JP2008191555A - 光走査装置および光走査装置における反射部材の取り付け方法 - Google Patents

光走査装置および光走査装置における反射部材の取り付け方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、ミラーを接着することで装置駆動時の振動によって発生するミラーの回転振動を抑制しながら、接着強度を安定的に得ることにある。
【解決手段】偏向手段11によって偏向された光ビームを被走査体に向かうように反射させる反射ミラー17と、反射ミラー17の反射面を位置決めするスクリュー23と、反射ミラー17を介してスクリュー23と対向し、反射ミラー17をスクリュー23に押圧する弾性部材21と、反射ミラー17を収納する光学ハウジング90と、を有する光走査装置1において、反射ミラー17の長手面17sと当接可能な絞り21bを有する平面部21aを有し、絞り21bで反射ミラー17の長手面17sを受けるようにして平面部21aと反射ミラー17の長手面17sとが接着剤にて接着固定されていることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、偏向手段からの光ビームを反射部材を用いて被走査体に向かわせる光走査装置、および光走査装置における反射部材の取り付け方法に関するものである。
レーザービームプリンタやデジタル複写機等の画像形成装置に用いられている光走査装置では、まず画像信号に応じて光源手段から光変調され出射した光ビームを、例えば回転多面鏡のような偏向手段によって周期的に偏向させている。そして、偏向手段からの光ビームを、fθ特性を有する結像光学素子によって例えば感光ドラムや感光ベルトのような被走査体上にスポット状に集束させ、潜像形成を行っている。
フルカラー画像形成装置では、前述の如くして複数の被走査体に形成された潜像をもとにトナー画像を重ね合わせて画像形成を行っている。このようなフルカラー画像形成装置については、複数の光走査装置によって走査される走査光の幾何特性、例えば走査線傾きや走査線曲がりの差によって色ずれという画像不良が発生する。そのため、複数の走査光の幾何特性を一致させるために、調整手段を有する光走査装置および画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。
また光走査装置の中には、小型化、あるいは被走査体上に所望の角度をもって光ビームを照射するため、装置内に光ビームを折り返すための反射ミラーを有するものがある。特に偏向手段で偏向された光ビームを被走査体に向かわしめる反射ミラーは、縦横比の大きい所謂長尺ミラーの形態となる。このような長尺の反射ミラーは、長手方向一端側を2点で支持し、他端側を1点で支持することで、光走査装置内へ載置する際の平面度を確保している。さらに具体的には、2点側の各支持位置はミラーの短手方向の両端部より所定の長さで受け、1点側の支持位置はミラーの短手方向の略中央部を受ける構成が一般的である。また、1点側の支持位置を2点側の支持位置のいずれか片方の位置と短手方向に略一致させたもの、すなわち1点側の支持位置をミラーの短手方向中央部より一方側へ偏らせたものもある(特許文献2参照)。
しかしながら上述の支持方法においては画像形成装置の駆動源が発する振動によって、特に1点支持側に支持点を中心とした回転振動を発生させる場合があり、画像不良(所謂ピッチムラ)を生じさせることになる。
この問題を解決する手段として、前述の反射ミラーを反射ミラー保持部へ接着させるものが提案されている(特許文献3,4参照)。例えば特許文献3では、反射ミラーは、このミラー保持側板にあけられた側板孔に保持されており、この側板孔の一部に形成された凸部に反射面を支持され、対向側から弾性部材で付勢されている。この反射ミラーは側板孔の凸部と重力によりミラーが側板孔を押圧する部分を接着剤によってミラーと接着している。
