JP2008195046A - サーマルヘッド - Google Patents

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唯浩 深沢
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Abstract

【課題】リライタブル感熱記録媒体の可視像の消去等において上記記録媒体に対し高い精度の温度制御を可能にする。
【解決手段】サーマルヘッド10では、絶縁基板11、グレーズ層12、略一定幅で帯状の抵抗発熱体13、その幅方向の両端部に重層する一対の電極14a、14bが形成される。更に、抵抗発熱体13および一対の電極14a、14bを被覆する保護膜15、熱伝導性および耐磨耗性に優れた導電体材料から成る検温用金属膜16が形成される。そして、検温用金属膜16上に所要数の検温素子17が取着される。検温素子17の取り出し端子は配線板18の配線端子にボンディングワイヤー19により電気接続され、検温素子17およびボンディングワイヤー19は封止材20によって気密封止される。上記配線板18および絶縁基板11は放熱板21上に載置される。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えばリライタブル感熱記録媒体の可視像の消去、画像の光沢層の形成等に有効に使用できるサーマルヘッドに関する。
現在、ICカード、磁気カードのようなカード類あるいは画像形成用紙などのシート類に画像の書き込みおよび消去可能なリライタブル感熱記録媒体が用いられるようになってきている。ここで、そのリライタブル感熱記録媒体の可視像を消去するための消去手段としては単一ヒータから構成されたサーマルヘッドが使用される。
例えばロイコ染料/顕色剤を用いたリライタブル感熱記録媒体は、可逆的な感熱特性を有する材料により構成され、例えば100℃〜200℃の温度領域で短時間(例えば0.001sec程度)加熱することにより発色する。そして、その発色の温度よりも低い70℃〜110℃の温度領域で長時間(例えば0.1sec程度)加熱するとその色が消えるという可逆的な特性を有する。ここで、このような感熱特性は、可逆的感熱性材料に依って異なってくる。いずれにしても、可視像の記録と消去を多数回にわたり繰り返すことが可能になり、省資源やリサイクルに適した記録媒体としてその用途が広がってきている。
上記リライタブル感熱記録媒体の可視像を消去する単一ヒータを有するサーマルヘッドの一例について図6を参照して説明する(例えば、特許文献1参照)。ここで、図6(a)はサーマルヘッドの単一ヒータ部分を示す上面図であり、図6(b)は図6(a)のY−Y矢視の拡大横断面図である。図6に示すように、絶縁基板101上にグレーズ層102が形成され、このグレーズ層102上に帯状あるいはライン状(以下、ライン状という)の発熱抵抗体103が形成されている。そして、上記発熱抵抗体103を挟んで対向する一対の電極104a、104bが上記発熱抵抗体103に電気接続している。また、この一対の電極104a、104bは外部接続端子105a、105bにそれぞれに接続している。そして、全体が保護膜106により被覆されている。
ここで、上記絶縁基板101は例えばアルミナセラミックスのような耐熱、電気絶縁性材料から成る。グレーズ層102はガラスやポリイミド樹脂等の低熱伝導性材料から成り、発熱抵抗体103の発する熱を蓄積および放散する作用を為す。上記ライン状の単一ヒータとなる発熱抵抗体103は、TaSiO等の電気抵抗材料から成る。そして、一対の電極104a,104bはAl(アルミニウム)やCu(銅)等の低抵抗の金属材料から成る。上記外部接続端子105a、105bは、フレキシブル配線板(不図示)と接続部材を介して接続され電源電力が供給される領域である。ここで、これ等の外部接続端子は一対の電極104a、104bの上面にNi(ニッケル)やAu(金)等の半田濡れ性の良好な金属材料が被着したものとなっている。
そして、上記保護膜106 はSi34(窒化珪素)やSiC(炭化珪素)等の硬質で緻密な無機質材料から成り、この保護膜106で発熱抵抗体103や一対の電極104a、104bを被覆しておくことにより発熱抵抗体103や一対の電極104a、104bをリライタブル感熱記録媒体の摺接による磨耗、並びに大気中に含まれている水分等の接触による腐食から保護するようになっている。
