JP2008189983A - 小口径配管における残留応力低減方法 - Google Patents

小口径配管における残留応力低減方法 Download PDF

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Abstract

【課題】小口径配管内表面の引張残留応力を低減させる熱処理方法を提供する。
【解決手段】配管の残留応力低減対象箇所を所望の温度に加熱する手順と、冷却水を収容した密閉容器を加圧器8として加圧気体を供給して前記冷却水を加圧する手順と、前記所望の温度に加熱された配管対象箇所内部に、前記加圧された冷却水を、少なくとも該冷却水が前記加熱された配管対象箇所内面に接する箇所で膜沸騰を生じさせない流量、圧力で通流する手順とを有し、配管の残留応力低減対象箇所を所望の温度に加熱するために、配管の下方及び側方を囲む油容器23を設け、配管の加熱目標温度に調整した油を前記油容器23に供給する手順を備えた小口径配管内表面の引張残留応力低減方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶接又は曲げ加工により発生した配管の残留応力を低減するための熱処理方法に係り、特に小口径配管を対象とする技術に関する。
配管の溶接後又は曲げ加工後の残留応力を低減する代表的な方法として、特許文献1及び特許文献2が挙げられる。これらの特許文献には、配管内面に予め冷媒を存在させ、配管外表面を加熱して配管内表面と外表面に温度差を発生させ、内面を引張り降伏、外面を圧縮降伏させる熱処理方法が示されている。
また特許文献3には、配管内面に予め冷媒を存在させないで、配管内外面がクリープ温度領域の同一温度状態になるように所定時間加熱した後、前記配管内表面を冷媒で冷却する加熱冷却処理を行い、溶接部近傍又は曲げ加工近傍の残留応力を圧縮残留応力に変えることができる熱処理方法が示されている。前記熱処理方法には、配管外表面を加熱する加熱源と、該加熱源による前記配管の温度をクリープ温度領域で所定時間加熱制御する加熱源制御装置と、前記配管内面に冷媒を供給する冷媒供給装置と、前記所定時間加熱した後前記配管内面に冷媒を供給する熱処理制御装置とを有することを特徴とする熱処理装置を有する。
さらに特許文献4には、配管外表面を加熱し、同配管の残留応力を低減する手法が挙げられており、配管外表面を加熱する手段としてレーザを用いるという特徴を有する。
特開昭52−130409号公報 特開昭52−70914号公報 特開2005−320626号公報 特開2006−37199号公報
溶接等の熱、加工履歴に伴い発生した残留応力又は曲げ加工によって発生した引張り残留応力は、疲労強度の低下、応力腐食割れの発生及び進展の主要因となる。上記の損傷が危惧される部位の引張り残留応力を圧縮化または低減することにより、疲労、応力腐食割れによる損傷を抑制することが可能となる。
配管内表面に作用する引張り残留応力に対し、特許文献1及び特許文献2に代表される熱処理を施す技術は、予め冷媒を配管内面に存在させることが可能な大型配管で、ポンプ等の循環システムを有する配管系には有効であるが、薄肉の小口径配管では十分な効果を期待できない。
特許文献3の、配管を高温に保持した状態で、配管内表面を冷却水により冷却する場合、口径が小さく配管に供給される冷却水量が少ない小口径配管の場合、冷却水に対する入熱量が大きくなり、沸騰状態が膜沸騰となり、熱伝達率が激減する可能性がある。熱伝達率が減少すると、配管内外面の温度差が小さくなり、内外面での熱膨脹差が小さくなるため、残留応力の低減効果が減少する。また、管と管とが狭い間隔で隣接して設置された配管群(以下、集合管という)では、各配管の対象箇所にバンド型電気ヒータ等を均一に設置することが難しく、温度むらが生じ、残留応力低減効果がばらつく可能性がある。
特許文献4のレーザ照射による残留応力低減法は、前述のような配管群(集合管)においては、隣接する配管の干渉により適用が困難な場合が考えられる。