また特許文献4では、接着剤を塗付する厚さを反射ミラーの厚さよりも小さくすることで接着剤硬化時の硬化収縮によるミラーの角度変動を考慮している。また特許文献4では、前述した接着以外に、ミラーの回転振動を抑制する手段として弾性部材を用いた技術が開示されている。すなわち、前記ミラーが側板孔を押圧する部分を、接着ではなく、ゴム等からなる弾性部材に接触させている。さらには、前記反射ミラーを前記弾性部材の対向側から前記弾性部材に向けて押圧している。
特開2002−148541号公報 特開平4−114121号公報 特開平6−337342号公報 特開平10−20628号公報
しかしながら、上述の技術においては以下のような問題点がある。
一般に、接着剤を使用したときの接着面積と接着強度との間にはほぼ比例関係があり、接着面積が小さくなると、その接着強度は小さくなる。そのため、所定の接着強度を得る為には、接着面積を管理する必要がある。
一方、接着面積は、互いに接着させる面と面の隙間が一定であれば、使用する接着剤の量を管理することで接着面積を管理することができる。しかしながら、上記特許文献3,4に示す接着方法のように、ミラーの接着面と対向する接着面との間に接着剤を流し込み、接着させる場合、ミラーと接着面との距離が一定に管理することが困難である。このため、接着面積の管理が困難であるという問題があった。
そこで本発明の目的は、ミラーを接着することで装置駆動時の振動によって発生するミラーの回転振動を抑制しながら、接着強度を安定的に得ることにある。
また本発明の他の目的は、ミラーの接着面が対向する部分に当接して倣うことによるミラー接着時の角度変動を抑えることである。
上記目的を達成するための本発明の代表的な構成は、光源から出射される光ビームを偏向して走査する偏向手段と、前記偏向手段によって偏向された光ビームを被走査体に向かうように反射させる反射部材と、前記反射部材の反射面を位置決めする支持部材と、前記反射部材を介して前記支持部材と対向し、前記反射部材を前記支持部材に押圧する弾性部材と、前記反射部材を収納する光学箱と、を有する光走査装置において、前記反射部材の側面と当接可能な突起部を有する対向部材を有し、前記突起部で前記反射部材の側面を受けるようにして前記対向部材と前記反射部材の側面とが接着剤にて接着固定されていることを特徴とする。
本発明によれば、前記突起部で前記反射部材の側面を受けるようにして前記対向部材と前記反射部材の側面とが接着剤にて接着固定されているので、接着面積を大きくとることができ、十分な接着強度が得ることが可能となる。これにより、装置駆動時の振動によって発生するミラーの回転振動を抑制するだけでなく、物流時の衝撃によって発生する接着剤の剥離をも抑制することができる。
さらに前記反射部材の側面とこれと対向する前記対向部材は、前記突起部で前記反射部材の側面を受けるようにして接着剤により接着固定されているので、反射部材の側面が前記対向部材に倣うことがなく、ミラー接着時の角度変動を抑えることができる。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
〔第1実施形態〕
図12は本発明の光走査装置をデジタルフルカラー複写機(カラー画像形成装置)に適用したときの実施形態の要部概略図、図13は図12に示すデジタルフルカラー複写機における光走査装置の概略図である。
図12において、8は原稿読み取り部であり、原稿上の画像情報を読み取っている。
画像読み取り部8で読み取られた信号はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのビデオ信号に変換され、各画像ステーションPa,Pb,Pc,Pdに対応する光走査装置1(1a,1b,1c,1d)から出力されるレーザ光の光変調を行っている。
10はフルカラー画像形成部である。フルカラー画像形成部10には色光別に画像情報を形成する4つの画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdが配置される。
各画像形成ステーションにおいて、2(2a,2b,2c,2d)は被走査体としての感光ドラムである。3(3a,3b,3c,3d)は帯電手段である。5(5a,5b,5c,5d)は現像手段である。4(4a,4b,4c,4d)はクリーニング手段である。6(6a,6b,6c,6d)は転写手段である。これらを用いて、既知の画像形成プロセスによって中間転写ベルト6上に4色の重ね合わされたトナー像が形成される。
