JP4375554B2 - 車両の操舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、操舵ハンドルの操舵操作に応じて転舵輪を転舵する車両の操舵装置に関する。
従来から、例えば下記特許文献1に示されているように、操舵ハンドルの操舵操作に応じた転舵輪の転舵をアシストするために、操舵ハンドルに付与される操舵力を転舵輪へ伝達するための伝達機構に、電動モータの回転駆動力を減速器であるボールねじ機構を介して伝達するようした車両の操舵装置は知られている。
特開2003−314654号公報
一般的に、この種の従来装置においては、摩擦力を低減するためにボールねじ機構(減速器)におけるクリアランスをある程度大きくしておく必要がある。特に、このクリアランスは、温度に応じて変化するものであるので、温度変化による減少をも考慮しておく必要がある。しかし、ボールねじ機構(減速器)にクリアランスをもたせると、ベルジャン路(石だたみ路)を走行したり、操舵ハンドルを切返し操作したりする場合には、ボールねじ機構のボールの衝突により異音が発生したり、減速器として減速ギヤを用いる場合には噛み合った歯の衝突により異音が発生したりする。特に、電動モータの回転速度の変動周期と制御系の固有振動の周期が一致すると、異音の発生が顕著となる。
本発明者は、この衝突による異音の発生が、電動モータの出力軸の角速度の変化に起因することに気がついた。本発明は、この着眼点に基づいてなされたもので、その目的は前記異音の発生を抑制するようにした車両の操舵装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、電動モータおよび減速器を備え、電動モータの回転を減速器を介して転舵輪に伝達するようにした車両の操舵装置において、電動モータの角速度を検出する角速度検出手段と、前記検出された角速度を用いて電動モータの角速度の変動を抑制するための抑制制御信号を生成して、同生成した抑制制御信号を電動モータの回転制御信号である電流値に加味する変動抑制制御手段とを設け、変動抑制制御手段を、電動モータの目標とする角速度を表す目標角速度と角速度検出手段によって検出された角速度との差分値を所定時間ごとに繰り返し計算する差分値計算手段と、差分値計算手段によって差分値が計算されるごとに同計算された差分値が取り得る値の上限および下限を制限する差分値制限手段と、差分値計算手段による計算に用いた目標角速度から差分値制限手段によって上限および下限の制限された差分値を減算して、同減算結果を差分値計算手段による次回の差分値の計算に用いられる目標角速度とするために目標角速度を更新する目標角速度更新手段とで構成し、前記計算された差分値を抑制制御信号としたことにある。
また、この発明においては、例えば、電動モータの回転制御信号は操舵ハンドルの操舵操作をアシストするための操舵アシスト制御信号であり、変動抑制制御手段は抑制制御信号を操舵アシスト制御信号である電流値に加味するようにするとよい。また、電動モータの回転制御信号は操舵ハンドルの操舵操作に応じて転舵輪を転舵するための転舵制御信号であり、変動抑制制御手段は抑制制御信号を転舵制御信号である電流値に加味するようにしてもよい。
これによれば、変動抑制制御手段が、電動モータの角速度の変動を抑制するための抑制制御信号を生成して電動モータの回転制御信号に加味するので、減速器に入力される電動モータの回転における角速度の変動が抑制される。その結果、減速器にクリアランスを設けても、同クリアランスによる異音の発生を防止できる。特に、差分値計算手段、差分値制限手段および目標角速度更新手段からなる変動抑制制御手段において、差分値制限手段における上限および下限の設定により、電動モータの回転における角速度の変動の抑制の程度、すなわち回転制御信号に対する電動モータの回転の追従性を可変することができ、異音の発生を抑えたうえで、電動モータの回転の追従性も確保するように簡単に調整できるようになる。
