JP2007245878A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】後退操作を容易に行い得る車両用操舵装置を提供する
【解決手段】車両用操舵装置1は、運転者が操作を行うステアリングホイール2と、車輪6を転舵するステアリングモータ10と、ステアリングホイール2の操舵角を検出する操舵角センサ3と、操舵角センサ3により検出した操舵角に応じてステアリングモータ10を制御する転舵アクチュエータ制御手段と、車両の後退時にはステアリングホイール2の操舵角に対するステアリングモータ10の制御量の割合を前進時よりも小さく設定する転舵アクチュエータ制御量低減手段と、を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、転舵アクチュエータによって転舵輪を転舵(転舵補助を含む)を行う車両用操舵装置に関するものである。
運転者がハンドル(操作子)を操作する際にアクチュエータによって操舵補助力を付与して転舵輪を転舵し操舵をアシストする所謂電動パワーステアリング装置や、ハンドルと転舵輪とが機械的に分離されていてハンドルの操作量に応じてアクチュエータを制御し転舵輪を転舵する所謂ステア・バイ・ワイヤ式ステアリング装置では、一般に、ハンドルの操作量に対する前記アクチュエータの制御量の割合(以下、制御レシオと称す)を車速に応じて変更しており(例えば、特許文献1参照)、低車速のときには取り回し性を向上させるために制御レシオを大きくし、車速が高くなるにしたがって操舵安定性を向上させるために制御レシオを小さくするのが一般的である。
特開2005−297667号公報
しかしながら、車庫入れなどで車両を後退させるときは、頻度が少なく慣れないこともあって、多くの場合は低速で行うが、従来の制御レシオの設定では、後退時も前進時と同様に低車速のときは制御レシオが大きいため、車両の方向変更が思っている以上に過敏になり、操作が難しいという課題があった。
そこで、この発明は、後退操作を容易に行い得る車両用操舵装置を提供するものである。
この発明に係る車両用操舵装置では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
請求項1に係る発明は、運転者が操作を行う操作子(例えば、後述する実施例におけるステアリングホイール2)と、転舵輪(例えば、後述する実施例における車輪6)を転舵する転舵アクチュエータ(例えば、後述する実施例におけるステアリングモータ10)と、前記操作子の操作量を検出する操作量検出手段(例えば、後述する実施例における操舵角センサ3)と、前記操作量検出手段により検出した操作量に応じて前記転舵アクチュエータを制御する転舵アクチュエータ制御手段(例えば、後述する実施例における転舵制御部20)と、車両の後退時には前記操作子の操作量に対する前記転舵アクチュエータの制御量の割合を前進時よりも小さく設定する転舵アクチュエータ制御量低減手段(例えば、後述する実施例におけるステップS104)と、を備えることを特徴とする車両用操舵装置(例えば、後述する実施例における車両用操舵装置1)である。
このように構成することにより、後退時の車両の方向変更を緩く(遅く)することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記転舵アクチュエータ制御量低減手段の作動を手動で解除可能な解除手段(例えば、後述する実施例におけるキャンセルスイッチ14)を備えることを特徴とする。
このように構成することにより、解除手段によって転舵アクチュエータ制御量低減手段の作動を解除したときには、後退時の車両の方向変更を早くすることができる。
請求項1に係る発明によれば、後退時の車両の方向変更を緩くすることができるので、後退時の運転操作が容易になる。
請求項2に係る発明によれば、運転者が解除手段を操作することによって、運転者の好みに応じて後退時の車両の方向変更を遅くしたり早くしたりすることができる。
以下、この発明に係る車両用操舵装置の実施例を図1から図3の図面を参照して説明する。
この車両用操舵装置1は、所謂ステア・バイ・ワイヤ式ステアリング装置であって、図1に示すように、運転者により操作されるステアリングホイール(操作子)2と、ステアリングホイール2の操舵角を検出する操舵角センサ(操作量検出手段)3と、ステアリングホイール2に操舵反力を付与する反力モータ(反力アクチュエータ)4と、ステアリングホイール2に作用する操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ5と、左右の車輪(転舵輪)6にナックルアーム7及びタイロッド8を介して連結されたラック軸9と、ラック軸9を軸方向に駆動して車輪6を転舵するステアリングモータ(転舵アクチュエータ)10と、車速を検出する車速センサ11と、ラック軸9の軸方向位置から車輪6の転舵角を検出する転舵角センサ(転舵角検出手段)12と、運転者が操作可能なキャンセルスイッチ(解除手段)14と、反力モータ4及びステアリングモータ10を制御する制御装置13とを備えている。ステアリングホイール2は、適宜なばね機構など(図示略)により、常時中立位置へ向けて弾発付勢されている。また、制御装置13には、図示しない変速機が後退ギヤに連結されたことを通知する後退信号が入力される。
制御装置13は、図2のブロック図に示すように、操舵角センサ3,車速センサ11,転舵角センサ12,キャンセルスイッチ14からの信号、および前記後退信号に基づいてステアリングモータ10を制御する転舵制御部(転舵アクチュエータ制御手段)20と、転舵制御部20,操舵トルクセンサ5,車速センサ11及び転舵角センサ12からの信号に基づいて反力モータ4を制御する反力制御部(反力制御手段)30とを備えており、反力モータ4とステアリングモータ10とを個別に制御し得るようになっている。
転舵制御部20は、操舵角センサ3からのステアリングホイール2の操舵方向を含めた操舵角信号と、車速センサ11からの車速信号とに基づいて目標転舵角を設定する目標転舵角設定部(目標転舵角設定手段)21と、この目標転舵角に転舵角センサ12の出力値、つまり、車輪6の実転舵角を一致させるためのステアリングモータ10への供給電力を制御するステアリングモータ制御部22とを備えている。
