柱状体について>
位相差層4を塗工形成した位相差制御部材1には、必要に応じて位相差層4上に、セルギャップを規定するとともに位相差制御部材1に負荷される押し込み荷重に耐える構造部材としての柱状体7や、液晶の配向方向を規制するための突起(図示せず)などをパターン設置することができる。柱状体7や突起は、着色層60や位相差層4自体のパターン露光と同様にフォトリソグラフィー法を用いてパターニングするほか、印刷法や転写法を用いて有効表示領域10内の所定位置に立設することができる。柱状体7や突起は高い位置精度で設計位置に正しくパターン配置されることが好ましく、これらはAM3を用いたアライナー機構による光学的なアライメント調整によって基材2を位置合わせした状態で製版される。
柱状体7をフォトリソグラフィー法で形成する場合を例に説明する。
図10は、位相差層4の上に柱状体7を立設する方法を示す模式図であり、同図(a)は基材2の全面に位相差層4が形成され、さらに光透過性かつ光学等方性のフォトレジスト材料(図示せず)が全面に塗布された基材2、同図(b)は柱状体製版用のフォトマスク18、同図(c)は両者を位置合わせした状態をそれぞれ示す。基材2に設けられたAM3は着色層60で被覆された保護マーク30であり、またフォトマスク18には、柱状体の形成パターンに対応して設けられた開口17、覗き窓19およびマスク側AM20が設けられており、位置合わせ時にアライナー機構により保護マーク30が視認可能である。
ただし本実施形態の位相差制御部材1では、有効表示領域10内側のみならず保護マーク30およびその周囲の透過領域31に下地層6としての着色層60がパターン形成されているため、基材2にベタ製版された位相差層4は、有効表示領域10内とともに保護マーク30上および透過領域31においても良好にホメオトロピック配向している。したがって柱状体7の製版にあたっては、保護マーク30とマスク側AM20との位置合わせがアライナー機構によって良好に行われる。
図示のように、柱状体7を構成するフォトレジスト材料を位相差層4上にベタ塗工し、AM3(保護マーク30)を基準にして位置合わせをしたフォトマスク18を介して露光、現像することにより、各画素に対応して所望の位置、具体的にはBM5で遮光される領域にのみ柱状体7を立設することができる。
柱状体7は、多官能アクリレートを含有するアクリル系、及びアミド系又はエステル系ポリマー等の光硬化可能な感光性を有する、光透過性かつ光学等方性の樹脂材料から構成することができる。なお柱状体7の樹脂材料を露光、現像する際には、AM3およびその近傍領域に対応するフォトマスク18の覗き窓19を、遮光板15で被覆した状態(同図(d))で行うことで、AM3の上方に塗布された当該樹脂材料は固定化せずにエッチング除去し、BM5上にのみ柱状体7を形成することが通常である(同図(e))。ただし上記のように光学等方性の材料を選択することにより、柱状体7のパターン露光時やその後の製版工程もしくは取扱工程において、基材2とフォトマスク18のアライメント調整が不可能になることはない。
なお、位相差制御部材1に柱状体7を設ける場合には、位相差層4の表面上に直接柱状体7を設ける場合のみならず、ITO膜などの透明電極をスパッタリング法など公知の手段を適宜選択して位相差層4上に形成した後に、柱状体7を立設してもよい。
<シールについて>
本実施形態の位相差制御部材1は、後述する図11,12に図示するように、液晶駆動回路を画素ごとにパターン配置した液晶駆動基板と貼り合わせて液晶表示装置を構成するカラーフィルタとして用いられる。液晶駆動基板と基材2(カラーフィルタ基板)との間に挟まれて液晶セルを構成する駆動液晶分子は、基材2の面直方向に外力が付与された時や、外部圧力の変動時にも基板同士の間から漏れ出すことのないよう、有効表示領域10を取り囲む額縁状のシール8によって減圧状態で封止されることが一般的である(例えば特開2006−227231号公報等を参照)。
したがって着色層60や位相差層4の製版にあたっては、着色材料や液晶性インキがスピンコート法やダイコート法などで基材2の全面に一旦ベタ塗工されたのち、有効表示領域10の外側に区画された額縁状のシール8の予定形成領域については少なくともこれをエッチング除去することが一般的である。シール8は駆動液晶分子を減圧状態で封止しつつセルギャップを精度よい厚さで保持する構造部材であり、ガラス基板に代表される剛性の高い基材2とシール8とを直接当接させて液晶セルの寸法安定性を高くすることが好ましいことから、着色層60や位相差層4などの比較的柔軟かつ塗工厚さの大きい積層体がシール8の下に潜り込んで固定化されることを排除するためである。
