以下、本発明の一実施形態を図1〜図25を用いて説明する。図1には、一実施形態に係る本発明を適用した画像形成装置としてのレーザプリンタ1000の概略構成が示されている。レーザプリンタ1000は、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なうことで、モノカラーの画像形成を行うことが可能となっている。
レーザプリンタ1000は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能である。レーザプリンタ1000は、記録媒体である被記録材たる記録体としての用紙である記録紙1040の片面に画像形成可能な片面画像形成装置であるが、記録紙1040の両面に画像形成可能な両面画像形成装置であってもよい。
このレーザプリンタ1000は、光走査装置1010、感光体ドラム1030、帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034、クリーニングユニット1035、トナーカートリッジ1036、給紙コロ1037、給紙トレイ1038、レジストローラ対1039、定着ローラ1041、排紙ローラ1042、排紙トレイ1043、通信制御装置1050、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置1060などを備えている。なお、これらは、プリンタ筐体1044の中の所定位置に収容されている。
通信制御装置1050は、ネットワークなどを介した、たとえばパソコンなどの外部装置との双方向の通信を制御する。
感光体ドラム1030は、円柱状の部材であり、その表面には感光層が形成されている。すなわち、感光体ドラム1030の表面が被走査面である。そして、感光体ドラム1030は、図1における矢印方向に回転するようになっている。
帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034及びクリーニングユニット1035は、それぞれ感光体ドラム1030の表面近傍に配置されている。そして、感光体ドラム1030の回転方向に沿って、帯電チャージャ1031→現像ローラ1032→転写チャージャ1033→除電ユニット1034→クリーニングユニット1035の順に配置されている。
帯電チャージャ1031は、感光体ドラム1030の表面を均一に帯電させる。
光走査装置1010は、帯電チャージャ1031で帯電された感光体ドラム1030の表面を、外部装置からの画像情報に基づいて変調された光束により走査し、感光体ドラム1030の表面に画像情報に対応した潜像を形成する。ここで形成された潜像は、感光体ドラム1030の回転に伴って現像ローラ1032の方向に移動する。なお、この光走査装置1010の構成については後述する。
トナーカートリッジ1036にはトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ1032に供給される。
現像ローラ1032は、感光体ドラム1030の表面に形成された潜像にトナーカートリッジ1036から供給されたトナーを付着させて画像情報を顕像化させる。ここでトナーが付着した潜像(以下では、便宜上「トナー像」ともいう)は、感光体ドラム1030の回転に伴って転写チャージャ1033の方向に移動する。
給紙トレイ1038には記録紙1040が格納されている。この給紙トレイ1038の近傍には給紙コロ1037が配置されており、該給紙コロ1037は、記録紙1040を給紙トレイ1038から1枚づつ取り出し、レジストローラ対1039に搬送する。該レジストローラ対1039は、給紙コロ1037によって取り出された記録紙1040を一旦保持するとともに、該記録紙1040を感光体ドラム1030の回転に合わせて感光体ドラム1030と転写チャージャ1033との間隙に向けて送り出す。
転写チャージャ1033には、感光体ドラム1030の表面のトナーを電気的に記録紙1040に引きつけるために、トナーとは逆極性の電圧が印加されている。この電圧により、感光体ドラム1030の表面のトナー像が記録紙1040に転写される。ここで転写された記録紙1040は、定着ローラ1041に送られる。
定着ローラ1041では、熱と圧力とが記録紙1040に加えられ、これによってトナーが記録紙1040上に定着される。ここで定着された記録紙1040は、排紙ローラ1042を介して排紙トレイ1043に送られ、排紙トレイ1043上に順次スタックされる。
除電ユニット1034は、感光体ドラム1030の表面を除電する。
クリーニングユニット1035は、感光体ドラム1030の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラム1030の表面は、再度帯電チャージャ1031に対向する位置に戻る。
次に、前記光走査装置1010の構成について説明する。
この光走査装置1010は、図2に示されるように、偏向器側走査レンズ11a、像面側走査レンズ11b、ポリゴンミラー13、2つの光源14a、14b、2つのカップリングレンズ15a、15b、液晶素子16、シリンドリカルレンズ17、光検知センサ18、光検知用ミラー19、図25に示す走査制御装置30、これらをその所定位置に組み付けた図示しない光学ハウジング等を有している。
本形態においては、XYZ3次元直交座標系において、シリンドリカルレンズ17の光軸に沿った方向をX軸方向、ポリゴンミラー13の回転軸に平行な方向をZ軸方向として説明する。また、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
