JP2005306184A - 車両の操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ジョイスティックのような少ない操作量で転舵輪を転舵する場合にも、運転者の意図通りかつ簡単に車両を操縦することができるようにする。
【解決手段】 操舵角センサ31がジョイスティック11の左右への操舵角を検出し、電子制御ユニット34が前記検出した操舵角に応じて電動モータ21の回転を制御することにより左右前輪FW1,FW2を転舵制御する。一方、電子制御ユニット34は、前記検出された操舵角に応じて電動モータ13を駆動制御して、ジョイスティック11の操舵操作に対して操舵反力を付与する。この操舵反力の付与の際、ジョイスティック11を中立位置へ戻すための戻し操作に対して抵抗力を付与する。これにより、ジョイスティック11の保舵状態からの戻し操作に適度な抵抗が付与され、運転者は戻し操作の開始時の微妙な操作を意図通りかつ簡単に行うことができるようになる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、操舵操作部材の中立位置からの操舵量に応じて転舵輪を転舵する車両の操舵装置に関する。
従来から、ジョイスティックからなる操作部材の左右方向の操舵操作によって転舵輪を転舵する車両の操舵装置は知られている(例えば、下記特許文献1)。そして、この車両の操舵装置においては、ジョイスティックの中立位置からの操舵量の増加に従って増加する操舵反力がジョイスティックに付与されるとともに、ジョイスティックを左方向に移動操作する場合と、右方向に移動操作する場合とで、操舵量に対応した操舵反力に差を設けるようにしている。
特開平11−192960号公報
このようなジョイスティックを含む操舵操作部材を操舵操作する場合、特にジョイスティック、異形ハンドルなどのような少ない操作量で転舵輪を転舵する操舵装置においては、操舵操作部材を保舵した後に中立位置に戻すための移動操作を行う際、操舵操作部材を微妙に操作することが難しく、操舵操作部材を運転者が意図したよりも戻し過ぎてしまいがちである。そのために、運転者は車両を意図通りに操縦することができない。
具体的には、操舵操作部材を中立位置から転舵輪を転舵する側へ操舵操作する場合には、運転者は力を加えていくことになるが、この力を加えた状態から操舵操作部材を中立位置方向へ戻す場合には、微妙に力を小さくする操作が必要であり、この操作自体が難しい。また、車両の操舵装置においては、一般的には、操舵操作部材の保舵力を低減するために摩擦が付与されている。このため、操舵操作部材を中立位置から操舵操作する場合、または操舵後の保舵状態からさらに大きく操舵操作部材を操舵する場合には、運転者は操舵操作部材の移動および車両の操舵状態を探りながら徐々に力を加えていくことが可能である。しかし、操舵操作部材を保舵した後に中立位置に戻すための移動操作にあっては、前記摩擦の効果は小さく、操舵操作部材に加えていた操舵力を弱めると、操舵操作部材が直ぐに移動し始めるので、操舵操作部材の微妙な移動操作が難しい。さらに、操舵操作部材を保舵した後に中立位置に戻し始める場合、車両の挙動としてはロール角の変化が顕著に現れる。そして、人間の感度はロール角の変化に対して高く、操舵操作部材を中立位置へ戻す側へ操舵操作する際に、操舵操作部材を中立位置から転舵輪を転舵する側へ操舵操作する場合と同じ操舵操作ができたとしても、運転者は車両の操縦が難しいと感じる場合が多い。
上述した従来の装置においては、ジョイスティックを左方向に移動操作する場合と、右方向に移動操作する場合とで、操舵量に対応した操舵反力に差を設けるようにしているが、この操舵反力はあくまでも操舵量に応じて一義的に決められるもので、操舵操作部材の移動操作に対する抵抗を付与するものではないので、前記保舵後の操舵操作部材を中立位置に戻すために微妙に移動操作することは難しく、車両の操縦を難しくしていた。
