JP2009035036A - 操舵制御装置 - Google Patents

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敏明 笠原
Junji Tsutsumi
淳二 堤
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Abstract

【課題】 操舵反力付与用モータを用いることなく、操舵トルクを確保することができる操舵制御装置を提供すること。
【解決手段】 操舵トルクに応じたアシストトルクを付与するように転舵指令値を設定し、転舵指令値に基づいて転舵アクチュエータを駆動するアシスト制御手段と、操舵角に対する操舵トルクが所定範囲となるように転舵角指令値を設定し、転舵指令値を転舵角指令値に基づいて補正する転舵指令値補正手段とを設けた。
【選択図】 図3

Description

本発明は、転舵部に転舵トルクを与える転舵アクチュエータを有する操舵制御装置に関する。
この種の技術としては、特許文献1に記載の技術が開示されている。この公報では、ケーブルによって、ステアリングに入力された操舵トルクをステアリングギヤボックスに伝達するケーブル式ステアリング装置が開示されている。このケーブル式ステアリング装置では、パワーステアリング用モータによってステアリングギヤボックスにアシストトルクを付与している。これにより、操舵トルクの伝達時のケーブルの伸び縮みによるケーブルの伝達剛性の低下を防いでいる。また、このケーブル式ステアリング装置では、操舵反力付与用モータによって、ステアリングハンドルに操舵反力を付与している。これにより、アシストトルクによるステアリングハンドルの操舵反力の低下を抑制している。
特開2003−165453号公報
しかしながら、操舵反力付与用モータに失陥が生じた場合、操舵反力が小さくなり操舵トルクが小さくなるため、運転者に違和感を与えるおそれがあった。
本発明に上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、操舵反力付与用モータを用いることなく、操舵トルクを確保することができる操舵制御装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の操舵制御装置では、操舵トルクに応じたアシストトルクを付与するように転舵指令値を設定し、転舵指令値に基づいて転舵アクチュエータを駆動するアシスト制御手段と、操舵角に対する操舵トルクを所定範囲とするように転舵角指令値を設定し、転舵角指令値に基づいて転舵指令値を補正する転舵指令値補正手段とを設けた。
そのため、操舵の始めから操舵トルクを発生させることが可能となり、操舵フィーリングの低下を抑制することができる。
以下、本発明の操舵制御装置を実現する最良の形態を、実施例1および実施例2に基づいて説明する。
[操舵制御装置の構成]
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の操舵制御装置が適用されたケーブル式ステアリングシステム1の全体構成図である。図2は、実施例1の操舵制御装置が適用されたケーブル式ステアリングシステム1の制御ブロック図である。
ケーブル式ステアリングシステム1は、運転者が操舵を行うステアリングホイール2と、操向輪Wを転舵する転舵部3と、ステアリングホイール2の操作量を転舵部3に伝達するケーブル4と、転舵部3に転舵トルクを付与する転舵モータ8から構成されている。
次に、ケーブル式ステアリングシステム1の制御系の構成について説明する。ステアリングホイール2は、ステアリングホイール2の操舵角を検出する操舵角センサ5と、ステアリングホイール2の操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ6とを有している。ケーブル4は、ケーブル4の張力を検出するケーブル張力センサ7を有している。転舵部3は、転舵部3の転舵角を検出する転舵角センサ9を有している。また、ケーブル式ステアリングシステム1は、各センサの情報を入力し転舵モータ8を制御する制御信号を演算する転舵モータコントローラ10を備えている。
