JP2000162422A - カラーフィルタとその製造方法、液晶素子 - Google Patents

カラーフィルタとその製造方法、液晶素子

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JP2000162422A
JP2000162422A JP10335076A JP33507698A JP2000162422A JP 2000162422 A JP2000162422 A JP 2000162422A JP 10335076 A JP10335076 A JP 10335076A JP 33507698 A JP33507698 A JP 33507698A JP 2000162422 A JP2000162422 A JP 2000162422A
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ink
color filter
colored
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JP10335076A
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English (en)
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Ryuichi Yokoyama
隆一 横山
Shoji Shiba
昭二 芝
Takeshi Okada
岡田  健
Masaji Sofue
正司 祖父江
Hideaki Takao
英昭 高尾
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明基板上に遮光層と感光性樹脂組成物から
なるインク受容層を形成し、該インク受容層の被着色部
にインクを付与して着色部を形成するカラーフィルタの
製造方法において、着色工程における位置合わせ精度を
向上し且つ位置合わせにかかる時間を短縮する。 【解決手段】 遮光層形成時或いはインク受容層のパタ
ーン露光の際に、着色部形成位置座標を示す複数のアド
レスマークを形成しておくことにより、着色工程におい
ては、該アドレスマークを追従して、該マークのアドレ
ス情報に基づいて被着色部の位置を特定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーテレビや車
載テレビ、パーソナルコンピュータ、パチンコ遊戯台な
どのカラー表示装置に用いられるカラーフィルタの製造
方法に関し、さらには該製造方法で製造されるカラーフ
ィルタと該カラーフィルタを用いて構成される液晶素子
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータの発達、
特に携帯用パーソナルコンピュータの発達に伴い、液晶
ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイの需要
が増加している。しかしながら、さらなる普及のために
は、コストダウンと高性能化が必須である。そこで、低
コストで高性能のカラーフィルタの要求を満足するため
に、従来の染色法や電着法、顔料分散法の欠点を補うべ
く、インクジェット方式によるカラーフィルタの製造方
法が提案されている。
【0003】インクジェット方式によれば、複数色の着
色工程を1回で行なうことができるため、顔料分散法な
どに比べて工程数が大幅に短縮されるので、生産性が高
く、コストダウンには有効な方式である。一般的なイン
クジェット方式によるカラーフィルタの製造方法では、
透明基板上にブラックマトリクス等の遮光層を形成し、
その上にインクを吸収するインク受容層を感光性樹脂組
成物で塗布形成し、パターン露光してインク吸収性を有
する被着色部とインク吸収性が低い(或いは持たない)
非着色部を形成し、被着色部にインクジェット方式によ
りインクを付与し、着色部を形成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したインクジェッ
ト方式により製造されたカラーフィルタにおいては、パ
ターン露光時の遮光層の開口部と被着色部との位置ずれ
や、被着色部へのインク付与位置のずれにより、白抜け
や混色などの不良が発生して歩留が低下する場合があっ
た。そのため、各形成工程では高精度の位置合わせが必
要であり、生産性を低下させると共に、設備投資の増大
でコストダウンの妨げとなっていた。
【0005】特に、被着色部にインクを付与する着色工
程においては、基板上に形成された2〜4個のアライメ
ントマークを読み取ることで基板の位置合わせを行な
い、機械的精度により所定の位置にインクを付与してい
たため、アライメントに時間がかかると共に、半導体素