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、ジョイスティック、異形ハンドルなどのような少ない操作量で転舵輪を転舵する操舵操作部材を備えた車両の操舵装置においても、運転者の意図通りかつ簡単に車両を操縦することが可能な車両の操舵装置を提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、操舵操作部材の中立位置からの操舵量に応じて転舵輪を転舵する車両の操舵装置において、操舵操作部材の操舵操作に対して操舵反力を付与するための操舵反力アクチュエータと、操舵操作部材を中立位置へ戻すための移動操作に対する抵抗力を計算する抵抗力計算手段と、前記計算された抵抗力に応じて操舵反力アクチュエータを駆動制御して、操舵操作部材を中立位置へ戻すための移動操作に対して前記計算された抵抗力に応じた操舵反力の付与を制御する操舵反力付与制御手段とを備えたことにある。この操舵装置は、例えばステアリングバイワイヤ方式の操舵装置で構成される。また、抵抗力計算手段は、例えば、操舵操作部材の操舵加速度を検出する操舵加速度検出手段と、前記検出された操舵加速度に比例した抵抗力を計算する比例計算手段とで構成される。
これによれば、操舵操作部材を中立位置へ戻すための移動操作に対する抵抗力が計算され、この計算された抵抗力が操舵反力として操舵操作部材に付与される。したがって、運転者は、この抵抗力を感じながら、保舵後の操舵操作部材を中立位置に戻すことができるので、この中立位置に戻すための操舵操作部材の微妙な移動操作が簡単になる。これにより、運転者は、意図通りかつ簡単に車両を操縦することが可能となる。
また、本発明の他の特徴は、比例計算手段が、操舵加速度に対する抵抗力の比例係数を操舵量検出手段によって検出された操舵量に応じて変更させるようにしたことにある。この場合、比例係数を、操舵量の増加に従って増加する値に設定するとよい。これによれば、操舵操作部材の操舵量が小さい、すなわち中立位置近傍で抵抗力を小さくできるので、操舵操作部材の中立復帰機能が阻害されなくなる。
また、本発明の他の特徴は、さらに、操舵操作部材を中立位置へ戻すための移動操作を検出する戻し操作検出手段を備え、比例計算手段は、戻し操作検出手段によって操舵操作部材を中立位置へ戻すための移動操作が検出された以外のときには抵抗力を「0」に計算する機能を含むようにしたことにある。この場合、操舵量が、正負の符号により操舵操作部材の中立位置からの操舵操作の方向を表すとともに、その絶対値の大きさにより操舵操作部材の操舵量を表すようにしておけば、戻し操作検出手段は、操舵操作部材の操舵量と、操舵操作部材の操舵速度との正負の符号により、操舵操作部材を中立位置へ戻すための移動操作を簡単に検出できる。これによれば、操舵操作部材を中立位置から転舵輪を転舵する方向へ操舵操作する場合には、抵抗力が付与されなくなり、転舵輪を軽快に転舵することができる。
また、本発明の他の特徴は、操舵量検出手段によって検出された操舵量の増加に従って増加する基礎操舵反力を計算し、同計算した基礎操舵反力を操舵反力付与制御手段に供給して、抵抗力計算手段によって計算された抵抗力に同計算した基礎操舵反力を加えた操舵反力を操舵操作部材に付与する基礎操舵反力制御手段とを備えたことにもある。これによれば、操舵操作部材の操舵量が増加するに従って大きくなる中立復帰力が操舵操作部材に付与され、操舵操作部材の操舵操作に対して適切な操舵反力が運転者に与えられることになるので、運転者は的確に転舵輪を転舵させることができる。
以下、本発明の一実施形態に係る車両の操舵装置について図面を用いて説明する。図1は、同実施形態に係る車両の操舵装置を概略的に示している。