なお、BM5を黒色金属材料の薄膜で構成する場合は、その厚さ方向の変形は無視しうることから、BM5の上にシール8が立設されることは問題ないといえる。
シール8には、ビスフェノールF型、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル樹脂、フェノールボラック型エポキシ樹脂、もしくはトリフェノールメタン型エポキシ樹脂などの熱硬化型もしくは光硬化型の樹脂材料の1種または2種以上が好適に用いられる。このほか、無機充填剤や硬化促進剤などを添加してもよい。
シール8を形成するにあたっては、基材2上に位相差層4や柱状体7が製版された後に、ペースト状の当該樹脂材料を、セルギャップ厚さよりも分厚く、かつ有効表示領域10を額縁状に囲むように(シール8の予定形成領域に)塗工し、基材2と対向して設けられた液晶駆動基板をこれに押し当てた状態で熱硬化または光硬化させる(後述の、貼り合わせ工程を参照)。
ここで、上記のように液晶表示装置の近年の顕著な大型化に伴い、位相差制御部材1の作製にあたっては、有効表示領域10と基材2端面との距離はきわめて僅かであり、有効表示領域10とシール8の予定形成領域とのクリアランスは更に小さいものとなるため、当該シール予定形成領域を避けつつ有効表示領域10の内側に着色層60や位相差層4をパターニングするにあたっては、フォトマスク11,18またはインクジェットコーターと基材2との高度な位置合わせが要求される。したがってかかる位置合わせはピンアライメント調整では足りず、アライナー機構による光学的なアライメント調整が望まれる。
以上より、位相差層4を有効表示領域10内に位置精度よくパターニングするとともに、位相差層4の塗工工程およびその後の位相差制御部材1の製版・取扱工程におけるAM3の視認性を確保することを目的とする本発明においては、透過光を分光する着色層60を基材2上に設ける場合、液晶性インキを塗布するための下地層6としてこれを利用するとともに、シール8の予定形成領域については着色材料を硬化させず、一方、AM3(保護マーク30)およびその周囲の透過領域31については着色材料を塗工および硬化させて着色層60を残置させるとよい。
<切断工程について>
基材2に上記各層が積層された製版工程に引き続き、位相差制御部材1の取扱工程のひとつとして、AM3を基準位置として基材2と切断装置とを位置合わせした状態で、有効表示領域10を内包する所定のカットラインに沿って位相差制御部材1が切り出される。
かかる切断工程で用いられるAM3は、上述の位相差層4の製版工程で用いられた保護マーク30または柱状体7の製版工程で用いられたAM3を流用してもよく、アライナー機構による光学的な認識が可能である限り他のアライメントマークを用いてもよい。
当該切断工程では、基材2に設けられたAM3は、下記貼り合わせ工程におけるアライメント調整に用いられるものを除いて、基材2から切断除去されることが通常である。
<貼り合わせ工程について>
切断工程を経て切り出された位相差制御部材1には、さらに取扱工程のひとつとして、駆動液晶分子を配向させるための配向膜が被覆形成された上で、液晶駆動基板(図11,12を参照)と対向させた状態でこれと接合する、貼り合わせ工程が施される。位相差制御部材1と駆動液晶基板とは、それぞれに設けられたアライメントマーク同士を整合させて位置合わせした状態で貼り合わされる。
なお、本発明の位相差制御部材1を、基材2に複数枚同時に形成する、いわゆる多面付けによって作製する場合、上記切断工程の前に複数枚の液晶駆動基板との貼り合わせを行い、しかる後に基材2を複数枚に切断してもよい。したがってかかる多面付けの場合、保護マーク30を含むAM3は、いずれも基材2より切断されて除去される場合がある。
位相差制御部材1と液晶駆動基板との間には、駆動液晶分子を介装して駆動液晶層が形成されるが、柱状体7が浸漬するように位相差層4の上に駆動液晶分子を滴下して真空中で液晶駆動基板と貼り合わせる液晶滴下工法(ODF法)によって駆動液晶層を形成してもよく、またはシール8によって位相差制御部材1と液晶駆動基板とを封止しつつ、減圧下で両者の間に駆動液晶分子を注入して駆動液晶層を形成してもよい。
なお、駆動液晶分子の駆動モードがいわゆるIPSモードやTNモードなど、駆動電圧の無負荷時に駆動液晶分子を水平配向させる場合については、位相差制御部材1のうち駆動液晶分子が滴下される最上面(上記に例示の場合は位相差層4の表面)には、ラビング処理などを施した水平配向膜を塗工形成するとよい。
<液晶表示装置について>
本発明の位相差制御部材1を組み込んだ液晶表示装置について説明する。
