JP2008196560A - 断熱ホースとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 外周面に長さ方向に小間隔毎に円環状突条を突設している可撓性を有する合成樹脂製ホース主体を円筒形状の発泡合成樹脂製断熱材によって被覆してなる断熱ホースであって、空調機の排水口に対してその一端接続口部を周方向に捩回しながら密嵌させる作業を、ホース主体に対して発泡合成樹脂製断熱材を周方向に捩れさせることなく円滑且つ正確に行えるようにする。
【解決手段】 合成樹脂製ホース主体1の外周面に小間隔毎に突設している円環状突条3の頂部の一部に係止突起部6を突設してこの係止突起部6を発泡合成樹脂製断熱材2の内周面に食い込ませてあり、排水口に対する接続時にホース主体1と発泡合成樹脂製断熱材2とをこの係止突起部6を介して一体に捩回させながら接続作業が行えるように構成している。
【選択図】 図1
【解決手段】 合成樹脂製ホース主体1の外周面に小間隔毎に突設している円環状突条3の頂部の一部に係止突起部6を突設してこの係止突起部6を発泡合成樹脂製断熱材2の内周面に食い込ませてあり、排水口に対する接続時にホース主体1と発泡合成樹脂製断熱材2とをこの係止突起部6を介して一体に捩回させながら接続作業が行えるように構成している。
【選択図】 図1
Description
本発明は、冷房装置などの空調機のドレーンホースとして使用に適した可撓性を有する断熱ホースとその製造方法に関するものである。
従来からこの種の断熱ホースとしては、例えば、特許文献1に記載されているように、両端部を接続口部に形成していると共にこれらの接続口部間の外周に一定の外径を有する断面V字状の円環状突条を長さ方向に所定間隔毎に突設してなる可撓性を有する合成樹脂製のホース主体と、内径が上記円環状突条の外径よりも小径の円筒形状に形成されている発泡合成樹脂製断熱材とを別々に製造しておき、この円筒形状の断熱材を上記合成樹脂製のホース主体に外嵌させて断熱材の内層部に上記円環状突条の頂部を食い込ませてなる断熱ホースが知られている。
また、円筒形状の発泡合成樹脂製断熱材の内周面に合成樹脂製ホース主体の円環状突条を食い込ませることなくこの円環状突条の頂面にその内周面を接するようにして合成樹脂製ホース主体に発泡合成樹脂製断熱材を被覆し、この発泡合成樹脂製断熱材の両端部内周面を合成樹脂製ホース主体の両端部における円環状突条の頂部に接着剤によって固定してなる断熱ホースも特許文献2に記載されている。
特許第3371243号公報
特許第3774205号公報
上記前者の断熱ホースにおいては、合成樹脂製ホース主体の外周面に突設している円環状突条の頂部を円筒形状の発泡合成樹脂製断熱材の内周面に食い込ませているので、常態においてはこれらの合成樹脂製ホース主体と発泡合成樹脂製断熱材とが長さ方向に相対移動するのを防止することができて優れた外観を保持することができるという利点を有する反面、合成樹脂製ホース主体と発泡合成樹脂製断熱材とは周方向に対しては円環状突条をガイドとして自由に相対移動が可能な構造となっているため、例えば、この断熱ホースの発泡合成樹脂製断熱材の端部を把持して捩じる方向に回転させながらその接続口を押し進めて空調機の排水口に圧入、外嵌させる作業を行う時に、発泡合成樹脂製断熱材の端部が合成樹脂製ホース主体の外周面に対して捩回し、発泡合成樹脂製断熱材の内周面に対する円環状突条の食い込み位置がずれた状態となって外観を損するばかりでなく、合成樹脂製ホース主体の端部が露出したり合成樹脂製ホース主体と発泡合成樹脂製断熱材との端部間に隙間が生じて断熱機能が低下し、結露が生じる虞れがあった。
一方、後者の断熱ホースによれば、合成樹脂製ホース主体を被覆している発泡合成樹脂製断熱材の両端部内周面を合成樹脂製ホース主体の両端部における円環状突条の頂部に接着剤によって固定しているので、常態においては、これらの合成樹脂製ホース主体と発泡合成樹脂製断熱材とが長さ方向及び周方向のいずれの方向に対しても相対移動するのを防止しておくことができる。
しかしながら、上述したように、合成樹脂製ホース主体の端部の接続口を空調機の排水口に接続させる際に、この断熱ホースの発泡合成樹脂製断熱材の端部を把持して捩じる方向に回転させると、該発泡合成樹脂製断熱材の端部内周面を合成樹脂製ホース主体の端部における円環状突条の頂部に固定させている接着剤が剥がれて発泡合成樹脂製断熱材が合成樹脂製ホース主体の円環状突条上を長さ方向及び周方向に自由に移動可能となり、合成樹脂製ホース主体と発泡合成樹脂製断熱材との端部間に隙間が生じて断熱機能が低下するといった問題点がある。