子の製造に用いられるような高精度の大型装置が必要に
なり、最もコストを左右する工程であると考えられる。
【0006】また、上記アライメントマークは一般に十
字型や□型の単純形状であり、マークとマークの間の位
置は装置の機械的精度に依存していた。そのため、液晶
パネルの大型化に伴って、相対的に位置ずれが大きくな
り、タクトや欠陥発生等の生産性の低下が懸念されてい
る。
【0007】さらに、混色欠陥を防止するには、インク
受容層の被着色部の中心にインクを付与する必要がある
が、従来の位置合わせは基板に形成されたアライメント
マークを検知して行なっていたため、インク受容層をパ
ターン露光する際のパターンずれによって被着色部の位
置が本来の位置からずれている場合には、その位置補正
を行なうことができなかった。この位置補正は、インク
受容層にアライメントマークを形成し、該マークを検出
することで行なうことができるが、従来のアライメント
マークではタクトの短縮や装置の簡略化は困難であっ
た。
【0008】本発明の目的は、上記問題点に鑑み、カラ
ーフィルタ製造時の着色工程において着色部の形成位置
精度を向上しつつ、タクト短縮と装置の簡略化を行な
い、生産性を向上させることにあり、より具体的には、
上記着色工程における被着色部の位置合わせを高精度且
つ簡易にしたカラーフィルタの製造方法を提供すること
にある。本発明はさらに、該製造方法により高品質のカ
ラーフィルタを歩留良く安価に提供することにあり、さ
らには、該カラーフィルタを用いて、カラー表示に優れ
た液晶素子をより安価に提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、透明基
板上に、開口部を有する遮光層を形成する工程と、光照
射或いは光照射と熱処理によりインク吸収性の変化する
感光性樹脂組成物を用いてインク受容層を形成する工程
と、該インク受容層をパターン露光してインク吸収性を
有し上記開口部に少なくとも位置する被着色部と該被着
色部よりインク吸収性の低い非着色部を形成する工程
と、上記被着色部にインクを付与して着色部を形成する
工程と、インク受容層全体を硬化させる工程を有するカ
ラーフィルタの製造方法であって、上記透明基板上に予
め着色部形成位置座標を示す複数のアドレスマークを形
成し、上記被着色部にインクを付与する工程において、
該アドレスマークを検知しその情報に基づいてインクを
付与する位置を特定することを特徴とするカラーフィル
タの製造方法である。
【0010】また本発明の第2は、上記本発明の製造方
法で製造されたことを特徴とするカラーフィルタであ
り、第3は、一対の基板間に液晶を挟持してなり、一方
の基板を上記本発明のカラーフィルタを用いて構成した
ことを特徴とする液晶素子である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のカラーフィルタの製造方
法においては、着色部形成位置座標を示す複数のアドレ
スマークを透明基板上に形成することにより、従来、装
置の機械的精度に依存していたマークとマーク間の位置
合わせを、アドレスマーク自体で行なうものである。本
発明にかかるアドレスマークは、バーコード、光ディス
ク等で用いられている微小ピット、或いは、種々の形状
のマークをCCDカメラで取り込み画像処理により判別
することにより、特定の位置を指示できるものであれば
良い。特に、高精度で高速な処理を行なうためには、バ
ーコードやピット情報を光学的に読み込む方式が望まし
い。
【0012】本発明にかかるアドレスマークは、具体的
には透明基板上に遮光層を形成する際に遮光層と同じ素
材で形成することができる。即ち、遮光層を黒色樹脂や
金属薄膜で形成する場合に、開口部を形成するためのパ
ターニング時にアドレスマークを同時にパターニングす
ることにより、容易に形成することができる。
【0013】また、本発明にかかるアドレスマークはイ
ンク受容層に形成することも可能である。インク受容層
をパターン露光して被着色部と非着色部を形成する工程
において、インク吸収性を高めるためにベークした際
に、露光部と未露光部で段差が形成される。従って、上
記パターン露光の際のフォトマスクにアドレスマークの
パターンを形成しておくことにより、インク受容層にア
ドレスマークを形成することができる。この場合、各マ
ーク部での検出感度は、反射光量がマークの高さを検出
する光の波長の1/8にすることで最大になるため、検
出する光源及びインク受容層の硬化エネルギー量を調節
することで任意に設定することができる。
【0014】さらに、上記アドレスマークを追従させる
方法としては、光ディスクのトラッキングに使われるP
ush−Pull法やwobbled mark法等が
応用可能である。具体的には、情報ピットの両側にガイ