図11は、本発明の第二の実施形態にかかる位相差制御部材1を備える液晶表示装置51の断面模式図であり、図12はその分解斜視図である。液晶表示装置51としてはいわゆるIPSモードを例示するが、このほかMVAモードやOCBモードなどの他のモードであってもよい。
液晶表示装置51には、観察者に対面する観察者側(図11の上方)に、図8,9に示す位相差制御部材1がカラーフィルタとして組み込まれている。すなわちAM3(保護マーク30)はその周囲が着色層60で覆われている。ただし図11では柱状体7を、図10ではシール8を、それぞれ図示省略している。また位相差層4は、液晶分子が垂直配向した正のCプレートである(図10を参照)。
一方、液晶駆動回路78およびこれにより印加電圧が制御される液晶駆動電極79(図12では図示省略)がインセル側に設けられた液晶駆動基板71が、観察者から遠いバックライト(図示せず)側に配置されている。液晶駆動電極79は、BM5の区画する画素ごとに櫛歯状にパターン形成されている。
駆動液晶分子21を含む駆動液晶層22は、位相差制御部材1と液晶駆動基板71とシール8とで囲まれた密閉空間に封入され、液晶駆動電極79からパネル面内方向に負荷される印加電圧によって駆動液晶分子21はスイッチング駆動する。
液晶表示装置51は、観察者側から順に、直線偏光板81、正のAプレートとしての光学補償機能を有する位相差フィルム82、位相差制御部材1、駆動液晶層22、液晶駆動基板71、直線偏光板83およびバックライトが配置され、バックライト光の透過または遮断を画素ごとに制御することで明表示と暗表示が行われる。図12に示すように直線偏光板81と直線偏光板83とは透過軸方向が直交して配置されている。
液晶駆動基板71の基材72にはアライメントマーク(AM)73が形成されている。AM73は、上述のように位相差制御部材1のAM3との焦点深度を近づけてアライナー機構による位置合わせ精度を向上するため、基材72のインセル側、すなわち液晶駆動電極79の形成側に設けるとよい。
AM73のうち、アライナー機構の受光部側からみた吸光性・光反射性の性状はAM3と共通とすることが好ましい。すなわち位相差制御部材1のAM3が吸光性の場合、AM73も吸光性に作製し、液晶表示装置51を挟んでアライナー機構の受光部の反対側に配置された透過光源を用いて、AM3とAM73との一致/不一致を画像処理により判断することができる。また位相差制御部材1のAM3が光反射性の場合、AM73も光反射性に作製し、液晶表示装置51に対してアライナー機構の受光部と同一側に配置された反射光源を用いて、AM3とAM73との一致/不一致を画像処理により判断する。なお、透過光源を用いてAM3とAM73との位置合わせを行う前者の場合、AM3またはAM73の一方または両方を光反射性としてもよい。
AM73の形状は適宜選定しうるが、本実施形態では図12に例示のように、十字状のAM3を囲う矩形状としている。AM73の矩形内側の開口サイズは、AM3の十字よりもわずかに大きく形成され、両者の中心同士を一致させた状態で互いに重なり合うことなく非接触に観察される。これにより、アライナー機構を用いた基材2と基材72との位置合わせが精度よく行なわれる。
液晶表示装置51は、真空雰囲気下で、位相差制御部材1のAM3と液晶駆動基板71のAM73とを対向させてこれらをアライナー機構によって位置合わせしつつ、位相差制御部材1と液晶駆動基板71とを貼り合わせる。貼り合わせは、例えば適量の駆動液晶分子を位相差制御部材1のインセル側に滴下し、柱状体7でセルギャップを保持した状態で、シール8によって位相差制御部材1と液晶駆動基板71との間を封止して行うとよいことは上述のとおりである。
以下本発明の実施例について詳細に説明する。
(実施例1)
<1.下地基板の準備>
適当な洗浄処理をほどこし、清浄としたガラス基板(コーニング社製:1737材)を基材として用意した。
<2.着色レジストの調整>
ブラックマトリックス(BM)、および着色層を構成する着色材料には顔料分散型フォトレジストを用いた。着色層は、赤色(R),緑色(G),青色(B)の三色とした。顔料分散型フォトレジストは、着色材料として顔料を用い、分散液組成物(顔料、分散剤、および溶剤を含有する)にビーズを加え、分散機で3時間分散させ、その後ビーズを取り除いた分散液と、クリアレジスト組成物(ポリマー、モノマー、添加剤、光重合開始剤および溶剤を含有する)とを混合したものである。その組成を下記に示す。尚、分散機としては、市販のペイントシェーカー(浅田鉄工社製)を用いた。
(ブラックマトリックス用フォトレジスト)