上記サーマルヘッドを用いたリライタブル感熱記録媒体の可視像の消去では、画像の形成された例えばICカードあるいは印画用紙が、サーマルヘッドの保護膜106と例えばプラテンローラーとの間で挟圧され、発熱抵抗体103のライン方向に対し直交する方向に所定の速度で走査される。この圧送において、上記リライタブル感熱記録媒体は、発熱抵抗体103により加熱され、画像の消去に必要な所要の温度にされる。ここで、発熱体の加熱温度は、発熱抵抗体103に印加する予め設定された電源の電力および上記走査の速度により決まる。
特開2000−340346号公報
しかしながら、従来のサーマルヘッドは、リライタブル感熱記録媒体の可視像の消去において環境温度が変化した場合にその変化に充分に対応できず、消去温度が制御できなくなるという問題があった。例えばサーマルヘッドの設置環境の違いから生じる温度変化、あるいは気候変動のために、適切な消去温度に対して加熱過剰が生じたり、あるいは、加熱不足が起こったりして適切な消去温度の制御ができなかった。ここで、加熱過剰になると、上記記録媒体に熱的損傷が生じその再使用が難しくなる。また、サーマルヘッドの劣化が加速しその製品寿命が短くなってくる。逆に、加熱不足になると、画像の消去が不充分で残像が生じ再度の消去作業が必要になってくる。
ところで、近年のリライタブル感熱記録媒体は、該媒体を構成する可逆的感熱性組成物の開発により、上記画像の消去を完全に行えるように高性能化されてきている。しかし、この場合、消去時の上記媒体の加熱温度、加熱時間の制御と共に、加熱後の冷却における温度変化の制御が重要になっている。このために、上記加熱および冷却における時間的な温度変化(以下、温度プロファイルという)の制御が必要になってきている。
そして、サーマルヘッドによる上述した消去時における温度制御は、記録媒体の寸法が例えばA3用紙サイズのように増大化するに従って、より難しい問題になってくる。
また、上述したサーマルヘッドにおける温度制御は、例えばカラープリンタ、フォトプリンタ等における画像の光沢層の形成すなわちオーバーコート層形成あるいはラミネーションにおいても必要になっている。特に上記環境温度の変化に充分に対応できる制御が要求されるようになってきている。但し、この画像の光沢層の形成においては、高精度の温度プロファイル制御は要求されない。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、リライタブル感熱記録媒体の可視像の消去あるいは画像の光沢層の形成等において、上記記録媒体に対し高い精度の温度制御を可能にするサーマルヘッドを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明にかかるサーマルヘッドは、絶縁体材料から成る支持基板と、前記支持基板の表面に形成された絶縁体材料から成る保温層と、前記保温層上に形成された帯状の抵抗発熱体と、前記抵抗発熱体に接続された電極と、前記抵抗発熱体および前記電極を被覆する絶縁体材料から成る保護層と、前記抵抗発熱体の上部を覆い前記保護層の表面に形成された導電体材料から成る耐磨耗層と、前記耐磨耗層の表面に取り付けられた前記抵抗発熱体の温度を検知する検温素子と、を備える構成になっている。
本発明の構成により、リライタブル感熱記録媒体の可視像の消去あるいは画像の光沢層の形成等において、上記記録媒体に対し高い精度の温度制御が可能になる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。なお、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略される。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる。ここで、図1はリライタブル感熱記録媒体の画像の消去などに使用されるサーマルヘッドの上面図である。図2は図1のX−X矢視の拡大横断面図である。
図1,2に示すように、サーマルヘッド10は、例えばアルミナ等のセラミックスから成る絶縁基板11、該絶縁基板11表面に形成された保温層であるグレーズ層12、グレーズ層12上にあって略一定幅でライン状に配設された抵抗発熱体13を有している。そして、上記抵抗発熱体13を挟んで対向する一対の電極14a、14bが上記抵抗発熱体13の幅方向の両端部に重層形成されている。