a.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態について図面を用いて説明すると、図1は、第1実施形態に係り、運転者による操舵操作に対してアシスト機能を有する車両の操舵装置の全体概略図である。
この車両の操舵装置は、操舵ハンドル11に上端を一体回転するように接続したステアリングシャフト12を備え、同シャフト12の下端にはピニオンギヤ13が一体回転するように接続されている。ピニオンギヤ13は、ラックバー14に形成されたラック歯と噛み合ってラックアンドピニオン機構を構成する。ラックバー14の両端には左右前輪FW1,FW2が操舵可能に接続されており、左右前輪FW1,FW2は、ステアリングシャフト12の軸線回りの回転に伴うラックバー14の軸線方向の変位に応じて左右に操舵される。ラックバー14には、操舵アシスト用の電動モータ15が組み付けられている。電動モータ15の回転は、減速器を構成するボールねじ機構16によって減速されるとともにラックバー14の直線運動に変換される。
次に、電動モータ15の作動を制御する電気制御装置20について説明する。電気制御装置20は、操舵トルクセンサ21、回転角センサ22および車速センサ23を備えている。操舵トルクセンサ21は、ステアリングシャフト12の上部に組み付けられていて、操舵ハンドル11の回動操作によってステアリングシャフト12に作用する操舵トルクTrを検出する。なお、操舵トルクTrは、正負の値により操舵ハンドル11の右方向および左方向の操舵時の操舵トルクTrを表す。回転角センサ22は、電動モータ15に組み付けられて、電動モータ15の中立位置からのモータ回転角θmを検出する。なお、モータ回転角θmは、正負の値により電動モータ15の正逆回転時の回転角を表す。車速センサ23は、車速Vを検出して出力する。
また、電気制御装置20は、操舵トルクセンサ21、回転角センサ22および車速センサ23に接続された電子制御ユニット24を備えている。電子制御ユニット24は、CPU,ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とし、図2のアシスト制御プログラムを実行することにより、駆動回路25を介して電動モータ15を駆動制御する。駆動回路25は、電子制御ユニット24によって指定される駆動電流を電動モータ15に流す。
次に、上記のように構成した第1実施形態の動作について説明する。電子制御ユニット24は、イグニッションスイッチの投入により、アシスト制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行し始める。アシスト制御プログラムの実行は図2のステップS10にて開始され、ステップS11にて操舵トルクセンサ21、回転角センサ22および車速センサ23から、操舵トルクTr、モータ回転角θmおよび車速Vをそれぞれ入力する。
次に、電子制御ユニット24は、ステップS12にて、ROM内に設けられているアシスト指令値テーブルを参照して、操舵トルクTrおよび車速Vに応じて変化する目標アシストトルクTasを計算する。このアシスト指令値テーブルは、図3に示すように、複数の代表的な車速値ごとに、操舵トルクTrの増加に従って非線形増加する複数の目標アシストトルクTasを記憶している。この目標アシストトルクTasは、同一の操舵トルクTrに対して、車速Vが低いほど大きい。なお、このアシスト指令値テーブルを利用するのに代えて、操舵トルクTrおよび車速Vに応じて変化する目標アシストトルクTrを関数により予め定義しておき、同関数を利用して目標アシストトルクTrを計算するようにしてもよい。
前記ステップS12の処理後、電子制御ユニット24は、ステップS13にて、今回および前回のアシスト制御プログラムの実行時にステップS11の処理によって入力した両モータ回転角θmを用いて微分演算を実行することにより、電動モータ15の角速度ω(=dθm/dt)を計算する。そして、ステップS14にて、今回の目標角速度ω*から前記計算した今回の角速度ωを減算することにより、角速度の差分値Δω(=ω*−ω)を計算する。なお、目標角速度ω*は、電動モータ15の目標とする角速度を表す変数であり、前回のアシスト制御プログラムの実行時に計算された値である。