また、前者の断熱ホースによれば、発泡合成樹脂製断熱材の内径が合成樹脂製ホース主体の外周面に突設している円環状突条の外径よりも小径であるために、該発泡合成樹脂製断熱材をホース主体に外嵌させて製造する作業が極めて困難であり、多量生産に適さないという問題点がある。一方、後者の断熱ホースによれば、円筒形状の発泡合成樹脂製断熱材の内径を、その内周面が合成樹脂製ホース主体の円環状突条の頂面に接する程度の径に形成しているので、該発泡合成樹脂製断熱材を合成樹脂製ホース主体に比較的円滑に外嵌させることができるが、その状態においては、発泡合成樹脂製断熱材と合成樹脂製ホース主体とは長さ方向及び周方向に相対移動が可能であるので、精度のよい施工ができなくなる虞れがあり、そのため、上述したように発泡合成樹脂製断熱材の端部内周面を合成樹脂製ホース主体の端部における円環状突条の頂部に接着剤によって固定する必要があり、その作業に著しい手間を要して生産性が低下することになる。
本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、外周面に円環状突条又は螺旋突条を一体に設けてなる合成樹脂製ホース主体に円筒形状の発泡合成樹脂製断熱材を被せてなる断熱ホースであって、接着剤によることなく合成樹脂製ホース主体と発泡合成樹脂製断熱材との周方向の相対移動を強固に防止して空調機の排水口等に対する接続作業が円滑且つ確実に行えると共に優れた断熱機能を発揮し得る接続構造を得ることができる断熱ホースと、この断熱ホースを正確に能率よく、且つ、安価に製造できる方法を提供するにある。
上記目的を達成するために、本発明の断熱ホースは、請求項1に記載したように、外周面に多数の円環状突条を長さ方向に所定間隔毎に突設していると共に両端部に接続口部を形成している可撓性を有する合成樹脂製ホース主体と、この合成樹脂製ホース主体を被覆している円筒形状の発泡合成樹脂製断熱材とからなる断熱ホースにおいて、合成樹脂製ホース主体の少なくとも一方の接続口部側の端部に突設している円環状突条の頂部の一部に上記発泡合成樹脂製断熱材の内周面に食い込ませている係止突起部を突設していることを特徴とする。
このように構成した断熱ホースにおいて、請求項2に係る発明は、上記合成樹脂製ホース主体の全長に亘って一定間隔毎に円環状突条の頂部の一部に係止突起部を突設していることを特徴とし、さらに、請求項3に係る発明は、係止突起部と共に全ての円環状突条の頂部を発泡合成樹脂製断熱材の内周面に食い込ませていることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、上記請求項1に記載の発明において、合成樹脂製ホース主体として、外周面に円環状突条に代えて長さ方向に連続した螺旋突条を突設し、該螺旋突条の頂部の一部に係止突起部を設けてなる可撓性を有する合成樹脂製ホース主体を使用していることを特徴とする。即ち、この断熱ホースは、外周面に長さ方向に連続した螺旋突条を突設していると共に両端部に接続口部を形成している可撓性を有する合成樹脂製ホース主体と、この合成樹脂製ホース主体を被覆している円筒形状の発泡合成樹脂製断熱材とからなる断熱ホースにおいて、合成樹脂製ホース主体の少なくとも一端部に突設している螺旋突条の頂部の一部に上記発泡合成樹脂製断熱材の内周面に食い込ませた係止突起部を突設していることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は上記断熱ホースの製造方法であって、外周面に多数の円環状突条を長さ方向に所定間隔毎に突設していると共に両端部に接続口部を形成し且つ少なくとも長さ方向の端部側に突設した円環状突条の頂部の一部に係止突起部を突設してなる可撓性を有する合成樹脂製ホース主体を硬質管状保持具に抜き取り可能に被嵌したのち、この硬質管状保持具の先端部に位置する合成樹脂製ホース主体の端部に内径が円環状突条の外径と同径又は外径よりも小径で且つ合成樹脂製ホース主体の外周面の径よりも大径の円筒形状の発泡合成樹脂製断熱材の一端部を被せると共に、硬質管状保持具の先端から延長方向に突出している該発泡合成樹脂製断熱材の他端部を閉じた状態にして硬質管状保持具の基端部側からこの硬質管状保持具内を通じて上記発泡合成樹脂製断熱材に圧縮空気を供給することにより該発泡合成樹脂製断熱材を拡径方向に膨脹させ、この膨脹によって発泡合成樹脂製断熱材を円環状突条の頂面に沿って押し進めることにより合成樹脂製ホース主体を被覆し、しかるのち、圧縮空気の供給を停止することにより発泡合成樹脂製断熱材をその弾性復元力により縮径させてその内周面に合成樹脂製ホース主体の円環状突条に突設している上記係止突起部を食い込ませることを特徴とする。