原子力プラントでは、原子炉廻りの高温配管では、オーステナイト系ステンレス鋼製の配管が採用されている。また、原子炉廻りの配管は狭い間隔で隣接して設置することが多い。ここでいう小口径の配管は、外径が77mm以下、肉厚が8mm以下程度のものである。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、その課題は、小口径配管を対象として残留応力低減のための処理を行う際の、残留応力低減効果の向上と施工効果のばらつき低減を図ることにある。
本発明は、配管の残留応力低減対象箇所を所望の温度に加熱する手順と、冷却水を収容した密閉容器に加圧気体を供給して前記冷却水を加圧する手順と、前記所望の温度に加熱された配管対象箇所内部に、前記加圧された冷却水を、少なくとも該冷却水が前記加熱された配管対象箇所内面に接する箇所で膜沸騰を生じさせない流量、圧力で通流する手順とを有してなる、小口径配管内表面の引張残留応力低減方法により上記課題を達成する。
配管溶接部近傍の残留応力低減対象箇所を所望の温度に加熱した後、前記対象箇所の配管内面に加圧した冷却水を通流させ、前記対象箇所の配管内面を冷却する。前記対象箇所の配管内面では、配管の熱により冷却水が加熱され沸騰するが、沸騰状態が膜沸騰にならないような冷却水の流量、圧力を維持することで、配管内面から冷却水への熱伝達率の低下が避けられる。これで、配管内面の冷却効率を高い値に維持し、配管内外面の温度勾配を大きくし、配管内表面に作用する引張残留応力の低減能力を向上させることが可能になる。
配管内に通流する冷却水の水源として、加圧気体で内部を加圧される密閉容器を用いることで、冷却水通流のためのポンプやそのための電源設備の仮設が不要になり、既設の配管設備への施工が容易になる。
また、前記対象箇所の配管を加熱するに際し、残留応力低減対象箇所を含む配管を浸漬させる油容器を設け、配管の加熱目標温度に調整した油を前記油容器に供給することで、施工箇所の配管を目標温度に加熱する。加熱された油を、配管を囲む油容器に満たすことで、配管が狭い間隔で配置されている場合でも、配管それぞれの周囲は加熱された油で覆われ、全体を均一な温度に加熱することが可能になる。均一温度に加熱後、前記引張残留応力の低減方法と同様の方法で、配管内に冷却水を供給することで、配管内表面に作用する引張残留応力を効率よく低減させることができる。
本発明によれば、配管溶接部近傍の施工箇所を均一温度に加熱した後の施工箇所の配管内表面冷却において、熱伝達率の高い沸騰状態として、配管内表面を冷却することが可能となる。これにより、配管内表面と外表面の温度差を効率よくもうけることが可能となり、集合管の配管内表面に作用する引張残留応力を低減させることができる。
また、本発明によれば、管と管とが狭隘に隣接する集合管の加熱においても、施工箇所の配管温度を均一に加熱することが可能となる。これにより、施工効果のばらつきを小さくすることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施例1に係る引張残留応力低減方法を実施する装置の要部構成の例を示す概念図である。図示の装置は、冷却水を収容し、該冷却水を加圧する密閉容器(以下、加圧器という)8と、引張残留応力低減対象の配管28を収容、浸漬するように設置される油容器23と、この油容器23に油配管31,32で接続され、加熱された油を油容器23に供給する加熱油供給装置22と、前記加圧器8と配管28の一方の端部をヘッダー管29を介して接続する冷却水供給配管14と、を含んで構成されている。なお、図1では、制御装置や電源などの細部は省略してある。また、配管28の他方の端部には、図示されていないが、冷却水回収用バルブを介装した冷却水回収用配管が仮設、接続されている。
加圧器8は、内圧に耐えられるよう構成された円筒形の容器で、上部に加圧用の圧縮空気供給配管34が接続され、圧縮空気供給配管34には、加圧バルブ9が介装されている。圧縮空気供給配管34には、エアコンプレッサ35が減圧弁を介して接続され、圧縮空気を供給できるようになっている。加圧器8の上部には、圧縮空気を大気に放出する開放バルブ10、加圧器8内部の圧力を計測表示する圧力計13が接続されている。また、加圧器8の上部には、冷却水取り入れバルブ36が介装されている冷却水取り入れ配管12が、加圧器8の底部には、冷却水供給バルブ11を介装した冷却水供給配管14が、それぞれ接続されている。さらに、加圧器内部の液面を表示する液面計(図示せず)が設けられている。