更に、抵抗発熱体13および一対の電極14a、14bを被覆する絶縁体材料から成る保護膜15が形成され、この保護膜15上に熱伝導性および耐磨耗性に優れた導電体材料から成る検温用金属膜16が形成されている。そして、上記検温用金属膜16に所要数(本実施形態では3個)の検温素子17が取着されている。
上記サーマルヘッド10では、上記主要構成の他に配線板18が備えられており、検温素子17の取り出し端子(不図示)がボンディングワイヤー19により、配線板18の配線端子に電気接続している。そして、これ等の検温素子17およびボンディングワイヤー19は、例えばモールド樹脂から成る封止材20によって気密封止されている。ここで、上記配線板18および絶縁基板11は、例えば放熱板21上に載置される構成になっていると好適である。但し、図1には図を明確にする目的で上記ボンディングワイヤー19および封止材20は省略している。なお、例えば接地電位にされる電極14aおよび正電位にされる電極14bは、それぞれボンディングワイヤーを介して配線板18の異なる配線端子に電気接続されている。これ等の図示も同様な目的から省略している。
上記サーマルヘッド10において、絶縁基板11は、通常、耐熱性を有する電気絶縁材料から成る支持基板であり、アルミナセラミックスの他に、シリコン、石英、炭化珪素等のセラミックスにより構成されてもよい。
そして、上記グレーズ層12は、従来の技術で説明したように抵抗発熱体13の発する熱を蓄積および放散する作用を有し、表面平滑性のある絶縁体材料であればよい。例えば酸化珪素から成るガラス膜、あるいはポリイミド樹脂等の低熱伝導性材料から成る。このグレーズ層12の機能については後述する。
上記抵抗発熱体13は、例えばTaSiO、NbSiO、TaSiNO、TiSiCO系の電気抵抗材料から成る。また、一対の電極14a、14bは低抵抗になるほど好ましい。例えば、従来の技術と同様にAl、CuあるいはAlCu合金等の金属を主材料に構成される。
そして、保護膜15は、従来の技術の場合と同様に、Si34、SiON(酸窒化珪素)やSiC等の硬質で緻密な絶縁体材料あるいは半導体材料から成る。この保護膜15は、抵抗発熱体13、一対の電極14a、14bを被覆しリライタブル感熱記録媒体の摺接による磨耗、並びに大気中に含まれている水分等の接触による腐食から保護する。
そして、本実施形態の特徴的事項になる検温用金属膜16は、上述したように熱伝導性および耐磨耗性に優れた導電体材料から成り、例えばTiN(窒化チタン)のような高融点金属の窒化物が好適である。ここで、検温用金属膜16はリライタブル感熱記録媒体に摺接することから、磨耗耐性の高い材料が好ましい。その他、上記高融点金属の窒化物としては、TaN(窒化タンタル)、WN(窒化タングステン)、MoN(窒化モリブデン)が挙げられる。
このような検温用金属膜16は、上記保護膜15を介して少なくとも抵抗発熱体13の上部を覆うように形成され、抵抗発熱体13により生じる熱を効率よく検温素子17に伝達する機能を有する。また、上記熱をサーマルヘッドの表面で均一化する機能も併せもっている。このために、抵抗発熱体13のサイズであるライン方向の寸法が大きくなっても、サーマルヘッド表面の温度分布を均一にすることが容易になる。
更に、本実施形態の特徴的事項になる検温素子17は、薄膜サーミスタ、チップサーミスタ、ビードサーミスタのようなサーミスタあるいは熱電対等から成る。ここで、サーミスタは、温度の上昇と共に抵抗が低減する負の温度係数(NTC;Negative Temperature Coefficient)を有するものが好適であるが、逆に温度の上昇と共に抵抗が増大する正の温度係数(PTC;Positive Temperature Coefficient)を有するものであってもよい。
次に、上記サーマルヘッド10の製造について述べる。先ず、Al23(アルミナ)セラミックスからなる細長の絶縁基板11の表面に、例えばSiO(酸化珪素)のガラス粉末に適当な有機溶媒、溶剤を添加・混合して得たガラスペーストを周知のスクリーン印刷法で塗布形成する。そして、所定の温度で焼成し所要の膜厚のガラス膜から成るグレーズ層12を絶縁基板11表面に被着させる。このグレーズ層12はその他にポリイミド樹脂等であってもよい。しかし、グレーズ層12の材質および膜厚は、抵抗発熱体13で生じる熱の蓄積および放散を決める要素であり、可視像の消去における温度制御に大きく関係してくる。このために、この材質あるいは膜厚はリライタブル感熱記録媒体の温度特性にあわせて適切に設定される。
