JP6131833B2 - Ti脱酸鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

Ti脱酸鋼の連続鋳造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6131833B2
JP6131833B2 JP2013231924A JP2013231924A JP6131833B2 JP 6131833 B2 JP6131833 B2 JP 6131833B2 JP 2013231924 A JP2013231924 A JP 2013231924A JP 2013231924 A JP2013231924 A JP 2013231924A JP 6131833 B2 JP6131833 B2 JP 6131833B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slab
steel
content
cooling
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013231924A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015093278A (ja
Inventor
加藤 徹
徹 加藤
謙治 田口
謙治 田口
慎 高屋
慎 高屋
英典 栗本
英典 栗本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp filed Critical Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority to JP2013231924A priority Critical patent/JP6131833B2/ja
Publication of JP2015093278A publication Critical patent/JP2015093278A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6131833B2 publication Critical patent/JP6131833B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)
  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Description

本発明は、連続鋳造時における鋳片の表面の割れや疵の発生を抑制することが可能な、高強度厚鋼板用Ti脱酸鋼の連続鋳造方法に関する。
近年、鋼の厚板製品等において、機械的性質上の要求から、Nb、V、Ni、Cu等の合金元素を含有させた低合金鋼が多く用いられている。この低合金鋼を湾曲型または垂直曲げ型の連続鋳造機を用いて鋳造する場合、いわゆる横割れや横ひび割れと呼ばれる割れが鋳片の表面に発生しやすい。これらの鋳片の表面割れは、連続鋳造機において、鋳片の曲げが矯正される際に、鋳片の表面に働く応力が、この低合金鋼に固有の限界応力を超えるために発生する。
鋳片の表面割れの発生についてさらに説明する。この低合金鋼の鋳片の熱間延性は、鋳片の凝固組織がγ(オーステナイト)相からα(フェライト)相に変態するA3変態温度の近傍(600〜850℃の温度域)で著しく低下する。すなわち、この低合金鋼は、600〜850℃の温度域が脆化温度域である。
また、この低合金鋼では、鋳型から引き抜かれた後の二次冷却過程において、鋳片のγ粒界にAlNやNbC等の窒化物や炭化物が析出しやすい。これらの窒化物や炭化物が析出したγ粒界は、鋳片に応力が作用した場合に割れの起点となりやすい。
これらのことから、湾曲型または垂直曲げ型の連続鋳造機で、この低合金鋼の鋳片の曲げの矯正が600〜850℃の温度域で行われた場合に、脆化温度域であることおよびγ粒界における析出物の生成により、鋳片の表面において横割れや横ひび割れが発生しやすい。
このような鋳片の表面割れの発生の抑制に、鋼中にTiを含有させることが効果的であることはよく知られており、一般的な技術となっている。
例えば、特許文献1には、BおよびNを所定量含有する組成の鋼について、BNを析出させずに鋳造を完了してスラブとし、その後スラブの熱間圧延を所定の温度で行うことによりBNを析出させ、プレス成形性および表面性状に優れた薄鋼板を得る方法が記載されている。同文献には、さらにTiを含有させることにより、TiNを析出させてNによる製品性能の劣化を抑制できること、およびB、NおよびTi含有率に応じて鋳造速度を制御することにより、表面性状の良好なスラブが得られることが記載されている。
表面割れの発生を抑制する別の方法として、湾曲型または垂直曲げ型の連続鋳造機における鋳片の曲げの矯正を、鋳片の表面温度が脆化温度域よりも高い温度または低い温度であるときに行う方法がこれまでに実用化されており、例えば特許文献2および3に記載されている。
特許文献2には、脆化温度域が820〜950℃である鋼を連続鋳造する際に、二次冷却帯上部を強冷却して鋳片の表面温度を脆化温度域よりも低い650〜700℃とし、その後ゆるやかに復熱させて矯正点での鋳片の表面温度を700〜800℃の範囲とし、鋳片表面の横ひび割れの発生を防止する方法が記載されている。
特許文献3には、鋳片を鋳型から引き抜いた後、1分以内に鋳片表面温度を脆化温度域であるA3変態温度以下とし、その後復熱させ、矯正点における鋳片表面温度を850℃以上とする方法が記載されている。
これらの方法のうち、特許文献2に記載の方法を上記の低合金鋼に適用した場合、二次冷却帯上部を強冷却する際に、鋳片の表面に厚い酸化被膜が形成されやすいという問題がある。この酸化被膜の厚さは、鋳片の位置によって不均一になりやすく、酸化被膜が特に厚い部分では、二次冷却を継続しても鋳片が冷却されにくい。そのため、鋳片の表面温度が不均一になりやすく、矯正時において部分的に脆化温度域内となり、表面割れが発生することがある。
また、特許文献4には、鋳片を、鋳型から引き抜いた直後の所定の水量密度の冷却水で冷却し、復熱させた後、所定の冷却速度で冷却することにより、鋳片のミクロ組織をγ粒界が不明瞭なフェライト−パーライト組織とし、横ひび割れ等の発生を防止する方法が記載されている。
特開2002−20836号公報 特公昭58−3790号公報 特開平9−47854号公報 特開平9−253814号公報
ところで、近年、鋼の高強度化、高性能化および高品質化の要求に応じて、従来とは異なる成分組成を有する鋼材が各種開発されている。また、生産性の向上や生産コストの削減に関する要求の厳格化に伴い、従来はある程度の表面手入れや歩留まりロスが許容されていた鋳片についても表面割れの発生を抑制する等、無手入れ化が要求されるようになっている。
上述した特許文献1〜4に記載の方法のように、鋳片の表面割れの発生を抑制する方法はこれまでに種々提案されているものの、このような要求に対して十分な表面割れの抑制効果が得られないような鋼種も開発され、実際に生産されている。本発明が対象とするTi脱酸鋼もそのひとつである。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、Ti脱酸鋼の連続鋳造時における鋳片の曲げの矯正を行う際に発生する、鋳片の表面の横割れや横ひび割れを安定して抑制することができる連続鋳造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、まず、Ti脱酸鋼の連続鋳造時における鋳片の表面割れや疵の発生状況と成分組成と鋳造条件との関係、および鋳片から採取した試験片を用いて高温引張試験を行った場合の破断面の状況と試験条件との関連等について、鋭意検討した。検討内容の一部については後述する。