この車両の操舵装置は、運転者によって操作される操舵操作装置10と、転舵輪としての左右前輪FW1,FW2を運転者の操作により転舵する転舵装置20とを機械的に分離したステアバイワイヤ方式を採用している。
操舵操作装置10は、運転者によって左右方向に回動操作される操舵操作部材としての棒状のジョイスティック11を備えている。ジョイスティック11は、その下端部を運転席近傍に設けられたケーシング12内にて前後方向の軸線回りに回転可能に支持させ、その上端部をケーシング12の上面から上方に突出させている。そして、ジョイスティック11の上端部には、運転者によって把持されるグリップ11aが設けられている。ジョイスティック11の下端の回転軸には、減速機構を内蔵した操舵反力発生用の電動モータ13の出力軸が動力伝達可能に接続されている。
転舵装置20は、転舵用アクチュエータとしての電動モータ21を備えている。この電動モータ21は、減速機構を内蔵していて、転舵出力軸22の上端を回転駆動するようになっている。転舵出力軸22の下端にはピニオンギヤ23が固定され、同ピニオンギヤ23はラックバー24に噛み合っている。ラックバー24の両端には左右前輪FW1,FW2が転舵可能に連結されており、左右前輪FW1,FW2はラックバー24の軸線方向に変位により左右に転舵される。
次に、電動モータ13,21の回転を制御する電気制御装置30について説明する。電気制御装置30は、操舵角センサ31、転舵角センサ32および車速センサ33を備えている。操舵角センサ31は、ジョイスティック11の下端の回転軸に設けた回転角センサで構成されて、ジョイスティック11の中立位置から左右方向への回転角を検出して操舵角(操舵量)θとして出力する。転舵角センサ32は、ラックバー24のハウジング(図示しない)に組み付けられて、ラックバー24の中立位置からの軸線方向の変位量を検出して実転舵角δとして出力する。なお、この転舵角センサ32は、転舵出力軸22に組み付けられて、同出力軸22の中立位置からの回転角を実転舵角δとして検出する回転角センサで構成してもよい。なお、これらの操舵角θおよび実転舵角δは、中立位置を「0」とし、右方向の角度を正の値で、左方向の角度を負の値でそれぞれ表す。車速センサ33は、車速Vを検出して出力する。
これらのセンサ31〜33は、電子制御ユニット34に接続されている。電子制御ユニット34は、CPU,ROM,RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするもので、図2の転舵制御プログラムおよび図3の操舵反力制御プログラムを所定の短時間ごとに繰返し実行して、両電動モータ13,21の作動をそれぞれ制御する制御信号を駆動回路35,36に出力する。駆動回路35,36は、電動モータ13,21に流れる駆動電流を検出する駆動電流センサをそれぞれ内蔵しており、電子制御ユニット34からの制御信号により制御されて電動モータ13,21を駆動制御する。
次に、上記のように構成した実施形態の動作を説明する。イグニッションスイッチ(図示しない)の投入後、電子制御ユニット34は、図2の転舵制御プログラムおよび図3の操舵反力制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行する。転舵制御プログラムの実行はステップS10にて開始され、電子制御ユニット34は、ステップS11にて操舵角センサ31、転舵角センサ32および車速センサ33から操舵角θ、実転舵角δおよび車速Vをそれぞれ入力する。
次に、ステップS12にて、電子制御ユニット34内に予め用意された基礎目標転舵角テーブルを参照して、前記入力した操舵角θに対応する基礎目標転舵角δo*を計算する。この基礎目標転舵角テーブルは、図4に示すように、操舵角θの「0」近傍にて「0」となり、操舵角θの増加に従って増加する基礎目標転舵角δo*を記憶している。なお、基礎目標転舵角テーブルを用いるのに代えて、操舵角θと基礎目標転舵角δo*との関係を予め定めた関数を用意しておいて、同関数を用いて前記入力した操舵角θに対応する基礎目標転舵角δo*を計算するようにしてもよい。
