JP6024401B2 - 表面品質に優れる厚鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
まず、本発明者ら行った本発明の基礎となった実験結果について説明する。
その結果、試験片を熱処理炉で加熱保持することにより、地鉄が酸化され、スケールが成長し、スケール厚さが増加するが、増加するスケール厚さLと、加熱温度、保持時間との関係は、使用した鋼板組成の範囲、および700〜1000℃の温度域では、次式
(L)2=1.34×1011×exp(−28568/T)×t
(ここで、L:スケール厚(μm)、T:鋼板(表面)温度(℃)、t:保持時間(s))
で表されることを見出した。
すなわち、鋼板圧延中に地鉄が酸化しスケールが成長するにともない、地鉄中に元々含有されていたSiをはじめスケール中にはほとんど固溶できない合金元素がスケール/地鉄界面に吐き出される。さらにスケールが成長するにしたがい、スケール/地鉄界面のSi濃化量が増加し、ある濃度に達したところでスケール/地鉄界面に、Fe2SiO4(ファイアライト)が生成する。
そして、スケール厚さL:9.4μmで、スケール/地鉄界面にFe2SiO4が生成するという事実から、
(9.4)2>1.34×1011×exp(−28568/T)×Δt
を満足する鋼板表面温度T、デスケーリングの時間間隔Δtで,デスケーリングを行うことにより、スケール/地鉄界面へのFe2SiO4生成を抑制できることに思い至った。
本発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨はつぎのとおりである。
90 >1.34×1011×exp(−28568/Ti)×Δti,i+1 ‥‥(1)
(ここで、Ti:i番目の高圧デスケーリングの直前の鋼板表面温度(K)、Δti,i+1=(ti+1−ti)(s)、ti:熱間圧延開始時間を起点(0s)とした、i番目の衝突圧0.4MPa以上で行う高圧デスケーリングを実施した時間(s)、ti+1:熱間圧延開始時間を起点(0s)とした、(i+1)番目の衝突圧0.4MPa以上で行う高圧デスケーリングを実施した時間(s)、i番目の高圧デスケーリング:熱間圧延の最終パスの4パス前の圧延の直前に衝突圧0.4MPa以上で行うデスケーリングを1番目の高圧デスケーリングとし、その後、1番目の高圧デスケーリングから数えてi番目の衝突圧0.4MPa以上で行うデスケーリングをいう。なお、iは1,2,3‥(自然数)。)
を満足するように調整して行い、かつ前記熱間圧延を、該熱間圧延の最終パスの4パス前から該熱間圧延の最終パス後までの累積圧下率が30%以上である圧延とすることを特徴とする表面品質に優れた厚鋼板の製造方法。
90 >1.34×1011×exp(−28568/Tf)×(tc−tf) ‥‥(2)
(ここで、Tf:最後に衝突圧0.4MPa以上の高圧水で行う高圧デスケーリングを実施する直前の鋼板表面温度(K)、tf:熱間圧延開始時間を起点(0s)とした、最後に衝突圧0.4MPa以上の高圧水で行う高圧デスケーリングを実施した時間(s)、tc:熱間圧延開始時間を起点(0s)とした、鋼板表面温度が680℃以下となる時間(s))
を満足するように調整した空冷または加速冷却とすることを特徴とする表面品質に優れた厚鋼板の製造方法。
(5)(1)ないし(4)のいずれかにおいて、前記熱間圧延後、あるいは前記冷却の後に、680℃以下の温度で焼戻処理を施すことを特徴とする厚鋼板の製造方法。
本発明で使用する鋼素材は、少なくともC、Si、Mn、Alを含有する。
まず、鋼素材の好ましい組成限定理由について説明する。以下、組成に関する質量%は単に%で記す。
Cは、鋼の強度を向上させる元素であり、このような効果を得るためには0.05%以上の含有を必要とする。一方、0.20%を超えて過剰に含有すると、溶接性が低下する。このため、Cは0.05〜0.20%の範囲に限定した。
Si:0.1〜0.5%以下
Siは、固溶強化によって鋼の強度を向上させる元素であり、このような効果を得るためには0.1%以上の含有を必要とする。一方、0.5%を超えて含有すると、スケール/地鉄界面へのSi濃化量が多くなり、Fe2SiO4(ファイアライト)が生成し易くなる。また、Fe2SiO4(ファイアライト)の生成により、デスケーリングに必要な高圧水の衝突圧力が増大する。このため、Siは0.1〜0.5%の範囲に限定した。