次に、グレーズ層12上に、例えばスパッタ法によりTaSiO膜を成膜し、フォトリソグラフィとエッチングの加工技術により上記TaSiO膜を帯状にパターニングして抵抗発熱体13を形成する。引き続いて、スパッタ法により上記抵抗発熱体13を被覆して例えば膜厚が0.5μm〜1μmのAl膜を成膜し、上記加工技術により、抵抗発熱体13の幅方向の両端部分で接続する一対の電極14a、14bを形成する。
その後、スパッタ法により全面を被覆する保護膜15を成膜する。ここで、保護膜15は、例えば膜厚が2μm〜5μm程度のSi膜、SiON膜等から成る。
そして、上記保護膜15上にスパッタ法により例えば膜厚が1μm程度のTiN膜を成膜して検温用金属膜16とする。この検温用金属膜16の膜厚は、抵抗発熱体13のサイズであるライン方向の寸法に関係し、サイズが大きくなると共に厚くするとよい。
次に、上記検温用金属膜16の縁端部に、例えばMn(マンガン)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)などの酸化物を混練して得た薄膜を感温部にするチップサーミスタを、高い熱伝導性の接着剤を介して取着して検温素子17とする。この検温素子17は、上述したように抵抗発熱体13の長手方向であるライン方向に直交する方向の縁端部でライン方向に均等に配置されることが好ましい。リライタブル感熱記録媒体がカード類であって抵抗発熱体13のライン方向の寸法が短くなる場合には、検温素子17は例えばライン方向の中央部に1個取り付けられる。また、リライタブル感熱記録媒体がシート類であって抵抗発熱体13のライン方向の寸法が長くなる場合には、検温素子17は図1に示したように例えばライン方向に等分して3個取り付けられる。
このようにした後は、上記抵抗発熱体13等を取り付けた絶縁基板11および配線板18を例えばアルミ板等から成る放熱板21上に接着剤を介して載置し固着する。そして、検温素子17の2つの取り出し端子と配線板18の配線端子との間を例えばAl線あるいはAu線から成るボンディングワイヤー19で接続する。更に、周知の実装技術により検温素子17およびボンディングワイヤー19を封止材20により気密封止する。ここで、配線板18はフレキシブル配線板であってもよいし回路配線板であってもよい。このようにして、回路/配線を備えたサーマルヘッド10が出来上がる。
次に、上記検温素子17を備えたサーマルヘッド10の加熱温度の制御方法について図3を参照して説明する。図3は抵抗発熱体13の通電制御回路の一例を示す回路ブロック図である。
図3に示すように、例えばパルス電圧の電源22を温度の制御回路23を介して抵抗発熱体13の一対の電極14a、14b(不図示)間に通電すると、抵抗発熱体13に電流が流れ発熱する。この抵抗発熱体13の発熱によりサーマルヘッド表面が温度上昇し、この熱は検温用金属膜16に均一化されて伝わり、検温素子17の感温部の抵抗を変化させその温度検出がなされる。ここで、検温素子17は、その熱容量が小さくその感温の応答速度が極めて高いことから、迅速に高精度の温度検出ができる。
そして、制御回路部23は、検温素子17の感温部からの電気信号に基づきサーマルヘッド表面が適正な温度範囲(=設定温度)にあるか否かを判定する。上記温度が設定温度より低い場合は電源22の電力出力を増大させ、上記温度が設定温度より高い場合は電源22の電力出力を低減させる。このように、検温素子17の検知温度に基づき、抵抗発熱体13に加える電力を制御することによって抵抗発熱体13を調温する。なお、上記制御回路部23は配線板18に実装されてもよいし電源22の近傍に配置されても構わない。
ここで、サーマルヘッド表面に複数個の検温素子17が配置されている場合には、複数の検温素子間の温度の平均値に基づき抵抗発熱体13の調温を行う。また、この場合には、上記複数の検温素子間の温度差が小さくなるように調整することもできる。
