JP2005240179A - 高周波加熱残留応力改善法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
原子力プラントにおける高周波加熱残留応力改善法の実施時において、適切なノズル構造・配置により配管内面温度の冷却性能を向上し、さらに温度計を設置して実機高周波加熱残留応力改善法(IHSI)施工時の冷却効果を確認するとともに、IHSI施工時の弊害となる空気を排除して、施工を高度化する。
【解決手段】
原子力プラントにおける高周波加熱残留応力改善法の実施時において、適切なノズル構造・配置により配管内面温度の冷却性能を向上し、さらに温度計を設置して実機IHSI施工時の冷却効果を確認するとともに、IHSI施工前に配管を加熱して、施工部の空気を排除する。
【選択図】図1


Description

本発明は、原子力プラントのPLR配管における高周波加熱残留応力改善法(以下
「IHSI」という。)に関する。
従来の二重金属のIHSIとしては(例えば特開平2−282428号公報)に記載された方法がある。この従来技術においては、環状隙間部に水流を交互に噴出させるとともに、環状空間部を取り巻くノズル外面を加熱し、ノズル壁に厚さ方向の温度差を付与し、残留応力を緩和している。
特開平2−282428号公報
従来の発明では冷却効果は向上するが、実機施工時において、冷却効果を確認することができない等の問題があった。特に狭い環状隙間部を有する再循環水入口ノズル(以下
「N2ノズル」という。)では、流体を噴射して、環状隙間部に流れを生じさせるのは極めて困難である。さらに、実機の配管面は、機器の性能,構造上問題とならない範囲で、わずかではあるが個々の配管により様々な凸凹を有していたり、外表面が真円でないことも考えられ、原子炉内での冷却ノズル装置を適切な位置へ設置するのは難しく、ノズルが環状隙間部の方向に向いていない可能性がある。そのため、噴流が十分に環状隙間部に流入しているか否か、実機において確認する必要があることは当然である。すなわち、実機IHSI施工時に配管内面の冷却効果を確認することは重要であるとともに、狭い環状隙間部に噴流を効率よく流入させる工夫も必要である。
従来の発明では、冷却効果を十分にとるために、多数の噴流ノズル,連結するための配管等、複数の機器が必要となる。原子力プラントでは、放射性廃棄物を極力低減する観点から、より合理化された装置が望まれる。すなわち、冷却効果を確認でき、効率的に環状隙間部に噴流を流入させれば、これら余分な機器を減数できる。
また、原子炉のPLR配管では、安全確保,リーク防止の観点から、フランジや空気抜きを設置することはできず、除染口等の閉止された停滞部では、空気が停滞し、IHSI施工時の水冷却ができなくなる可能性が有り、停滞した空気を排除する必要がある。空気の熱伝導率及び熱伝達率が極度に悪く、IHSI施工上の大きな弊害となるためである。このように停滞した空気は水流だけでは、取り除くことができず、IHSI施工の問題となっていた。
上記課題を解決するために、IHSI冷却装置に温度計を取り付けて除冷により昇温した流体温度を測定する。すなわち、流体ノズルからの噴射により、環状隙間部から流出する流体の温度を測定することにより、実機において冷却効果を確認することが可能となる。あらかじめ、流動解析や試験により、環状隙間部の流体温度分布(施工部の流体温度が特に重要)と環状隙間部から流出する流体温度の関係を求めておく。温度計で測定した温度が想定した所定の温度であれば、加熱面はノズルによる強制対流により冷却されていると考える。また、測定した温度が想定温度からずれていれば、ノズルによる強制対流は有効に働いていないと考える。例えば、図3に示したアルゴリズムによりIHSI施工を実施する。特に環状隙間部の流体が沸騰すると冷却が不可能となるため、環状隙間部の流体温度が飽和温度以下であることが重要である。
また、ノズルから供給する流量に応じて、環状流路から排出された流体温度に対する配管内面の最大温度あるいは温度分布を予測する特性グラフや関係図を整備しておけば、実機IHSI施工作業中に、配管内面の冷却効果が得られていることがすぐにわかるので、作業が適切であることがリアルタイムで明らかとなる。
また、冷却用ノズルを設置する周方向の位置と温度計の位置を適切に配置しないと、環状隙間部を流出する流体温度を測定できなくなり、想定した温度評価ができない可能性がある。この場合、高温の流体が流出する位置に熱電対等の温度計を設置する必要がある。そのためには、温度計の設置位置は冷却用ノズル設置位置と周方向にずれる必要がある。
以上は冷却効果の確認であるが、噴流を狭い環状隙間部へ効率よく流入し、確実な冷却効果を満足するためには、ノズルの形状等を検討する必要がある。
その方法の一つとして、円筒上部にノズルを設置した場合、ノズルを水平方向面内から内筒の周方向接線面(ノズルの噴流が環状隙間部に収まる範囲)において、円筒中心線
(上端と下端を結ぶ線)方向にノズルを傾ける手法がある。傾けることにより、ノズルから噴射する冷却材の領域が環状隙間部の中心に移動することができるとともに、両噴流の干渉により乱れが増幅する。実機大のモデル試験を実施した結果、9°傾けると最適であった。
さらに、円筒に近接した構造物にノズルを設置するのではなく、構造物自体に冷却材噴出用の穴を開けて、その穴から噴流を出す。この場合、速度を増加するために、穴には絞り部が必要である。
また、環状隙間部内にノズルの先端を挿入すれば、噴流を確実に環状隙間部へ流入することができ、冷却効果を高めることができる。
また、環状隙間部が特に狭い場合、内筒に沿ってシール機構を有する構造物(パッド)を覆い、内筒の外表面に沿って設置された構造物(パッド)と内筒外表面の間に形成された流路に沿って冷却材を環状隙間に流入させ、冷却効果を促進させた方法も望ましい。この場合、内筒外表面に沿った流れが形成されるため、狭い環状隙間部においても流れを生じさせることが可能となる。
また、吸い込み流を用いると、噴流のように局所的な流れにならないため、安定した冷却効果が期待できる。また、PLRポンプの回転数変化やバルブの開閉度の変化を用いて、流量及び圧力を変動させることにより、冷却効果を向上することも可能である。
更に、IHSIを行う場合の空気を取り除く方法として、本発明では以下の手段を実施する。空気を取り除く必要性の最も高い部位は除染口である。通常、空気等の不凝縮ガスは密度が軽く、管の上部に停滞しているため、水流で取り除くことは不可能である。本発明では、以下の手順で空気を排除することを実現した。水流を停止もしくは小流量で流し、配管を外部から加熱する。配管内の水が飽和温度に達すると、水が蒸発し蒸気となる。蒸気の密度は空気より軽く、上部に停滞した空気は蒸気に徐々に押し出される。水が蒸発すれば、体積は約1000倍となるため、空気は容易に押し出されることとなる。その結果、除染口は蒸気で満たされる。次に、加熱をやめ、冷却を開始すると蒸気の温度は低下し、凝縮し始める。蒸気は温度低下すると、全て水に状態変化するため、除染口内は水で満たされる。以上の結果、非凝縮性ガス,空気等は完全に除染口内から排除できた。そして、IHSI施工を実施することにより、除染口等の停滞部の空気を完全に排出することが可能となる。IHSI施工時と空気排除時では水流の速度が異なる。IHSI施工時は沸騰を抑制して、配管内面を冷却するため、極力高い流量が必要であるが、空気排除時では、沸騰させるため、流量は0もしくは低流量である必要がある。除染口前後にはバルブが備わっているため、バルブを利用して、空気排除時は、密閉もしくは、幾分閉めて加熱したほうが望ましい。以上のように、本発明は空気及び蒸気の物性値及び蒸気の状態変化をうまく利用することにより、課題を解決した。