光源14a及び光源14bは、いずれも発振波長が780nm帯の半導体レーザである。
カップリングレンズ15aは、光源14aから射出された光束を略平行光とする。また、カップリングレンズ15bは、光源14bから射出された光束を略平行光とする。
2つの光源14a、14bと2つのカップリングレンズ15a、15bとは、図3に示されるように、円筒部21aを有するベース部材21に所定の位置関係で保持され、ユニット化されている。以下では、このユニットを「光源ユニット」という。
液晶素子16は、図4(A)及び図4(B)に示されるように、2枚の板材としての第1のガラス板16aと第2のガラス板16bと、これらの間に挟持された態様でこれらの間に位置する液晶によって形成された液晶層と、液晶を密封したシール材と、2つの有効領域としての有効領域Aと有効領域Bとを有している。有効領域Aには、カップリングレンズ15aを介した光束が入射し、有効領域Bには、カップリングレンズ15bを介した光束が入射するように配置されている。なお、図4(B)は、図4(A)を、XZ面に平行な面で有効領域A、有効領域Bのいずれかを切断したときの断面図である。
第2の板材である第2のガラス透明板としての第2のガラス板16bは、第1の板材である第1のガラス板16aよりも外形形状が大きい。そして、図5に示されるように、第2のガラス板16bにおける第1のガラス板16aに対向している、−X側の面には、+Z側端部近傍に、X軸方向に関して、第1のガラス板16aが重なっていない領域がある。同図に示されるように、有効領域A、有効領域Bは、Z軸に平行な中心軸ZAに対して対称となる位置に形成されている。
図6に示されるように、第2のガラス板16bの−X側の面における第1のガラス板16aが重なっていない領域に、フラットケーブル21が固定されている。このフラットケーブル21は、第2のガラス板16bに対して着脱可能である。
有効領域A及び有効領域Bは、フラットケーブル21を介して外部から入力される電気信号により駆動され、入射する光束の位相を変調することが可能な領域である。ここでは、有効領域A及び有効領域Bは、個別に駆動することが可能である。各有効領域A、Bには、入射する光束の光路を副走査対応方向であるZ軸方向に偏向可能なように、すなわち、副走査対応方向に電位勾配が発生するように電極パターンが形成されている(たとえば、特開2003−233094号公報参照)。
第2のガラス板16bは、位置決め用の3つの基準面である基準面A、基準面B、基準面Cを有している。基準面Aは、図7(A)に示されるように、第2のガラス板16bにおける第1のガラス板16aに対向していないほうの+X側の面である。基準面Bは、図7(B)に示されるように、第2のガラス板16bの−Z側の側面言い換えると底面である。基準面Cは、図7(C)に示されるように、第2のガラス板16bの+Y側の側面である。
中心軸ZAは、同図に垂直な図示しない仮想面に含まれている。この仮想面は、液晶素子16が平板状である場合すなわち第1のガラス板16aと第2のガラス板16bとがYZ平面に平行な平板状をなし、基準面Aと、第1のガラス板16aにおける第2のガラス板16bに対向していない方の−X側の面とが互いに平行な平面となっている場合において、液晶素子16、基準面A及びかかる平面が延在する理想の平面であるYZ平面に垂直な、中心軸ZAを含むZX平面である。有効領域A、有効領域Bは、この仮想面に対称な位置を占めている。
液晶素子16は、図8及び図9に示されるようなアパーチャとしての保持部材22に、図12に示されるように保持されている。
この保持部材22は、底板22a、壁板22b、及び2つの側板22c_1、22c_2を有している。ここでは、底板22a、壁板22b、及び2つの側板22c_1、22c_2は、一体化されているが、底板22a、壁板22b、及び2つの側板22c_1、22c_2をそれぞれ個別に、たとえばステンレス鋼板のプレス加工等により製作した後、それらを接合しても良い。
底板22aは、XY平面に平行な長方形状の板部材である。底板22aの+X側端部近傍には、3つの貫通孔である貫通孔A、貫通孔B、貫通孔CがY軸方向に沿って形成されている。なお、貫通孔Cは長穴である。
壁板22bは、YZ平面に平行な長方形状の板部材である。壁板22bは、底板22aの−X側端部近傍に固定されている。壁板22bの−X側の面には外形が長方形状で−X方向に突出し、その表面がYZ平面に平行な取付け基準部23が形成されている。この取付け基準部23内には、液晶素子16の有効領域Aを介した光束の断面形状を整形するための開口部A、液晶素子16の有効領域Bを介した光束の断面形状を整形するための開口部Bが設けられている。
壁板22bの−X側の面には、取付け基準部23の−Z側に、液晶素子16を固定する際に接着剤が塗布される固定部としての接着部24が形成されている。この接着部24は、図10に示されるように、−X方向に突出し、その表面がYZ平面に平行である。そして、接着部24の表面の突出量は、取付け基準部23の表面の突出量と同じである。すなわち、取付け基準部23の表面及び接着部24の表面は、YZ平面に平行な同一面上にある。
取付け基準部23及び接着部24は、図11に示されるように、いずれも開口部Aと開口部Bの中心を通りZ軸に平行な中心軸ZBに対して対称となるように形成されている。
中心軸ZBは、同図に垂直な図示しない仮想面に含まれている。この仮想面は、接着部24の表面がYZ平面に平行な平板状をなしている場合において、接着部24の表面が延在する理想の平面であるYZ平面に垂直な、中心軸ZBを含むZX平面である。接着部24は、この仮想面に対称な位置を占める形状となっているとともに、接着部24の表面は、この仮想面に対称な位置を占めている。取付け基準部23についても同様である。
