JP6299676B2 - 高張力鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、船舶や海洋構造物、圧力容器、ペンストックなどの鋼構造物に用いられる高張力鋼板とその製造方法に関し、特に、板厚が35〜100mm、降伏応力YSが460MPa以上で、母材の強度および靭性特性に優れるだけでなく、多層盛溶接した溶接熱影響部における低温靭性にも優れる厚肉の高張力鋼板およびその製造方法に関するものである。
船舶や海洋構造物、圧力容器、ペンストックなどの鋼構造物に用いられる鋼板(厚鋼板)は、溶接接合して所望の形状および寸法の構造物として仕上げられる。そのため、これらの鋼板には、鋼構造物としての安全性を確保する観点から、母材の強度が高く、靭性に優れていることは勿論のこと、溶接部(溶接金属や溶接熱影響部)の靭性にも優れていることが要求される。
鋼板の靭性を評価する基準としては、従来、主にシャルピー衝撃試験による吸収エネルギーが用いられてきたが、近年では、より信頼性の高い亀裂開口変位試験(CTOD試験;Crack Tip Opening Displacement Test)が用いられることが多くなってきている。この試験は、靭性評価部に疲労予亀裂を発生させた試験片を3点曲げし、破壊直前の亀裂の口開き量(塑性変形量)を測定して脆性破壊の発生抵抗を評価しようとするものである。なお、以降、上記「CTOD試験」で得られた評価結果を「CTOD値」または「CTOD特性」ともいう。
ところで、上記CTOD試験では疲労予亀裂を用いるので、極めて微小な領域が靭性の評価部となるため、局所的な脆化域(以下、局所脆化域とも記す。)が存在すると、シャルピー衝撃試験で良好な靭性が得られても、低いCTOD値を示すことがある。上記局所脆化域は、板厚が厚い鋼板などに多層盛溶接を施した際、複雑な熱履歴を受ける溶接熱影響部(HAZ:Heat Affected Zone)で発生し易く、特に、ボンド部(溶接金属と母材の境界)や、溶接熱影響部の中で上記ボンド部に近く、多層盛溶接時に2相域に再加熱される部分(1サイクル目の溶接で粗粒となり、後続の溶接による入熱でフェライトとオーステナイトの2相域に再加熱される領域、以降、「2相域再加熱部」ともいう)が局所脆化域となり易い。ボンド部近傍の溶接熱影響部の靭性が低下するのは、ボンド部近傍の溶接熱影響部は、融点直下の高温に曝されて、オーステナイト粒が粗大化し、続く冷却時により靭性の低い上部ベイナイト組織が生成し易いためである。また、溶接熱影響部のボンド部近傍の2相域再加熱部では、ウッドマンステッテン組織や島状マルテンサイトMAなどの脆化組織が生成し易いことも、ボンド部近傍の溶接熱影響部の靭性が低下する理由である。
そこで、上記溶接熱影響部の靭性低下を抑制するため、従来から、鋼中にTiNを微細分散させて、オーステナイト粒の粗大化を抑制したり、フェライト変態核として利用したりする技術が実用化されている。しかし、溶接熱影響部のボンド部近傍では、TiNが溶解する温度域にまで加熱されることがあるため、上記TiNの析出効果が消失してしまうという問題がある。
その他の技術としては、例えば、特許文献1や特許文献2には、希土類元素(REM:Rare Earth Metal)をTiと共に複合添加し、鋼中に微細粒子を分散させることによって、オーステナイトの粒成長を抑制し、溶接部の靭性を向上させる技術が開示されている。
また、Tiの酸化物を鋼中に微細分散させる技術や、BNのフェライト核生成能と酸化物分散を組み合わせる技術、さらには、CaやREMを添加して硫化物の形態を制御することにより、靭性を高める技術も提案されている。しかし、これらの技術は、比較的低強度で、合金元素量が少なく、溶接熱影響部の組織がフェライトを有する鋼板を対象としている。
そこで、溶接熱影響部におけるフェライトの生成を促進する技術として、例えば、特許文献3には、Mnの添加量を2.0質量%以上に高める技術が開示されている。しかし、Mnは、連続鋳造で鋼素材(スラブ)を製造した場合、中心部に偏析し易い元素であり、Mn偏析部は、溶接後の冷却時に変態が促進され、高硬度となるため破壊の起点となり易い。そのため、Mnの過剰添加は、溶接熱影響部のみならず母材の靭性低下をも引き起こす。
