JP2008194746A - B及びnを含有する鋼の連続鋳造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】垂直曲げ型連続鋳造機により溶鋼を連続鋳造する方法であって、前記溶鋼が、質量%で、C:0.12〜0.17%、Si:0.20〜0.55%、Mn:1.00〜1.60%、S:0.005%以下、P:0.030%以下、Al:0.010〜0.200%、B:0.0005〜0.0020%、N:0.0020〜0.0100%、残部はFeおよび不純物である鋼組成を有し、前記連続鋳造機内で鋳片が曲げ応力を受ける領域内では鋳片の幅中央部の表面温度を950〜1150℃、コーナー部の表面温度を830〜910℃とし、かつ、連続鋳造機内で鋳片が矯正応力を受ける領域内では鋳片の幅中央部の表面温度を750〜950℃、コーナー部の表面温度を700〜800℃として連続鋳造する。
【選択図】 図1
Description
また、特許文献4のような手段も、鋳込み速度を調整した場合、連続鋳造機内での最終凝固位置が変化するため、中心偏析に悪影響を及ぼす恐れがあるため、別の対策を合わせて行う必要がある。
(i)B添加鋼による連続鋳造鋳片の表面割れの原因は、鋳片表面のオーステナイト粒界に過剰に析出した窒化ホウ素(BN)の存在が主であり、垂直曲げ型連鋳機内の鋳片曲げ部および鋳片矯正部において、強い曲げまたは矯正応力が加わるときに鋳片表面に割れが発生する。
(ii)BNを析出させないためには、連続鋳造時の二次冷却によって凝固初期の鋳片表層部の冷却速度を上げ、BとNを固溶状態で凝固させる方法が必要である。凝固初期の冷却速度を上げるため、例えば片面300L/min/m2〜600L/min/m2程度の大流量の冷却水で冷却を行うこともあるが、これほどの冷却を行うと、今度は、温度が低下しやすい鋳片コーナー部は過冷状態となり、B及びNを含有する鋼では割れが発生し易くなる。
本発明者は上記の知見に基づいてさらに検討を進めた。その結果、鋳片凝固初期の冷却速度を上げ、更に、鋳片の曲げ・矯正部において延性が低下する温度域を低温側に回避させる二次冷却方法を適用することにより、BNの析出防止と延性低下防止とを連続鋳造時において同時に満足させることが可能であり、その結果鋳片表面割れを防止できるという新たな知見を得て、本発明を完成させた。
また、本発明により、圧延前の鋳片の手入れ量が減少し、生産性の向上が図れるようになった。
本発明における鋼の化学成分の限定理由について説明すると次の通りである。本明細書において鋼組成を示す「%」はとくにことわりがない限り、「質量%」である。
Al:Alは脱酸のために精錬過程で添加されるが、必要以上に添加しても効果が無く、上限を0.200%とする。その一方で、添加が少な過ぎると鋳造の安定性に悪影響を及ぼすので、下限を0.010%とする。
2.温度制御
本発明を創出するに当たって行なった試験調査を最良の形態の一態様として説明し、その結果得られた鋳片表面の好適な温度分布制御について説明する。
試験調査で使用した連続鋳造機は、連続鋳造鋳型に直結する垂直部、それに続く曲げ部、湾曲部、矯正部、そして水平部を備えており、それぞれにおいて鋳片は水冷されている垂直曲げ型連続鋳造機である。
鋳型内の溶鋼高さを含む装置全体の長さ28.4mであり、その各部の寸法、つまり鋳型出口からの距離は下記のとおりである。
なお、垂直部、湾曲部、水平部の各部においては、鋳片には変形応力が加わらないように設計されている。
前述の組成の溶鋼550tを、鋳片幅1600〜2300mm、鋳片厚210〜300mm、鋳造速度0.9〜1.6m/minの条件において冷却した。その冷却条件の設定に当たっては下記パラメータを使い、垂直曲げ型連続鋳造機の垂直部、矯正部等の各区間の冷却水量を下記(1)式の上下限A、Bの間になるように調整した。
L:冷却区間の長さ[m]、
W:冷却区間の幅[m]、
T:鋳片厚[m]、
Vc:鋳造速度[m/min]
W:冷却区間の幅[m]、=1.6 〜 2.3
T:鋳片厚[m]、=0.21 〜 0.30
Vc:鋳造速度[m/min]=0.9 〜 1.6
であり、
曲げ部
Q:水量密度[L/min・m2]、=30 〜 140
L:冷却区間の長さ[m]、=1.6を中心として、1.0〜2.5
矯正部
Q:水量密度[L/min・m2]、=0 〜 50
L:冷却区間の長さ[m]、=2.8を中心として、2.0〜4.0
であった。