図2に示すように、転舵モータコントローラ10は、操舵角センサ5、操舵トルクセンサ6、ケーブル張力センサ7、転舵角センサ9、車速センサ11において検出された各種情報を入力する。転舵モータコントローラ10は、各センサからの情報に基づいて転舵モータ8を制御する転舵指令値Ttaを演算し、転舵モータ8に出力する
[操舵制御の処理]
図3は、転舵モータコントローラ10の処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1では、操舵角センサ5から操舵角θs、操舵トルクセンサ6から操舵トルクTs、ケーブル張力センサ7からケーブル張力Tc、転舵角センサ9から転舵角θt、車速センサ11から車速Vの情報をそれぞれ読み込む。
ステップS2では、ステアリングホイール2が操舵角θsのときの操舵トルクTsの関係を記憶する。例えば、操舵角θsが3[°]のときに操舵トルクTsが0.5[Nm]、操舵角が5[°]のときに操舵トルクTsが2.0[Nm]であるといった関係を記憶する。
ステップS3では、操舵角θsに対する操舵トルクTsの関係にケーブル張力Tcを考慮して、操舵トルクTsが所定範囲(例えば、2〜4[Nm])となるように転舵角指令値θtaを算出する。操舵トルクTsは操舵反力によって決定される。ケーブル式ステアリングシステム1においては、操舵反力はケーブル4の捩れによって生じる。ステアリングホイール2の操舵角θsと操向輪Wの転舵角との相対角度が大きくなるほど、ケーブル4の捩れも大きくなる。すなわち、ステアリングホイール2の操舵角θsと操向輪Wの転舵角との相対角度が大きくなるほど、操舵トルクTsは大きくなる。
例えば、ステップS2で記憶した操舵角θsに対する操舵トルクTsの関係が、操舵角θsが3[°]に対して操舵トルクTsが0.5[Nm]であり、操舵角が5[°]に対して操舵トルクTsが2.0[Nm]であったとする。現在の操舵角θsが3[°]であるときに、操舵トルクを2.0[Nm]とするためには、ケーブル4が捩れる方向(ステアリングホイール2の操舵方向と反対方向)に転舵角指令値θtaを2[°]に設定する。また、ケーブル4の張力は使用年数に応じて変化するため、転舵角指令値θtaの値をケーブル張力Tcに基づいて補正する。
ステップS4では、車速Vおよび操舵角θsに基づき、転舵角補正ゲインKc(0≦Kc≦1)を設定する。転舵角指令値θtaに転舵角補正ゲインKcを乗じた値(Kc・θta)を、最終的な転舵角指令値θtaとして後の処理に用いる。ステアリングホイール2を中立位置付近で操舵しているときであって高速走行時には、操向輪Wの転舵角を小さくする方が車両挙動変化は安定する。
図4は、車速Vと転舵角補正ゲインKcとの関係を示すグラフである。図4に示すように、車速Vが所定値(例えば60[km/h])未満であるときには転舵角補正ゲインKcを「1」に設定し、車速Vが所定値以上であるときには車速Vが大きくなるほど転舵角補正ゲインKcを小さく設定している。
ステップS5では、操舵角θsの変化量である操舵角速度θsp(=dθs/dt)を算出し、この操舵角速度θspに基づき目標応答Rtを設定する。目標応答Rtは、転舵モータ8の転舵角θtを転舵角指令値θtaに制御させるときの応答関数に相当する。
ステアリングホイール2の操舵角速度θspが高いほど、ケーブル張力Tcが小さい範囲(操舵反力トルクが小さい範囲)を過ぎてしまう。目標応答Rtを一定にすると操舵角速度θspが大きいときには、ケーブル張力Tcが小さい範囲では操舵トルクTsが小さく、ケーブル張力Tcがある程度大きくなった時点で操舵トルクTsが急に大きくなる。そのため、操舵トルクTsの変位量が大きくなり操舵フィーリングが悪化する。
図5は、操舵角速度θspと目標応答Rtとの関係を示すグラフである。実施例1では、図5に示すように操舵角速度θspが高いほど目標応答Rtを高く設定し、転舵角θtの変化が操舵角速度θspに追従できるようにしている。
ステップS6では、転舵角指令値θta(転舵角指令値θtaに転舵角補正ゲインKcを乗じた後の値)と目標応答Rtに応じて、転舵モータ8を制御する転舵指令値Ttaを求める。この転舵指令値Ttaは転舵モータ8を駆動する電流指令値である。
ステップS7では、転舵指令値Ttaを転舵モータ8に出力して、転舵モータ8を駆動する。
[操舵制御の作用]
ケーブル式ステアリングシステム1ではケーブル4が伸び縮みするため、操舵角θsが小さく、ケーブル4のケーブル張力Tcが小さい範囲においては、操舵トルクTsが小さくなる。