中間転写ベルト6上のトナー像は既知のシート搬送プロセスによって手差し給送カセット70又は給送ユニット78,79から選択的に給送されたシートS上に二次転写され、最後に定着ローラ対74で加熱定着することでフルカラー画像を得る。
次に図12の光走査装置1について詳細を図13を用いて説明する。光走査装置1はすべて同構成となっている。
図13(A)は要部平面図、図13(B)、(C)は各々図13(A)の矢印A方向とB方向から見たときの要部側面図である。19は光ビームを出射する光源としての光源ユニットである。光源ユニット19は、レーザダイオード19aおよびその駆動電気基板19bと、コリメータレンズ鏡筒19cおよび不図示の開口絞りを有しており、平行な光ビーム(以下、レーザ光という)を放射している。18は紙面の表裏方向に屈折率を有するシリンダレンズである。11はレーザ光を偏向して走査する偏向手段である。12および13はレーザ光を感光ドラム2上に所定のスポット径で結像させる所謂fθレンズと回折光学素子(結像光学素子)である。17は反射ミラー(反射部材)であり、偏向手段11によって偏向されたレーザ光を感光ドラム2に向かわせる反射手段である。20は光学ハウジング(光学箱)90に対してスライド挿抜可能に保持された防塵ガラスである。16は同期検出手段であり、感光ドラム2上に1ライン毎のレーザ光書き込みタイミング(同期信号)をとっている。14は同期検出手段16に光束を反射させるための反射ミラーである。15は同期検出手段16に光束を集光するための結像レンズである。これらの部材は筐体である光学ハウジング90内に収納されて光走査装置1は構成されている。
ここで、画像位置の修正手段について説明する。画像位置の調整における修正手段は、図14(A)〜(E)の各パラメータのずれに関してブラックの画像位置を基準にシアン、マゼンタ、イエローの画像に対して行う。ここでAは画像搬送方向(シートSの搬送方向)であり、搬送方向Aに垂直な方向が主走査方向である。
まず、図14(A)に示す上下マージンずれ及び図14(B)に示す左右マージンずれはレーザ書き込みタイミングを必要量だけ変化させて行い、図14(D)に示す倍率ずれはレーザダイオード19の変調する変調周波数を所定量だけ変化して行う。
また、図14(C)に示す走査線傾き(C)と図14(E)に示す走査線曲がりに関しては以下に説明するように光学的な手法で行っている。
まず走査線の傾き調整(補正)について図15を用いて説明する。
図15に示すように、回折光学素子13の光軸Lに近い位置を中心にして矢印G方向に回動(回転移動)することにより、感光ドラム2上に走査される光束は同図(A)の点線Hで示すように傾いて走査される。回折光学素子13は反射ミラー17と感光ドラム2の間に配設されている。
ここで回折光学素子13を図中矢印G方向に10分回動することで同図(B)に示すように感光ドラム2面上における走査線の一方の端が約0.3mm変化するとともに他端側は逆方向に0.3mm変化する。
回折光学素子13の回動量と走査線の傾き量とはほぼ比例した関係にあるため、傾きずれを補正する必要分だけ回折光学素子13を回動させることにより走査線の傾きを調整することができる。
図13に示すように、回折光学素子13は保持部材13a上に略中央部を接着固定されている。またトーリックレンズと保持部材13aとの線膨張係数の差による光学素子の変形を防止するため、レンズの両端部は不図示のばねによって保持部材13aに押圧付勢されている。13bは保持部材13aに設けられている軸であり、レンズの回動中心となる。13cは保持部材13aの回動量を制御するパルスモータであり、出力軸にはスクリューが形成されている。スクリューにはめねじが形成されたスライド部材が螺合されており、モータの回転により回折光学素子13が矢印P方向に回動することで傾き調整(補正)を行う。13dは保持部材13aのパルスモータ対向面をパルスモータ側に押圧付勢するための圧縮ばねであり、もう一方の側は光学ハウジング90の壁面等の不動部に押し当てられている。