図9に戻り、2つの側板22c_1、22c_2は、いずれもXZ平面に平行な三角形状の板部材である。側板22c_1は、壁板22b及び底板22aの+Y側端部に固定され、側板22c_2は、壁板22b及び底板22aの−Y側端部に固定されている。各側板は、壁板22bと底板22aの接合を補強している。
液晶素子16を保持部材22に固定する際には、図12、図13を参照して、保持部材22の接着部24に紫外線硬化型の接着剤を適量塗布し、不図示の位置決め用治具を用いて液晶素子16の基準面Aを保持部材の取付け基準部23と接着部24に当接させ、液晶素子16と保持部材22とを接着剤を介して張り合わせたうえで液晶素子16側から紫外線を照射して接着剤を硬化させ、液晶素子16と保持部材22とを互いに固定する。
なお、紫外線硬化型の接着剤を使用するメリットとして、(1)接着剤を使用するため板ばねで固定する方法と比較して部品点数が少なくなるので低コスト化が図れること、(2)紫外線照射により硬化を開始すること、及び、紫外線照射により数秒から数十秒程度で硬化する(通常の接着剤より短時間で硬化するが、瞬間接着剤ほど短時間ではない)ため作業性が良好であること、(3)紫外線照射装置があれば十分であり、設備投資が少ないこと、等がある。
ここで、かかる固定は、中心軸ZAを含む上述の仮想面と中心軸ZBを含む上述の仮想面とが一致するように行う。この固定は、位置決め用治具を用いると容易に行うことが可能となるが、位置決め用治具の使用は適宜省略しても良い。
接着剤の塗布は、本形態のように接着部24側に行うと、次に述べる、液晶素子16の形状に応じた態様による接着剤の塗布の際の、接着剤の塗布位置の位置決めが容易となって好ましいが、次に述べる態様で接着剤が塗布されるのであれば、接着剤の塗布は、接着部24と、液晶素子16側具体的には基準面Aとの、少なくとも一方に行えばよく、すなわち基準面A側に行ってもよいし、接着部24及び基準面Aに行ってもよい。
液晶素子16の形状に応じた接着剤の塗布の態様について説明する。ここで、接着剤の塗布の態様とは、接着剤の塗布位置と塗布量とを含む。
まず、液晶素子16の形状が、平板状である場合について説明する。この場合には、接着剤の塗布は、たとえば図13、図14に示すように、かかる仮想面に対称な位置を占めるように塗布する。なお、この場合は、液晶素子16の透過波面形状が理想形状あるいは理想形状と同一視される状態である。
接着剤塗布位置は、接着部24上のZ方向に沿った位置となっているとともに、理想面よりも+Y側、−Y側のそれぞれでの接着部24のY方向における幅の中心を占め、且つ接着部24のZ方向における幅の中心を占める、2箇所の位置となっている。
接着剤の塗布量は、かかる仮想面に対称に等量とされているとともに、接着部24と基準面Aとを張り合わせたときに、接着部24の、基準面Aに対向する面の全体に、接着剤が行き渡る量とされている。
これにより、接着部24と基準面Aとを張り合わせたときに、接着剤は、接着部24の、基準面Aに対向する面と基準面Aとの間に、満遍なく、均一に広がり、さらに、2箇所に塗布された接着剤が一体となることにより、接着部24の、基準面Aに対向する面と基準面Aとの間に、かかる面の全体にわたって、均一な膜厚の接着剤の層が形成される。
よって、その後、接着剤を硬化すると、基準面Aと基準面Aに対向する面との間に、かかる面の全体にわたって、均一な膜厚の接着剤の層が形成された状態で、液晶素子16と保持部材22とが互いに固定される。この接着剤の硬化の際に、接着剤の収縮により液晶素子16と保持部材22とに応力が加わるが、この応力は、接着部24の、基準面Aに対向する面と、基準面Aの、この面に対向する部位とに、均等に作用するため、液晶素子16と保持部材22との接着言い換えると固定は、液晶素子16を平板状に保ったまま行われる。また、かかる応力は、有効領域A、有効領域Bに等しく作用する。そのためかかる応力によって、有効領域Aと有効領域Bとで透過波面形状、パワー、非点収差等の光学特性に差異が生じることが防止ないし抑制されている。
接着剤の塗布位置は、本形態では、接着剤の膜厚の均一化の観点から、仮想面に対称な位置との条件のもと、上述の2箇所としたが、仮想面に対称であれば、仮想面上に位置する1箇所であってもよいし、3箇所以上であってもよい。また、接着剤の膜厚の均一化の観点から、接着剤の塗布位置は、接着剤の塗布位置の数で接着部24のY方向における幅を等分し、等分して形成された各領域の中心とすることが望ましく、たとえば上述の2箇所の位置は、Y方向、Z方向のそれぞれにおいてこの条件を満たしているが、接着剤の塗布位置はこれに限らず、かかる条件を満たす位置から、Y方向及び/又はZ方向にずれていても良い。
接着剤の塗布量は、接着剤の膜厚の均一化の観点から、接着剤の塗布位置を複数個所とする場合には、各塗布位置における塗布量を等量とすることが望ましい。
接着剤の塗布の形状は、上述の例では点形状としたが、線形状であっても良く、線形状である場合には、Y方向に長いという接着部24の形状の特性から、接着剤の膜厚の均一化に鑑み、接着剤の塗布の形状も、Y方向に長い形状とすることが望ましい。
次に、液晶素子16の形状が、接着前から、平板状でなく、図15に示すように、湾曲あるいはひずみを有する場合について、液晶素子16の形状に応じた接着剤の塗布の態様を説明する。なお、同図15では、液晶素子16の湾曲ないしひずみを実際より誇張して描いている。
この場合には、液晶素子16と保持部材22とを接着剤により互いに固定することにより、液晶素子16の形状を、かかる湾曲あるいはひずみが矯正されるように、すなわちかかる湾曲あるいはひずみが解消あるいは軽減されるように調整する。
