JP2008189107A - 車両用操舵制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 反力コントローラ10は、ステア・バイ・ワイヤ制御を行っている際、操舵反力が大きい状態となった場合には、ハンドル1の操舵角と操向輪9の転舵角との相対角加速度が小さくなるように転舵モータ6を制御する。
【選択図】 図1
Description
運転者が操作するハンドルと、
このハンドルと機械的に切り離され、操向輪を転舵する転舵機構と、
この転舵機構に転舵トルクを付与する転舵アクチュエータと、
前記ハンドルに操舵反力を付与する反力アクチュエータと、
前記転舵機構の回転軸と前記ハンドルの回転軸とを係合子によって係合することで、前記転舵機構と前記ハンドルとを機械的に連結するクラッチと、
前記クラッチを開放状態とし、前記ハンドルの操舵状態に応じた前記操向輪の転舵状態となるように前記転舵アクチュエータを駆動するとともに、前記転舵機構の転舵状態に応じた操舵反力となるように前記反力アクチュエータを駆動するステア・バイ・ワイヤ制御を行う操舵制御手段と、
を備えた車両用操舵制御装置において、
前記操舵制御手段は、前記ステア・バイ・ワイヤ制御を行っている際、前記操舵反力が所定反力量以上となった場合には、操舵角と転舵角との相対角加速度が小さくなるように前記転舵アクチュエータと前記反力アクチュエータの少なくとも一方を制御する相対角加速度抑制制御を実行することを特徴とする。
図1は、実施例1の車両用操舵制御装置を適用したステア・バイ・ワイヤ(以下、SBW)システムの構成図であり、実施例1の車両用操舵制御装置は、ハンドル1と、操舵角センサ2と、トルクセンサ3と、反力モータ(反力アクチュエータ)4と、バックアップクラッチ(以下、クラッチと称す。)5と、転舵モータ(転舵アクチュエータ)6と、転舵角センサ7と、転舵機構8と、操向輪9と、反力コントローラ(操舵制御手段)10と、転舵コントローラ11と、通信ライン12と、を備えている。
反力コントローラ10および転舵コントローラ11で演算される駆動指令値は、反力モータ4および転舵モータ6への電流指令値となる。
図3は、実施例1の反力コントローラ10で実行されるクラッチ誤締結防止制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。なお、この処理は、制御演算周期(例えば5msec)毎に実行される。
また、反力トルクに代えて、運転者がハンドルから手を放すと、クラッチが誤締結するおそれのある反力トルクが与えられるような転舵負荷の高い状態であるか否かにより判定することもできる。この場合は、転舵負荷に相当する転舵モータ6の電流値の絶対値の前回値が所定値A'(例えば、反力トルク5Nm程度)に相当する電流値以上であるか否かにより判定する。
[SBW制御中のクラッチ誤締結について]
実施例1のSBWシステムにおいて、SBW制御中にクラッチ5が誤締結された場合であっても、反力コントローラ10および転舵コントローラ11では、通常のSBW制御が継続される。すなわち、反力コントローラ10では、操舵角に基づいて指令転舵角を演算し、転舵コントローラ11では、実転舵角が指令転舵角に所定の応答特性(規範応答)で追従するように角度制御される。
これに対し、実施例1の車両用操舵制御装置では、最大転舵角で操舵反力が大きい状態となった場合、操舵角と転舵角との相対角加速度が小さくなるように転舵モータ6を制御することで、操舵角と転舵角との相対角加速度が大きくなることに起因するクラッチ5の誤締結を防止し、上述したクラッチ誤締結による操舵感の悪化(ハンドル取られ、操舵力の増大)を未然に防ぐことができる。
時点T1で転舵角が最大転舵角に到達した後、運転者がさらにハンドル1を切り増すことでトルクセンサ3の検出値が大きくなり、時点T2で所定値A以上となる。このとき、転舵角は、角位置制御をして最大転舵角でリミットが掛けられているため、最大転舵角以上にはならない。この状態で運転者がハンドル1から手を放すと、操舵反力トルクが一気に解放されるため、ハンドル1は高速で回される。そして、操舵角が最大転舵角到達時に応じた角度に戻ってくるまで指令転舵角は最大転舵角のままであるため、転舵角は動かず、このままでは操舵角と転舵角との相対角加速度が大きくなり、クラッチ5の誤締結が発生する。
時点T4では、転舵角が最大転舵角から所定値θ2変化したため、通常のSBW制御に戻る。
実施例1の車両用操舵制御装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
なお、SBWシステムの全体構成については、図1に示した実施例1と同様であるため、図示ならびに説明を省略する。
図6は、実施例2の反力コントローラ10で実行されるクラッチ誤締結防止制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この処理は、制御演算周期(例えば5ms)毎に実行される。また、図3に示した実施例1のフローチャートと同一の処理を行うステップには、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
