JP5920192B2 - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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本発明は、鋼の連続鋳造方法、特に表面割れの発生を抑制した連続鋳造方法に関するものである。
鋼の強度を確保するために、C、V、NbおよびNiなどが添加されている。これらの成分を含有する鋼は、連続鋳造によって製造されることが一般的であるが、合金鋼によっては、連続鋳造後に表面割れが発生するものが少なくない。これらの表面割れは、その後の圧延工程において拡大して欠陥となるため、圧延前にグラインダーによる手入れを余儀なくされ、工数が増大するばかりでなく、表面割れが大きい場合には廃棄処分にする等、歩留まり低下の一因となっていた。
ここで、表面割れは旧オーステナイト(γ)粒界に沿った粒界割れであり、連続鋳造の曲げ矯正点で矯正時の応力により脆い旧γ粒界が開口するものと考えられている。従来、この対応策としては、曲げ矯正点通過温度を高温脆化域である850〜600℃から外す方法がとられている。一般的には、鋳片の冷却を緩やかにして850℃以上の高温側に外している。
例えば、特許文献1には、鋳型出口から矯正帯までの間にて鋼片表面を550℃以下まで冷却し、その後、850℃以上に復熱させて矯正を行うことが記載されている。すなわち、550℃以下まで冷却してフェライトを生成させてから復熱し、再度オーステナイト化することにより、オーステナイト粒を微細化するものである。
この方法では、冷却時に完全にフェライト変態が完了している必要がある。すなわち、フェライト変態が完了しておらずオーステナイトが残存したままであると、復熱時の復熱速度が速い通常の連鋳機での復熱において、粗大なオーステナイトが残存したままとなり易く、割れが発生しやすい可能性がある。従って、冷却時に完全にフェライト変態を完了させるために、Ar点以下まで冷却することを必要とするため冷却設備の増強のためのコストアップ等が問題となっていた。
特許第4445561号公報
そこで、本発明は、鋼の連続鋳造において、特に鋳片引き抜き後の曲げ矯正点付近での表面割れの発生を防止するための手法について提案することを目的とする。
発明者らは、鋳片引き抜き後の曲げ矯正点付近での表面割れの発生を防止する手立てについて鋭意究明したところ、鋳型の直下における冷却条件を厳密に規定することによって、上記の表面割れの発生を防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨構成は、次のとおりである。
1.溶鋼を、鋳型に装入し、該鋳型から直接鋳片を引き抜く連続鋳造方法であって、
前記鋳型の直下から曲げ矯正点に至る前において、[前記連続鋳造に供する鋼の面心立方晶から体心立方晶への変態開始温度−20℃]以下かつベイナイト変態開始温度を超える温度域に、鋳片の表層部を冷却し、次いでAc点以上の温度域まで0.7℃/s以下の速度で復熱させることを特徴とする連続鋳造方法。
ここで、面心立方晶から体心立方晶への変態開始温度は、上記のとおり、連続鋳造に供される鋼における変態開始温度である。同様に、ベイナイト変態開始温度は、前記連続鋳造に供される鋼における変態開始温度である。また、鋳片の表層部とは、表面から5mmの深さにわたる領域をいう。
2.前記溶鋼は、C:0.05−1.2mass%、Si:0.05−1.0mass%、Mn:0.4−2.0mass%およびAl:0.02−0.06mass%を含有し、残部Feおよび不可避不純物の成分組成を有することを特徴とする前記1に記載の連続鋳造方法。
3.前記溶鋼は、さらに、Mo:0.6mass%以下、Ti:0.030mass%以下、Cr:1.0mass%以下、V:0.3mass%以下、Cu:1.0mass%以下、Nb:0.05mass%以下、Ni:1.0mass%以下およびB:0.004mass%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする前記2に記載の連続鋳造方法。