具体的には、接着剤の硬化の際に生ずる収縮による上述の応力が接着剤の量、層厚によって異なることを利用して、液晶素子16と保持部材22とを互いに固定する接着剤の量を調整することにより、液晶素子16の形状を、かかる湾曲あるいはひずみが矯正されるよう調整し、有効領域Aと有効領域Bとで透過波面形状、パワー、非点収差等の光学特性を理想状態あるいは理想状態に近い状態となるように制御する。
そのため、液晶素子16の、保持部材22側に凸に湾曲している部分では接着剤の塗布量を少なく、保持部材22側に凹に湾曲している部分では接着剤の塗布量を多くするように変化させて、前者の部分ではかかる応力が小さく働き、後者の部分ではかかる応力が大きく働くようにする。
図15(a)に示した例では、Y方向における中心部が保持部材22側に凸に湾曲しているため、図16(a)に示すように、接着剤の塗布量を、Y方向における中心部では多く、Y方向における端部では少なくしている。図15(b)に示した例では、Y方向における中心部が保持部材22側に凹に湾曲しているため、図16(b)に示すように、接着剤の塗布量を、Y方向における中心部では少なく、Y方向における端部では多くしている。図15(c)に示した、湾曲がY方向における中心部を境にして異なっているような場合、すなわち湾曲が有効領域A側と有効領域B側とで異なっている場合には、かかる図16(c)に示すように、中央部より+Y側か−Y側かで、接着剤の塗布量を異ならせる。具体的は、図15(c)に示した例では、液晶素子16が、中央部より+Y側で保持部材22側に凹に湾曲しているとともに、中央部より−Y側では平板状であるため、接着剤の塗布量を、中央部より+Y側では多く、中央部より−Y側では少なくしている。
このようにすることで、接着剤の塗布量が多いところでは硬化収縮の力が大きく、接着剤の塗布量が少ないところでは硬化収縮の力が小さいため、液晶素子16の形状、特に第2のガラス板16bの形状が、接着部24及び取付け基準部23に沿うように補正され、接着によって液晶素子16の平坦性が向上し、液晶素子16は、有効領域Aと有効領域Bとで透過波面形状、パワー、非点収差等の光学特性を理想状態あるいは理想状態に近い状態となるように調整される。
接着剤の塗布量は、接着部24と基準面Aとを張り合わせたときに、接着部24の、基準面Aに対向する面の全体に、接着剤が行き渡る量とされている。接着剤の塗布量は、具体的には、接着部24と基準面Aとを張り合わせたときに、接着部24の、基準面Aに対向する面と基準面Aとの間に、2箇所に塗布された接着剤が一体となって全体に広がり、接着剤の、当該部位において必要な厚さの層が形成される量とされている。
液晶素子16の湾曲あるいはひずみの量と、接着剤の塗布量との関係については、本形態では、図17に示すように、比例関係をなすようにしている。なお、同図においては、液晶素子16の湾曲ないしひずみの量を変形量として図示している。ただし、かかる関係は、比例関係に限らず、図上において曲線をなすものであっても良い。
接着剤の塗布位置は、接着剤が上述のように接着部24の全体に広がるように、仮想面に対称な位置とすることが望ましく、本形態では、この条件のもと、図16に示したように2箇所としたが、接着剤の塗布箇所は、1箇所であってもよいし、3箇所以上であってもよく、この場合も、仮想面に対称であることが好ましい。また、接着剤を接着部24の全体に広がるようにするという観点から、接着剤の塗布位置は、接着剤の塗布位置の数で接着部24のY方向における幅を等分し、等分して形成された各領域の中心とすることが望ましく、たとえば上述の2箇所の位置は、Y方向、Z方向のそれぞれにおいてこの条件を満たしているが、接着剤の塗布位置はこれに限らず、かかる条件を満たす位置から、Y方向及び/又はZ方向にずれていても良い。
接着剤の塗布の形状は、上述の例では点形状としたが、線形状であっても良く、線形状である場合には、Y方向に長いという接着部24の形状の特性から、接着剤を接着部24の全体に広げることが望ましいことに鑑み、接着剤の塗布の形状も、Y方向に長い形状とすることが望ましい。
光源ユニットは、図18に示されるように、円筒部21aが、光学ハウジングの円形の開口部に挿入されている。そして、光源ユニットは、X軸に平行な回転軸回りに回動が可能であり、この回動により、感光体ドラム1030上に形成される光源14aから射出された光束による光スポットと光源14bから射出された光束による光スポットの副走査方向に関する間隔、すなわち、ピッチあるいは走査線間隔を、所望の値に調整されるようになっている。なお、光源ユニットは、調整後、締結ネジあるいはスプリング部材等によって保持される。
保持部材22は、光源ユニットとの位置関係が所望の位置関係となるように、底板22aの貫通孔Bに挿入された締結ネジによって、光学ハウジング25にネジ止めされている。なお、底板22aの貫通孔A及び貫通孔Cは位置決め用の貫通孔であり、それらには光学ハウジングに設けられている図示しない2つの円柱状の突起部が挿入されるようになっている。
図2に戻り、シリンドリカルレンズ17は、保持部材22の開口部Aを通過した光束及び開口部Bを通過した光束を、それぞれポリゴンミラー13の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。すなわち、線像を形成する。
各光源とポリゴンミラー13との間の光路上に配置される光学系は、偏向器前光学系とも呼ばれている。本実施形態では、偏向器前光学系は、2つのカップリングレンズ(15a、15b)と液晶素子16とシリンドリカルレンズ17とから構成されている。