この請求項5に記載の断熱ホースの製造方法において、請求項6に係る発明は、上記硬質管状保持具の基端部外周面に受止突部を突設してあり、この硬質管状保持具に軟質合成樹脂製ホース主体をその一端面が上記受止突部に当接させた状態に被嵌させ、さらに、圧縮空気によって膨脹、拡径した発泡合成樹脂製断熱材を上記受止突部又は合成樹脂製ホース主体の一端部の拡大接続口の外周背面に当接するまで押し進めて合成樹脂製ホース主体に被覆させることを特徴とする。
また、請求項7に係る発明は、上記請求項5に記載の断熱ホースの製造方法において、合成樹脂製ホース主体として、外周面に円環状突条に代えて長さ方向に連続した螺旋突条を突設し、該螺旋突条の端部における頂部の一部に係止突起部を設けてなる可撓性を有する合成樹脂製ホース主体を使用し、この合成樹脂製ホース主体に発泡合成樹脂製断熱材を被せた時に、該発泡合成樹脂製断熱材の内周面に係止突起部を螺旋突条と共に食い込ませることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、外周面に多数の円環状突条を長さ方向に所定間隔毎に突設していると共に両端部に接続口部を形成している可撓性を有する合成樹脂製ホース主体と、この合成樹脂製ホース主体を被覆している円筒形状の発泡合成樹脂製断熱材とからなる断熱ホースにおいて、合成樹脂製ホース主体の少なくとも一方の接続口部側の端部に突設している円環状突条の頂部の一部に上記発泡合成樹脂製断熱材の内周面に食い込ませている係止突起部を突設しているので、この係止突起部によって合成樹脂製ホース主体を被覆している発泡合成樹脂製断熱材が合成樹脂製ホース主体に対して不測に周方向に摺動移動するのを強固に阻止することができる。
従って、この断熱ホースにおける合成樹脂製ホース主体の一方の接続口部を空調機の排水口に捩じるようにして圧入することにより接続する際に、その接続口部側の発泡合成樹脂製断熱材の端部を把持して捩じり方向に回動させれば、その捩回力を係止突起部を介して合成樹脂製ホース主体に確実に伝達させることができ、発泡合成樹脂製断熱材の端部を合成樹脂製ホース主体の接続口部と一体的に捩じり方向に回動させることができて排水口に対する接続作業が円滑且つ確実に行えると共に発泡合成樹脂製断熱材の開口端から合成樹脂製ホース主体の端部外周面に突設している円環状突条が露出したりする虞れもなく、優れた断熱機能を発揮し得る接続構造を得ることができる。
さらに、請求項2に係る発明によれば、合成樹脂製ホース主体の全長に亘って一定間隔毎に円環状突条の頂部の一部に係止突起部を突設しているので、この合成樹脂製ホース主体に被嵌している発泡合成樹脂製断熱材が合成樹脂製ホース主体に対してどの部位においても周方向および長さ方向への妄動を防止することができて安定した形態の断熱ホースを提供することができるばかりでなく、施工時等において湾曲させた時に、部分的な座屈を生じさせることなく全長に亘って均一に湾曲させることができ、施工性が良好となる。
また、請求項3に係る発明によれば、上記合成樹脂製ホース主体の外周面に突設している全ての円環状突条の頂部を発泡合成樹脂製断熱材の内周面に食い込ませているので、隣接する円環状突条間に存在する空気が外部と流通するのを遮断されて優れた断熱効果を奏することができる。
なお、請求項4に記載したように、外周面に円環状突条を突設している上記合成樹脂製ホース主体に代えて、外周面に長さ方向に連続した螺旋突条を突設し、該螺旋突条の頂部の一部に係止突起部を設けてなる可撓性を有する合成樹脂製ホース主体を用い、この合成樹脂製ホース主体を被覆している発泡合成樹脂製断熱材の内周面に上記係止突起部を食い込ませた断熱ホースにおいても、上記請求項1〜請求項3に記載した断熱ホースと同様に、係止突起部によって合成樹脂製ホース主体を被覆している発泡合成樹脂製断熱材が合成樹脂製ホース主体に対して不測に周方向に摺動移動するのを強固に阻止することができると共に優れた断熱機能を発揮することができる等の作用効果を奏することができる。