この差分値Δωの計算後、電子制御ユニット24は、ステップS15にて差分値Δωに基づいて制御トルクTcを計算する。この制御トルクTcの計算においては、例えば、PID制御手法を利用できる。すなわち、差分値Δωに係数k1を乗じた比例項k1・Δωと、差分値Δωを微分した微分値d(Δω)/dtに係数k2を乗じた微分項k2・d(Δω)/dtと、差分値Δωを積分した積分値∫(Δω)dtに係数k3を乗じた積分項k3・∫(Δω)dtとを加算した値を制御トルクTc(=k1・Δω+k2・d(Δω)/dt+k3・∫(Δω)dt)とする。なお、差分値Δωの微分演算および積分演算においては、以前にアシスト制御プログラムの実行時において計算した差分値Δωを、今回のアシスト制御プログラムの実行時において計算した差分値Δωに加えて利用する。また、係数k1,k2,k3は、予め決められた値である。さらに、前記制御トルクTcの計算においては、PID制御手法を用いないで、比例項k1・Δω、微分項k2・d(Δω)/dtおよび積分項k3・∫(Δω)dtのいずれか一つを制御トルクTcとし、またはいずれか二つの加算値を制御トルクTcとしてもよい。
次に、電子制御ユニット24は、ステップS16にて、駆動回路25を介して電動モータ15を制御して、前記計算した目標アシストトルクTasに制御トルクTcを加算した大きさのトルクTas+Tcが発生されるように電動モータ15を作動させる。具体的には、電子制御ユニット24は前記トルクTas+Tcに比例した大きさの電流を表す電流指令値を駆動回路25に出力し、駆動回路25は電流指令値により指定された大きさの電流を電動モータ15に流す。
これにより、電動モータ15は、その出力軸にトルクTas+Tcに等しい回転トルクを出力する。そして、この回転トルクはボールねじ機構16に伝達され、ボールねじ機構16は電動モータ15の回転を減速するとともに直線運動に変換して、ラックバー14を軸線方向に駆動する。その結果、運転者による操舵ハンドル11の回動操作が電動モータ15によりアシストされ、左右前輪FW1,FW2は運転者による操舵力と電動モータ15によるアシスト力により操舵される。
前記ステップS16の電動モータ15の制御後、ステップS17,S18の処理によって次回のアシスト制御プログラムのために目標角速度ω*を更新し、ステップS19にてこのアシスト制御プログラムの実行を一旦終了する。ステップS17においては、前記ステップS14の処理によって計算された差分値Δωが取り得る値の上限および下限を制限するリミッタ処理を実行する。このリミッタ処理においては、ROM内に設けられている差分値テーブルを参照して、差分値Δωに対応した目標差分値Δωを計算する。差分値テーブルは、図4に示すように、予め決めた差分値Δωの所定範囲(負の所定値−Δω1以上かつ正の所定値Δω1以下までの範囲内)で線形変化し、前記所定範囲外(負の所定値−Δω1未満および正の所定値Δω1を越えた範囲内)で一定値にとなる目標差分値Δω*を記憶している。なお、本第1実施形態では、前記予め決めた差分値Δωの所定範囲で、差分値Δωに対して線形変化する目標差分値Δω*の比例係数は「1」であるが、「1」以外の値を採用してもよい。さらに、予め決めた差分値Δωの所定範囲で、差分値Δωに対して目標差分値Δω*を非線形変化させるようにしてもよい。また、この差分値テーブルを利用するのに代えて、差分値Δωに応じて前記特性で変化する目標差分値Δω*を関数により予め定義しておき、同関数を利用して目標差分値Δω*を計算するようにしてもよい。
ステップS18においては、前記ステップS14の計算処理にて利用した目標角速度ω*(すなわち前回のアシスト制御プログラムの実行時のステップS18の処理により計算した目標角速度ω*)から、前記ステップS17のリミッタ処理によって得た目標差分値Δω*を減算して、同減算結果ω*−Δω*を新たな目標角速度ω*(=ω*−Δω*)とすることにより、目標角速度ω*を更新する。そして、次回のアシスト制御プログラムの実行時に、この更新された目標角速度ω*が用いられる。なお、目標角速度ω*の初期値は、図示しない初期設定処理により、例えば「0」に設定されている。