次に、ステップS13にて、電子制御ユニット34内に予め用意された転舵角補正係数テーブルを参照して、前記入力した車速Vに対応する転舵角補正係数Kvを計算する。この転舵角補正係数テーブルは、図5に示すように、車速Vの増加に従って減少する正の転舵角補正係数Kvを記憶している。なお、転舵角補正係数テーブルを用いるのに代えて、車速Vと転舵角補正係数Kvとの関係を予め定めた関数を用意しておいて、同関数を用いて前記入力した車速Vに対応する転舵角補正係数Kvを計算するようにしてもよい。
次に、ステップS14にて、前記計算した基礎目標転舵角δo*に転舵角補正係数Kvを乗算して、目標転舵角δ*(=Kv・δo*)を計算する。そして、ステップS15にて、前記計算した目標転舵角δ*と前記入力した実転舵角δとの差δ*−δを計算して、同差δ*−δを表す制御信号を駆動回路36に出力する。その後、電子制御ユニット34は、ステップS16にて転舵制御プログラムの実行を一旦終了する。駆動回路36は、前記制御信号に応じて電動モータ21の回転を制御することにより、転舵出力軸22、ピニオンギヤ23およびラックバー24を介して左右前輪FW1,FW2を転舵制御して、左右前輪FW1,FW2を目標転舵角δ*に転舵する。
これにより、左右前輪FW1,FW2は、ジョイスティック11が中立位置近傍にあるとき、中立状態に保たれる。そして、ジョイスティック11が中立位置近傍からさらに左右に回動操作されると、左右前輪FW1,FW2は、ジョイスティック11の回動量(すなわち操舵角θ)に応じて左右に転舵され、車両は左右に旋回する。このとき、車速Vが小さいほど転舵補正係数Kvは大きく設定されて、同一の基礎目標操舵角δo*であっても目標転舵角δ*は大きく設定されるので、低車速領域における車両の小回り性能が良好となる。
一方、操舵反力制御プログラムの実行は図3のステップS20にて開始され、電子制御ユニット34は、ステップS21にて操舵角センサ31から操舵角θを入力する。次に、ステップS22にて入力した操舵角θに時間微分演算を施すことにより操舵速度θv(=dθ/dt)を計算し、ステップS23にて前記計算した操舵速度θvに時間微分演算を施すことにより操舵加速度θa(=dθv/dt)を計算する。
次に、ステップS24にて、電子制御ユニット34内に予め用意された基礎目標操舵反力テーブルを参照して、前記入力した操舵角θに対応する基礎目標操舵反力Toを計算する。この基礎目標操舵反力テーブルは、図6に示すように、操舵角θの「0」にて「0」となり、操舵角θの増加に従って増加する基礎目標操舵反力Toを記憶している。なお、基礎目標操舵反力テーブルを用いるのに代えて、操舵角θと基礎目標操舵反力Toとの関係を予め定めた関数を用意しておいて、同関数を用いて前記入力した操舵角θに対応する基礎目標操舵反力Toを計算するようにしてもよい。
次に、ステップS25にて、電子制御ユニット34内に予め用意された抵抗力係数テーブルを参照して、前記入力した操舵角θに対応する抵抗力係数Ktを計算する。この抵抗力係数テーブルは、図7に示すように、操舵角θの「0」にて「0」となり、操舵角θの絶対値|θ|が「0」から増加するに従って増加する正の抵抗力係数Ktを記憶している。なお、この抵抗力係数Ktは、図7の破線で示すように、操舵角θが「0」近傍の値であるとき「0」に保たれ、操舵角θの絶対値|θ|が「0」近傍の値を超えると正の値となるようにしてもよい。また、抵抗力係数テーブルを用いるのに代えて、操舵角θと抵抗力係数Ktとの関係を予め定めた関数を用意しておいて、同関数を用いて前記入力した操舵角θに対応する抵抗力係数Ktを計算するようにしてもよい。