・黒顔料(大日精化工業(株)製:TMブラック#9550) ・・14.0重量部
・分散剤(ビックケミー(株)製:Disperbyk111) ・・・1.2重量部
・ポリマー(昭和高分子(株)製:VR60) ・・・2.8重量部
・モノマー(サートマー(株)製:SR399) ・・・3.5重量部
・添加剤(綜研化学(株)製:L−20) ・・・0.7重量部
・開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1) ・・・1.6重量部
・開始剤(4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン) ・・・0.3重量部
・開始剤(2,4−ジエチルチオキサントン) ・・・0.1重量部
・溶剤(エチレングリコールモノブチルエーテル) ・・75.8重量部
(赤色(R)画素用フォトレジスト)
・赤顔料(C.I.PR254(チバスペシャリティケミカルズ社製:クロモフタールDPP Red BP)) ・・・3.5重量部
・黄顔料(C.I.PY139(BASF社製:パリオトールイエローD1819))
・・・0.6重量部
・分散剤(ゼネカ(株)製:ソルスパース24000) ・・・3.0重量部
・モノマー(サートマー(株)製:SR399) ・・・4.0重量部
・ポリマー1 ・・・5.0重量部
・開始剤(チバガイギー社製:イルガキュア907) ・・・1.4重量部
・開始剤(2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4',5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール) ・・・0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) ・・80.0重量部
(緑色(G)画素用フォトレジスト)
・緑顔料(C.I.PG7(大日精化工業(株)製:セイカファストグリーン5316P)) ・・・3.7重量部
・黄顔料(C.I.PY139(BASF社製:パリオトールイエローD1819))
・・・2.3重量部
・分散剤(ゼネカ(株)製:ソルスパース24000) ・・・3.0重量部
・モノマー(サートマー(株)製:SR399) ・・・4.0重量部
・ポリマー1 ・・・5.0重量部
・開始剤(チバガイギー社製:イルガキュア907) ・・・1.4重量部
・開始剤(2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4',5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール) ・・・0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) ・・80.0重量部
(青色(B)画素用レジスト)
・青顔料(C.I.PB15:6(BASF社製:ヘリオゲンブルーL6700F))
・・・4.6重量部
・紫顔料(C.I.PV23(クラリアント社製:フォスタパームRL−NF))
・・・1.4重量部
・顔料誘導体(ゼネカ(株)製:ソルスパース12000) ・・・0.6重量部
・分散剤(ゼネカ(株)製:ソルスパース24000) ・・・2.4重量部
・モノマー(サートマー(株)製:SR399) ・・・4.0重量部
・ポリマー1 ・・・5.0重量部
・開始剤(チバガイギー社製:イルガキュア907) ・・・1.4重量部
・開始剤(2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4',5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール) ・・・0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) ・・80.0重量部
尚、上記のポリマー1は、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である。
<3.ブラックマトリクスおよびアライメントマークの作製>
調製した上記ブラックマトリックス用フォトレジストを、上記基材の全面にスピンコート法を用いてベタ塗工した。
引き続いてホットプレート上で90℃、3分間の条件でプリベークして溶剤を除去し、規定のパターンの開口部を有するフォトマスクを介して、パターン露光をおこなうことで、有効表示領域の予定形成位置の周縁およびその内側にBMを、有効表示領域の外側にAMを、同時に固定形成した。その際の露光は100mJ/cmとした。
