JP2008026746A - 光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学筐体の変形に伴う走査線曲がり及びその変動を、できるだけ少なくすること。
【解決手段】光学筐体の変形に伴う、ミラーおよび結像光学素子の変化量が「ΔZ=L ×2・Δθ」式を満足することとした。(但し、ΔZ:最も被走査媒体側に配置される結像光学素子の配置位置の偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)への変化量、L:ミラーと、最も被走査媒体側に配置される結像光学素子との間隔、Δθ:熱変形による偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)に対するミラーの傾き角変化量とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、光走査装置および該光走査装置を備えた画像形成装置に関し、光走査装置はデジタル複写機、複合機、レーザプリンタおよびファクシミリなどの画像形成装置の書込系に適用することができ、画像形成装置は特に複数色のトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成する多色画像形成装置に適用することができる。
光源からの光束を、回転多面鏡の光偏向手段により偏向させ、偏向される光束をfθレンズ等の走査結像光学系を用いて被走査面に向けて集光させることにより、被走査面上に光スポットを形成し、この光スポットにより被走査面を走査する光走査装置は、光プリンタや光プロッタ、デジタル複写機等の画像形成装置に関連して広く知られている。
光走査装置を用いる画像形成装置においては、画像形成プロセス内の一工程として、光走査により画像の書込を行う画像書込工程が採用されているが、画像プロセスによって形成される画像の良否は光走査の良否に影響される。そして、光走査の良否は、光走査装置での主走査方向や副走査方向の走査特性に依存する。
主走査方向の走査特性の一つとして、走査等速性が挙げられる。例えば光偏向手段として回転多面鏡を用いる場合、光束の偏向は等角速度的に行われるので、走査等速性を実現するために走査結像光学系としてfθ特性が補正されているものを用いている。
しかしながら、走査結像光学系に要求される他の性能との関係もあって、fθ特性を完全に補正することは容易ではない。このため、現実の走査光学系においては、光走査が完全に等速的に行われることはなく、走査特性としての等速性は、理想の等速走査からのずれをともなっている。
副走査方向の走査特性には、走査線曲がりや走査線の傾きがある。走査線は、被走査面上における光スポットの移動軌跡であり、直線であることが理想とされ、光走査装置の設計も走査線が直線となるよう行われるが、実際には光学素子やメカ部品の加工誤差や組立誤差等が原因して走査線に曲がりが発生するのが普通である。
また、走査結像光学系として結像ミラーを用い、「偏向光束の」結像ミラーへの入射方向と反射方向との間で、副走査方向に角度をもたせる場合には、原理的に走査線の曲がりが発生し、走査結像光学系をレンズ系として構成する場合でも、被走査面を副走査方向に分離した複数の光スポットで光走査するマルチビーム走査方式では走査線の曲がりが不可避である。
走査線の傾きは、走査線が副走査方向に対して直交しない現象であり、走査線曲がりの一種である。従って、以下の説明においては特に断らない限り、走査線の傾きを走査線曲がりという表現に含めて説明する。
画像が所謂モノクロで、単一の光走査装置により書込形成される場合は、走査線曲がりや等速性の不完全さ(理想の等速走査からのずれ)がある程度抑えられていれば、形成された画像に「目視で分かるほどの歪み」は生じないが、それでも、このような画像の歪みが少ないに越したことはない。
モノクロ画像とは別に、マゼンタ・シアン・イエローの3色、あるいはこれに黒を加えた4色の画像を色成分画像として形成し、これらの色成分画像を重ね合わせることによりカラー画像を形成することは、従来から、カラー複写機等で行われている。
このようなカラー画像形成を行う方式の一つとして、各色成分毎の画像を各色成分毎の感光体に形成する、タンデム型と呼ばれる画像形成方式がある。
このような画像形成方式の場合、光走査装置相互の感光体に対する走査位置のばらつき、走査線の曲がり具合や傾きが異なると、形成されたカラー画像に「色ずれ」と呼ばれる異常画像が現れて、カラー画像の画質を劣化させる。
光走査装置としては走査線の曲がりや傾きを低減させる手段として、長尺レンズを複数の支点を支持点として湾曲させたり、副走査方向に傾けたりし、走査線曲がり及び走査線傾きを補正する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
光学素子を補強する方法としては、ミラーの裏面にガラス材からなる補強板を制振部材で貼り付ける例が開示され(例えば、特許文献2参照。)、レンズの側面に板ガラスを接着した例が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
光学ハウジングの変形を低減させる手段として、光学ハウジングの底板と周壁との突合せ部分に斜面を設けフレームに固定することにより、ハウジングの変形量を低減する構成が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
光学ハウジング内部の熱に対する方策としては、回転多面鏡の発熱により温められた空気を、回転多面鏡の回転により攪拌し光学ハウジング及び内部の各光学素子を速やかに温め、ハウジングの変形を低減する提案がされている(例えば、特許文献5参照)。
また、光源部をベース部材の上にのせベース部材の一部を光学ハウジングの外部に露出させ放熱する構成が提案されている(例えば、特許文献6参照)。
カールソンプロセスを用いた画像形成装置においては、感光体ドラムの回転に従って潜像形成、現像、転写が行われる。従って、複数の感光体ドラムを転写体の搬送方向に沿って配列し、各色の画像形成ステーションで形成したトナー像を重ねる多色画像形成装置においては、感光体ドラムの偏心や径のばらつきによる潜像形成から転写までの時間、各色の感光体ドラム間隔の異なり、転写体、例えば、転写ベルトや記録紙を搬送する搬送ベルトの速度変動や蛇行によって、各トナー像の副走査方向のレジストずれにより色ずれや色変わりとなって画像品質を劣化させる。
同様に、光走査装置においても、感光体ドラムに形成する静電潜像の主走査倍率および書込み位置を正確に合わせなければ、レジストずれにより色ずれや色変わりの要因となる。
従来、このレジストずれは、光走査装置によるもの、光走査装置以外によるものの区分けなく、転写体に記録されたレジストずれ検出パターンにより装置の立上げ時やジョブ間等で定期的に検出し、副走査方向については、ポリゴンミラー1面おきで書き出しのタイミングを合わせることにより先頭ラインの位置を補正し、主走査方向については、走査始端で発生される同期検知信号からのタイミングを調節することにより書出し位置を補正するとともに(例えば、特許文献7乃至9参照)、走査始端から走査終端に至る走査時間を検出することにより画素クロックの周波数を合わせる等により各色間の全幅倍率を合せている(例えば、特許文献10参照)。
一方、こういった多色画像形成装置においては、高速化、高密度化が年々進んでいる。この対応策としてポリゴンモータの回転数を増加する方法があるが、軸受寿命に限界があり、発熱、振動が抑えきれなくなっていることから、より低い回転数で複数のビームを同時に走査することで、高速化、高密度化が実現できるマルチビーム光源を用いる方式が提案されている。
しかしながら、マルチビーム光源は光源間のピッチ誤差や波長差があるため、複数のラインを一組として個別にレジストずれ検出を行うことで光源間のずれを回避する例が提案されている(例えば、特許文献11参照)。
近年、走査特性の向上を意図して、光走査装置の結像光学系に、非球面に代表される特殊な面を採用することが一般化しており、このような特殊な面を容易に形成でき、なおかつコストも安価な樹脂材料で製作された結像光学系が多用されている。
樹脂材料の結像光学系は、温度や湿度の変化の影響を受け光学特性が変化しやすく、このような光学特性の変化は、走査線の曲がり具合や等速性も変化させる。このため、例えば数十枚のカラー画像の形成を連続して行う場合、画像形成装置の連続運転により機内温度が上昇し、それに伴い光書込装置内の温度上昇による光学ハウジングの光学素子受け面の位置精度の劣化等により、光学素子に対するビーム位置が変化したり、折り返しミラーの設置角度が変化するなど感光体上の走査位置が経時的にずれる不具合が発生する。
その結果、結像光学系の光学特性が変化して、各光書込装置の書き込む走査線の曲がり具合や等速性が次第に変化し、走査位置ずれに起因する色ずれが生じ、初期に得られたカラー画像と終期に得られたカラー画像とで色合いのまったく異なるものになる。
走査光学系として代表的なfθレンズ等の走査結像レンズは一般に、副走査方向におけるレンズ不用部分(偏向光束が入射しない部分)をカットし、主走査方向に長い短冊形レンズとして形成される。走査結像レンズが複数枚のレンズで構成される場合、配設位置が光偏向手段から離れるほど、主走査方向のレンズ長が大きくなり、100mm程度〜250mm以上の長さをもつ長尺レンズが必要となる。