以上の修正手段は主に各画像形成ステーション間の画像位置ずれ補正(所謂オートレジ)に使用されており、中間転写ベルト6上に形成された不図示のレジマークをレジマーク検出手段69(図12参照)で読み取り、演算結果をもとに補正を行う。
次に走査線の曲がり調整(補正)について図16を用いて説明する。曲がり調整においては画像形成装置内の昇温等によって変化しないので光走査装置を組み立てる際にのみ調整を行う。
図16に示すように、反射ミラー17の反射面の角度を光軸Lを中心に図中矢印R方向に回動し、回折光学素子13に入射する光軸Lの角度を変えることにより感光ドラム2上に走査される光束は同図(A)の点線Jで示すように曲がって走査される。
ここで回折光学素子13に入射する光軸Lを図中矢印R方向に1°回動することで同図(B)に示すように感光ドラム2面上における左右端は約0.2mm変化するように曲がる。
ここで、反射ミラー17の支持構成について説明する。光走査装置1において、偏向手段11で偏向された光ビームを感光ドラム2に向かわしめる反射ミラー17は縦横比の大きい所謂長尺ミラーの形態となっている。この反射ミラー17は、図17に示すように、反射ミラー17の長手方向一端側を2点で支持し、他端側を1点で支持して、反射ミラー17の反射面17bを位置決めすることで光走査装置1内へ載置する際の平面度を確保している。
具体的には、反射ミラー17の長手方向の一端側は光学ハウジング90と一体的に形成された突起物(支持部材)と光学ハウジング90に螺合されたスクリュー(支持部材)による2点で支持されている。反射ミラー17の長手方向他端側は光学ハウジング90に螺合されたスクリュー(支持部材)による1点で支持されている。光学ハウジング90が樹脂材料等で形成されており、直接スクリューを螺合することが困難な場合、光学ハウジング90に取り付けられた、異なる部材に螺合する構成をとってもよい。
図17に示すように、反射ミラー17の2点側の支持位置17p,17qはミラーの短手方向の両端部より短手方向長さbの1/3以下で受け、1点側の支持位置17rはミラーの短手方向の略中央部を受ける構成が一般的である。
前記支持構成の反射ミラー17は、前記スクリューの繰り出し量を変化させることで反射ミラー17を図16の矢印R方向に回動させ、回折光学素子13に入射する光軸Lの角度を変化させる。2点支持側のスクリューは、上述した光走査装置1の組み立て時の走査線曲がり調整に用いる。
なお、前記支持部材としてのスクリューのうち、1点支持側のスクリュー23を図2に示す。
前述した通り、傾き調整は回折光学素子の回動によって行うことができる。しかしながら、反射ミラー位置のばらつきよって生じる傾きと画像形成装置の昇温等で生じる傾き変動の調整を行うためにはダイナミックレンジを大きくとる必要が生じ、回折光学素子の厚みを増してしまう。
また回折光学素子は偏向手段の反射面と感光ドラム面の間に共役の関係を持たせている。反射ミラーが長手方向に傾いた状態だと走査域内で偏向手段の反射面から回折光学素子までの光路長が変化してしまう。各々の偏向手段の反射面の回転軸に対する角度のばらつき(所謂面倒れ)の量によってはピッチムラが発生しやすくなったり、片倍率のずれが発生したりする。
まずパルスモータのスライド部材を所定の位置に調整する。その状態で1点支持側のスクリュー23を調整することによって回折光学素子に入射される走査光が回折光学素子と平行になるように反射ミラーを調整する。
次に図1および図2を用いて反射ミラーの支持構成について説明する。図1は1点支持側である反射ミラーの長手方向他端側の支持構成を示す斜視図、図2は反射ミラーの長手方向他端側の支持構成を示す断面図である。
図2において、23はスクリューであり、反射ミラー17の長手方向他端側を1点で支持し、反射ミラー17の反射面17bを位置決めする支持部材である。このスクリュー23は、光学ハウジング90に螺合され、反射ミラー17の反射面17bを他端側において1点で支持している。なお、この反射ミラー17は、図17に示すように長手方向一端側を複数点(図17では2点)で支持している。