目標転舵角設定部21は、ステアリングホイール2の操舵角と目標転舵角との比、すなわち制御レシオの可変制御を行い、車速が高くなるにしたがって制御レシオが徐々に低減するように、換言すると、車速が低くなるにしたがって制御レシオが徐々に増大するように目標転舵角を設定する。これにより、低速時にはステアリングホイール2の操作量が小さくても車輪6を大きく転舵させることができるようにして取り回し性を向上させ、高速時には低速時よりもステアリングホイール2の操作量を大きくしないと車輪6を転舵することができないようにして操舵安定性を向上させる。
その結果、ステアリングホイール2に運転者が与えた操舵角(操作量)に対し、その時の車速を加味した最適な車輪6の転舵角が決定される。
また、目標転舵角設定部21は、同じ車速であっても、車両の後退時には、前進時よりも制御レシオを小さく設定する。一般に車両を後退させるときは低速で行うが、このときも前進時と同じ制御レシオに設定すると、制御レシオが大きいため車両の方向変更が思っている以上に過敏になり、操作が難しくなる。この車両用操舵装置1では、車両後退時の制御レシオを前進時の制御レシオよりも小さくすることによって、後退時の車両の方向変更を緩く(遅く)することができるので、後退操作を容易に行うことができる。
この後退時の制御レシオ低減制御は、運転者がキャンセルスイッチ14を操作することによって解除することができ、キャンセルスイッチ14によって制御レシオ低減制御が解除された場合には、後退時であっても制御レシオを前進時と同じにすることができる。これによって、運転者の好みに応じて後退時の車両の方向変更を遅くしたり早くしたりすることができる。
反力制御部30は、車速センサ11からの車速信号,転舵角センサ12からの転舵角信号,および転舵制御部20からの舵角指令信号に基づいて目標操舵反力を設定する目標操舵反力設定部(反力決定手段)31と、この目標操舵反力設定部31で設定された目標操舵反力に操舵トルクセンサ5の出力値(つまり、実操舵トルク)を一致させるための反力モータ4への供給電力を制御する反力モータ制御部32とを備えている。
ここで、転舵制御部20からの舵角指令信号は、目標転舵角設定部21から出力される目標転舵角信号と転舵角センサ12から出力される転舵角信号(実転舵角信号)との偏差信号(以下、操舵制御偏差信号という)である。
これにより、運転者の操舵方向とは逆方向の操舵反力がステアリングホイール2に加えられ、ステアリングホイール2と車輪6との間に、あたかもトーションバーが存在するかのような操舵フィーリングを得ることができる。
次に、図3のフローチャートを参照して制御レシオの制御を説明する。図3のフローチャートに示す制御レシオの制御ルーチンは所定時間毎に制御装置13によって繰り返し実行される。
まず、ステップS101において、変速機から後退信号が入力されているか否かに基づいて、車両が後退しているか否かを判定する。
ステップS101における判定結果が「NO」(非後退)である場合は、車両は前進しているので、ステップS102に進み、制御レシオ通常制御を実行して、本ルーチンの実行を一旦終了する。
ステップS101における判定結果が「YES」(後退時)である場合は、ステップS103に進み、キャンセルスイッチ14がONが否かを判定する。
ステップS103における判定結果が「NO」(キャンセルスイッチ14がOFF)である場合は、ステップS104に進み、制御レシオ低減制御を実行して、制御レシオを前進時の制御レシオよりも小さい所定の値に設定し、本ルーチンの実行を一旦終了する。これにより、車両後退時の制御レシオは前進時の制御レシオよりも小さくなる。
一方、ステップS103における判定結果が「YES」(キャンセルスイッチ14がON)である場合は、ステップS102に進み、制御レシオ通常制御を実行し、前進時の制御レシオの設定を維持する。これにより、キャンセルスイッチ14がONされているときには、車両後退時であっても制御レシオは前進時の制御レシオと同一になる。
なお、この実施例において、電子制御装置13がステップS104の処理を実行することにより転舵アクチュエータ制御量低減手段が実現される。
〔他の実施例〕
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、前述した実施例では、この発明をステア・バイ・ワイヤ式ステアリング装置に適用したが、操作子と転舵輪が機械的に連結されていてアクチュエータによりギヤ比が可変となっている所謂可変ギヤ機構を有したステアリング装置にも適用可能である。
また、操作子はステアリングホイールでなく、スティックタイプのものであってもよい。
この発明に係る車両用操舵装置の一実施例における概略構成図である。 前記実施例における車両用操舵装置の制御ブロック図である。 前記実施例における制御レシオの制御フローチャートである。
符号の説明
1 車両用操舵装置
2 ステアリングホイール(操作子)
3 操舵角センサ(操作量検出手段)
10 ステアリングモータ(転舵アクチュエータ)
14 キャンセルスイッチ(解除手段)
20 転舵制御部(転舵アクチュエータ制御手段)
S104 転舵アクチュエータ制御量低減手段

Claims (2)

  1. 運転者が操作を行う操作子と、
    転舵輪を転舵する転舵アクチュエータと、
    前記操作子の操作量を検出する操作量検出手段と、
    前記操作量検出手段により検出した操作量に応じて前記転舵アクチュエータを制御する転舵アクチュエータ制御手段と、
    車両の後退時には前記操作子の操作量に対する前記転舵アクチュエータの制御量の割合を前進時よりも小さく設定する転舵アクチュエータ制御量低減手段と、
    を備えることを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 前記転舵アクチュエータ制御量低減手段の作動を手動で解除可能な解除手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用操舵装置。
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