次に現像プロセスとして、露光が終了した基材に0.05%KOH水溶液を60秒間スプレーし、未露光部を除去してBMとAMを同時にパターニングした。さらに現像が終了した基材を、クリーンオーブン中で200℃、30分間ポストベークすることで完全に硬化反応を進行させ、最終的に1.2μm厚で構成したBMとAMとを有する基板を作製した。
<4.着色層の作製>
AMの少なくとも一つおよびその周囲を視認するための覗き窓、および有効表示領域内にストライプ状にパターニングされた開口部を有する色パターン用フォトマスクを作製した。
一方、赤色(R)のネガ型の顔料分散型フォトレジストを、BMを形成した上記基材に対し、同様にスピンコート法で全面塗布し、80℃、5分間の条件でプリベークした後、イエローライトを照明光として照射するアライナー機構を用いて、上記色パターン用フォトマスクと基材とを位置合わせした状態で、紫外線によるアライメント露光(300mJ/cm)を行った。ただし、マスクと基材との位置合わせ後には、AMと対向する覗き窓は遮光板によって遮蔽し、AMおよび周囲には赤色のフォトレジストを露光固定しなかった。露光の後、0.1%KOH水溶液を用いたスプレー現像を60秒行い、さらに200℃、60分間のポストベークを行うことで、BMの配置パターンに対して所定の位置に、画素中心部の膜厚が2.0μmの赤色(R)の着色領域をストライプ状に形成した。
引き続き、上記赤色(R)と同様の手法により、二色目として青色(B)のネガ型の顔料分散型フォトレジストを用いて、画素中心部の膜厚が1.9μmのストライプ状の青色(B)の着色領域を、赤色(R)着色領域の隣に形成した。なお、紫外線のアライメント露光は、青色フォトレジストが塗布された基材とマスクとを、赤色フォトレジストの場合に対して一画素分だけずらして互いに位置合わせした状態で行った。
また今回も、AMと対向する覗き窓については遮光板によって遮蔽した状態でアライメント露光をおこなった。
最後に、上記赤色(R)および青色(B)と同様の手法により、緑色(G)のネガ型の顔料分散型フォトレジストを用いて、画素中心部の膜厚が2.0μmのストライプ状の緑色(G)画素パターンを形成して着色層を構成した。ただし、三色の着色フォトレジストのうち最後に塗布される色であり、かつアライナー機構の照明光であるイエローライトと同色系であるという観点から、当該緑色(G)のフォトレジストについては、遮光板を用いず、覗き窓から視認されるAMに対して紫外線露光を行った。すなわち緑色(G)については、有効表示領域内のみならず、AMの少なくとも一つおよびその周囲に対してもパターン露光することで着色材料を固定化し、AM(保護マーク)を覆う着色層を形成した。
また、着色層の表面に対して、界面活性剤を塗布した状態で紫外線線状処理を行い、濡れ性を改善した。
<5.位相差層の作製>
[インキの調整]
下記化合物(a)〜(d)に示す重合性液晶分子、光重合開始剤、シランカップリング剤、溶媒を混合して下記組成の液晶材料を調整した。
Figure 2008197256
(液晶材料の組成)
・化合物(a) ・・・8.3 重量部
・化合物(b) ・・・4.7 重量部
・化合物(c) ・・・5.4 重量部
・化合物(d) ・・・5.4 重量部
・光重合開始材(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:イルガキュア907)
・・・1.3 重量部
・シランカップリング剤(アミン基含有シランカップリング剤(GE東芝シリコーン社製:TSL−8331)) ・・・0.05重量部
・溶媒(クロロベンゼン) ・・・75.0 重量部
[位相差層の製膜]
次に上記で構成した下地層(着色層)上に、調整した液晶性インキをスピンコート法にてベタ塗布した。
[液晶塗布膜に含まれる液晶について液晶相状態の形成]
液晶塗布膜の形成された基板を、ホットプレート上にて100℃、5分間加熱して、溶媒を除去するとともに液晶塗布膜中に含まれる液晶分子を液晶相に転移させた。この液晶相への転移の確認は、液晶塗布膜が白濁状態から透明状態となったことを目視にて確認することで行われた。得られた位相差層は、カラーフィルタの有効表示領域全域および保護マークの上方において良好な配向が実現されていた。しかしながら、着色層が固定形成されていないその他の位置においては、液晶分子の配向乱れに起因する白濁が観察された。
[液晶分子の架橋重合反応]
次に、窒素雰囲気下で、透明状態の液晶塗布膜に、18.0kWの超高圧水銀ランプを光源とする市販の紫外線照射装置により、500mJ/cmの露光量となるよう紫外線(365nm)を照射して、液晶塗布膜中の液晶分子を架橋重合反応させて液晶分子をこれに配向性を付与した状態で固定し、液晶塗布膜を正のCプレートの機能を有する位相差層とした。