ポリゴンミラー13は、一例として内接円の半径が18mmの6面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。このポリゴンミラー13は、Z軸方向に平行な軸の周りを等速回転しながら、シリンドリカルレンズ17からの光束を偏向する。
偏向器側走査レンズ11aは、ポリゴンミラー13で偏向された光束の光路上に配置されている。
像面側走査レンズ11bは、偏向器側走査レンズ11aを介した光束の光路上に配置されている。そして、この像面側走査レンズ11bを介した光束が感光体ドラム1030の表面に照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー13の回転に伴って感光体ドラム1030の長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム1030上を走査する。このときの光スポットの移動方向が「主走査方向」である。また、感光体ドラム1030の回転方向が「副走査方向」である。
ポリゴンミラー13と感光体ドラム1030との間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、走査光学系は、偏向器側走査レンズ11aと像面側走査レンズ11bとから構成されている。なお、偏向器側走査レンズ11aと像面側走査レンズ11bの間の光路上、及び像面側走査レンズ11bと感光体ドラム1030の間の光路上の少なくとも一方に、少なくとも1つの折り返しミラーが配置されても良い。
光検知センサ18には、ポリゴンミラー13で偏向され、走査光学系を介した光束のうち画像情報の書き込み開始前の光束の一部が、検知用光束として、光検知用ミラー19を介して入射する。光検知センサ18における検知用光束の入射位置は、ポリゴンミラー13の回転に伴って、主走査対応方向、ここでは、便宜上、m方向に移動する。
光検知センサ18は、図19に示されるように、その受光面が光学的に像面(設計上の像面)に略平行となるように配置されている。これにより、検知用光束は、主走査方向に関して感光体ドラム1030の延長上を移動することと等価になり、検知用光束に対する走査光学系のリニアリティすなわち走査等速性を確保しておけば、光検知センサ18を通過する検知用光束の移動速度を、感光体ドラム1030の画像形成領域言い換えると有効走査領域での走査速度と同じにすることが可能であり、検知精度を向上することが可能となっている。
なお、図19における符号18´は、光検知用ミラー19がないと仮定したときの光検知センサ18の位置を示している。
また、光検知センサ18の受光面の法線方向は、受光面での反射光が光源に戻らないように、同図からわかるように、検知用光束の入射方向に対して傾斜している。これにより、光検知センサ18の受光面での反射光が、光量制御に影響を与えることが回避される。
光検知センサ18は、図20に示されるように、2つの受光部としての第1受光部181、第2受光部182を有する受光素子、該受光素子からの受光量に応じた信号である光電変換信号が入力されるアンプ(AMP)183、該アンプ183の出力信号レベルと予め設定されている基準レベルVsとを比較し、その比較結果を出力する比較器(CMP)184を有している。この比較器184の出力信号は走査制御装置30に供給される。
受光素子の各受光部は、副走査対応方向の位置によってm方向の互いの間隔が異なっている。この副走査対応方向は、ここでは、便宜上、s方向としている。
第1受光部181は、長方形の受光部であり、長手方向がs方向と一致するように配置されている。すなわち、検知用光束が通過する2辺がいずれもs方向に平行である。
第2受光部182は、平行四辺形の受光部であり、第1受光部181の+m側に配置されている。そして、第2受光部182の長手方向は、受光面内において第1受光部181の長手方向に対して角度α(0<α<90°)だけ傾斜している。すなわち、検知用光束が通過する2辺がいずれもs方向に対して傾斜している。
アンプ183では、入力信号の反転及び増幅が行われる。従って、受光素子の受光量が多いほど、アンプ183の出力信号レベルは低くなる。
前記基準レベルVsは、検知用光束が受光素子で受光されたときのアンプ183の出力信号レベル(最低値)よりも若干高いレベルに設定されている。そこで、各受光部のいずれかが検知用光束を受光したときに、比較器184での判断結果が変化し、それに応じて比較器184の出力信号が変化する。
なお、以下では、便宜上、光源14aから射出された光束による検知用光束を「検知用光束A」といい、光源14bから射出された光束による検知用光束を「検知用光束B」という。
また、図21に示されるように、感光体ドラム1030の表面における光源14aから射出された光束の入射位置が設計上の位置のときに、光検知センサ18における検知用光束Aの入射位置の移動経路を「経路A」とする。同様に、感光体ドラム1030の表面における光源14bから射出された光束の入射位置が設計上の位置のときに、光検知センサ18における検知用光束の入射位置の移動経路を「経路B」とする。
そこで、s方向に関する経路Aと経路Bの差Psは、設計上のピッチすなわち走査線間隔に対応している。
このときに、検知用光束Aが第1受光部181で検知されてから第2受光部182で検知されるまでの時間は、基準時間Tas(図22(A)参照)として予め得られている。同様に、検知用光束Bが第1受光部181で検知されてから第2受光部182で検知されるまでの時間は、基準時間Tbs(図22(B)参照)として予め得られている。
