JP2008196528A - Vベルト式自動変速装置の駆動側プーリ - Google Patents

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Yoshinori Kawashima
芳徳 川島
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Abstract

【課題】スタータモータによってエンジン始動が行われるVベルト式自動変速装置においてファンが具備されてエンジン始動時冷却効果を向上させ且つ雑音の低減を防止するVベルト式自動変速装置の駆動側プーリとすること。
【解決手段】外周に歯車部14が形成されたプーリフェイス11と,駆動軸6と共に回転し且つ円筒状のボス部2とからなるドライブ固定プーリ半体1と、前記駆動軸6と共に回転しつつ前記ドライブ固定プーリ半体1に近接離間するドライブ可動プーリ半体3と、ベース板部41と複数の羽根片42が形成されたファン部材4と、軸方向に突出すると共に前記歯車部14と噛み合うピニオンギヤ71が具備されたスタータモータ7とからなること。前記ファン部材4は、前記ボス部2に固着されると共に前記ドライブ固定プーリ半体1の背面側13と相互に弾発性を有しつつ装着されること。
【選択図】図1

Description

本発明は、スタータモータによってドライブ側プーリを回転させてエンジン始動が行われるVベルト式自動変速装置において特にファンが具備されたドライブプーリを有するVベルト式自動変速装置の駆動側プーリに関する。
スタータモータを駆動し、内部の駆動ギヤ及び従動ギヤを介してスタータ軸を回転させ、飛び出しピニオンが駆動プーリの固定側プーリ半体の外周に設けられたスタータギヤと噛合って、駆動プーリを回転させることにより、クランクシャフトがクランキングされてエンジンの始動が行われる構造のものが存在している。具体的なものとしては、特許文献1(特開平8−151969号の図4)に開示されている。これは、Vベルト式自動変速機の駆動側プーリ半体が駆動軸と共にエンジン始動装置の構成部品の一部として使われているものである。
また、上記のようなVベルト式自動変速機の駆動側プーリは、軸に固定された皿状の固定フェースと該固定フェースと対面する皿状の可動フェースとから成るものであり、その可動フェースの外周にはファンリングが焼嵌め等によって嵌着されたものが、特許文献2(実公昭63−29967号)に開示されている。更に、そのVベルト式自動変速機の駆動側プーリの固定フェース及び可動フェースの外周面に冷却用ファンが構成されたもので、ファンリングが固着されることも開示されている。そのファンリングは、鋼板等を皿状に成形した後、これに部分パンチング加工を施し、非パンチング部を外方へ折曲起立して一体成形される回転羽根を複数枚等ピッチに配列しているものである。
特開平8−151969号 実公昭63−29967号
飛び出しピニオンが駆動プーリの固定側プーリ半体の外周に設けられたスタータギヤに噛み込む際、前記飛び出しピニオンとスタータギヤとの間で相互に衝突する噛み込み音が発生し、エンジン始動時の雑音となって商品性に影響をおよぼす恐れがある。また、Vベルト式自動変速機の駆動側プーリ半体には、可動フェースの外周にファンリングなどを設けて、ベルトプーリに向けて送風機能をもたせ、プーリ回転時の送風作用、周辺空気の攪拌作用による冷却ファン効果によって、プーリに発生する摩擦熱を速やかに周囲に拡散して発熱部分を冷却させるものである。
ところが、固定フェースの外周にスタータギヤを有する場合、前記従来技術として示した特許文献2(実公昭63−29967号図1)の通りに固定フェースにファンリングを設けないで、可動フェースの外周に設けたファンリングのみによる為、冷却ファン効果を十分に得るようにすることが困難である。その為、固定フェースの外周面にファンリングを単に固着するということも考えられる。このように固定フェースと一体的にファンリングをしっかりと取付けることで、冷却ファン効果を向上させることができるものである。