請求項5及び請求項6に係る発明は、上記断熱ホースの製造方法であって、外周面に多数の円環状突条を長さ方向に所定間隔毎に突設していると共に両端部に接続口部を形成し且つ少なくとも長さ方向の端部側に突設した円環状突条の頂部の一部に係止突起部を突設してなる可撓性を有する合成樹脂製ホース主体を硬質管状保持具に抜き取り可能に被嵌したのち、この硬質管状保持具の先端部に位置する合成樹脂製ホース主体の端部に内径が円環状突条の外径と同径又はこの外径よりも小径で且つ合成樹脂製ホース主体の外周面の径よりも大径の円筒形状の発泡合成樹脂製断熱材の一端部を被せると共に、該発泡合成樹脂製断熱材の他端部を閉じた状態にして硬質管状保持具の基端部側からこの硬質管状保持具内を通じて上記発泡合成樹脂製断熱材に圧縮空気を供給するので、この圧縮空気によって発泡合成樹脂製断熱材の内部の空気圧が瞬時に増大して該発泡合成樹脂製断熱材を弾性的に膨脹させて拡径させることができる。
この拡径によって発泡合成樹脂製断熱材の内周面と軟質合成樹脂製ホース主体の外周面に突設した円環状突条の頂面上との間に隙間が発生し、この隙間を通じて圧縮空気が外部に漏出するので、発泡合成樹脂製断熱材は大きく拡径することなく、その内周面を漏出する空気層を介して軟質合成樹脂製ホース主体の外周面に平行に沿った状態となり、この状態でもって発泡合成樹脂製断熱材を硬質管状保持具の基端部側に向かって差し込むように押し進めることにより、漏出する空気の流れに案内されながら、該発泡合成樹脂製断熱材を軟質合成樹脂製ホース主体に簡単且つ円滑に被覆させることができる。
この際、硬質管状保持具の基端部外周面に受止突部を突設して、この硬質管状保持具に軟質合成樹脂製ホース主体をその一端面が上記受止突部に当接した状態となるように被嵌させておき、この状態にして上述したように圧縮空気によって膨脹、拡径した発泡合成樹脂製断熱材を受止突部に向かって押し進めてその一端面を該受止突起又は合成樹脂製ホース主体の一端部の拡大接続口の外周背面に当接させるものであるから、膨脹前の発泡合成樹脂製断熱材の内径が合成樹脂製ホース主体の外周面に突設した係止突起部の外径よりも小径であるにもかかわらず、該発泡合成樹脂製断熱材を軟質合成樹脂製ホース主体に略全長に亘って正確に被覆させることができる。
しかるのち、圧縮空気の供給を停止させるので、発泡合成樹脂製断熱材はその弾性復元力により縮径してその内周面に合成樹脂製ホース主体の円環状突条の頂部に突設している係止突起部を簡単に食い込ませることができ、該係止突起部によって合成樹脂製ホース主体と発泡合成樹脂製断熱材とが周方向および長さ方向に妄動するのを確実に阻止することができる断熱ホースを能率よく安価に製造することができる。この際、発泡合成樹脂製断熱材の内径を合成樹脂製ホース主体の外周面に突設している円環状突条の外径よりも小径に形成しておくことによって係止突起部と共に全ての円環状突条の頂部を発泡合成樹脂製断熱材の内周面に食い込ませることができる。また、上記ホース主体の端部をその外周面に円環状突条を設けていない小径の接続口部に形成しておくことによって、断熱ホースの製造に際して、このホース主体の端部に対して発泡合成樹脂製断熱材の先端部を被せる作業が何等の抵抗を受けることなく簡単且つ確実に行うことができ、断熱ホースを円滑に製造することができる。
なお、請求項7に記載したように、外周面に円環状突条を突設している上記合成樹脂製ホース主体に代えて、外周面に長さ方向に連続した螺旋突条を突設し、該螺旋突条の頂部の一部に係止突起部を設けてなる可撓性を有する合成樹脂製ホース主体を用いても、上記方法によって円筒形状の発泡合成樹脂製断熱材の内周面に合成樹脂製ホース主体の螺旋突条及び係止突起部を簡単且つ確実に食い込ませることができ、合成樹脂製ホース主体に発泡合成樹脂製断熱材を被覆させた断熱ホースを能率よく製造することができる。
次に、本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、図1は可撓性を有する一定長さの合成樹脂製ホース主体1に一定厚みを有する円筒形状の発泡合成樹脂製断熱材2を被覆してなる断熱ホースの一部省略縦断側面図、図2はそのA−A線における縦断正面図、図3はホース主体1の半部分も断面した一部の縦断側面図、図4は合成樹脂製ホース主体1の一部の斜視図であって、ホース主体1はポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂からなり、その両端部を接続口部4、5に形成していると共に、これらの接続口部4、5間の外周面1aに一定の外径を有する断面V字条の多数の円環状突条3をホース主体1の長さ方向に所定間隔毎に突設してあり、さらに、これらの円環状突条3において、ホース主体1の長さ方向に適宜間隔毎に設けられている複数個の円環状突条3における頂部の一部に、上記発泡合成樹脂製断熱材2の内周面に埋め込み状態に食い込んでいる円錐形状の小突起からなる係止突起部6を突設している。
