JP2008185146A - 偏心軸の軸封構造およびポンプ装置 - Google Patents

偏心軸の軸封構造およびポンプ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008185146A
JP2008185146A JP2007019859A JP2007019859A JP2008185146A JP 2008185146 A JP2008185146 A JP 2008185146A JP 2007019859 A JP2007019859 A JP 2007019859A JP 2007019859 A JP2007019859 A JP 2007019859A JP 2008185146 A JP2008185146 A JP 2008185146A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seal
eccentric shaft
shaft
rotor
eccentric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007019859A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuhisa Suhara
伸久 須原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Heishin Ltd
Original Assignee
Heishin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Heishin Ltd filed Critical Heishin Ltd
Priority to JP2007019859A priority Critical patent/JP2008185146A/ja
Publication of JP2008185146A publication Critical patent/JP2008185146A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)
  • Details And Applications Of Rotary Liquid Pumps (AREA)
  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)
  • Mechanical Sealing (AREA)

Abstract

【課題】 駆動部とロータとを連結する偏心軸継手が移送液に接液せず、偏心軸継手の長寿命化を図ることができるとともに、分解時に内部に残存し処分すべき移送液の量が少ないポンプ装置を提供する。
【解決手段】 偏心回動運動するロータ14に取り付けられるシール部材16を、このロータ14が偏心回動運動自在に挿通する挿通孔24aを有する仕切り板24の壁面に対して封止状態で当接させる。ロータ14は、ステータ15の内孔15aに回動自在に装着されている。偏心軸継手13は、仕切り壁24を基準にしてステータ15と反対側の位置に配置され、ロータ14の端部と、駆動軸25の端部とを互いに連結している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、偏心回動運動するロータを軸封するための偏心軸の軸封構造およびそれを備えるポンプ装置に関する。
従来のポンプ装置の一例を、図18を参照して説明する(例えば、特許文献1参照。)。このポンプ装置1は、同図に示すように、一軸偏心ねじポンプ2を備えており、この一軸偏心ねじポンプ2は、ロータ3とステータ4とを有している。ロータ3は、雄ねじ形状であり、雌ねじ形状の内孔4aを有するステータ4に嵌挿されている。そして、このロータ3の一端は、オルダム型偏心軸継手5を介して駆動軸6と連結している。この駆動軸6は、減速機付き電気モータである駆動部7によって回転駆動される。
そして、偏心軸継手5及び駆動軸6は、ケーシング8及びベース9内に収納されている。また、ステータ4の先端部には、ノズル8aを介してニードルノズル8bが取り付けられている。
この図18に示すポンプ装置1によれば、駆動部7が回転駆動すると、この駆動部7の回転が、駆動軸6及び偏心軸継手5を介して一軸偏心ねじポンプ2のロータ3に伝達されて、このロータ3を所定方向に偏心回転させることができる。そして、このロータ3の偏心回転運動によって、例えば液体(以下、「移送液」という)を入口9aから流入させてニードルノズル8bから吐出することができる。
特開2004−360469号公報