21は弾性部材であり、反射ミラー17を介して前記スクリュー23と対向し、反射ミラー17を前記スクリュー23に押圧している。この弾性部材21は板バネで形成されている。21aは平面部であり、反射ミラー17の側面と対向する位置に設けられた対向部材である。平面部21aは、反射ミラー17の前記弾性部材が支持している面(反射面17bの反対側の面)に垂直な長手面17sと対向する位置に設けられている。ここでは、平面部21aは弾性部材としての板バネ21と一体に形成されている。前記平面部21aは反射ミラー17の長手面17sに当接可能な突起を有している。この平面部21aが有する突起は、絞りによって形成されている。具体的には、平面部21aは反射ミラー17の方向に突出した半球状の絞り21b(例えば高さ0.3mm)を備えている。
また前記反射ミラー17の裏面(反射面17bとは反対側の面)には、図1に示すように反射ミラーの曲げ振動を抑制するために防振ガラス17aを貼り付けてある。なお、図2においては、この防振ガラスは省略している。またここでは、幅10mm、厚さ5mmでそれぞれの重さは約40gと約30gである反射ミラーおよび防振ガラスを例示しているが、反射ミラー17および防振ガラス17aのサイズや重さはこれらに限定されるものではない。
前述したように走査線の曲がりおよび傾き調整を行った後、前記反射ミラー17の図1に示す1点で支持している側において、図2に示すように前記長手面17sと前記平面部21aの隙間22を接着剤24により固定している。
このように接着剤を用いて回転振動抑制を図る場合、接着剤を粘性部材として使用するが、硬度が低いと前記回転振動を抑制する制振効果が低くなる。硬度の高い接着剤を利用することで制振効果を高めることは可能となるが、一般的に硬度の高い接着剤は硬化収縮率が高く、その硬化収縮のばらつきにより角度変動が生じやすくなる。硬度が高く硬化収縮率の低い接着剤は粘度が高く、必要な接着面積を得るための作業性に劣る。
そこで前述したように対向部材としての平面部21aに反射ミラー17の長手面17sに当接可能な絞り21bを設け、前記長手面17sと前記平面部21aの隙間22であって前記絞り21bの周囲を接着剤24で埋める。そして接着剤を硬化させることにより、前記長手面17と平面部21a(対向部材)とを固定するようにしている。これにより、長手面17sと平面部21aの隙間22には前述した半球状絞り21bが介在するので、表面張力の効果によって接着剤24が絞り21bの周りにとどまることになり、接着剤24の塗付方向奥側(重力方向)への液だれを防ぐことができる。
さらに平面部21aが有する絞り21bの周囲に接着剤24を塗布することにより、接着剤の硬化収縮を規制することができる。これにより硬度の高い接着剤を使用することができる。また接着剤24の反射ミラー17の回転振動方向、つまり剪断方向の変形を規制することができる。このため硬度の低い接着剤を使用しても十分な制振効果を得ることができ、接着剤の選定が容易になる。
また平面部21aが有する絞り21bは接着剤の硬化収縮を抑えることが可能となる上に、硬度の低い接着剤を使用した場合においても、接着剤の変形量を抑えることができる。これにより反射ミラー17の十分な回転振動抑制効果を得ることが可能となる。
ここでは接着剤としては紫外線硬化型接着剤を使用しているが、これに限定されるものではない。また接着剤の塗付はシリンジなどの器具を用いて行ってもよいし、反射ミラー17と板バネ21の隙間22に滴下し、毛細管現象を利用して浸透させてもよい。さらに接着剤の滴下は反射ミラー17を平面部21aと反対側に寄せた状態(矢印B方向)で行うと隙間22が広がることで接着剤24が溢れる(反射面上に垂れる)ことなく隙間22にたらすことができる。
前述した接着剤の塗布後、反射ミラー17の長手面17sを平面部21aの絞り21bに当接させ、紫外線を照射して接着剤を硬化させる。このように、本実施形態では前記絞り21bを前記反射ミラー17の長手面17sに当接させた上で、前記長手面17sと前記平面部21aの隙間22を接着剤24により固定している。