しかし、その反面、エンジン始動時において、前述したようなスタータギヤとの噛込み時における衝撃音は、固定プーリ半体(固定フェース)とファンリングとが共振することによってさらに雑音(衝撃音)が大きくなり、ひいては商品性に対して悪影響(悪印象)をおよぼす恐れがある。そこで、本発明の目的は、エンジン始動時の雑音の低減と冷却ファンの効果を向上させるという2つの相反する課題を解決することにある。
請求項1の発明を、外周に歯車部が形成されたプーリフェイスと,駆動軸と共に回転し且つ円筒状のボス部とからなるドライブ固定プーリ半体と、前記駆動軸と共に回転しつつ前記ドライブ固定プーリ半体に近接離間するドライブ可動プーリ半体とからなる駆動側プーリと、ベース板部と複数の羽根片が形成されたファン部材と、軸方向に突出すると共に前記歯車部と噛み合うピニオンギヤが具備されたスタータモータとからなり、前記ファン部材は、前記ボス部に固着されると共に前記ドライブ固定プーリ半体の背面側と相互に弾発性を有しつつ装着されてなるVベルト式自動変速装置の駆動側プーリとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項2の発明を、前述の構成において、前記ファン部材は、前記ドライブ固定プーリ半体と相互に部分接触としてなるVベルト式自動変速装置の駆動側プーリとしたことにより、上記課題を解決した。請求項3の発明を、前述の構成において、前記ファン部材は、前記ボス部の周辺付近の領域において前記ドライブ固定プーリ半体の背面側と非接触としてなるVベルト式自動変速装置の駆動側プーリとしたことにより、上記課題を解決した。請求項4の発明を、前述の構成において、前記ボス部の軸周方向に沿って係合溝が形成され、該係合溝に前記ファン部材の中心のボス孔部が固着されてなるVベルト式自動変速装置の駆動側プーリとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項5の発明を、前述の構成において、前記ボス部には軸方向案内溝と軸周案内溝と係合溝とが連通する複数の係合部が形成され、前記ファン部材のボス孔部内周には複数の被係合突起片が形成され、該被係合突起片は、前記軸方向案内溝と軸周案内溝により係合溝に案内されると共に前記被係合突起片を介して弾性を有しつつ前記ファン部材が前記ボス部に装着されてなるVベルト式自動変速装置の駆動側プーリとしたことにより、上記課題を解決した。請求項6の発明を、前述の構成において、前記ボス部の軸周方向に沿って係合溝が形成され、該係合溝に前記ファン部材の中心のボス孔部が止め環部材を介して固着されてなるVベルト式自動変速装置の駆動側プーリとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項1の発明によって、前記ファン部材は、前記ボス部に固着されると共に前記ドライブ固定プーリ半体の背面側と相互に弾発性を有しつつ装着されてなる構成としたので、ファン部材をドライブ固定プーリ半体へ弾発することで、不均一な接触となる。これによってファン部材はボス部側に固着したことで、ドライブ固定プーリ半体との共振を低減することができ、前記ドライブ固定プーリ半体の歯車部と、スタータモータのピニオンギヤとが噛合う際に発生する騒音(ノイズ)を低減させることができる。
請求項2の発明によって、前記ファン部材は、前記ドライブ固定プーリ半体と相互に部分接触するようにしたことで、ドライブ固定プーリ半体との共振を低減することができ、より一層スタータモータのピニオンギヤとが噛合う際に発生する騒音(ノイズ)を低減させることができる。請求項3の発明は、ファン部材は、前記ボス部の周辺付近の領域において前記ドライブ固定プーリ半体の背面側と非接触とした構成により、ファン部材を固定プーリ半体に良好に弾発させて容易に取り付けることができる。また、ボス部周辺の冷却性能がより一層向上する。