このような長尺レンズは一般に樹脂材料を用いて樹脂成形で形成されるが、外界の温度変化によりレンズ内の温度分布が不均一となると、反りを生じてレンズが副走査方向に弓なりの形状となる。このような長尺レンズの反りは前述した走査線曲がりの原因となる。
光走査装置は、光源から射出された光束を偏向走査するために、複数の反射面を有する多面鏡を高速に回転させ回転多面鏡として構成し、被走査面上を光走査する。
このため、回転多面鏡は発熱し、その熱が基で光走査装置を構成する各光学素子を収容する光学筐体(光学ハウジング)は熱変形を起こし、中に配置されるミラーの傾き角(偏向走査平面と直交する方向に対する傾き角)や、走査光学素子(結像レンズや結像ミラー)の配置位置が偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)に変化し、被走査面上を走査するビームの走査線曲がりを発生させる。
光学ハウジングの変形に対する課題解決方法としては、既述の特許文献4に記載のような方法が提案されている。また、光学ハウジングの変形を低減させる手段が提案されている(例えば、特許文献12参照。)しかし、特許文献12は、ハウジングの変形については考慮されているが、内部の光学素子(ミラーの傾き角変化や、光学素子の位置変動)については考慮されておらず、温度変化による光学素子の配置位置の変化には対応できていない。
また、光学ハウジング内部の熱に対する方策が提案されている(例えば、特許文献13参照。)。特許文献13では、回転多面鏡の発熱により温められた空気を、回転多面鏡の回転により攪拌し光学ハウジング及び内部の各光学素子を速やかに温め、ハウジングの変形を低減するとしている。しかし、ハウジングの温度が変化するとハウジングの熱膨張と固定部による自由膨張の阻害によりハウジングは変形するため、内部の熱を攪拌しても根本的な解決にはならない。
放熱に関し、光源部をベース部材の上にのせベース部材の一部を光学ハウジングの外部に露出させ放熱する構成が提案されている(例えば、特許文献14参照)。この例では、光源部の発熱に対しては考慮されているが、光学ハウジング内で最も発熱量の大きい回転多面鏡の発熱に対する対策に関しては考慮されていない。また、本案件で考案されている方法を光学ハウジング全体に展開する場合はハウジングを例えばアルミ合金等の金属で構成する例があたるが、その場合はハウジングがコストアップしてしまう。
多色画像形成装置に対応した光走査装置の一例として、各色に対応する光源からの光ビームを単一のポリゴンミラーで一括して走査するようにし、各々対応する走査光学系や感光体ドラムに導くための複数の折返しミラーを共通の光学ハウジングに一体的に支持した構成や各感光体ドラムに対応させて個別に光走査装置を配備した構成が知られている(例えば、特許文献15参照)。このように、感光体ドラムへと向かう光ビームは各々異なる経路を通るよう構成部品が配置されるため、多色画像形成装置が設置される環境温度等により各光ビームの走査位置は容易に変動してしまう。
走査位置のずれは転写体に記録されたレジストずれ検出パターンにより装置の立上げ時やジョブ間等で定期的に検出し、補正がなされるが、上述のようにプリント動作に伴う定着器やポリゴンモータからの熱等によって照射位置がさらに変動してしまうため、1ジョブのプリント枚数が多いと徐々に色ずれや色変わりが発生してくるという問題がある。
特に、上記特許文献15のように、ポリゴンスキャナを挟んで対向するように光学系を配備する場合、走査方向が相反するため、主走査倍率の変動によって書出し位置がずれるうえ、光学ハウジングの歪みによって各色間の走査位置がずれるため、色ずれや色変わりが生じ易い。
その対策として、常に温度を観測して温度変化が所定に達したら、あるいは、所定のプリント枚数を超えたらプリント動作を途中で中止し、再度照射位置のずれを補正し直すことで対応しているが、レジストずれ検出パターン作成〜補正、再度検出パターン作成〜補正チェックまでを考慮すると、終了までには数分間を費やすため生産性が落ちるうえ、検出パターンを形成するために無駄にトナーが消費されてしまうので、補正の頻度は最小限に抑えたい。
特開2002−258189号公報 特開平11−142767号公報 特開2000−241733号公報 特開2001−228426号公報 特開平11−184356号公報 特開2005−257825号公報 特公平7−19084号公報 特開2001−253113号公報 特開2003−154703号公報 特開平9−58053号公報 特開2003−154703号公報 特開2001−228426号公報 特開平11−184356号公報 特開2005−257825号公報 特開2002−148551号公報
本発明は、上記従来の光走査装置を搭載した画像形成装置における問題に鑑み、使用環境の変化に起因する光学筐体の変形に伴うミラーの傾き角(偏向走査平面と直交する方向に対する傾き角)の変化や、走査光学素子(結像レンズや結像ミラー)の配置位置の偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)の変化に伴い発生する走査線曲がり及びその変動を、できるだけ少なくする構成の光走査装置および該光走査装置を有する画像形成装置を提供することを目的とする。
また、回転多面鏡の回転に伴い発生する発熱量による光学筺体内の光学素子の温度上昇、及び光学筺体の変形により発生する走査線曲がり及びその変動を、できるだけ少なくする構成の光走査装置および該光走査装置を有する画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を達成するため請求項1にかかる発明は、光源と、光源からの光束を偏向する偏向器と、偏向光束を被走査面上に光スポットとして結像させる結像光学素子と、偏向光束を被走査面に導くためのミラーと、これら光源、結像光学素子およびミラーを収納してなる筐体とからなる光走査装置において、最も被走査媒体側に配置される結像光学素子と偏向器との間に少なくとも1枚以上のミラーが配置され、環境変化時における筐体の変形に伴う、ミラーの偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)に対する傾き角の変化量と、最も被走査媒体側に配置される結像光学素子の偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)に対する変化量が、下式を満足することとした。
ΔZ=L × 2・Δθ
但し、ΔZ:最も被走査媒体側に配置される結像光学素子の配置位置の偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)への変化量、L:ミラーと、最も被走査媒体側に配置される結像光学素子との間隔、Δθ:熱変形による偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)に対するミラーの傾き角変化量、とする。
請求項2にかかる発明は、光源と、光源からの光束を偏向する偏向器と、偏向光束を被走査面上に光スポットとして結像させる結像光学素子と、偏向光束を被走査面に導くためのミラーと、これら光源、偏向器、結像光学素子およびミラーを収納してなる筐体とからなる光走査装置において、最も被走査媒体側に配置される結像光学素子と偏向器との間に少なくとも1枚以上のミラーが配置され、環境変化時における筐体の変形に伴う、ミラーの偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)に対する傾き角の変化量と、最も被走査媒体側に配置される結像光学素子の偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)に対する変化量が、下式を満足することとした。
| L × 2・Δθ − ΔZ | < 0.05
但し、ΔZ:最も被走査媒体側に配置される結像光学素子の配置位置の偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)への変化量、L:ミラーと、最も被走査媒体側に配置される結像光学素子との間隔、Δθ:熱変形による偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)に対するミラーの傾き角変化量、とする。
請求項3にかかる発明は、光源と、光源からの光束を偏向する偏向器と、偏向光束を被走査面上に光スポットとして結像させる結像光学素子と、これら光源および光走査装置を収納してなる筐体とからなる光走査装置において、筐体を構成する材質は樹脂からなり、
前記筐体は内部に配置される光学素子を密閉する樹脂製のカバーを有し、前記カバーの内側には偏向器上部を避けて金属部材が配されていることとした。
請求項4にかかる発明は、光源と、光源からの光束を偏向する偏向器と、偏向光束を被走査面上に光スポットとして結像させる結像光学素子と、これら光源、偏向器および結像光学素子を収納してなる筐体とからなる光走査装置において、前記筐体を構成する材質は樹脂からなり、前記筐体は内部に配置される光学素子を密閉する樹脂製のカバーを有し、前記カバーの外側の少なくとも偏向器上部に金属部材が配されていることとした。