[重合後加熱処理]
位相差層を形成した基材は、さらに、ホットプレート上にて200℃、30分間加熱する処理(重合後加熱処理)を施された。
<6.評価>
[光漏れの観察]
上記により作製されたカラーフィルタにつき、反射光を用いてそのアライメントマークの周囲を目視により観察したところ、アライメントマークを緑色の着色領域で被覆した保護マークについては、アライメントマーク周辺の液晶分子が均一に配向して散乱光のない透過率の高い均一な膜が形成されており、アライメントマークが良好に視認できた。
[偏光顕微鏡による観察]
作製したカラーフィルタのアライメントマークを、偏光顕微鏡のクロスニコル下で観察したところ、有効表示領域内においては、方位角によらない均一な暗視野が実現されており、良好な垂直配向が実現できていることがわかった。同様に緑色の着色領域で被覆された保護マークの周囲についても、液晶分子の良好な垂直配向が実現されたことが解った。
(実施例2)
<1.各層の作製>
実施例1で得られた位相差制御部材について、位相差層の表面上に、次のように柱状体を配設する処理を後処理として施した。
<2.柱状体の配設>
まず、柱状体を構成する柱状体形成用樹脂組成物として紫外線硬化型透明ネガ型レジスト(JSR社製、NN700)を用い、この柱状体形成用樹脂組成物を位相差層上にスピンコート法により全面に塗布し、引き続き減圧乾燥を行い、さらにホットプレートを用いて100℃3分の条件で加熱して溶剤を除去して、塗布膜を形成した。
一方、BM形成位置に対応する位相差層上の所定位置に、柱状体を配置する予定位置(柱状体形成予定位置)を、予めガラス基板の面積100cmあたり80000箇所選択して定め、当該柱状体形成予定位置が開口したフォトマスク(柱状体用マスク)を作成した。なお柱状体用マスクには、当該開口との相対位置が、位相差制御部材における柱状体形成予定位置と保護マークとの相対位置と一致するマスク側AMと、これを囲む覗き窓とを形成した。
次に、塗布膜に対して離間距離100μmの間隔を開けた状態で、位相差制御部材の保護マークと柱状体用マスクのマスク側AMとをアライナー機構により位置合わせして柱状体用マスクと基材とをアライメント調整した。
そして、位相差制御部材の保護マークに対応する開口を被覆するよう柱状体用マスクの上方に遮光板を介在させた状態で、柱状体用マスクを介して、18.0kWの超高圧水銀ランプを光源とする上記紫外線照射装置により紫外線(365nm)を10秒間照射した。これにより、塗布膜は、その塗布膜のうち紫外線の照射された部分が硬化した状態となった。
その後、塗布膜を0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、塗布膜の未硬化部分を除去した。さらに、未硬化部分の除去された塗布膜を形成した基材を200℃の雰囲気中に30分間放置することにより加熱処理を施し、塗布膜においてアルカリ現像で除去されずに残った部分が柱状体として得られた。
<3.評価>
配置された柱状体について、その配置状態を顕微鏡で確認したところ、柱状体形成予定位置に柱状体が正しく配置されていることが確認された。
(比較例1)
すべて色の着色材料のアライメント露光において、AMおよびその周囲を臨む覗き窓を遮光板で遮蔽して着色材料を固定化せず、有効表示領域内にのみ着色層を形成したほか、実施例1と同様にして、基材上にBM、着色層および位相差層を形成して比較用部材1を作製した。
比較用部材1のアライメントマークの周囲を実施例1と同様に反射光を用いて目視観察したところ、散乱光が発生して白濁が生じており、アライメントマークの視認が困難であった。
またアライメントマークとその周囲の領域について実施例1と同様に偏光顕微鏡のクロスニコル下で観察したところ、アライメントマーク周辺の散乱光成分によりアライメントマークの輪郭がぼやけ、その読み込みが困難であった。
(比較例2)
比較用部材1に対して、実施例2と同様に、位相差層の表面上に柱状体形成用樹脂組成物の塗布膜をスピンコート法および減圧乾燥によってベタ塗工したのち、柱状体用マスクと基材との光学調整による位置合わせを試みたところ、上記アライメントマークの周囲で生じた散乱光により、アライナー機構が当該アライメントマークを光学的に認識することができず、結果的に柱状体のフォトリソグラフィーを行うことができなかった。