上記実施形態の検温素子17を備えたサーマルヘッド10では、抵抗発熱体13上をリライタブル感熱記録媒体が走査するのに同期して、上記一対の電極14a、14b間に電源22から例えば方形波形のパルス状の電圧が印加される。そして、リライタブル感熱記録媒体が抵抗発熱体13上を通過している間、抵抗発熱体13がジュール発熱する。このジュール発熱によりリライタブル感熱記録媒体は加熱される。このような加熱において、上述したように検温素子17の検知温度に基づいて加熱温度の制御がなされる。この加熱温度の制御にあっては、検温素子17を介して上記設定温度と比較しながら、抵抗発熱体13への電力の大きさ(例えば、電圧値)を制御することができる。あるいは、同様に検温素子17を介して抵抗発熱体13への通電時間(例えば、パルス状電圧のパルス幅)を制御することができる。
このようにして、上記実施形態では、リライタブル感熱記録媒体の可視像の消去における環境温度の変化に対し高い制御性を有するようになる。この検温素子17を用いることにより、抵抗発熱体13への上述した電力の大きさの制御を通してその発熱量が自動的に制御されることから、上記環境温度が変化しても、加熱過剰が生じたり、あるいは、加熱不足が起こったりすることは完全に防止される。そして、従来の技術で生じていた加熱過剰による記録媒体の熱的損傷がなくなり、加熱不足による再度の消去作業がなくなる。また、サーマルヘッドの製品寿命が長くなる。
更に、上記実施形態では、上記検温素子17を用いた抵抗発熱体13への通電時間の制御を用いることにより、加熱の温度プロファイル制御をすることが可能になる。ここで、上記通電時間の制御と共に上述した電力の大きさの制御を加味することにより高精度な制御ができるようになる。このようにして、消去時のリライタブル感熱記録媒体の加熱温度、加熱時間と共に、加熱後の温度冷却における徐冷の温度プロファイル制御ができるようになり、リライタブル感熱記録媒体に不要な画像を残存させることなく、リライタブル感熱記録媒体の全域にわたる可視像の確実な消去がなされる。
上記効果について、図4および図5を参照して説明する。図4は本実施形態における消去時のサーマルヘッド表面の温度の時間変化を示し、図5は検温素子17を搭載しない場合の消去時のサーマルヘッド表面の温度の時間変化を示す。なお、図4および図5は、検温素子17の有無以外の構造が同じであるサーマルヘッドの結果となっている。図中の破線で示す温度範囲が適切な消去温度(例えば100℃程度)である。
図4に示すように、検温素子17を用いて抵抗発熱体13への通電時間の制御および電力の大きさの制御を行い、パルス状の電圧を変調させると、上記電圧パルス毎の昇温時および降温時の時間変化を調節することができる。ここで、電圧パルス毎に昇温と降温の加熱を繰り返すが、この加熱においてグレーズ層12が抵抗発熱体13からの熱を蓄積することにより、上記昇温を高速にしている。そして、これに伴い上記リライタブル感熱記録媒体の搬送を高速にすることができる。また、昇温したときの温度は電圧パルス毎にほぼ同程度になり上記破線で示した温度範囲に極めて容易に収めることができる。
更に、上記降温を制御することにより不要な残像を生じさせないで画像の消去ができるようになる。上述したように高性能化したリライタブル感熱記録媒体では、上記昇温した時の温度の安定化と共に、その後の降温時の緩やかな冷却すなわち徐冷が重要になる。図4に示すように図5の降温時と比較して判るように、本実施形態では温度プロファイル制御によりこの徐冷制御が極めて簡便に行えるようになる。
これに対して、検温素子17を搭載いないサーマルヘッドでは、図5に示すように、上記電圧パルス毎の加熱の繰り返しと共に、グレーズ層12による蓄熱によりサーマルヘッド表面全体の温度が高くなり、その昇温したときの温度は無制御に上昇していく。そして、所定回数の加熱後において、電圧パルスの電力とサーマルヘッドの放熱とバランスにより決まる飽和温度で安定するようになる。この放熱はサーマルヘッドの構造およびその熱容量によって決まる。このために、飽和温度が上記破線で示した温度範囲に収まるようにすると、電圧パルスの印加の初期において、昇温したときの温度が上記温度範囲より低く外れる場合がある。この場合には、画像の消去が不充分になってくる。
また、図5に示すように、検温素子17を搭載しないサーマルヘッドでは、降温時は電圧パルスの降下と共に急激な冷却が生じるようになる。この急冷は、リライタブル感熱記録媒体の画像消去にとって好ましいものでなく、残像が生じ易く、画像の完全な消去を難しくする。なお、印画の場合は逆で加熱後の急冷が好ましくなることに触れておく。