請求項5にかかる発明は、請求項3に記載の光走査装置において、金属部材の一部はカバーを貫通して筐体外部に達していることとした。
請求項6にかかる発明は、請求項4に記載の光走査装置において、金属部材の一部は偏向器上部を避けた部分においてカバーを貫通して筐体内部に達していることとした。
請求項7にかかる発明は、請求項1又は2に記載の光走査装置において、ミラーの支持部近傍に筺体の固定部を有することとした。
請求項8にかかる発明は、請求項1乃至7の何れかに記載の光走査装置において、ビームスポット位置ずれ検出手段を備え、その検出結果に基づき光学素子の姿勢を制御し、ビームスポット位置ずれ補正を行うこととした。
請求項9にかかる発明は、請求項5乃至8の何れかに記載の光走査装置おいて、前記光源は複数の発光点を有し、被走査面を複数の光束が同時に走査するマルチビーム光走査装置であることとした。
請求項10にかかる発明は、請求項1乃至9の何れかに記載の光走査装置が搭載されている画像形成装置とした。
請求項11にかかる発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、像担持体を複数有し、これらの像担持体に形成された静電像を各色トナーにより現像し、転写体上で重ね合わせてカラー画像を形成し、それによりカラー画像を形成可能とした。
請求項12にかかる発明は、請求項11に記載の画像形成装置において、色ずれ検出手段を備え、その検出結果に基づき光学素子の姿勢を制御し、色ずれ補正を行うこととした。
請求項13にかかる発明は、請求項10乃至12の何れかに記載の画像形成装置において、ネットワーク通信機能を有することとした。
本発明によれば、使用環境の変化に起因する光学筐体の変形に伴う走査線曲がり及びその変動を、できるだけ少なくする構成の光走査装置および該光走査装置を有する画像形成装置を提供することができる。また、回転多面鏡の回転に伴い発生する発熱量による光学筺体の熱変形により発生する走査線曲がり及びその変動を、できるだけ少なくする構成の光走査装置および該光走査装置を有する画像形成装置を提供することができる。
図1は4ステーションを走査する光走査装置を像担持体としての感光体ドラム及び転写体と共に例示している。本例における光走査装置は、2ステーションずつ2分し、単一のポリゴンミラー(回転多面鏡とも称しポリゴンモータを一体化されて偏向器を構成する)の対向する側からビームを入射して、相反する方向に偏向、走査する対向走査方式である。光走査装置からのビームの照射を受ける4つの感光体ドラム101、102、103、104はベルト状をした転写体としての転写ベルト105の矢印で示した移動方向に沿って等間隔で配列され、順次異なる色のトナー像を転写し重ね合わせることでカラー画像を形成する。
図1において、光走査装置は、各感光体ドラム101、102、103、104を走査する手段であって、光源ユニット110、光軸変更手段117〜119、各種レンズ、ポリゴンミラー106、ミラー類、センサ等の光学素子を含む部品からなり、ポリゴンミラー106の回転により光ビームを走査する。ポリゴンミラー106の回転方向は逆転することなく常に同一であるので、走査方向は対向する側で相反する方向となり、一方の書出し位置ともう一方の書き終わり位置とが一致するように画像を書き込んでいく。光走査装置を構成する各部品は不図示の光学筐体(光学ハウジング)に一体的に構成される。
本例では、光走査装置は走査対象となる各感光体ドラム101、102、103、104に対してビームを発振する光源としての半導体レーザ(以下、LDという。)を一対ずつ配備し、副走査方向に記録密度に応じて1ラインピッチ分ずらして走査することにより、2ラインずつ同時に走査するようにしている。各光源ユニットからのビーム201、202、203、204は、光源ユニット毎に射出位置が副走査方向に異なる部位、本例では光源ユニット107、108と109、110との射出位置が所定高さ、例えば6mm、だけ異なるよう配備し、光源ユニット108と109からのビームは入射ミラー111、112により折り返し直接、ポリゴンミラー106へと向かう光源ユニット107と110からのビームに主走査方向を近接させてポリゴンミラー106に入射される。
シリンダレンズ113、114、115、116は、一方を平面、もう一方を副走査方向に共通の曲率を有し、ポリゴンミラー106の偏向反射点までの光路長が等しくなるように配備してあり、各光ビームは偏向面で主走査方向に線状となるように収束され、後述するfθレンズとアナモフィックレンズから成る結像光学系との組み合わせで、偏向反射点と感光体面上とを副走査方向において共役関係とすることで面倒れ補正光学系をなす。
光軸変更手段117、118、119は、基準色を除くステーション(本例では、光源ユニット109からのビーム以外)に配備され、各光束の走査位置を安定的に保持(補正)する。
ポリゴンミラー106は6面ミラーで、本例では2段に構成され、偏向に用いていない中間部をポリゴンミラーの内接円より若干小径となるように溝を設けて風損を低減した形状としている。各段を構成する1つの層の厚さは約2mmである。尚、上下のポリゴンミラーの位相は同一である。
2段のポリゴンミラー106に合わせてfθレンズ120、121も2層に一体成形、または接合され、各々、主走査方向にはポリゴンミラーの回転に伴って感光体面上でビームが等速に移動するようにパワーを持たせた非円弧面形状となし、各ビーム毎に配備されるアナモフィックレンズ122、123、124、125とにより結像光学系を構成し、各ビームを各感光体ドラム101、102、103、104の感光体面上にスポット状に結像し、潜像を記録する。
各感光体ドラム101、102、103、104毎に構成された各色ステーションは、ポリゴンミラー106から感光体面に至る各々のビームの光路長が一致するように、また、等間隔で配列された各感光体ドラムに対する入射位置、入射角が等しくなるように複数枚、本例では1ステーションあたり3枚ずつ、の折り返しミラーが配置されている。
各色ステーション毎に光路を追って説明すると、光源ユニット107からのビーム201は、光軸変更手段117、シリンダレンズ113を介し、ポリゴンミラー106の上段で偏向された後、fθレンズ120の上層を通過し、折り返しミラー126で反射されてアナモフィックレンズ122を通過し、折り返しミラー127、128で反射されて感光体ドラム102に導かれ、第2のステーションとしてマゼンタ(M)画像を形成する。
光源ユニット108からのビーム202は、光軸変更手段118、シリンダレンズ114を介して、入射ミラー111で反射されポリゴンミラー106の下段で偏向された後、fθレンズ120の下層を通過し、折り返しミラー129で反射されてアナモフィックレンズ123を通過し、折り返しミラー130、131で反射されて感光体ドラム101に導かれ、第1のステーションとしてイエロー(Y)画像を形成する。
ポリゴンミラーに対称に配備された対向するステーションについても同様で、光源ユニット109からのビーム203は、シリンダレンズ115および入射ミラー112を介してポリゴンミラー106の下段で偏向され、折り返しミラー132、133、134で反射され、途中、折り返しミラー132と133の間でアナモフィックレンズ125を経由して感光体ドラム104に導かれ、第4のステーションとしてブラック(Bk)画像を、また、光源ユニット110からのビーム204は、光軸変更手段119、シリンダレンズ116を介してポリゴンミラー106の上段で偏向され、折り返しミラー135、136、137で反射され、途中、折り返しミラー135と136の間でアナモフィックレンズ124を経由して感光体ドラム103に導かれ、第3のステーションとしてシアン画像(C)を形成する。
図2に図1で説明した光走査装置が収納される光学筺体1が、定着器等の発熱を要因とする画像形成装置の機内温度上昇により温度上昇を受けたり、内部に収納されるポリゴンミラー106の回転に伴う発熱により光学筺体が熱せられた場合の、熱変形の状態を偏向走査平面と平行な方向(副走査方向)から見た様子を模式的に示す。ここでいう偏向走査平面とは、ポリゴンミラー106により偏向された光束により形成される面のことをいう。
図2(a)の例は略扁平な六面体構造をした光学筺体1の底面の四隅をねじ等により締結した場合の例で、実線で示した温度上昇前の状態が、熱変形により破線で示したように変形し、図中左右端部の締結部はほとんど動かず、筺体中央部が上に凸に湾曲したように変形する。
図2(b)の例は光学筺体1の底面の四隅とその中間点の6箇所をねじ等により画像形成装置の本体構造部に締結し固定した場合の例で、実線で示した温度上昇前の状態が、熱変形により破線で示したように変形し、本体構造部に対する固定部(締結部ともいう。)である四隅と中間点はほとんど動かず、締結部から離れた部分が上に凸に変形する。