その結果、下記(1)〜(4)の知見が得られ、Ti脱酸鋼の連続鋳造時に鋳造条件を適切に制御すれば連続鋳造時において、鋳片の表面の割れや疵の発生を抑制できることがわかった。また、この表面割れ等の発生が抑制された鋳片を熱間圧延することにより、表面割れ等の発生が抑制された鋼板が得られることもわかった。
(1)Ti脱酸鋼では鋼中に割れ感受性を低減させる成分であるTiを含有させているにも拘わらず、連続鋳造鋳片の表面に割れが発生することがある。
(2)この表面割れは、鋳片の幅方向全体に発生することもあるが、鋳片のコーナーまたはコーナーから200mm以内の部分に発生することが多い。
(3)Ti脱酸鋼を対象として引張試験を行い、破断により形成された破面モードを調査すると、鋼種または温度履歴により、破面モードが異なる。粒界とは無関係に破断する場合と、粒界脆化により破面に粒界が明瞭に認められるように破断する場合とがあり、割れ感受性が高い条件では粒界脆化となる。
(4)鋳片の二次冷却を鋳型直下の垂直な領域で行い、二次冷却を、鋳片が鋳型を出た直後から鋳片に冷却水を吹き付け、鋳片の全幅にわたり表皮下3mmの深さ位置において、3〜20℃/sの冷却速度で、A3変態温度以下の温度まで冷却する領域と、鋳片の全幅にわたり表皮下3mmの深さ位置において、A3変態温度以下の温度で20〜100s保持する領域と、鋳片のコーナーから50〜300mm以内の範囲には冷却水を吹き付けないで鋳片のコーナーを復熱させるとともに、それ以外の範囲は冷却水を吹き付けて冷却する領域との一連の領域を経るものとすることにより、二次冷却後の鋳片の曲げおよび曲げの矯正時における表面割れの発生を抑制できる。
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものであり、その要旨は、下記のTi脱酸鋼の連続鋳造方法にある。
質量%で、C:0.030〜0.180%、Si:0.10〜0.40%、Mn:0.5〜2.0%、P:0.020%以下、S:0.0040%以下、Al:0.01%未満、Ti:0.005〜0.030%、N:0.0015〜0.0070%およびOを含有し、さらにCu:0.1〜0.5%、Cr:0.2〜2.0%、Ni:0.2〜2.5%、Mo:0.1〜0.8%、V:0.01〜0.10%、Nb:0.005〜0.050%、B:0.0005〜0.0050%およびCa:0.0005〜0.0060%のうちの1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不純物からなるTi脱酸鋼を垂直曲げ型の連続鋳造機を使用して連続鋳造する方法であって、O、Al、TiおよびNの含有率が下記(1)〜(3)式の関係を満足する溶鋼を、鋳型を用いて鋳造し、鋳造された鋳片の二次冷却を鋳型直下の垂直な領域内で行う際、前記二次冷却は、鋳片が鋳型を出た直後から鋳片に冷却水を吹き付け、鋳片の全幅にわたり表皮下3mmの深さ位置において、3〜20℃/sの冷却速度で、A3変態温度以下の温度まで冷却する領域と、鋳片の全幅にわたり表皮下3mmの深さ位置において、A3変態温度以下の温度で20〜100s保持する領域と、鋳片のコーナーから50〜300mm以内の範囲には冷却水を吹き付けないで鋳片のコーナーを復熱させるとともに、それ以外の範囲は冷却水を吹き付けて冷却する領域と、の一連の領域を経ることを特徴とするTi脱酸鋼の連続鋳造方法。
O*=[%O]−48/54×[%Al] …(1)
Ti*=[%Ti]−95.8/48×O* …(2)
Ti*/[%N]<3.6 …(3)
ここで、[%O]、[%Al]、[%Ti]および[%N]は、それぞれ溶鋼中のO、Al、TiおよびNの含有率(質量%)であり、上記(1)式でO*<0の場合にはO*=0とする。
以下の説明では、鋼の成分組成についての「質量%」を、単に「%」とも表記する。
本発明のTi脱酸鋼の連続鋳造方法によれば、連続鋳造時に鋳片の曲げの矯正を行う際に発生する、鋳片の表面の横割れや横ひび割れを安定して抑制することができる。そのため、本発明の方法で製造したTi脱酸鋼の鋳片を熱間圧延することにより、表面割れ等の発生が抑制された高強度厚鋼板を得ることができる。
試験片に施した熱処理の温度履歴パターンである。 鋳片がA3変態温度以下に至るまでの冷却速度およびA3変態温度以下での保持時間と、破面モードとの関係を示す図である。
以下では、まずTi脱酸鋼における鋳片の表面割れの発生機構について説明した上で、本発明のTi脱酸鋼の連続鋳造方法を上述のとおり規定した理由およびその好ましい態様について説明する。
1.Ti脱酸鋼における鋳片の表面割れの発生機構
一般に、鋼にTiを含有させることが、鋳片の表面割れの発生の抑制に効果的であることはよく知られており、広く使用される技術となっている。
しかし、本発明者らは、Ti脱酸鋼によっては、鋼中に割れ感受性を低減させる成分であるTiを含有させているにも拘わらず、連続鋳造鋳片の表面に割れが発生することがあることを知見した。
鋼にTiを含有させると、鋳片の表面割れの発生を抑制できるのは、鋼中のNをTiNとして固定することに起因する。鋼中のTiNの溶解度としては、例えば下記(4)式が知られている。(4)式から、一般的な厚鋼板用材料のTi含有率である0.0015%とN含有率である0.003%の場合、平衡論の上では、鋳造中の鋼の温度が低下して約1459℃に到達するとTiNの析出が開始することがわかる。
log10[%Ti][%N]=−14890/T+4.25 …(4)
ここで、[%Ti]:鋼のTi含有率(質量%)、[%N]:鋼のN含有率(質量%)、T:鋼の温度(K)である。
TiNは、このような高温から析出を開始するため、鋼の脆化原因となるNb(C,N)やAlNのような炭窒化物や窒化物と異なり、結晶粒界に限らず結晶粒内にも均一に析出する。このTiNの析出により、Tiを鋼に含有させると表面割れを抑制する効果が得られる。
このような知見を基に、従来、鋼中のTiの含有率[%Ti](質量%)と、Nの含有率[%N](質量%)の比の値([%Ti]/[%N])を化学量論比である3.4よりも大きくすれば鋳片の表面割れの発生を防止できるとされてきた。
しかし、Ti脱酸鋼を鋳造する場合、TiNの生成に先行して、溶鋼中にTi23が生成し、鋼中のTiがOによって消費されるため、TiNの生成に使用可能なTiの有効量が減少する。このため、Ti脱酸鋼とAl脱酸鋼とを比較した場合、TiおよびAl以外の成分組成がほぼ同一であっても、Ti脱酸鋼の方が連続鋳造時における鋳片の表面割れが発生しやすい。この表面割れは、鋳片の曲げ時または曲げの矯正時に発生するものである。
2.Ti脱酸鋼の成分組成の範囲およびその限定理由
2−1.必須元素
C:0.030〜0.180%
Cは、一般に、鋼の強度に大きな影響を及ぼす元素として知られている。C含有率が0.03%未満では、高強度厚鋼板等の用途に対して、所定の強度を得ることが困難である。一方、C含有率が0.18%を超えると、鋼の硬度が著しく高くなり、新たな表面疵の原因となるため、鋼の熱処理に特段の工程が必要となる。また、鋼の溶接に際しては、溶接部および熱影響部(HAZ)が硬化するため、厚鋼板として必要となる溶接性を損なうこととなる。これらの理由から、C含有率は0.030〜0.180%とする。C含有率は0.04〜0.14%が好ましい。