しかし、図18に示す従来の技術のポンプ装置1では、ロータ3が偏心回動運動するため、ロータ3にOリングなどの軸封部材によって、軸封することすることが難しく、偏心回動運動しない、つまり軸心が一定位置で回転する駆動軸6に軸封部材S1が設けられている。それ故、偏心軸継手5は、移送液に接液する位置に設置されることとなる。偏心軸継手5が前記移送液に接液しないようにするために、偏心軸継手5は、その全周が可撓性のシールカバーS2によって覆われている。そしてシールカバーS2内は、偏心軸継手5の潤滑性を確保するために潤滑剤で満たされている。
このようなポンプ装置1では、偏心軸継手5をシールカバーS2で被覆しなければならず、使用可能な偏心軸継手5の構造が制限される。また偏心軸継手5が可動することによって、シールカバーS2が破損するおそれがある。シールカバーS2が破損すると、可撓性のシールカバーS2内に前記移送液が流れ込み、偏心軸継手5に対し充分な潤滑ができない。それ故、偏心軸継手5を覆うシールカバーS2の材質などが制限され、ポンプ装置1の設計の自由度が低くなってしまう。
このように偏心軸継手5を接液側に配置することにより種々の問題が生じるおそれがあり、このような問題を解決すべく、偏心回動運動するロータ3を軸封する軸封構造の開発が望まれている。
本発明の目的は、偏心回動運動するロータを軸封する偏心軸の軸封構造およびそれを備えるポンプ装置を提供することである。
請求項1の発明に係る偏心軸の軸封構造は、偏心回動運動する偏心軸と、この偏心軸が偏心回動運動自在に挿通する挿通孔を有する仕切り壁との間を封止する偏心軸の軸封構造であって、前記偏心軸に取り付けられた第1シール部材が、前記仕切り壁の壁面に対して封止状態で当接するものである。
請求項1の発明に係る偏心軸の軸封構造によると、偏心軸が偏心回動運動すると、この偏心軸に取り付けられている第1シール部材が、仕切り壁の壁面に当接した状態で同方向に偏心回動運動する。このようにして、偏心回動運動する偏心軸と、この偏心軸が挿通する挿通孔の内周縁との隙間を封止することができる。
請求項2の発明に係る偏心軸の軸封構造は、前記第1シール部材は、その軸線方向に向かって半径方向外側に向かって広がる円環状のシール、前記軸線方向に向って半径方向内側に向かってすぼむ円環状のシール、又は前者を後者の外周に装着したものである。
請求項2の発明に係る偏心軸の軸封構造によると、軸線方向に向かうに従って半径方向外方に向って広がるシール、軸線方向に向かうに従って半径方向外方にすぼまる円環状のシール、又は前者を後者の外周に装着したものを仕切り壁に当接させて封止状態を確保しているので、前記シールが撓んだ状態で仕切り壁に当接する。これによって、例えば偏心軸が、機械構造上の軸方向の微小な遊びによって、位置ずれしても、シールが撓むことで封止状態を維持することができる。
請求項3の発明に係る軸封構造は、前記第1シール部材をメカニカルシールとしたものである。
請求項3の発明に係る偏心軸の軸封構造によると、メカニカルシールを仕切り壁に当接させ、偏心軸の軸封を達成することができる。メカニカルシールを用いることによって、偏心軸を軸封している状態で偏心軸の軸方向の変位を許容することができ、偏心軸が軸方向に振動しても、偏心軸の軸封状態を維持することができる。
請求項4の発明に係る偏心軸の軸封構造において、前記第1シール部材は、前記仕切り壁に当接する当接体と、この当接体が装着され前記当接体を前記偏心軸に取り付けるためのシール取付部とを有し、前記シール取付部は、その内周部と、前記偏心軸の外周面との間が第2シール部材で封止され、前記偏心軸の軸方向に移動自在に取り付けられているものである。
請求項4の発明に係る軸封構造によると、シール取付部は、偏心軸の軸方向に移動自在に取り付けられているので、シール取付部に装着される当接体と、仕切り壁の壁面との間隔が適切な距離となるように調整することができる。これによって、容易に偏心軸と挿通孔の内周縁との隙間を封止することができる。また、このような移動自在なシール取付部は、その内周部と偏心軸の外周部との間が、第2シール部材によって封止されている。これによってシール取付部が移動自在であっても、偏心軸とシール取付部との間を確実に封止することができる。
請求項5の発明に係るポンプ装置は、前記偏心軸の軸封構造を備えるポンプ装置であって、前記偏心軸は、一軸偏心ねじポンプのロータであり、このロータは、ステータの内孔に回動自在に装着され、前記仕切り壁を基準にして前記ステータと反対側の位置に偏心軸継手が配置され、この偏心軸継手は、ロータの端部と、回転駆動軸の端部とを互いに連結されているものである。