図6は、操舵トルクTs、操舵角θs、転舵角θtの時間変化を示す図である。図6(a)は転舵モータ8が駆動していない状態、図6(b)は、転舵モータ8が操舵角θsに応じてアシストトルクを転舵方向に発生させている場合を示す。
図6(a)に示すように転舵モータ8が駆動していない場合には、ケーブル張力Tcが小さい範囲においては、ケーブル4により転舵部3を転舵させる転舵トルクが十分に発生しないため、操舵角θsの増加量に対して転舵角θtの増加量は小さい。また、ケーブル張力Tcが小さい範囲においてはケーブル張力Tcが小さいため、操舵の開始時における操舵トルクTsの立ち上がりは遅くなる。そのため、操舵角θsが小さい範囲では操舵フィーリングが低下するおそれがある。
図6(b)に示すように転舵モータ8がアシストトルクを転舵方向に発生させている場合には、操舵角θの増加に応じて転舵角θtは増加する。しかし、操舵角θsと転舵角θtとの相対角度は小さいため、操舵トルクTsは小さい。そのため、操舵フィーリングが低下するおそれがある。
そこで実施例1では、転舵モータコントローラ10において、操舵角θsに対する操舵トルクTsを所定範囲とするように転舵角指令値θtaを設定し、転舵指令値Ttaを転舵角指令値θtaに基づいて補正するようにした。
図7は実施例1の操舵制御による操舵トルクTs、操舵角θs、転舵角θtの時間変化を示す図である。操舵角θsと転舵角θtとの相対角度が大きくなりケーブル4に捩れが生じるため、図7に示すようにステアリングホイール2の切り始めから操舵トルクTsを発生させることが可能となる。
また実施例1では、転舵モータコントローラ10において、操舵角θsに対する操舵トルクTsの関係を記憶した後、操舵トルクTsを所定範囲とするように、転舵角指令値θtaを設定した。
よって、小さい操舵トルクTsとなる操舵角θsの範囲を把握することが可能となり、小さい操舵トルクTsとなる操舵角θsの範囲の操舵トルクTsを大きくするように転舵角指令値θtaを設定することができる。
また実施例1では、転舵モータコントローラ10において、ケーブル張力Tcに基づいて転舵角指令値θtaを設定するようにした。
ケーブル4は環境の変化や劣化により伸び量が変化するため、想定する操舵トルクTsを発生させることができない場合がある。ケーブル張力Tcに基づいて転舵角指令値θtaを設定するため、想定した操舵トルクを発生させることができるように転舵角指令値θtaを設定することが可能となる。
また実施例1では、転舵モータコントローラ10は、操舵角速度θspが大きいほど転舵角指令値θtaの目標応答Rtを高く設定するようにした。
よって、転舵角指令値θtaの変化が操舵角速度θspに追従することが可能となり、操舵トルクTsの変動を抑制することができる。
また実施例1では、転舵モータコントローラ10において、操舵量が中立位置付近であるときであって車速Vが大きいときには、転舵角指令値θtaを小さく設定するようにした。
車速Vが大きいほど、転舵角θtが変化したときの車両挙動変化は大きい。操舵量が中立位置付近であるときであって車速Vが大きいときには転舵角指令値θtaを小さく設定するため、車両挙動変化を抑制することができる。一方、操舵量が大きくなると、転舵角指令値θtaを通常通り設定するため、操舵トルクTsを確保することができる。
[実施例1の効果]
次に実施例1の効果について以下に列記する。
(1)運転者により操舵トルクTsが入力されるステアリングホイール2と、ステアリングホイール2の操舵角を検出する操舵角センサ5と、操向輪Wを転舵する転舵部3と、操舵トルクTsを検出する操舵トルクセンサ6と、転舵部3に転舵トルクを与える転舵モータ8と、操舵トルクTsに応じたアシストトルクを付与するように転舵指令値Ttaを設定し、転舵指令値Ttaに基づいて転舵モータ8を駆動し、操舵角θsに対する操舵トルクTsを所定範囲とするように転舵角指令値θtaを設定し、転舵指令値Ttaを転舵角指令値θtaに基づいて補正する転舵モータコントローラ10とを設けた。
よって、操舵角θsと転舵角θtとの相対角度が大きくなるため、ケーブル4に捩れが生じて、ステアリングホイール2の切り始めから操舵トルクTsを発生させることが可能となる。そのため、操舵フィーリングの低下を防止することができる。