本発明によれば、C、V、NbおよびNiなどの、表面割れが発生しやすい成分を添加した鋼材を連続鋳造する際にも、該鋳片の表面割れの発生を抑止することができる。
連続鋳造機を示す図である。 模式的な連続冷却変態線図である。 鋳型直下での冷却水量130 1/min/m2の条件で冷却した鋳片コーナー部のミクロ組織写真である。 鋳型直下での冷却水量50 1/min/m2の条件で冷却した鋳片コーナー部のミクロ組織写真である。
以下、本発明の連続鋳造方法について、図面を参照して、詳しく説明する。
さて、溶鋼は、垂直ベンディング型または、図1に示すような湾曲型の連続鋳造機を用いて連続鋳造されるが、その際、特に曲げ矯正点での矯正時に表面割れを誘発させないために、少なくとも鋳型直下の冷却帯において、以下に示す冷却パターンを経ることが肝要である。
なお、図1において、符号1は取鍋2内に装入した溶鋼であり、溶鋼1は取鍋2からタンディッシュ3そして浸漬ノズル4を介して、水冷鋳型5内に供給される。この水冷鋳型5にて冷却された溶鋼1は、凝固殻を作りながら鋳型5の出側へ導かれて鋳型5から引き抜かれ、鋳型5直下の2次冷却帯6にてさらに冷却されて凝固殻の成長を促進され、湾曲を強制されて水平方向に導かれてから、引き抜き矯正帯(曲げ矯正点)7において曲げの矯正がなされて連続鋳造鋳片となる。
すなわち、前記鋳型の直下において、より具体的には、2次冷却帯の開始点から矯正帯までの区間において、[面心立方晶(FCC)から体心立方晶(BCC)への変態開始温度−20℃]以下、かつベイナイト変態開始温度を超える温度域に、鋳片の表層部を冷却し、次いでAc点以上の温度域まで0.7℃/s以下の速度で復熱させることが肝要である。かような冷却および復熱を、2次冷却帯の開始点から矯正帯までの区間、より具体的には鋳型直下それも鋳型直下5mまでの区間にて、完了することが好ましい。
なお、面心立方晶(FCC)から体心立方晶(BCC)への変態開始温度は、実験室的にフォーマスター装置などを用いて、連続鋳造に供される鋼の試験片を1300℃まで加熱後、0.2℃/sで連続して冷却したときの膨張曲線より求めることとする。この変態開始温度はAr点とほぼ同等の意味を有するが、ここでは2次冷却帯での冷却を厳密に行って鋳片の表面割れの抑制を目指すところから、まず、FCCからBCCへの変態開始温度が冷却速度に依存することを考慮し、このために冷却速度を指定し変態温度を明確にした。ここで、冷却速度を0.2℃/sと指定したのは、平均的な大きさの鋳片を空冷した場合の表面の冷却速度が0.2℃/sであるためである。
さらに、変態開始温度ちょうどまで冷却して復熱させた場合には、FCCからBCCへの変態が起こらずに組織の微細化を望めない場合があるため、最低限必要な過冷却温度幅として、FCCからBCCへの変態開始温度より20℃低い温度域を冷却終了点として設定した。
以上の鋳型の直下から曲げ矯正点に至る前における冷却温度制御について、CCT線図を模式的に示す図2を用いて詳しく説明する。
まず、該CCT線図は、上記した鋼を用いて1400℃以上の温度から冷却した際のCCT線図を作成する必要がある。例えば、900℃などの低い温度から冷却した時のCCT線図では、旧γ粒径が小さくなるため、面心立方晶(FCC)から体心立方晶(BCC)への変態挙動を示すフェライト−パーライトノーズおよびベイナイトノーズが短時間側に移動し、連続鋳造においては正確な冷却速度や温度を得ることができない。すなわち、鋳型直下の2次冷却帯においては、1400℃以上の温度からの冷却になるため、1400℃以上の温度から冷却した際のCCT線図を作成する。
ここで、CCT線図の作成条件としては、冷却開始温度を1400℃以上溶融温度以下とすることが重要であるが、成分系によっては溶融温度が1400℃未満となる場合もあるため、そのような鋼では溶融温度直下のできるだけ高温から冷却することが好ましい。