このような光学筺体の変形が生じると内部に収納されている光学素子である走査光学素子やミラーはその配置位置が変化する。特にミラーの場合は傾きが変化すると、反射系のためミラーの傾きの変化の倍の変化してしまう。レンズのように透過する場合はレンズ自体のパワー(屈折力)は変化しないため光路変化への影響は比較的小さいが、ミラーの場合は角度変化がそのまま光束の光路変化になるため、偏向光束の光路に対する影響が大きい。
走査光学素子を構成するアナモフィックレンズ(最も被走査面側に配置される)122、123、124、125は、偏向器前のシリンダレンズ113、114、115、116との組み合わせにより面倒れ補正光学系を構成する。よって、副走査方向のパワー(屈折力)が他のレンズより強いパワー配置となるため、アナモフィックレンズの副走査方向の光線通過位置の変化は他の光学素子に比べ影響が大きく、走査線の曲がりを発生させる。
そして、アナモフィックレンズも光学筺体1の変形によりその配置位置は変化し、これによってもアナモフィックレンズの副走査方向の光線通過位置は変化してしまい、走査線の曲がりを発生させてしまう。
図3にてその関係を示す。図2(a)に示したように光学筺体1が変形する場合、ミラーは光学筺体1内で実線で示す状態211から破線で示す状態212にその配置角度が傾き角変化量Δθ変化する。同様に、アナモフィックレンズも実線で示す状態213から破線で示す状態214にその配置位置が偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)に変化量ΔZシフトする。ここでいう偏向走査平面とは、各偏向光束がレンズ及びミラーに入射する際に形成する面のことを指す。なお、図3ではミラー及びアナモフィックレンズの変化がわかりやすいように誇張して図示している。
傾き角変化量Δθというミラーの傾き角の変化の影響を小さく抑えるためには、光路を変えられた光束が以降の光学素子に入射する際、変形する前(位置が変化する前)の状態で入射すればよく、そのためには、以下の式を満足するように構成すればよい(請求項1)。
ΔZ=L × 2・Δθ
但し、
ΔZ:アナモフィックレンズ(最も被走査面側に配置される光学素子)の配置位置の偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)への変化量
L:ミラーとアナモフィックレンズ(最も被走査面側に配置される光学素子)との間隔
Δθ:熱変形による偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)に対するミラーの傾き角変化量
とする。
しかし、実際に光学筺体を上記の式を満足するように構成することは困難である。そこで上記関係からのずれ(アナモフィックレンズ上の光線通過位置ずれ量:M)と走査線の曲がりとの関係を次式で求めた。
M=| L × 2・Δθ − ΔZ |
アナモフィックレンズに入射する位置のずれ量Mの異なる光学筺体(#1乃至#5の5種類)の感光体上でのビームの走査位置(像高)を表1及び図4に示す。
Figure 2008026746
このとき、上式におけるM値と走査線曲がり量との関係は表2のようであった。
Figure 2008026746
これらM値と走査線曲がり量の関係をプロットし図示したのが図5である。
図5からアナモフィックレンズ上の光線通過位置ずれ量(M値)と走査線曲がり量とは一次関数的な関係があることが判る。よって、この結果より、アナモフィックレンズ上の光線通過位置ずれ量の上限値を設定することができる。電子写真による画像形成装置が印刷機並みの画質を再現するためには、走査線曲がり量は50μm以下に抑える必要がある。よって、アナモフィックレンズ上の光線通過位置ずれ量の上限値を50μmとすると、下式が求められる。(請求項2)
M=| L × 2・Δθ − ΔZ | < 0.05
ここまで、ミラーの傾き角が光学筺体の変形により変化する時の許容条件について説明してきたが、光学的な変動をより低減させる方法としては、光学筺体の本体構造体への取り付け位置について考慮すればよい。図2にて光学筺体の変形について説明したが、そこでも説明したように光学筺体の締結部はほとんど動かず変形しにくい。このことより、ミラーの支持部近傍に光学筺体の締結部を設けるようにすると、ミラーの傾き角の変動を低減することができる(請求項7)。
なお、ここまでの実施例ではアナモフィックレンズで説明したが、アナモフィックミラーでも同様である。
次に、光学筺体内の発熱源である偏向器(ポリゴンミラーにモータを一体した構成)による熱による光学筺体への影響、及び内部に収納される光学素子への影響を小さくする方法を以下にて説明する。なお、本発明では光学筺体及びカバー部材の材質は樹脂製を対象とする。
図6(a)に樹脂製の光学筺体220内の偏向器215の発熱による熱の流れを示す。偏向器215で発生した熱は上昇し、上カバー216にあたり、上カバー216に沿って熱気流が発生する。そのまま熱気流は側壁217まで到達し、側壁217に沿って対流し、底板218に配置される不図示の光学素子(走査光学素子、ミラー、等)を熱する。このように熱が対流する理由は、光学筺体220が樹脂製であるため、熱は光学筺体には伝導しにくく空気中に熱が伝わってしまうからである。この熱により光学筺体220は温度上昇し、熱変形が発生するため、偏向器215の熱を効果的に放熱する必要がある。
一般的に金属は熱伝導率が樹脂よりも高いため、放熱板としてよく用いられる。しかし、どこに配置してもよいわけではなく、効率的に放熱するためには、光学筺体内の配置場所についても考慮する必要がある。
図6(b)に偏向器215の上方、上カバー216の下面に金属部材219を配置した場合の模式図を示す。このように金属部材219を配置した場合は、偏向器215より発生した熱は上昇した後、金属部材219を温める。金属部材219に熱を奪われた空気は自然と下方向へと対流をはじめ、図中矢印で示すように偏向器215と金属板219との間で対流を起こすようになる。
この結果、内部に収納される光学素子に伝わる熱量は少なくなるが、偏向器215に熱は蓄積されてしまい、偏向器215自体の温度許容範囲を越えてしまい、寿命が短くなったり、最終的にはモータの焼きつきに至ってしまう。
これを避けるためには、図6(c)に示すように偏向器215の上方、少なくとも真上に金属部材が掛からないように避けて配置すればよい。図に示すように、偏向器215の熱は上昇し、上カバー216にあたり、上カバー216に沿って熱気流を発生させるが、偏向器215の上方から避けて配置した金属部材221にぶつかり金属部材221を温める。金属部材221に熱を奪われた空気は下方向へ対流するが、そこには熱源は配置されていないため、図6(b)におけるような熱の滞留は発生しない(請求項3)。
図6(d)に上カバー216を内側から見た図を示す。図示のように偏向器215の上方にあたる領域223には金属部材221は配置せず、領域223の周囲に金属部材221を配置する。偏向器215からの熱は上昇後、上カバー216にあたった後、同心円状に熱が伝わっていくため、図示の例では領域223を円形に囲むような金属部材221の配置としている。このようにすることにより、均一に熱を伝えることができる。しかし、必ず円形にする必要はなく、充分な表面と熱容量を有する体積にすれば形状は任意である。
さらに、図6(c)に示すように、金属部材221の一部222は上カバー216を貫通させ光学筐体220の外部に達する構成とすれば、光学筺体外へ放熱可能になり、さらに効果的である(請求項5)。
別の例として、図6(e)に上カバー216の外側に金属部材223を配置した構成を示す。この方式では、偏向器215の熱が上昇し上カバー216にあたり、偏向器215の上方、上カバー216の内側を温める。ここで温められた熱は上カバー外部に配置した金属部材223により外気に放熱される。
また、上カバー216内側に金属部材を配置した図6(c)に示した場合と同様に、金属部材の一部224で上カバー216を貫通させることにより、光学筺体内部の熱を外へ放熱することが可能になり、さらに効果的な放熱作用を得ることができる。但し、その場合も偏向器215の上方は避け、偏向器215上方以外の部分で上カバー216を貫通させた構成にすることが必要である。このように構成すれば、偏向器215から上昇してきた熱は上カバー216にぶつかり、一部は上カバー216を通じてその上部に配置された金属部材223より放熱され、一部は上カバーに沿って対流し、貫通した金属部材224にぶつかり、それを通じて光学筺体216の外部へ放熱される(請求項4、6)。
なお、放熱用の金属部材219、221、224などは、上カバー216を構成する樹脂材料より熱伝導率が高い材料を用いることとする。
図7に、アナモフィックレンズ122、123、124、125の支持筐体の構成を示す。各アナモフィックレンズ122、123、124、125の支持筐体は共通の構成を有するので、ここではこれらのアナモフィックレンズ122、123、124、125代表としてのアナモフィックレンズ305についてその支持構造を説明する。
アナモフィックレンズ305は、樹脂製でレンズ部を囲うように副走査方向上に間隔をおいてリブ部306a、306bが形成され、これら各リブ部の主走査方向(長手方向)の中央部にはそれぞれ位置決め用の突起307a、307bが設けられ、さらに、該中央部の両側にも位置決め用の突起309a、309bが形成されている。