ドラインを形成して、該ガイドラインで反射回折された
光を、2本のガイドラインの中心に対して対称に配置さ
れた2つの受光部での出力差として取り出すことによっ
て、トラッキングエラー信号を検出することができる。
この方法では、0次回折光と1次回折光の和を検出して
いるため、位置ずれによる干渉効果でずれ量とずれ方向
を検出することができ、高速且つ高精度でガイドライン
に追従させることができ、正確にアドレス情報を読み込
むことが可能である。前記Push−Pull法を用い
る場合には、ガイドラインの高さを使用するレーザー光
波長の1/8にすることが望ましい。これは、ガイドラ
インの高さがλ/4の時、露光部と非露光部のそれぞれ
で反射回折された光の位相差がπとなるため、お互いに
干渉されて打ち消されるため信号が得られなくなり、ま
た、段差がなければエラー信号が0になるため、これら
の中間のλ/8の高さが最も望ましいと考えられるから
である。
【0015】さらに、本発明にかかるアドレスマークと
して、バーコードのような幅広い情報信号を形成するこ
とで、アドレスマークの記録位置を速やかに検出するこ
とができ、情報読み取り機構を簡略化することができる
ため、好ましい。
【0016】図2に、本発明のカラーフィルタの一実施
形態の平面模式図を示す。図中、2は遮光層、9の点線
で囲まれた内側は着色部、外側が非着色部、12は遮光
層2の開口部である。さらに、13a及び13bは本発
明にかかるアドレスマークの形成領域であり、一方にX
方向、他方にY方向の各着色部形成位置座標(アドレス
情報)を示すアドレスマークを形成する。着色工程にお
いては、13a及び13bのアドレスマークを検出し、
該マークから読み出したX方向及びY方向のそれぞれの
アドレス情報に基づいて、着色すべき被着色部の位置を
特定し、インクを付与する。その結果、高速で且つ高精
度に着色部形成位置、即ち被着色部の位置を特定するこ
とができ、白抜けや混色を生じることなく歩留良く着色
することができる。
【0017】また、本発明においては、図2の領域13
a及び13b以外にも、有効領域内の遮光層2の隣接す
る開口部12間にアドレスマークを形成しておくことに
より、さらに高精度に被着色部の位置を特定することが
可能となる。
【0018】図1に、本発明のカラーフィルタの製造方
法の好ましい一実施形態の工程図を示す。本実施形態
は、遮光層形成時にアドレスマークを形成する。図1の
(a)〜(e)は下記工程(a)〜(e)にそれぞれ対
応する断面模式図である。以下、各工程を説明する。
【0019】工程(a) 透明基板1上に遮光層(通常、ブラックマトリクス)2
とアドレスマーク3を形成し、その上に光照射或いは光
照射と熱処理によってインク吸収性の変化する感光性樹
脂組成物を用いてインク受容層4を形成する。本実施形
態では、光照射或いは光照射と熱処理によって樹脂が硬
化し、インク吸収性が低下(或いは消失)するネガ型の
樹脂組成物を用いた例を示す。
【0020】本発明に用いる透明基板1としては一般に
ガラス基板が用いられるが、カラーフィルタとしての透
明性、機械的強度等の必要特性を有するものであればガ
ラス基板に限定されるものではない。
【0021】また、遮光層2及びアドレスマーク3は、
スパッタもしくは蒸着により金属薄膜を形成し、フォト
リソ工程によりパターニングする方法が一般的である
が、それに限定されるものではなく、例えば黒色樹脂層
を形成してパターニングすることによっても得られる。
また、アドレスマーク3は、基本的には最終的に液晶素
子を形成した際の表示領域を有効領域としてその外側で
ある基板端部に形成されることが好ましい。
【0022】本発明においてインク受容層4を形成する
ネガ型の感光性樹脂組成物の基材樹脂としては、アクリ
ル系、エポキシ系、アミド系などの樹脂が用いられる
が、特にこれらに限定されるものではない。これらの樹
脂で、光或いは光と熱の併用によって架橋反応を進行さ
せるために、光開始剤(架橋剤)を用いることも可能で
ある。光開始剤としては、重クロム酸塩、ビスアジド化
合物、ラジカル系開始剤、カチオン系開始剤、アニオン
系開始剤等が使用可能である。また、これらの光開始剤
を混合して、或いは他の増感剤と組み合わせて使用する
こともできる。さらに、オニウム塩などの光酸発生剤を
架橋剤と併用することも可能である。尚、架橋反応をよ
り進行させるために、光照射後に熱処理を施しても良
い。
【0023】また、インク受容層4を、光照射または光
照射と熱処理によりインク吸収性が増加(或いは発現)
するポジ型の感光性樹脂組成物を用いて形成する場合、
このような樹脂組成物としては、具体的には化学増幅に
よる反応を利用する系が好ましく、基材樹脂としては、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース等のセルロース誘導体の水酸基をエステル化した
