JP2008194056A - モロミ漬け豆腐の製造方法およびモロミ漬け豆腐 - Google Patents

モロミ漬け豆腐の製造方法およびモロミ漬け豆腐 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来のみりん粕の利用において、あくまでも補助的な副成分としてしか使用されていないのでみりん粕の旨味成分が利用されていないこと、その旨味成分と豆腐の栄養価とを有効に利用できるように食味が改善されたモロミ漬け豆腐を得ること。
【解決手段】 本発明に係るモロミ漬け豆腐の製造方法は、みりん粕を主成分とし、これに少なくともタンパク質分解酵素剤により分解させた分解粕に、所要量のアルコールと塩とを添加して熟成させたモロミ食材を使用して半乾燥の豆腐を漬け込むものであり、モロミ食材に多く含まれているアミノ酸類の旨味成分が豆腐側に移行すると共に、熟成によって香りが良くなり、旨味とコクがあり、舌触りが滑らかで口当たりが良いものとなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、みりんの醸造過程で副産物として残存するみりん粕を主材として加工したモロミ食材を利用し、該モロミ食材に豆腐を漬け込むモロミ漬け豆腐の製造方法および該方法によって得られたモロミ漬け豆腐に関するものである。
みりん粕には、みりん由来の糖類、アミノ酸、不溶性無窒素物(繊維を含む)、タンパク質等が豊富に含まれると共に、みりん製造時に使用される「麹」由来の酵素活性と抗酸化性のみりん成分とが残存しており、食材としては優れている。
しかしながら、みりん粕は食材として利用されることは少なく、その多くは家畜飼料として利用されており、一部において漬物の床材として利用されているのが現状である。また、豆腐を味噌や酒粕などのモロミに漬け込んで、本来の豆腐とは違った味付けをした豆腐およびその製造方法についても複数のものが公知になっている。
第1の公知例として、例えば、豆腐を酒粕に漬けて熟成させた粕漬豆腐であって、豆腐は、全表面に塩をまぶして冷蔵庫で12〜24時間ねかせて内部から水分を出して水切りし、熱風乾燥させたものが使用され、酒粕は、砂糖、塩、調味料、酒を加えて味付けし、味噌程度の柔らかさにしたものであって、漬け込み時間は2〜5日間程度で熟成させるというものである(特許文献1参照)。
第2の公知例として、例えば、米を金山寺麹で糖化し、これに醤油を加えて糖化もろみを調整し、この糖化もろみに、水切り脱水した豆腐を浸漬して熟成させた後、豆腐を取り出し、さらに新しい糖化もろみに漬け込み、なめらかなチーズ様のテクスチャーと豆腐の良好な風味と品質を有する豆腐もろみ漬けの製造が可能になったというものである(特許文献2参照)。
また、例えば、みりん粕を利用した健康食品及び漬け床が公知になっている。この漬け床は、醤油粕、糠、おからおよび水を含む混合物に食塩を加え、さらにみりん粕を加えて発酵させてなるものである(特許文献3参照)。
特開平11−127811号公報 特開2003−23995号公報 特開2003−38124号公報
しかしながら、前記特許文献1の公知技術においては、豆腐に塩をまぶして水切りし、熱風乾燥させた後に、酒粕に漬け込み熟成させるというものであり、この場合の豆腐の水切りは、塩をまぶして冷蔵庫で12〜24時間ねかせて内部から水分を出して水切りすると共に、豆腐に塩味を加味するものであり、熱風乾燥は、豆腐の表面をドライヤーで熱風乾燥させ、表面の湿り気を除去しており、水切り後の豆腐は、手で握っても壊れない程度にかたい状態となっているというものであるので、豆腐としての滑らかさおよび柔らかさが既に失われている。