一方、2相域再加熱部は、多層盛溶接時における2相域への再加熱で、オーステナイトに逆変態した領域に炭素が濃化し、冷却中に島状マルテンサイトMAを含む脆弱なベイナイト組織が生成するため、靭性が低下するという問題がある。そこで、鋼成分を低C、低Si化して島状マルテンサイトMAの生成を抑制して靭性を向上させ、さらに、Cuを添加することにより、母材強度を高める技術が開示されている(例えば、特許文献4、5参照)。これらの技術は、時効処理によってCuを析出させて強度を高めるものであるが、多量のCuを添加するため、熱間加工性が低下し、生産性を阻害するという問題がある。
ところで、近年、船舶や海洋構造物、圧力容器、ペンストックなどの鋼構造物は、大型化する傾向にあり、それに伴い、鋼構造物に使用される鋼板の厚肉化と高強度化が進められている。鋼構造物に用いられる鋼板には、主として板厚が35〜100mm程度の厚肉鋼板が用いられているが、降伏応力YSが420MPa級やそれ以上の強度を得るためには、合金元素の添加量が多い方が有利である。しかし、合金元素の多量の添加は、ボンド部や2相域再加熱部の靭性確保を困難にすることは上述したとおりである。
この問題に対して、特許文献6には、溶接熱影響部の2相域再加熱部の島状マルテンサイトMAを低減するために、MnとCrの添加量を適正化する技術が開示されている。しかし、この技術は、入熱量が500kJ/cmを超える大入熱溶接用鋼材に関する技術であり、入熱量が100kJ/cm以下の小〜中入熱で多層盛溶接する鋼板を対象とするものではない。また、特許文献6の技術は、Nbを添加していないため、制御圧延技術を適用することができず、母材の靭性が十分ではないという問題がある。
また、特許文献7には、所定の成分組成の下で炭素当量Ceqを適正化することによって、合金元素の多い鋼成分であっても、420MPa以上の降伏応力と良好な低温靭性、特にCTOD特性を両立させる技術が提案されている。この技術によって、鋼構造物に適用することができ、降伏応力が420MPa以上で、小〜中入熱による多層盛溶接した溶接熱影響部のCTOD特性に優れる高張力鋼材を製造することが可能となった。
特公平03−053367号公報 特開昭60−184663号公報 特開2003−147484号公報 特開平05−186823号公報 特開2001−335884号公報 特許第5365146号公報 特開2012−184500号公報
上述したように、近年、鋼構造物は、重厚長大化する傾向にあり、それに伴い、船舶や海洋構造物の分野においては、高強度(高降伏応力)で板厚が厚く、かつ、溶接熱影響部の低温靭性に優れる鋼板、特に、板厚が35〜100mmで、降伏応力が460〜620MPaであり、多層盛溶接した溶接熱影響部が優れたCTOD特性を有する鋼板に対する要望が高まっている。
上記の要望に対し、前述した特許文献7に開示の技術によって、合金元素の多い鋼成分系であっても420MPa以上の降伏応力と良好な低温靭性(以下、CTOD特性とも記す。)を実現するための方途は拓かれた。しかし、板厚が50mm超の鋼板においては、板厚が50mm以下の鋼板の場合と同様の強度特性を得るまでには至っていない。すなわち、特許文献7に記載の技術では、板厚が50mm以下の鋼板では降伏応力が500MPa以上の強度が得られるが、例えば、板厚が70mmの鋼板では、降伏応力が高々462MPaのものが得られている。しかし、高強度化を狙って、合金元素を単に多量に添加するだけでは、CTOD特性が低下してしまう。このように、特許文献7に開示の技術をはじめ、従来の技術によっては、板厚が35〜100mmで、降伏応力が460〜620MPaであり、多層盛溶接した溶接熱影響部が優れたCTOD特性を有する鋼板がまだ得られていなかった。
本発明は、従来技術が抱える上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、板厚が35〜100mm、降伏応力が460MPa以上で、入熱量が100kJ/cm以下で多層盛溶接した溶接熱影響部におけるCTOD特性に優れる高張力鋼板を提供するとともに、その有利な製造方法を提案することにある。
発明者らは、上記課題を解決するため、鋼の成分組成が溶接部に及ぼす影響に着目して鋭意検討を重ねた。その結果、以下のことを知見した。
i)CTOD特性は、鋼板全厚の試験片で評価されるため、中心偏析部が破壊の起点となる。従って、溶接熱影響部のCTOD特性を向上するためには、中心偏析し易い元素、具体的にはC、Mn、P、NiおよびNbの含有量を適正範囲に制御し、中心偏析部の硬さの上昇を抑制することが重要である。
ii)溶接熱影響部の靭性を向上させるためには、鋼中に均一微細に分散させたTiNを析出させて、溶接熱影響部のボンド部近傍でのオーステナイト粒の粗大化を抑制することが有効である。
