JP4016268B2 - 操舵系制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のステアリングから機械的に切り離された操舵輪の舵角を、ステアリングの操作角に基づいてアクチュエータにて位置決め制御するための操舵系制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ステアリングと操舵輪とが機械的に切り離されたステアリングシステムとして、ステアリングの操作角を入力した操舵系制御装置が、操舵輪の舵角の目標値を演算し、ステアリングと操舵輪とが仮想のギヤ比で連結されているように舵角を位置決め制御するもの(所謂、ステアリングバイワイヤシステム)が開発されている。そして、この操舵系制御装置では、車速に応じて仮想のギヤ比を変更する構成になったいる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3277779号公報(段落[0024][0025][0027])
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来の操舵系制御装置では、ステアリングを保舵した状態で車速等の運転状況が変更した場合に、その運転状況に応じて仮想のギヤ比が変更され、保舵中にも拘わらず操舵輪の舵角が変化して運転者に違和感を与える虞があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、運転者に安定した操舵感覚を与えることが可能な操舵系制御装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る操舵系制御装置は、車両のステアリングから機械的に切り離された操舵輪の舵角を、ステアリングの操作角に基づいてアクチュエータにて位置決め制御するための操舵系制御装置であって、ステアリングの操作角から操舵輪の舵角に係る目標値を決定するための操舵係数を、車速等の運転状況に応じて更新する操舵係数更新手段と、更新された操舵係数と操作角とから操舵輪の舵角に係る目標値を決定する目標値決定手段とを備え目標値決定手段は、ステアリングが中立点以外の位置で保舵された場合は、その保舵の開始時に更新された操舵係数を用いて、操舵輪の舵角に係る目標値を決定すると共に、保舵が解除されたときに、操舵係数を保舵中に用いた操舵係数から操舵係数更新手段が更新した最新の操舵係数に徐々に変化させて、操舵輪の舵角に係る目標値を決定する操舵系制御装置において、操舵係数を保舵中に用いた操舵係数から操舵係数更新手段が更新した最新の操舵係数に徐々に変化さるための補正ゲインが設定され、所定周期でインクリメントされる整数をnとし、ステアリングの操作角をθ(n)とし、操舵係数更新手段が更新した最新の操舵係数をK(n)とし、保舵の開始時に更新された操舵係数をK(0)とし、補正ゲインをA(n)とし、保舵を解除した後の操舵輪の舵角に係る目標値をX(n)とした場合に、目標値決定手段は、目標値X(n)を、X(n)=θ(n)×K(n)×A(n)、によって求めると共に、ステアリングの操作中の補正ゲインA(n)を、A(n)=1、とし、保舵中の補正ゲインA(n)を、A(n)=K(0)/K(n)、とし、保舵解除後の補正ゲインA(n)を、通常は、K(0)/K(n)から徐々に1に収束させ、ステアリングの切り込み中でかつ補正ゲインA(n)が1より大きな場合或いは、ステアリングの切り戻し中でかつ補正ゲインA(n)が1より小さい場合は、保舵解除後の補正ゲインA(n)を現状の値に保持するように構成したところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の操舵系制御装置において、ステアリングの中立点から中立点以外の位置で保舵する迄のステアリングの操作角の積算変位量をΣdθとし、保舵解除直後から現時点までのステアリングの操作角の積算変位量をΣdθ’とし、保舵解除時の補正ゲインをA(0)とすると、保舵解除後の補正ゲインA(n)を、
A(n)=A(0)−(A(0)−1)×|Σdθ’|/|Σdθ|
A(0)=K(0)/K(n)
、で求めることで、保舵前におけるステアリングの操作角の積算変位量に対応させて、A(n)をK(0)/K(n)から徐々に1に収束させるところに特徴を有する。
【0010】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