(2)転舵モータコントローラ10において、操舵角θsに対する操舵トルクTsの関係を記憶した後、操舵トルクTsを所定範囲とするように転舵角指令値θtaを設定した。
よって、小さい操舵トルクTsとなる操舵角θsの範囲を把握することが可能となり、小さい操舵トルクTsとなる操舵角θsの範囲の操舵トルクTsを大きくするように転舵角指令値θtaを設定することができる。
(3)操舵トルクTsを転舵部3に伝達するケーブル4を設け、転舵モータコントローラ10は、ケーブル4の張力に基づいて転舵角指令値θtaを設定した。
よって、ケーブル張力Tcに基づいて、想定した操舵トルクTsを発生させることができるように転舵角指令値θtaを設定することができる。
(4)転舵モータコントローラ10は、操舵角速度θspが大きいほど、転舵角指令値θtaの目標応答Rtを高く設定するようにした。
よって、転舵角指令値θtaの変化が操舵角速度θspに追従することが可能となり、操舵トルクTsの変動を抑制することができる。
(5)転舵モータコントローラ10は、操舵量が中立位置付近であるときであって車速Vが大きいときには、転舵角指令値θtaを小さく設定するようにした。
よって、車速Vが大きいときの車両挙動変化を抑制することができる。
実施例1ではケーブル式ステアリングシステム1に操舵制御装置を適用した例を示した。これに対し、実施例2ではバックアップ機能を有するステアバイワイヤ式ステアリングシステム21に操舵制御装置を適用した点で、実施例1と異なる。
[操舵制御装置の構成]
まず、構成を説明する。実施例1と同じ構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図8は、実施例1の操舵制御装置が適用されたステアバイワイヤ式ステアリングシステム21の全体構成図である。図9は、実施例2の操舵制御装置が適用されたステアバイワイヤ式ステアリングシステム21の制御ブロック図である。
ステアバイワイヤ式ステアリングシステム21は、運転者が操舵を行うステアリングホイール2と、操向輪Wを転舵する転舵部3と、ステアリングホイール2と転舵部3とを機械的に断絶可能なバックアップシャフト26と、ステアリングホイール2と転舵部3とを機械的な断絶を切り替える噛み込み式のバックアップクラッチ24と、ステアリングホイール2に操舵反力を付与する操舵反力モータ22と、転舵部3に転舵トルクを付与する転舵モータ8から構成されている。
ステアバイワイヤ式ステアリングシステム21は、通常はバックアップクラッチ24を開放してステアリングホイール2と転舵部3との機械的に切り離し、ステアバイワイヤ制御が行われる。ステアバイワイヤ制御では、ステアリングホイール2の操舵状態に応じた転舵角となるように転舵モータ8が制御され、転舵部3の転舵状態に応じた操舵反力を発生させるように操舵反力モータ22が制御される
一方、ステアバイワイヤ制御を行うことができない場合には、ステアバイワイヤ式ステアリングシステム21は、バックアップクラッチ24を締結してステアリングホイール2と転舵部3とを機械的に連結し、パワーステアリング制御が行われる。パワーステアリング制御では、バックアップシャフト26によってステアリングホイール2の操舵トルクが転舵部3に伝達されるとともに、転舵モータ8によってアシストトルクが転舵部3に付与される制御が行われる。
次に、ステアバイワイヤ式ステアリングシステム21の制御系の構成について説明する。ステアリングホイール2は、ステアリングホイール2の操舵角を検出する操舵角センサ5と、ステアリングホイール2の操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ6とを有している。操舵反力モータ22は、操舵反力モータ22の回転角を検出する操舵反力モータ角センサ23を有している。転舵部3は、転舵部3の転舵角を検出する転舵角センサ9を有している。また、ステアバイワイヤ式ステアリングシステム21は、各センサの情報を入力し転舵モータ8を制御する制御信号を演算する転舵モータコントローラ10と、各センサの情報を入力し操舵反力モータ22を制御する制御信号を演算する操舵反力モータコントローラ25を備えている。