請求項5の発明に係るポンプ装置によると、回転駆動軸が回転すると、この回転力が偏心軸継手を介してロータに伝達されてロータが回転する。ロータが回転することによって、移送流体、例えば液体を吐出することができる。また、偏心軸の軸封構造によって、偏心軸と、この偏心軸が挿通する挿通孔の内周縁との隙間が封止されているので、ステータ側の位置にある液体が、この隙間を通って偏心軸継手に接液することを防止できる。
請求項1の発明に係る偏心軸の軸封構造によると、偏心回動運動する偏心軸と、この偏心軸が挿通する挿通孔の内周縁との隙間を第1シール部材で封止する構成としたので、偏心回動運動する偏心軸に対しても軸封を行うことができる。これによって従来のように軸心が一定の位置で回動する軸だけでなく、軸心が振れ回る偏心軸にも軸封構造を適用することができる。
請求項5の発明に係るポンプ装置によると、偏心軸であるロータの部分で封止できるので、このポンプ装置によって例えば移送される移送流体が、偏心軸継手に接触しないようにすることができる。よって、偏心軸継手をシールカバーで被覆せずに、潤滑液で潤滑することができ、偏心軸継手の寿命を延すことができる。
そして、偏心軸であるロータの部分で封止できるので、たとえば偏心軸継手や回転駆動軸を収納する部分に移送流体が流れないようにすることができ、よって、移送液が流れる領域を比較的狭くすることができる。その結果、ポンプ装置内に収容される移送液の量を少なくすることができ、これによって、メンテナンス等の分解時に、処分液を少なくすることができて経済的であり、環境面からも好ましい。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の図面符号を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。また実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図1は、本発明の第1の実施の形態のポンプ装置10を示す断面図である。ポンプ装置10は、図示しないタンクまたはカートリッジ(以下、「タンクなど」という)に接続され、前記タンクから供給される液体を定量で吐出するものである。ポンプ装置10は、いわゆる一軸偏心ねじポンプ装置であり、たとえばロボットアームの先端20に設けられ、接着剤またはシール材等を塗布し、または容器に液体を充填する際に用いられる。ポンプ装置10は、基本的にハウジング11と、モータ12と、偏心軸継手13と、ロータ14と、ステータ15と、シール部材16を有する。ポンプ装置10は、基本軸線L1(以下、「軸線L1」という)を有する。
ハウジング11は、ベース21と、ケーシング22と、ノズル23と、仕切り板24とを有している。ベース21は、ロボットアームの先端20などに固定され、軸線L1方向(以下、単に「Z方向」という)に貫通する貫通孔21aを有し、Z方向一方の開口端部21bがZ方向に突出している。ケーシング22は、Z方向に貫通する貫通孔22aが形成され、Z方向一端部22bの内周部が半径方向外方に向かって凹み、段部22cを形成している。ケーシング22の一端部22bには、ベース21の開口端部21bがシールを達成した状態で嵌合され、これによってベース21とケーシング22とが連結されている。このようにして嵌合される開口端部21bと段部22cとの間には、円環状の仕切り板24が介在している。仕切り壁である仕切り板24は、前記開口端部21bと段部22cとによってシールを達成した状態で挟持されている。このようにして配設される仕切り板24は、連結されるベース21およびケーシング22内の空間を、ベース21側の収納室11aとケーシング22側の貯留室11bとに仕切り、収納室11aと貯留室11bとが挿通孔24aによって連通されている。
ノズル23は、ロボットアームの先端20に固定され、Z方向に貫通する吐出孔23aを有する。ノズル23は、それとケーシング22との間にステータ15が介在するように配設され、ステータ15がノズル23とケーシング22とによって挟持されている。
ステータ15は、円筒状に形成され、その内部に断面が長円形の雌ねじ状の内孔15aが形成されている。ステータ15は、その軸線が軸線L1に一致し、そのZ方向中間部15bの外周部が残余の外周部よりも大径に形成されている。ステータ15は、そのZ方向一端部15cがケーシング22のZ方向他端部22dにシールを達成した状態で挿入され、またZ方向他端部15dがノズル23のZ方向一端部23bにシールを達成した状態で挿入されている。このようにステータ15は、ケーシング22およびノズル23に挿入され、ケーシング22およびノズル23によって前記Z方向中間部15bが挟持されている。ノズル23のZ方向他端部23cは、図示しないニードルノズルなどが螺着可能に構成されている。