請求項1の操舵系制御装置では、ステアリングが中立点以外の位置で保舵された場合は、たとえ車速等の運転状況が変化しても、保舵の開始時に更新された操舵係数を用いて操舵輪の舵角に係る目標値が一定の値に決定される。そして、保舵が解除されたときには、保舵中の操舵係数から最新の操舵係数に徐々に変化させて、操舵輪の舵角に係る目標値が決定される。これにより、保舵中に車速等の運転状況が変化しても操舵輪の舵角が一定に保持され、保舵解除後は、車速等の運転状況に対応した最新の操舵係数にスムーズに移行し、運転者に安定した操舵感覚を与えることができる。
【0011】
具体的には、請求項1の操舵系制御装置では、所定周期でインクリメントされる整数をnとし、ステアリングの操作角をθ(n)とし、操舵係数更新手段が更新した最新の操舵係数をK(n)とし、保舵の開始時に更新された操舵係数をK(0)とし、操舵係数を保舵中に用いた操舵係数から操舵係数更新手段が更新した最新の操舵係数に徐々に変化さるための補正ゲインをA(n)とし、保舵を解除した後の操舵輪の舵角に係る目標値をX(n)とした場合に、目標値決定手段が目標値X(n)を、
X(n)=θ(n)×K(n)×A(n)
、によって求める。そして、ステアリングの操作中(即ち、保舵されれていない状態)の補正ゲインA(n)は1になり、ステアリングの操作中の目標値X(n) は、
X(n)=θ(n)×K(n)
、で求められる。また、保舵中の補正ゲインA(n)は、K(0)/K(n)になりかつ操作角θ(n)は一定であるから、舵角に係る目標値X(n)は、
X(n)=θ(n)×K(n)×K(0)/K(n)=θ(n)×K(0)
、となり、一定に保持される。
さらに、保舵解除後の補正ゲインは、通常、K(0)/K(n)から徐々に1に収束するので、保舵解除後に上記したステアリングの操作中と同じ状態にスムーズに移行される。これにより、運転者に違和感を与えることなく、操舵輪の位置決め制御を行うことができる。
ところで、運転者にとっては、ステアリングを深く切り込むに従って操舵輪の舵角の変化が増し、ステアリングを切り戻すに従って操舵輪の舵角の変化が鈍くなるものが好ましい。そして、本発明の操舵系制御装置では、保舵解除後であって、ステアリングの切り込み中でかつ補正ゲインA(n)が1より大きな場合或いは、ステアリングの切り戻し中でかつ補正ゲインA(n)が1より小さい場合には、補正ゲインA(n)を現状の値に保持されるので、上記したステアリングの切り込み・切り戻し対する操舵輪の挙動を実現することができる。
【0012】
<請求項2の発明>
請求項2の構成によれば、保舵解除から現時点までのステアリングの操作角の積算変位量Σdθ’が徐々に増加して、ステアリングの中立点から中立点以外の位置で保舵する迄のステアリングの操作角の積算変位量Σdθと同じ値に近づくと、補正ゲインA(n)がK(0)/K(n)から1に収束する。これにより、保舵状態を挟んだ前後におけるステアリングの操舵感覚を近似させることができ、運転者に違和感を与えることなく、操舵輪の位置決め制御を行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
以下、本発明に係る第1実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図1には、本実施形態のステアリングシステム10の全体構成が示されている。このステアリングシステム10は、所謂、ステアバイワイヤシステムであって、ステアリング11と操舵輪20,20とが機械的に切り離されており、ステアリング11の中心に固定されたステアリングシャフト12が、反力用アクチュエータ13に軸支され、ステアリングシャフト12を回転させたときの反力を反力用アクチュエータ13で発生させている。
【0015】
より具体的には、反力用アクチュエータ13の駆動回路13Kには、反力コントローラ14(以下、「反力ECU14」という)の出力が接続され、その反力ECU14の入力には、軸力センサ15及び車速センサ16が接続されている。軸力センサ15は、操舵輪20,20の間に差し渡されたリレーロッド22にかかる軸力を検出している。そして、反力ECU14は、軸力センサ15の検出結果に基づき、路面状況に応じてリレーロッド22にかかる軸力の変化をステアリング11の回転に対する反力の変化として反映させている。また、反力ECU14は、車速センサ16の検出結果に基づき、ステアリング11の回転に対する反力を変化させ、高速走行時にはステアリング11が重たくなり、低速走行時にはステアリング11が軽くなるように制御している。
【0016】