Si:0.10〜0.40%
Siは、一般に、鋼の製造プロセスでは脱酸元素として鋼のO含有率を低減するために有効な元素の一つであり、また、鋼を強化する効果も有する。Si含有率が0.10%未満では、溶鋼を十分に脱酸することができない。溶鋼が十分に脱酸されていない状態で連続鋳造を行うと、鋼中に気泡が生成し、製品の欠陥となるばかりでなく、時にはブレークアウトを誘発し、操業ができなくなるという問題も生じる。一方、Si含有率が0.4%を超えると、縞状マルテンサイトを生成するようになり、溶接時にHAZ靭性を低下させるという問題がある。そこで、Si含有率は0.10〜0.40%とする。Si含有率は、0.10%以上、0.30%未満が好ましい。
Mn:0.5〜2.0%
Mnは、一般に、鋼の強度に大きな影響を及ぼす元素として知られている。Mn含有率が0.5%未満では、高強度厚鋼板として十分な強度を得ることが困難である。一方、Mn含有率が2.0%を超えると、固溶強化のため、鋼の強度が著しく高くなり、製品の強度の調整が困難となる。また、Mnは、中心偏析部で濃化するため、含有率が高いほど鋳片や鋳片の圧延後の厚鋼板内で生じる強度むらが著しくなる。そこで、Mn含有率は0.5〜2.0%とする。Mn含有率は1.0〜1.8%が好ましい。
P:0.020%以下
Pは、鋼中に不可避的に含有される不純物元素の一つであり、含有率は低いことが好ましい。Pは、鋼の固液界面における分配係数が小さいため、溶鋼の凝固時に著しく偏析する。このため、P含有率が高い場合には、種々の製品特性に悪影響を及ぼすことが懸念される。また、偏析によりPが濃化した部分は融点が著しく低下するため、鋳片の熱間圧延時には、この濃化部が溶融して製品の疵の原因となることもある。そこで、P含有率は、0.020%以下とする。P含有率は、Pが偏析した部分における種々の問題の発生を防止するため、0.01%未満とすることが好ましい。また、通常の工業的な精錬方法によって経済的に見合うコストで製造可能な範囲として、P含有率は0.002%以上とすることが好ましい。
S:0.0040%以下
Sは、Pと同様に、鋼中に不可避的に含有される不純物元素の一つであり、含有率はできる限り低いことが好ましい。Sは、これもPと同様に、鋼の固液界面における分配係数が小さいため、溶鋼の凝固時に著しく偏析し、また、偏析によりSが濃化した部分は融点が低下する。Sが濃化した部分は、特に鋳片の圧延時に表面の疵の発生の原因となる。そこで、S含有率は、0.0040%以下とする。S含有率は、0.0030%以下がこのましい。より高強度が要求される場合等、要求レベルの厳しい条件では、S含有率を0.0020%以下とすることが好ましい。通常の工業的な精錬方法によって経済的に見合うコストで製造可能な範囲として、S含有率は0.0005%以上とすることが好ましい。
Al:0.01%未満
Alは、鋼中のO含有率を低減するのに有効な元素の一つであり、脱酸元素として広く鋼中に添加されている。しかし、本発明で対象とするのはTi脱酸鋼である。Alは、Tiより脱酸力が強いため、Ti脱酸鋼におけるAl含有率には上限がある。そのため、Al含有率は0.01%未満とする。Al含有率は、0.006%未満が好ましい。鋼材として必要とされる特性にもよるものの、Al23の生成が製品の特性に悪影響を及ぼすような場合には、Al含有率を0.003%未満とする。本発明で対象とするTi脱酸鋼ではAlは必ずしも必要ではないが、含有する場合は好ましくは0.001%以上である。
さらに、AlはTiよりも溶鋼中のOと結合しやすいことから、Tiを含有させた鋼がTi脱酸鋼となるには、鋼中において、OがAlに対して化学量論的に過剰に存在していることが必要である。そのため、鋼中においてAlと結合しないで存在している過剰なOの含有率(O*)として下記(1)式を導出し、(1)式で算出される過剰なOの含有率の値が正である場合にTi脱酸鋼となると想定した。
O*=[%O]−48/54×[%Al] …(1)
ここで、[%O]および[%Al]は、それぞれ溶鋼中のOおよびAlの含有率(質量%)である。
Ti:0.005〜0.030%
Tiは、一般的には鋼の強度を向上させる元素である。また、鋼中のNをTiNとして固定する元素でもあるため、Tiを鋼に含有させることにより、連続鋳造機における鋳片の曲げ時または曲げの矯正時に鋳片の表面割れが発生するのを抑制する効果が得られる。しかし、Ti脱酸鋼を鋳造する場合、TiNの生成に先行して、溶鋼中にTi23が生成し、鋼中のTiがOによって消費されるため、TiNの生成に使用可能なTiの有効量が減少し、鋳片の表面割れの発生を抑制する効果が得られないことがある。
それにもかかわらず、Ti脱酸鋼を使用するのは、例えば鋼中の酸化物をTiの酸化物とすると、溶接特性が向上する等の有利な効果が得られるからである。これらの効果は、Ti含有率が0.005%未満では得られない。一方、Ti含有率が0.030%を超えると、Tiの炭化物が多数生成し、溶接時にHAZ靭性を低下させるという問題がある。そこで、Ti含有率は0.005〜0.030%とする。Ti含有率は0.008〜0.02%が好ましい。
また、Tiを鋼に大量に添加し、TiNが析出するようにすれば、連続鋳造時における鋳片の表面割れの発生の懸念はなくなる。そこで、鋼中においてAlと結合しないで存在している過剰なOがTiと結合し、Oと結合しないで残ったTiがNと結合してTiNが生成すると仮定し、下記(2)式および(3)式を導出した。そのため、(2)式では、下に再掲する(1)式で算出される過剰なOの含有率(O*)を用いる。(2)式は、鋼中においてOと結合しないで存在しているTiの含有率(Ti*)を算出する式であり、(3)式はTiに対してNが過剰となると考えられるNの含有率の範囲である。
O*=[%O]−48/54×[%Al] …(1)
Ti*=[%Ti]−95.8/48×O* …(2)
Ti*/[%N]<3.6 …(3)
ここで、[%O]、[%Al]、[%Ti]および[%N]は、それぞれ溶鋼中のO、Al、TiおよびNの含有率(質量%)である。
Al脱酸鋼のように、Oに対してAlが過剰に存在する場合には、(1)式のO*の値が負となるが、この場合には、(2)式におけるO*の値として0を適用する。また、Ti*/[%N]が3.4以上である場合には、化学量論的に鋼中のNの大部分がTiNとして固定される。そして、実際の操業では、Ti*/[%N]を3.6以上とすることにより、確実に鋼中のNの大部分をTiNとして固定することができる。そのため、Ti*/[%N]が3.6以上の場合、すなわち(3)式を満足しない場合は鋳片の表面割れの問題はなく、この場合は本発明の対象外である。
N:0.0015〜0.0070%
Nは、転炉等を用いて大気雰囲気で鋼を溶製する場合に、鋼中に不可避的に侵入する元素である。Nは、鋼中でAlやNb、B等とともに窒化物を形成する。これらの窒化物は、鋳片の熱間加工の過程でピン止め粒子として結晶粒を微細化する効果を有することから、鋼材の機械的特性に影響を及ぼすとともに、ミクロ組織の形成にも影響を及ぼす。しかし、N含有率が0.0015%未満では結晶粒を微細化する効果は得られない。一方、これらの窒化物が連続鋳造時にγ粒界に動的析出するため、N含有率が過剰である場合、具体的には0.0070%を超える場合に鋳片の表面割れの原因となる。このため、N含有率は0.0015〜0.0070%とする。組織のピン止め効果を確実に発揮させるとともに、鋳片の中心部等における粗大な炭化物、窒化物の生成に伴う鋼の靭性の低下を防止する観点から、N含有率は0.002〜0.004%が好ましい。