iii)CTOD値と強度とはトレードオフの関係にあるので、単にCeqを上昇させて高強度化を図ると、CTOD特性が低下してしまうが、低C−低P−高Ni系の成分系とすることで、強度−CTOD特性のバランスを改善することができる。
iv)さらに、溶接熱影響部の靭性をより向上させるためには、硫化物の形態制御を目的として添加しているCaの化合物(CaS)を晶出させて、溶接熱影響部の靭性向上に利用するのが有効である。
v)また、鋼素材を特定の成分組成としつつ、鋼板の製造方法において、スラブ加熱温度、圧延条件を制御することで、強度、靱性に優れた鋼板を製造することができる。
上記知見に基づいて開発した本発明の要旨は、次の通りである。
[1]質量%で、C:0.010〜0.080%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.20〜1.80%、P:0.012%以下、S:0.0035%以下、sol.Al:0.010〜0.060%、Ni:0.1〜2.0%、Cr:1.0〜4.0%、Nb:0.005〜0.040%、Ti:0.005〜0.025%、N:0.0020〜0.0050%を含有し、さらに、Crを35Cr+8Mn≧63を満たして含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、降伏応力YSが460MPa以上、シャルピー衝撃試験における−80℃の試験温度での吸収エネルギーvE−80℃が200J以上である高張力鋼板。
[2]さらに、質量%で、Cu:1.0%未満、Mo:0.05〜0.50%、V:0.005〜0.05%、B:0.0005〜0.0030%、Ca:0.0005〜0.0050%およびMg:0.0002〜0.0030%の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする前記[1]に記載の高張力鋼板。
[3]さらに、質量%で、O:0.0030%以下含有し、かつ、上記Ca,SおよびOが下記(1)式を満たして含有する前記[2]に記載の高張力鋼板。
0<{Ca−(0.18+130×Ca)×O}/(1.25×S)<1 ・・・(1)
ただし、上記式中の各元素記号は、それぞれの元素の含有量(質量%)である。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかに記載の成分組成を有する鋼素材を1030〜1200℃の加熱温度に加熱した後、950℃以上の温度における累積圧下率を30%以上、950℃未満の温度における累積圧下率を30〜70%とする熱間圧延をし、1.0℃/s以上の冷却速度で600℃以下の冷却停止温度まで加速冷却を行う高張力鋼板の製造方法。
[5]前記加速冷却を行った後、さらに、450〜650℃の温度で焼戻処理を施す前記[4]に記載の高張力鋼板の製造方法。
なお、本発明において、高張力鋼板とは、降伏応力が460MPa以上の鋼板のことを指す。
本発明によれば、船舶や海洋構造物などの大型鋼構造物用として好適な、板厚が35〜100mm、降伏応力が460MPa以上で、入熱量が100kJ/cm以下で多層盛溶接した溶接熱影響部におけるCTOD特性に優れる高張力鋼板を安定して製造し、提供することができる。
本発明に係る高張力鋼板は、質量%で、C:0.010〜0.080%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.20〜1.80%、P:0.012%以下、S:0.0035%以下、sol.Al:0.010〜0.060%、Ni:0.1〜2.0%、Cr:1.0〜4.0%、Nb:0.005〜0.040%、Ti:0.005〜0.025%、N:0.0020〜0.0050%を含有し、さらに、Crを35Cr+8Mn≧63を満たして含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、降伏応力YSが460MPa以上、シャルピー衝撃試験における−80℃の試験温度での吸収エネルギーvE−80℃が200J以上である。本発明の高張力鋼板は、板厚を35〜100mmとして用いられる。
以下、本発明の高張力鋼板について説明する。まず、本発明の高張力鋼板が有すべき成分組成について説明する。以下において、成分組成の「%」表示は質量%を意味する。
C:0.010〜0.080%