反力用アクチュエータ13とステアリングシャフト12との間には、操作角センサ17が取り付けられ、ステアリング11の操作角「θ」を検出している。ここで、車両を直進させる際のステアリング11の位置が、本発明に係る「ステアリングの中立点」に相当し、ステアリング11の操作角「θ」は、中立点を原点とした所定の座標における「位置」でありかつ中立点からの変位量でもある。
【0017】
前記したリレーロッド22には、転舵用アクチュエータ21の出力部が連結されている。そして、駆動回路21Kにて転舵用アクチュエータ21を駆動することで、リレーロッド22がスライドされ、これに連動して操舵輪20,20が転舵される。
【0018】
転舵用アクチュエータ21には、リレーロッド22のスライド位置を検出するための位置センサ23が取り付けられている。ここで、車両を直進させるためのリレーロッド22の位置を「中立点」とすると、リレーロッド22が中立点から左右の何れかにスライドした量に応じて、操舵輪20,20が左右何れかの向きに所定の舵角だけ転舵する。そして、本実施形態では、リレーロッド22の中立点を原点としかつリレーロッド22のスライド方向に延びた所定の座標におけるリレーロッド22のスライド位置「X」が、本発明にかかる「操舵輪の舵角に係る目標値」に相当する。
【0019】
リレーロッド22を目標位置に位置決め制御するために、本発明に係る「操舵系制御装置」に相当する転舵コントローラ25(以下、「転舵ECU25」という)が設けられている。転舵ECU25には、車速センサ16、操作角センサ17および位置センサ23の検出信号が取り込まれている。転舵ECU25は、車速センサ16が検出した車速vに基づいて、仮想ギヤ比K(本発明に係る「操舵係数」に相当する)を決定する。
【0020】
ここで、ステアリング11の変位角θを横軸とし、リレーロッド22のスライド位置Xを縦軸とした座標において、変位角θとスライド位置Xとの関係を示したグラフを作成すると、図2に示すように、車速v毎に複数のグラフが描かれる。そして、これら各グラフにおける傾き(=ΔX/Δθ)が仮想ギヤ比Kに相当し、車速vが増すに従って仮想ギヤ比Kは小さくなり、逆に、車速vが低減するに従って仮想ギヤ比Kは大きくなる。また、本実施形態では、操作角θとスライド位置Xとは線形関係になっいるので、次式(1)に示すように、ステアリング11の位置としての操作角θと仮想ギヤ比Kとの積によって、リレーロッド22のスライド位置Xを求めることができる。
【0021】
X=θ×K ・・・・・(1)
【0022】
ところで、ステアリング11が中立点以外の所定位置で保舵された状態においても、例えば、車速の変化に応じて仮想ギヤ比Kを変更すると、例えば、図2の点P1から点P2の変化に示すように、ステアリング11の操作角θが一定であるにも拘わらず、リレーロッド22のスライド位置Xが変化するという現象が起きてしまう。そこで、本実施形態では、ステアリング11が中立点以外の位置で保舵された場合には、以下に詳説するように、転舵ECU25が実行する転舵用プログラムMによって通常時と異なる処理を行っている。
【0023】
転舵ECU25は、図3及び図4に示した転舵用プログラムMを所定周期で実行する。なお、以下の説明において、A(n)、K(n)等のように「(n)」を付したものは、操舵用プログラムMを実行した現時点の各値を示し、A(n-1)、K(n-1)等のように「(n-1)」を付したものは、操舵用プログラムMを前回実行した時点の各値を示すものとする。
【0024】
転舵用プログラムMが実行されると、転舵ECU25に取り込まれた車速vに基づいて仮想ギヤ比K(n)が決定される(S1)。即ち、本実施形態ではステップS1が、本発明に係る「操舵係数更新手段」に相当する。
【0025】
次いで、ステアリング11が中立点にあるか否かをチェックし(S2)、ステアリング11が中立点にある場合には(S2で「Y」)、補正ゲインA(n)を「1」とし(S3)、リレーロッド22の目標値X(n)を次式(2)の演算にて求める(S4)。
【0026】
X(n)=θ(n)×K(n)×A(n) ・・・・・・(2)
【0027】
ここで、操作角θ(n)とリレーロッド22の目標値X(n)との比(=X(n)/θ(n))を仮想ギヤ比と定義するのであれば、本実施形態では、上記式(2)における[K(n)×A(n)]が実質的な仮想ギヤ比になる。なお、ステアリング11が中立点にある場合は(S2で「Y」)、θ(n)=0であるから、上記式(2)により、リレーロッド22の目標値X(n)は「0」に固定される。
【0028】
ステアリング11が中立点にない場合には(S2で「N」)、ステアリング11が保舵されているか否かがチェックされる(S5)。
【0029】