また、酒粕は、砂糖、塩、調味料、酒を加えて味付けしただけで熟成しない状態で豆腐を漬け込んでおり、酒粕が熟成していないのであるから、豆腐の味付けは砂糖、塩、調味料の成分が勝って、発酵する酒粕の良さが発揮されていないのである。
また、前記特許文献2の公知技術においては、米を金山寺麹で糖化し、これに醤油を加えて糖化もろみを調整したものが使用され、米と麹と醤油とを使用することにより、絞り粕とは異なる新たに調整した醤油もろみに近いものであり、しかも、豆腐を2回に渡って糖化もろみに漬け込むのであり、再利用が少なく廃棄が予定される酒粕やみりん粕等を使用するものとは、利用の仕方も成分的にも全く別異のものである。
更に、前記特許文献3の公知技術においては、主たる材料として醤油粕、糠、おからおよび水を含む混合物に食塩を加えて発酵させるとし、その混合物に、健康食品の味を良くするため及び艶を出すために補助的にみりん粕を含めるのが好ましいとしている。
従って、従来のモロミ漬け様の豆腐は、麹成分が残存する酒粕や醤油粕が主たる材料で発酵させた漬床であり、みりん粕はあくまでも補助的な副成分としてしか使用されていないこと、みりん粕の旨味成分が利用されていないことに鑑み、旨味成分の全部を生かすようにみりん粕を主成分としたモロミ食材を得て、その旨味成分と豆腐の栄養価を有効に利用できるようにし食味が改善されたモロミ漬け豆腐を得ることに課題がある。
上記課題を解決する具体的手段として本発明に係るモロミ漬け豆腐の製造方法は、みりん粕を少なくともタンパク質分解酵素剤により分解させた分解粕に、所要量のアルコールと塩とを添加して熟成させたモロミ食材に、所要大きさに形成した半乾燥の豆腐を漬け込み、恒温で少なくとも2週間熟成することを最も特徴とする。
この製造方法の発明において、豆腐の所要大きさは、少なくとも2cm角に切ったものであること;および、豆腐の半乾燥は、50℃で3時間通風乾燥させること、を付加的な要件として含むものである。
また、本発明に係るモロミ漬け豆腐は、上記製造方法の発明を実施することによって得られたものであり、当然のこととして、豆腐の所要大きさは、少なくとも2cm角に切ったものであること;および、豆腐の半乾燥は、50℃で3時間通風乾燥させること、を含むものである。
本発明に係るモロミ漬け豆腐の製造方法は、みりん粕を主成分とし、これに少なくともタンパク質分解酵素剤により分解させた分解粕に、所要量のアルコールと塩とを添加して熟成させたモロミ食材を使用して半乾燥の豆腐を漬け込むものであり、みりん粕全てが利用できるし、モロミ食材に多く含まれているアミノ酸類の旨味成分が豆腐側に移行すると共に、熟成によって香りが良くなり、旨味とコクがあり、舌触りが滑らかで口当たりが良いという優れた効果を奏する。
次に、本発明を具体的な実施の形態に基づいて詳しく説明する。
本発明の実施の形態に係るモロミ漬け豆腐の製造方法は、まず、みりん製造において副生されるみりん粕を使用して生成したモロミ食材を利用することが重要なのであり、そのモロミ食材の製造について説明する。みりん粕に所要量の水を加えて吸水膨潤させ、チョッパー処理によりみりん粕を細かくし、その後に加えられる酵素が作用し易くする。この場合に、目的とするモロミ食材によって加えられる水の量が適宜選択される。例えば、みりん粕1重量部に対して水を0.5〜2.0重量部の範囲で選択的に加えられる。