本発明の第一の実施形態にかかる位相差制御部材1の一部を模式的に示す平面図である。 (a)は図1のII−II断面図(立面図)であり、(b)は従来の位相差制御部材の立面図である。 AM3およびその周囲に、下地層6としての着色層60をフォトリソグラフィー法によりパターン形成する方法を示す模式図であり、(a)は一色目の着色材料を塗布した基材の部分模式図、(b)はフォトマスク11の部分模式図をそれぞれ示す。 (a)はAM3aとマスク側AM14aとを位置合わせした状態、(b)は覗き窓13を遮光性の遮光板15で遮蔽した状態、(c)は一画素幅の短冊状の着色領域61を、二画素幅間隔のストライプ状にパターン形成した状態をそれぞれ示す。 (a)は基材2の全面に二色目のネガ型の着色材料64bを塗布し、AM3bとマスク側AM14bとを位置合わせした状態、(b)は遮光板15によって覗き窓13を遮蔽した状態、(c)は二色目の着色領域62を二画素幅間隔でストライプ状にパターニングした状態をそれぞれ示す。 (a)は基材2の全面に三色目のネガ型の着色材料64cを塗布し、AM3cとマスク側AM14cとを位置合わせした状態、(b)はAM3dおよびその周囲の透過領域31を被覆するように三色目の着色領域63を形成した状態をそれぞれ示す。 AM3およびその周囲に、下地層6としての着色層60をインクジェット法によりパターン形成する方法を示す模式図であり、(a)は基材2、(b)は一色目の着色材料を有効表示領域10に塗布した状態、(c)は二色目の着色材料を有効表示領域10に塗布した状態、(d)は着色領域61〜63を形成した状態をそれぞれ示す。 本発明の第二の実施の形態にかかる位相差制御部材1を模式的に示す平面図である。 図8のIX−IX断面図である。 位相差層4の上に柱状体7を立設する方法を示す模式図であり、(a)は基材2、(b)はフォトマスク18、(c)は両者を位置合わせした状態、(d)はフォトマスク18の覗き窓19を遮光板15で遮蔽した状態、(e)はBM5の上に柱状体7を固定形成した状態、をそれぞれ示す。 第二の実施形態にかかる位相差制御部材1を備える液晶表示装置51の断面模式図である。 第二の実施形態にかかる位相差制御部材1を備える液晶表示装置51の分解斜視図である。
符号の説明
1,101 位相差制御部材
2,72,102 基材
3,73,103 アライメントマーク
30 保護マーク
31,131 透過領域
4 位相差層
40 液晶分子
41 液晶塗布膜
5 ブラックマトリクス
6 下地層
60 着色層
61,62,63 着色領域
64 着色材料
65 抜け領域
7 柱状体
8 シール
10 有効表示領域
11,18 フォトマスク
13,19 覗き窓
14,20 マスク側アライメントマーク
15 遮光板
21 駆動液晶分子
22 駆動液晶層
51 液晶表示装置

Claims (12)

  1. 光透過性の基材と、
    前記基材に設けられた、当該基材を位置合わせするための一つまたは複数のアライメントマークと、
    前記基材に区画形成または予定形成された有効表示領域に少なくとも塗工形成された、光透過性かつ光学等方性の下地層と、
    重合性液晶分子を含有する液晶性インキを前記下地層の上に直接塗布し、前記重合性液晶分子をホメオトロピック配向させた状態で固定化してなる位相差層と、
    を備えるとともに、
    前記下地層が、更に前記アライメントマークの少なくとも一つを覆うよう塗工形成されることによって、アライメントマークとこれを被覆する下地層とからなる保護マークが構成されていることを特徴とする位相差制御部材。
  2. 前記保護マークが前記有効表示領域の外側に設けられるとともに、
    前記下地層が、前記有効表示領域の内側と、前記保護マークおよびその周囲と、にパターン形成されていることを特徴とする請求項1に記載の位相差制御部材。
  3. 有効表示領域の内側に形成された下地層と、保護マークおよびその周囲を覆う下地層とには、共通の表面処理が施されていることを特徴とする請求項2に記載の位相差制御部材。
  4. 前記下地層が、光透過性の複数色の着色領域を配列してなる着色層であり、
    前記保護マークおよびその周囲が、少なくとも1色の前記着色領域によって覆われていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の位相差制御部材。
  5. 請求項4に記載の位相差制御部材を位置合わせするアライメント調整方法であって、
    前記保護マークを被覆する着色領域に対して透過率のもっとも高い波長の光を少なくとも含む照明光を照射するアライナー機構により、前記保護マークを光学的にパターン認識して行うことを特徴とするアライメント調整方法。
  6. 有効表示領域の内側を通過する透過光を分光する分光機能と、前記透過光に位相差を与える複屈折機能とを有するカラーフィルタの製造方法であって、