ステアリング11が保舵されている場合には(S5で「Y」)、フラッグFが「0」か否かをチェックすることで(S8)、保舵開始時か保舵継続中かをチェックする。ここで、フラッグFが「0」であった場合、即ち、保舵開始時の場合には(S8で「Y」)、K(0)に仮想ギヤ比K(n)の値を記憶する(S9)。そして、フラッグFに「1」をセットする(S10)。
【0030】
次いで、補正ゲインA(n)を次式(3)で求める(S11)。
A(n)=K(0)/K(n) ・・・・・・(3)
また、この補正ゲインA(n)は、保舵解除後の補正ゲイン収束演算(S14)で固定値として使用するために、A(0)に記憶される(S12)。
【0031】
次いで、保舵が解除された時の収束レートB(収束率)を次式(4)に基づいて決定する(S13)。
B=|1−A(0)|/|Σdθ| ・・・・・(4)
ここで、Σdθは、操作角θの中立点からの積算変位量である。
【0032】
次いで、リレーロッド22の目標値X(n)を前記式(2)の演算にて求める(S4)。ここで、前記式(2)に前記式(3)を代入すると、
【0033】
X(n)=θ(n)×K(0) ・・・・・・(2)’
【0034】
となり、ステアリング11の保舵中においては、θ(n)は一定であるので、かりに車速が変わっても、リレーロッド22の目標値は一定に保持され、操舵輪20の舵角が固定される。
【0035】
一方、ステアリング11が保舵されていない場合には(S5で「N」)、フラッグが「0」にリセットされ(S6)、操舵用プログラムMを前回実行したときの補正ゲインA(n−1)が「1」であるか以下をチェックする(S7)。そして、補正ゲインA(n−1)が「1」であった場合には(S7で「Y」)、補正ゲインA(n)を「1」にして(S3)、リレーロッド22の目標値を前記式(2)の演算にて求める(S4)。なお、A(n−1)が「1」になる場合としては、保舵中に車速が変更されなかった場合、或いは、保舵継続中に車速が変更されたが保舵開始時と保舵解除時の車速が同じであった場合が挙げられる。
【0036】
一方、補正ゲインA(n−1)が「1」でなかった場合(S7で「N」)、即ち、保舵開始時と保舵解除時の車速が異なる場合は、補正ゲイン収束演算が行われる(S14)。
【0037】
補正ゲイン収束演算(S14)は、図4に詳細が示されており、まず、保舵解除直前の補正ゲインA(0)が「1」より大きい否かがチェックされる(S20)。A(0)が「1」より大きい場合には(S20で「Y」)、次式(5)で補正ゲインA(n)が求められる(S21)。
【0038】
A(n)=A(0)−B×|Σdθ’| ・・・・・(5)
【0039】
ここで、Σdθ’は、保舵中の操作角θから保舵解除後の現時点までの積算変位量である。そして、A(n)が「1」より小さくならない限り(S22で「N」)、上記式(5)で求めたA(n)と前記式(2)とを用いて、リレーロッド22の目標値が演算される(S4)。なお、A(n)が「1」より小さくなった場合(オーバーシュートした場合)には(S22で「Y」)、A(n)を「1」にすることで(S23)、A(n)の発振を防ぐ。
【0040】
一方、A(0)が「1」より小さい場合には(S20で「N」)、次式(6)で補正ゲインA(n)が求められる(S24)。
【0041】
A(n)=A(0)+B×|Σdθ’| ・・・・・(6)
【0042】
ここで、Σdθ’は、保舵中の操作角θから保舵解除後の現時点までの積算変位量であり、A(n)が「1」より大きくならない限り(S25で「N」)、上記式(6)で求めたA(n)を用いて、リレーロッド22の目標値が前記(2)式の演算にて求められる(S4)。なお、A(n)が「1」より大きくなった場合(オーバーシュートした場合)には(S25で「Y」)、A(n)を「1」にすることで(S26)、A(n)の発振を防ぐ。
【0043】
これらにより、例えば、図5(A)の点P3から点P4に延ばした破線で示すように、ステアリング11を所定の操作角θ1において保舵中に車速がv3からv1に変わり、保舵解除後にステアリング11を中立点に切り戻す場合には、中立点に戻るに従って徐々にA(n)が1に収束し、運転者に違和感を与えることなく、車速v3の仮想ギヤ比Kから車速v1の仮想ギヤ比Kに切り替えることができる。また、図5(B)の点P5から点P6に延ばした破線で示すように、ステアリング11を中立点から更に切る場合においても、A(n)が緩やかに変化し、運転者に違和感を与えることなく、仮想ギヤ比の切り替えることができる。
【0044】
なお、本実施形態では、上記した転舵用プログラムMのステップS1〜S4までが、本発明に係る「目標値決定手段」に相当する。また、図6には、転舵用プログラムMの流れをブロック線図にして示してある。