上記のように動作する第1実施形態においては、前記ステップS13〜S16の処理によって、電動モータ15の回転トルクが、目標アシストトルクTasに加えた制御トルクTcにより、目標角速度ω*に近づくように制御される。そして、この目標角速度ω*は、前記ステップS18の処理により電動モータ15の現実の角速度ωに近づくように変更されるが、ステップS17のリミッタ処理によって目標差分値Δω*の変化幅が制限される。すなわち、ステップS17、S18の処理により、目標角速度ω*の変化が抑制されるように制御される。その結果、電動モータ15の回転制御に対する制御トルクTcによる制御項は、電動モータ15の角速度の変動を抑制するように作用する。したがって、減速器であるボールねじ機構16に入力される電動モータ15の回転における角速度の変動が抑制され、ボールねじ機構16にクリアランスを設けても、同クリアランスによる異音の発生を防止できる。
前記ステップS17のリミッタ処理においては、所定値Δω1の絶対値|Δω1|を小さく設定することにより、目標角速度ω*の変化はより大きく制限され、電動モータ15の角速度の変動がより大きく抑制すなわち目標アシストトルクTasに対する電動モータ15の回転の追従性が悪くなる。逆に、所定値Δω1の絶対値|Δω1|を大きく設定することにより、目標角速度ω*の変化の制限は緩和され、電動モータ15の角速度の大きな変動が許容すなわち目標アシストトルクTasに対する電動モータ15の回転の追従性が良好となる。したがって、このリミッタ処理の制限特性を適当に設定するだけで、電動モータ15の回転における角速度の変動の抑制の程度、すなわち目標アシストトルクTasに対する電動モータ15の回転の追従性を可変することができ、異音の発生を抑えたうえで、電動モータ15の回転の追従性も確保するように簡単に調整できるようになる。
なお、上記第1実施形態においては、ラックバー14を電動モータ15で駆動することにより、操舵ハンドル11の操舵操作をアシストするようにした。しかし、これに代えて、ステアリングシャフト12を軸線周りに駆動することにより、操舵ハンドル11の操舵操作をアシストするようにしてもよい。この場合、図1に破線で示すように、電動モータ31をステアリングシャフト12に組み付けて、電動モータ31の回転を減速器32を介してステアリングシャフト12に伝達して同シャフト12を軸線周りに駆動するようにすればよい。なお、この場合の減速器32としては、小歯車と大歯車の組み合わせ、遊星歯車機構などかる減速ギヤ機構を利用するとよい。また、この場合も、電動モータ31に回転角センサ33を組み付けて、電動モータ31の回転角θmを検出するようにする。
このように構成した変形例においては、減速器32を構成する歯車機構内の噛み合った歯の衝突の異音が問題となる。しかし、上記第1実施形態の場合と同様に、電子制御ユニット24は、図2のアシスト制御プログラムを実行することにより、電動モータ31の回転を上記第1実施形態と同様に制御する。したがって、この変形例によっても、上記第1実施形態の場合と同様に、前記噛み合った歯の衝突による異音の発生が良好に抑えられる。
b.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について図面を用いて説明すると、図5は、第2実施形態に係り、ステヤバイワイヤ方式の車両の操舵装置の全体概略図である。
この車両の操舵装置も、操舵ハンドル41に上端を一体回転するように接続したステアリングシャフト42を備え、同シャフト42の下端には操舵反力用の電動モータ43が組み付けられている。電動モータ43は、その回転により操舵ハンドル41の回動操作に対して操舵反力を付与する。
また、この車両の操舵装置は、ステアリングシャフト42とは分離されて左右方向に延設された転舵軸44を備えている。転舵軸44の両端には左右前輪FW1,FW2が操舵可能に接続されており、左右前輪FW1,FW2は転舵軸44の軸線方向の変位に応じて左右に操舵される。転舵軸44には、転舵用の電動モータ45が組み付けられている。電動モータ45の回転は、減速器を構成するボールねじ機構46によって減速されるとともに転舵軸44の直線運動に変換される。