    (i)光透過性の基材に予定形成された前記有効表示領域の外側にアライメントマークを形成する工程と;
    (ii)前記基材に直接または間接に、感光性の着色材料を塗工して前記アライメントマークを被覆する塗工工程と;
    (iii)前記アライメントマークおよびその周囲ならびに前記有効表示領域内の所定位置にそれぞれ対応してマスクパターンが形成された遮光性のフォトマスクと、前記基材とを、前記アライメントマークをアライナー機構で認識することにより互いに位置合わせするアライメント工程と;
    (iv)前記フォトマスクを介したパターン露光およびエッチング除去により、前記マスクパターンに対応して前記着色材料を固定化して着色層を形成するフォトリソグラフィー工程と;
    (v)重合性液晶分子を含有する液晶性インキを前記着色層の上に塗布し、前記重合性液晶分子をホメオトロピック配向させた状態で固定化して位相差層を作製する工程と;
    を含むカラーフィルタの製造方法。
  7. 上記工程(ii)乃至工程(iv)を、N(ただしNは2以上の整数である)色の着色材料にそれぞれ替えながら前記N回繰り返した後に、上記工程(v)を行う請求項6に記載のカラーフィルタの製造方法において、
    前記N回繰り返しておこなう工程(iii)と工程(iv)との間に、
    (vi)前記マスクパターンより認識されるアライメントマークおよびその周囲を、遮光部材により遮蔽する遮蔽工程;
    を、前記N回のうち1回以上N−1回以下おこなうことにより、当該塗工工程(ii)で塗工された着色材料については、前記アライメントマークおよびその周囲に対して露光しないことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  8. 有効表示領域の内側を通過する透過光を分光する分光機能と、前記透過光に位相差を与える複屈折機能とを有するカラーフィルタの製造方法であって、
    (i)光透過性の基材に予定形成された前記有効表示領域の外側にアライメントマークを形成する工程と;
    (ii)インクジェットコーターと前記基材とを、アライナー機構によって前記アライメントマークを認識することで位置合わせするアライメント工程と;
    (iii)前記基材上であって、前記アライメントマークおよびその周囲ならびに前記有効表示領域内の所定位置に、それぞれ前記インクジェットコーターにより着色材料を塗布する塗布工程と;
    (iv)塗布された着色材料を固定化して着色層を形成する工程と;
    (v)重合性液晶分子を含有する液晶性インキを前記着色層の上に塗布し、前記重合性液晶分子をホメオトロピック配向させた状態で固定化して位相差層を作製する工程と;
    を含むカラーフィルタの製造方法。
  9. 上記工程(iii)において、有効表示領域内にN(ただしNは2以上の整数である)色の着色材料を塗布するとともに、前記アライメントマークおよびその周囲に対して、前記N色のうちの少なくとも1色の着色材料を塗布することにより、
    上記工程(iv)にて当該アライメントマークおよびその周囲を光透過性の着色層で被覆することを特徴とする請求項8に記載のカラーフィルタの製造方法。
  10. 前記N色の着色材料のうち、前記アライナー機構からアライメントマークに向けて照射される照明光の透過率が最も低い色の着色材料を、前記アライメントマークおよびその周囲において固定化しないことを特徴とする請求項7または9に記載のカラーフィルタの製造方法。
  11. 垂直配向助剤を液晶性インキに添加するとともに、
    前記アライメントマークおよびその周囲と、前記有効表示領域内とに形成された前記着色層の表面に、ともに親水化処理を行った後に、前記液晶性インキを塗布することを特徴とする請求項6から10のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  12. 重合性液晶分子をホメオトロピック配向させた状態で固定化して位相差層を作製する前記工程において、
    前記有効表示領域に対応してマスクパターンが形成された遮光性の位相差層用フォトマスクと、前記基材とを、前記アライメントマークを用いて位置合わせした後、前記位相差層用フォトマスクを介してパターン露光することにより、前記有効表示領域において前記固定化を行うことを特徴とする請求項6から11のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
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