請求項4の発明によって、ボス部の軸周方向に沿って全周係合溝が形成され、該全周係合溝に前記ファン部材の中心に形成された貫通孔状の被係合部が固着されてなることにより、ファン部材とボス部との固定作業が簡単にできる。また、請求項5の発明によって、前記ボス部には軸方向案内溝と軸周案内溝と係合溝とが連通する複数の係合部が形成され、前記ファン部材の被係合部の内周には複数の被係合突起片が形成され、該被係合突起片は、前記軸方向案内溝と軸周案内溝により係合溝に案内されると共に前記被係合突起片を介して弾性を有しつつ前記ファン部材が前記ボス部に装着される構成としたのでファン部材をボス部に装着するときに、ファン部材をボス部に対して押し込み、次にファン部材を僅かに回転させるのみで極めて容易に装着することができる。請求項6の発明によって、ボス部に前記ファン部材の被係合部が止め環部材を介して固着されてなるVベルト式自動変速装置の駆動側プーリとしたことにより、ファン部材をボス部に容易に装着することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明は主に、図1(A),(B)に示すように駆動側プーリAは、主にドライブ固定プーリ半体1,ボス部2,ドライブ可動プーリ半体3,ファン部材4及び駆動軸6等から構成される。該駆動軸6は、エンジンの出力軸である。ドライブ固定プーリ半体1は、図2(B)に示すように、扁平円錐形状の固定プーリフェイス11の中心にボス装着孔部15が形成され、後述するボス部2が固着されている。
また、前記固定プーリフェイス11には、表面側12と背面側13とが存在する。前記表面側12と背面側13とは表裏の関係にある。前記固定プーリフェイス11の外周には、全周に亘って歯車部14が形成されたものである〔図2(A)参照〕。該歯車部14は、多数の歯片141,141,…から構成されたものであり、後述するスタータモータ7のピニオンギヤ71と噛み合い、スタータモータ7から回転力を受ける役目をなす部位である〔図1(C)参照〕。
ボス部2は、中空円筒形状をなしており、前記ドライブ固定プーリ半体1とは、別部材として、ボス装着孔部15に圧入等によって挿入固着されている。前記ボス部2は、ドライブ固定プーリ半体1のボス装着孔部15に貫通するようにして装着されており、前記固定プーリフェイス11の背面側13に適宜の長さだけ突出している〔図2(B)参照〕。また、ボス部2は、後述する全周係合溝21の形状などを考慮して焼結加工で成形されることもある。さらに、前記ボス部2は、固定プーリフェイス11の表面側12から突出する部位が存在し、後述するドライブ可動プーリ半体3の摺動案内の役目を行うガイドボス部が接続される〔図1(A)参照〕。
ドライブ可動プーリ半体3は、扁平円錐面状の可動プーリフェイス31と、円筒形状の可動ボス部32とから構成され、さらに前記可動プーリフェイス31の背面側には、複数のウエイトローラ33が配置され、ローラ支持プレート34によって、支持されている〔図1(A)参照〕。該ローラ支持プレート34は、前記駆動軸6に軸方向に不動となるように固着されており、駆動軸6が回転することにより、遠心力にて前記ウエイトローラ33が可動プーリフェイス31の可動ボス部32側から外周側に移動し、前記ドライブ可動プーリ半体3を前記ドライブ固定プーリ半体1に近接させたり、離間させたりする。
次に、ファン部材4は、図3に示すように、ベース板部41と、複数の羽根片42から構成されたものである。前記ベース板部41は、金属等の薄板材から形成され、略円板形状に形成されたものである。その外周付近は、扁平円錐状に形成され中央付近は平坦な円板状に形成されている。前記羽根片42は、複数形成されると共に、前記ベース板部41の中心から放射状に形成されたものである。また複数の前記羽根片42は、等角度となるように配置されることが好ましい。