図8に示すように、操舵反力モータコントローラ25は、操舵角センサ5、操舵トルクセンサ6、車速センサ11、操舵反力モータ角センサ23において検出された各種情報を入力する。操舵反力モータコントローラ25は、各センサからの情報に基づいて操舵反力モータ22を制御する反力指令値を演算し、操舵反力モータ22に出力する。
また、転舵モータコントローラ10は、操舵角センサ5、操舵トルクセンサ6、転舵角センサ9、車速センサ11において検出された各種情報を入力する。転舵モータ8は、各センサからの情報に基づいて転舵モータコントローラ10によって制御されている。転舵モータコントローラ10は、各センサからの情報に基づいて転舵モータコントローラ10を制御する転舵指令値Ttaを演算し、転舵モータコントローラ10に出力する。
[操舵制御の処理]
図10は、転舵モータコントローラ10の処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、ステアバイワイヤ式ステアリングシステム21がパワーステアリング制御を行っているときの転舵モータコントローラの処理の流れを説明する。
ステップS11では、操舵角センサ5から操舵角θs、操舵トルクセンサ6から操舵トルクTs、転舵角センサ9から転舵角θt、車速センサ11から車速Vの情報をそれぞれ読み込む。
ステップS12では、操舵角θ、操舵トルクTs、転舵角θtからバックアップクラッチ24のガタ角度θblを算出する。バックアップクラッチ24のガタ角度θblは、バックアップクラッチ24の締結時に、操舵トルクTsがほぼゼロの状態で操舵角θsが変化する状態であって転舵角θtが変化しない操舵角θsの範囲とする。
ステップS13では、操舵角θsに対するガタ角度θblを考慮して、操舵トルクTsが所定範囲(例えば、2〜4[Nm])となるように転舵角指令値θtaを算出する。操舵トルクTsは操舵反力によって決定される。パワーステアリング制御中のステアバイワイヤ式ステアリングシステム21においては、操舵反力はバックアップシャフト26の捩れによって生じる。バックアップシャフト26は、操舵角θsがガタ角度θblの範囲にあるときにはほとんど捩れないため操舵反力は発生しない。
そこで、操舵角θsがガタ角度θblの範囲にあるときには、転舵モータ8によって操舵方向と逆方向にバックアップシャフト26を転舵させることによってガタ詰めを行う。例えば、現在の操舵角θsが0[°]のときに、ガタ角度θblが±4[°]である場合に、右に操舵を行う場合にはバックアップシャフト26を左に4[°]転舵させることによってガタ詰めをすることができる。ガタ詰めが終了すると、操舵トルクセンサ6からの操舵トルク情報に基づき、操舵トルクTsが所定範囲となるように転舵角指令値θtaを設定する。
ステップS14では、車速Vおよび操舵角θsに基づき、転舵角補正ゲインKc(0≦Kc≦1)を設定する。転舵角指令値θtaに転舵角補正ゲインKcを乗じた値(Kc・θta)を最終的な転舵角指令値θtaとして後の処理に用いる。ステアリングホイール2を中立位置付近で操舵しているときであって高速走行時には、操向輪Wの転舵角を小さくする方が車両挙動変化は安定する。図4に示すように、車速Vが所定値(例えば60[km/h])未満であるときには転舵角補正ゲインKcを「1」に設定し、車速Vが所定値以上であるときには車速Vが大きくなるほど転舵角補正ゲインKcを小さく設定している。
ステップS15では、操舵角θsの変化量である操舵角速度θsp(=dθs/dt)を算出し、この操舵角速度θspに基づき目標応答Rtを設定する。目標応答Rtは、転舵モータ8の転舵角θtを転舵角指令値θtaに制御させるときの応答関数に相当する。
ステアリングホイール2の操舵角速度θspが高いほど、操舵角θsがガタ角度θblの範囲(操舵反力トルクが小さい範囲)を過ぎてしまう。目標応答Rtを一定にすると操舵角速度θspが大きいときには、操舵角θsがガタ角度θblの範囲にある場合には操舵トルクTsが小さく、操舵角θsがガタ角度θblよりも大きくなった時点で操舵トルクTsが急に大きくなる。そのため、操舵トルクTsの変位量が大きくなり操舵フィーリングが悪化する。そこで、転舵角θtの変化が操舵角速度θspに追従できるように、操舵角速度θspが高いほど目標応答Rtを高く設定している。