Mnは、鋼の焼入れ性の向上を介して強度を向上させる元素である。このような効果を得るためには0.1%以上含有する必要がある。一方、2.0%を超えて過剰に含有すると、溶接性を著しく低下する。このため、Mnは0.1〜2.0%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.5〜1.8%である。
Pは、不純物として鋼中に不可避的に含有される元素であり、鋼の靭性を低下させるため、できるだけ低減することが望ましい。とくに、0.025%を超える含有は、著しく靭性を低下させる。このため、本発明ではPは0.025%以下に限定した。なお、好ましくは0.015%以下である。
Sは、不純物として鋼中に不可避的に含有される元素であり、鋼の靭性や延性、さらには板厚方向の絞りを低下させるため、本発明では、できるだけ低減することが望ましい。とくに0.020%を超える含有は、上記した特性の低下が著しくなる。このため、本発明ではSは0.020%以下に限定した。なお、好ましくは0.010%以下である。
Alは、脱酸剤として作用する元素であり、溶鋼の脱酸プロセスにおいて、もっとも汎用的に使用される元素である。このような効果を得るためには0.001%以上含有することが望ましい。一方、0.1%を超える含有は、粗大な介在物を形成して、鋼板母材の延性を著しく低下させる。このため、Alは0.1%以下に限定した。なお、好ましくは0.05%以下である。
Ni、Cr、Mo、Cu、V、Nb、Ti、Bはいずれも、鋼板の強度を増加させる作用を有し、必要に応じて選択して含有できる。
Moは、焼入性を増加させることを介して鋼の強度を向上させる元素である。このような効果を得るためには、0.1%以上含有することが望ましい。一方、1.3%を超える含有は、スケール/地鉄界面に濃化したMoが、スケール密着性を増加させ、デスケーリング時のスケール取れ残りムラを促進する。このため、含有する場合には、Moは1.3%以下に限定することが好ましい。
Vは、母材の強度と靭性をともに向上させる元素である。このような効果を得るためには、0.020%以上含有することが望ましい。しかし、0.500%を超える含有は、かえって靭性の低下を招く。このため、含有する場合は、Vは0.020〜0.500%の範囲に限定することが好ましい。
Tiは、析出強化により鋼板の強度を向上させるとともに、固溶Nを固定し、溶接熱影響部靭性を改善する有効な元素である。このような効果を得るためには0.005%以上含有することが望ましい。一方、0.080%を超えて過剰に含有すると、溶接熱影響部靭性が低下する。このため、含有する場合には、Tiは0.005〜0.080%の範囲に限定した。
Ca、REM、Mgはいずれも、板厚方向の絞り特性を改善する作用、または、溶接熱影響部靭性を改善する作用を有する元素であり、必要に応じて選択して含有できる。
Caは、Sを固定することによってMnSの生成を抑制して、板厚方向の絞り特性を改善する作用を有し、さらに、溶接熱影響部靭性をも改善する作用も有する。このような効果を得るためには、0.0005%以上含有することが望ましい。一方、0.0060%を超えて過剰に含有すると、母材靭性が低下させる。このため、含有する場合には、Caは0.0005〜0.0060%の範囲に限定することが好ましい。
本発明では、上記した組成を有する鋼素材に、高圧水によるデスケーリングを施しながら熱間圧延を行って厚鋼板とする。
本発明では、熱間圧延(仕上圧延)の最終パス近傍の圧延パスにおいて、高圧下率の圧延を施し、地鉄表面の凹凸を平坦化する。圧下率が30%未満では、それ以前から存在していた地鉄表面の凹凸を平坦化できず、圧延後に地鉄表面の大きな凹凸が残存することになり、所望の地鉄表面の凹凸抑制効果を十分に発揮できない。
デスケーリングは、衝突圧:0.4MPa以上の高圧水で行う高圧デスケーリングとする。デスケーリングでの衝突圧が0.4MPa未満では、本発明の成分範囲内ではスケール取り残しが生じる。この取り残されたスケールが圧延時に、地鉄へ押し込まれて、唐草状模様の発生を促進する。このため、デスケーリングにおける高圧水の衝突圧を0.4MPa以上に限定した。なお、好ましくは0.8MPa以上である。