上記実施形態では、サーマルヘッド10がリライタブル感熱記録媒体の画像消去に用いられる場合について詳述したが、カラープリンタ、フォトプリンタ等における画像の光沢層の形成においても全く同様に使用できる。そして、高精細な画像を安定して定着させることができるようになる。
このように、本実施形態では、リライタブル感熱記録媒体の画像消去あるいは画像光沢層の形成に使用するサーマルヘッドに検温素子を取り付けることにより、従来の技術において生じていた問題は極めて簡便に全て解決される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上述した実施形態は本発明を限定するものでない。当業者にあっては、具体的な実施態様において本発明の技術思想および技術範囲から逸脱せずに種々の変形・変更を加えることが可能である。
例えば、上記ライン状の抵抗発熱体の形状は、一定幅にする必要は必ずしもなく、ライン方向でその幅が異なるように形成してもよい。また、抵抗発熱体の幅方向に複数のスリットを設け抵抗発熱体13を複数の区画に区分してもよい。
また、抵抗発熱体の幅方向の両端部で接続する一対の電極は種々のパターン形状のものが考えられる。このパターンを変えることにより電極の電流パスにおける電圧降下が変わる。そして、この電流パスによりサーマルヘッド表面での発熱が異なってくることからその表面の温度分布が調節される。
また、上述した電源から抵抗発熱体へ供給される電圧パルスは、方形波形の他に、正弦波形、のこぎり波形等、時間的に変化する波形であってもよい。更に、上記パルス状の電圧に限定されるものではなく、所定の時間に一定の電圧が印加されるようなものであっても構わない。但し、一定電圧が長い時間にわたり印加されるような電力の供給であると、サーマルヘッドの消費電力が増大し実用的でなくなることから、印加時間に限度がある。
本発明の実施形態にかかるサーマルヘッドを示す模式的な上面図。 図1のX−X矢視の拡大横断面図。 本発明の実施形態にかかる検温素子による加熱制御を示す通電制御回路の一例を示す回路ブロック図。 本発明の実施形態にかかるサーマルヘッドの加熱温度の時間変化を示すグラフ。 従来の技術におけるサーマルヘッドの加熱温度の時間変化を示すグラフ。 従来の技術のサーマルヘッドを示す概略図であって、(a)はサーマルヘッドの上面図、(b)はそのY−Y矢視の拡大横断面図。
符号の説明
10…サーマルヘッド,11…絶縁基板,12…グレーズ層,13…抵抗発熱体,14a,14b…電極,15…保護膜,16…検温用金属膜,17…検温素子,18…配線板,19…ボンディングワイヤー,20…封止材,21…放熱板,22…電源,23…制御回路

Claims (6)

  1. 絶縁体材料から成る支持基板と、
    前記支持基板の表面に形成された絶縁体材料から成る保温層と、
    前記保温層上に形成された帯状の抵抗発熱体と、
    前記抵抗発熱体に接続された電極と、
    前記抵抗発熱体および前記電極を被覆する絶縁体材料から成る保護層と、
    前記抵抗発熱体の上部を覆い前記保護層の表面に形成された導電体材料から成る耐磨耗層と、
    前記耐磨耗層の表面に取り付けられた前記抵抗発熱体の温度を検知する検温素子と、
    を備えていることを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 前記検温素子が検知した温度に基づき、前記電極に印加される電圧が制御されることを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッド。
  3. 前記耐磨耗層は高融点金属の窒化物から成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のサーマルヘッド。
  4. 前記耐磨耗層は窒化チタンから成ることを特徴とする請求項3に記載のサーマルヘッド。
  5. 前記検温素子はサーミスタから成ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のサーマルヘッド。
  6. 前記検温素子は前記抵抗発熱体の長手方向を等分する位置に配置されていることを特徴とする請求項5に記載のサーマルヘッド。
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