もの或いはアセチル基等によってブロックしたもの
(例:酢酸セルロース系の化合物など);ポリビニルア
ルコール等の高分子アルコール及びそれらの誘導体の水
酸基をエステル化したもの或いはアセチル基等でブロッ
クしたもの(例:ポリ酢酸ビニル系の化合物など);ク
レゾールノボラック等のノボラック樹脂、ポリパラヒド
ロキシスチレン及びそれらの誘導体の水酸基を例えばト
リメチルシリル基でブロックしたもの等が用いられる
が、本発明がこれらに限定されるものではない。
【0024】本発明において、露光によりインク吸収性
に実質的な差を生じさせるためには、一般的には親水基
に変換可能な官能基の親水基への変換率が30%以上で
あることが好ましい。この場合の親水基定量法として
は、IR、NMR等のスペクトル分析が有効である。
【0025】また、光開始剤としては、トリフェニルス
ルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のオニウム
塩、トリクロロメチルトリアジン等のハロゲン化有機化
合物、或いはナフトキノンジアジド或いはその誘導体が
好適に用いられるが、これらに限定されるものでなく、
結果的に光照射或いは光照射と熱処理によって光照射部
分のインク吸収性が増加する組成からなるものであれば
良い。
【0026】インク受容層4の形成には、スピンコー
ト、ロールコート、バーコート、スプレーコート、ディ
ップコート等の塗布方法を用いることができ、特に限定
されるものではない。また、塗布後に必要に応じてプリ
ベークを行なう。
【0027】工程(b) フォトマスク5を用いて、インク受容層4にパターン露
光を行なうことにより、露光部分を硬化させてインク吸
収性を低下させ、非着色部6を形成する。露光されなか
った領域はインク吸収性が高く被着色部7となる。隣接
する被着色部7間にインク吸収性の低い非着色部6が介
在するため、該非着色部6によって、隣接する着色部間
での混色が防止される。ここで用いるフォトマスク5
は、遮光層2による遮光部分を硬化させるための開口部
を有するものを使用するが、遮光層2に接する部分での
色抜けを防止するために、多めのインクを付与する必要
があることを考慮すると、遮光層2の遮光幅よりも狭い
開口部を有するマスクを用いることが好ましい。
【0028】本発明において、アドレスマーク3を遮光
層2と同時に形成した本実施形態のような場合には、パ
ターン露光の際に、着色部形成位置座標、即ち被着色部
7の位置情報を示すアドレスマーク3を用いて、遮光層
2の開口部と未露光部分(被着色部7)の位置合わせを
高精度に行なうことができ、遮光層2の開口部と着色部
との位置ずれを低減させることができる。
【0029】工程(c) インクジェットヘッド(図示しない)を用いて、被着色
部7にR(赤)、G(緑)、B(青)の各色のインク8
を所定の着色パターンに応じて付与する。
【0030】着色に用いるインクとしては、色素系、顔
料系共に用いることが可能であり、また、液状インク、
ソリッドインク共に使用可能であるが、水性インクを用
いる場合には、インク受容層4を吸水性の高い樹脂組成
物で形成しておくことが好ましい。また、常温で液体の
ものに限らず、室温やそれ以下で固化するインクであっ
て、室温で軟化するもの、もしくは液体であるもの、或
いは通常のインクジェット方式ではインク自体を30℃
〜70℃の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安
定な範囲に制御していることから、インク吐出時にイン
クが液状をなすものが好適に用いられる。
【0031】さらに、インクジェット方式としては、エ
ネルギー発生素子として電気熱変換体を用いたバブルジ
ェットタイプ、或いは圧電素子を用いたピエゾジェット
タイプ等が使用可能であり、着色面積及び着色パターン
は任意に設定することができる。
【0032】本発明においては、前記したように、当該
着色工程において、アドレスマーク3を検出しその情報
に基づいてインクを付与する被着色部7の位置を特定
し、インクを付与する。
【0033】工程(d) 被着色部7に付与されたインク8は該被着色部7に浸透
して着色部8を形成する。必要に応じてインクの乾燥を
行なった後、基板全面に光照射或いは熱処理を施して着
色部9を硬化させる。
【0034】工程(e) 必要に応じて保護層10を形成する。保護層10として
は、光硬化タイプ、熱硬化タイプ或いは光熱併用タイプ
の樹脂層や、蒸着、スパッタ等によって形成される無機
膜等を用いることができ、カラーフィルタとした場合の
透明性を有し、その後のITO形成プロセス、配向膜形
成プロセス等に耐え得るものであれば使用可能である。