油容器23は、引張残留応力低減対象の配管28の下方及び側方を囲むように設置され、加熱用の油が満たされる。本実施の形態においては、既設の配管群に施工するため、詳細は省略したが上面が開放された組立式の容器となっている。油容器23には、上部に油供給用の油配管31,下部に油取り出し用の油配管32がそれぞれ一端を接続されるようになっている。油容器23の底部には又、油温計測用の温度計(図示せず)が取り付けられている。
加熱油供給装置22は、油を加熱する加熱器24と、一方の端部が加熱器24に接続された油供給配管30と、油供給配管30に、吐出側を加熱器24に向けて介装された油供給ポンプ25と、油供給ポンプ25の下流側の油供給配管30に介装された油バルブ26dと、加熱器24と前記油容器23をそれぞれ接続する油配管31,32と、油配管31に介装された油バルブ26aと、油配管32に吐出側を加熱器24に向けて介装された油循環ポンプ27と、油配管32の油循環ポンプ27下流側に介装された油バルブ26bと、一方の端部が油配管32の油循環ポンプ27と油バルブ26bの間に分岐して接続された油抜き出し配管33と、油抜き出し配管33に介装された油バルブ26cと、を含んで構成されている。
加熱器24は、内部に加熱源を内装した密閉筐体で、この筐体に前記油供給配管30、油配管31,32がそれぞれ接続されている。また、油供給配管30と油抜き出し配管33の各他端は、図示されていない油タンクに接続されている。
以下、上記構成の装置を用いて、対象配管の引張残留応力を低減する手順について説明する。
初期条件として、加圧バルブ9を全閉、開放バルブ10、冷却水回収用バルブを全開、冷却水供給バルブ11、冷却水取り入れバルブ36を全閉にしておく。また、油バルブ26a、26b、26c、26dは全閉にしておく。図1に示すバルブの開閉状態は、この時点での状態である。
まず、冷却水取り入れバルブ36を開き、加圧器8内部の液面が所定の位置になるまで、冷却水を取り入れる。加圧器8内部の液面が所定の位置になったら、冷却水取り入れバルブ36を閉じ、次いで開放バルブ10を閉じる。
次に、加圧バルブ9を開いて所定の圧力に減圧された圧縮空気を加圧器8内部に送り込む。この状態で、加圧器8内部の冷却水は所定の圧力に加圧され、冷却水供給バルブ11が開かれると、配管28に送り込まれるようになっている。
次に、油による配管28の加熱が行われる。まず、油バルブ26a、26b、26dが開かれ、油供給ポンプ25が駆動されて、加熱用の油が加熱器24、油配管31を介して油容器23に供給される。同時に、加熱器24が作動され、通過する油が加熱される。油容器23内の油面が所望の油面、つまり、処理対象の配管28が油で覆われる状態になったら、油供給ポンプ25が停止され、油バルブ26dが閉じられるとともに、油循環ポンプ27が起動される。
油容器23内の油は、油循環ポンプ27により駆動されて、油配管32、加熱器24、油配管31、油容器23を循環し、その過程で加熱器24で加熱されて昇温される。前記油温計で検出される温度が所望の温度を維持するよう、加熱器24の加熱量が制御される。油容器23内に供給された高温の油により、配管28の外表面温度が所望の温度になるまで加熱が継続される。配管28の外表面温度が所望の温度になったことを確認できるように、予め、配管28の外表面温度を測定する手段を設けておくのが望ましい。
配管28の外表面温度が所望の均一温度になったら、あるいは前記油温計の表示温度が所望の温度になってから、予め定めた時間経過したら、冷却水供給バルブ11を開く。冷却水供給バルブ11が開かれると、加圧器8内の冷却水は、圧縮空気の圧力に加圧されているため、常温のまま、冷却水供給配管14、ヘッダー管29を経て配管28に流入し、配管28を通過して前記冷却水回収用配管から流出する。このとき、加圧器8内の冷却水が流出するにつれて加圧器8内部の気体圧力が低下するが、気体圧力の低下につれて、減圧弁が動作して、エアコンプレッサ35から圧縮空気が加圧器8内に流入する。したがって、冷却水は常に同じ圧力で流出する。