本発明の適用により、実機IHSI施工時の内面冷却を確保でき、PLR配管溶接部の残留応力を確実に緩和できるため、より確実なIHSI施工を行うことが実現できる。
本発明の高周波加熱残留応力改善法の配管冷却手法を図1を用いて以下に説明する。図1は本発明及び再循環水入口の構造図である。再循環水の入口は、N2ノズル1とその内部のサーマルスリーブ2,サーマルスリーブに結合したジェットポンプのライザ管3で構成されている。再循環水入口ノズルの溶接部4では、IHSIの施工により残留応力を緩和することができる。その結果、原子力プラントの安全性を高めることができる。IHSIは配管外表面に設置されたヒータ5により、配管外表面を加熱し、配管内部の水により配管内面を冷却し、配管断面の温度勾配により残留応力を改善する手法である。単純な直管では、配管内面は十分に水冷され、問題となることは無い。しかし、再循環水入口ノズルの溶接部の配管内面の環状隙間部6では、流れが停滞するため、配管外からの加熱により流体温度が上昇し、配管内面を十分に冷却できないと考えられる。そのため、本発明では、ヘッダタンク7に設置された少なくとも一つ以上のノズル8を環状隙間部の方向に向けて冷却水を噴出し、加熱された配管内面を冷却している。本発明では、流体温度を測定するため、少なくとも一つ以上の温度計9を設置するが、ノズル8を水平方向に2個、温度計9を上部に、位置をずらしてそれぞれ設置している。冷却水は炉外に設置した循環ポンプ10により駆動され配管11を通じて、ノズル8から噴出する。図1の矢印に示すように、水平方向(3時及び9時方向)に設置したノズル8の噴流は溶接部に向かって噴出され、環状隙間部の上側と下側(0時と6時方向)から炉内へ流出する。流れの方向を考慮すると、これらの領域線は、環状隙間部より外側(環状隙間部外周と45°及び135°の線が交わる点)からは、その交わる点から上部(上側)へ延びる線上で区別される。さらに、温度計9を冷却装置に設置すると、新たな温度計を設置するための構造や炉内を誘導するための装置が不要となる。また、ノズル設置位置を前面とすると、冷却装置の背面、もしくは側面、もしくは下面に設置すると、環状隙間流から流出した流れが横切り易くなる。前面でも、環状隙間部の上端より高い位置なら問題ない。また、RPV内で測定しても問題ない。
図4に本発明の実施例のIHSI施工ステップを示し、以下、そのステップを説明する。
(ステップ100)IHSIを開始する。
(ステップ101)後述するように環状隙間強度分布と流出流体温度の関係を導出する。
(ステップ102)IHSI用のノズルを実機に設置し、ノズル位置を微調整,流量調整を行う。
(ステップ103)実機へのIHSI施行時に流出する流体温度測定を温度センサにより行う。
(ステップ104)温度センサにより測定した流出する流体温度から環状隙間部温度分布を電子計算機により演算し、想定する。
(ステップ105)環状隙間部温度が所定温度(流体飽和温度)以下であるかを電子計算機により演算し判定を行う。また、ステップ105において、所定温度以下になっていない指令はステップ102に戻り、ノズル位置を再度に微調整,流量調整を行いIHSIを施工する。
(ステップ106)ステップ105において、環状隙間部温度が所定温度以下の状況で
IHSIが施工されていることを確認して、その場合にIHSIを終了する。
図2に、この時の環状隙間部の温度分布を示す。自然対流により高温の流体は環状隙間部の上部に、低温の流体は下部に移動する。特に、環状隙間部上部の奥の領域に高温水が停滞している。そのため、図1のような流れが生じると、ヒータで加熱されて昇温した高温水が上部に設置した温度計を横切ることになる。図1の想定した流れが生じなければ、高温になった水は温度計を横切らない。そのため、温度計で測定する温度の値からヒータ部に生じる流れが想定でき、冷却効果の確認ができる。詳細には、あらかじめ、流動解析やモデル試験により、環状隙間部の温度分布と環状隙間部から流出する流体温度との関係を求めておくことにより、高精度な評価が可能となる。もちろん、ノズルから供給する流量に応じて、環状隙間部から流出する流体温度から配管内面の最大温度あるいは温度分布を予測できる特性グラフを整備しておくのも良い。
また、前述した本発明のIHSI施工を行うにあたり必要な環状隙間部温度分布と流出流体温度の関係を導出するために、図4に示した処理を予め行う。以下そのステップを説明する。
(ステップ200)環状隙間部温度分布と流出流体温度の関係の導出を開始する。
(ステップ201)実際のIHSIを施工する機器と同一のモックアップを作成する。
(ステップ202)ステップ201で製作したモックアップに水流を与えるノズル,水圧,水量、及び温度計等の各種センサを取り付ける。
(ステップ203)モックアップを試験槽に設置する。
(ステップ204)モックアップに水流を流し、IHSIを施工する。
(ステップ205)モックアップの各所の温度,水流の温度、更に各種の測定条件、例えば、水流の水圧,ポンプの圧力等を計測し、各データを電子計算機に記憶する。
(ステップ206)環状隙間部温度分布と流出流体温度の関係の導出を終了する。
このようにして、モックアップの環状隙間部温度分布と流出流体温度の関係を導出することで、実機のIHSIを施工する機器の環状隙間部温度分布と流出流体温度の関係を電子計算機を用いて導出することが可能になる。