チョッパー処理したみりん粕は、微生物汚染防止の目的で70℃にて30分間加熱処理する。加熱処理されたみりん粕は常温まで冷された後に、市販されているタンパク質分解酵素剤を所要量添加する。この場合に、みりん粕1重量部に対して酵素剤を0.0001〜0.01重量部の範囲で添加する。また、みりん粕には、みりん製造時の各種酵素活性が残存しているが、それだけでは充分ではなく、市販の各種酵素剤を目的に合わせて使用するのが好ましい。例えば、酵素剤としてタンパク質分解酵素剤を単独で使用するだけでなく、糖化・液化酵素剤、脂肪分解酵素剤、繊維(セルロース)分解酵素剤などの一種または二種以上を併用することができる。
なお、セルロース分解酵素剤として、Trichoderma属の由来のセルラーゼは、エンドグルカナーゼに富んだものが多く、Aspergillus属由来のセルラーゼは、エキソグルカナーゼとβグルカナーゼとに富んだものが多いことからして、両者を一緒に使用した方が良い。
つまり、セルロースはグルコース分子が何千個もβ−1,4−グルコシド結合で直鎖式に繋がったものであり、このようなセルロースを分解するためには、セルロースの非結晶領域の結合を分解する性能を有するエンドグルカナーゼと、エンドグルカナーゼの切断点に作用してセロビオースを生成する性能を有するエキソグルカナーゼと、セロビオースをグルコースに加水分解する性能を有するβグルカナーゼとを同時に使用することで、セルロースの糖化能力を高めることができるのである。
酵素剤を添加したみりん粕は、所要の容器(樽または槽)に入れ、常温〜60℃の範囲に維持して2〜4日間分解反応させ、全体として液状乃至泥状を呈するみりん粕分解物(流動物)を調製する。この場合に、食材としての使用目的によって添加する水の量を予め適宜選択できるのであり、また、分解反応させる温度と時間も適宜選択するのである。
このように調製されたみりん粕分解物に対して、アルコールと塩などの調味料を所要量加え、必要があれば酸味料、香草、生薬、薬味、香辛料などを加え、全体を略均等に掻き混ぜ、容器に入れたままで数週間(2〜8)熟成させて目的とするモロミ食材を得ることができる。なお、アルコールと塩などの調味料はみりん粕分解と同時に加えることもできるが、酵素反応を効率的に行わせるためには分解後に加えることが望ましい。
得られたモロミ食材は、アミノ酸を多く含み旨味の濃い食材となっているのである。また、みりん粕分解物に加えられるアルコールは通常25%濃度のエタノールであり、その添加量は、みりん粕1重量部に対してアルコールが0.4〜3.0重量部で、塩が0.05〜0.55重量部の範囲で適宜選択される。そして、アルコールは、添加後の濃度が4〜15%(v/w)であれば良く、好ましくは7〜13%(v/w)の範囲が望ましい。塩は、添加後の濃度が2〜10%(W/W)であれば良く、好ましくは4〜7%(W/W)が望ましい。
このようにして得られたモロミ食材は、例えば、味噌と同じようにまたは市販の味噌と併用してみそ汁に入れて食するとか、あるいは野菜などの食材に一種の「ドレッシング」または「マヨネーズ」風に直接付けて食するとか、或いは煮物とか炒めものなどの調味料として使用できるばかりでなく、他の食材、例えば、食パンなどに「ジャム」風に塗りつけて食したり、漬け物用の床材(ベース材)として、また加工味噌の材料としても幅広く使用できるものである。
次に、幾つかのモロミ食材の製造例と本発明の実施例及び比較例とを挙げて説明する。
[製造例1]
みりん粕1kgに水1Lを加えて吸水膨潤させた後にチョッパー処理して細かくした。これを密閉ガラス容器(瓶状の容器)に入れて70℃で30分間加熱し、冷却後にタンパク質分解酵素剤を3g加え良く攪拌して密閉し、その状態で恒温槽内に入れ、40℃で4日間反応させて液状乃至泥状のみりん粕分解物を得た。得られたみりん粕分解物に25%アルコール2Lと食塩80gを添加して全体を均一に攪拌してモロミ食材とした。このモロミ食材は実際には、30℃の恒温槽内に静置して少なくとも2週間程度熟成させてから食材として使用するものである。