本発明では、最終熱間圧延パスの4パス前の圧延の直前に行う、衝突圧:0.4MPa以上の高圧水によるデスケーリングを1番目の高圧デスケーリング(No.1高圧デスケーリング)とする。そして、1番目の高圧デスケーリング(No.1高圧デスケーリング)から数えてi番目に行う、衝突圧:0.4MPa以上の高圧水によるデスケーリング、すなわち、i番目の高圧デスケーリング(No.i高圧デスケーリング)を熱間圧延開始時間を起点(0s)とした時間tiで行い、その後に行う衝突圧:0.4MPa以上の高圧水によるデスケーリング、すなわち、(i+1)番目の高圧デスケーリング(No.(i+1)高圧デスケーリング)を熱間圧延開始時間を起点(0s)とした時間ti+1で行う。この場合、本発明では、これらi番目と(i+1)番目という相前後する高圧デスケーリングの実施時間の間隔Δti,i+1(=(ti+1−ti))(s)を、i番目の高圧デスケーリング(No.i高圧デスケーリング)の直前の鋼板表面温度Tiとの関係で、次(1)式
90 >1.34×1011×exp(−28568/Ti)×Δti,i+1 ‥‥(1)
を満足するように、調整する。
なお、このような高圧デスケーリングの実施時間間隔の調整は、少なくとも熱間圧延の最終熱間圧延パスの4パス前の圧延から最終熱間圧延パスの圧延までの間とする。本発明では、この範囲での高圧デスケーリング全てにおいて、上記した(1)式を満足する必要がある。上記した(1)式を満足しない高圧デスケーリングが存在すると、唐草状模様が現出し、所望の表面品質に優れた厚鋼板とならない。
鋼板表面温度が680℃以下となると、スケール成長がほぼ起こらなくなる。このため、唐草状模様の発生を防止する観点からは、熱間圧延終了から680℃以下までの冷却の条件を特定の条件に限定することが好ましい。
90 >1.34×1011×exp(−28568/Tf)×(tc−tf) ‥‥(2)
(ここで、Tf:最後に衝突圧:0.4MPa以上の高圧デスケーリングを行う直前の鋼板表面温度(K)、tf:熱間圧延開始時間を起点とした、最後に衝突圧:0.4MPa以上の高圧デスケーリングを行った時間(s)、tc:熱間圧延開始時間を起点とした、鋼板表面温度が680℃以下となる時間(s))
を満足するように、空冷または加速冷却の冷却速度を調整して冷却することが好ましい。なお、tcは、冷却開始直前の鋼板表面温度と冷却装置の冷却能(加速冷却の場合には水量密度)に基づく伝熱計算により求めた値を用いるものとする。
本発明では、上記した熱間圧延後、あるいは上記した冷却の後に、680℃以下の温度で焼戻処理を施してもよい。焼戻温度が680℃を超える高温では、焼戻時にスケールが生成され、スケール/地鉄界面にFe2SiO4が生成し、地鉄表面の凹凸が著しくなり、唐草状模様が生成される。このため、焼戻処理の加熱温度は680℃以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは650℃以下である。
なお、Si含有量が本発明範囲から高く外れる比較例(厚鋼板No.10)、Ni含有量が本発明範囲から高く外れる比較例(厚鋼板No.11)、Mo含有量が本発明範囲から高く外れる比較例(厚鋼板No.12)では、いずれもスケール密着性が高いことに起因して、デスケーリング時にスケールが取れ残り、スケール/地鉄界面のSi濃化とそれによって生じるFe2SiO4の生成を抑制できず、唐草状模様の発生面積率が10%を超えて高くなった。また、デスケーリングの衝突圧が本発明範囲を低く外れた比較例(厚鋼板No.13)では、デスケーリング時にスケールを完全には除去できず、スケール/地鉄界面のSi濃化とそれによって生じるFe2SiO4の生成を抑制できず、唐草状模様の発生面積率が高くなった。また、デスケーリングの時間間隔が本発明範囲を高く外れる比較例(厚鋼板No.14)では、スケール/地鉄界面に生成したFe2SiO4に起因した大きな地鉄表面の凹凸が発生し、唐草状模様の発生面積率が高くなった。また、熱間圧延の最終熱間圧延パスの4パス前から最終熱間圧延パス後までの累積圧下率が本発明範囲を低く外れる比較例(厚鋼板No.15)では、熱間圧延における地鉄表面の凹凸の平坦化が不十分であるため、唐草状模様の発生面積率が高くなった。また、熱間圧延後の冷却が本発明範囲を高く外れる比較例(厚鋼板No.16)では、スケール/地鉄界面に生成したFe2SiO4に起因した地鉄表面の凹凸が発生し、唐草状模様の発生面積率が高くなった。また、焼戻温度が適正範囲から高く外れた比較例(厚鋼板No.17)では、焼戻処理時のスケール生成により、スケール/地鉄界面にFe2SiO4が生成し、大きな地鉄表面の凹凸が生成し、唐草状模様の発生面積率が高くなった。また、本発明範囲を満足する高圧デスケーリングを実施した範囲が本発明範囲より狭くなった比較例(厚鋼板No.18)では、地鉄表面凹凸を平坦化する効果が小さくなったため、唐草状模様の発生面積率が高くなった。また、本発明範囲を満足する高圧デスケーリングを実施した範囲が本発明範囲より狭く、かつ熱間圧延後の冷却が本発明範囲を高く外れる比較例(厚鋼板No.19)では、唐草状模様の発生面積率が高くなった。