ステップS16では、転舵角指令値θta(転舵角指令値θtaに転舵角補正ゲインKcを乗じた後の値)と目標応答Rtに応じて、転舵モータ8を制御する転舵指令値Ttaを求める。この転舵指令値Ttaは転舵モータ8を駆動する電流指令値である。
ステップS17では、転舵指令値Ttaを転舵モータ8に出力して、転舵モータ8を駆動する。
[操舵制御の作用]
パワーステアリング制御を行っているときのステアバイワイヤ式ステアリングシステム21では、バックアップクラッチ24が締結してもガタ角度θblを有するため、操舵角θsがガタ角度θblの範囲においては、操舵トルクTsはほとんど発生しない。
図11は、操舵トルクTs、操舵角θs、転舵角θtの時間変化を示す図である。図11(a)は転舵モータ8が駆動していない状態、図11(b)は転舵モータ8が転舵方向にアシストトルクを発生させている場合を示す。
図11(a)に示すように転舵モータ8が駆動していない場合には、操舵角θsがガタ角度θblの範囲にあるときには、ステアリングホイール2の操舵トルクが転舵部3に伝達しないため、操舵角θsの増加に対して転舵角θtは増加しない。また、バックアップシャフト26に捩れが発生しないため操舵トルクTsは発生しない。そのため、操舵角θsがガタ角度θblの範囲にある場合には、操舵フィーリングが低下するおそれがある。また、操舵角θsがガタ角度θblを超えると急激に操舵トルクTsが発生する。そのため、操舵フィーリングが低下する。
図11(b)に示すように転舵モータ8がアシストトルクを転舵方向に発生させている場合には、操舵角θの増加に応じて転舵角θtは増加する。このとき、バックアップシャフト26に捩れが発生しないため操舵トルクTsは発生しない。また、バックアップシャフト26が転舵しているため、操舵角θsがガタ角度θblを超えても操舵トルクTsはほとんど発生しない。そのため、操舵フィーリングが低下するおそれがある。
そこで、転舵モータコントローラ10において、操舵角θsに対する操舵トルクTsを所定範囲とするように転舵角指令値θtaを設定し、転舵指令値Ttaを転舵角指令値θtaに基づいて補正するようにした。
図12は実施例2の操舵制御による操舵トルクTs、操舵角θs、転舵角θtの時間変化を示す図である。図12に示すように、操舵角θsと転舵角θtとの相対角度が大きくなりガタ詰めが行われるため、ステアリングホイール2の切り始めから操舵トルクTsを発生させることが可能となる。
また、実施例2では、転舵モータコントローラ10はガタ角度θblに基づいて転舵角指令値θtaを設定するようにした。
操舵角θsがガタ角度θblの範囲にある場合には、想定した操舵トルクTsを発生させることができない。ガタ角度θblに基づいて転舵角指令値θtaを設定するため、ガタ詰めを行い想定した操舵トルクを発生させることができるように転舵角指令値θtaを設定することが可能となる。
[実施例2の効果]
(6)ステアリングホイール2と転舵部3とを機械的に締結、または解除するバックアップクラッチ24を設け、転舵モータコントローラ10は、バックアップクラッチ24のガタ角度θblに基づいて転舵角指令値θtaを設定するようにした。
よって、ガタ詰めを行い想定した操舵トルクを発生させることができるように転舵角指令値θtaを設定することが可能となる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1および実施例2に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1および実施例2に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば実施例1では、ケーブル式ステアリングシステム1の例を用いて説明したが、ステアバイワイヤ式ステアリングシステムのバックアップシステムとして、ケーブル式ステアリングシステム1を用いたものに適用しても良い。
また実施例2では、ステアバイワイヤ式ステアリングシステムのバックアップシステムとして、バックアップシャフト26、バックアップクラッチ24によるパワーステアリング制御を行う例を用いて説明したが、バックアップクラッチ24を用いるものであれば、他のものに適用しても良い。
すなわち、本発明は、ケーブル4の伸びやバックアップクラッチ24のガタのように、操向輪Wからステアリングホイール2への反力トルクの伝達特性が変化するような装置であれば、ケーブル式ステアリングシステム1やステアバイワイヤ式ステアリングシステム21の他のステアリングシステムに用いても良い。