ところで、上記各光学素子を光学ハウジングに取り付ける際の取り付け位置の誤差や、経年変化等により、感光体ドラム1030に向かう光束の光路が設計上の光路に対して副走査対応方向、ここでは、Z軸方向にずれることがある。この場合には、検知用光束も、感光体ドラム1030に向かう光束と同様に、設計上の光路に対して副走査対応方向ここでは、s方向にずれることとなる。
たとえば、図23(A)に示されるように、光検知センサ18における検知用光束Aの入射位置の移動経路が経路aに変化すると、このときの移動経路のずれ量Δhaは、次の(1)式から求めることができる。ここで、ΔTaは、図23(B)に示されるように、比較器184の出力信号における立下りから次の立下りまでの時間Taと前記基準時間Tasとの差であり、Vは検知用光束の移動速度すなわち走査速度である。このずれ量Δhaは、感光体ドラム1030に向かう光源14aから射出された光束の光路の設計上の光路に対する副走査対応方向、ここでは、Z軸方向のずれ量(以下では、便宜上、「副走査ずれ量」と略述する)と相関関係がある。
Δha=(V/tanα)×ΔTa ……(1)
同様に、たとえば、図24(A)に示されるように、光検知センサ18における検知用光束Bの入射位置の移動経路が経路bに変化すると、このときの移動経路のずれ量Δhbは、次の(2)式から求めることができる。ここで、ΔTbは、図24(B)に示されるように、比較器184の出力信号における立下りから次の立下りまでの時間Tbと前記基準時間Tbsとの差である。このずれ量Δhbは、感光体ドラム1030に向かう光源14bから射出された光束の光路の設計上の光路に対する副走査ずれ量と相関関係がある。
Δhb=(V/tanα)×ΔTb ……(2)
また、第1受光部181が検知用光束を受光したときの、比較器184の出力信号における立下りタイミングは、s方向における検知用光束の入射位置の影響を受けない。そこで、第1受光部181が検知用光束を受光したときの、比較器184の出力信号における立下りタイミングから書込開始のタイミングを求めることができる。
走査制御装置30は、図25に示されるように、CPU210、フラッシュメモリ211、RAM212、液晶素子駆動回路213、IF(インターフェース)214、画素クロック生成回路215、画像処理回路216、フレームメモリ217、ラインバッファ2181、ラインバッファ2182、及び書込制御回路219などを有している。なお、図25における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
画素クロック生成回路215は、画素クロック信号を生成する。
フレームメモリ217は、CPU210によってラスター展開された画像データ(以下、便宜上「ラスターデータ」と略述する)を一時的に格納する。
画像処理回路216は、フレームメモリ217に格納されているラスターデータを読み出し、所定の中間調処理などを行った後、光源毎のドットデータである画素データを作成し、光源それぞれに対応したラインバッファ2181及びラインバッファ2182へ出力する。
書込制御回路219は、光検知センサ18の出力信号に基づいて、第1受光部181が検知用光束を受光したときの、比較器184の出力信号における立下りを監視する。そして、該立下りを検出すると、書込開始のタイミングを求める。そして、書込開始のタイミングに合わせて、各ラインバッファから各光源のドットデータを読み出し、画素クロック生成回路215からの画素クロック信号に重畳させるとともに、光源毎にそれぞれ独立した変調データを生成する。ここで生成された変調データは、各光源の駆動回路にそれぞれ出力される。
フラッシュメモリ211には、CPU210にて解読可能なコードで記述された各種プログラムが格納されている。
RAM212は、作業用のメモリである。
CPU210は、フラッシュメモリ211に格納されているプログラムに従って動作し、光走査装置1010の全体を制御する。
たとえば、CPU210は、所定のタイミング毎に、光源14aのみを点灯させ、光検知センサ18の出力信号に基づいて、前記ずれ量Δhaを求める。そして、CPU210は、Δhaがほぼ0となるように、液晶素子16の有効領域Aへの印加電圧(電圧Aという)を決定する。
また、CPU210は、所定のタイミング毎に、光源14bのみを点灯させ、光検知センサ18の出力信号に基づいて、前記ずれ量Δhbを求める。そして、CPU210は、Δhbがほぼ0となるように、液晶素子16の有効領域Bへの印加電圧(電圧Bという)を決定する。
液晶素子駆動回路213は、CPU210で決定された電圧Aを液晶素子16の有効領域Aに印加し、電圧Bを液晶素子16の有効領域Bに印加する。
IF(インターフェース)214は、プリンタ制御装置1060との双方向の通信を制御する通信インターフェースである。外部装置からの画像データは、IF(インターフェース)214を介して供給される。
光学ハウジングは、支持板を介してプリンタ筐体1044に固定されている。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光走査装置1010では、第1のガラス板16aと第2のガラス板16bによって、本発明の2枚の透明板が構成され、第2のガラス板16bが一方の透明板である。
また、CPU210によるプログラムに従う処理の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全てをハードウェアによって構成することとしても良い。