モータ12は、回動駆動可能な駆動軸25を有し、駆動軸25をベース21に挿入している状態で、ベース21のZ方向他端部21cに取り付けられている。駆動軸25とベース21の貫通孔21aの内周縁との隙間には、U字シール26が設けられ、これによってシールが達成され、収納室11aが第1収納室27aと第2収納室27bとに分断されている。
モータ12の駆動軸25には、偏心軸継手13を介してロータ14が連結されている。偏心軸継手13は、いわゆるオルダム継手であり、ロータ14が駆動軸25に対して半径方向に偏心した状態で、駆動軸25の回動力をロータ14に伝達可能に構成されている。具体的に説明すると、偏心軸継手13は、駆動軸25の遊端部に一体的に形成される第1突起部13aと、ロータ14のZ方向一端部に一体的に形成される第2突起部13cと、中間体13bとを有する。第1突起部13aおよび第2突起部13cは、駆動軸25の半径方向であって互いに垂直な2方向にそれぞれ摺動変位可能に中間体13bに設けられ、中間体13bによって連結されている。これによって駆動軸25とロータ14とが偏心回動運動可能に連結される。偏心軸継手13は、第1収納室27aに設けられている。
ロータ14は、断面が円形の雄ねじ状に形成されている。ロータ14は、第1収納室27aから、挿通孔24aおよびケーシング22を偏心回動運動自在に挿通し、ステータ15の内孔15aに挿入されている。このようにして構成されるロータ14には、シール部材16が外嵌されている。
図2は、シールベース28を示す斜視図である。図3は、シールベース28を示す平面図である。図4は、シールベース28を示す底面図である。図5は、シールベース28を示す右側面図である。図6は、シールベース28を図3の切断線A−Aで切断して見た断面図である。図7は、シールベース28を図4の切断線B−Bで切断して見た断面図である。図8は、シールベース28を図5の切断線C−Cで切断して見た断面図である。以下、図1を参照しつつ説明する。第1シール部材であるシール部材16は、ゴムおよび合成樹脂などの弾性部材からなり、シールベース28とリップシール29とを有する。
シール取付部であるシールベース28は、ゴムおよび合成樹脂などの弾性部材からなり、大略的に円筒状に形成され、その外周部が段状に形成されている。これによってシールベース28には、その外径が大きい大径部28aと、外径が小さい小径部28bとが形成される。シールベース28には、Z方向に延びる雌ねじ状の挿通孔28eが形成され、この挿通孔28eにロータ14が挿通されている。さらに挿通孔28eの小径部28b側には、その内周部に半径方向外方に向かって凹む凹部28cが周方向全周にわたって形成され、この凹部28cにOリング30が嵌合されている。第2シール部材であるOリング30は、ロータ14の外周部と凹部28cとに挟持され、シールを達成している。
大径部28aには、内周面から外周面にわたって半径方向に貫通する位置決め孔28dが形成されている。位置決め孔28dには、位置決め部材である六角孔付きねじ35が螺合されている。六角孔付きねじ35は、これをシールベース28に挿通されているロータ14に圧接させることによって、ロータ14にシールベース28を固定することができる。このようにして構成されるシールベース28には、小径部28bの外周部にリップシール29が外嵌される。
図9は、リップシール29を示す斜視図である。図10は、リップシール29を示す平面図である。図11は、リップシール29を示す底面図である。図12は、図10に示す切断線D−Dで切断して見たリップシール29を示す断面図である。当接体であるリップシール29は、いわゆるV字シールであり、ゴムおよび合成樹脂などの弾性材料からなり、円環状に形成され、その外周部に周方向全周にわたって半径方向内方に凹む、V字状の凹所31が形成されている。この凹所31の頂点31aより軸線方向一端29a側の部分を装着部32といい、凹所31の頂点31aより軸線方向他端29b側の部分を当接部33という。装着部32は、シールベース28の小径部28bに外嵌可能に形成されている。当接部33は、軸線方向において、軸線方向一端29aから他端29bに向かうに従って半径方向外方に広がる円環状、つまりフレア状に形成されている。このように形成されるリップシール29は、凹所31の頂点31aを基点として、当接部33が軸線方向に撓むことができる。