[実施例1]
上記製造例1で得られたモロミ食材を使用して、豆腐のモロミ漬け製品、要するに、モロミが付いたままで食せる食品の加工を試みた。市販の豆腐1kgを略2cm角に切り、50℃にて3時間通風乾燥させて半乾燥豆腐にし、該半乾燥豆腐を前記モロミ食材と一緒に所要の容器に入れ、30℃の恒温槽内で4週間熟成してモロミ漬け豆腐を得た。
[比較例1]
市販の米麹1kgに水1Lを加え、吸水膨潤させた後にチョッパー処理して細かくした。これを密閉ガラス容器(瓶状の容器)に入れ、次いで25%アルコール2Lと食塩80gを添加して全体を均一に攪拌し、30℃の恒温槽内に静置して2週間熟成させてモロミ様床材とし、前記実施例と同様に、半乾燥させた豆腐をモロミ様床材に入れ、30℃の恒温槽内で4週間熟成してモロミ漬け様豆腐を得た。
前記製造例1で得られたモロミ食材及び本発明の実施例1のモロミ漬け豆腐と、比較例1におけるモロミ様床材とモロミ漬け様豆腐とが、香りおよび味の点でどのように違うかについて、官能検査で確認を行った。この官能検査は、長野県上伊那郡在住の20代から50代の男女20名に協力して戴き、三点嗜好試験法により行った。
(三点嗜好試験法)
2種類の試料A、Bを識別する場合に、A,A,BまたはA,B,BのようにAを2個にBを1個、またはAを1個にBを2個、計3個の試料を1組として与え、この中からどれが異なる1個であるか、またはどの2個が同じであるかを当てさせるものであり、これを複数回(n回)の繰り返しで得られた正解数から、2種の試料間に差があるか、または検査員(パネラー)にその差を識別する能力があるかの判定をする。これで試料間に差が認められた場合に、つぎに選び出した1個のものと、残りの2個とを比較して好ましい方を選ばせる方法である。
(解析法)
識別能力があると判定されたn人の判定の内、正しく識別した度数を数え、芳賀敏郎氏が直接法で作成した表に元づき、A、B試料間に差があるか否かを検定する。その結果、試料間の差が認められたならば、正しく判定した人のデータから、Aを好むと判定した度数、Bを好むと判定した度数を数え、そのうちの大きい方の度数が芳賀敏郎氏が直接法で作成した表に等しいか、または大きいとき、その試料の方が好まれていると判定する。
(試料)
試料Aは製造例1のモロミ食材と本発明の実施例1に係るモロミ漬け豆腐、試料Bは比較例1のモロミ様床材とモロミ漬け様豆腐で、20名のパネラーに対して、同一の要領で官能試験を行った。
(結果)
この官能試験の結果、正しく識別できた度数は20であった(n=20)。芳賀敏郎氏が直接法で作成した表(統計的官能検査法、佐藤信著、日科技連出版社)により、本発明のモロミ食材と比較例1のモロミ様床材は0.1%の危険率で高度に識別できることが明らかとなった。
次に、正しく判定した20名のパネラーのデータから本発明のモロミ食材とモロミ漬け豆腐と、比較例1に係るモロミ様床材とモロミ漬け様豆腐のどちらが、香り、口当たり、味で優れているかについて判定して戴いた結果は、表1に示すとおりであった。なお、パネラーからのコメント(理由)も一緒に記載する。
Figure 2008194056
この表1から明らかなように、香り、口当たり、味については、0.1%危険率で高度にモロミ食材と本発明に係るモロミ漬け豆腐が好まれていることが明らかとなった。
以上の結果によって、モロミ食材と本発明に係るモロミ漬け豆腐は、香り、口当たり、味の点で、米麹を使用したモロミ様床材とモロミ漬け様豆腐に比べ、食材として優れていることが明らかとなった。
[製造例2]