前述したように合計70gの反射ミラー17(防振ガラス17aを含む)に対し、接着強度は2kgf必要とすることから、図18に示す接着強度と接着面積の関係によれば、接着面積は22mm程度必要となる。図18は接着剤による接着面積と接着強度との関係を表す図である。図18に示すように接着面積と接着強度の間にはほぼ比例関係があり、接着面積が大きくなると、その接着強度は大きくなる。
ここで反射ミラー17の長手面17sと板バネ21の平面部21aが重なりあっている面積は設計上63mm(14mm×4.5mm)となっているため、その1/3以上の接着面積を確保することで十分な接着強度を得ることができる。
なお、ここでは長手面17sと平面部との隙間22は、平面部21aの絞り21bを長手面17sに当接させているので、絞り21bの高さ(たとえば0.3mm)が接着部の隙間22となる。このため、本実施形態の例示では、接着剤の量としては6.6mm(22mm×0.3mm)以上、接着剤の比重は0.98のため質量として6.5mg(6.6×0.98)以上塗布すればよく管理が容易となる。
また平面部21aが有する突起は半球状の絞り21bでなくてもよく、図3および図4に示すように曲げによって形成された曲げ21cでもよい。その際、反射ミラー17と当接する曲げ21cの先端の稜線は反射ミラー17の厚み方向と略垂直になるように形成する。これにより、突起がない場合と同様の反射ミラー17の接着面(長手面17s)が対向する部分(平面部21a)に倣うことによるミラー接着時の角度変動を抑えることである。
さらに曲げ起こしを内側に形成することによって生じる切り欠き部21dは接着剤24の塗布(滴下する)方向(矢印D方向)からみて、平面対向部21a、切欠き部21dの順となっている。こうすることで、接着剤は重力の力を受けて流れ込むときに長手面と平面対向部21aの隙間で毛細管現象が働き平面部21aがない場所に接着剤24が流れ込むことを抑制することができる。また、接着剤は曲げ21cにせき止められて曲げ21cの周囲に回りこむ。(ただし毛細管現象が働くため平面部のない場所には接着剤は回り込まない。)
また反射ミラー17の長手面17sと平面部21aの絞り21bの当接に関しては各々の一部が完全に当接している必要はなく、反射ミラー17と絞り21bの頂点との間に50μm程度の接着剤層が存在していても本効果を阻害するものではない。
上述したように、本実施形態によれば、前記絞り21bで前記反射ミラー17の長手面17sを受けるようにして前記平面部21aと前記反射ミラー17の長手面17sとが接着剤24にて接着固定されているので、接着面積を大きくとることができ、十分な接着強度が得ることが可能となる。これにより、装置駆動時の振動によって発生する反射ミラーの回転振動を抑制するだけでなく、物流時の衝撃によって発生する接着剤の剥離をも抑制することができる。
さらに前記反射ミラー17の長手面17sとこれと対向する平面部21aは、前記絞り21bで前記反射ミラー17の長手面17sを受けるようにして接着剤24により接着固定されているので、反射ミラー17の長手面17sが平面部21aに倣うことがなく、ミラー接着時の角度変動を抑えることができる。
〔第2実施形態〕
図5から図7を用いて、第2実施形態に係る反射ミラーの支持構成について説明する。図5は光学ハウジング90のみを示した要部斜視図である。図6は反射ミラー17および弾性部材21を含めて示した断面図である。図7は反射ミラー、板バネ等を取り付けた状態の要部斜視図である。なお、反射ミラーの支持構成以外の構成は前述した第1実施形態に示したものと同一であり、説明を省略する。
図5及び図6に示すように、筐体としての光学ハウジング90には、反射ミラー17の長手面17sと対向する位置に、平面部90aが一体に設けられている。この平面部90aは反射ミラー17の長手面17sに当接可能な突起としての半球状の突起部90bを備えている。高さ0.3mmの半球状の突起部90b(例えば高さ0.3mm)を備えている。