このようにして構成されるリップシール29は、装着部32がシールベース28にシールを達成している状態で外嵌され、シールベース28とともにシール部材16を構成する。シール部材16は、ロータ14に外嵌して貯留室11bに配設されている。このシール部材16をロータ14に沿ってZ方向に摺動変位させ、当接部33を仕切り板24の貯留室11bに臨む壁面24bに圧接する。圧接することで、当接部33が撓んだ状態で仕切り板24に当接し挿通孔24aの周囲がシールされ、シール部材16によって挿通孔24aが覆われる。さらにOリング30によってロータ14とシールベース28との間がシールされる。このようにシールを達成している状態でシールベース28に螺合されている六角孔付きねじ35をロータ14に圧接し、ロータ14にシールベース28を固定し、ロータ14にシール部材16を装着する。このようにシール部材16を装着することで、当接部33がロータ14のZ方向の微小な移動又は振動(この微小な移動又は振動は、偏心軸継手13自体が有する微小な遊びによって生じる。)等を吸収し、当接部33と仕切り板24とが圧接されている状態を維持することができる。これによって微小な移動または振動等生じてもシール性能を確保することができる。
シール部材16をZ方向に摺動変位させて配置しているので、シール部材16および仕切り板24の加工精度が低くとも、当接部33を仕切り板24にしっかりと圧接することで挿通孔24aの周囲がシールされる。ポンプ装置10では、このような簡単な作業で確実にシールすることができる。また当接部33をZ方向に圧接して挿通孔24aの周囲をシールすることによって、当接部33が仕切り板24と当接したままの状態でロータ14に偏心回動運動させることができ、偏心回動運動するロータ14の軸封を達成することができる。このようにロータ14の軸封を達成することによって、第1収納室27aと貯留室11bとが分断され、かつ第1収納室27aと貯留室11bとの間がシールされる。
このようにして分断される第1収納室27a、第2収納室27bおよび貯留室11bには、ハウジング11の外方とそれぞれ連通する流路が形成されている。第1収納室27aに連通する流路を潤滑剤供給路34a、第2収納室27bに連通する流路を大気開放孔34b、貯留室11bと連通する流路を移送液供給路34cという。潤滑剤供給路34aには、潤滑剤を供給するための潤滑剤供給装置が接続され、第1収納室27aには、潤滑剤が充填されている。また潤滑剤供給路34aは、締結部材がシールを達成した状態で螺合可能に構成され、第1収納室27aを潤滑剤で満たした後に、この前記締結部材によって潤滑剤が漏れないように第1収納室27aが密封可能になっている。移送液供給路34cには、前述のタンクまたはカートリッジなどの液体供給装置が供給管(図示せず)を介して接続されており、貯留室11bは、タンクまたはカートリッジから供給される移送液で満たされている。
このようにして移送液で満たされる貯留室11bと第1収納室27aと間は、前述の通りシールされており、第1収納室27aに移送液が流入することがなく、偏心軸継手13が移送液に接液することがない。したがって従来の技術のように偏心軸継手13をシールカバーで覆う必要がなく構成を簡単にすることができる。また第1収納室27aに移送液が流入せず、潤滑剤と移送液とが混液せず、第1収納室27aを潤滑剤だけで満たすことができる。これによって、偏心軸継手13の焼きつき防止および潤滑性を確保することができる。さらに第1収納室27aに連なる潤滑剤供給路34aがハウジング11に形成され、潤滑剤供給路34aに潤滑剤供給装置が接続されているので、潤滑剤の供給を容易に行うことができ、潤滑不足による故障を抑制することができる。さらに潤滑剤供給路34aに潤滑剤を循環させる循環装置を接続することによって、潤滑剤の不足および潤滑剤の劣化による偏心軸継手13の損傷を防ぐことができ、さらなるポンプの長寿命化を図ることができる。
また第1収納室27aと貯留室11bとを分割することによって、第1収納室27aにおいて様々な潤滑剤を用いることができ、従来の技術のようなシールカバーを有するポンプ装置では使用することができない潤滑剤、たとえばゴムに対して使用できない潤滑剤であっても用いることができる。これによって種々の偏心軸継手13を使用することができ、ポンプ設計上の自由度が向上する。種々の偏心軸継手13を用いることができるので、使用者の用途に合わせて偏心軸継手13の構造を代えてポンプ装置の設計を行うことができ、たとえばポンプ装置10の小型化を図ることができる。
また第1収納室27aと貯留室11bとを分断することによって、貯留室11bの容積が小さくなる。これによってハウジング11内で貯留される移送液が少なくなる。メンテナンスなどでポンプ装置10を分解する際に、貯留室11b内に残る移送液は、処分される。すなわちポンプ装置10では、分解する際に処分すべき移送液を少なくすることができる。