前記羽根片42は、前記ベース板部41から適正な羽根形状が切り抜きされて、且つその切り抜きされた部位が前記ベース板部41に対して略垂直状となるように起立形成されたものである〔図3(A)参照〕。このように、前記ファン部材4のベース板部41は円板状に形成され、前記羽根部42は前記ベース板部41から切り抜き状且つ略垂直状に起立形成されることにより、前記ファン部材4は軽量化ができ、且つ構造が簡単で大量生産に好適なものにできる。また、前記羽根片42は、前記ベース板部41とは別部材として、溶接,リベット等による固着手段にて固着されたものであっても構わない。前記ベース板部41の中心部には被係合部43が形成されている。
該被係合部43は、貫通孔としたものであり〔図3(A),(B)参照〕、その内周縁から中心に向かって複数の被係合突起片44,44,…が形成されている。該被係合突起片44は、爪状に形成されたものであり、貫通孔状の被係合部43の中心に向かうに従い、先細りとなる台形状に形成されている。そして、複数の被係合突起片44は、適宜間隔を置いて設けられており、略等間隔に形成されることが好ましい。また、被係合突起片44の両根元部には、外周方向に凹む凹部441が形成される。
前記ドライブ固定プーリ半体1の背面側13にファン部材4が相互に弾性的に反発するようにして装着されている〔図7(B),(C)参照〕。該ファン部材4は、ドライブ固定プーリ半体1の中心に設けられたボス部2の全周係合溝21又は係合部22に係合固定される。ドライブ固定プーリ半体1とファン部材4との固定構造は、前記ドライブ固定プーリ半体1の背面側と相互に弾発性を有しつつ装着される。また、前記ファン部材4は、前記ドライブ固定プーリ半体1と相互に部分接触される。さらに、具体的には、前記ファン部材4は、前記ボス部2の周辺付近の領域において前記ドライブ固定プーリ半体1の背面側と非接触としている〔図1(B)参照〕。
前記ボス部2の全周係合溝21及び係合部22を介して前記ファン部材4が装着された状態で、前記ファン部材4とドライブ固定プーリ半体1の背面とは非接触領域が形成され、適宜空間が設けられている。そして、前記歯片141,141,…によって、ドライブ固定プーリ半体1が冷却される。前記ファン部材4と、前記ドライブ固定プーリ半体1との弾発的な接触は、不均一で部分的な当たりとなることが好ましい。さらに、ファン部材4の最外周部を前記ドライブ固定プーリ半体1の歯車部14の近傍に設けて、そのファン部材4の最外周部を不均一で部分的に接触するような当たりとなることが好ましい。その接触状態を接触部Pとして図7(B),(C)に示した。
該ボス部2と前記ファン部材4との固定手段には、複数の実施形態が存在する。まず、第1実施形態として、図4に示すように、前記ボス部2には係合部22が形成されており、該係合部22は、軸方向案内溝221と軸周案内溝222と係合溝223から構成されている。前記軸方向案内溝221は、ボス部2の軸方向に沿って形成されたものであり、前記ファン部材4の被係合突起片44が遊挿されるように形成されたものである。軸周案内溝222は、前記軸方向案内溝221に連通し、軸周方向に沿って形成された案内溝である。前記係合溝223は、前記軸周案内溝222に連通し、前記ボス部2の軸方向に沿って形成されたもので、終端部223aを有するものである〔図4(B)乃至(D)参照〕。前記係合部22は、前記ファン部材4の被係合突起片44の数と同一の数で同一間隔となるように形成されている。
そして、前記ファン部材4の各被係合突起片44が、前記ボス部2の各係合部22の軸方向案内溝221に遊挿され、次に各被係合突起片44が軸周案内溝222に到達したらファン部材4を前記軸周案内溝222の方向に回転させて、各被係合突起片44を各係合溝223の位置に移動させる〔図4(C),(D)参照〕。そして、前記ファン部材4のベース板部41とドライブ固定プーリ半体1との弾性的な部分接触により、両者は離反するように弾発され、これによって、前記被係合突起片44は、係合溝223の終端部223aに押圧力を有して当接するものである。