図5は、温度計9とノズル8の配置を逆転した場合である。この場合でも図1と同様の効果が得られる。すなわち、環状隙間部へ流入する流体と流出する流体は同量であるため、図5に示すように、温度計とノズルの配置を離して分ける必要がある。図6には、実際に可能な温度計とノズル配置法の一例を示す。図2に示すように高温流体は上部に停滞するため、図6(a)に示す水平方向(3時と9時の方向)±45°にノズルを設置した場合、上部0時の位置から±45°は流出方向となるため、この範囲に温度計を設置する。この時、下部±45°の範囲にはノズルも温度計も設置が困難である。図6(b)に示す上部0時の位置から±45°にノズルを設置した場合、水平方向(3時と9時の方向)より±45°の範囲に温度計を設置する。以上のように、ノズルと温度計を分離して設置することにより、有効に流体温度を測定することができる。これらのノズルの個数は単数でも複数でも良い。下部(6時の方向)に温度計やノズルを設置しても特に問題ないが、取り付け法は極めて困難である。そのため、図1のように水平方向(3時と9時の方向)の領域にノズルを設置して、0時と6時の方向を流出方向としたほうが、ノズルをほぼ対象に設置できるため、より望ましい。すなわち、図1のように水平方向(3時と9時の方向)の領域にノズルを対象に配置することにより、ノズルの冷却特性の偏りを最小限に抑制することができる。その結果、温度分布評価が容易になるとともに、冷却効果の偏りが少ないため冷却効果が優れており、最小流量で環状隙間部を冷却することが可能となる。さらに、環状隙間部の高温部は上部に位置するため、高温流体が上部から流出するため、上部に設置した温度計で温度を精度良く測定できる。流れの方向を考慮すると、これらの領域線は、環状隙間部より外側(環状隙間部外周と45°及び135°の線が交わる点)からは、その交わる点から上部(上側)へ延びる線上で区別される。また、温度計は冷却装置に設置するほうが取り扱い、製作上、望ましい。ノズル設置位置を前面とすると、冷却装置の背面、もしくは側面、もしくは下面に設置すると、環状隙間流から流出した流れが横切り易くなる。前面でも、環状隙間部の上端より高い位置なら問題ない。
特に狭い環状隙間部に噴流を流入させるのは困難である。そこで、以下に狭い環状隙間部に効率よく噴流を流入させる方法を記載する。本発明では、図7に示すように円筒上部にノズルを設置し、円筒中心線(上端と下端を結ぶ線)方向にノズルをθ傾ける。その結果、傾斜することにより、ノズルの噴射する領域が環状隙間部の中心に移動することができるとともに、両噴流の干渉により流れの乱れが増幅でき、環状隙間部の下端まで流れが回り込むため、冷却効果が増大する。特に、モデル試験では9°傾けると衝突した噴流が環状隙間部の下端にも到達し、最適であった。また、図8のように、ノズルを外側、やや下向きに傾斜させても効果がある。以上のように、従来考慮されていなかった、円筒に対して接線方向成分の傾きを加えることにより、冷却効果が増大する。特に、本発明に円筒中心方向の傾きを合成しても問題ない。
図9から図11までは冷却装置のノズル部に関する発明であり、各図はノズルを傾斜していない図7及び図8のノズル部を参考に図を記載している。図9は高周波加熱残留応力改善法の冷却装置に関して、N2ノズルの内筒に近接した冷却装置の底面をなす構造物において、冷却材の流出する流路出口(ノズル)を形成する横穴の流路を設置して、当該流路出口から冷却材を環状隙間に流入させ、冷却効果を促進させることを特徴としている。本発明では、流体を加速するためノズルの出口方向に向かって断面積が狭くなる絞り部
19を設置している。通常のノズルの絞り部や拡大部では、軸対象となっているため、最小面積部において、底面とノズル中心の距離が遠くなり、狭い環状隙間部に噴流を流入させることが不可能である。本発明では、特に狭い環状隙間部の流路へ噴流を流入するため、上部の断面積を大きく変化させて大きく絞り、下部はほぼ平らな形状を保持するような、軸対象でない形状にする。その結果、冷却材噴出位置の適正化が図れる構造となり、狭い環状隙間部へ噴流を噴出することができる。また、以上の形状により、流れが内筒中心方向に向くため、流れの方向を制御でき、さらなる効果も期待できる。絞り部としては、オリフィス形状等も考えられる。ノズルの穴を形成する構造物は、一体構造以外に、部分的に取り付けても良い。
図10はヘッダタンク7を底部に設置して、ヘッダのほぼ最下端に、冷却材の流出する流出口(ノズル)8を形成する流路を複数本設置し、当該流路から冷却材を環状隙間に流入させ、冷却効果を促進させることを特徴としており、本発明ではヘッダタンクから、多数のノズル8を設置するのに有効な構造である。ノズルは取替え可能であればさらに望ましい。また、本発明により、冷却材を運ぶ配管の員数を減数できる。さらに、各ノズルに作用する流体圧力が均一化されるため、各ノズルの流量制御が容易である。その上、以上の構造により、狭い環状隙間部に噴流を流入することができる。
図11は冷却装置の底面に、チューブもしくは小さな構造物23を底面に部分的に設置している。通常は、曲がりを持たないチューブを構造物の側面に設置することも考えられるが、そのような方法では、構造物の肉厚とチューブの取り付け部の存在により、N2ノズルの課題を解決できない。本発明の底面に設置したチューブ及び構造物は曲がり流路を有しており、チューブを結合する結合部が下面に位置しない構造となっている。曲がり部とは流れの方向を変える流路とする。チューブは薄肉で強度が有り、安価に製造することができるため、特に望ましい。そのため、本発明により、特に狭い環状隙間部の流路へ噴流を流入することができる。このチューブは振動防止及び流体力反力を低減する固定用構造物24の設置により振動等の課題を解決できる。このような、小さいチューブや構造物を底面に設置することにより、エロージョンや異物により詰まったノズルを交換,補修することが可能となる。また、底面に設置した小さな構造物であるため、狭隘な環状隙間部へ噴流を効率よく流入することができる。さらに、曲がり部は遠心力の作用により外側を高流速にするため、噴流が内筒に沿った流れになり、環状隙間部内の対流を強くすることができる。チューブは金属性でも良いが、テフロン(登録商標)チューブ等の有機化合物の材質を用いると製作性が向上する。また、本発明は各ノズルを一体で製作して、本体と取り外すことも可能である。
図2に示すように、自然対流により高温の流体は環状隙間部の上部に、低温の流体は下部に移動する。特に、環状隙間部上部に高温水が停滞している。そのため、ノズルを上部に設置し、高温水を攪拌させたほうが、より効果的な冷却を期待できる。特に図12のように鞍型のヘッダタンクに複数のノズルを設置することにより、高温水部に噴流を効率的に吹き込むとともに、ノズルの設置が容易となる。また、ノズル先端に直進の噴流ノズルを設置して、ジェット噴流を直線的に噴出すると、より効果が高い。また、鞍型ノズルヘッダには、ガイド、あるいはローラ等を設置して、ノズル位置決め・設置を容易にすることが考えられる。
図13は単数もしくは複数のノズル先端を環状隙間部に差し込むことにより、より有効に噴流を環状隙間部へ流入させている。炉内に設置したノズルでは、ノズルからの噴流が100%環状隙間部へ流入できるわけではない。本発明により、全ての噴流を環状隙間部へ流入することが可能となる。また、本発明を他の発明と併用すると効果が高まる。また、温度計を環状隙間部へ挿入すると計測精度が向上する。この場合では、ライザ管の位置より、水平方向(3時と9時の方向)±45°にノズルを設置した方が、挿入距離を大きくできる。
図14はパッド12を用いた場合である。環状隙間部の隙間が非常に狭く、ノズルから噴出する流れを環状隙間部に効率よく流入できない場合、本手法は下端の肉厚が不要であるため有効である。この場合、流れを環状隙間部へ導くため、環状流路外へのリークを防止するためのシール材13を適切な場所に取り付けると良い。本手法は流れをサーマルスリーブに沿って生じさせることができ、環状隙間部には望ましい強制対流が生じる。図