アナモフィックレンズを支持する剛体部材としての支持板301はアナモフィックレンズ305よりも剛性が高い材質からなり板金でコの字状に形成されている。この支持板301の側部に設けた側部立曲げ部には、アナモフィックレンズ305のリブ部に形成された突起307b及び突起309bと係合する切欠357、359が形成されている。
これら切欠357、359に、該突起307b、309bが係合され、かつ、リブ部306bの下面が支持板301の主走査方向両端近傍部で切り起こされた一対の立曲げ部310に突き当てられて位置決めされた上で、該立曲げ部310に対向する部位にて、コの字状をした一対の板ばね303によりアナモフィックレンズ305の上面と支持板301の下面とが挟まれる態様で板ばねの弾性力で付勢されてアナモフィックレンズ305が支持板301に支持されている。
ここで、立曲げ部310はアナモフィックレンズ305を主走査方向における両端近傍で副走査方向に支持する受け部であり、板ばね303の付勢力によりアナモフィックレンズ305の下面が立曲げ部310に確実に当接して保持される。なお、板ばね303はアナモフィックレンズ305を支持板301に重ね合わせた状態で外側よりはめ込まれ、下側端部を開口313から内側に出し開口314に挿入して固定されている。
支持板301には、一対の立曲げ部310の内側であって、アナモフィックレンズ305の主走査方向での両端側および中間部の3箇所に対応する位置にねじ穴312が形成されていて、これら3つのねじ穴312にそれぞれ調節ねじ308が板ばね302の中央部に形成された穴319を貫通して螺合されている。本例では中央部と端部の3箇所に調節ねじ308を配備しているが、中央部のみでも良い。
3つの各板ばね302は図8(b)にも示すように支持板301及びアナモフィックレンズ305の外側よりはめ込んで曲げ部318の庇部をアナモフィックレンズ305の下側のリブ部306bの内側に引っ掛け、また、曲げ部317の開口を突起307b、309bに係合させることで、板ばね302によって(1)調節ねじ308の先端に下側のリブ部306bの下面が当接し、(2)突起307b、309bが切欠357、359に当接するように付勢する。
このようにすることにより、調節ねじ308によりアナモフィックレンズ305に働く押圧力と、板ばね302により働く弾性力とが互いに逆方向に働くようにし微妙な調整が可能にしている。
図8はアナモフィックレンズの装着状態を光軸方向からみた図である。
アナモフィックレンズ305は両端を立曲げ部310の縁で、中央を調節ねじ308で支持され、調節ねじ308の突出し量が立曲げ部310に足りない場合には、アナモフィックレンズの母線360が下側に凸となるよう反る。逆に突出し量が超えると上側に凸に反る。従って、調節ねじ308を調整することによってアナモフィックレンズ305の焦線が副走査方向に湾曲され、走査線の曲がりを補正できる。
一般に、走査線の曲がりは光学系を構成する光学素子の配置誤差や成形時の反り等に起因し、これをキャンセルする方向にアナモフィックレンズ305を湾曲させることによって直線性を矯正すること、つまり、各走査線間の曲がりの方向と量を揃えることができる。
画像形成装置の機内温度変化が生じると、アナモフィックレンズ305は膨張または伸縮を生じる。その際に、アナモフィックレンズ305は板ばね303のばね力により両端部を固定されることにより、自由膨張または伸縮が妨げられ、その結果、引張応力または圧縮応力が発生する。板ばね302が無い場合には、この応力の発生によりアナモフィックレンズ305は上側または下側に反り、二次曲線状に走査線曲がりが発生する。
これに対しては、板ばね302と調整ねじ308の間に働く力により対応する。調節ねじ308によりアナモフィックレンズ305に働く押圧力と、板ばね302により働く弾性力が、上記引張応力または圧縮応力による反りの発生を打ち消す(板ばね303のばね力に打ち勝つ)強度にし、板ばね303で発生する摩擦力に打ち勝ち、アナモフィックレンズ305の膨張または伸縮を補助するように構成することにより、上記二次曲線状の走査線曲がりの発生を抑制することが可能になる。
別の解決方法としては、アナモフィックレンズ305の板ばね303と当接する部分を滑りやすくすることにより摩擦力を小さくし、引張応力または圧縮応力を小さくしてもよい。その方法としては、アナモフィックレンズ305の当接部位の面精度を上げる、硬度を上げる、潤滑材を塗布しておく、平滑性の良い部材を当接部位にインサートしておく、等により対応可能である。
尚、上記した調節ねじは基本的には中央部1箇所に配備すれば二次曲線状の走査線曲がりを補正することができるが、主走査方向に沿った複数箇所、例えば本例のように中央部と、中央部と立曲げ部310との中間の計3箇所に配備することにより、中央部の押圧力および弾性力と、両端部の摩擦力による引張応力または圧縮応力とによりM型やW型の曲がりが発生するような場合についても補正が可能となる。
図7、図8を参照するに、こうして、アナモフィックレンズ305を装着した支持板301は、その側部立曲げ部の両端エッジ322、323を当該光走査装置が収容される光学筐体1に設けられた支持手段380、381のそれぞれに形成された円筒面324、325に当接するように押圧手段としての板ばね326により押圧支持している。
ここで、円筒面とういうのは、円筒若しくは円柱における曲面からなる周面に沿う凹形の周面の意味である。板ばね326はその基端部に形成された取り付け穴326aが光走査装置を収容するハウジングと一体に形成された取り付け用の取り付け軸329に挿通され座面に密着させて適宜の手段で固定されている。
支持板301の一端側、本例では図における左側の端部にはアナモフィックレンズ305の光軸方向の位置決めを行うための係合部たる突起328が形成されていて、この突起328は支持手段380に形成された溝327(光軸方向に対向する壁間の空間からなる)に係合され、もう一方の端部には切欠321が形成されている。
切欠321には可動筒316が装着されている。この装着態様は、可動筒316の外周に形成された溝316aを切欠321の板厚部に係合させた状態となっている。この可動筒16には内部に送りねじ部(雌ネジ)が形成されていて、この送りねじ部には光走査装置を収容する光学筐体1に固定されたステッピングモータ315の回転軸先端に形成されたねじ315a(雄ねじ)が螺合されている。
これにより、ステッピングモータ315の駆動(回転)によって支持板301の一端側が副走査方向(アナモフィックレンズ305の高さ方向)に変位することとなり、ステッピングモータ315の正逆回転に追従してアナモフィックレンズ305は光軸と直交する面内で円筒面324、325に沿って回動調節でき、アナモフィックレンズ305の母線360が傾いて、アナモフィックレンズの結像位置としての走査線が傾けられる。
かかるステッピングモータ315、ねじ315a、可動筒316、切欠321等はアナモフィックレンズ305に作用して走査線の傾きを調整する走査線傾き調整手段を構成する。
すなわち、円筒面324、325は各々の中心軸Oが一致するように形成されていて、支持板301のエッジ322、323は中心軸Oを中心とした円筒面324、325に沿う形状をしており、板ばね326により対応する部分同士がそれぞれ当接するように支持されているので、上記のように、アナモフィックレンズ305は支持板301と共にステッピングモータ315の回転により副走査方向(アナモフィックレンズの高さ方向)に可変である。
このように、ステッピングモータ315の正逆回転に追従してアナモフィックレンズ305は光軸と直交する面内で中心軸O(図8参照)を回転中心とする回動により回動調節をすることができ、それに伴って副走査方向におけるアナモフィックレンズの母線が傾いてその姿勢を制御可能となり、アナモフィックレンズ透過後のビームスポット結像位置ずれを補正することができ走査線の傾き調整が可能となる。
中心軸Oは、アナモフィックレンズレンズ305の光軸eからみて少なくとも支持板301とは反対側に配置される。この際、中心軸Oと光軸eとが一致するよう配置すれば、トロイダルレンズ305を光軸中心に回転できる(請求項8)。
本例では、調節ねじ308は基準となる第4のステーションを含めた全てのステーションのアナモフィックレンズに配備され、製造時に基準となる走査線曲がりの方向と量に揃うように、その他のステーションの走査線を合わせており、この状態を保ったまま、上記した傾き調整を行うことができるようにしている。
図9は走査線傾き調整手段の別例を示している。支持板3154に取り付けられたステッピングモータ3150のモータ軸3151には平歯車G1と一体的に構成されたナット部3152が螺合されている。また、モータ軸3151には平歯車G2が固定されている。これら平歯車G1、G2にはそれぞれ2段歯車を構成する平歯車G3、平歯車G4が噛み合わされている。平歯車G3、平歯車G4は共通軸3153に固定されており、該共通軸3153は支持板3154及び該支持板3154と対向する支持板3155にそれぞれ軸支されている。
かかる構成は差動ねじ機構であり、ステッピングモータ3150を駆動すると、雄ねじ部を有するモータ軸3151とナット部3152の回転方向が同じになり、該ナット部3152に螺合する雄ねじによるねじ部は、ステッピングモータ3150の回転と共に回転するモータ軸3151の直接回転と、平歯車G2、G3、G4、G1を介しての駆動径路からの回転との差で進む。
