以下に、本発明による液晶表示装置を、その実施の形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の液晶表示装置に用いられる着色画素積層スペーサについて説明する。本発明の液晶表示装置に用いられる着色画素積層スペーサは、2枚の基板間の間隙を一定に保つために液晶表示装置の有効表示領域内に形成されるものである。本発明においては、この着色画素積層スペーサは、後述する着色層を構成する着色層形成用層が積層されたものであり、複数の高さを有するように形成されているものである。なお、前記有効表示領域とは、液晶表示装置の表示部として用いられる領域である。
前記着色画素積層スペーサは、後述する着色層を構成する着色層形成用層(例えば赤色用の着色層形成用層 、緑色用の着色層形成用層 、および青色用の着色層形成用層)が図1のように積層されたものである。
本発明の着色画素積層スペーサは、例えば図2に示すように、高さの高い着色画素積層スペーサは着色層形成用層が2層積層され、着色層による固着保護層により一体化される。高さの低い着色画素積層スペーサは図3のように着色層形成用層が1層積層され、着色層による固着保護層により一体化されたものである等、積層された着色層形成用層の数の差によって高さが異なるように形成されるものであってもよい。この場合、前記着色層形成用層は、目的とする着色画素積層スペーサの高さによっても異なるが、通常1層〜3層積層されることとなる。なお、下層を覆うのは最上層だけでなく、図4のように着色層形成用層の上から2層目であっても良い。
また、本発明に用いられる前記複数種類の着色画素積層スペーサは、高さの低いものほ
ど個数が多いことが好ましい。これにより、液晶表示装置に微小な荷重がかけられた場合、少ない着色画素積層スペーサによってその荷重を支えることとなり、それらの着色画素積層スペーサの変形が生じやすいものとすることができる。一方、大きな荷重が液晶表示装置にかけられた場合には、荷重をかければかけるほど、その荷重に対する抗力が大きくなり、着色画素積層スペーサの変位を小さいものとすることができる。したがって、荷重が小さい場合には、液晶表示装置の変位が大きく、荷重が大きい場合には液晶表示装置の変位が少ないものとすることができるのである。
ここで、本発明において形成される着色画素積層スペーサの高さは、液晶表示装置の種類等により適宜選択されるものであり、特にその高さは限定されるものではない。
また、前記着色画素積層スペーサの形成される数は、液晶表示装置の種類等によって適宜選択されるものである。
ここで、前記着色画素積層スペーサの形状は、前記透明基板間の間隙を一定に保つことが可能な形状であれば、特に限定されるものではなく、例えば円柱状や角柱状のもの、頂部が切断された円錐状や角錐状のもの等とすることができる。また、前記の高さの高い着色画素積層スペーサおよび高さの低い着色画素積層スペーサの形状は同じであってもよい。最上層にて下層を覆うことにより、従来の着色画素積層スペーサが有していた段差を解消し、液晶表示装置に大きな荷重がかけられた場合、着色画素積層スペーサの広い上底面で、その荷重がスペーサ全体で支えられることとなり、荷重が分散することから、着色画素積層スペーサの変形を少ないものとすることができるのである。
なお、前記着色画素積層スペーサに用いられる着色層形成用層の材料や形成方法等については、後述する着色層の項で説明する。
また、本発明に用いられる着色画素積層スペーサは、前記有効表示領域内に形成されるものであれば、その形成位置等は特に限定されるものではなく一般的には、着色層と着色層との間に形成されるものであり、後述する透明基板上に形成されていてもよいが、例えば着色層と着色層との間にブラックマトリクス等の遮光部が形成されている場合には、この遮光部上に形成されていてもよい。
本発明の着色組成物については、光重合開始剤を併用することができる。光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が用いられる。これらの光重合開始剤は1種または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。他の光重合開始剤は、感光性着色組成物中の前記式(1)で表される化合物100重量部に対して、5〜25重量部、好ましくは10〜20重量部の量で用いることができる。
(顔料)
本発明の着色組成物を用いてカラーフィルタ基板及び着色画素積層スペーサを形成する場合には、着色組成物には、赤色、青色、緑色黄色、紫色のいずれかを少なくとも1つは用いた混合物を用いることを特徴とする。
本発明の着色組成物を形成するための赤色着色組成物には、例えばC.I.Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272、279等の赤色顔料を用いることができる。
緑色顔料には、C.I. Pigment Green58の緑色顔料を用いる。また、緑色着色組成物には下記の黄色顔料を併用することができる。
黄色顔料としてはC.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、144、146、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214等が挙げられる。
青色顔料には、例えばC.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、80等の青色顔料、好ましくはC.I. Pigment Blue 15:6を用いることができる。