時点T1で操向輪9が縁石に当たった後、さらにハンドル1を切り増し操舵すると、トルクセンサ3の値が大きくなり、時点T2で所定値A以上となる。時点T3でトルクセンサ3の検出値の変化量が所定値B以上となるため、運転者がハンドル1から手を放したと判断する。
時点T3から所定時間Taが経過した後は、通常のSBW制御に戻る。
実施例2の車両用操舵制御装置にあっては、以下の効果が得られる。
なお、SBWシステムの全体構成については、図1に示した実施例1と同様であるため、図示ならびに説明を省略する。
図8は、実施例3の反力コントローラ10で実行されるクラッチ誤締結防止制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この処理は、制御演算周期(例えば5ms)毎に実行される。また、図3に示した実施例1のフローチャートと同一の処理を行うステップには、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
時点T1で転舵角が最大転舵角に到達し、運転者がさらにハンドル1を切り増すことでトルクセンサ3の検出値が大きくなり、時点T2で所定値A以上となるため、最大転舵角到達後さらに切り増していると判断する。時点T3ではトルクセンサ値の変化量が所定値B以上となるため、運転者がハンドル1から手を放したと判断し、反力モータ4の反力電流をOFFする。
時点T3から所定時間Tbが経過した後は、通常のSBW制御に戻る。
実施例3の車両用操舵制御装置にあっては、以下の効果が得られる。
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜3に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1〜3に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
2 操舵角センサ
3 トルクセンサ
4 反力モータ
5 バックアップクラッチ
6 転舵モータ
7 転舵角センサ
8 転舵機構
9 操向輪
10 反力コントローラ
11 転舵コントローラ
11a モデルマッチング補償器
11b ロバスト補償器
12 通信ライン
Claims (6)
- 運転者が操作するハンドルと、
このハンドルと機械的に切り離され、操向輪を転舵する転舵機構と、
この転舵機構に転舵トルクを付与する転舵アクチュエータと、
前記ハンドルに操舵反力を付与する反力アクチュエータと、
前記転舵機構の回転軸と前記ハンドルの回転軸とを係合子によって係合することで、前記転舵機構と前記ハンドルとを機械的に連結するクラッチと、
前記クラッチを開放状態とし、前記ハンドルの操舵状態に応じた前記操向輪の転舵状態となるように前記転舵アクチュエータを駆動するとともに、前記転舵機構の転舵状態に応じた操舵反力となるように前記反力アクチュエータを駆動するステア・バイ・ワイヤ制御を行う操舵制御手段と、
を備えた車両用操舵制御装置において、
前記操舵制御手段は、前記ステア・バイ・ワイヤ制御を行っている際、前記操舵反力が所定反力量以上となった場合には、操舵角と転舵角との相対角加速度が小さくなるように前記転舵アクチュエータと前記反力アクチュエータの少なくとも一方を制御する相対角加速度抑制制御を実行することを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1に記載の車両用操舵制御装置において、
前記操向輪に作用している転舵負荷を検出する転舵負荷検出手段を設け、
前記操舵制御手段は、前記操舵反力が所定反力量以上となる転舵負荷となった場合、前記相対角加速度抑制制御を実行することを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載の車両用操舵制御装置において、
前記操舵制御手段は、相対角加速度抑制制御では、前記操舵角に対する前記転舵角の応答性を高くして前記転舵アクチュエータを制御することを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
前記操舵制御手段は、相対角加速度抑制制御では、前記転舵角に対する前記操舵角の応答性を低くして前記反力アクチュエータを制御することを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
前記操舵制御手段は、運転者が前記ハンドルから手を放した場合、前記相対角加速度抑制制御を実行することを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項5に記載の車両用操舵制御装置において、
前記操舵制御手段は、相対角加速度抑制制御では、前記転舵アクチュエータの駆動を停止することを特徴とする車両用操舵制御装置。
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