次に、実際の連続鋳造において、鋳型から引き抜かれた鋳片には、鋳型の直下の2次冷却帯において、表層部に対して冷却を施す。その際、[面心立方晶(FCC)から体心立方晶(BCC)への変態開始温度−20℃]、ここでは[フェライト−パーライト変態開始温度−20℃]以下、かつベイナイト変態開始温度を超える温度域まで、鋳片の表層部を上記した図2のCCT線図に太線で示す冷却パターン(P)に従って冷却する。
ここで、[面心立方晶(FCC)から体心立方晶(BCC)への変態開始温度−20℃]以下の温度域まで冷却するのは、当該温度域を超える温度域までの冷却では、該冷却後の復熱時にフェライト−パーライト変態を起こすことができず、オーステナイトのまま復熱されてしまい、Ac点に到達したときに組織も粗大なオーステナイトのままになり、鋳片矯正時に表面割れの誘発を抑制することが難しくなるためである。
次いで、Ac点以上の温度域まで0.7℃/s以下の速度で復熱させる。
なぜなら、0.7℃/s以下の復熱速度で復熱を行うことにより、復熱中にフェライト−パーライト変態が起こり、さらに温度が上昇してAc点を超えると、フェライト−パーライトの粒界、ノジュール間から新たなオーステナイトが多数核生成して、Ac点に達したとき微細なオーステナイト単相になるためである。その後、鋳片は冷却されて、曲げ矯正点を通過するときには微細なオーステナイト組織になって延性があるため、割れにくくなる。
なお、0.7℃/sより速い速度で復熱させると、上記の変態が起こらず、オーステナイトのままでAc点以上に達する。この場合は、鋳込み時の粗大なオーステナイトが維持されて延性に乏しいことから、曲げ矯正点通過時の鋳片に割れが生じ易くなる。
また、Ac点以上の温度域まで復熱させるのは、完全にオーステナイトにするためである。
一方、復熱速度の下限については、特に限定する必要はないが、生産性を阻害しない速度域とすることが好ましい。例えば、0.1℃/s以上とすることが推奨される。
以上の冷却および復熱を経ることにより、特許文献1のように復熱前の冷却時に完全に変態を完了させなくても、復熱時の速度を制御することにて復熱中に変態を起こさせることが可能となる。
なお、鋳型直下の2次冷却帯において、[面心立方晶(FCC)から体心立方晶(BCC)への変態開始温度−20℃]以下とする、冷却を鋳片に施すには、連続鋳造時の2次冷却帯の鋳型直下から例えば鋳造速度0.8m/minの場合には5m超えの領域まで、水量密度を80 l/min/m2以上として冷却を行い、それ以降は80 l/min/m2から40 l/min/m2まで水量密度を低下させる、などの制御手法に従って復熱を行うことが適当であり、鋳造速度等に応じて適宜に条件を設定すればよい。
ちなみに、2次冷却後の曲げ矯正点での温度について、脆化域である850℃以下の温度域は避けた方が無難であるが、本発明の冷却パターンに従えば既に組織が微細になっており表面割れが発生しにくいため、この矯正点の温度は特に限定する必要はない。
上記したCCT線図は、連続鋳造に供する溶鋼に応じたCCT線図を用いることは勿論であり、連続鋳造に供する溶鋼種毎にCCT線図を導入すればよい。
また、溶鋼は、次の成分組成を有することが好ましい。
すなわち、C:0.05−1.2mass%、Si:0.05−1.0mass%、Mn:0.4−2.0mass%およびAl:0.02−0.06mass%を含有し、さらに必要に応じて、Mo:0.6mass%以下、Ti:0.030mass%以下、Cr:1.0mass%以下、V:0.3mass%以下、Cu:1.0mass%以下、Nb:0.05mass%以下、Ni:1.0mass%以下およびB:0.004mass%以下の1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避不純物の成分組成を有することが好ましい。
以下、基本成分から順に、含有量の限定理由について説明する。
C:0.05−1.2mass%
Cは、強度を確保する観点から、0.05−1.2mass%の範囲とする。また、この範囲のC量の鋼は、連続鋳造の鋳込み時に割れが発生しやすいため、特に本発明の適用が有効になる。