配管外表面側から油で加熱され、外表面側が所望の温度に保持されている配管28は、配管内面を冷却水が流れることにより内面側が冷却される。このとき、配管内面は冷却水を沸騰させながら冷却されるが、沸騰状態が膜沸騰状態になると、配管内面から冷却水への熱伝達率が低下し、冷却が効果的に行われなくなる。本実施の形態では、冷却水流量が、配管内面の沸騰状態が膜沸騰状態にならないような流量、圧力になるように、前記加圧器8の内圧が設定されている。このとき、冷却水回収用バルブの開度を調整することにより、配管28内を通流する冷却水の流量、圧力を調整するようにしてもよい。
この結果、冷却水により配管内表面が常温まで冷却され、配管の内表面と外表面に温度差が発生する。
配管内表面を常温まで冷却するのに十分な量の冷却水がストックされた加圧器8は、集合管の内表面が常温になるまで冷却水を供給し、さらに、常温になった状態を予め定めた時間保持したのち加熱器24による油の加熱が停止される。集合管の内表面の温度の様子は、例えば冷却水回収用配管に流入する冷却水温度を測定することにより知ることができる。
加熱器24による油の加熱が停止されると同時に、冷却水供給バルブ11閉じられて冷却水供給が停止され、冷却工程が終了する。配管28の外表面と内表面に温度差を発生させることにより、配管28の溶接部近傍の内表面に作用する引張残留応力を低減する。
配管の内表面と外表面の温度差及び配管の肉厚により、配管の内表面と外表面の温度勾配が決まる。引張応力低減のために必要な温度勾配は既知であるから、前記所望の温度を配管28の肉厚に応じて設定することで、必要な温度勾配を得ることができる。
引張残留応力の低減作業が終了したら、油バルブ26bが閉止され、油バルブ26cが開かれ、油容器23の油は、油循環ポンプ27により油抜き出し配管33を経て、図示されていない油タンクに取り出される。
図3、図4に上記手順をフロー図で示す。ここでは据え付けられた前記図1に示す配管28を対象に引張応力低減を行う場合について述べる。
まず、配管28を囲む油容器23を設置する(手順1)。油容器23は、複数のパネルを組み合わせる組み立て式にしてある。
加圧器8を設置し、関連配管を接続する(手順2)。すなわち、冷却水源と加圧器8を冷却水取り入れバルブ36を介して接続する冷却水取り入れ配管12、ヘッダー管29と加圧器8を冷却水供給バルブ11を介して接続する冷却水供給配管14をそれぞれ設置する。配管28のヘッダー管29と反対側の端部に、冷却水回収用バルブを介装した冷却水回収用配管を接続する。また、エアコンプレッサ35を設置し、このエアコンプレッサ35と加圧器8を減圧弁及び加圧バルブ9を介して接続する圧縮空気供給配管34を設置する。
次いで、加熱油供給装置22を設置し、油容器23に、油配管31,32を接続する(手順3)。また、加熱用の油を収容した油タンクを設置し、この油タンクと加熱油供給装置22を、油供給配管30、油抜き出し配管33で接続する(手順4)。さらに、ポンプ駆動用の電源や加熱器24の電源、及び所要の制御装置を設置する(手順5)。
各バルブの開閉状態を所定の初期条件に設定する(手順6)。加圧器8に冷却水を供給して加圧する(手順7)。油供給ポンプ25を起動し、油タンクの加熱用油を加熱器24を経由して油容器23に供給し、同時に、加熱器24を作動させて通過する油を加熱する(手順8)。油容器23内の油面が所望の位置、つまり、処理対象の配管28が油で覆われる位置になったことが確認されたら(手順9)、油の供給を停止し、油を循環させながらの加熱に切り替える(手順10)。つまり、油供給ポンプ25が停止され、油バルブ26dが閉じられるとともに、油循環ポンプ27が起動される。
油温計が所望の温度を示したら(手順11)、加熱器24を制御してその温度を保持する(手順12)。予め設定された時間が経過したら(手順13)、冷却水供給バルブ11を開き、冷却水を配管28に通流させる(手順14)。配管内表面を常温まで冷却するのに十分な量の冷却水がストックされた加圧器8は、配管28の内表面が常温になり、さらに所定の時間が経過するまで冷却水を配管28に供給、通流させる。
配管内表面の温度が所望の温度条件になったかどうかが確認され(手順15)、所望の温度条件になってから設定された時間経過後(手順16)、加熱器24による油加熱が停止され、冷却水供給バルブ11及び冷却水回収用バルブが閉じられる(手順17)。次いで、油容器から油が抜き出されて油タンクに移送され(手順18)、加圧器8、油容器23、加熱油供給装置22などの仮設設備が撤去される(手順19)。