実施例1のケーブル式ステアリングシステムの全体構成図である。 実施例1のケーブル式ステアリングシステムの制御ブロック図である。 実施例1の転舵モータコントローラの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の車速と転舵角補正ゲインとの関係を示すグラフである。 実施例1の操舵角速度と目標応答との関係を示すグラフである。 実施例1の制御を実行しない場合の操舵トルク、操舵角、転舵角の時間変化を示す図である。 実施例1の操舵トルク、操舵角、転舵角の時間変化を示す図である。 実施例2のステアバイワイヤ式ステアリングシステムの全体構成図である。 実施例2のケーブル式ステアリングシステムの制御ブロック図である。 実施例2の転舵モータコントローラの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の制御を実行しない場合の操舵トルク、操舵角、転舵角の時間変化を示す図である。 実施例2の操舵トルク、操舵角、転舵角の時間変化を示す図である。
符号の説明
2 ステアリングホイール
3 転舵部
4 ケーブル
5 操舵角センサ
6 操舵トルクセンサ
7 ケーブル張力センサ
8 転舵モータ
9 転舵角センサ
10 転舵モータコントローラ
11 車速センサ
22 操舵反力モータ
23 操舵反力モータ角センサ
24 バックアップクラッチ
25 操舵反力モータコントローラ
26 バックアップシャフト

Claims (6)

  1. 運転者により操舵トルクが入力される操舵部と、
    前記操舵部の操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    操向輪を転舵する転舵部と、
    前記操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
    前記転舵部に転舵トルクを与える転舵アクチュエータと、
    前記操舵トルクに応じたアシストトルクを付与するように転舵指令値を設定し、前記転舵指令値に基づいて前記転舵アクチュエータを駆動するアシスト制御手段と、
    前記操舵角に対する操舵トルクを所定範囲とするように転舵角指令値を設定し、該転舵角指令値に基づいて前記転舵指令値を補正する転舵指令値補正手段と、
    を設けたことを特徴とする操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記転舵指令値補正手段は、前記操舵角に対する前記操舵トルクの関係を記憶した後、前記操舵トルクを所定範囲とするように、転舵角指令値を設定することを特徴とする操舵制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の操舵制御装置において、
    前記操舵部と前記転舵部とを機械的に締結、または解除するバックアップクラッチを設け、
    前記転舵指令値補正手段は、前記バックアップクラッチのガタ角度に基づいて前記転舵角指令値を設定することを特徴とする操舵制御装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の操舵制御装置において、
    前記転舵部に前記操舵トルクを伝達するケーブルを設け、
    前記転舵指令値補正手段は、前記ケーブルの張力に基づいて前記転舵角指令値を設定することを特徴とする操舵制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の操舵制御装置において、
    前記転舵指令値補正手段は、操舵角速度が大きいほど、転舵角指令値の応答性を高く設定することを特徴とする操舵制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の操舵制御装置において、
    前記転舵指令値補正手段は、操舵量が中立位置付近であるときであって車速が大きいときには、転舵角指令値を小さく設定することを特徴とする操舵制御装置。
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