この係止突起部6は、円環状突条3の頂部の一部における一か所のみに設けておいてもよいが、図においては、円環状突条3の周方向に一定の間隔毎に数個の係止突起部6を設けている。また、この係止突起部6を全ての円環状突条3に突設しておいてもよいが、図1、3に示すように、係止突起部6を設けている円環状突条3と設けていない円環状突条3とを交互に配設する等、1個乃至2、3個の円環状突条3毎に、その頂部の一部に係止突起部6を突設しておいてもよい。
また、図においては、円環状突条3は、ホース主体1の外周面1aに連なる該円環状突条3の基端部の幅よりも狭い間隔と広い間隔とを交互に存してホース主体1の長さ方向に順次設けられているが、全ての円環状突条3をホース主体1の長さ方向に一定の間隔毎に設けておいてもよい。このホース主体1はブロー成形によって製造され、両端の接続口部4、5を含めて全長に亘りその管壁を略同じ厚みに形成されてあり、円環状突条3は頂部からホース主体1の外周面1aに連なる基端部に向かって徐々に幅広くなった両側傾斜面を有する断面V字状に形成されていると共に、このV字状の内部空間をホース主体1内に直径方向に開口させてホース主体1に蛇腹状に設けられ、ホース主体1をこれらの円環状突条3によって優れた可撓性を発揮するように構成している。なお、各円環状突条3の両側傾斜面は互いに鋭角をなし、且つ、頂部は凸円弧状面に形成されている。
このホース主体1の両端部に形成している上記接続口部4、5において、ホース主体1の一端部側の接続口部4は、上記円環状突条3の外径に略等しい環状壁部4aとこの環状壁部4aの開口端から一段と拡径した大径の環状接続口端部4bとからなり、ホース主体1の他端部側の接続口部5は、上記円環状突条3の外径に略等しい環状壁部5aとこの環状壁部5aから傾斜周壁部5bを介して短筒形状の小径接続口端部5cとからなるもので、上記大径接続口部4はその内周面に装着したパッキン11を介して図6に示すように空調機におけるドレンパン20の排水口21に外嵌させることにより接続する一方、小径接続口部5を排水ホース(図示せず)の対向端部内に挿嵌して該排水ホースを接続させるように構成している。
このように構成したホース主体1を被覆している上記円筒形状の発泡合成樹脂製断熱材2は発泡ポリエチレン樹脂、または発泡ポリプロピレンなどのオレフィン系発泡樹脂、或いは発泡ウレタンゴム等の発泡樹脂からなり、その長さはホース主体1の両端接続口部4、5における上記環状壁部4a、5a間に略等しい長さに形成されていると共に、内径はホース主体1の外周面1aに突設している上記円環状突条3の外径と同径、又は、該円環状突条3の外径よりも小径でホース主体1の外周面1aの径よりも大径に形成されている。
なお、図1〜図3においては、この発泡合成樹脂製断熱材2の内径を円環状突条3の外径よりも小径でホース主体1の外周面1aの径よりも大径に形成して全ての円環状突条3の頂部を全周に亘って発泡合成樹脂製断熱材2の内周面に食い込ませているが、図5に示すようにその内径を円環状突条3の外径に等しく形成しておいてもよく、この場合には、該発泡合成樹脂製断熱材2の内周面が円環状突条3の頂面に接した状態となり、円環状突条3の頂部から突出している上記係止突起部6のみが発泡合成樹脂製断熱材2の内周面に食い込んだ状態となる。
いずれの場合においても、円環状突条3の頂部から突出している係止突起部6が発泡合成樹脂製断熱材2の内周面に食い込んでいるため、図6に示すように、空調機におけるドレンパン20の排水口21にこの断熱ホースの一端大径接続口部4を接続させる作業が、発泡合成樹脂製断熱材2のホース主体1に対する被覆形態を変形させることなく、円滑且つ精度よく行える。
即ち、上記ドレンパン20の排水口21は、その外周面を先端にゆくに従って徐々に僅かに小径となるテーパ面に形成されてあり、この排水口21に断熱ホースの上記大径接続口部4を接続する際には、断熱ホースの発泡合成樹脂製断熱材2の一端部を把持してその小径接続口部4の開口端部の内周面を排水口21の先端部外周面に被せたのち、周方向に捩じりながら押し込むように圧入してその内周面を排水口21の基端部にまで強固に被着させる作業を行っているが、この際、ホース主体1はその外周面に設けている円環状突条3の頂部に突設した係止突起部6を発泡合成樹脂製断熱材2の内周面に食い込ませて係止させているので、発泡合成樹脂製断熱材2の一端部を捩じり方向に回動させた際には、ホース主体1に対して発泡合成樹脂製断熱材2が周方向に捩じれることなく、その捩回力を上記係止突起部6を介してホース主体1に伝達してホース主体1と一体的に捩じり方向に回動させながら円滑に接続作業を行うことができ、接続後においても接続前と同じ形態を維持することができるものである。