紫色顔料には、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、2
9、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料、好ましくはC.I. Pigment Violet 23を併用することができる。
その他、本発明の実施形態に係る基板の着色層に用いて好適な樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、スチレンーマレイン酸共重合体、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ノボラック樹脂、ポリビニルフェノール樹脂から選択された1種以上を選択することが出来る。また、これらを変性したもの等が挙げられる。これらの中でも、エポキシ樹脂と不飽和基含有カルボン酸またはその無水物の反応物にさらに多塩基性カルボン酸またはその無水物とを反応させて得られた光重合性不飽和基含有樹脂、あるいはノボラック樹脂、ポリビニルフェノール樹脂等のフェノール性水酸基を有する樹脂またはこれらの変性樹脂が、現像性、パターニング特性、コスト等の点から特に好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
用いることのできる重合性モノマーおよびオリゴマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メラミン(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。また、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られる(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレートを用いることが好ましい。なお、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートとの組み合わせは任意であり、特に限定されるものではない。また、1種の多官能ウレタンアクリレートを単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらは、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
着色樹脂組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化する場合には、光重合開始剤等が添加される。 光重合開始剤としては、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2-クロルチオキサントン、2-メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、2,4-トリクロロメチル(4’-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン系化合物、1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、O-(アセチル)-N-(1-フェニル-2-オキソ-2-(4’-メトキシ-ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が用いられる。これらの光重合開始剤は1種または2種以上混合して用いることができる。光重合開始剤の使用量は、着色組成物の全固形分量を基準として0.5〜50重量%が好ましく、より好ましくは3〜30重量%である。
さらに、増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等の化合物、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4-ジメチルアミノ安息香酸メチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2-ジメチルアミノエチル、4-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、N,N-ジメチルパラトルイジン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン系化合物を併用することもできる。これらの増感剤は1種または2種以上混合して用いることができる。増感剤の使用量は、光重合開始剤と増感剤の合計量を基準として0.5〜60重量%が好ましく、より好ましくは3〜40重量%である。 また、重合開始剤と光増感剤とを併用することが好ましい。増感剤として、を併用することもできる。
さらに、着色樹脂組成物には、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることができる。 多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4-ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4-ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6-トリメルカプト-s-トリアジン、2-(N,N-ジブチルアミノ)-4,6-ジメルカプト-s-トリアジン等が挙げられる。これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。多官能チオールの使用量は、着色組成物の全固形分量を基準として0.1〜30重量%が好ましく、より好ましくは1〜20重量%である。0.1質量%未満では多官能チオールの添加効果が不充分であり、30質量%を越えると感度が高すぎて逆に解像度が低下する。