Cは、高張力鋼板としての母材の強度の確保に必要な元素である。C含有量が0.010%未満では焼入性が低下するため、目標の強度(降伏応力YS≧460MPa)を確保するためには、CuやNi、Cr、Moなどの焼入性向上元素を多量に含有することが必要となり、原料コストの上昇や溶接性の低下を招く。一方、C含有量が0.080%を超えると、溶接部の靭性が低下する。よって、C含有量は0.010〜0.080%の範囲とする。好ましくは、C含有量は0.015〜0.075%の範囲である。さらに好ましくは、C含有量は0.020〜0.065%の範囲である。
Si:0.01〜0.50%
Siは、脱酸剤として、また、母材の強度を高めるために含有する元素であり、0.01%以上含有する必要がある。しかし、Siを0.50%超えて多量に含有すると、溶接性の低下と溶接部の靭性低下を招く。よって、Si含有量は0.01〜0.50%の範囲とする。好ましくは、Si含有量は0.01〜0.35%の範囲である。
Mn:0.20〜1.80%
Mnは、母材および溶接部の強度を確保するために、0.20%以上含有する必要がある。しかし、Mnを1.80%超えて含有すると、溶接性を低下させるだけでなく、焼入性が過剰となって母材および溶接部の靭性を低下させる。よって、Mn含有量は0.20〜1.80%の範囲とする。好ましくは、Mn含有量は0.30〜1.80%の範囲である。
P:0.012%以下
Pは、鋼板中に不可避的に混入してくる不純物元素であり、母材および溶接部の靭性を低下させる元素でもある。特に、P含有量が0.012%を超えると、CTOD特性が著しく低下するため、本発明ではP含有量の上限を0.012%に制限する。好ましくは、P含有量は0.008%以下である。
S:0.0035%以下
Sは、鋼板中に不可避的に混入してくる不純物元素であり、0.0035%超えで含有すると、母材および溶接部の靭性を低下させる。よって、S含有量の上限は0.0035%とする。好ましくは、S含有量は0.0030%以下である。
sol.Al:0.010〜0.060%
Alは、溶鋼を脱酸するために含有する元素であり、sol.Alで0.010%以上含有する必要がある。一方、sol.Alで0.060%を超えて含有すると、母材および溶接部の靭性を低下させるとともに、溶接による希釈によって溶接金属に混入し、靭性を低下させるので、sol.Alの上限は0.060%とする。好ましくは、sol.Alで0.017〜0.055%の範囲である。さらに好ましくは、sol.Alで0.020〜0.055%の範囲である。
Ni:0.1〜2.0%
Niは、鋼板の強度と靭性の向上に有効である他、溶接部のCTOD特性の向上にも有効な元素である。これらの効果を得るためには、Niを0.1%以上含有することが必要である。一方、Niは高価な元素であること、過度にNiを含有すると、鋳造時にスラブ表面疵の発生を招くことから、Ni含有量の上限は2.0%とする。好ましくは、Ni含有量は0.1〜1.8%の範囲である。
Cr:1.0〜4.0%
Crは、鋼板の焼入性を向上して母材の強度や靭性を確保するのに有用な元素である。また、フェライト安定化元素であり、Mnによる過度のオーステナイト安定化を防止し、島状マルテンサイトMAの生成を抑制する効果を有する。すなわち、Mn単独の含有は焼入れ性を高めるだけであるが、フェライト安定化元素であるCrを含有することによって、Mnによる過度のオーステナイト安定化が緩和され、島状マルテンサイトMAの生成が抑制される。このような効果を得るためには、Crを1.0%以上含有することを必要とする。しかし、Crを過剰に含有すると、溶接熱影響部の硬さが上昇し、靭性が低下するので、Cr含有量の上限は4.0%とする。好ましくは、Cr含有量は1.0〜3.8%の範囲である。
なお、本発明において、溶接熱影響部における島状マルテンサイトMAの生成を抑制する効果を得るために、7Cr+18Mn≦63を満たすことが必要であるが、前述したように、Mn含有量が0.20〜1.80%であると共に、Cr含有量が1.0〜4.0%であることから、必然的に上記の7Cr+18Mn≦63は満たされる。
Nb:0.005〜0.040%
Nbは、オーステナイトの低温域における未再結晶域の形成に寄与する元素であり、この温度域で熱間圧延することにより、母材の組織の微細化および高靭性化を図ることができる。また、焼入れ性の向上や焼戻し軟化抵抗にも効果があり、母材の強度の向上に有効な元素でもある。上記の効果を得るためには、Nbを0.005%以上含有する必要がある。一方、Nbを0.040%を超えて含有すると、溶接熱影響部の靭性が低下するため、Nb含有量の上限は0.040%とする。好ましくは、Nb含有量は0.007〜0.035%の範囲である。