平歯車G2、G3、G4、G1のギア比を適宜に設定することで、モータ軸3151とナット部の回転位相差を生じさせることができ、スラスト方向の微小な移動が可能である。ナット部3152はその外径部が軸状をしていて、支持板3155を嵌合貫通しその先端部は球面形状をしており、支持板301の下面に板ばね326の弾性で当接している。
よって、ステッピングモータ3150を正逆転することにより、ナット部3152を微小量進退させることができ、アナモフィックレンズ305の傾きを調整することができる。本構成は、図7、8等に示した可動筒316とねじ315aからなる走査線傾き調整手段に代えて用いることができ前記例による調整分解能と比較して一桁以上の調整分解能の向上を得ることができる。
また、走査線傾き調整手段は、本例のステッピングモータを両軸タイプとし、片側ねじ、片側に平歯車を取り付けねじとナットの位相差を設ける2段歯車の軸受け部を光学筐体1一体構成することにより省スペース化を図ることができる。
図1において、画像記録領域の走査開始側(感光体ドラムの軸線方向上の手前側)および走査終端側(感光体ドラムの軸線方向奥側)には、フォトセンサを実装した基板138、139、140及び141が配備され、各ステーションにおいて走査されたビームを検出する。本例では、基板138、140は同期検知センサとなし、この検出信号を基に各々書き込み開始のタイミングをはかるよう共用している。
一方、基板139、141は終端検知センサをなし、同期検知センサとの検出信号の時間差を計測することで走査速度の変化を検出し、検出された走査速度の変化に対して、各LDを変調する画素クロックの基準周波数を反比例倍して再設定することで、各ステーションによって記録された画像の転写ベルト105上での全幅倍率を安定的に保持することができる。
また、これらの中のいずれかのセンサを図10に示す主走査方向(図中の左右方向)に垂直なフォトダイオード152と非平行なフォトダイオード153とで構成することにより、フォトダイオード152からフォトダイオード153に至る先行ビームの所要時間tと後行ビーム同所要時間時間t'との時間差Δtを計測することで、光ビームの副走査位置のずれΔyを検出できる。 註:図10も併せてご確認ください。
副走査位置のずれΔyはフォトダイオード153の傾斜角γ、光ビームの走査速度Vを用いて、
Δy=(V/tanγ)・Δt
で表され、実施例では、Δtが常に一定となるように、後述する光軸偏向手段を用いて保持することにより、各色画像の副走査レジストがずれないようビームスポットの照射位置を制御することができる。
さらに、上記センサを走査開始側と走査終端側のいずれにも配備するようにすれば、これらセンサはビームスポット位置ずれ検出手段を構成し、各端でのビームスポットの副走査位置ずれの差、つまり走査線の傾きを検出できる(請求項8)。
図11は、光源ユニット107、108、109及び110の斜視図を示す。これら全ての光源ユニットは同一構成である。
LD501、502およびカップリングレンズ503、504は、各色走査手段毎に射出軸に対して主走査方向に対称に配備され、LD501、502はパッケージの外周を嵌合して各々ベース部材505、506に裏側より圧入される。
そして、ホルダ部材507の裏面に、各々3点を表側から貫通したねじ515を螺合して当接させて保持し、カップリングレンズ503、504はホルダ部材507に相反する方向に開くよう形成したV溝部508、509に外周を突き当て、板ばね510、511により内側に寄せてねじ516で固定される。なお、上記例では板ばねにより固定しているが、紫外線硬化型の接着剤等によりカップリングレンズを接着固定してもよい。
この際、LD501、502の発光点がカップリングレンズ503、504の光軸上になるようベース部材505、506の当接面(光軸に直交する面)上での配置を、また、カップリングレンズ503、504からの射出光が平行光束となるようV溝上(光軸上)での位置を調節して固定している。
各々の射出光の光軸は射出軸に対して互いに交差する方向となるよう傾けられ、本実施の形態ではこの交差位置をポリゴンミラー106反射面の近傍となるように支持部材としてのプリント基板512の傾斜を設定している。
各々の射出光の光軸は射出軸に対して互いに交差する方向となるよう傾けられ、実施例ではこの交差位置をポリゴンミラー反射面の近傍となるように支持部材の傾斜を設定している。
駆動回路が形成されたプリント基板512はホルダ部材507に立設した台座にネジ固定により装着し、各LD501、502のリード端子をスルーホールに挿入してハンダ付けすることで光源ユニット107乃至110が一体的に構成される。
光源ユニットは、当該光走査装置を収容するハウジングの壁面に高さを異ならしめて形成した係合穴に各ホルダ部材507の円筒部513を挿入して位置決めし、当接面514を突き当てて、ねじ止めされる。この際、円筒部513を基準として傾け量βを調整することで、ビームスポット間隔を記録密度に応じた走査ラインピッチPに合わせることができる。
次に、図12を用い、書込制御回路の動作について説明する。
まず、画素クロック生成部401であるが、カウンタ403では、高周波クロック生成部回路402で生成された高周波クロックVCLKをカウントし、比較回路404ではこのカウント値と、デューティ比に基いてあらかじめ設定される設定値L、および画素クロックの遷移タイミングとして外部から与えられ、位相シフト量を指示する位相データHとを比較し、カウント値が上記設定値Lと一致した際に画素クロックPCLKの立下りを指示する制御信号lを、位相データHと一致した際に画素クロックPCLKの立上がりを指示する制御信号hを出力する。この際、カウンタ403は制御信号hと同時にリセットされ再び0からカウントを行なうことで、連続的なパルス列が形成できる。
こうして、1クロック毎に位相データHを与え、順次パルス周期が可変された画素クロックPCLKを生成する。
本例では、画素クロックPCLKは、高周波クロックVCLKの8分周とし、1/8クロックの分解能で位相が可変できるようにしている。
図13は、1/8クロックだけ位相を遅らせた例を示している。
デューティ50%とすると設定値L=3が与えられ、カウンタ403で4カウントされ画素クロックPCLKを立ち下げる。1/8クロック位相を遅らせるとすると位相データH=6が与えられ、7カウントで立上げる。同時にカウンタがリセットされるので、4カウントで再び立ち下げる。つまり、隣接するパルス周期が1/8クロック分縮められたことになる。
こうして生成された画素クロックPCLKは、図12に示す光源駆動部406に与えられ、画素クロックPCLKを基準に、画像処理部405により読み出された画像データを各画素に割り当てて変調データを生成し、LDを駆動する。
このように位相をシフトする画素を所定間隔で配置することによって、走査方向に沿った部分的な倍率誤差の歪を補正することができる。
本例では、図14に示すように主走査領域をa〜hの複数の区間に分割し、分割区間毎に位相をシフトする画素の間隔とシフト量を以下に示す如く設定し位相データとして与えている。これにより主走査に沿ったビームスポットの位置ずれを折れ線で近似したのと同様に補正される。
いま、主走査位置xに対する倍率の変化をL(x)とすると、ビームスポット位置ずれの変化M(x)はその積分値で表される。
M(x)=∫L(x)dx
分割区間の始点と終点でビームスポット位置ずれが0となるように補正することを想定すると、任意の分割区間の倍率の変化に伴う分割区間幅のずれをΔm、位相シフトの分解能をσ(一定)、分割区間内の画素数をnとすると、位相をシフトする画素の間隔は、
D≒N/(Δm/σ) 但し、Dは整数
で示され、D画素毎にσずつ位相をシフトすればよい。上記実施例では、σは1/8画素となる。
従って、この場合、分割区間のちょうど中間位置でビームスポット位置ずれ残差が最大となるが、この残差が許容範囲内となるように各分割位置、分割区間の数を決めてやればよい。
一般に、各色画像の重ね合わせ精度は、転写ベルト105上に形成したトナー像の検出パターンを読み取ることで、主走査倍率、副走査レジスト、走査線の傾きを基準となるステーションからのずれとして検出し、定期的に補正制御が行なわれている。
補正制御は、例えば、装置の立ち上げ時やジョブ間等のタイミングで行ない、1ジョブのプリント枚数が多くなる場合には、その間の温度変化によるずれを抑えるために、途中で割り込みをかけて補正がかけられる。
色ずれ検出手段は、図1において、照明用のLED素子154と反射光を受光するフォトセンサ155、および一対の集光レンズ156とからなり、本例では、左右両端2ヵ所に配備され、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのトナー像を主走査方向から約45°傾けて、所定ピッチで並列させたシェブロンパッチと呼ばれるラインパターン群1410を形成し、転写ベルト105の移動に応じて基準色であるブラックとの検出時間差を読み取っていく。