次に、第2実施形態として、図2(B),(C)に示すように前記ボス部2に全周に亘って、全周係合溝21が形成されたものである。前記ファン部材4の複数の被係合突起片44が前記全周係合溝21に係合されてファン部材4が前記ボス部2に係合固定される。この場合には、前記ファン部材4はボス部2の軸方向端部から圧入状態で押し込むようにして装着される。
次に、前記ファン部材4のボス部2への固定構造の第3実施形態として、図5に示すように、C形形状の止め環5が使用されることもある。この実施形態では、前記ファン部材4の被係合部43に前記ボス部2が挿入され、前記全周係合溝21に止め環5が嵌合装着されてファン部材4が固定される。この構造において、前記ボス部2には、図5(C)に示すように、段差部23を介して大径軸部が形成され、該段差部23に前記ファン部材4の被係合部43の周囲が当接される構造としている。この実施形態において、前記被係合部43は、被係合突起片44が形成されない円形状の貫通孔である。なお、被係合突起片44が形成された被係合部43の貫通孔でも良い。
このように、前記ドライブ固定プーリ半体1にファン部材4が装着される構造において、前記ボス部2の全周係合溝21,係合部22等を介して配置固定され、その際、前記ファン部材4のベース板部41は、ドライブ固定プーリ半体1の背面側13に弾発的に押し付けられて、ファン部材4の被係合部43箇所が前記ボス部2との係合位置より外側に押し出されるように弾発力が掛かる。前記ファン部材4の被係合部43の弾発力が前記ボス部2の係合箇所(全周係合溝21又は係合部22)及び止め環5等によってボス部2に受け止めさせて、ファン部材4の羽根片42が形成されているベース板部41をドライブ固定プーリ半体1側へ弾発させている。
ファン部材4をボス部2に装着する際に、ファン部材4は、ベース板部41が弾性を有しており、その被係合部43をボス部2の全周係合溝21、係止部22等に固着するときには、ベース板部41の被係合部43がボス部2とドライブ固定プーリ半体1との付根付近に位置させることで、ファン部材4のベース板部41の外周付近がドライブ固定プーリ半体1の外周側に弾性的に接触することができる。図6は、ファン部材4をボス部2に固着する工程において、ファン部材4の外周がドライブ固定プーリ半体1の外周付近に弾性的に接触することを示している。さらに、図7(C)においても、ファン部材4がドライブ固定プーリ半体1に接触した状態で弾発性を有していることを示している〔図7(C)想像線参照〕。
このようにファン部材4をドライブ固定プーリ半体1へ弾発することで、ベース板部41と、ドライブ固定プーリ半体1の背面側13とは不均一な接触となり、部分的な当たりとなり、これによってファン部材4とドライブ固定プーリ半体1との共振を低減することができると共に、前記ドライブ固定プーリ半体1の歯車部14と、スタータモータ7のピニオンギヤ71との噛合う際に発生する騒音(ノイズ)を低減させることができる。このように、ファン部材4の最外周部をドライブ固定プーリ半体1の外周の歯車部14近傍に設けて、そのファン部材4の最外周部を不均一で部分的に接触することがより好ましい。
スタータモータ7の近傍となるドライブ固定プーリ半体1の外周は騒音の発生源に近くなるので、騒音低減の効果をより高められる。
前記スタータモータ7は、モータによって回転駆動されるピニオン減速ギヤを介してピニオンシャフトを回転させ、該ピニオンシャフトにピニオンギヤ71が装着されたものである。該ピニオンギヤ71はモータ始動時に軸方向に飛び出して、前記ドライブ固定プーリ半体1の外周に形成された歯車部14の歯片141,141,…と噛み合い、ドライブ固定プーリ半体1を強制的に回転始動させて、エンジン始動を行わせる。