13に示すように、配管ノズル側にもシール材13bを設置すれば、リーク防止効果が大きい。
図15は、流体吸い込み部を環状隙間部出口に設置し、吸い込み流で発生した流れにより環状隙間の冷却効果を促進させた高周波加熱残留応力改善法である。本発明は隙間が狭い場合に有効である。また、吸い込み流は噴流のような局所的な流れではなく、安定した高い冷却効果が期待できる。また、温度計9を吸い込み管に設置すると、高精度な温度測定が可能となる。
図16は水中ポンプ14により、環状隙間部を冷却した場合である。この場合、配管や外部循環ポンプが不要となり、構造が簡素化される。また、再循環水入口ノズル近傍において構造物を動かして流れを励起しても、構造を簡素化して、同様の冷却効果を得ることが可能である。
再循環水入口ノズル(N2ノズル)以外にもPLR配管では、除染口の冷却が課題となる可能性がある。図17は除染口15に高周波加熱残留応力改善法を適用した場合である。この場合は、ノズルを密閉した管内の水中に挿入することが不可能である。そのため、本発明では、PLR配管,配管に接続されている弁、もしくはPLRポンプを分解して、ノズル8をPLR主配管16内に挿入するため、配管内部には空気が流入する可能性がある。空気中では、限定された方向のノズルでは冷却が不可能となるため、図示のように、ヘッダ管に多数のノズル(穴)を設置し、複数のノズルの水流を加熱された配管内面に向けて、放射状に注水する必要がある。
図18も除染口15に高周波加熱残留応力改善法を適用した場合である。除染口内にノズルを移動するのが困難な場合PLR配管内から除染口に向けて水流をスプレー状もしくは円錐状に広げて噴射する必要がある。
図19は配管外面から冷却する方法である。PLR配管内に冷却装置を挿入できない場合には、配管外面から冷却することが可能である。この場合、冷却媒体として、水,窒素,アルゴン等の液体及び気体が考えられる。特に、配管のベース温度を低下させるためには液体窒素で冷却すると、効果が大きくて操作性が容易である。また、IHSI施工作業前に、すなわちヒータ加熱前に配管及び配管内を冷却しておくと、加熱時の配管内外での温度差を少しでも大きく出来るため、更なる効果が期待できる。N2ノズル等の他の場所にも同様に、本手法は利用できる。
また、除染口はPLR配管のポンプ回転数を増加すれば、冷却できることが流動解析で確認した。通常は、20%の最低回転数によりIHSIの施工作業を実施するが、ポンプ回転数を25%以上にすると冷却材の供給流量が増加することにより、図20の流動解析結果に示すように除染口内の流体温度は飽和温度以下となることが明らかになった。但し、原子炉のPLR配管では、安全確保,リーク防止の観点から、フランジや空気抜きを設置することはできず、除染口内では空気が停滞する可能性があり、除染口内の空気が排除できないと本発明は実現できない。
空気を取り除く方法として、本発明では図21に示す (a)→(b)→(c)→(d) の順に、以下の手段を実施する。また、作業手順を図22に示す。空気を取り除く必要性の最も高い部位は除染口である。通常、空気等の不凝縮ガスは密度が軽く、(a)のように、除染口の上部に停滞しているため、水流で取り除くことは不可能である。また、空気等の不凝縮性ガスの熱伝達率及び熱伝導率は極度に悪く、IHSI施工上の大きな弊害となる。本発明では、以下の手順で空気を排除することを実現した。まず、水流で取り除ける空気をPLRポンプを運転して排除する。そして、IHSI施工時と異なり、沸騰し易くするため、PLRポンプを停止、もしくは低い回転数で運転する。そして、除染口を加熱する。PLRポンプ停止とヒータ加熱の順序は、逆でも良い。加熱方法としては、IHSI施工に使用するヒータを用いても良いし、別のヒータを利用しても良い。例えば、配管内の圧力が約0.25MPa の場合では、配管内の水が約400Kの飽和温度に達すると、
(b)のように水が蒸発し、蒸気が発生する。このとき、除染口前後のバルブの開度を閉める方向にすれば、除染口内はさらに沸騰し易くなる。以上の温度,圧力条件における蒸気の密度は約1.37kg/m3 であり、空気の密度2.18kg/m3 より明らかに軽く、上部に停滞した空気は蒸気により徐々に下部へ押し出される。水が蒸発すれば、体積は約
1000倍となるため、発生する蒸気は除染口内の空気を主配管に容易に押し出すこととなる。その結果、除染口は(c)に示すように蒸気で満たされる。次に、ヒータを停止、または出力を低下して、PLRポンプを運転し、流量を増加させると、(d)に示すように空気は吹き飛ばされ、冷却効果が向上し、蒸気の温度は低下して凝縮し始める。蒸気は温度低下すると、全て水に状態変化するため、除染口内は完全に水で満たされる。以上の結果、非凝縮性ガス,空気等は完全に除染口内から排除できる。(d)は、ヒータを停止、出力を低下させなくても、PLRポンプの流量を増加させることにより実現できる。また、ヒータを停止するだけでも可能である。また、PLRポンプ運転とヒータ停止の順序は逆でも良い。そして、ポンプを極力高速回転して、ヒータにより除染口を過熱することにより、IHSI施工を実施する。ポンプ高速運転とヒータ加熱の順序は、望ましくはないが、逆でも良い。その結果、除染口等の停滞部の空気を完全に排出した状態で、確実なIHSI施工を実現することが可能となる。IHSI施工時には沸騰を抑制するため、冷却効果を高める必要があるが、空気排除時は冷却効果を抑制し、沸騰を発生させる必要がある。そのため、IHSI施工時と空気排除時では、ポンプの回転数,配管内流量やバルブの開閉度が異なる。図19に示すように設計定格の20%流量運転では除染口内は沸騰し、IHSI施工は不確実であり、設計定格の20%流量以下での除染口の加熱は本発明を利用したものと考えられる。
また、流れを変動させると、安定して発達した温度境界層を擾乱を加えることで薄膜化させることができ、非定常熱伝達率は比較的高いことが知られている。PLRポンプの回転数や、バルブの開度を調整することにより、上流側流れの変動外乱を与え、流量,圧力を変化させて熱伝達率や水の循環量を増加することができる。また、除染口に空気が停滞していた場合においても、流量,圧力を変化させる手段は、上記、空気排除加熱と併用して、エアだまりとなった空気を取り除くのに有効な方法となる。但し、流量の変化だけでは、完全に空気を排除することは困難である。
また、冷却装置を適切な場所に設置する場合には、配管にわずかの凸凹があったり、わずかに楕円形状である場合や、個々の配管寸法が様々な場合を検討する必要がある。その場合、図23のように、ノズル位置は可変である必要があり、配管の一部に形状を変化できるチューブ17と支持構造18で構成される必要があり、この支持構造のノズル設置部は形状が変化できる構造であれば良い。その結果、配管にわずかの凸凹があったり、わずかに楕円形状である場合や、個々の配管寸法が異なる場合においても、冷却水を供給するノズル位置や温度計測位置の位置決めの精度が向上し、適切な冷却を可能とすることができる。また、図1のように、水平方向にノズルを設置する場合では、ノズルの移動が必要になる可能性があり、本発明は有効になる。