本実施形態においても、前述した第1実施形態と同様に、走査線の曲がりおよび傾き調整を行った後、反射ミラー17の長手面17sと光学ハウジング90の平面部90aの隙間22を接着剤24により固定する。本実施形態では平面部90aが反射ミラー17の側面と対向して接着される対向部材である。
接着剤の滴下時は反射ミラー17を平面部90aと反対側に寄せた状態(矢印C方向)で行うと隙間22が広がることで接着剤の浸透性がよくなるためさらによい。
図7に示すように、本実施形態においては板バネ21には突起は設けておらず、したがって突起を設けるための平面部も必要としない。
また前述した第1実施形態と同様に、光学ハウジング90が有する突起は半球状でなくてもよい。例えば、図8に示すような円筒状の突起90cでもよいし、あるいは図9及び図10に示すような微小平面を有した台形形状の突起90dでもよい。
その際、反射ミラー17の長手面17sと当接する前記平面部90aの突起の稜線は、反射ミラー17の厚み方向と略垂直になるように形成する。これにより、突起がない場合と同様の反射ミラー17の接着面(長手面17s)が対向する部分(平面部90a)に倣うことによるミラー接着時の角度変動を抑えることである。
上述したように、反射ミラー17の長手面17sと対向する平面部90aや、両者間の隙間22に介在する突起を、弾性部材21ではなく、光学ハウジング90に一体に設けてもよい。この構成によっても、前述した実施形態と同様の効果が得られる。
〔第3実施形態〕
図11を用いて、第3実施形態に係る反射ミラーの支持構成について説明する。図11は反射ミラー17および弾性部材21を含めて示した断面図である。なお、反射ミラーの支持構成以外の構成は前述した第1実施形態に示したものと同一であり、説明を省略する。
本実施形態では、図11に示すように、反射ミラー17の長手方向他端側を1点で支持している支持部材としてのスクリュー23が、反射ミラー17の図中短手方向中央に対して偏った位置を支持している。この場合、回転振動は矢印Eのように反射ミラー17の支持点(スクリュー23の支持位置)より遠い側の方が振幅が大きくなる。したがって、このような場合、平面部はスクリュー23の支持位置より遠い側の長手面17sに対向する位置に設けている。ここでは、板バネ21に一体に設けた平面部21aを例示している。そして前記支持点より遠い側の長手面17sと、これと対向する板バネ21の平面部21aの隙間を接着剤24により固定すればよい。
図11に示す構成とは逆に、スクリュー23が反射ミラー17の短手方向中央より板バネ側に配設されている場合は、その支持点より遠い側となる光学ハウジング90側に平面部を設けて接着すればよい。
上述したように、スクリュー23の支持位置がミラー17の短手方向中央に対して偏った位置であっても、平面部を前記スクリュー23の支持位置より遠い側のミラー長手面17sに対向する位置に設けることで、前述した実施形態と同様の効果が得られる。
〔他の実施形態〕
前述した実施形態では、4つの画像形成ステーションを有する画像形成装置を例示して光走査装置について説明したが、画像形成ステーションの数、この画像形成ステーションに対応する光走査装置の数はこれに限定されるものではない。必要に応じて適宜設ければ良い。
また前述した実施形態では、画像形成装置として複写機を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばプリンタ、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であっても良い。これらの画像形成装置に用いられる光走査装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