着色樹脂組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、トリエチルホスフィン、トリフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.1〜10重量部の量で含有させることができる。
また、着色樹脂組成物には、基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。シランカップリング剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.01〜100重量部の
量で含有させることができる。
着色樹脂組成物は、必要に応じて有機溶剤を含有することができる。有機溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル-nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。溶剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、800〜4000重量部、好ましくは1000〜2500重量部の量で用いることができる。
着色組成物は、グラビアオフセット用印刷インキ、水無しオフセット印刷インキ、インクジェット用インキ、シルクスクリーン印刷用インキ、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストの形態で調製することができる。着色レジストは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または感光性樹脂と、モノマーと、光重合開始剤と、有機溶剤とを含有する組成物中に色素を分散させたものである。
顔料は、着色組成物の全固形分量を基準(100重量%)として5〜70重量%の割合で含有されることが好ましい。より好ましくは、20〜50重量%の割合で含有され、その残部は、顔料担体により提供される樹脂質バインダーから実質的になる。
着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、液晶パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化アンチモンなどの金属酸化物の組み合わせからなる透明電極が形成されていてもよい。
着色層を形成する場合はフォトリソグラフィ法適用し、前記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストとして調製した着色組成物を、アレイ基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜10μmとなるように塗布する。
塗布膜を乾燥させる際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレート等を使用してもよい。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。マスクとのアライメントマークを確認する際、赤外光(750nm〜1000nm)を使用する。
その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタ基板の着色層を製造することができる。
さらに、着色レジストの重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液
が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、前記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
液晶表示装置の製造において、カラーフィルタ基板及び対向基板に配向処理を行う必要がある。配向処理は、配向膜を液晶表示装置用基板の液晶に接する面の側に形成し、必要に応じて、液晶表示装置用基板の液晶界面での液晶の方向を一様に揃える処理を実施する。
配向膜は、液晶を所定の方向に配向させる性質をもつので、所定の液晶モードに合せて配向膜を選定する必要がある。配向膜の材料としては、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などの感光性または非感光性のものが好ましく用いられるが、これらに限られるものではない。ただし、配向膜の耐熱性・信頼性の点からポリイミド系樹脂が好ましい。
ポリイミド系樹脂を用いた配向膜は、可溶性ポリイミド溶液やポリアミック酸溶液を液晶表示装置用基板上に形成した後に、必要に応じて乾燥、焼成や光照射して得られる。配向膜材料は基板上に、フレキソ印刷、スピンコート、ロールコート、スリットダイコート、シルク印刷、インクジェット印刷等により液晶表示装置用基板上に形成される。配向膜として好ましく用いられるポリイミド系樹脂としては、特に限定されるものではないが、ポリアミック酸を加熱または適当な触媒によってイミド化したものが好適に用いられる。