図1(A)は、自動変速装置において、駆動側プーリとして本発明を使用したものである。従動側プーリ200は、従来、一般的に使用されるものであり、タイヤに回転力を伝達する従動側プーリとして従動軸201に固定プーリ半体202と可動プーリ半体203とが装着されたものである。前記可動プーリ半体203は、前記固定プーリ半体202の円筒状のボス部202aに摺動自在に装着されており、さらに弾発スプリングによって、前記固定プーリ半体202側に弾性的に付勢され、前記駆動側プーリAとVベルト8によって巻きかけられている。
(A)はVベルト式自動変速装置の全体図、(B)は(A)の要部拡大図、(C)は(B)のX−X矢視図である。 (A)はドライブ固定プーリ半体の一部切除した背面図、(B)はドライブ固定プーリ半体の縦断側面図、(C)は(B)の(ア)部拡大図である。 (A)はファン部材の斜視図、(B)はファン部材の平面図、(C)はファン部材の縦断側面図である。 (A)は係合部が形成されたボス部の要部拡大平面図、(B)は(A)の要部拡大斜視図、(C)及び(D)はファン部材をボス部に装着する工程の略示図である。 (A)はドライブ固定プーリ半体にファン部材が止め環にて固定された実施形態の縦断側面図、(B)は(A)の要部拡大図、(C)はボス部からファン部材及び止め環が外された状態の分解縦断側面図である。 (A)乃至(C)はドライブ固定プーリ半体において弾発性を有するファン部材を装着する過程を示す工程図である。 (A)はドライブ固定プーリ半体にファン部材が装着された状態の背面図、(B)は(A)の縦断側面図、(C)は(B)の弾発的に装着されている状態の要部拡大図である。
符号の説明
1…ドライブ固定プーリ半体、11…固定プーリフェイス、14…歯車部、
2…ボス部、21…全周係合溝、22…係合部、221…軸方向案内溝、
222…軸周案内溝、223…係合溝、3…ドライブ可動プーリ半体、4…ファン部材、41…ベース板部、42…羽根片、 43…被係合部、44…被係合突起片、
5…止め環、6…駆動軸、7…スタータモータ、71…ピニオンギヤ。

Claims (6)

  1. 外周に歯車部が形成されたプーリフェイスと,駆動軸と共に回転し且つ円筒状のボス部とからなるドライブ固定プーリ半体と、前記駆動軸と共に回転しつつ前記ドライブ固定プーリ半体に近接離間するドライブ可動プーリ半体と、ベース板部と複数の羽根片が形成されたファン部材と、軸方向に突出すると共に前記歯車部と噛み合うピニオンギヤが具備されたスタータモータとからなり、前記ファン部材は、前記ボス部に固着されると共に前記ドライブ固定プーリ半体の背面側と相互に弾発性を有しつつ装着されてなることを特徴とするVベルト式自動変速装置の駆動側プーリ。
  2. 請求項1において、前記ファン部材は、前記ドライブ固定プーリ半体と相互に部分接触としてなることを特徴とするVベルト式自動変速装置の駆動側プーリ。
  3. 請求項1又は2において、前記ファン部材は、前記ボス部の周辺付近の領域において前記ドライブ固定プーリ半体の背面側と非接触としてなることを特徴とするVベルト式自動変速装置の駆動側プーリ。
  4. 請求項1,2又は3のいずれか1項の記載において、前記ボス部の軸周方向に沿って全周係合溝が形成され、該全周係合溝に前記ファン部材の中心に形成された貫通孔状の被係合部が固着されてなることを特徴とするVベルト式自動変速装置の駆動側プーリ。
  5. 請求項1,2又は3のいずれか1項の記載において、前記ボス部には軸方向案内溝と軸周案内溝と係合溝とが連通する複数の係合部が形成され、前記ファン部材の被係合部の内周には複数の被係合突起片が形成され、該被係合突起片は、前記軸方向案内溝と軸周案内溝により係合溝に案内されると共に前記被係合突起片を介して弾性を有しつつ前記ファン部材が前記ボス部に装着されてなることを特徴とするVベルト式自動変速装置の駆動側プーリ。
  6. 請求項1,2又は3のいずれか1項の記載において、前記ボス部に前記ファン部材の被係合部が止め環を介して固着されてなることを特徴とするVベルト式自動変速装置の駆動側プーリ。
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