以上説明したように、本実施形態に係る光走査装置1010によると、光源ユニットとシリンドリカルレンズ17との間の光路上に、第1のガラス板16aと第2のガラス板16bとの間に液晶が狭持されている液晶素子16が配置されている。そして、液晶素子16は、第2のガラス板16bが、Z軸に平行で液晶素子16の中心を通る軸方向に関して、−Z側の端部近傍の一カ所で保持部材22に固定されている。この場合には、液晶素子16が強固に接着されるとともに、光学ハウジングの内部温度が上昇したときに、液晶素子16及び保持部材22の自由な熱膨張又は熱収縮が許容され、液晶素子16の変形が抑制される。その結果、安定して高い精度の光走査を行うことが可能となる。
また、液晶素子16の固定に接着剤を用いているため、板バネなどの弾性部材や締結部材などの固定部材が不要になる。この結果、光走査装置が小型化でき、且つ、部品点数が減少するため、部品コストが低減される。
また、保持部材22は、第2のガラス板16bの一部が当接される取付け基準部23、及び第2のガラス板16bが固定される接着部24を有している。この場合には、有効領域A及び有効領域Bに、接着剤が流れ込むのが防止される。
また、取付け基準部23の表面及び接着部24の表面は、YZ平面に平行な同一面上にある。この場合には、接着剤層の厚さを薄く、しかも均一にすることが可能となり、接着剤の硬化収縮の影響を小さくすることが可能である。また、液晶素子16における液晶層の厚さの均一性言い換えると平行性が維持され、通過する光束における波面収差の劣化が抑制される。
また、取付け基準部23及び接着部24は、いずれも上述の仮想面に対して対称となるように形成されている。この場合には、光学ハウジングの内部温度が上昇しても、有効領域Aと開口部Aの位置関係、及び有効領域Bと開口部Bの位置関係に対する温度上昇の影響を極めて小さくすることが可能である。
また、CPU210は、所定のタイミング毎に、光源14aから射出された光束の副走査ずれ量、及び光源14bから射出された光束の副走査ずれ量が、いずれもほぼ0となるように、液晶素子16の各有効領域への印加電圧を決定し、液晶素子駆動回路213を介して液晶素子16の各有効領域に印加している。この場合、光源14aから射出された光束及び光源14bから射出された光束は、いずれも感光体ドラム1030上のほぼ所望の位置に集光される。その結果、感光体ドラム1030上での走査線間隔をほぼ所望の走査線間隔となる。
また、保持部材22は、液晶素子16の各有効領域から射出される光束の断面形状をそれぞれ整形する2つの開口部を有している。この場合には、液晶素子16の各有効領域と各開口部の位置合わせ精度が担保される。また、部品点数の増加が抑制される。
また、フラットケーブル21は、第2のガラス板16bに対して着脱可能である。この場合には、液晶素子16が劣化したときの部品交換が容易に行われる。さらに、分解が容易となり、リサイクル性が向上する。
また、保持部材22は、光学ハウジングにネジ止めされている。この場合には、光源ユニットと液晶素子16との位置関係を所望の位置関係とすることが容易である。
ところで、通常、光学ハウジングはアルミダイキャストやモールド成形等により製造されることが多く、複雑な形状に成形することは金型の構成上困難な場合が多い。上記実施形態では、保持部材22と光学ハウジングを別部材としているため、光学ハウジングの形状(すなわち、金型の構成あるいは金型の形状)が簡略化され、低コスト化や成形精度の向上を図ることが可能である。
また、2つの光源を有しているため、同時に複数の走査を行うことができる。
また、走査密度の切替要求があったとき、CPU210は、要求された走査密度に応じて液晶素子16の各有効領域への印加電圧を決定し、液晶素子駆動回路213を介して液晶素子16の各有効領域に印加する。これにより、たとえば、600dpiから1200dpiへの走査密度の変更、あるいは、1200dpiから600dpiへの走査密度の変更が容易に可能となる。
また、本実施形態に係るレーザプリンタ1000によると、光走査装置1010を備えているため、結果として、安定して高品質の画像を形成することが可能である。
さらに、光走査装置1010が2つの光源を備えているため、高速で画像を形成することが可能である。また、形成される画像の高密度化を図ることも可能である。
また、ネットワークを介して、レーザプリンタ1000と、電子演算装置(コンピュータ等)、画像情報通信システム(ファクシミリ等)等とを接続することにより、1台の画像形成装置で複数の機器からの出力を処理することができる情報処理システムを形成することが可能である。また、ネットワーク上に複数の画像形成装置を接続すれば、各出力要求から各画像形成装置の状態(ジョブの混み具合、電源が入っているかどうか、故障しているかどうか等)を知ることが可能であり、一番状態の良い(使用者の希望に一番適した)画像形成装置を選択し、画像形成が行うことが可能である。
なお、上記実施形態では、接着部24が取付け基準部23の−Z側に設けられる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、接着剤の硬化収縮に起因してフラットケーブル21の電極パターンが変形するおそれが少ないときは、接着部24が取付け基準部23の+Z側に設けられても良い。
また、上記実施形態では、取付け基準部23及び接着部24が−X方向に突出している場合について説明したが、これに限定されるものではなく、取付け基準部23及び接着部24が突出していなくても良い。この場合は、壁板22bの−X側の面の全面が第2のガラス板16bの当接面となる。
また、図26に示されるように、前記保持部材22が光学ハウジングと一体化されても良い。この場合は、各光源と液晶素子16の各有効領域と保持部材22の各開口部との相対的な位置関係をさらに高精度に維持することが可能となる。