【0045】
本実施形態に係る転舵ECU25の構成は以上のようであり、この転舵ECU25によれば、ステアリング11の操作中におけるリレーロッド22の目標値X(n) は、
X(n)=θ(n)×K(n)
で求められる。そして、保舵解除後には、[K(n)×A(n)]を実質的な仮想ギヤ比として、次式でリレーロッド22の目標値X(n)が演算される。
X(n)=θ(n)×K(n)×A(n)
ここで、保舵解除後に補正ゲインA(n)が徐々に1に収束するので、実質的な仮想ギヤ比が[K(n)×A(n)]から[K(n)]にスムーズに移行する。これにより、運転者に安定した操舵感覚を与えることできる。
【0046】
<第2実施形態>
本実施形態は、前記第1実施形態の構成の一部を変更したものであり、第1実施形態と異なる部分が図7〜図10に示されている。以下、第1実施形態と異なる部分に関してのみ説明し、同一の構成に関しては、第1実施形態と同一の符合を付して重複説明を省略する。
【0047】
図7に示すように、本実施形態の転舵ECUは、車速v以外に、操作角θ、操作角速度dθ/dtによって仮想ギヤ比Kを決定する。具体的には、仮想ギヤ比Kが操作角θの大きさによって変化するように設定されている。即ち、図8に示すように、操作角θが増すに従って、仮想ギヤ比Kが大きくなる。これにより、ステアリング11の中立点付近に比べて、ステアリング11を切り込む程、操舵輪20が急峻に転舵する。また、例えば、ステアリング11の操作角速度の大きさに応じた係数を、仮想ギヤ比Kに乗じることで、ステアリング11を早く回転させたときに操舵輪20が早く転舵する構成になっている。
【0048】
ところで、本実施形態では、上記したように操作角θとスライド位置Xとが非線形関係なので、前記第1実施形態の式(1)にように、ステアリング11の位置としての操作角θと仮想ギヤ比Kとの積によって、リレーロッド22のスライド位置Xを求めることができない。そこで、本実施形態の転舵用プログラムM’では、図9に示すように、目標値演算処理の構成を、前記第1実施形態と異ならせてある。即ち、本実施形態では、目標値演算処理(S32)では、次式(7)に示すように、操作角θの変位量Δθ(n)と仮想ギヤ比K(n)と補正ゲインA(n)の積によって、リレーロッド22のスライド位置X(n)の変位量ΔXを求め、この変位量ΔXを現時点のスライド位置X(n)に加えて目標値を求めている。
【0049】
X(n)=X(n)+Δθ(n)×K(n)×A(n) ・・・・・・(7)
【0050】
ところで、前記第1実施形態の構成では、保舵解除後に常に補正ゲイン収束演算処理(S14)を行うので、ステアリング11を切り込む程、操舵輪20が緩やかに転舵し、ステアリング11を切り戻す程、操舵輪20が急峻に転舵する状況が生じうる。また、図10の点P7から点P8に移行する場合のように、ステアリング11を廻しても、操舵輪20が転舵しない状況又は逆向きに転舵する状況が起こりうる。
【0051】
そこで、本実施形態では、補正ゲイン収束演算処理(S14)を実行する前に、ステアリング11を切り込み中(即ち、θ(n)>θ(n−1))でかつ補正ゲインA(n)が1より大きいか否かをチェックすると共に(S30)、ステアリング11を切り戻し中(即ち、θ(n)<θ(n−1))でかつ補正ゲインA(n)が1より小さいか否かをチェックしている(S31)。
【0052】
そして、ステアリング11を切り込み中でかつ補正ゲインA(n)が1より大きい場合(S30で「Y」)、或いは、ステアリング11を切り戻し中でかつ補正ゲインA(n)が1より小さい場合(S32で「Y」)の場合には、ゲイン収束演算処理(S14)を行わずに、補正ゲインA(n)を変化させる現状の値に保持する。そして、上記以外の場合に(S30で「N」、S31で「N」)、補正ゲイン収束演算処理(S14)を実行する。
【0053】
これにより、ステアリング11を深く切り込むに従って操舵輪20の舵角の変化が急峻になり、ステアリング11を切り戻すときに、操舵輪20の舵角の変化が鈍くなる特性を保持することができる。
【0054】
<他の実施形態>
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記第1及び第2の実施形態では、ステアリング11の操作角θに仮想ギヤ比K及び補正ゲインAを掛けて目標値Xを演算する構成であったが、操作角及び車速等の諸条件に応じてデータマップから目標値を決定する構成であってもよい。
【0055】