以上のようなPLR配管のIHSI施工作業時において、冷却条件の厳しいN2ノズル、除染口を中心にした冷却法を中心に説明したが、これらの冷却方法は、PLR配管の他の部位、例えば、クロス頂部,リングヘッダエンドキャップ部,枝管分岐部,弁やポンプの取り合い部、他の直管部に関する構造不連続である溶接部の全てに適用可能な方法である。
また、以上の発明は、給水ノズル,リコンビネーションT配管,低圧注水ノズル,炉心スプレーノズル等の多重管に適用することも可能である。
なお、以上の装置は遠隔操作により誘導されるため、所定の位置に噴出用ノズルを設置できたかを確認できるセンサ,カメラ等を設置すれば、実機施工時において不具合を防ぐことができる。特に、N2ノズルの環状隙間部に冷却用ノズルを設置できるか確認する必要がある。
また、小型CCDカメラ及びビデオ,圧力センサ等により、環状隙間部を観察することにより、沸騰状態や冷却効果の確認が可能である。
一方、他の従来技術として、特許第2624649号公報に記載の残留応力改善方法がある。この従来技術においては、環状隙間部の上部に、冷却水を基部に向かって集中的に噴出させて部分水流を形成するとともに、環状空間部を取り巻くN2ノズル外面を加熱することにより、ノズル壁に厚さ方向の温度差を付与して、残留応力の緩和を図るものである。
しかし、上記従来技術では、再循環水入口ノズル上部の冷却効果は向上するが、実機施工時に、冷却効果を確認することについては考慮されていない。ここで、再循環水入口ノズルのような狭い環状隙間部に流体を噴射して流れを生じさせるためには、噴射ノズルを所定の位置に精度良く設置する必要がある。しかし、実機の構造物は製作公差があるため、外表面が真円でないことも考えられる。また、冷却装置は、原子炉圧力容器の上部の離れた場所から遠隔操作によって挿入しなければならない。このため、原子炉内の所定の場所に冷却装置を設置することは困難な作業であり、また、噴射ノズルが環状隙間部の所定の方向に向いていない可能性もある。そのため、噴流が十分に環状隙間部に流入し、冷却性能を満足するかについて、実機施工時もしくは施工前に確認・監視し、冷却が不十分な場合は、適切な場所に冷却装置を再設定する必要がある。
また、上記従来技術では上部に水流を集中させているため、N2ノズル側面や下部においては、上部に比較して流速が低いと考えられる。冷却性能は流速の大きさと関連し、流速が速いほど、冷却効果が高い。そのため、流速が低下する側面や下部においては、冷却性能が低下する可能性がある。冷却性能の低下した部分ではホットスポット(局所的に温度の高い部分)が生じ、IHSI施工効果の低下が予想される。
従って、狭い環状隙間部を有するN2ノズル等にIHSIを施行するに際しては、(1)IHSI施工時における冷却性能の監視、及び(2)冷却性能の均一化が課題となる。
従来技術ではIHSIの施工状況を確かめるため、金属温度を測定していた。しかし、金属温度の測定では、バーンアウト(膜沸騰)するまで冷却性能が十分かどうか判断できない可能性があった。上記課題を解決するため、本発明においては、IHSI冷却装置もしくはその周囲に温度計を取り付けて、施工時の流体温度を測定する。つまり、流体温度を冷却性能の判断の指標にする。
一方、流体温度を測定する場合、加熱部冷却後に昇温して流出する流体の温度を測定する必要がある。また、複雑な原子炉内に挿入するため、温度計の取り付けられる範囲は限定される。そこで、発明者は、試験及び流動解析により、噴射ノズル設置位置,温度計設置位置及び流体流出方向の関係を検討した。検討結果を表1に示す。
Figure 2005240179
高温水は上昇するため、より高い流体温度を測定するためには、上部に温度計を設置する必要がある。また、加熱部を冷却して昇温した流体の温度を計測するためには、流体流出方向と温度計設置位置とが同一である必要がある。さらに、温度計と噴射ノズルを下部に設置するのは困難である。以上の検討から、発明者は、水平2ヶ所以上に噴射ノズルを設置するとともに、温度計を上部に設置することにより、最適な流体温度計測による施工監視が可能となることを新たな知見として得た(表1参照。)。
あらかじめ(施行前に)、流動解析や試験により、環状隙間部の流体温度分布と環状隙間部から流出する流体温度との関係を求めておくことができる。温度計で測定した温度が所定の温度であれば、加熱面は噴射ノズルによる強制対流により冷却されていると考えられる。また、測定した温度が想定温度からずれていれば、噴射ノズルによる強制対流は有効に働いていないと考えられる。
図24に、IHSI施工手順のフローチャートを示す。まず、施行前に予め環状隙間部の温度分布と流出流体の関係を導出しておく。次に、IHSI施行のためにノズルを実機に設置する。その後、IHSIの施行を行う。この際、温度計により、流出流体の温度を測定する。先に導出しておいた環状隙間部の温度分布と流出流体の関係を用いて、測定した流出流体の温度から環状隙間部の温度分布を想定し、環状隙間部温度分布が所定の温度範囲であれば、そのまま、IHSIの施行を継続する。環状隙間部温度分布が所定の温度範囲外である場合は、ノズルの再設定(又は微調整)を行う。所定の施行を行った後、
IHSIの施行を終了する。ここで、環状隙間部の流体が沸騰(膜沸騰)すると冷却が不可能となるため、特に、環状隙間部の流体温度が飽和温度以下であることが重要となる。
次に、冷却性能の均一化について説明する。流体の噴出する方向が一定だと、噴流の主流が通過する場所と通過しない場所が生じ、環状隙間部の冷却性能が不均一となる。また、噴流が通過しない部分ではホットスポットが生じ、膜沸騰が生じ易くなる。そのため、発明者は、冷却性能を均一化する方法について検討した。その結果、冷却性能を均一化するためには、噴流を上下に振動させる方法が有効であることを新たな知見として得た。また、対称に噴射ノズルを配置して水流を噴射すると、噴流は不安定となり、振動することがわかった。つまり、対称に噴射ノズルを配置して、噴流を上下に振動させることにより、冷却性能を均一とすることができ、その結果、ホットスポットを抑制できる。現実的には、下部に噴射ノズルを設置することは困難であるので、水平方向(3時及び9時の方向)に、対称に噴射ノズルを設置することにより噴流を上下に振動させ、冷却性能を均一化させる。
以上より、IHSI施工を適切に監視するとともに、冷却性能を均一化するためには、水平方向の3時及び9時の方向に対称に噴射ノズルを設置し、12時の方向(上部)に温度計を設置することが有効であるとの結論に達した。