1−2.選択的必須元素
以上の必須元素の成分組成の調整のみで高強度厚鋼板として必要とされる強度やその他の仕様を満足することは困難である。そのため、以下の元素(Cu、Cr、Ni、Mo、V、NbおよびB)のうち1種以上を含有させる。
Cu:0.1〜0.5%
Cuは、鋼の焼き入れ性を向上させる元素である。しかし、Cu含有率が0.1%未満では、焼き入れ性の向上効果は得られない。一方、Cu含有率が0.5%を超えると、焼き入れ性の向上効果が過剰となるばかりでなく、鋼材の熱間加工性が低下する。そこで、Cu含有率は0.1〜0.5%とする。Cu含有率は0.2〜0.4%が好ましい。
また、Cuは、鋼の連続鋳造時には、スタークラックと呼ばれる鋳片の表面割れを誘発する元素でもある。このため、Cu含有率を0.2%以上とする場合には、Cu含有率の1/3以上の含有率となるように後述するNiを添加することが好ましい。
Cr:0.2〜2.0%
Crは、鋼の強度および靭性を高める効果を有する元素である。また、80kgクラス以上の鋼のように、鋼に高強度が要求される場合には実質的に必須の元素である。しかし、Cr含有率が0.2%未満では、鋼の強度および靭性を高める効果は得られない。一方、Cr含有率が2.0%以上では、溶接割れが発生する等の問題が発生する。そこで、Cr含有率は0.2〜2.0%とする。鋼の溶接性を重視する場合には、Cr含有率は0.2〜1.5%とすることが好ましい。
Ni:0.2〜2.5%
Niは、固溶強化によって鋼の強度を向上させる効果を有する元素であり、靭性を改善する効果も有する。Ni含有率が0.2%未満ではこれらの効果が得られない。一方、Ni含有率が2.5%を超えた場合、強度および靭性の向上効果は飽和するだけでなく、溶接性を悪化させるという悪影響も生じる。さらに、Ti脱酸鋼においてNiを含有させることにより、表面割れ感受性が顕著に高くなる。そのため、Ni含有率は0.2〜2.5%とする。Ni含有率は0.3〜1.0%が好ましい。
Mo:0.1〜0.8%
Moは、鋼板の焼き入れ性を向上させるとともに、強度の向上に寄与する元素である。Moは、Crと同様に、80kgクラス以上の鋼のように、鋼に高強度が要求される場合には実質的に必須の元素である。しかし、Mo含有率が0.1%ではこれらの効果は得られない。一方、Moは高価な元素であり、添加量を増加させると製造コストの増加につながるばかりでなく、0.8%以上含有させるとベイナイトやマルテンサイト相等の硬化相が生成し、鋼の熱間加工性や溶接性を悪化させる。そのため、Mo含有率は0.1〜0.8%とする。Mo含有率は0.1〜0.6%が好ましい。
V:0.01〜0.10%
Vは、鋼のフェライト相に固溶するとともに、鋼中で炭窒化物を形成するため、鋼の強度の向上に有効な元素である。しかし、V含有率が0.01%未満では、鋼の強度の向上効果は得られない。一方、V含有率が0.10%を超えると、溶接時にHAZでの炭窒化物の析出状況が変化して靭性に悪影響を及ぼす。また、V含有率が過剰である場合、具体的には0.10%を超える場合、鋳片の内部にVNとして析出し、鋳片の表面割れの原因となる。そのため、V含有率は0.01〜0.10%とする。V含有率は0.02〜0.07%が好ましい。
Nb:0.005〜0.050%
Nbは、鋼中で炭窒化物を形成し、鋼の強度および靭性の向上に有効な元素である。また、Nbは、TMCP(Thermo−Mechanical Control Process)において、鋼中における固溶および析出を制御することにより、鋼板のミクロ組織を制御するために使用される。しかし、Nb含有率が0.005%未満では、鋼の強度および靭性の向上効果ならびに組織制御効果は得られない。一方、Nb含有率を0.050%以上とすると、鋳片を加熱してもNbを固溶させることができず、組織制御が不可能となる。また、Nb含有率が過剰である場合、具体的には0.050%以上である場合、鋳片内部にNbCとして析出し、鋳片の表面割れの原因となる。そのため、Nb含有率は0.005〜0.050%とする。Nb含有率は0.005〜0.035%が好ましい。
B:0.0005〜0.0050%
Bは、結晶粒界の焼き入れ性を高める効果、鋼材の組織を制御する効果、および鋼材の強度を高める効果を有する。Bは微量の添加で高い効果を発揮するが、B含有率が0.0005%未満ではこれらの効果は得られない。一方、B含有率が0.0050%を超えると、その効果が飽和するとともに、鋼の靭性を低下させることとなる。そのため、B含有率は0.0005〜0.0050%とする。厚鋼板のミクロ組織を制御し、Bを添加することによる効果を明確に発現させる観点からは、B含有率を0.0010〜0.0040%とすることが好ましい。
Ca:0.0005〜0.0060%
Caは、連続鋳造時における、タンディッシュから鋳型に溶鋼を注入するノズルの閉塞を抑制する効果を有する元素である。そのため、ノズルの閉塞抑制を目的として溶鋼に添加されることがある。また、鋼にCaを添加すると、鋼中のS含有率を低減させ、MnSの生成を抑制する効果も得られる。そのため、鋼中の硫化物の形態制御を目的として溶鋼に添加されることもある。しかし、Ca含有率が0.0005%未満ではこれらの効果は得られない。一方、Ca含有率が0.0060%を超えると、その効果が飽和し、製造コストの増加を招くばかりか、却ってノズルの閉塞を助長することもある。そのため、Ca含有率は0.0005〜0.0060%とする。Ca含有率は、0.001〜0.0030%が好ましい。
また、Caは、高い脱酸力を有する元素であり、鋼中ではAlやTiよりも優先して酸化物を形成する。そのため、Caを含有させる場合には、上記(1)式は、Caによる酸化物生成分を考慮した(1′)式としなければならない。
O*=[%O]−48/54×[%Al]−16/40×[%Ca] …(1′)
ここで、[%O]および[%Ca]は、それぞれ溶鋼中のOおよびCaの含有率(質量%)である。
上述の必須元素および選択的必須元素以外の残部は、Feおよび不純物である。ここで、「不純物」とは、鋼材の工業的生産において原料たる鉱石やスクラップ、および製造設備からの溶出成分等から混入するものであり、鋼の性能に悪影響を及ぼさない範囲のものをいう。
2−3.任意元素
材料特性上その他の必要に応じて、上記の必須元素および選択的必須元素の他に、Feの一部に代えてW、Sn、Se、Te、希土類元素(ScおよびY、ならびにLaからLuまで(原子番号57〜71)の元素)、およびMgのうち1種以上を鋼中に少量含有させてもよい。具体的には、WおよびSnはそれぞれ0.01〜0.3%、Se、Te、および希土類元素はそれぞれ0.005〜0.03%含有させてもよい。これらの任意元素を含有させても、本発明の意図する鋳片の表面割れの抑制効果が変わらない。
3.本発明の連続鋳造方法における鋳片の二次冷却の条件
本発明の連続鋳造方法では、鋳片の二次冷却を垂直曲げ型の連続鋳造機の鋳型直下の垂直な領域内で行い、二次冷却を、鋳片が鋳型を出た直後から鋳片に冷却水を吹き付け、鋳片の全幅にわたり表皮下3mmの深さ位置において、3〜20℃/sの冷却速度で、A3変態温度以下の温度まで冷却する領域(冷却領域)と、鋳片の全幅にわたり表皮下3mmの深さ位置において、A3変態温度以下の温度で20〜100s保持する領域(保持領域)と、鋳片のコーナーから50〜300mm以内の範囲には冷却水を吹き付けないで鋳片のコーナーを復熱させるとともに、それ以外の範囲は冷却水を吹き付けて冷却する領域(コーナー復熱領域)と、の一連の領域を経るものとする。以下では、鋳片の二次冷却をこのように規定するまでの検討過程および規定した理由について説明する。