【0035】次に、本発明のカラーフィルタを用いて構
成した液晶素子について説明する。図3は図1の工程で
形成したカラーフィルタを組み込んだアクティブマトリ
クス型液晶素子の実施形態の断面模式図である。図3に
おいて、22は共通電極、23は配向膜、26は基板、
27は画素電極、28は配向膜、24は液晶化合物、2
9はバックライト光、30は出射光であり、図1と同じ
部材には同じ符号を付した。
【0036】カラー表示の液晶素子は、一般的にカラー
フィルタ側基板(1)とTFT基板(26)とを合わせ
込み、液晶化合物24を封入することにより形成され
る。液晶素子の一方の基板の内側に、TFT(不図示)
と透明な画素電極27がマトリクス状に形成される。ま
た、もう一方の基板1の内側には、画素電極27に対向
する位置にR、G、Bの各着色部9が配列するようにカ
ラーフィルタが設置され、その上に透明な共通電極22
が一面に形成される。さらに、両基板の面内には配向膜
23、28が形成されており、これらをラビング処理す
ることにより液晶分子を一定方向に配列させることがで
きる。
【0037】基板1、26の外側にはそれぞれ偏光板
(不図示)が接着され、バックライトとして一般的に蛍
光灯(不図示)と散乱板(不図示)の組み合わせを用
い、液晶化合物をバックライト光の透過率を変化させる
光シャッターとして機能させることにより表示を行な
う。
【0038】また、上記実施形態は透過型の液晶素子で
あるが、基板26や画素電極27を光反射能の高い金属
で形成したり、或いは別途反射層を設けることにより、
反射型の液晶素子を構成することも可能であり、その場
合には偏光板は観察者側にのみ配置して用いる。
【0039】本発明の液晶素子においては、本発明のカ
ラーフィルタを用いて構成していれば良く、他の構成部
材については、その素材や製法等、従来の液晶素子の技
術を適用することが可能である。
【0040】
【実施例】(実施例1)表面研磨した無アルカリガラス
からなるガラス基板上にクロム薄膜をスパッタリングに
より0.2μm厚に形成し、フォトリソグラフィにより
開口部を有する形状にパターニングしてブラックマトリ
クスを形成した。この時、パネルの有効領域(液晶素子
を構成した際の表示領域)外のX方向とY方向に各々着
色部形成位置の座標を示す横幅20mmのバーコードに
よるアドレスマークを形成した。
【0041】次いで、下記組成からなるアクリル系共重
合体97重量部に、 アクリル酸 3重量部 メチルメタクリレート 49重量部 ヒドロキシエチルメタクリレート 29重量部 N−メチロールアクリルアミド 19重量部 トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネ
ート3重量部を混合し、該混合物83重量部にγ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン17重量部を混合
し、さらに該混合物15重量部にエチルセロソルブ85
重量部を加えてなる感光性樹脂組成物を、上記ブラック
マトリクスを形成した基板上にスピンコート塗布し、5
0℃で10分間乾燥して1μm厚のインク受容層を形成
した。
【0042】次いで、ブラックマトリクスの幅よりも狭
い開口部を有するフォトマスクを介して露光を行ない、
ホットプレート上で120℃で90秒間の熱処理を施
し、上記インク受容層に被着色部と非着色部を形成し
た。
【0043】上記被着色部に、前記アドレスマークのバ
ーコード読み取り用光学ユニットと一体化したインクジ
ェットヘッドを用いてインクを付与した。先ず、有効領
域方向に任意に上記インクジェットヘッドを移動させ
る。次いで、上記アドレスマークを横切る際の信号を検
出することで、アドレスマークに追従させて記録された
アドレス情報を読み込ませる。さらに、X方向、Y方向
のアドレス情報に基づいて、自動的に着色開始位置に移
動し、アドレス情報を常時もしくは定期的に読み込むこ
とで、着色位置を特定して下記に示したR、G、Bの各
インクを所定の被着色部に吐出して、R、G、Bのマト
リクスパターンを着色した。
【0044】〔インクの組成〕 着色材 5重量部 R:C.I.アシッドレッド118 G:C.I.アシッドグリーン25 B:C.I.アシッドブルー113 エチレングリコール 20重量部 イソプロピルアルコール 5重量部 水 70重量部
【0045】被着色部にインクを付与後、90℃で10
分間の乾燥を行ない、引き続き230℃で30分間の熱
処理で着色部を硬化させた。続いて、カルビトールアセ
テートをスピンコート塗布した直後に、カルビトールア
セテートを85重量%含有する2液型の熱硬化型樹脂組
成物(日本合成ゴム社製「オプトマーSS6500」と
「オプトマーSS0500」の79:21(重量比)混