本発明を適用した高周波加熱残留応力改善法(IHSI)における原子炉再循環水入口ノズル(N2ノズル)の冷却方法を、図25を用いて説明する。図25は本発明を適用するための冷却装置107及び適用対象のN2ノズルの構造図である。N2ノズルは、N2ノズル101とN2ノズル101内部のサーマルスリーブ102,サーマルスリーブに結合したジェットポンプのライザ管103で構成される。N2ノズル101の溶接部104は、IHSIが施工されることにより残留応力が緩和されることとなる。IHSIの施工は、ヒータ105により金属外表面を加熱するとともに、内部の水流により金属内壁面を冷却して、半径方向に温度勾配を付与することにより行う。単純な直管では、配管内面を十分に水冷することができる。しかし、N2ノズル101における環状隙間部106では、流れが停滞するため、流体温度が上昇し、N2ノズル101内面を十分に冷却できない可能性がある。そのため、本発明では、冷却装置107に設置された噴射ノズル108から環状隙間部106に向けて冷却水を噴出し、加熱されたN2ノズル101内面を冷却する。
冷却装置107は原子炉上部から遠隔で操作される。このため、冷却装置107が所定の場所に設置されたかを確認する必要がある。本発明では、IHSI施工時もしくは施工前において、加熱部を冷却して昇温した流体の温度又は圧力を測定することにより、冷却装置107が所定の場所に設置されたか確認する。所定の場所に設置されていないと判断した場合、冷却装置107を再設定(又は微調整)する。
本発明では、流体温度を測定するため、冷却装置107は温度計109を備えている。この際、噴射ノズル108を水平方向中心(時計の3時及び9時方向)に、温度計109を上部(時計の12時方向)に、周方向位置をずらして、それぞれ設置している。冷却水はポンプ110により駆動され、配管111を通じて、噴射ノズル108から噴出される。本発明により、図25の矢印に示すように、噴射ノズル108から噴出した噴流は溶接部104に向かって進行し、その後、過熱部を冷却して昇温するとともに、環状隙間部
106の上側と下側(時計の0時と6時方向)から炉内へ流出する。
図26に、N2ノズルに本発明を適用した場合の上面図を示す。噴射ノズル108は構造物の制約から、θ傾けて設置されている。冷却装置107から噴出された水流は、環状部の水平部(時計の3時及び9時方向)に沿って溶接部104に向かって流れ、基部に衝突した後、上側と下側に分かれて進行する。上側の流れは、環状隙間部106から炉内へ流出する。この際、上部に設置した温度計109により、流出する流体温度が測定される。高温流体は上部に停滞するため、上部に温度計109を設置し、上部から流出する流体温度を測定して、IHSI施工状態を監視することが望ましい。
図27に、噴射ノズル108設置角度とN2ノズル101上部における流出流速との関係を示す。ここで流出流速とは、環状隙間部106から炉内へ向かう流体(噴流)の速度である。図27に示すように、設置角度θ(図27右上図参照。)が大きくなるに従って、上部における流出流速が低下する。θが40°の領域を超えると上側からの流体(噴流)の流出がなくなる。従って、θが40°より大きくなると、環状隙間部106の加熱部を冷却した流出流体の温度を、上部に設置した温度計109で測定することは困難となる。すなわち、水平方向(3時と9時の方向)±40°の範囲内に噴射ノズル108を設置すると、上部(12時の方向)が流出方向となる。従って、上部から流出する流体の温度を測定するためには、上部(12時方向の±50°の範囲)に監視用の温度計109を設置する。以上のように噴射ノズル108と温度計109を周方向に分離して設置することにより、有効に流体温度を測定することができる。
これらの噴射ノズル108は複数取り付けても良いが、ほぼ対称に設置する必要がある。尚、下部方向(6時の方向)に温度計109や噴射ノズル108を設置することは実質的に困難である。しかし、図25に示すように、上側から見える範囲で、水平方向(3時と9時の方向)より噴射ノズル108位置をDだけ低下させることにより(3時及び9時の位置における接線(図25の点線)より外側であれば、噴射ノズル108の位置を水平方向(3時と9時の方向)の位置よりも下側にすることが可能である。)、確実に上部から流体を流出させることができ、より確かなIHSI施工の監視が可能となる。この場合、図26に示すように、噴射ノズル108をθ傾けると、噴流をスムーズに環状隙間部
106に流入させることができる。
さらに、水平方向(3時と9時の方向)に、それぞれ±40°の範囲で噴射ノズル108を設置すると、均一冷却の効果も期待できる。その効果を図28に示す流動解析結果を用いて説明する。図28は、噴射ノズル108を水平方向(3時と9時の方向)にそれぞれ設置した場合の環状隙間部106の流れのベクトルを示している。噴射ノズル108を水平方向(3時と9時の方向)に設置すると、図28(a)の流れと図28(b)の流れが交互に振動して発生し、加熱部の上部と下部を交互に冷却することがわかる。この結果、加熱部を均一に冷却することが可能となる。本現象は、上部と下部にそれぞれ流体が流出するときに成立するため、図27に示すように、水平方向(3時と9時の方向)で±40°の範囲にそれぞれ噴射ノズル108を設置する必要がある。
以上のように、IHSI施工時の状況を温度計109で監視し、噴流振動により冷却性能を均一化するためには、噴射ノズル108を水平方向(3時と9時の方向)にそれぞれ±40°の範囲に設置し、さらに、温度計109(センサ)を上部(12時の方向)に
±50°の範囲において設置する必要がある。これにより、実機IHSI施工時の内面冷却を確保でき、原子炉圧力容器のノズル溶接部の残留応力を確実に緩和でき、より安全な原子力プラントを供給できる。
本発明の高周波加熱残留応力改善法における配管冷却手法の概略図。 再循環水入口ノズルの環状隙間部温度分布解析結果の概略図。 本発明の高周波加熱残留応力改善法の施工手順ステップ。 環状隙間部温度分布と流出流体温度の関係を導出するステップ。 本発明の高周波加熱残留応力改善法における配管冷却手法の概略図。 本発明の高周波加熱残留応力改善法における配管冷却手法の概略図 本発明の高周波加熱残留応力改善法における配管冷却手法の概略図。 本発明の高周波加熱残留応力改善法における配管冷却手法の概略図。 本発明の高周波加熱残留応力改善法における配管冷却手法の概略図。 本発明の高周波加熱残留応力改善法における配管冷却手法の概略図。 本発明の高周波加熱残留応力改善法における配管冷却手法の概略図。 本発明の高周波加熱残留応力改善法における配管冷却手法の概略図。 本発明の高周波加熱残留応力改善法における配管冷却手法の概略図。 本発明の高周波加熱残留応力改善法における配管冷却手法の概略図。 本発明の高周波加熱残留応力改善法における配管冷却手法の概略図。 本発明の高周波加熱残留応力改善法における配管冷却手法の概略図。 本発明の高周波加熱残留応力改善法における配管冷却手法の概略図。 本発明の高周波加熱残留応力改善法における配管冷却手法の概略図。 本発明の高周波加熱残留応力改善法における配管冷却手法の概略図。 除染口の温度分布解析結果の概略図。 本発明の高周波加熱残留応力改善法における空気除去法の原理説明図。 本発明の高周波加熱残留応力改善法における空気除去法の手順図。 本発明の高周波加熱残留応力改善法における配管冷却手法の概略図。 IHSI施工手順のフローチャート。 本発明の高周波加熱残留応力改善法におけるN2ノズル冷却手法の側面から見た概略図。 本発明の高周波加熱残留応力改善法におけるN2ノズル冷却手法の上面から見た概略図。 本発明の高周波加熱残留応力改善法におけるN2ノズル冷却手法の流体流出特性概略図。 本発明の高周波加熱残留応力改善法におけるN2ノズル冷却手法の噴流振動特性の流速ベクトル図。