みりん粕1kgに水1Lを加えて吸水膨潤させた後にチョッパー処理して細かくした。これを密閉ガラス容器(瓶状の容器)に入れて70℃で30分間加熱し、冷却後にタンパク質分解酵素剤を2gと、糖化酵素1gと、2種類のセルラーゼ各1gと加え良く攪拌して密閉し、その状態で恒温槽内に入れ、40℃で4日間反応させて液状乃至泥状のみりん粕分解物を得た。得られたみりん粕分解物に25%アルコール2Lと食塩80gを添加して全体を均一に攪拌してモロミ食材とした。このモロミ食材も前記実施例1と同様に、実際には、30℃の恒温槽内に静置して少なくとも2週間程度熟成させてから食材として使用するものである。
[実施例2]
上記製造例2で得られたモロミ食材を使用して、前記実施例1と同様に、豆腐のモロミ漬け製品の加工を試みた。前記実施例1と同様に市販の豆腐1kgを略2cm角に切り、50℃にて3時間通風乾燥させて半乾燥豆腐にし、該半乾燥豆腐を前記モロミ食材と一緒に所要の容器に入れ、30℃の恒温槽内で4週間熟成してモロミ漬け豆腐を得た。
この製造例2のモロミ食材と本発明の実施例2に係るモロミ漬け豆腐と、前記比較例1に係るモロミ様床材とモロミ漬け様豆腐についても、前記同様に官能試験を行い、20人すべてが正解で、どちらが香り、口当たり、味で優れているかについて判定して戴いた結果を、表2に示す。なお、パネラーからのコメント(理由)も一緒に記載する。
Figure 2008194056
この表2から明らかなように、前記実施例1と同様にやはり、香り、口当たり、味については、0.1%危険率で高度にモロミ食材と本発明に係るモロミ漬け豆腐が好まれていることが明らかとなったのであり、本発明のモロミ漬け豆腐に使用されるモロミ食材は、米麹を使用したモロミ様床材に比べ、漬物床として優れていることが明らかとなった。
[製造例3]
みりん粕1kgに水1Lを加えて吸水膨潤させた後にチョッパー処理して細かくした。これを密閉ガラス容器(瓶状の容器)に入れて70℃で30分間加熱し、冷却後にタンパク質分解酵素剤を3gを加え良く攪拌して密閉し、その状態で恒温槽内に入れ、40℃で4日間反応させて液状乃至泥状のみりん粕分解物を得た。得られたみりん粕分解物に25%アルコール2Lと食塩80gを添加して全体を均一に攪拌してモロミ食材とした。このモロミ食材も前記製造例1と同様に、実際には、30℃の恒温槽内に静置して少なくとも2週間程度熟成させてから食材として使用するものである。
[実施例3]
上記製造例3で得られたモロミ食材を使用して、前記実施例1と同様に、豆腐のモロミ漬け製品の加工を試みた。前記実施例1と同様に市販の豆腐1kgを略2cm角に切り、50℃にて3時間通風乾燥させて半乾燥豆腐にし、該半乾燥豆腐を前記モロミ食材と一緒に所要の容器に入れ、30℃の恒温槽内で2週間熟成してモロミ漬け豆腐を得た。
この製造例3のモロミ食材と実施例3に係るモロミ漬け豆腐と、前記比較例1に係るモロミ様床材とモロミ漬け様豆腐についても、前記同様に官能検査を行い、20人すべてが正解で、どちらが香り、口当たり、味で優れているかについて判定して戴いた結果を、表3に示す。なお、パネラーからのコメント(理由)も一緒に記載する。
Figure 2008194056
この表3から明らかなように、モロミ食材は前記製造例1に比べて熟成期間が少し短いが、それでもやはり、香り、口当たり、味については、0.1%危険率で高度に製造例3のモロミ食材と実施例3に係るモロミ漬け豆腐が好まれていることが明らかとなったのであり、モロミ食材及び本発明に係るモロミ漬け豆腐は、米麹を使用したモロミ様床材とモロミ漬け様豆腐に比べ、食材として優れていることが明らかとなった。