合物)を膜厚が1μmとなるようにスピンコート塗布
し、90℃で20分間乾燥後、230℃で60分間の熱
処理を行なって硬化させ、保護層を形成した。
【0046】上記のようにして作製された液晶素子用か
らフィルタを光学顕微鏡により観察したところ、混色や
白抜け等の欠陥は認められなかった。
【0047】(実施例2)実施例1のバーコードの代わ
りに、有効表示領域外のX方向とY方向にそれぞれ着色
部形成位置座標を示す1〜20μmの複数ピットからな
るアドレスマークを形成した。光学的制御としては、対
物レンズ、検出レンズ、円筒レンズ及び4分割受光部か
らなる非点収差法による光学ユニットでフォーカス制御
を行ないつつ、光源として633nmのレーザーを使用
して、wobble mark法でトラッキング制御を
行ない、アドレスマークを反射光量比で読み込んだ。こ
の時、フォーカス及びトラッキングユニットと一体化し
たインクジェットヘッドは、先ず、有効領域方向に任意
に移動させる。次いで、上記アドレスマークを横切る際
の信号を検出することで、アドレスマークに追従させて
記録させたアドレス情報を読み込ませる。さらに、前記
アドレス情報に基づいて、自動的に着色開始位置に移動
して、アドレス情報を常時もしくは定期的に読み込むこ
とで、着色位置を特定してR、G、Bの各インクを所定
の被着色部に吐出し、R、G、Bのマトリクスパターン
を着色した。他の工程については、実施例1と同様にし
てカラーフィルタを製造した。
【0048】本例のアドレスマークは、記録情報が緻密
であるため、さらに位置精度を高精度化することがで
き、混色や白抜けのない高品位のカラーフィルタを得る
ことができた。
【0049】(実施例3)実施例1のブラックマトリク
スを、膜厚が1.0μmの黒色樹脂層で形成し、有効領
域外のX方向とY方向にそれぞれ着色部形成位置座標を
示す1〜20μmの複数ピットからなるアドレスマーク
と、有効領域内のブラックマトリクスの開口部と開口部
の間に1〜20μmで凹部の高さが約160nmの複数
のピットからなるアドレスマークを形成したこと以外
は、実施例2と同様にしてカラーフィルタを製造した。
【0050】本例では、有効領域外のX方向とY方向の
アドレスマークにより、高速に基板を移動させ、次い
で、有効領域内に形成されたアドレスマークを読み込ん
で正確に被着色部の位置を特定した。具体的には、有効
領域外のアドレスマークにより基板を所定の位置付近ま
で高速で移動させ、次いで、ブラックマトリクスの開口
部間のアドレスマークにインクジェットヘッドを追従さ
せて、被着色部の位置を特定し、インクを付与した。
【0051】得られたカラーフィルタを光学顕微鏡にて
観察したところ、混色や白抜けなどの欠陥がなく、製造
歩留を飛躍的に向上できたと同時に、タクトが大幅に向
上した。また、アドレスマークに追従してインクジェッ
トヘッドが移動するため、装置を大幅に簡素化すること
ができた。
【0052】(実施例4〜6)ブラックマトリクス形成
時にアドレスマークを形成せず、インク受容層にパター
ン露光によって非着色部と形成すると同時に、実施例1
〜3と同様のアドレスマークを形成した以外は、実施例
1〜3と同様にしてカラーフィルタを製造した。尚、ア
ドレスマークの高さは約160nmとし、検出用光源は
波長633nmのレーザーを使用した。また、インクジ
ェットヘッドをアドレスマークに追従させるために、必
要に応じて約80nmのガイドラインを上記アドレスマ
ークの両側に形成した。
【0053】本例ではいずれもインク受容層にアドレス
マークを形成しているため、インクを非着色部の中央部
に付与することができるため、さらに欠陥の発生を防止
し、歩留を向上することができた。
【0054】(比較例)ブラックマトリクス形成時に、
インク受容層のパターン露光時の被着色部の位置決めア
ライメントマークと、着色工程における被着色部の位置
決めアライメントマークを形成し、各工程の位置合わせ
に各々のアライメントマークを用いた以外は実施例1と
同様にしてカラーフィルタを製造した。
【0055】得られたカラーフィルタを光学顕微鏡によ
り観察したところ、白抜け及び混色が確認された。
【0056】上記実施例1〜6及び比較例の評価結果を
下記表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
着色工程における被着色部の位置合わせを高精度且つ高
速に行なうことができ、高品位のカラーフィルタを歩留
良く安価に提供することが可能となり、該カラーフィル
タを用いて、カラー表示特性に優れた液晶素子をより安
価に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの製造方法の一実施形
態の工程図である。
【図2】本発明のカラーフィルタの一実施形態の平面模