Si:0.05−1.0mass%
Siは、脱酸剤として作用するとともに、強度を増加させるのに有効であるため、0.05mass%以上は必要であるが、1.0mass%を超えると、被削性および鍛造性を劣化する、おそれがあるから、1.0mass%以下とする。
Mn:0.4−2.0mass%
Mnは、強度を増加するため0.4mass%以上は必要であるが、2.0mass%を超えると、被削性および鍛造性を劣化する、おそれがあるから、2.0mass%以下とする。
Al:0.02−0.06mass%
Alは、鋼の脱酸剤として作用する他、加熱時のγ粒成長を抑制する効果があるため、0.02mass%以上は必要であるが、0.06mass%を超えると、被削性および疲労強度を劣化する、おそれがあるから、0.06mass%以下とする。
さらに、必要に応じて、Mo:0.6mass%以下、Ti:0.030mass%以下、Cr:1.0mass%以下、V:0.3mass%以下、Cu:1.0mass%以下、Nb:0.05mass%以下、Ni:1.0mass%以下およびB:0.004mass%以下の1種または2種以上を含有することが可能である。
Mo:0.6mass%以下
Moは、強度を確保する上で有効であるが、0.6mass%を超えて添加すると、被削性を劣化する、おそれがある。
Ti:0.030mass%以下
Tiは、TiNとしてピンニングにより組織の微細化をはかる上で有効であり、好ましくは0.005mass%以上で添加するが、0.030mass%を超えて添加すると、耐労強度を劣化する、おそれがある。
Cr:1.0mass%以下
Crは、焼入れ性の向上に有効であるが、1.0mass%を超えて添加すると、耐疲労強度を劣化する、おそれがある。
V:0.3mass%以下
Vは、炭化物を生成することにより、鋼材の強度を向上するのに有効であるが、0.3mass%を超えて添加すると、粗大な炭窒化物が生成して強度を低下させる、おそれがある。
Cu:1.0mass%以下
Cuは、固溶強化および析出強化による強度上昇に有効であり、かつ焼入れ性の向上に寄与するが、1.0mass%を超えて添加すると、被削性を劣化する、おそれがある。
Nb:0.05mass%以下
Nbは、析出によりγ粒をピンニングする効果があるが、0.05mass%を超えると効果が飽和するため、経済性の観点から0.05mass%以下とすることが好ましい。
Ni:1.0mass%以下
Niは、強度および靭性の確保に有効であるが、1.0mass%を超えると効果が飽和するため、経済性の観点から1.0mass%以下とすることが好ましい。
B:0.004mass%以下
Bは、粒界強化により耐疲労特性を向上し、また焼入れ性を高めて強度上昇に寄与する成分であるが、0.04mass%を超えると効果が飽和するため、経済性の観点から0.04mass%以下とすることが好ましい。
C:0.50mass%、Si:0.25mass%、Mn:1.55 mass%、Al:0.030mass%、Cr:0.20mass%およびV:0.20mass%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物の成分に調整した鋼から試験片を採取し、この鋼のCCT線図を作成した。このCCT線図から、ベイナイト変態開始温度および、面心立方晶(FCC)から体心立方晶(BCC)への変態開始温度である、フェライト−パーライト変態開始温度(610℃)を読み取り、さらに、加熱時の膨張曲線からAc点(627℃)およびAc点(743℃)を読み取り、表1にA−Fとして示す6パターンの試験を行った。
すなわち、鋳型直下冷却速度および冷却後の復熱速度を模擬し種々変化させた結果をパターンA−Fに示す。
まず、パターンAは、[フェライト−パーライト変態開始温度−20℃]以下で、かつベイナイト変態温度直上まで3.9℃/sで過冷却後、Ac以上の780℃に0.08℃/sで復熱させ、その後、冷却した場合であり、微細なフェライト−パーライト組織が得られた。同様に、パターンBは鋳型直下の冷却速度を14.4℃/sに上昇させた場合だが、こちらも微細なフェライト−パーライト組織が得られた。従って、鋳型直下の冷却速度は最終的な組織に影響を及ぼさないことが分かった。