(2)前記第1及び第2の実施形態では、リレーロッド22のスライド位置を本発明に係る「操舵輪の舵角に係る目標値」としていたが、操舵輪の舵角と連動して変化するものであれば、「操舵輪の舵角に係る目標値」は、ステアシャフトのスライド位置以外のもの(例えば、操舵輪の舵角そのもの)であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るステアリングシステムの概念図
【図2】ステアリングの操作角とステアシャフトのスライド位置と車速との関係を示したグラフ
【図3】転舵用プログラムのフローチャート
【図4】補正ゲイン収束演算処理のフローチャート
【図5】(A)補正ゲインを徐々に収束させた状態を示したグラフ
(B)補正ゲインを徐々に収束させた状態を示したグラフ
【図6】操舵系制御装置の制御構成を示したブロック図
【図7】第2実施形態におけるステアリングの操作角とステアシャフトのスライド位置と車速との関係を示したグラフ
【図8】操舵系制御装置の制御構成を示したブロック図
【図9】転舵用プログラムのフローチャート
【図10】補正ゲインを徐々に収束させた状態を示したグラフ
【符号の説明】
10…ステアリングシステム
11…ステアリング
12…ステアリングシャフト
15…軸力センサ
16…車速センサ
17…操作角センサ
20…操舵輪
21…転舵用アクチュエータ
22…ステアロッド
23…位置センサ
25…転舵ECU(操舵系制御装置)

Claims (2)

  1. 車両のステアリングから機械的に切り離された操舵輪の舵角を、前記ステアリングの操作角に基づいてアクチュエータにて位置決め制御するための操舵系制御装置であって、
    前記ステアリングの操作角から前記操舵輪の舵角に係る目標値を決定するための操舵係数を、車速等の運転状況に応じて更新する操舵係数更新手段と、
    更新された前記操舵係数と前記操作角とから前記操舵輪の舵角に係る目標値を決定する目標値決定手段とを備え、
    前記目標値決定手段は、前記ステアリングが中立点以外の位置で保舵された場合は、その保舵の開始時に更新された前記操舵係数を用いて、前記操舵輪の舵角に係る目標値を決定すると共に、前記保舵が解除されたときに、操舵係数を前記保舵中に用いた操舵係数から前記操舵係数更新手段が更新した最新の前記操舵係数に徐々に変化させて、前記操舵輪の舵角に係る目標値を決定する操舵系制御装置において、
    前記操舵係数を前記保舵中に用いた操舵係数から前記操舵係数更新手段が更新した最新の前記操舵係数に徐々に変化さるための補正ゲインが設定され、
    所定周期でインクリメントされる整数をnとし、
    前記ステアリングの操作角をθ(n)とし、
    前記操舵係数更新手段が更新した最新の前記操舵係数をK(n)とし、
    前記保舵の開始時に更新された前記操舵係数をK(0)とし、
    前記補正ゲインをA(n)とし、
    保舵を解除した後の前記操舵輪の舵角に係る目標値をX(n)とした場合に、
    前記目標値決定手段は、前記目標値X(n)を、
    X(n)=θ(n)×K(n)×A(n)
    、によって求めると共に、
    前記ステアリングの操作中の前記補正ゲインA(n)を、
    A(n)=1
    、とし、前記保舵中の前記補正ゲインA(n)を、
    A(n)=K(0)/K(n)
    、とし、前記保舵解除後の前記補正ゲインA(n)を、通常は、K(0)/K(n)から徐々に1に収束させ、前記ステアリングの切り込み中でかつ前記補正ゲインA(n)が1より大きな場合或いは、前記ステアリングの切り戻し中でかつ前記補正ゲインA(n)が1より小さい場合は、前記保舵解除後の前記補正ゲインA(n)を現状の値に保持するように構成したことを特徴とする操舵系制御装置。
  2. 前記ステアリングの中立点から前記中立点以外の位置で保舵する迄の前記ステアリングの操作角の積算変位量をΣdθとし、
    前記保舵解除直後から現時点までの前記ステアリングの操作角の積算変位量をΣdθ’とし、
    前記保舵解除時の前記補正ゲインをA(0)とすると、
    前記保舵解除後の前記補正ゲインA(n)を、
    A(n)=A(0)−(A(0)−1)×|Σdθ’|/|Σdθ|
    A(0)=K(0)/K(n)
    、で求めることで、前記保舵前における前記ステアリングの操作角の積算変位量に対応させて、前記A(n)をK(0)/K(n)から徐々に1に収束させることを特徴とする請求項1に記載の操舵系制御装置。
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