図7は本発明の断熱ホースの変形例を示すもので、上記実施例における断熱ホースにおいては、ホース主体1の円環状突条3の頂部に突設している係止突起部6をホース主体1の両端接続口部4、5間の全長に亘って一定間隔毎に設けているが、この断熱ホースにおいてはホース主体1Aの両端部側に突設している数個の円環状突条3の頂部の一部に周方向に間隔を存して数個の係止突起部6を突設してなるもので、このホース主体1Aに被覆した円筒形状の発泡合成樹脂製断熱材2の両端部内周面に係止突起部6を食い込ませている。この断熱ホースにおいても、ホース主体1Aの外周面に突設している全ての円環状突条3の頂部を発泡合成樹脂製断熱材2の内周面に食い込ませておいてもよい。その他の構成については上記実施例と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
このようにホース主体1Aの両端部側の複数個の円環状突条3のみに係止突起部6を突設しておいても、上記同様に、この断熱ホースの大径接続口部4を空調機のドレンパン20の排水口21に接続する作業が、把持している発泡合成樹脂製断熱材2の端部から係止突起部6を介してホース主体1Aに捩回力を伝達して一体に軸芯回りに捩回させながら円滑に行うことができる。また、両端部側の複数個の円環状突条3以外のホース主体1Aの長さ方向の中間部に設けているその他の円環状突条3には、係止突起部6が設けられていないので、施工時等においてこの断熱ホースを湾曲させる際に、長さ方向の中間部分で係止突起部6による曲げ抵抗を受けることなく、円滑に湾曲させることができる。なお、空調機のドレンパン20の排水口21に接続するのは、ホース主体1Aの一端部側の大径の接続口部4であるので、この大径接続部4側のホース主体1Aの端部外周部の数個の円環状突条3のみに、その頂部に係止突起部6を突設しておいてもよい。
さらに、係止突起部6をホース主体1の両端接続口部4、5間の全長に亘って一定長さ間隔毎に設けておく場合において、図8に示すように、係止突起部6をホース主体1の長さ方向に所定間隔毎に設けている円環状突条3の頂部に、螺旋状に連なるように設けておいてもよく、このように構成すれば、係止突起部6が発泡合成樹脂製断熱材2の内周面に全長に亘って所定間隔毎に食い込んでいるにもかかわらず、この断熱ホースを湾曲させた場合に、係止突起部6は殆ど湾曲抵抗を発揮することなく円滑な湾曲が可能となる。
また、円環状突条3の頂部の一部に突設している上記係止突起部6としては、円錐形状の小突起形状に形成しているが、図9、図10に示すように、円環状突条3の頂部に周方向に一定の円弧長を有する細長い突条を突設し、この突条を係止突起部6'としてもよい。
次に、上記断熱ホースの製造方法を図11に基づいて説明すると、外径が上記合成樹脂製のホース主体1の内径と略同径で、長さがこのホース主体1を全長に亘って支持可能な長さに形成していると共に基端部外周面に鍔状の受止突部8を突設している金属等の硬質材料からなる管状保持具7を使用し、この管状保持具7の基端部に圧縮空気供給ホース9を接続しておく。
この状態にして上記管状保持具7にホース主体1を、その大径接続口部4側から被せていき、該大径接続口部4の端面が上記受止突部8に当接、受止されるまで差し込むことにより、このホース主体1を管状保持具7に抜き取り可能に被嵌させる。次いで、内径がホース主体1の円環状突条3の外径と同径、又は該円環状突条3の外径よりも小径で且つホース主体1の外周面1aの径よりも大径の円筒形状の発泡合成樹脂製断熱材2の一端部を上記管状保持具7の先端側の位置するホース主体1の他端部に形成している小径の接続口部5に被せる。この際、小径接続口部5の傾斜周壁部5bに案内させながら発泡合成樹脂製断熱材2の一端開口部の内周面を小径接続口部5における上記円環状突条3の外径に略等しい環状壁部5aの外周面に接した状態に被せ、この状態にして管状保持具7の先端から延長方向に突出している発泡合成樹脂製断熱材2の他端部を作業員が指先等で摘むことにより偏平状に圧縮変形させてその他端開口端部を閉止させる。