3−1.鋳片の表面割れの発生と、鋳造条件との関係の評価(予備試験)
上述のように、本発明者らは、Ti脱酸鋼を連続鋳造して得られた鋳片の表面に割れや疵が発生することがあることを知見した。この表面割れは、結晶粒界に添ったひび割れ状の形態であり、鋳片の曲げまたは曲げの矯正に伴う歪みにより発生するものである。
この表面割れは、鋳造後の鋳片の表面に酸化スケールが付着した状態では発見することができないほど微少であるものの、鋳片の鋳造の後工程である圧延時に拡大するため、製品の表面品質を低下させる原因となる。
このため、鋳片に表面割れが発生した懸念がある場合には、鋳片を一旦室温まで冷却し、鋳片表面にスカーフをかけることによりまたは鋳片表面をグラインダにより研削することにより酸化スケールを除去した上で鋳片表面の検査を行う。そして、鋳片に表面割れが発生していた場合には、溶削や研削等により表面割れを除去する手入れを行う。
このように、表面割れの発生は、鋳片の生産コスト、リードタイム、熱効率等、多面的に悪影響を及ぼすため、表面割れの発生を抑制できる技術の確立が必要とされている。
本発明者らは、表面割れの発生を抑制できる鋳片の冷却条件について検討することを目的とし、高温引張試験を行い、鋳片の粒界割れに起因する表面割れを評価することとした。すなわち、連続鋳造鋳片には、凝固後の冷却過程で歪みが付与され、これにより表面割れが発生するため、これを模擬して、鋳片から採取した試験片を一旦溶融させ、その後所定の温度履歴で冷却し、引張試験を行うこととした。
3−1−1.予備試験条件
引張試験装置として、高周波誘導加熱式のコールドクルーシブル方式の加熱機構を備えるものを用いた。
試験に用いた鋼は、表1に示す鋼1および鋼2の2種類の鋼とし、実験室にてそれぞれ15kg溶製した。鋼1はTi脱酸鋼、鋼2はAl脱酸鋼である。この溶鋼を鋳造して得られた鋳片を直径12mmの円柱状に鍛伸し、さらに機械加工により直径10mmの試験片とした。
Figure 0006131833
図1は、試験片に施した熱処理の温度履歴パターンである。同図には、a〜dの4種類のパターンを示す。パターンa〜dでは、試験片を室温から加熱して、試験部を1550℃で一旦溶融させ、その状態で60s保持した後、5℃/sの冷却速度で1200℃まで冷却するまでの初期段階と、800℃で引張試験を行う段階とが共通する。初期段階の温度履歴パターンは、パターンa〜dで、鋳型内での冷却条件が共通であることを模擬したものである。
パターンaは、1200℃まで冷却した後、0.5℃/sの冷却速度で800℃まで徐々に冷却し、引張試験を行うパターンである。パターンbは、1200℃まで冷却した後、10℃/sの冷却速度で800℃まで急速に冷却し、引張試験を行うパターンである。パターンcは、1200℃まで冷却した後、10℃/sの冷却速度で一旦700℃まで急速に冷却して20s保持し、復熱を模して5℃/sの加熱速度で800℃まで加熱し、引張試験を行うパターンである。パターンdは、1200℃まで冷却した後、10℃/sの冷却速度で一旦700℃まで急速に冷却して20s保持し、復熱を模して5℃/sで1000℃まで加熱した後、0.5℃/sの冷却速度で800℃まで徐々に冷却し、引張試験を行うパターンである。
以上の4パターンは、本発明者らが冷却速度、昇温速度、保持温度、保持時間等を種々の条件として温度履歴パターンを設定して試験を行ったところ、代表的な結果が得られたパターンである。
3−1−2.予備試験結果
予備試験の結果を表2に示す。同表に示すように、予備試験の結果、鋼種および温度履歴によって、引張試験後の試験片の破面モードが異なることが明らかとなった。すなわち、Al脱酸鋼では、温度履歴パターンによらず、結晶粒界と無関係に破断していた。一方、Ti脱酸鋼では、パターンa〜cで破面に結晶粒界が明瞭に認められる粒界脆化となったのに対して、パターンdでは結晶粒界と無関係に破断していた。
Figure 0006131833
上述のように、Ti脱酸鋼で発生する鋳片の表面割れは、結晶粒界に添ったひび割れ状の形態すなわち粒界割れである。そのため、予備試験の結果から、Ti脱酸鋼の連続鋳造鋳片において、温度履歴を適切に制御すれば、表面割れの発生を抑制できるといえる。
3−2.追加試験
さらに、鋼中のNi含有率を異なる値として、同様の試験および検討を行った。その結果、Ni含有率が高いほど結晶粒径が粗大化することが判明した。結晶粒径が大きいほど、変形時の応力集中が顕著になり、表面割れを助長する要因となる。
これを踏まえ、追加試験として、前記表1に示す鋼1を使用し、温度履歴を、パターンdをベースとして種々変化させたパターンとした熱処理を施した試験片について引張試験を行い、破面モードの調査を行った。
図2は、鋳片がA3変態温度以下に至るまでの冷却速度およびA3変態温度以下での保持時間と、破面モードとの関係を示す図である。追加試験の結果、鋳片がA3変態温度以下に至るまでの冷却速度と、A3変態温度以下での保持時間が、破面モードに影響を及ぼす重要なパラメータであることが判明した。また、同図から、冷却速度を3℃/s以上としてA3変態温度以下に至るまで冷却し、A3変態温度以下での保持時間を20s以上とすることにより、粒界脆化による破断を抑制できることがわかる。
鋼1のA3変態温度は、下記(5)式を用いて算出したところ、832.8℃であった。
A3=881−205.7×[%C]+53.1×[%Si]−15.0×[%Mn]−26.5×[%Cu]−20.1×[%Ni]−0.7×[%Cr]+44.1×[%Mo] …(5)
ここで、A3:A3変態温度(℃)、[%X]:鋼中の元素Xの含有率(質量%)である。
3−3.冷却方法の規定理由
次に、この追加試験の結果に基づき、本発明の連続鋳造方法における二次冷却の各領域の条件を規定した理由について説明する。
3−3−1.冷却領域および保持領域
図2に示すように、冷却速度が3℃/s未満の場合、A3変態温度以下での保持時間によらず、試験片の破断は結晶粒界の脆化(粒界脆化)により生じた。この結果に基づき、冷却領域では、鋳型直下から、鋳片の全幅にわたり表皮下3mmの深さ位置において、温度がA3変態温度以下となるまでの冷却速度の下限を3℃/sと規定した。温度を規定する位置を、鋳片の全幅にわたり表皮下3mmの深さ位置とした理由は後述する。
一方、追加試験の範囲では、冷却温度を高めても破面モードには影響は生じなかった。しかし、実際の連続鋳造では、鋳片表面での冷却速度にばらつきが生じ、冷却速度が極端に大きい場合には冷却速度の制御が困難であることから、冷却速度の上限を20℃/sと規定した。
また、図2に示すように、冷却速度が3〜20℃/sの範囲では、A3変態温度以下での保持時間が20s未満の場合、試験片の破断は粒界脆化により生じた。この結果に基づき、保持領域でのA3変態温度以下での保持時間の下限を20sと規定した。
一方、冷却速度が3〜20℃/sの範囲では、A3変態温度以下での保持時間を追加試験の範囲で高めても、破面モードに影響は生じなかった。ここで、高温引張試験では、鋳片の加熱を高周波誘導加熱により行うため、A3変態温度以下での保持時間を長時間としても、自在に復熱を模した加熱を行うことができる。しかし、実際の連続鋳造鋳片では、長時間A3変態温度以下で保持すると、特に鋳片のコーナーとその近傍では復熱が困難となる。これを踏まえ、連続鋳造時の伝熱凝固解析等も行い、鋭意検討した結果、A3変態温度以下での保持時間の上限を100sと規定した。A3変態温度以下での保持時間の上限は、鋳片のコーナーとその近傍で確実に復熱可能な熱量を確保するため、60sが好ましい。