Ti:0.005〜0.025%
Tiは、溶鋼が凝固する際、TiNとなって析出し、溶接部におけるオーステナイトの粗大化を抑制し、溶接部の靭性向上に寄与する。しかし、Tiを0.005%未満で含有すると、溶接部の靭性向上の効果が小さい。一方、Tiを0.025%を超えて含有すると、TiNが粗大化して母材や溶接部の靭性改善効果が得られない。よって、Ti含有量は0.005〜0.025%の範囲とする。好ましくは、Ti含有量は0.006〜0.023%の範囲である。
N:0.0020〜0.0050%
Nは、TiやAlと結合して析出物を形成することによって結晶粒を微細化し、母材の靭性を向上させる効果がある。また、溶接熱影響部の組織の粗大化を抑制するTiNを形成するために必要な元素でもある。これらの効果を発現させるために、Nを0.0020%以上含有させる。しかし、Nを0.0050%を超えて含有すると、固溶Nの増加により、母材や溶接部の靭性が著しく低下したり、TiNb複合析出物の生成に伴う固溶Nbの減少によって強度低下を招いたりすることから、N含有量の上限は0.0050%とする。好ましくは、N含有量は0.0020〜0.0047%の範囲である。
35Cr+8Mn≧63
Crは、フェライト安定化元素であり、Mnによる過度のオーステナイト安定化を緩和し、溶接熱影響部における島状マルテンサイトMAの生成を抑制する効果がある。すなわち、Mn単独添加では焼入れ性を高めるだけであるが、フェライト安定化元素であるCrを添加することによって、Mnによる過度のオーステナイト安定化が緩和され、島状マルテンサイトMAの生成が抑制される。上記効果をより高めるためには、CrをMnとの関係において、35Cr+8Mn≧63を満たすよう含有することが必要である。
なお、本発明の高張力鋼板は、上記成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。ただし、上記成分以外であっても、本発明の作用効果を害しない範囲内であれば、含有することを拒むものではない。なお、不可避的不純物としては、例えばOを0.01%以下の範囲で含有することができる。また、好ましくは、Oを0.003%以下の範囲で含有する。
本発明の高張力鋼板は、上記成分組成に加えてさらに、Cu、Mo、V、B、CaおよびMgのうちから選ばれる1種または2種以上を下記の範囲で含有することができる。
Cu:1.0%未満
Cuは、母材の強度を高めるために有効な元素であり、上記効果を得るためには、Cuを0.1%以上含有することが好ましい。しかし、Cuを1.0%以上含有すると、熱間加工性を低下するため、Cu含有量は1.0%未満とすることが好ましい。より好ましくは、Cu含有量は0.7%以下である。
Mo:0.05〜0.50%
Moは、母材を高強度化するために有効な元素であり、特に高張力鋼板での強度向上効果が大きい。上記効果を得るためには、Moを0.05%以上含有することが好ましい。しかし、過剰にMoを含有すると靭性に悪影響を及ぼすため、Mo含有量の上限は0.50%とすることが好ましい。より好ましくは、Mo含有量は0.10〜0.45%の範囲である。
V:0.005〜0.05%
Vは、母材の強度と靭性の向上に有効な元素であるため、0.005%以上含有することができる。しかし、V含有量が0.05%を超えると、靭性の低下を招くため、Vを含有する場合は0.005〜0.05%の範囲とすることが好ましい。より好ましくは、V含有量は0.005〜0.045%の範囲である。
B:0.0005〜0.0030%
Bは、オーステナイト域から冷却される際にオーステナイト粒界に偏析し、焼入性を向上させることで強度を高める効果がある。この効果を得るためには、Bを0.0005%以上含有することが好ましい。この効果は、B含有量が0.0030%で飽和し、さらに0.0030%を超えて過剰に含有すると、溶接熱影響部において島状マルテンサイトMAの生成を促進し、靭性を低下させる場合がある。そのため、Bは0.0005〜0.030%の範囲で含有することが好ましい。
Ca:0.0005〜0.0050%
Caは、Sと結合してCaSを形成し、Sを固定することによって硫化物の形態を制御し、靭性を向上させる元素である。この効果を得るためには、Caを0.0005%以上含有することが好ましい。しかし、Caを0.0050%を超えて含有しても、その効果は飽和する。よって、Caは0.0005〜0.0050%の範囲で含有することが好ましい。