本発明の液晶表示装置の構成を実施するために、市販されている配向膜を用いてもよい。例えば、ジェイエスアール社製のAL1000、AL1068、AL1072、AL1077、AL1F00、AL3000、AL4000、AL5000、AL6000、AL7000、AL8000、AL1H659、AL60101、AL60601、JALS−146、JALS−212、JALS−246、JALS−406、JALS−445、JALS−469、JALS−550、JALS−552、JALS−553、JALS−555、JALS−556、JALS−566、JALS−725、JALS−1082、JALS−1085、JALS−1216、チッソ社製のPIA−5140、PIA−5150、PIA−5310、PIA−X322、PIA−2024、PIA−2700、PIA−2800、PIA−2900、日産化学社製のSE−130、SE−150、SE−2110、SE−410、SE−610、SE−1180、SE−2170、SE−1211、SE−1410、SE−3140、SE−3210、SE−3310、SE−3510、SE−5291、SE−5300、SE−6210、SE−7492、SE−7992、SE−7511L、SE−8192L、RN−1322、RN−1332、RN−1349、RN−1358、RN−1386、RN−1417、RN−1436、RN−1450、RN−1477、RN−1486などを単独で用いても良いし、これらの内の2種以上を混合して用いても良いし、また適宜他のポリマー成分を添加しても良いし、これらの製品に含まれる樹脂成分を適宜選択して用いてもよい。
配向膜の溶液に使用される溶剤としては、水、エタノール、メタノール、イソブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ジエチルエーテル、イソプロ
ピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトンなどのエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、2−ピロリドン、N−メチルピロリドンなどのピロリドン類、ブチルセロソルブなどを使用することができる。
液晶界面での液晶の方向を一様に揃える処理は、液晶のダイレクターを液晶表示装置用基板の水平近くまで配向させる必要のあるTNやIPS等といった液晶表示モードで用いられるものであり、レーヨンやコットンといった布で配向膜を擦るラビング処理や偏光を制御した光を照射する光配向処理等が用いられる。
液晶表示装置の液晶層厚みは、本発明の前記着色画素着色画素積層スペーサを用いて保持される。
着色画素積層スペーサの高さ測定には、触針式膜厚計のような接触式膜厚計から光干渉計やレーザー顕微鏡といった非接触膜厚測定機を用いることが可能であるが、基板への汚染性や測定精度を考慮すると非接触式膜厚計を用いることが望ましい。
液晶表示装置の製造において、一対の液晶表示装置用基板とで液晶を固定化する封止剤には、アクリル系樹脂などの光硬化樹脂やエポキシ系樹脂などの熱硬化樹脂を用いることができ、もしくは光硬化樹脂と熱硬化樹脂の両方の樹脂混合物を用いることが出来る。
液晶表示装置に使用される液晶材料としては、表示モード、駆動方式に応じて適宜選択することができ特に制限されない。本発明に使用するネマティック液晶としては、表示方式に応じて例えば、誘電異方性△εが正のもの、負のものを適宜用いることができる。
本発明の液晶表示装置の構成を実施するために、市販されている液晶を用いてもよい。例えば、メルク社製MLC−6601、MLC−6614、MLC−6686、MLC−6692、MLC−6608、MLC−6609、MLC−6610、MLC−6222、MLC−6252、MLC−6256、MLC−6625、MLC−6628などを使用することが出来る。
液晶表示装置用基板への液晶材料の滴下には、プランジャポンプ方式のディスペンサが用いられる。液晶材料滴下用ディスペンサは、円筒状の筐体に液晶材料を導入し、細長い棒状のプランジャを鉛直方向に移動させることによって液晶をノズルから滴下する。液晶材料の滴下量の調整は、ポンプコントローラを用いてのプランジャの移動量によって行う。
一対のカラーフィルタ基板とアレイ基板を貼り合せる際に行う減圧は、1Pa以下で行うことが好ましい。1Pa以上の圧力で貼り合せを行うと液晶材料が十分に広がらなかったり、貼り合せ後にカラーフィルタ材料や液晶材料等から揮発性ガスが発生して液晶セル内に残存することにより気泡が発生することがある。
本発明の封止剤を硬化させる工程には、紫外線(UV)照射を用いる。UV照射を行う際には、表示画素部分に光を当てないようにする必要がある。封止剤にUV照射を行った後
、通常100〜150℃で30〜90分の加熱処理が行われる。本処理により、封止剤を熱硬化させるとともに、液晶材料の相転移温度以上の熱をかけることによって、液晶材料の再配向を促すことができる。こうして得られた液晶表示用基板を断裁後、駆動用ドライバ、偏光板及びバックライトユニットを装着することによって液晶表示装置として完成する。
本発明の液晶表示装置は、視野角を拡大するために、光学補償層として位相差フィルムを備えることができる。位相差フィルムとしては、延伸複屈折ポリマーフィルムが従来から使用されているが、延伸複屈折フィルムからなる光学補償シートに代えて透明支持体上に低分子あるいは高分子液晶性化合物から形成された光学異方性層を有する光学補償層を使用すること、又は延伸複屈折フィルムからなる光学補償層に加えて低分子あるいは高分子液晶性化合物から形成された光学異方性層を有する光学補償層を使用してもよい。また本光学補償層を液晶セルの内部に形成してもよい。