[実施例4]
上記製造例3で得られたモロミ食材を使用して、豆腐を含むドレッシング様食品、要するに、モロミ食材をペースト状にして野菜などの食材に直接付けて食せる食品の加工を試みた。市販の絹ごし豆腐1kgを前記製造例3で得られたモロミ食材と合わせ、ホモジナイズしてペースト状にしたものを所要の容器に入れ、30℃の恒温槽内で2週間熟成してモロミ漬け豆腐主体のドレッシング様食品を得た。
このモロミ漬け豆腐主体のドレッシング様食品に一口大にちぎったレタスと薄切りにしたキュウリとを和えてサラダを作製し、前記と同様に20人のパネラーに食してもらい、意見を求めた。その結果をコメントと一緒に表4に示す。
Figure 2008194056
この表4から明らかなように、モロミ食材を利用したモロミ漬け豆腐主体のドレッシング様食品は生野菜との相性が極めて良く、好まれた。
また、各製造例1〜3と実施例1〜3に係るモロミ食材とモロミ漬け豆腐と、比較例1に係るモロミ様床材とモロミ漬け様豆腐について、旨味成分であるアミノ酸類の量をニンヒドリン法によって調べた結果を図1に、アミノ酸組成をHPLC(高速度液体クロマトグラフ)によって調べた結果を表5に示した。
Figure 2008194056
これらの図1及び表5から明らかなように、いずれの製造例におけるモロミ食材は、比較例1に係るモロミ様床材に比べて、旨味成分であるアミノ酸類が1.6〜1.8倍と多く、また、いずれの実施例におけるモロミ漬け豆腐においても、比較例1に係るモロミ漬け様豆腐に比べて1.5〜1.7倍も多く含まれていることが確認された。
特に、表5から明らかなように、いずれの製造例におけるモロミ食材は、比較例1に係るモロミ様床材に比べて、アスパラギンがおよそ7〜9倍、グルタミンがおよそ3〜4倍、バリン、メチオニン、アルギン、フェニルアラニンなどがおよそ2倍も多く含まれており、濃い旨味・コクの味を裏付けるものである。
いずれにしても、本発明においては、まず、みりん粕を利用して旨味成分であるアミノ酸類を多く含んだモロミ食材を製造し、該モロミ食材を漬物用床材として使用し、豆腐を所要大きさに形成して半乾燥豆腐にし、該半乾燥豆腐を前記モロミ食材と一緒に所要の容器に入れて所定の温度で所要期間熟成してモロミ漬け豆腐を得るのみならず、絹ごし豆腐を崩してモロミ食材と一緒に混ぜ合わせてペースト状にし、所要期間熟成させてモロミ漬け豆腐主体のドレッシング風調味料にして生野菜と和えて食することができるのであり、食材として有効に広く利用できるのである。
本発明に係る製造例1〜3のモロミ食材及び実施例1〜3のモロミ漬け豆腐と、比較例1に係るモロミ様床材とモロミ漬け様豆腐について、旨味成分であるアミノ酸類の量をニンヒドリン法によって調べた結果を示すグラフである。

Claims (4)

  1. みりん粕を少なくともタンパク質分解酵素剤により分解させた分解粕に、所要量のアルコールと塩とを添加して熟成させたモロミ食材に、所要大きさに形成した半乾燥の豆腐を漬け込み、恒温で少なくとも2週間熟成すること
    を特徴とするモロミ漬け豆腐の製造方法。
  2. 豆腐の所要大きさは、少なくとも2cm角に切ったものであること
    を特徴とする請求項1に記載のモロミ漬け豆腐の製造方法。
  3. 豆腐の半乾燥は、50℃で3時間通風乾燥させること
    を特徴とする請求項1に記載のモロミ漬け豆腐の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法で得られた
    モロミ漬け豆腐。
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