Mg:0.0002〜0.0030%
Mgは、Caと同様にSを固定することによって靭性を向上させる元素である。この効果を得るためには、Mgを0.0002%以上含有することが好ましい。しかし、Mgを0.0030%を超えて含有しても、その効果は飽和する。よって、Mgは0.0002〜0.0030%の範囲で含有することが好ましい。
O:0.0030%以下、かつ{Ca−(0.18+130×Ca)×O}/(1.25×S)が0超え1未満
前述したように、本発明の高張力鋼板は、不可避的不純物としてOを含んでもよいが、Oは、0.0030%を超えて含有すると、母材の靭性を低下する場合があるため、O含有量の上限は0.0030%とすることが好ましい。より好ましくは、O含有量は0.0025%以下である。
また、本発明の高張力鋼板は、上記に説明したCa、SおよびOが下記(1)式を満たして含有することが好ましい。
0<{Ca−(0.18+130×Ca)×O}/(1.25×S)<1 ・・・(1)
ただし、上記(1)式中の各元素記号は、それぞれの元素の含有量(質量%)である。
上記(1)式の中辺である{Ca−(0.18+130×Ca)×O}/(1.25×S)は、硫化物形態制御に有効なCaとSの原子濃度の比を示す指標値(ACR(Atomic Concentration Ratio)とも称される)であり、硫化物の形態を推定することができる。
Caの硫化物であるCaSは、酸化物に比べて低温で晶出するため、均一に微細分散させるのに有利である。そこで、CaSを晶出させるとともに、CaS晶出後も固溶Sを確保するようにすれば、晶出したCaSの表面上にMnSが析出して、高温でも溶解し難い複合硫化物を形成する。さらに、上記MnSの周囲には、Mnの希薄帯が形成されるので、フェライト変態がより促進される。
上記のようにCaSを微細に分散して晶出させるためには、Caの含有量およびCa添加時の溶鋼中のSやOの含有量を適正範囲に制御する必要があり、ACRの値を上記(1)の範囲に制御することによって、フェライト変態生成核となるCaSを微細に分散させることができる。
上記ACRが0以下では、CaSが晶出せず、SはMnS単独の形態で析出するため、溶接熱影響部のフェライト生成核が得られない場合がある。また、単独で析出したMnSは、圧延時に伸長されて母材の靭性低下を引き起こす原因となりうる。一方、ACRが1以上では、Sが完全にCaによって固定され、フェライト生成核として働くMnSがCaS上に析出しなくなり、フェライト生成核となる複合硫化物の微細分散を実現することができないため、溶接熱影響部の靭性向上効果が得られない場合がある。したがって、上記ACRの値が0超え1未満の場合に、CaS上にMnSが析出して複合硫化物を形成し、これがフェライト生成核として有効に機能する。より好ましいACRの値は0.2〜0.8の範囲である。
次に、本発明の高張力鋼板の製造方法について説明する。
前述した本発明の高張力鋼板は、従来の高張力鋼板の製造方法と同様に、転炉や電気炉、真空溶解炉等で鋼を溶製し、必要に応じて真空脱ガス処理等の二次精錬を施す常法の精錬プロセスで本発明に適合する成分組成に調整した溶鋼を連続鋳造して鋼素材(スラブ)とした後、該スラブを再加熱し、熱間圧延して所望の板厚とし、加速冷却する工程を経て製造することができる。また、上記加速冷却後の鋼板に、さらに焼戻し処理を施す工程を経て製造することもできる。
ただし、上記工程において、スラブ再加熱温度および熱間圧延における圧下率、加速冷却の冷却速度、ならびに、その後、必要に応じて施す焼き戻し処理の条件は、以下の要件を満たすことが重要である。
なお、本発明においては、特に記載しない限り、鋼板温度は、板厚中心部(板厚tの1/2t部)の温度とする。上記板厚中心部の温度は、板厚、表面温度および冷却条件などから差分法等を用いた伝熱計算により求めることができる。
加熱温度(スラブ再加熱温度):1030〜1200℃
熱間圧延前に行う前のスラブ再加熱温度は、スラブ内部に存在する鋳造欠陥を熱間圧延によって確実に圧着させるため、1030℃以上とする必要がある。しかし、1200℃を超える温度に加熱すると、凝固時に析出したTiNが粗大化し、母材や溶接部の靭性が低下するため、加熱温度の上限は1200℃とする。好ましくは1030〜1170℃の範囲である。
950℃以上の温度域における熱間圧延の累積圧下率:30%以上