次に、ステップS26にて、電子制御ユニット34内に予め用意された戻し操作判定値テーブルを参照して、前記入力した操舵角θと前記計算した操舵速度θvとを乗算した乗算値θ・θvに対応した戻し操作判定値Kdを計算する。この戻し操作判定値テーブルは、図8に示すように、前記乗算値θ・θvの正領域にて「0」となり、前記乗算値θ・θvの負領域にてその絶対値|θ・θv|の小さな範囲内で前記乗算値θ・θvの減少に従って「0」から正の所定値(例えば、「1」)まで急峻に増加し、前記小さな範囲外で前記正の所定値に保たれる。なお、戻し操作判定値テーブルを用いるのに代えて、乗算値θ・θvと戻し操作判定値Kdとの関係を予め定めた関数を用意しておいて、同関数を用いて前記入力した乗算値θ・θvに対応する戻し操作判定値Kdを計算するようにしてもよい。
前記ステップS26の処理後、ステップS27にて前記計算した操舵加速度θa、抵抗力係数Ktおよび戻し操作判定値Kdを用いた下記式1の演算の実行により、抵抗力Trを計算する。
Tr=K1・Kt・Kd・θa …式1
ただし、K1は、操舵機構の形状、仕様、車両特性、人間の感性などによって決定される予め決められた正の定数である。
次に、ステップS28にて、前記計算した基礎目標操舵反力Toと前記計算した抵抗力Trとを加算することにより目標操舵反力T*(=To+Tr)を計算する。そして、ステップS29にて電動モータ13によってジョイスティック11に付与される操舵反力が目標操舵反力T*になるような制御処理を実行して、ステップS30にてこの操舵反力制御プログラムの実行を終了する。このステップS29の制御処理においては、駆動回路35に目標操舵反力T*を表す制御信号を出力する。駆動回路35は、内蔵の駆動電流センサによって検出される駆動電流を用いて目標操舵反力T*を表す制御信号に応じて電動モータ13を駆動制御して、ジョイスティック11の回動操作とは反対方向に目標操舵反力T*に等しい反力トルクが作用するようにする。すなわち、目標操舵反力T*が正であればジョイスティック11の上端部を左方向に回動させるような操舵反力がジョイスティック11に作用し、目標操舵反力T*が負であればジョイスティック11の上端部を右方向に回動させるような操舵反力がジョイスティック11に作用する。
そして、この操舵反力制御によれば、基礎目標操舵反力Toは、操舵角θの「0」にて「0」となるとともに操舵角θの増加に従って増加するので、ジョイスティック11が中立位置から左右に操舵操作されると、ジョイスティック11には中立位置の方向に向く操舵反力が作用する。したがって、この基礎目標操舵反力Toの成分により、ジョイスティック11の操舵操作に対しては、中立位置からの操舵角(操舵量)θの絶対値|θ|が大きくなる従って大きな中立復帰力が作用するので、運転者は、この中立復帰力を感じながら、ジョイスティック11を操舵操作して車両を的確に操縦できる。
また、戻し操作判定値Kdは、操舵角θと操舵速度θvの乗算値θ・θvが負であるとき正の値となるとともに乗算値θ・θvが正であるとき「0」であるので、この戻し操作判定値Kdはジョイスティック11の中立位置への戻し操作時に正の所定値となり、それ以外のとき「0」であることを意味する。また、抵抗力Trは、この戻し操作判定値Kd、操舵加速度θa、抵抗力係数Ktおよび定数K1を乗算した値である。そして、前記ジョイスティック11の中立位置への戻し操作時には操舵加速度θaは操舵角θと正負が逆となり、抵抗力係数Ktおよび定数K1は操舵角θが「0」以外では正の値である。したがって、抵抗力Trはジョイスティック11の中立位置への戻し操作時に、ジョイスティック11の戻し操作方向と反対に働く力である。その結果、運転者は、ジョイスティック11を保舵した後、同ジョイスティック11を中立位置に戻す際には、ジョイスティック11の操作方向とは反対方向の抵抗力Trを受けながらジョイスティック11を操作することになるので、ジョイスティック11を微妙に移動操作し易くなり、意図通りかつ簡単に車両を操縦することが可能となる。