しかるのち、作業員が圧縮空気供給用スイッチ(図示せず)等を操作して上記供給ホース9から管状保持具7内を通じて発泡合成樹脂製断熱材2内に圧縮空気を供給すると、該発泡合成樹脂製断熱材3内の空気圧が増大してその空気圧により発泡合成樹脂製断熱材2が図11において二点鎖線で示すように膨脹して拡径する。この拡径によってホース主体1の小径接続口部5における環状壁部5aとこの環状壁部5aに被せている発泡合成樹脂製断熱材2の一端部内周面との間に隙間10が生じ、この隙間10を通じて発泡合成樹脂製断熱材2内の圧縮空気が外部に漏出し、この漏出空気層によってホース主体1の外周面に突設している多数の円環状突条3の外周面に対する発泡合成樹脂製断熱材2の摺接摩擦がなくなると共に、この状態して該発泡合成樹脂製断熱材2の他端部を摘んでいる指先を管状保持具7側に向かって移動させると、発泡合成樹脂製断熱材2全体が押し進められて上記隙間10を通じて外部に漏出する空気層を介して該空気層の流れに乗りながらホース主体1の外周面に沿って平行に進入する。
そして、この発泡合成樹脂製断熱材2の一端面が管状保持具7の上記受止突部8に当接するまで進入すると、ホース主体1が全長に亘って該発泡合成樹脂製断熱材2により被覆された状態となり、管状保持具7の受止突部8に当接した時に、その感触によって作業員がスイッチ等を操作して圧縮空気の供給を停止させると、発泡合成樹脂製断熱材2はその弾性復元力によって縮径してその内周面にホース主体1の円環状突条3の頂部に突設している係止突起部6を食い込ませ、さらに、発泡合成樹脂製断熱材2の内径が円環状突条3の外径よりも小径に形成している場合には、全ての円環状突条3の頂部も発泡合成樹脂製断熱材2の内周面に食い込ませる。また、いずれの場合も該発泡合成樹脂製断熱材2の一端部を大径接続口部4の外周面に全面的に被覆させているが、この大径接続口部4の長さを短くしてその背面に発泡合成樹脂製断熱材2の一端面が当接するまで該発泡合成樹脂製断熱材2をホース主体1に被せてもよい。なお、ホース主体1の小径接続口部5は後続する配管の端部内に挿嵌させるものであるから、発泡合成樹脂製断熱材2によって被覆しておく必要はない。
こうしてホース主体1に発泡合成樹脂製断熱材2を被覆してなる一定長の断熱ホースを得ることができ、この断熱ホースを管状保持具7から抜き取ったのち、再び、この管状保持具7を使用して次のホース主体1と発泡合成樹脂製断熱材2とで上記同様に断熱ホースを製造する。なお、受止突部8に圧縮空気供給停止スイッチ片を設けておき、発泡合成樹脂製断熱材2の一端面が該スイッチ片に当接した時に圧縮空気の供給を停止させるように構成しておいてもよい。
図12、図13は本発明断熱ホースの別な実施例を示すもので、この断熱ホースにおけるホース主体1'は、軟質塩化ビルニ樹脂又はEVA樹脂その他の軟質合成樹脂よりなり、一定厚みを有すると共にその内周面は全長に亘って同一径の平滑面に形成されてあり、さらに、その外周面における両端部を除く全長に長さ方向に連続した一定高さを有する螺旋突条3Aを一定のピッチでもって突設していると共に、この螺旋突条3Aの頂部の一部に係止突起部6Aを螺旋方向に一定間隔毎に全長に亘って突設している。また、このホース主体1'における螺旋突条3Aが設けられていない上記両端部外周面を接続口部4'、5'に形成している。なお、上記螺旋突条3A内には図示していないが硬質合成樹脂製の芯材が設けられている。そして図12に示すように、この可撓性を有する一定長さのホース主体1'に一定厚みを有する円筒形状の発泡合成樹脂製断熱材2を被覆してこの発泡合成樹脂製断熱材2の内周面に上記係止突起部6Aを食い込ませた断熱ホースを形成している。
この断熱ホースにおいても、係止突起部6Aはホース主体1'の両端接続口部4'、5'側の螺旋突条3Aの両端部のみに設けておいてもよいが、いずれにしても螺旋突条3Aの頂部も図に示すように発泡合成樹脂製断熱材2の内周面に食い込ませておくことが望ましい。また、ホース主体1'の長さと円筒形状の発泡合成樹脂製断熱材2の長さとを同一長さにして、ホース主体1'の両端の接続口部4'、5'に至るまで発泡合成樹脂製断熱材2によって被覆しておいてもよいが、接続口部4'、5'が発泡合成樹脂製断熱材3の両端から突出するように該発泡合成樹脂製断熱材2の長さをホース主体1'よりも短くしておいてもよい。