符号の説明
1…再循環水入口ノズル、2…サーマルスリーブ(内筒)、3,103…ライザ管、4,104…溶接部、5,105…ヒータ、6,106…環状隙間部、7…ヘッダタンク、8…ノズル、9,109…温度計、10,110…循環ポンプ、11…配管もしくはボックス、12…パッド、13…シール材、14…水中ポンプ、15…除染口、16…PLR主配管、17…チューブ、18…支持構造、19…絞り部,拡大部、20…栓、21…ボックス、22…穴設置のための肉厚部、23…ノズル部となるチューブもしくは構造物、24…固定用構造物、25…曲がり部、101…原子炉再循環水入口ノズル、102…サーマルスリーブ、107…冷却装置、108…噴射ノズル、111…配管。

Claims (38)

  1. 原子力プラントにおける高周波加熱残留応力改善法(以下、IHSIと称す)において、実機IHSI施工時に配管外部加熱により昇温した流体温度を測定することにより配管内面の冷却効果を確認することを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  2. 原子力プラントにおける高周波加熱残留応力改善法(以下、IHSIと称す)の再循環水入口ノズル(以下、N2ノズルと称す)において、実機IHSI施工時に配管外部加熱により昇温した流体温度を、N2ノズルの冷却装置に設置した温度計により測定することにより、N2ノズル配管内面の冷却効果を確認することを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  3. 原子力プラントのPLR配管の再循環水入口ノズルにおける高周波加熱残留応力改善法において、N2ノズル環状隙間部の水平方向中心(3時及び9時の方向)から±45°の範囲内だけに冷却装置のノズルを設置して、冷却効果を促進させることを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  4. 原子力プラントのPLR配管の再循環水入口ノズルにおける高周波加熱残留応力改善法において、冷却装置のノズルを上部(0時方向)から±45°の範囲内に設置し、環状隙間部の水平方向中心(3時及び9時の方向)から±45°の範囲内だけに温度計を設置して、冷却効果を促進させることを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  5. 原子力プラントのPLR配管の再循環水入口ノズルにおける高周波加熱残留応力改善法において、内筒の接線方向成分を含めてノズル先端を傾斜し、冷却効果を促進させることを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  6. 原子力プラントのPLR配管の再循環水入口ノズルにおける高周波加熱残留応力改善法において、内筒の上端と下端を結ぶ中心線に向かう方向(水平方向)に、ノズル先端の噴出方向を傾け、冷却効果を促進させることを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  7. 原子力プラントのPLR配管の再循環水入口ノズルにおける高周波加熱残留応力改善法の冷却装置において、N2ノズルの内筒に近接した冷却装置の底面をなす構造物内に、冷却材噴出用ノズルとなる横穴を形成し、横穴には軸対象で無い絞り部,拡大部を設置させることを特徴とする高周波加熱残留応力改善法の冷却装置。
  8. 原子力プラントのPLR配管の再循環水入口ノズルにおける高周波加熱残留応力改善法の冷却装置において、N2ノズルの内筒に近接した冷却装置の底面をなす構造物内に、ヘッダタンクを設置して、ヘッダタンクの下部に設置した複数のノズル(小孔)から冷却材を環状隙間に流入させ、冷却効果を促進させることを特徴とする高周波加熱残留応力改善法の冷却装置。
  9. 原子力プラントのPLR配管の再循環水入口ノズルにおける高周波加熱残留応力改善法の冷却装置において、N2ノズルの内筒に近接した冷却装置(本体)の底面に、当該構造物より小さく、かつ、曲がり部を有する構造物を設置して、当該構造物のノズルから冷却材を環状隙間に流入させ、冷却効果を促進させることを特徴とする高周波加熱残留応力改善法の冷却装置。
  10. 原子力プラントのPLR配管の再循環水入口ノズルにおける高周波加熱残留応力改善法において、内筒に沿って設置されたシール機構を有する構造物(パッド)と内筒外面の間に形成された流路に沿って冷却材を環状隙間に流入させ、冷却効果を促進させることを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  11. 原子力プラントのPLR配管の再循環水入口ノズルにおける高周波加熱残留応力改善法において、環状隙間部内に冷却装置のノズル、もしくは、管を挿入して冷却効果を促進させることを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  12. 原子力プラントのPLR配管の再循環水入口ノズルにおける高周波加熱残留応力改善法において、流体吸い込み部を環状隙間部の出口に設置し、吸い込み流で発生した流れにより環状隙間の冷却効果を促進させることを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  13. 原子力プラントのPLR配管の再循環水入口ノズルにおける高周波加熱残留応力改善法において、再循環水入口ノズル近傍において構造物を搖動して流れを励起し、冷却効果を促進させることを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  14. 原子力プラントのPLR配管の再循環水入口ノズルにおける高周波加熱残留応力改善法において、ノズル近傍において水中ポンプ、もしくは攪拌機により、流れを励起して、冷却効果を促進させることを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  15. 請求項3から請求項14のうちの一つの請求項において、
    実機IHSI施工時に配管外部加熱により昇温した流体温度を測定することにより配管内面の冷却水供給法の適正化と冷却効果確認による高精度化を可能にさせることを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  16. 原子力プラントのPLR配管の除染口における高周波加熱残留応力改善法において、前後のバルブもしくはPLRポンプもしくは配管を分解して、冷却ノズルを挿入して、ノズルを除染口配管内面の加熱部に向けて、除染口内もしくはPLR主配管から、放射状,スプレー状,空円錐状,充円錐状,霧状に冷却水を噴射して、除染口内面の冷却効果を促進させることを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  17. 原子力プラントの高周波加熱残留応力改善法において、ヒータ設置部以外の配管外面から配管及び内部の流体を冷却して、冷却効果を促進させることを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  18. 原子力プラントのPLR配管の除染口における高周波加熱残留応力改善法において、