熱間圧延時における再結晶を利用してオーステナイト粒を微細化するためには、950℃以上の再結晶温度域における累積圧下率を30%以上とすることが必要である。950℃以上の温度域における累積圧下率が30%未満では、スラブ再加熱時に生成した異常粗大粒が残存し、母材の靭性に悪影響を及ぼす場合がある。好ましくは、950℃以上の温度域における累積圧下率は35%以上である。なお、この段階における累積圧下率の上限は、950℃未満の温度域における圧下率を確保できればよく、特に制限はない。
950℃未満の温度域における熱間圧延の累積圧下率:30〜70%
950℃未満の温度域で圧延されたオーステナイト粒は、十分に再結晶しないため、圧延後のオーステナイト粒は偏平に変形したままで、内部に変形帯などの欠陥を多量に含んだ内部歪の高い組織となる。上記内部歪は、フェライト変態の駆動力として働き、フェライト変態を促進する。しかし、950℃未満の温度域における累積圧下率が30%未満では、歪エネルギーの蓄積が十分でなく、フェライト変態が起こり難くなるため母材の靭性が低下する。一方、950℃未満の温度域における累積圧下率が70%を超えると、逆にポリゴナルフェライトの生成が促進されて、高強度と高靭性を両立できなくなる。好ましくは、950℃未満の温度域における累積圧下率は40〜65%の範囲である。
なお、熱間圧延の終了温度は650〜850℃の範囲とすることが好ましい。熱間圧延の終了温度が650℃未満では、加工フェライトが残留して靭性が低下する場合がある。一方、熱間圧延の終了温度が850℃を超えると、組織が粗粒となり、靭性が低下する場合がある。
冷却停止温度:600℃以下、かつ冷却停止温度までの冷却速度:1.0℃/s以上
上記熱間圧延終了後は、冷却速度を1.0℃/s以上とし、600℃以下の冷却停止温度まで加速冷却することが重要である。上記の冷却速度が1.0℃/s未満では、強度が低いフェライトの生成を抑制できないため、十分な母材の強度が得られない。そのため、上記の冷却速度は1.0℃/s以上とする。好ましくは、上記の冷却速度は1.2℃/s以上である。なお、冷却速度の上限については特に制限はないが、母材の靭性を確保する観点から、上記の冷却速度は30℃/s以下が好ましい。
また、上記冷却停止温度を600℃以下とする理由は、上記冷却停止温度が600℃より高いと、フェライト+パーライトや上部ベイナイトなどの組織の分率が高くなり、高強度と高靭性とが両立しなくなるからである。ただし、加速冷却の冷却停止温度は、島状マルテンサイトMAなどの靭性に劣る硬質相の生成を抑制する観点から、350℃以上とすることが好ましい。なお、上記加速冷却後に焼戻し処理を施す場合には、上記加速冷却の冷却停止温度の下限は特に制限はない。
焼戻し温度:450〜650℃
上記加速冷却後、焼戻し処理を施す場合には、焼戻し温度は、鋼板の板厚中心温度で450〜650℃の範囲とすることが好ましい。焼戻し温度が450℃未満では、十分な焼戻しの効果が得られない場合がある。一方、650℃を超える温度で焼戻しを行うと、炭窒化物が粗大に析出して靭性が低下したり、強度の低下を招いたりする場合がある。そのため、焼戻し温度は450〜650℃の範囲とすることが好ましい。また、焼戻し処理の加熱方法は、焼戻し時における炭化物の粗大化を抑制する観点から、誘導加熱で行うことが好ましい。
なお、上記焼き戻し処理時間は、10〜300minの範囲とすることが好ましい。
上記に説明したように、本発明の高張力鋼板は、溶接熱影響部におけるオーステナイト粒の粗大化を抑制し、さらに、高温でも溶解しないフェライト変態生成核を微細に分散させて、溶接熱影響部の組織を微細化する。そのため、溶接熱影響部おいても高い靭性が得られる。特に、多層盛溶接時の熱サイクルにより2相域に再加熱される領域においては、最初の溶接により溶接熱影響部の組織が微細化されているため、未変態領域の靭性が向上するだけでなく、再変態するオーステナイト粒も微細化することができるため、溶接時の入熱による靭性の低下を大幅に軽減することができる。
表1に示した各種成分組成を有する符号A〜Xの鋼を溶製し、連続鋳造法で鋼素材(スラブ)とした後、表2に示した種々の条件で熱間圧延し、加速冷却し、あるいはさらに焼戻し処理を施して、板厚が50〜100mmの厚鋼板No.1〜30を製造した。
次いで、上記厚鋼板を以下の評価試験に供した。
<母材の評価>
(強度特性)
厚鋼板の板厚1/2の位置から、鋼板の圧延方向に直角な方向を長さ方向とするJIS4号試験片を採取し、降伏応力YS、引張強さTS、さらに降伏比YR(=(YS×100)/TS(%))を測定し、YS≧460MPaおよびTS≧570MPaを満たすものを母材の強度特性が良好と評価した。