図15は、その一例を示すが、転写ベルト105の移動に沿って検出ライン上のトナー像を読み取る。紙面上下が主走査方向、左右方向が副走査方向に相当し、左からイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順に形成したラインパターンにより、基準色であるブラックとの検出時間差tky、tkm、tkcの理論値との差より各色の副走査レジストを、また、傾け角の異なる一組のラインパターンの検出時間差tk 、tc、tm、tyの理論値との差より各色の主走査レジストのずれを求める。
走査線の傾きずれについては、両端の副走査レジスト差より求め、前記した走査線(アナモフィックレンズ)の傾き調整手段を駆動し補正する(請求項12)。
副走査レジストについては、各検出値の平均より求め、ポリゴンミラー1面おき、つまり1走査ラインピッチPを単位として副走査方向における書出しタイミングを合わせる。
さらに、昨今のカラー画像への要求品質の高まりに伴い1走査ラインピッチP以下の精度でレジストずれを合わせる必要があるため、後述する光軸変更手段を用いて照射位置を微調整することで、トナー像によって検出された副走査レジストずれのうち、書出しタイミングによって補正できない1走査ラインピッチP以下の余分をも補正できるようにし、照射位置の基準値(初期値)を設定する。
一方、ページ間においては、図10に示したフォトダイオード152、153を用い、画像記録中に蓄積された計測値を基に設定された基準値との差分をフィードバック補正することにより、次のトナーパッチでの定期補正時期まで、基準値を安定的に保つことができる。尚、この基準値は一定値である必要はなく、例えば、転写体の速度変動に対応して周期的に変化する値としてもよい。
主走査倍率については、両端の主走査レジスト差より求め、各LDを変調する画素クロックの基準周波数と同期検知信号からのタイミングを調整することで、画像の全幅と書出し位置を揃える。
ページ間においては、上記したように同期検知信号と終端検知信号との検出時間を基に、倍率変化を常に監視し、温度変化があっても全幅が変化しないように基準周波数を補正するとともに、中間像高においても倍率の歪みが生じないように、あらかじめ、温度変化に伴って生じる各分割区間毎の倍率変化を予測して重み付けられた位相データを、全幅倍率の可変量に対応してデータテーブルより読み出し、主走査方向の全域に渡って倍率が均一になるようにしている。
図16は図14で示した各分割区間a〜hにおける温度に対する倍率の変化を示すが、全幅の倍率変化に比例して変化しており、全幅倍率の計測値を基に各分割区間の倍率変化に分配できる。
このように、本例では、トナー像検出による定期的な補正に加え、ジョブ中の変動を監視し、ページ間でも補正をかけることで、ジョブ中においてもわざわざプリント動作を中断することなく各色画像の重ね合わせ精度が保たれるようにしている。
図17には光軸変更手段である液晶偏向光学素子150の斜視図を示す。液晶偏向光学素子150は上下の電極150a、150b間に電位差を与えることで液晶の配向が変化し、図示するように屈折率分布が発生されて光線を屈曲させることができる。
光軸変更手段としては、このような液晶偏向光学素子以外にも、非平行平板を回転させたりガルバノミラーを用いたりしても同様の効果を得ることができる。
近年、高密度化達成のためにLDの発振波長の短波長化が成されてきている。被走査面上のビームスポット径は光源の波長に比例するため短波長化によりスポット径が小さくなり高密度画像が可能になる。
従来、一般に波長780nmのLDが広く使われてきたが、上記目的のため波長430nm以下のLDが使われ始めている。例えば、405nm/780nm=0.55であり、約1/2に小径化することが可能になる。
波長430nm以下のLDは、波長780nmのLDと構成材質が異なり、波長780nmのLDの構成材質は一般にAlGaAs系から構成されるが、波長430nm以下のLDはGaN系等から構成される。そのため、波長430nm以下のLDは、波長780nmのLDより発熱量が大きく、ドループ特性の劣化を引き起こしやすい。よって、LDの発振波長の短波長化(430nm以下)を実現するためには、LDの発熱量を小さくする必要がある。
LDの発熱量を小さくするためにはLDの発振出力を小さくすればよく、そのためには複数のLDを組み合わせたマルチビーム光源ユニットを構成すればよい。本例の場合は、2つの光源であるLDを組み合わせ2本の光束により感光体ドラムを走査しているため、1つの場合の半分の出力でよい。
マルチビーム光源ユニットとして、複数の光源(LD)で光源部を構成し、光源部を複数個組み合わせることにより、感光体上を走査する光束の数をさらに増やすことができる。これにより、画像形成装置の出力速度の向上を図ることができる。また、逆に出力速度を変えない場合は、偏向器の回転速度の低減を図ることができ、消費電力の低減、発熱量の低減、等環境に対し配慮した書込光学系を構成することが可能になる。
上記実施例では光源としてLDにより説明を行ったが、「複数の発光点をモノリシックにアレイ配列した半導体レーザアレイ」(LDA)を光源として用いる事により、同等の効果を得ることができる。複数の発光点から射出する発散光束を共通のカップリングレンズによりカップリングし、その組みを複数組合せ光源部を構成すればよい。また、光源として、「複数の発光点を2次元的にアレイ配列した面発光レーザアレイ」を用いマルチビーム光源ユニットを構成しても良い。
以上のようなマルチビーム光源ユニットを搭載することにより、マルチビーム光走査装置を構成することができる(請求項9)。
図18は前記光走査装置を搭載した画像形成装置の例を示す。
感光体ドラム901(感光体ドラム101、102、103、104が対応)の周囲には感光体を高圧に帯電する帯電チャージャ902、光走査装置900(図1に示した光走査装置が対応)により記録された静電潜像に帯電したトナーを付着して顕像化する現像ローラ903、該現像ローラ903にトナーを補給するトナーカートリッジ904、感光体ドラム901に残ったトナーを掻き取り備蓄するクリーニングケース905が配置されている。感光体ドラム901へは前記したようにポリゴンミラー106の1面毎の走査により複数ライン、図1の例では2ライン同時に画像記録が行われる。
画像形成ステーションは転写ベルト105の移動方向に並列され、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー画像が転写ベルト105上にタイミングを合わせて順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。各画像形成ステーションはトナー色が異なるだけで、基本的には同一構成である。
一方、記録紙は給紙トレイ907から給紙コロ908により供給され、レジストローラ対909により副走査方向の記録開始のタイミングに合わせて送りだされ、転写ベルト105よりカラー画像が転写されて、定着ローラ910で定着して排紙ローラ912により排紙トレイ911に排出される(請求項10、11)。
前記例では光走査装置を一体的に構成したが、光走査装置を各色に対応した別体として構成してもよいし、光走査装置を2体として構成してもよい。
このような構成とすることにより、感光体が1つだけのタイプの画像形成装置、すなわち4色に対応して4回の書き込みが必要な画像形成装置と比較して、4倍の速度で画像を形成することが可能となる。
さらに本発明の画像形成装置と電子演算装置(コンピュータ等)、画像情報通信システム(ファクシミリ等)等とをネットワークを介し接続通信することにより、1台の画像形成装置で複数の機器からの出力を処理することができる情報処理システムを形成することができる。また、ネットワーク上に複数の画像形成装置を接続すれば、各出力要求から各画像形成装置の状態(ジョブの混み具合、電源が入っているかどうか、故障しているかどうか等)を知ることができ、最も状態の良い(使用者の希望に一番適した)画像出力装置を選択し、出力を行うことができるようになる(請求項13)。
画像形成装置に、以上に述べた光走査装置を搭載することにより、カラー画像形成装置ではジョブ中に発生する色ずれや色変わりの対策として行っている照射位置のずれ補正工程(レジストずれ検出パターン作成〜補正、再度検出パターン作成〜補正チェック)を行う回数を低減することが可能になる。それにより生産性の向上が図れ、検出パターンを形成する回数も減るため、ずれ補正工程によりトナーが消費される回数を減らすことができる。よって、消費電力の削減や消耗品の消費量の抑制を図れることができ環境に対応することができる。
請求項1〜2、7に記載した構成により、温度変化時における光学筺体の変形に伴うミラーの傾き角(偏向走査平面と直交する方向に対する傾き角)の変化や、走査光学素子(結像レンズや結像ミラー)の配置位置の偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)の変化に伴う走査線の曲がりの発生、及び走査線曲がりの変動を低減できる。
走査線曲がり、および走査位置変動のばらつきを低減することにより、走査位置ずれの補正回数が低減し、検出パターン形成時のトナー消費量も抑えることができる。また、補正回数を低減することにより、補正に要していた時間を少なくし生産性の向上を図ることができる。