Claims (5)
- 鋼素材に、デスケーリングを施しながら熱間圧延を行って厚鋼板とするにあたり、
前記鋼素材を、質量%で、C:0.05〜0.20%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.025%以下、S:0.020%以下、Al:0.1%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材とし、
少なくとも前記熱間圧延の最終パスの4パス前から前記熱間圧延の最終パス後までの範囲で、衝突圧が0.4MPa以上の高圧水で行う高圧デスケーリングを、i番目と(i+1)番目と相前後して実施する前記高圧デスケーリングの実施時間間隔Δti,i+1がいずれも、下記(1)式を満足するように調整して行い、かつ
前記熱間圧延を、該熱間圧延の最終パスの4パス前から該熱間圧延の最終パス後までの累積圧下率が30%以上である圧延と
することを特徴とする表面品質に優れた厚鋼板の製造方法。
記
90 >1.34×1011×exp(−28568/Ti)×Δti,i+1 ‥‥(1)
ここで、Ti:i番目の高圧デスケーリングの直前の鋼板表面温度(K)、
Δti,i+1=(ti+1−ti)(s)、
ti:熱間圧延開始時間を起点(0s)とした、i番目の衝突圧0.4MPa以上で
行う高圧デスケーリングを実施した時間(s)、
ti+1:熱間圧延開始時間を起点(0s)とした、(i+1)番目の衝突圧
0.4MPa以上で行う高圧デスケーリングを実施した時間(s)、
i番目の高圧デスケーリング:熱間圧延の最終パスの4パス前の圧延の直前に
衝突圧0.4MPa以上で行うデスケーリングを1番目の高圧デスケーリングとし、
その後、1番目の高圧デスケーリングから数えてi番目の衝突圧0.4MPa以上で
行うデスケーリングをいう。なお、iは1,2,3‥(自然数)。 - 前記熱間圧延を終了した後の冷却を、最後に衝突圧:0.4MPa以上の高圧水で行う高圧デスケーリングを実施した時間tfから鋼板表面温度が680℃以下となる時間tcまでの時間間隔(tc−tf)が下記(2)式を満足するように調整した空冷または加速冷却とすることを特徴とする請求項1に記載の表面品質に優れた厚鋼板の製造方法。
記
90 >1.34×1011×exp(−28568/Tf)×(tc−tf) ‥‥(2)
ここで、Tf:最後に衝突圧0.4MPa以上の高圧水で行う高圧デスケーリングを実施
する直前の鋼板表面温度(K)、
tf:熱間圧延開始時間を起点(0s)とした、最後に衝突圧0.4MPa以上
の高圧水で行う高圧デスケーリングを実施した時間(s)、
tc:熱間圧延開始時間を起点(0s)とした、鋼板表面温度が680℃以下
となる時間(s) - 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ni:0.1〜1.0%、Cr:0.1〜1.5%、Mo:0.1〜1.3%、Cu:0.1〜1.0%、V:0.020〜0.500%、Nb:0.010〜0.200%、Ti:0.005〜0.080%、B:0.0005〜0.0050%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の厚鋼板の製造方法。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0060%、REM:0.001〜0.020%、Mg:0.001〜0.008%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の厚鋼板の製造方法。
- 前記熱間圧延の後、あるいは前記冷却の後に、680℃以下の温度で焼戻処理を施すことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の厚鋼板の製造方法。
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