また、上記実施形態では、接着剤が、紫外線硬化型の接着剤である場合について説明したが、これに限定されるものではなく、たとえば、シアノアクリレート系の、いわゆる瞬間接着型の接着剤であっても良い。
また、上記実施形態では、光検知センサ18が、書込の開始情報と移動経路のずれ量(Δha、Δhb)に関する情報とを含む信号を出力する場合について説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、書込の終了を検知するための光検知センサが別に設けられているときには、該光検知センサに移動経路のずれ量(Δha、Δhb)に関する情報を出力する機能を持たせても良い。
また、書込の開始を検知するための光検知センサ及び書込の終了を検知するための光検知センサの両方を設け、2つの光検知センサに、移動経路のずれ量(Δha、Δhb)に関する情報を出力する機能を持たせても良い。この場合には、走査線の傾き情報を得ることが可能となる。
また、書込の開始を検知するための光検知センサ及び書込の終了を検知するための光検知センサの両方を設け、2つの光検知センサでの光検知の時間差から走査速度の変化を検出し、該検出された走査速度の変化に対して、画素クロック信号の基準周波数を再設定することができる。
また、上記実施形態では、前記第1受光部181が長方形の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、検知用光束が通過する2辺がs方向に平行な形状であれば良い。
また、上記実施形態では、前記第2受光部182が、平行四辺形の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、検知用の光束が通過する2辺がs方向に対して傾斜している形状であれば良い。
また、上記実施形態では、2つの光源を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、1つの光源あるいは3つ以上の光源を有しても良い。また、前記2つの光源に代えて、複数の発光部を有する半導体レーザアレイを含む1つの光源を用いても良い。この場合には、液晶素子16は、光源ユニットから射出される光束の数と同数の有効領域を有することとなる。そして、液晶素子が1つの有効領域を有する場合にも、この有効領域は、上述の仮想面に対称な位置を占めるように配置される。言い換えると、上述の仮想面は、かかる有効領域をこの仮想面に対称とする位置を占める。このことは、液晶素子16が3つ以上の有効領域を備えている場合も同様である。
また、上記実施形態では、第2のガラス板16bの+Y側端部に、第1のガラス板16aが重なっていない領域がある場合について説明したが、これに限定されるものではない。
なお、上記実施形態では、画像形成装置がレーザプリンタ1000の場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、光走査装置1010を備えた画像形成装置であれば良い。
たとえば、レーザ光によって発色する媒体(たとえば、用紙)に直接、レーザ光を照射する画像形成装置であっても良い。
また、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
また、たとえば、図27に示されるように、複数の感光体ドラムを備えるカラープリンタ2000であっても良い。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、ブラック用のステーション(感光体ドラムK1、帯電装置K2、現像装置K4、クリーニングユニットK5、及び転写装置K6)と、シアン用のステーション(感光体ドラムC1、帯電装置C2、現像装置C4、クリーニングユニットC5、及び転写装置C6)と、マゼンタ用のステーション(感光体ドラムM1、帯電装置M2、現像装置M4、クリーニングユニットM5、及び転写装置M6)と、イエロー用のステーション(感光体ドラムY1、帯電装置Y2、現像装置Y4、クリーニングユニットY5、及び転写装置Y6)と、光走査装置2010と、転写ベルト2080と、定着ユニット2030などを備えている。
各感光体ドラムは、図27中の矢印の方向に回転し、各感光体ドラムの周囲には、回転方向に沿って、帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニングユニットがそれぞれ配置されている。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面を均一に帯電する。この帯電装置によって帯電された各感光体ドラム表面に光走査装置2010により光走査が行われ、各感光体ドラムに潜像が形成される。
そして、対応する現像装置により各感光体ドラム表面にトナー像が形成される。さらに、対応する転写装置により、転写ベルト2080上の記録紙に各色のトナー像が順次転写され、最終的に定着ユニット2030により記録紙に画像が定着される。
光走査装置2010は、前記光源14、前記液晶素子16及び前記保持部材22と同様な光源、液晶素子及び保持部材を色毎に有している。従って、前記光走査装置1010と同様な効果を得られる。
そして、カラープリンタ2000は、前記レーザプリンタ1000と同様な効果が得られる。
また、このカラープリンタ2000において、光走査装置を1色毎に設けても良いし、2色毎に設けても良い。
また、上記実施形態では、光走査装置1010がプリンタに用いられる場合について説明したが、プリンタ以外の画像形成装置、たとえば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機にも好適である。