位相差フィルムの光学的性質は、液晶セルの光学的性質、具体的には前記のような表示モードの違いに応じて決定され、例えばIPSモード用位相差フィルムは、偏光板の視野角依存性を補償して全方位で黒表示の輝度を低くしコントラストの視角特性を向上させることができる。さらに位相差フィルムの光学的性質は、光の波長毎に最適な値に設計することで、色変化の少ない広視野特性を有する液晶表示装置を提供する。特にマルチギャップやマルチドメインと組合せると有効である。また視野角を拡大するのではなく、特定方向のみから表示が観察できるような狭視野角化も可能である。
本発明に利用可能な位相差フィルムとして、シクロオレフィンポリマー(以下、COPと称する)等の管状オレフィン系樹脂やTAC等のセルロース系樹脂を延伸処理したポリマー、やポリマーフィルム等からなる支持体上に、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類等の棒状液晶性分子(季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994)日本化学会編の第4章、第7章及び第11章、及び液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章などを参照)、ディスコティック液晶性化合物(C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page 111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(17)(1994);B.Kohne et al.,Angew. Chem.Soc.Chem.Comm.,page 1794(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc., vol.116,page 2655(1994))等などを参照)等の液晶性化合物を含有する組成物から形成された光学異方性層を有するフィルムが挙げられる。耐熱性、耐薬品性、透明性に優れ、剛性にも富むことから非液晶性ポリマーが好適に用いられる。
前記ポリマーとして、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド等のポリマーが例示でき、高配向性、高透明性の点からポリイミドが特に好ましい。 また、位相差フィルムとして市販のものを用いることもできる。例えば、日本ゼオン(株)社製(商品名「Zeonor」)、JSR(株)社製(商品名「Arton」)、コニカミノルタ(株)社製N−TACシリーズ、富士写真フィルム(株)社製フジタックシリーズなどが挙げられる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においてこれに限定されるものではない。また、顔料の記号はカラーインデックスナンバーを示し、例えば、「PR254」は「C.I.Pigment Red 254」を、「P
Y150」は「C.I.Pigment Yellow 150」を表す。
(硬化性樹脂組成物の調整)
[樹脂溶液(A−1)の合成]
反応容器にシクロヘキサノン800重量部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら加熱して、下記モノマーおよび熱重合開始剤の混合物を滴下して重合反応を行った。
スチレン 60重量部
メタクリル酸 60重量部
メチルメタクリレート 65重量部
ブチルメタクリレート 65重量部
熱重合開始剤 10重量部
連鎖移動剤 3重量部
滴下後十分に加熱した後、熱重合開始剤2.0重量部をシクロヘキサノン50重量部で溶解させたものを添加し、さらに反応を続けてアクリル樹脂の溶液を得た。この樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製し、樹脂溶液(A−1)とした。アクリル樹脂の重量平均分子量は、約10000であった。
[樹脂溶液(A−2)の合成]
反応容器にシクロヘキサノン800重量部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら加熱して、下記モノマーおよび熱重合開始剤の混合物を滴下して重合反応を行った。
スチレン 55重量部
メタクリル酸 65重量部
メチルメタクリレート 65重量部
ベンジルメタクリレート 60重量部
熱重合開始剤 15重量部
連鎖移動剤 3重量部
滴下後十分に加熱した後、熱重合開始剤2.0重量部をシクロヘキサノン500重量部で溶解させたものを添加し、さらに反応を続けてアクリル樹脂の溶液を得た。この樹脂溶液に固形分が30重量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製し、樹脂溶液(A−2)とした。アクリル樹脂の重量平均分子量は、約20000であった。
(着色組成物の形成)
<赤色着色組成物>
赤色顔料:C.I. Pigment Red 254 39.99重量部
赤色顔料:C.I. Pigment Red 177 4.50重量部
黄色顔料:C.I. Pigment Yellow 5.40重量部
分散剤(ビックケミー社製「Disperbyk-303」) 1.0重量部
樹脂溶液(A−1) 6.18重量部
樹脂溶液(A−2) 3.95重量部
多官能重合性モノマー 1.90重量部
光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュア−OXE02」) 0.20重量部
増感剤 0.29重量部
シクロヘキサノン 36.59重量部