    IHSI施工前に配管外面から配管及び内部の流体を冷却して、冷却効果を促進させることを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  19. 原子力プラントのPLR配管の除染口における高周波加熱残留応力改善法において、
    PLRポンプの回転数を定格の25%以上で運転して冷却効果を促進させることを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  20. 原子力プラントの配管における高周波加熱残留応力改善法において、IHSI施工前に配管を加熱して、冷却した後に、IHSI施工を実施することを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  21. 原子力プラントの配管における高周波加熱残留応力改善法において、除染口のIHSI施工前に除染口内の水を飽和温度以上まで加熱して、冷却した後に、IHSI施工を実施することを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  22. 原子力プラントの配管における高周波加熱残留応力改善法において、PLR配管内に水流を流して、除染口を加熱した後に、水流の流量を増加し、除染口を加熱してIHSI施工を実施することを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  23. 原子力プラントの配管における高周波加熱残留応力改善法において、PLR配管内の流量を停止して除染口を加熱し、配管内に水流を流してIHSI施工を実施することを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  24. 原子力プラントの配管における高周波加熱残留応力改善法において、除染口を加熱した後に、除染口前後のバルブ開度を増加して、除染口を加熱し、IHSI施工を実施することを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  25. 原子力プラントの配管における高周波加熱残留応力改善法において、設計定格の20%流量以下の流量で除染口を加熱することを特徴とする空気除去法。
  26. 請求項21から請求項25のうちの一つの請求項において、閉止した配管もしくはキャップもしくはN2ノズルに、適用してIHSI施工を実施することを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  27. 原子力及び火力プラントの高周波加熱残留応力改善法において、ヒータにより配管を加熱中に、バルブもしくはポンプ回転数により、配管内の流体流量もしくは圧力を意図的に変化,変動させることを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  28. 原子力プラントのPLR配管における高周波加熱残留応力改善法において、ヒータにより配管を加熱中に、PLRポンプの出入口バルブもしくはPLRポンプ回転数により、配管内の流体流量もしくは圧力を意図的に変化させることを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  29. 原子力プラントのPLR配管における高周波加熱残留応力改善法において、ヒータにより配管を加熱中に、PLRポンプのシールパージ水により、配管内の流体圧力を変化させることを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  30. 原子力プラントのPLR配管における高周波加熱残留応力改善法において、配管内面の冷却装置のノズルを支持する部材は形状が変化できる機構を有することを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  31. 原子力プラントのPLR配管における高周波加熱残留応力改善法において、請求項16から請求項30に請求項1を組み合わせて、冷却水供給法の適正化と冷却効果確認による高精度化を可能にさせることを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  32. 請求項1から請求項15のうちの一つの請求項において、給水ノズル,リコンビネーションT配管,低圧注水ノズル,炉心スプレーノズル等の多重管に適用することを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  33. 請求項1から請求項32のうちの一つの請求項において、冷却装置、特にノズルの設置位置を検知,確認できる装置を有することを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  34. 原子力プラントのPLR配管における高周波加熱残留応力改善法において、カメラやビデオ等の映像機器や圧力センサにより冷却効果を確認することを特徴とする高周波加熱残留応力改善法。
  35. 原子力プラントの原子力炉圧力容器のノズルにおける高周波加熱残留応力改善法(IHSI)に関して、実機IHSI施工時、予備加熱時もしくは施工前に、流体温度もしくは圧力を測定することによりノズル部の冷却効果を確認する高周波加熱残留応力改善法の施工方法。
  36. 原子力プラントの原子力炉圧力容器のノズルにおける高周波加熱残留応力改善法(IHSI)に関して、請求項1に使用する計測センサを噴射ノズルを有する冷却装置に設置した高周波加熱残留応力改善法の施工方法。
  37. 原子力プラントの原子炉再循環水入口ノズル(N2ノズル)における高周波加熱残留応力改善法に関して、N2ノズル環状隙間部の水平方向中心(時計の3時及び9時の方向)から±40°の範囲内だけに冷却装置の噴射ノズルを設置して、噴射ノズルからの水流により冷却効果を促進させた高周波加熱残留応力改善法の施工方法。
  38. 原子力プラントの原子炉再循環水入口ノズル(N2ノズル)における高周波加熱残留応力改善法に関して、環状隙間部の水平方向中心(時計の3時及び9時の方向)から±40°の範囲内だけに冷却装置の噴射ノズルを設置して、上部(時計の12時の方向)から
    ±50°の範囲内だけに温度計もしくは圧力計を設置した高周波加熱残留応力改善法の施工方法。


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