本実施の形態では、管と管とが狭隘に隣接する配管の加熱においても、施工箇所の配管温度を均一に加熱することが可能となる。これにより、施工効果のばらつきを小さくすることができる。
次に、本発明に係る残留引張応力低減方法の実施例2を、図2を参照して説明する。本実施の形態が前記実施例1と異なるのは、対象となる小口径配管が狭い間隔で、多数本、平行配列された集合管である点であり、他の構成は同じであるので、同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
本実施例においては、油容器23に満たされた加熱用の油に浸漬される配管は、原子力発電プラントの炉心部に接続される小口径配管で、この小口径配管は、一対のヘッダー管29を炉心の圧力管を介して連結するように配設された集合管である。図示されているヘッダー管に対応する他方のヘッダー管は図示されているヘッダー管の後方にある。すなわち、図2は、2対のヘッダー管を備えた集合管を示しており、油容器23は、図示の集合管全体を囲むように設置される。集合管の上部に示されたヘッダー管29の一方に、冷却水供給配管14が接続され、ヘッダー管29の他方には図示されていない冷却水回収用バルブを介装した冷却水回収用の配管が接続される。集合管を構成する小口径配管はオーステナイト系ステンレス鋼管で、外径77mm以下、肉厚8mm以下である。
図2では、2対のヘッダー管9の図上左側に示されたヘッダー管に接続された小口径配管に処理を行う場合が示されている。作業の手順は、前記実施例1について述べた手順と同様であり、説明は省略する。
本実施の形態では、2つのヘッダー管の間を連結する集合管に対して、一度の施工で、多数の集合管の施工対象箇所の配管内表面に作用する引張残留応力を低減することができる。
本発明の実施の形態に係る引張残留応力低減方法を実施する装置の実施例1の要部構成を示す概念図である。 本発明の実施の形態に係る引張残留応力低減方法を実施する装置の実施例2の要部構成を示す概念図である。 本発明の実施の形態に係る引張残留応力低減方法の手順の例を示すフロー図である。 本発明の実施の形態に係る引張残留応力低減方法の手順の例を示すフロー図である。
符号の説明
8 加圧器
9 加圧バルブ
10 開放バルブ
11 冷却水供給バルブ
12 冷却水取り入れ配管
13 圧力計
14 冷却水供給配管
22 加熱油供給装置
23 油容器
24 加熱器
25 油供給ポンプ
26a、26b、26c、26d 油バルブ
27 油循環ポンプ
28 配管
29 ヘッダー管
30 油供給配管
31、32 油配管
33 油抜き出し配管
34 圧縮空気供給配管
35 エアコンプレッサ
36 冷却水取り入れバルブ

Claims (3)

  1. 配管の残留応力低減対象箇所を外面側から所望の温度に加熱する手順と、冷却水を収容した密閉容器に加圧気体を供給して前記冷却水を加圧する手順と、前記所望の温度に加熱された前記残留応力低減対象箇所内部に、前記加圧された冷却水を、少なくとも該冷却水が前記加熱された配管対象箇所内面に接する箇所で膜沸騰を生じない流量、圧力で通流する手順とを有してなる小口径配管内表面の引張残留応力低減方法。
  2. 請求項1記載の小口径配管内表面の引張残留応力低減方法において、配管の残留応力低減対象箇所を外面側から所望の温度に加熱するに際し、前記残留応力低減対象箇所を含む配管の下方及び側方を囲む油容器を設け、少なくとも前記所望の温度に加熱した油を前記油容器に供給することで、前記残留応力低減対象箇所を含む配管を加熱することを特徴とする小口径配管内表面の引張残留応力低減方法。
  3. 請求項1または2記載の小口径配管内表面の引張残留応力低減方法において、前記小口径配管は、2つのヘッダー管の間を連通する複数の管からなる集合管であり、前記冷却水は、前記ヘッダー管を介して前記集合管に供給されることを特徴とする小口径配管内表面の引張残留応力低減方法。
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