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌し、混合した後、5μmのフィルターで濾過して、赤色着色組成物を得た。
<緑色着色組成物>
緑色顔料:C.I. Pigment Green58 40.90重量部
黄色顔料:C.I. Pigment Yellow 150 8.37重量部
分散剤 1.0重量部
樹脂溶液(A-1) 4.11重量部
樹脂溶液(A-2) 4.11重量部
多官能重合性モノマー 2.00重量部
光重合開始剤 0.2重量部
光増感剤 0.29重量部
シクロヘキサノン 39.02重量部
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌し、混合した後、5μmのフィルターで濾過して、緑色着色組成物を得た。
<青色着色組成物>
青色顔料:C.I. Pigment Blue 15 20.00重量部
分散剤 1.00重量部
樹脂溶液(A-1) 2.82重量部
樹脂溶液(A-2) 1.72重量部
多官能重合性モノマー 7.73重量部
光重合開始剤 0.94重量部
光増感剤 0.46重量部
シクロヘキサノン 33.76重量部
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌し、混合した後、5μmのフィルターで濾過して、青色着色組成物を得た。
(ブラックマトリクスの形成)
<黒色組成物>
光重合開始剤 5.3重量部
アクリル樹脂 10.7重量部
エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー 4.4重量部
黒色顔料分散液 23.4重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 56.2重量部
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌し、混合した後、5μmのフィルターで濾過して、黒色着色組成物を得た。
(着色層および着色画素積層スペーサの形成)
最初に、上記黒色着色組成物をガラス基板上に、スプレーコート法により均一に塗布し、乾燥させた。
次いで、フォトリソグラフィ法により、所望の遮光パターンを有するフォトマスクを介して紫外線を照射して露光した。
次に、該紫外線未露光部分を炭酸ソーダ水溶液からなる現像液を用いて、シャワー現像法にて洗い流して所望のパターンを形成した。
現像後よく水洗し、さらに乾燥後、230℃で60分加熱処理してパターンを硬化させ、ブラックマトリックスを形成した。
次に該ブラックマトリックスを形成した基板上に、スプレーコート法により、前記赤色着色組成物を均一に塗布し、乾燥させた。
次いで、該赤色着色組成物にフォトリソグラフィ法を用いて、赤色画素を形成すべき領域および着色画素積層スペーサを形成する領域に、所望の遮光パターンを有するフォトマスクを介して紫外線を照射して露光した。
次に、該紫外線の未露光部分を炭酸ソーダ水溶液からなる現像液を用いて、シャワー現像法にて洗い流して所望のパターンを形成した。
その後よく水洗し、さらに乾燥後、230℃で20分加熱処理して前記パターンを硬化させた。
次に、前記緑色着色組成物を用いて、赤色のパターン形成と同様の工程で、緑色画素を形成すべき領域、および着色画素積層スペーサを形成する領域に緑色のパターンを形成した。
さらに、前記青色着色組成物を用いて、赤色のパターン形成と同様の工程で、青色画素を形成すべき領域、および積層スペーサを形成する領域に青色のパターンを形成した。このとき、着色画素積層スペーサの最上部である青色は、積層1層目の赤色及び、2層目の緑色を覆い着色層による固着保護層により一体化することにより赤(R)、緑(G)、青(B)の3色からなる図2に示す着色層および着色画素積層スペーサを形成した。当実施例の赤(R)の平面視直径は25μm、緑(G)は14μmとし、青(B)はこれら2色を覆う大きさの33.7μmとした。なおこれらスペーサ径あるいはスペーサ密度は、画素サイズや必要とする耐圧力仕様により適宜調整できる。
(透明電極の形成)
上記のようにして得られたカラーフィルタの固定スペーサを含む表面に、基板温度200℃ でアルゴンと酸素を放電ガスとし、スパッタリング法によってITOをターゲットとして透明電極膜を膜厚1400Åにて形成した。
<比較例>
形成する着色画素積層スペーサを最上部である青色にて1層目、2層目を覆うことなく図1のように3層の積層とし実施例と同様の工程にてカラーフィルタ基板の作製を行った。
<評価>
着色画素積層スペーサの高さを実施例、比較例共に3.60μmとし、カラーフィルタ基板を作製。
(押圧試験)
前記カラーフィルタ基板の透明電極(以下、ITOと記載)上にポリイミドよりなる配向膜を形成し、TFTを形成したガラス基板上にVA液晶を必要量滴下し、上記カラーフィルタを重ね合わせ、UV硬化性樹脂をシール材として用い、常温で1Pa以下の真空状態で貼り合わせを行い、3.5J/cm2の照射量で露光することによりシール材を硬化させセル組みし、本発明の液晶表示装置を作製した。
前記作製の液晶表示装置に対しカラーフィルタ側から先端径0.03mmのデジタルプッシュプルゲー
(アイコーエンジニアリング株式会社製)により10N〜50Nまで10N刻みで圧力をかけITOのクラック状態を評価した。
(直接荷重試験)
前記作製のカラーフィルタ基板上の着色画素積層スペーサについて直接荷重を100mN〜1000mNまで100mN刻みで加圧を行い、ITOクラックの発生の有無について評価をした。
表1、表2の結果より、本発明の着色画素積層スペーサはITOクラックの抑制効果があることがわかる。