本発明者らが検討を進めたところ、以上のとおり規定した、A3変態温度以下となるまでの冷却速度およびA3変態温度以下での保持時間を、鋳片の表面のみで満たしても必ずしも鋳片の表面割れが抑制できないことがわかった。そのため、鋳片の全幅にわたり表皮下3mmの深さ位置において、温度、冷却速度およびA3変態温度以下での保持時間を規定した。
鋳片の全幅にわたり表皮下3mmの深さ位置において、粒界脆化を抑制することができる冷却条件とすれば、それよりも表皮側ではそれよりも強い冷却を受けることとなり、当然に粒界脆化を抑制することができる。
3−3−2.コーナー復熱領域
以上のとおり規定した冷却領域および保持領域を経た鋳片についての冷却条件を検討した。その結果、冷却領域および保持領域を経た鋳片をさらに冷却する際に、少なくとも鋳片のコーナーから50mmの範囲の冷却水量を0とすれば、すなわち冷却水を吹き付けなければ、コーナーとその近傍を確実に復熱させることができ、コーナーとその近傍における表面割れの発生を抑制できることを知見した。言い換えると、冷却領域および保持領域の後にコーナー復熱領域を設け、コーナーから50mmの範囲の復熱を確保し鋳片の幅方向の温度勾配を緩和すれば、コーナーとコーナーから200mm以内の範囲での鋳片の表面割れの発生を抑制できることを知見した。
水量を0とする範囲を、コーナーから50mm未満の範囲とすると、コーナーでの復熱が十分とならず、コーナーとその近傍に割れが発生することがある。そのため、コーナー復熱領域において、鋳片に冷却水を吹き付けない部分のコーナーからの距離の下限は50mmとする。
一方、水量を0とする範囲をあまりに拡大すると、具体的には鋳片のコーナーから300mmよりも広くすると、本来鋳片の凝固の促進を図るべき部分の冷却能を低下させることとなる。そのため、鋳片に冷却水を吹き付けない部分のコーナーからの距離の上限は300mmとする。
本発明のTi脱酸鋼の連続鋳造方法の効果を確認するため、以下の連続鋳造試験を行い、その結果を評価した。
1.試験方法
連続鋳造機は、垂直部の長さが2.5mの垂直曲げ型の連続鋳造機を用いた。溶鋼は、容量270tの転炉で吹錬を行った後、取鍋処理およびRH処理を行った。この溶鋼を、この連続鋳造機を用いて鋳造し、鋳片として厚さ250mmまたは300mm、幅1800〜2300mmのスラブを作製した。鋳造速度は0.60〜1.10m/minとし、鋳片の矯正点における鋳片の表面温度は、鋳片のコーナーとその近傍以外の部分で約790〜約910℃であった。
連続鋳造機内では、垂直部を鋳造方向上流側の第1ゾーン、下流側の第2ゾーンの2つのゾーンに分けて鋳片を二次冷却した。各ゾーンでは、冷却水量および空気量を独立して制御し、冷却水をミストとして鋳片を冷却した。各ゾーンの冷却装置は、冷却装置の構造を、鋳片のコーナーとその近傍に冷却水の吹き付けを行わない「幅切り」が可能な構造とした。
使用した鋼は、表3に示す鋼A〜Dの4種とした。いずれの鋼も、490MPaまたは580MPaクラスの厚鋼板用であった。同表には、成分組成に加えて、上記(1)式で算出したO*の値、および上記(2)式で算出したTi*の値を用いて算出したTi*/[%N]の値も記載した。鋼A〜Dのうち、鋼AおよびCは、本発明の規定を満足する成分組成であった。鋼Cは、Ni含有率が高い点で鋼Aの成分組成と大きく異なる。鋼Bおよび鋼DはAl脱酸鋼であり、Alの含有率が本発明の規定を満足しない成分組成であった。また、鋼Dは、Ti*/[%N]の値が上記(3)式を満たさない点でも本発明の規定を満足しなかった。同表に示す成分組成は、狙い組成であり、実際の鋳造試験ではチャージ毎にC、Si、Mn、CuおよびNiでは±0.01%、Nb、TiおよびAlでは±0.001%程度のばらつきがあった。同表には、上記(5)式を用いて算出したA3変態温度も記載した。
Figure 0006131833
鋼A〜Cを使用し、表4に示す条件で鋳片の連続鋳造を行った。同表には、使用した鋼種、鋳造速度、および鋳片の冷却条件を示した。冷却条件は、第1ゾーンにおける冷却速度、冷却による到達温度、および幅切りの長さ、ならびに第2ゾーンにおける幅切りの長さとした。「幅切りの長さ」とは、冷却水の吹き付けを行わない部分の鋳片のコーナーからの幅である。同表において、「幅切りなし」とは、鋳片の全幅に冷却水を吹き付けて冷却したことを意味する。第1ゾーンの冷却速度および冷却による到達温度は、鋳片の全幅にわたり表皮下3mmの深さ位置での値であり、伝熱凝固解析により算出した値である。伝熱凝固解析により算出した温度は、連続鋳造機内に設置した鋳片表面温度計のデータとの比較により十分高い精度であることを検証した。
Figure 0006131833
本発明例1および2は、各条件が本発明の規定を満足していた。本発明例1では、鋼Aを使用し、鋳造速度を1.0m/minとした。本発明例1および2では、第1ゾーンが冷却領域と保持領域に該当し、第2ゾーンがコーナー復熱領域に該当する。第1ゾーンでは、鋳造方向に鋳片の全幅を冷却し、冷却速度を11℃/sとし、冷却による到達温度をA3変態温度(842.6℃)以下の730℃とした。伝熱凝固解析により算出したA3変態温度以下での保持時間は、37sであった。第2ゾーンでは、鋳片のコーナーから120mmの幅切りを実施した。すなわち鋳片のコーナーから120mmの範囲では冷却水を吹き付けなかった。
本発明例2では、鋼AよりもNi含有率が高い鋼Cを使用し、鋳造速度を0.75m/minとした。第1ゾーンでは、鋳造方向に鋳片の全幅を冷却し、冷却速度を8℃/sとし、冷却による到達温度をA3変態温度(834.1℃)以下の710℃とした。伝熱凝固解析により算出したA3変態温度以下での保持時間は、54sであった。第2ゾーンでは、鋳片のコーナーから250mmの幅切りを実施した。すなわち鋳片のコーナーから250mmの範囲では冷却水を吹き付けなかった。
比較例1、5、6および9は、第2ゾーンでの冷却条件が、比較例2、3、4、7および8は第1ゾーンでの冷却条件が本発明を満たさなかった比較例である。このうち、比較例4は、使用した鋼種が鋼Bであり、この点でも本発明を満たさなかった。
比較例1〜4および9は、本発明例1の条件を一部変更した条件とした。以下では、本発明例1の条件との相違点を説明する。比較例1では、第2ゾーンで幅切りを実施しなかった。すなわち第2ゾーンで鋳片の全幅を冷却した。比較例2では、第1ゾーンでも第2ゾーンと同様の120mmの幅切りを実施した。比較例3では、第1ゾーンにおいて、冷却速度を6℃/sとするとともに冷却による到達温度をA3変態温度よりも高い850℃とした。
比較例4では、鋼Bを使用し、第1ゾーンにおいて冷却速度を6℃/sとするとともに冷却による到達温度をA3変態温度よりも高い850℃とした。すなわち、比較例4は、鋼Bを使用したこと以外は比較例3と同じ条件とした。比較例9では、鋼Cを使用し、第2ゾーンで幅切りを実施しなかった。すなわち、比較例9は、鋼Cを使用したこと以外は比較例1と同じ条件とした。
比較例5〜8は、本発明例2の条件を一部変更した条件とした。以下では、本発明例2の条件との相違点を説明する。比較例5では、第2ゾーンで幅切りを実施しなかった。比較例6では、第2ゾーンでの幅切りを本発明で規定する50mmよりも短い30mmとした。比較例7では、第1ゾーンでも第2ゾーンと同様の250mmの幅切りを実施した。比較例8では、第1ゾーンにおいて冷却による到達温度をA3変態温度よりも高い1030℃とするとともに、第1ゾーンおよび第2ゾーンにおいて冷却速度を3℃/sと徐冷却とした。