請求項3〜6に記載した構成により、回転多面鏡の回転に伴い発生する発熱量による光学筺体内の光学素子の温度上昇、及び光学筺体の変形により発生する走査線曲がり、及び走査線曲がりの変動を低減できる。
請求項8に記載した構成により、ビームスポット位置ずれ補正を行い、画質の向上を図ることができる。
請求項9に記載した構成により、複数の光束で同時に被走査面を走査し、偏向器の回転速度を下げ、偏向器による消費電力を低減し、発熱量を下げることができる。
本発明の光走査装置を画像形成装置に搭載することにより、色ずれの少ないカラー画像形成装置を提供できる。また、ネットワーク通信機能を有することにより、複数の機器からの出力を処理することができる情報処理システムを形成することができる。
転写ベルト上方に配置された光走査装置の概略斜視図である。 (a)、(b)共、光学筐体の熱変形の状態を模式的に示した図である。 光学筺体の変形に伴うアナモフィックレンズの変位による走査線の曲がりを説明した図である。 5つのサンプル(光学筐体)上のレンズへの入射ビームのずれ量Mと走査位置(像高)との関係をグラフ化した図である。 5つのサンプル(光学筐体)上のレンズに入射する位置のずれ量とレンズへの入射ビームのずれ量Mの関係をグラフ化した図である。 (a)乃至(c)、(e)は光学筺体内の偏向器発熱による熱の流れを示した図、(d)は光学筐体における金属部材の分布状態を示した図である。 アナモフィックレンズとこれを支持する支持板などを示した斜視図である。 (a)はアナモフィックレンズ及びこれを支持する支持手段の部分断面図、(b)は(a)のA−A断面図である。 走査線傾き調整手段の別例を説明した差動ねじ機構の部分断面図である。 光ビームの副走査位置のずれを検出するセンサの検知原理を説明した図である。 光源ユニットの分解斜視図である。 制御ブロック図である。 1/8クロック位相を遅らせたタイミングチャートである。 走査方向に沿った部分的な倍率誤差の歪みを補正する方法を示した図である。 主走査、副走査の各レジストずれを検出する方法を説明した図である。 主走査領域の複数の区間の、温度に対する倍率の変化を示した図である。 光軸変更手段としての液晶偏向光学素子の斜視図である。 光走査装置を搭載したカラー画像形成装置の全体概略構成図である。
符号の説明
1 光学筐体
101、102、103、104 感光体ドラム
105 転写ベルト
106 ポリゴンミラー
107、108と109、110 光源ユニット
111、112 入射ミラー
113、114、115、116 シリンダレンズ
117、118、119 光軸変更手段
120、121 fθレンズ
122、123、124、125 アナモフィックレンズ
126〜128 折り返しミラー
138〜141 基板
150 液晶偏向光学素子
154 LED素子
155 フォトセンサ
156 集光レンズ
215 偏向器
501、502 半導体レーザ(LD)

Claims (13)

  1. 光源と、
    光源からの光束を偏向する偏向器と、
    偏向光束を被走査面上に光スポットとして結像させる結像光学素子と、
    偏向光束を被走査面に導くためのミラーと、
    これら光源、結像光学素子およびミラーを収納してなる筐体とからなる光走査装置において、
    最も被走査媒体側に配置される結像光学素子と偏向器との間に少なくとも1枚以上のミラーが配置され、
    環境変化時における筐体の変形に伴う、ミラーの偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)に対する傾き角の変化量と、最も被走査媒体側に配置される結像光学素子の偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)に対する変化量が、下式を満足することを特徴とする光走査装置。
    ΔZ=L × 2・Δθ
    但し、
    ΔZ:最も被走査媒体側に配置される結像光学素子の配置位置の偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)への変化量
    L:ミラーと、最も被走査媒体側に配置される結像光学素子との間隔
    Δθ:熱変形による偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)に対するミラーの傾き角変化量
    とする。
  2. 光源と、
    光源からの光束を偏向する偏向器と、
    偏向光束を被走査面上に光スポットとして結像させる結像光学素子と、
    偏向光束を被走査面に導くためのミラーと、
    これら光源、偏向器、結像光学素子およびミラーを収納してなる筐体とからなる光走査装置において、
    最も被走査媒体側に配置される結像光学素子と偏向器との間に少なくとも1枚以上のミラーが配置され、
    環境変化時における筐体の変形に伴う、ミラーの偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)に対する傾き角の変化量と、最も被走査媒体側に配置される結像光学素子の偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)に対する変化量が、下式を満足することを特徴とする光走査装置。
    | L × 2・Δθ − ΔZ | < 0.05
    但し、
    ΔZ:最も被走査媒体側に配置される結像光学素子の配置位置の偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)への変化量
    L:ミラーと、最も被走査媒体側に配置される結像光学素子との間隔
    Δθ:熱変形による偏向走査平面と直交する方向(副走査方向)に対するミラーの傾き角変化量
    とする。
  3. 光源と、
    光源からの光束を偏向する偏向器と、
    偏向光束を被走査面上に光スポットとして結像させる結像光学素子と、
    これら光源および光走査装置を収納してなる筐体とからなる光走査装置において、
    筐体を構成する材質は樹脂からなり、
    前記筐体は内部に配置される光学素子を密閉する樹脂製のカバーを有し、
    前記カバーの内側には偏向器上部を避けて金属部材が配されていることを特徴とする光走査装置。
  4. 光源と、
    光源からの光束を偏向する偏向器と、
    偏向光束を被走査面上に光スポットとして結像させる結像光学素子と、
    これら光源、偏向器および結像光学素子を収納してなる筐体とからなる光走査装置において、
    前記筐体を構成する材質は樹脂からなり、
    前記筐体は内部に配置される光学素子を密閉する樹脂製のカバーを有し、
    前記カバーの外側の少なくとも偏向器上部に金属部材が配されていることを特徴とする光走査装置。
  5. 請求項3に記載の光走査装置において、
    金属部材の一部はカバーを貫通して筐体外部に達していることを特徴とする光走査装置。
  6. 請求項4に記載の光走査装置において、
    金属部材の一部は偏向器上部を避けた部分においてカバーを貫通して筐体内部に達していることを特徴とする光走査装置。
  7. 請求項1又は2に記載の光走査装置において、
    ミラーの支持部近傍に筺体の固定部を有することを特徴とする光走査装置。
  8. 請求項1乃至7の何れかに記載の光走査装置において、
    ビームスポット位置ずれ検出手段を備え、その検出結果に基づき光学素子の姿勢を制御し、ビームスポット位置ずれ補正を行うことを特徴とする光走査装置。
  9. 請求項5乃至8の何れかに記載の光走査装置おいて、
    前記光源は複数の発光点を有し、被走査面を複数の光束が同時に走査するマルチビーム光走査装置であることを特徴とする光走査装置。
  10. 請求項1乃至9の何れかに記載の光走査装置が搭載されていることを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項10に記載の画像形成装置において、
    像担持体を複数有し、これらの像担持体に形成された静電像を各色トナーにより現像し、転写体上で重ね合わせてカラー画像を形成し、それによりカラー画像を形成可能にしたことを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項11に記載の画像形成装置において、
    色ずれ検出手段を備え、その検出結果に基づき光学素子の姿勢を制御し、色ずれ補正を行うことを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項10乃至12の何れかに記載の画像形成装置において、
    ネットワーク通信機能を有することを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010072186A (ja) * 2008-09-17 2010-04-02 Ricoh Co Ltd 保持機構、光走査装置及び画像形成装置

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