次に、電動モータ43、45の作動を制御する電気制御装置50について説明する。電気制御装置50は、操舵角センサ51および回転角センサ52を備えている。操舵角センサ51は、ステアリングシャフト42に組み付けられていて、ステアリングシャフト42の軸線周りの回転角を検出することによりハンドル操舵角θhを検出する。なお、ハンドル操舵角θhは、正負の値により操舵ハンドル11の右方向および左方向の操舵角を表す。回転角センサ52は、電動モータ45に組み付けられて、電動モータ45の中立位置からのモータ回転角θmを検出する。なお、モータ回転角θmは、正負の値により電動モータ15の正逆回転時の回転角を表す。
また、電気制御装置50は、操舵角センサ51および回転角センサ52に接続された電子制御ユニット53を備えている。電子制御ユニット53も、CPU,ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とし、図6の操舵制御プログラムを実行することにより、駆動回路54,55を介して電動モータ43,45を駆動制御する。駆動回路54,55は、電子制御ユニット53によって指定される駆動電流を電動モータ43,45にそれぞれ流す。
次に、上記のように構成した第2実施形態の動作について説明する。電子制御ユニット24は、イグニッションスイッチの投入により、操舵制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行し始める。操舵制御プログラムの実行は図6のステップS20にて開始され、ステップS21にて操舵角センサ51および回転角センサ52から、ハンドル操舵角θhおよびモータ回転角θmをそれぞれ入力する。次に、ステップS22にて、前記入力したモータ回転角θmに基づいて、ボールねじ機構46などを考慮した比例変換により左右前輪FW1,FW2の実転舵角δを計算する。
次に、電子制御ユニット53は、ステップS23にて、ROM内に予め用意された目標転舵角テーブルを参照して、前記入力したハンドル操舵角θhに対応する目標転舵角δ*を計算する。この目標転舵角テーブルは、図7に示すように、ハンドル操舵角θhの増加に従って増加する目標転舵角δ*を記憶している。なお、目標転舵角テーブルを用いるのに代えて、ハンドル操舵角θhと目標転舵角δ*との関係を予め定めた関数を定義しておいて、同関数を用いて前記入力した操舵角θに対応する目標転舵角δ*を計算するようにしてもよい。また、車速センサ、ヨーレートセンサ、横加速度センサなどを設けて、前記各センサによって検出された車速、ヨーレート、横加速度などに応じて前記計算した目標転舵角δ*を補正するようにしてもよい。
次に、電子制御ユニット53は、ステップS24にて、目標操舵反力テーブルを参照して、前記入力したハンドル操舵角θhに対応する目標操舵反力Thを計算する。この目標操舵反力テーブルは、図8に示すように、ハンドル操舵角θhの増加に従って増加する目標操舵反力Thを記憶している。なお、目標操舵反力テーブルを用いるのに代えて、ハンドル操舵角θhと目標操舵反力Thとの関係を予め定めた関数を定義しておいて、同関数を用いて前記入力したハンドル操舵角θhに対応する目標操舵反力Thを計算するようにしてもよい。なお、この場合にも、車速、ヨーレート、横加速度などに応じて目標操舵反力Thを補正してもよい。
これらの目標転舵角δ*および目標操舵反力Thの計算後、電子制御ユニット53は、上記第1実施形態の図2のステップS13〜S15と同様なステップS25〜S27の処理により、差分値Δωおよび制御トルクTcを計算する。そして、電子制御ユニット24は、ステップS28にて、前記計算した目標転舵角δ*から実転舵角δを減算した減算値δ*−δに所定の係数kを乗算し、同乗算値k・(δ*−δ)に制御トルクTcを加算した制御信号k・(δ*−δ)+Tcに応じて電動モータ45の作動を駆動回路55を介して制御する。具体的には、電子制御ユニット53は前記制御信号k・(δ*−δ)+Tcに比例した大きさの電流を表す電流指令値を駆動回路55に出力し、駆動回路55は電流指令値により指定された大きさの電流を電動モータ45に流す。