以上の条件で鋳造した鋳片を、室温まで冷却した後、表面を1〜2mm溶削し、表面割れの発生の有無を目視で調査した。
2.試験結果
表4には、鋳造条件と併せて、鋳片の表面割れの評価を示した。表面割れの評価は、良好なものから順に、「なし」、「軽度」、「中程度」および「重度」の4段階とし、鋳片の面とコーナーのそれぞれについて行った。
表面割れの評価における「なし」とは、表面割れが目視では確認できなかったことを意味する。「軽度」とは、表面割れが鋳片1枚あたり数個以内であり、作業者がグラインダまたは手動のスカーファを使用して手入れすることにより容易に除去できる程度であったことを意味する。「中程度」とは、手入れにより容易には除去できない程度の表面割れがあり、その表面割れが、鋳片の面において深さが5mm未満であったこと、またはコーナーにおいて長辺側または短辺側への長さが10mm未満であったことを意味する。「重度」とは、鋳片の面において深さが5mm以上の表面割れがあったこと、またはコーナーにおいて深さが10mm以上の表面割れがあったことを意味する。
2−1.鋼Aを使用した例についての評価
鋼Aを使用した本発明例1では、鋳片の面およびコーナーのいずれにも表面割れは発生していなかった。これに対して、第2ゾーンで幅切りを実施しなかった比較例1では、コーナーに中程度の表面割れが発生した。比較例1について解析したところ、コーナーでの温度履歴が前記図1に示すパターンcに近いパターンであったことが判明した。これは、第2ゾーンで幅切りを実施せず、コーナーでも冷却したため、コーナーでの復熱が十分ではなかったことに起因すると考えられる。すなわち、比較例1でのコーナーでの表面割れは、この温度履歴によるものと考えられる。
第1ゾーンでも第2ゾーンと同様に幅切りを実施した比較例2でも、比較例1と同様に、コーナーに中程度の表面割れが発生した。比較例2について解析したところ、コーナーでの温度履歴が前記図1に示すパターンbに近い温度履歴であったことが判明した。これは、第1ゾーンで幅切りを実施したためコーナーが十分に冷却されなかったことに起因すると考えられる。すなわち、比較例2でのコーナーでの表面割れは、この温度履歴によるものと考えられる。
第1ゾーンでの冷却による到達温度をA3変態温度よりも高い温度とした比較例3では、コーナーから200mm以内の範囲の面に軽度の表面割れが発生し、コーナーに中程度の表面割れが発生した。
比較例4では、Al脱酸鋼である鋼Bを使用したこと以外は比較例3と同条件とした。比較例4では、比較例3と異なり、鋳片の面およびコーナーのいずれにも表面割れは発生していなかった。これは、そもそもAl脱酸鋼が表面割れ感受性が低いことに起因する。
2−2.鋼Cを使用した例についての評価
鋼AよりもNi含有率が高い鋼Cを使用した本発明例2でも、本発明例1と同様に鋳片の面およびコーナーのいずれにも表面割れは発生していなかった。これに対して、第2ゾーンで幅切りを実施しなかった比較例5では、コーナーに重度の表面割れが発生した。
第2ゾーンでの幅切りを30mmと短くした比較例6では、コーナーに、比較例5よりも軽微な中程度の表面割れが発生した。これは、比較例6では原則として第2ゾーンでコーナーに冷却水が当たらないように装置を設定しているものの、少量の冷却水は当たることに加え、コーナーの影響と流水の影響もあるため、第2ゾーンでもコーナーが冷却され、復熱が十分でなかったことに起因する。
第1ゾーンでも第2ゾーンと同様に幅切りを実施した比較例7では、コーナーから200mm以内の範囲の面とコーナーの両方に中程度の表面割れが発生した。
第1ゾーンでの冷却による到達温度をA3変態温度よりも高い温度とし、第1ゾーンおよび第2ゾーンにおいて徐冷却とした比較例8では、鋳片のコーナーとコーナー以外の長辺面全体の両方に重度の表面割れが発生した。
比較例9では、鋳片のコーナーに重度の表面割れが発生し、コーナー以外の長辺面全体に軽度の表面割れが発生した。比較例9は、使用した鋼種が異なる点以外は比較例1と同条件であった。比較例9で使用した鋼Cと、比較例1で使用した鋼AはいずれもTi脱酸鋼であり、鋼Cは鋼AよりもNi含有率が高かった。比較例1の結果と比較例9の結果から、Ti脱酸鋼ではNi含有率が高いほど鋳片の割れ感受性が高いことがわかる。
本発明のTi脱酸鋼の連続鋳造方法によれば、連続鋳造時に鋳片の曲げの矯正を行う際に発生する、鋳片の表面の横割れや横ひび割れを安定して抑制することができる。そのため、本発明の方法で製造したTi脱酸鋼の鋳片を熱間圧延することにより、表面割れ等の発生が抑制された高強度厚鋼板を得ることができる。

Claims (1)

  1. 質量%で、C:0.030〜0.180%、Si:0.10〜0.40%、Mn:0.5〜2.0%、P:0.020%以下、S:0.0040%以下、Al:0.01%未満、Ti:0.005〜0.030%、N:0.0015〜0.0070%およびOを含有し、
    さらにCu:0.1〜0.5%、Cr:0.2〜2.0%、Ni:0.2〜2.5%、Mo:0.1〜0.8%、V:0.01〜0.10%、Nb:0.005〜0.050%、B:0.0005〜0.0050%およびCa:0.0005〜0.0060%のうちの1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不純物からなるTi脱酸鋼を垂直曲げ型の連続鋳造機を使用して連続鋳造する方法であって、
    O、Al、TiおよびNの含有率が下記(1)〜(3)式の関係を満足する溶鋼を、鋳型を用いて鋳造し、鋳造された鋳片の二次冷却を鋳型直下の垂直な領域内で行う際、
    前記二次冷却は、
    鋳片が鋳型を出た直後から鋳片に冷却水を吹き付け、鋳片の全幅にわたり表皮下3mmの深さ位置において、3〜20℃/sの冷却速度で、A3変態温度以下の温度まで冷却する領域と、
    鋳片の全幅にわたり表皮下3mmの深さ位置において、A3変態温度以下の温度で20〜100s保持する領域と、
    鋳片のコーナーから50〜300mm以内の範囲には冷却水を吹き付けないで鋳片のコーナーを復熱させるとともに、それ以外の範囲は冷却水を吹き付けて冷却する領域と、の一連の領域を経ることを特徴とするTi脱酸鋼の連続鋳造方法。
    O*=[%O]−48/54×[%Al] …(1)
    Ti*=[%Ti]−95.8/48×O* …(2)
    Ti*/[%N]<3.6 …(3)
    ここで、[%O]、[%Al]、[%Ti]および[%N]は、それぞれ溶鋼中のO、Al、TiおよびNの含有率(質量%)であり、上記(1)式でO*<0の場合にはO*=0とする。
JP2013231924A 2013-11-08 2013-11-08 Ti脱酸鋼の連続鋳造方法 Active JP6131833B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013231924A JP6131833B2 (ja) 2013-11-08 2013-11-08 Ti脱酸鋼の連続鋳造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013231924A JP6131833B2 (ja) 2013-11-08 2013-11-08 Ti脱酸鋼の連続鋳造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015093278A JP2015093278A (ja) 2015-05-18