また、この抵抗力Trは、操舵加速度θaの絶対値|θa|が大きくなるに従って大きくなるので、操舵機構の摩擦、粘性、慣性などのジョイスティック11の操舵操作の速度を考慮した抵抗力となる。したがって、前記ジョイスティック11の微妙な戻し操作がより簡単になる。さらに、抵抗力係数Ktは、操舵角θが「0」のとき「0」で、操舵角θの絶対値|θ|の増加に従って増加する値であるので、ジョイスティック11の操舵角θの絶対値|θ|が小さい、すなわちジョイスティック11が中立位置近傍にあるほど、抵抗力Trは小さくなる。したがって、前記ジョイスティック11の微妙な操舵操作をし易くしても、ジョイスティック11の中立復帰機能が阻害されることもない。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態及びその変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、図3のステップS24の処理より操舵角θのみに応じた基礎目標操舵反力Toを計算するようにした。しかし、この基礎目標操舵反力Toの計算においても、操舵速度θvおよび操舵加速度θaを用いて、操舵機構の摩擦、粘性などを考慮にいれて基礎目標操舵反力Toを計算するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、ジョイスティック11の中立位置への戻し操作を戻し操作判定値テーブルを利用して検出するようにした。しかし、操舵角θと操舵速度θvとの乗算値θ・θvの正負の符号判定により、ジョイスティック11の中立位置への戻し操作を検出するようにしてもよい。この場合、図3の操舵反力制御プログラムを図9のように変形すればよい。なお、図9の操舵反力制御プログラムにおいては、上記実施形態と同一処理内容のステップに同一符号を付してその説明を省略する。
図9の操舵反力制御プログラムにおいては、図3のステップS24,S25の処理の間に、乗算値θ・θvが負であるかを判定するステップS31の判定処理を挿入する。そして、乗算値θ・θvが負であるとき、前記図3のステップS26,S27の処理に代わるステップS32にて戻し操作判定値Kdを省略した下記式2の演算の実行により抵抗力Trを計算するようにする。
Tr=K1・Kt・θa …式2
そして、上述したステップS28の処理後、ステップS29に進む。一方、乗算値θ・θvが負でなければ、ステップS33にて目標操舵反力T*を前記ステップS24にて計算した基礎目標操舵反力Toに設定して、ステップS29に進むようにする。
また、上記実施形態の図3の操舵反力制御プログラムにおいて、ステップS26の処理すなわちジョイスティック11の中立位置への戻し判定処理を省略してもよい。このステップS26の処理を省略した操舵反力制御プログラムを図10に示す。ただし、この場合にも、上記変形例の場合と同様に、図3のステップS27に代わる上記ステップS32にて戻し操作判定値Kdを省略した上記式2の演算の実行により抵抗力Trを計算するようにする。
この変形例によれば、ジョイスティック11を中立位置から左右へ回動操作する場合にも、抵抗力Trがジョイスティック11の操作に対して付与される。しかしながら、ジョイスティック11の回動操作により左右前輪FW1,FW2を操舵する場合には、ジョイスティック11を中立位置を開始点として左右に回動操作することが多く、しかも図7のグラフに示すように、抵抗力係数Ktは操舵角θの絶対値|θ|の小さな範囲内においては小さいので、この左右前輪FW1,FW2の操舵操作に対しては前記抵抗力Trによる影響を無視できる場合が多い。また、図6のグラフに示す基礎目標操舵反力Toの調整によっても、前記左右前輪FW1,FW2の操舵操作に対する抵抗力Trの影響を緩和できる。したがって、この変形例によっても、上記実施形態に似た効果を期待できる。