第1実施形態に係る反射ミラーの1点支持側の支持構成を示す斜視図 第1実施形態に係る反射ミラーの1点支持側の支持構成を示す断面図 第1実施形態に係る反射ミラーの1点支持側の支持構成を示す斜視図 第1実施形態に係る反射ミラーの1点支持側の支持構成を示す断面図 第2実施形態に係る反射ミラーの1点支持側の支持構成を示す斜視図 第1実施形態に係る反射ミラーの1点支持側の支持構成を示す断面図 第2実施形態に係る反射ミラーの1点支持側の支持構成を示す斜視図 第2実施形態に係る反射ミラーの1点支持側の支持構成を示す斜視図 第2実施形態に係る反射ミラーの1点支持側の支持構成を示す斜視図 第2実施形態に係る反射ミラーの1点支持側の支持構成を示す断面図 第3実施形態に係る反射ミラーの1点支持側の支持構成を示す断面図 光走査装置を備えた画像形成装置の要部概略図 光走査装置の概略図 画像位置ずれパラメータを示す図 走査線傾きずれ修正手段に関する説明図 実施形態1の走査線曲がり修正手段に関する説明図 反射ミラーの支持位置に関する斜視説明図 接着面積と接着強度の関係を表す図
符号の説明
1 …光走査装置
11 …偏向手段
12 …fθレンズ
13 …回折光学素子
17 …反射ミラー
17a …防振ガラス
17b …反射面
17p,17q,17r …支持位置
17s …長手面
19 …光源ユニット
21 …弾性部材
21a …平面部
21b …絞り
21c …曲げ
21d …切り欠き部
22 …隙間
23 …スクリュー
24 …接着剤
90 …光学ハウジング
90a …平面部
90b …突起部
90c,90d …突起

Claims (7)

  1. 光源から出射される光ビームを偏向して走査する偏向手段と、前記偏向手段によって偏向された光ビームを被走査体に向かうように反射させる反射部材と、前記反射部材の反射面を位置決めする支持部材と、前記反射部材を介して前記支持部材と対向し、前記反射部材を前記支持部材に押圧する弾性部材と、前記反射部材を収納する光学箱と、を有する光走査装置において、
    前記反射部材の側面と当接可能な突起部を有する対向部材を有し、前記突起部で前記反射部材の側面を受けるようにして前記対向部材と前記反射部材の側面とが接着剤にて接着固定されていることを特徴とする光走査装置。
  2. 前記突起部の周囲を接着剤により固定したことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記対向部材は前記弾性部材と一体に設けられていることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載の光走査装置。
  4. 前記弾性部材は板バネであり、前記対向部材は前記板バネと一体に形成され、前記対向部材が有する突起部は絞り、あるいは曲げによって形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光走査装置。
  5. 前記対向部材は前記光学箱と一体に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光走査装置。
  6. 前記支持部材は前記反射部材の長手方向一端側を複数点で支持し、他端側を1点で支持し、前記反射部材の長手方向他端側を1点で支持している支持部材が、前記反射部材の短手方向中央に対して偏った位置を支持している場合は、前記対向部材は前記支持部材の支持位置より遠い側の前記側面に対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光走査装置。
  7. 光源から出射される光ビームを偏向して走査する偏向手段と、前記偏向手段によって偏向された光ビームを被走査体に向かうように反射させる反射部材と、前記反射部材の反射面を位置決めする支持部材と、前記反射部材を介して前記支持部材と対向し、前記反射部材を前記支持部材に押圧する弾性部材と、前記反射部材を収納する光学箱と、を有する光走査装置における前記反射部材の取り付け方法において、
    前記反射部材の側面と対向する対向部材に設けられた突起部を前記反射部材の側面に当接して、前記対向部材と前記側面の隙間を接着剤にて埋める工程と、前記接着剤を硬化させることで前記対向部材と前記反射部材の側面とを接着させる工程と、を有することを特徴とする光走査装置における反射部材の取り付け方法。
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