これにより、電動モータ45は、その出力軸に制御信号k・(δ*−δ)+Tcに等しい回転トルクを出力する。そして、この回転トルクはボールねじ機構46に伝達され、ボールねじ機構46は電動モータ45の回転を減速するとともに直線運動に変換して、転舵軸44を軸線方向に駆動する。その結果、左右前輪FW1,FW2は、基本的には目標転舵角δ*に転舵される。
前記転舵用の電動モータ45の制御後、電子制御ユニット53は、ステップS29にて、駆動回路54を介して操舵反力用の電動モータ43を制御して、前記計算した目標操舵反力Thに等しいトルクを電動モータ45に発生させる。具体的には、電子制御ユニット53は操舵反力Thに比例した大きさの電流を表す電流指令値を駆動回路54に出力し、駆動回路55は電流指令値により指定された大きさの電流を電動モータ43に流す。これにより、運転者による操舵ハンドル11の操舵操作に対して適度な操舵反力Thが付与される。
前記ステップS28,S29の電動モータ43,45の制御後、ステップS30,S31にて、上記第1実施形態の図2のステップS17,S18と同様な処理により、次回のアシスト制御プログラムのために目標角速度ω*を更新し、ステップS32にてこのアシスト制御プログラムの実行を一旦終了する。
上記のように動作する第2実施形態においては、上記第1実施形態の場合と同様、前記ステップS25〜S28の処理によって、電動モータ45の回転トルクは、目標転舵角δ*と実転舵角δの差分値δ*―δに加えた制御トルクTcにより制御される。そして、この場合も、上記第1実施形態の場合と同様に、前記ステップS30,S31の処理により、電動モータ45の回転制御に対する制御トルクTcによる制御項は、電動モータ45の角速度の変動を抑制するように作用する。その結果、減速器であるボールねじ機構46に入力される電動モータ45の回転における角速度の変動が抑制され、ボールねじ機構46にクリアランスを設けても、同クリアランスによる異音の発生を防止できる。また、上記第1実施形態の場合と同様に、ステップS30のリミッタ処理の制限特性を適当に設定するだけで、電動モータ45の回転における角速度の変動の抑制の程度、すなわち左右前輪FW1,FW2を目標転舵角δ*に転舵するための制御信号δ*−δに対する電動モータ45の回転の追従性の可変することができ、異音の発生を抑えたうえで、電動モータ45の回転の追従性も確保するように簡単に調整できるようになる。
なお、上記第2実施形態においては、転舵軸44を電動モータ45およびボールねじ機構46により直線的に駆動して左右前輪FW1,FW2を転舵するようにした。しかし、これに代えて、図9に示すように電動モータ61の回転トルクを減速器62を介してピニオンギヤ63に伝達し、同ピニオンギヤ63を回転駆動するようにしてもよい。なお、この場合の減速器62も、小歯車と大歯車の組み合わせ、遊星歯車機構などかる減速ギヤ機構を利用するとよい。そして、ピニオンギヤ63は、ラックバー64に形成されたラック歯と噛み合い、その回転によりラックバー64を軸線方向に変位させる。ラックバー64の両端には左右前輪FW1,FW2が操舵可能に接続されており、電動モータ61の回転に伴うラックバー64の軸線方向の変位に応じて左右に操舵される。また、この場合も、電動モータ61に回転角センサ65を組み付けて、電動モータ31の回転角θmを検出するようにする。
このように構成した変形例においては、減速器を構成する歯車機構内の噛み合った歯の衝突の異音が問題となる。しかし、上記第2実施形態の場合と同様に、電子制御ユニット53は、図6の操舵制御プログラムを実行することにより、電動モータ61の回転を上記第2実施形態と同様に制御する。したがって、この変形例によっても、上記第2実施形態の場合と同様に、前記噛み合った歯の衝突による異音の発生が良好に抑えられる。
c.その他の変形例