試験調査の際には、「鋳片の幅中央部」及び「鋳片のコーナー部」の表面温度を鋳造中に常時測定し、鋳片各部が曲げ部および矯正部に存在する間の瞬間的な鋳造速度と鋳片表面温度を用いて、前記のパラメータ式により、水量密度を刻々調整して、鋳片表面温度を常時コントロールした。
まず、曲がり応力が加えられる曲げ部において、コーナー部はその延性が低下する温度にまで冷却されてしまうことを避けながら、鋳片中央部はBNのオーステナイト結晶粒界への析出を抑制すべく急冷却する。
(ア)まず、凝固初期に急速冷却する。この場合、冷え難いのは鋳片中央部であるから、曲げ部までにこの領域を1150℃以下とすることが重要である。1150℃より高くすると、その後の工程においてBNが析出しやすくなってしまう。但し、曲げ部内で950℃未満になってしまうまで冷やすと、曲げ部での鋳片コーナー部を830℃以上に保つことが困難となる。したがって、曲げ部での鋳片中央部の適切な温度範囲は1150〜950℃である。
本発明の作用効果を確認するために用いた連続鋳造機の仕様は、鋳型内の溶鋼高さを含む装置全体の長さ28.4mであって、垂直部、曲げ部、湾曲部、矯正部、そして水平部から構成され、各部の寸法、つまり鋳型出口からの距離は下記の通りであった。
湾曲部3.3〜15.8m、
矯正部15.8〜18.6m。
鋳片のサイズは幅2300mm、厚み250mm〜300mmであった。
鋳造に用いた鋼の成分は、C:0.12〜0.17%、Si:0.20〜0.55%、Mn:1.00〜1.60%、S:0.005%以下、P:0.030%以下、Al:0.010〜0.200%、B:0.0005〜0.0020%、N:0.0020〜0.0100%、残部はFeおよび不純物を含有する鋼であった。
各冷却パターンは、以下の通りであった。
冷却II:比較例のパターン(弱冷)
冷却III:本発明のパターン
本例の結果を表2ないし表4にまとめて示す。 表2、表3は冷却I、IIのパターンに、表4は冷却IIIのパターンに相当するものである。
曲げ部:幅中央部1050〜1000℃、コーナー部900〜820℃、
矯正部:幅中央部930〜880℃、コーナー部730〜680℃。
曲げ部:幅中央部1140〜1040℃、コーナー部930〜850℃、
矯正部:幅中央部990〜930℃、コーナー部720〜760℃。
曲げ部:幅中央部1100〜1000℃、コーナー部900〜830℃、
矯正部:幅中央部860〜820℃、コーナー部770〜740℃。
表面品質確認は、鋳造後の鋳片の表面を片面1.5mmずつ溶削後、目視で観察を行った。
これらの結果からも分かるように、本発明によれば、特別の装置などを必要とせずにB含有中N鋼の連続鋳造を行っても、実質上、表面疵は見られず、本発明の効果が大きいことが分かる。
Claims (2)
- 垂直曲げ型連続鋳造機により溶鋼を連続鋳造する方法であって、前記溶鋼が、質量%で、C:0.12〜0.17%、Si:0.20〜0.55%、Mn:1.00〜1.60%、S:0.005%以下、P:0.030%以下、Al:0.010〜0.200%、B:0.0005〜0.0020%、N:0.0020〜0.0100%、残部はFeおよび不純物である鋼組成を有し、
前記連続鋳造機内で鋳片が曲げ応力を受ける領域内では鋳片の幅中央部の表面温度を950〜1150℃、コーナー部の表面温度を830〜910℃とし、かつ、連続鋳造機内で鋳片が矯正応力を受ける領域内では鋳片の幅中央部の表面温度を750〜950℃、コーナー部の表面温度を700〜800℃として連続鋳造することを特徴とする、B及びNを含有する鋼の連続鋳造方法。 - 前記連続鋳造機内で、鋳片幅1600〜2300mm、鋳片厚210〜300mm、鋳造速度0.9〜1.6m/minを満たしつつ、少なくとも前記連続鋳造機内で鋳片が曲げ応力を受ける前記の領域内では下記(1)式により規定される二次冷却水量を120〜160[L]とし、かつ、前記連続鋳造機内で鋳片が矯正応力を受ける前記の領域内では下記(1)式により規定される二次冷却水量を60〜80[L]とすることを特徴とする、請求項1記載のB及びNを含有する鋼の連続鋳造方法。
Q:水量密度[L/min・m2]
L:冷却区間の長さ[m]、
W:冷却区間の幅[m]、
T:鋳片厚[m]、
Vc:鋳造速度[m/min]
であって、
曲げ応力を受ける領域内でのQ:30〜140、
矯正応力を受ける領域内でのQ:0〜50
である。
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