一方、パターンCは鋳型直下で530℃まで冷却した後の復熱速度を3.8℃/sに上昇させた場合だが、こちらはパターンAのような微細組織にはならず、粗大なフェライト−パーライト組織となった。また、パターンDでは復熱速度を1.5℃/sとしたが、一部微細組織になるものの、粗大な組織も混在することが分かった。パターンEは、さらに復熱速度を低下させて0.7℃/sとしたが、この場合は完全に微細なフェライト−パーライト組織となった。従って、復熱速度は0.7℃/s以下である必要がある。
次に、パターンFは、フェライト−パーライト変態開始温度より高い温度域に14.4℃/sで冷却して、その後、Ac点以上に0.7℃/sで復熱させた場合であるが、組織は粗大フェライト−パーライトとなった。従って、組織微細化のためには[フェライト−パーライト変態開始温度−20℃]以下に冷却する必要があることが分かる。
次に、上記した実験結果に基づいて、実機(ブルーム連続鋳造機、ブルームサイズ300×400mm、鋳込速度0.8m/min)において、表2に示すノズル水量の下、鋳込み速度を変化させて冷却条件を調整して連続鋳造を行った。各連続鋳造にて得られた鋳片について、その表面割れの有無を目視にて評価した。その結果、鋳型直下水量130 l/min/m2の条件(発明例)では表面割れは発生せず、同50 l/min/m2の条件(比較例)では表面割れが発生した。なお、鋳造速度、鋳型直下から5m超え領域までの水量密度及びそれ以降の水量密度については表2に示すとおりである。
以上の評価結果を表2に併記する。
また、各冷却条件にて得られた鋳片につき、そのコーナー部のミクロ組織写真を図3および図4に示す。この写真は、鋳片コーナ部の表面から10mm深さの断面を撮影したものである。鋳型直下水量130 1/min/m2の条件(発明例)では、微細なフェライト−パーライト組織になっており、一方、同50 l/min/m2の条件(比較例)では、γ粒界に粒界フェライトが析出したベイナイト組織となっていた。
以上の結果から、本発明の手法を用いれば、連統鋳造鋳片の鋳型直下の表面近傍(実験の結果、表面から20mm程度まで)のミクロ組織を微細化することができ、これにより鋳片に延性をもたせ、矯正点での表面割れを抑制することができる。
1 溶鋼
2 取鍋
3 タンディッシュ
4 浸漬ノズル
5 水冷鋳型
6 2次冷却帯
7 引き抜き矯正帯

Claims (3)

  1. 溶鋼を、鋳型に装入し、該鋳型から直接鋳片を引き抜く連続鋳造方法であって、前記鋳型の直下から曲げ矯正点に至る前において、
    [前記連続鋳造に供する鋼の面心立方晶から体心立方晶への変態開始温度−20℃]以下かつベイナイト変態開始温度を超える温度域に、鋳片の表層部を冷却し、次いでAc点以上の温度域まで0.7℃/s以下の速度で復熱させることを特徴とする連続鋳造方法。
  2. 前記溶鋼は、C:0.05−1.2mass%、Si:0.05−1.0mass%、Mn:0.4−2.0mass%およびAl:0.02−0.06mass%を含有し、残部Feおよび不可避不純物の成分組成を有することを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造方法。
  3. 前記溶鋼は、さらに、Mo:0.6mass%以下、Ti:0.030mass%以下、Cr:1.0mass%以下、V:0.3mass%以下、Cu:1.0mass%以下、Nb:0.05mass%以下、Ni:1.0mass%以下およびB:0.004mass%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項2に記載の連続鋳造方法。

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