なお、この断熱ホースの製造方法や、使用時においてそ一端接続口部4'を排水口等に接続する作業等は、上記円環状突条2を有するホース主体1に発泡合成樹脂製断熱材2を被覆していている断熱ホースと同じであるので、詳細な説明は省略する。
1 合成樹脂製ホース主体
2 発泡合成樹脂製断熱材
3 円環状突条
4、5 接続口部
6 係止突起部
7 管状保持具
8 受止突部
9 圧縮空気供給ホース
2 発泡合成樹脂製断熱材
3 円環状突条
4、5 接続口部
6 係止突起部
7 管状保持具
8 受止突部
9 圧縮空気供給ホース
Claims (7)
- 外周面に多数の円環状突条を長さ方向に所定間隔毎に突設していると共に両端部に接続口部を形成している可撓性を有する合成樹脂製ホース主体と、この合成樹脂製ホース主体を被覆している円筒形状の発泡合成樹脂製断熱材とからなる断熱ホースにおいて、合成樹脂製ホース主体の少なくとも一方の接続口部側の端部に突設している円環状突条の頂部の一部に上記発泡合成樹脂製断熱材の内周面に食い込ませている係止突起部を突設していることを特徴とする断熱ホース。
- 合成樹脂製ホース主体の全長に亘って一定間隔毎に円環状突条の頂部の一部に係止突起部を突設していることを特徴とする請求項1に記載の断熱ホース。
- 係止突起部と共に全ての円環状突条の頂部を発泡合成樹脂製断熱材の内周面に食い込ませていることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の断熱ホース。
- 合成樹脂製ホース主体は円環状突条に代えて外周面に長さ方向に連続した螺旋突条を突設し、該螺旋突条の頂部の少なくとも一方の接続口部側の一部に係止突起部を設けてなる可撓性を有する合成樹脂製ホース主体からなることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の断熱ホース。
- 外周面に多数の円環状突条を長さ方向に所定間隔毎に突設していると共に両端部に接続口部を形成し且つ少なくとも長さ方向の端部側に突設した円環状突条の頂部の一部に係止突起部を突設してなる可撓性を有する合成樹脂製ホース主体を硬質管状保持具に抜き取り可能に被嵌したのち、この硬質管状保持具の先端部に位置する合成樹脂製ホース主体の端部に内径が円環状突条の外径と同径又は外径よりも小径で且つ合成樹脂製ホース主体の外周面の径よりも大径の円筒形状の発泡合成樹脂製断熱材の一端部を被せると共に、硬質管状保持具の先端から延長方向に突出している該発泡合成樹脂製断熱材の他端部を閉じた状態にして硬質管状保持具の基端部側からこの硬質管状保持具内を通じて上記発泡合成樹脂製断熱材に圧縮空気を供給することにより該発泡合成樹脂製断熱材を拡径方向に膨脹させ、この膨脹によって発泡合成樹脂製断熱材を円環状突条の頂面に沿って押し進めることにより合成樹脂製ホース主体を被覆し、しかるのち、圧縮空気の供給を停止することにより発泡合成樹脂製断熱材をその弾性復元力により縮径させてその内周面に合成樹脂製ホース主体の円環状突条に突設している上記係止突起部を食い込ませることを特徴とする断熱ホースの製造方法。
- 硬質管状保持具の基端部外周面に受止突部を突設してあり、この硬質管状保持具に軟質合成樹脂製ホース主体をその一端面が上記受止突部に当接させた状態に被嵌させ、さらに、圧縮空気によって膨脹、拡径した発泡合成樹脂製断熱材を上記受止突部又は合成樹脂製ホース主体の一端部の拡大接続口の外周背面に当接するまで押し進めて合成樹脂製ホース主体に被覆させることを特徴とする請求項5に記載の断熱ホースの製造方法。
- 合成樹脂製ホース主体は円環状突条に代えて外周面に長さ方向に連続した螺旋突条を突設し、該螺旋突条の頂部の一部に係止突起部を設けてなる可撓性を有する合成樹脂製ホース主体からなることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の断熱ホースの製造方法。
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JPWO2018207252A1 (ja) * | 2017-05-09 | 2020-03-12 | 朝日インテック株式会社 | 熱収縮チューブ |
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- 2007-02-09 JP JP2007031091A patent/JP2008196560A/ja active Pending
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