式図である。
【図3】本発明の液晶素子の一実施形態の断面模式図で
ある。
【符号の説明】
1 透明基板 2 遮光層 3 アドレスマーク 4 インク受容層 5 フォトマスク 6 非着色部 7 被着色部 8 インク 9 着色部 10 保護層 12 遮光層の開口部 13a,13b アドレスマーク形成領域 22 共通電極 23 配向膜 24 液晶化合物 26 基板 27 画素電極 28 配向膜 29 バックライト光 30 出射光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 健 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 祖父江 正司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 高尾 英昭 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EB13 EB36 FB01 FB08 2H048 BA02 BA15 BA16 BA25 BA27 BA35 BA37 BA39 BA42 BA57 BA60 BA64 BB02 BB10 BB14 BB22 BB37 BB42 2H091 FA34Y FB02 FC01 FC18 FC22 GA01 LA12 LA15 4D075 AD02 CA48 DA06 DC22 EA45

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に、開口部を有する遮光層を
    形成する工程と、光照射或いは光照射と熱処理によりイ
    ンク吸収性の変化する感光性樹脂組成物を用いてインク
    受容層を形成する工程と、該インク受容層をパターン露
    光してインク吸収性を有し上記開口部に少なくとも位置
    する被着色部と該被着色部よりインク吸収性の低い非着
    色部を形成する工程と、上記被着色部にインクを付与し
    て着色部を形成する工程と、インク受容層全体を硬化さ
    せる工程を有するカラーフィルタの製造方法であって、
    上記透明基板上に予め着色部形成位置座標を示す複数の
    アドレスマークを形成し、上記被着色部にインクを付与
    する工程において、該アドレスマークを検知しその情報
    に基づいてインクを付与する位置を特定することを特徴
    とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記アドレスマークを、遮光層形成工程
    において該遮光層と同じ素材で形成する請求項1記載の
    カラーフィルタの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記アドレスマークを、インク受容層の
    パターン露光において形成する請求項1記載のカラーフ
    ィルタの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記被着色部にインクを付与する手段が
    インクジェット方式である請求項1〜3いずれかに記載
    のカラーフィルタの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記アドレスマークを、有効領域外のX
    方向及びY方向に形成する請求項1記載のカラーフィル
    タの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記アドレスマークを、有効領域内の遮
    光層の隣接する開口部間にも形成する請求項5記載のカ
    ラーフィルタの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方
    法によって製造されたことを特徴とするカラーフィル
    タ。
  8. 【請求項8】 一対の基板間に液晶を挟持してなり、一
    方の基板を請求項7記載のカラーフィルタを用いて構成
    したことを特徴とする液晶素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008197256A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Dainippon Printing Co Ltd 位相差制御部材とそのアライメント調整方法、およびカラーフィルタの製造方法
CN106371241A (zh) * 2010-07-26 2017-02-01 伊英克公司 用于在显示器基板上形成滤光元件的方法、设备和系统

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