JP6131833B2 true JP6131833B2 (ja) 2017-05-24

Family

ID=53196055

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013231924A Active JP6131833B2 (ja) 2013-11-08 2013-11-08 Ti脱酸鋼の連続鋳造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6131833B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6608291B2 (ja) * 2016-01-13 2019-11-20 日鉄エンジニアリング株式会社 連続鋳造方法及び連続鋳造設備
CN106825478B (zh) * 2016-12-26 2019-04-23 江苏省沙钢钢铁研究院有限公司 一种含硼钢板坯角部裂纹的控制方法
CN107541660B (zh) * 2017-09-27 2019-01-25 马鞍山平文锻造有限公司 一种高性能破碎设备后缸体及其加工方法
CN114406225A (zh) * 2021-12-13 2022-04-29 南京钢铁股份有限公司 一种有效控制高s、高n钢铸坯表面质量的方法
CN115125351B (zh) * 2022-05-18 2023-11-14 莱芜钢铁集团银山型钢有限公司 一种超薄含铝异型坯横向裂纹的控制方法
CN117926114B (zh) * 2024-03-11 2025-09-26 福建青拓特钢技术研究有限公司 一种超纯铁素体不锈钢板坯宽度控制方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58224054A (ja) * 1982-06-23 1983-12-26 Nippon Steel Corp 連続鋳造鋳片の表面割れ防止方法
JPS6415321A (en) * 1987-07-08 1989-01-19 Nippon Steel Corp Production of steel for electron beam welding having excellent low-temperature toughness
JP2607796B2 (ja) * 1992-03-16 1997-05-07 新日本製鐵株式会社 靭性の優れた低合金圧延形鋼の製造方法
JP2760713B2 (ja) * 1992-09-24 1998-06-04 新日本製鐵株式会社 耐火性及び靱性の優れた制御圧延形鋼の製造方法
JP3058079B2 (ja) * 1996-02-23 2000-07-04 住友金属工業株式会社 鋼の連続鋳造方法
JP3285314B2 (ja) * 1996-10-29 2002-05-27 川崎製鉄株式会社 垂直曲げ型連続鋳造機におけるスラブ鋳造方法
JP3239808B2 (ja) * 1997-07-18 2001-12-17 住友金属工業株式会社 鋼の連続鋳造方法
JP2002283021A (ja) * 2001-03-21 2002-10-02 Kawasaki Steel Corp 連続鋳造鋳片の表面割れ予測方法及び連続鋳造方法
JP3622687B2 (ja) * 2001-04-09 2005-02-23 住友金属工業株式会社 鋼の連続鋳造方法
JP3702807B2 (ja) * 2001-04-11 2005-10-05 住友金属工業株式会社 連続鋳造方法
JP4626384B2 (ja) * 2005-05-10 2011-02-09 Jfeスチール株式会社 スラブ連続鋳造における鋳片の二次冷却方法
JP4445561B2 (ja) * 2008-07-15 2010-04-07 新日本製鐵株式会社 鋼の連続鋳造鋳片およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015093278A (ja) 2015-05-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6872616B2 (ja) 耐水素誘起割れ性に優れた圧力容器用鋼材及びその製造方法
JP6048626B1 (ja) 厚肉高靭性高強度鋼板およびその製造方法
JP5177310B2 (ja) 溶接熱影響部の低温靭性に優れた高張力鋼板およびその製造方法
CN105940133B (zh) 耐磨损钢板及其制造方法
JP6131833B2 (ja) Ti脱酸鋼の連続鋳造方法
JP2008208454A (ja) 耐遅れ破壊特性に優れた高張力鋼材並びにその製造方法
JP5659758B2 (ja) 優れた生産性と溶接性を兼ね備えた、PWHT後の落重特性に優れたTMCP−Temper型高強度厚鋼板の製造方法
JP5928413B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP6951060B2 (ja) 鋳片の製造方法
JP2009074123A (ja) 表面品質が良好なNi含有鋼の製造方法
CN114318159A (zh) 一种抗氢致开裂性能的345MPa级容器钢板及其制备方法
CN106133165A (zh) 焊接接头
JP6795083B2 (ja) 鋼板およびその製造方法
JP5920192B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP5655598B2 (ja) 高張力厚鋼板およびその製造方法
JP7063401B2 (ja) 高マンガン鋼鋳片の製造方法、および、高マンガン鋼鋼片または鋼板の製造方法
JP5082500B2 (ja) 強度−伸びバランスに優れた高靭性高張力鋼板の製造方法
JP4561755B2 (ja) B及びnを含有する鋼の連続鋳造方法
JP7633514B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP2020131203A (ja) Ni含有低合金鋼の連続鋳造方法
JP6534240B2 (ja) B含有鋼の連続鋳造鋳片
JP2020131202A (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP3518517B2 (ja) 高クロム・フェライト系耐熱鋼材の製造方法
JP6299676B2 (ja) 高張力鋼板およびその製造方法
JP5821792B2 (ja) Bを含有する鋼の連続鋳造鋳片の製造方法及びその連続鋳造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160706

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170308

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170321

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170403

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6131833

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350