(靭性特性)
厚鋼板の板厚1/2の位置から、鋼板の圧延方向に直角な方向を長さ方向とするJIS Z2202に規定されたVノッチ試験片を採取し、シャルピー衝撃試験で−80℃における吸収エネルギーvE−80℃を測定し、vE−80℃≧200Jを満たすものを母材の靭性特性が良好と評価した。
<溶接部の評価>
(靭性特性)
厚鋼板から試験片を採取し、K型開先を付与した後、溶接入熱35kJ/cmのサブマージアーク溶接で多層盛溶接を行って溶接継手を作製し、鋼板の板厚1/4位置のストレート側のボンド部をノッチ位置とするVノッチ試験片を採取し、シャルピー衝撃試験で−80℃における吸収エネルギーvE−80℃を測定した。上記試験は、各条件で3本行い、平均のvE−80℃が150J以上である溶接継手を靭性良好と評価した。
(CTOD特性)
上記と同様にして溶接継手を作製し、ストレート側のボンド部を三点曲げCTOD試験片のノッチ位置とするCTOD試験片を採取し、−60℃におけるCTOD値(δ−60℃)を測定した。上記試験は、各条件で3本行い、CTOD値(δ−60℃)が0.50mm以上であるものを、溶接継手のCTOD特性が良好と評価した。
Figure 0006299676
Figure 0006299676
上記測定の結果を表2に併記した。表2から、表1に示した符号A〜Eの鋼は、いずれも本発明の成分組成を満たすものであり、該鋼のスラブを用いて本発明に適合する条件で製造した発明例の鋼板は、いずれも母材および溶接部の強度特性と靭性に優れている。
これに対して、本発明の成分組成を満たす鋼スラブを用いて本発明から外れる条件で製造した比較例の鋼板、あるいは、本発明の成分組成を満たさない鋼のスラブを用いて本発明に適合する条件で製造した比較例の鋼板は、母材および溶接部の強度特性と靭性が上記発明例の鋼板より劣っていることがわかる。
本発明の高張力鋼板は、船舶や海洋構造物、圧力容器、ペンストックなどの鋼構造物の他、建築や橋梁等の土木・建築分野にも適用することができる。

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C:0.010〜0.080%、
    Si:0.01〜0.50%、
    Mn:0.20〜1.80%、
    P:0.012%以下、
    S:0.0035%以下、
    sol.Al:0.010〜0.060%、
    Ni:0.1〜2.0%、
    Cr:1.0〜4.0%、
    Nb:0.005〜0.040%、
    Ti:0.005〜0.025%、
    N:0.0020〜0.0050%を含有し、さらに、
    Crを35Cr+8Mn≧63を満たして含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、降伏応力YSが460MPa以上、シャルピー衝撃試験における−80℃の試験温度での吸収エネルギーvE−80℃が200J以上である高張力鋼板。
  2. さらに、質量%で、Cu:1.0%未満、Mo:0.05〜0.50%、V:0.005〜0.05%、B:0.0005〜0.0030%、Ca:0.0005〜0.0050%およびMg:0.0002〜0.0030%の中から選ばれる1種または2種以上を含有する請求項1に記載の高張力鋼板。
  3. さらに、質量%で、O:0.0030%以下含有し、かつ、前記Ca、SおよびOが下記(1)式を満たして含有する請求項2に記載の高張力鋼板。

    0<{Ca−(0.18+130×Ca)×O}/(1.25×S)<1 ・・・(1)
    ただし、上記式中の各元素記号は、それぞれの元素の含有量(質量%)である。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の成分組成を有する鋼素材を1030〜1200℃の加熱温度に加熱した後、950℃以上の温度における累積圧下率を30%以上、950℃未満の温度における累積圧下率を30〜70%とする熱間圧延をし、1.0℃/s以上の冷却速度で600℃以下の冷却停止温度まで加速冷却を行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の高張力鋼板の製造方法。
  5. 前記加速冷却を行った後、さらに、450〜650℃の温度で焼戻処理を施す請求項4に記載の高張力鋼板の製造方法。
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