さらに、本発明は上記第1および第2実施形態、ならびにそれらの変形例に限定されることなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
上記第1実施形態およびその変形例においてはステップS17,S18の演算処理により目標角速度ω*を計算し、上記第2実施形態およびその変形例においてはステップS30,S31の演算処理により目標角速度ω*を計算するようにした。しかし、これらの演算処理に加えて、前記計算された目標角速度ω*にローパスフィルタ処理を実行する演算処理を施して、さらに、目標角速度ω*の変化を抑制するようにしてもよい。
さらに、上記第1および第2実施形態、ならびにそれらの変形例においては、操舵ハンドル11,41として回動操作されるものを採用した。しかし、この操舵ハンドル11、41に代えて、例えばジョイスティックなどのように直線的な操作により左右前輪FW1,FW2を操舵させる操舵ハンドルを利用した車両の操舵装置にも本発明は適用される。
第1実施形態に係り、運転者による操舵操作に対してアシスト機能を有する車両の操舵装置の全体概略図である。 図1の電子制御ユニットにより実行されるアシスト制御プログラムのフローチャートである。 操舵トルクと、車速と、目標アシストトルクとの関係を示すグラフである。 差分値のリミッタ特性を示すグラフである。 第2実施形態に係り、ステヤバイワイヤ方式を採用した車両の操舵装置の全体概略図である。 図5の電子制御ユニットにより実行される操舵制御プログラムのフローチャートである。 ハンドル操舵角と目標転舵角との関係を示すグラフである。 ハンドル操舵角と目標操舵反力との関係を示すグラフである。 第2実施形態の変形例に係り、ステヤバイワイヤ方式を採用した車両の操舵装置の全体概略図である。
符号の説明
11,41…操舵ハンドル、12,42…ステアリングシャフト、13…ピニオンギヤ、14…ラックバー、15、31,43,45,61…電動モータ、16,46…ボールねじ機構、21…操舵トルクセンサ、22、33,52,65…回転角センサ、23…車速センサ、24,53…電子制御ユニット、32,62…減速器、44…転舵軸、51…操舵角センサ。

Claims (3)

  1. 電動モータおよび減速器を備え、電動モータの回転を減速器を介して転舵輪に伝達するようにした車両の操舵装置において、
    電動モータの角速度を検出する角速度検出手段と、
    前記検出された角速度を用いて電動モータの角速度の変動を抑制するための抑制制御信号を生成して、同生成した抑制制御信号を電動モータの回転制御信号である電流値に加味する変動抑制制御手段とを設け
    前記変動抑制制御手段を、
    電動モータの目標とする角速度を表す目標角速度と前記角速度検出手段によって検出された角速度との差分値を所定時間ごとに繰り返し計算する差分値計算手段と、
    前記差分値計算手段によって差分値が計算されるごとに同計算された差分値が取り得る値の上限および下限を制限する差分値制限手段と、
    前記差分値計算手段による計算に用いた目標角速度から前記差分値制限手段によって上限および下限の制限された差分値を減算して、同減算結果を前記差分値計算手段による次回の差分値の計算に用いる目標角速度とするために目標角速度を更新する目標角速度更新手段とで構成し、
    前記計算された差分値を前記抑制制御信号としたことを特徴とする車両の操舵装置。
  2. 前記電動モータの回転制御信号は操舵ハンドルの操舵操作をアシストするための操舵アシスト制御信号であり、前記変動抑制制御手段は前記抑制制御信号を前記操舵アシスト制御信号である電流値に加味するようにした請求項1に記載した車両の操舵装置
  3. 前記電動モータの回転制御信号は操舵ハンドルの操舵操作に応じて転舵輪を転舵するための転舵制御信号であり、前記変動抑制制御手段は前記抑制制御信号を前記転舵制御信号である電流値に加味するようにした請求項1に記載した車両の操舵装置
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