また、上記実施形態においては、操舵操作部材としてジョイスティック11を採用するようにしたが、異形ハンドルのような少ない操舵量(操舵角)で転舵輪を転舵する車両の操舵装置に本発明を適用すると有効である。さらに、本発明は、通常の円形の操舵ハンドルへの適用を除外するものではなく、前記ジョイスティック11および異形ハンドルに比べれば、その効果は小さいが、通常の円形の操舵ハンドルを備えた車両の操舵装置に本発明を適用しても、運転者は車両を操縦し易くなる。
本発明の一実施形態に係る車両の操舵装置の概略図である。 図1の電子制御ユニットによって実行される転舵制御プログラムのフローチャートである。 図1の電子制御ユニットによって実行される操舵反力制御プログラムのフローチャートである。 操舵角に対する基礎目標転舵角の変化特性を示すグラフである。 車速に対する転舵角補正係数の変化特性を示すグラフである。 操舵角に対する基礎目標操舵反力の変化特性を示すグラフである。 操舵角に対する抵抗反力係数の変化特性を示すグラフである。 操舵角と操舵速度の積に対する戻し操作判定値の変化特性を示すグラフである。 前記操舵反力制御プログラムの変形例を示すフローチャートである。 前記操舵反力制御プログラムの他の変形例を示すフローチャートである。
符号の説明
FW1,FW2…前輪、10…操舵操作装置、11…ジョイスティック、13…電動モータ、20…転舵装置、21…電動モータ、23…ピニオンギヤ、24…ラックバー、31…操舵角センサ、32…転舵角センサ、33…車速センサ、34…電子制御ユニット。

Claims (5)

  1. 操舵操作部材の中立位置からの操舵量に応じて転舵輪を転舵する車両の操舵装置において、
    操舵操作部材の操舵操作に対して操舵反力を付与するための操舵反力アクチュエータと、
    操舵操作部材を中立位置へ戻すための移動操作に対する抵抗力を計算する抵抗力計算手段と、
    前記計算された抵抗力に応じて前記操舵反力アクチュエータを駆動制御して、操舵操作部材を中立位置へ戻すための移動操作に対して前記計算された抵抗力に応じた操舵反力の付与を制御する操舵反力付与制御手段とを備えたことを特徴とする車両の操舵装置。
  2. 請求項1に記載した車両の操舵装置において、さらに
    操舵操作部材の操舵量を検出する操舵量検出手段と、
    前記検出された操舵量の増加に従って増加する基礎操舵反力を計算し、同計算した基礎操舵反力を前記操舵反力付与制御手段に供給して、前記抵抗力計算手段によって計算された抵抗力に同計算した基礎操舵反力を加えた操舵反力を操舵操作部材に付与する基礎操舵反力制御手段とを備えた車両の操舵装置。
  3. 請求項2に記載した車両の操舵装置において、
    前記抵抗力計算手段を、
    操舵操作部材の操舵加速度を検出する操舵加速度検出手段と、
    前記検出された操舵加速度に比例した抵抗力を計算する比例計算手段とで構成した車両の操舵装置。
  4. 前記比例計算手段は、前記操舵加速度に対する抵抗力の比例係数を前記操舵量検出手段によって検出された操舵量に応じて変更させるようにした請求項3に記載した車両の操舵装置。
  5. 請求項3または4に記載した車両の操舵装置において、さらに
    操舵操作部材を中立位置へ戻すための移動操作を検出する戻し操作検出手段を備え、
    前記比例計算手段は、前記戻し操作検出手段によって操舵操作部材を中立位置へ戻すための移動操作が検出された以外のときには抵抗力を「0」に計算する機能を含む車両の操舵装置。
JP2004125151A 2004-04-21 2004-04-21 車両の操舵装置 Pending JP2005306184A (ja)

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