このようにして構成されるポンプ装置10の動作について説明する。モータ12の駆動軸25を回転駆動させると、偏心軸継手13を介してロータ14に回動力が伝達され、ロータ14が回動する。このときロータ14は、ステータ15に挿通されているので、ステータ15の内孔15aに沿って、軸線L1まわりに公転するとともに自転する、つまり偏心回動運動する。このロータ14の偏心回動運動によって、ステータ15内の移送液が、内孔15aを通ってZ方向一端部15cからZ方向他端部15dに定量で送り出される。このようにステータ15内の移送液を送り出すことができるので、液体供給装置から供給された貯留室11bの移送液がステータ15に導かれることによって、前記移送液がノズル23から定量で送り出され吐出される。また前記方向と逆方向にロータ14を偏心回動運動させると、ノズル23から貯留室11bへ液体を吸引することができる。
このようなポンプ装置10の動作時において、貯留室11bの内圧力が第1収納室27aの内圧力よりも高い場合、当接部33が移送液によって仕切り板24に押し付けられ、これによって当接部33と仕切り板24とが互いにより密着し、より確実にシールを達成することができる。
図13は、第2の実施の形態のポンプ装置10Aを示す断面図である。図14は、リップシール29Aを示す断面図である。ポンプ装置10Aのシール部材16Aには、シールベース28とリップシール29Aが含まれる。当接体であるリップシール29Aは、大略的に円筒状に形成され、その内周部の軸線方向中間部に、周方向全周にわたって半径方向外方に凹む、V字状の凹所31Aが形成されている。この凹所31Aの頂点31bより軸線方向一端29a側の部分を装着部32Aといい、凹所31Aの頂点31bより軸線方向他端29b側の部分を当接部33Aという。装着部32Aは、シールベース28の小径部28bに外嵌可能に形成されている。当接部33Aは、円環状に形成され、Z方向において軸線方向一端29aから他端29bに向かうにつれて半径方向内方にすぼまるように形成されている。このように形成されるリップシール29Aは、凹所31の頂点31bを基点として、当接部33Aが軸線方向に撓むことができる。
このようにして構成されるリップシール29Aは、装着部32Aがシールベース28にシールを達成している状態で外嵌され、シールベース28とともにシール部材16Aを構成している。このようにして構成されるシール部材16Aは、ロータ14に外嵌させて貯留室11bに配設され、またロータ14に沿ってZ方向に摺動変位させることによって、当接部33が仕切り板24の壁面24bに圧接されている。圧接することで、当接部33Aが撓んだ状態で仕切り板24に当接し、挿通孔24aの周囲がシールされ、シール部材16Aによって挿通孔24aが覆われる。さらにOリング30によってロータ14とシールベース28との間がシールされる。このようにシールを達成している状態でシールベース28に螺合されている六角孔付きねじ35をロータ14に圧接してロータ14にシールベース28を固定し、ロータ14にシール部材16を装着する。これによって第1収納室27aと貯留室11bとが分断され、かつ第1収納室27aと、貯留室11bとの間のシールが達成される。
このようにして構成されるシール部材16A内は、図13に示すように、挿通孔24aを介して第1収納室27aと連通している。それ故、貯留室11bの内圧力が第1収納室27aの内圧力より低い場合、第1収納室27aの内圧力によって当接部33Aが仕切り板24に圧接される。このように当接部33Aが仕切り板24に圧接されることによって、シールがより良好に達成される。
本実施の形態のポンプ装置10Aによれば、実施の第1の形態のポンプ装置10の特有の作用効果を除き、実施の第1の形態のポンプ装置10と同様の作用効果を達成する。
図15は、第3の実施の形態のポンプ装置10Bを示す断面図である。ポンプ装置10Bは、第1の実施の形態のポンプ装置10と構成が類似している。ポンプ装置10と異なる点は、貯留室11bに配設されていたシール部材16を第1収納室27aに配設し、当接部33が仕切り板24の第1収納室27aに臨む壁面24cに圧接させてシールを達成している点である。このような構成は、第2の実施の形態のポンプ装置10Aと同様に、第1収納室27aの内圧力が貯留室11bの内圧力より高い場合、第1の実施の形態のポンプ装置10Aと同様の作用効果を達成する。
図16は、第4の実施の形態のポンプ装置10Cを示す断面図である。ポンプ装置10Cのシール部材16Cは、第2の実施の形態のポンプ装置10Aのシール部材16Aのリップシール29Aに、実施の第1の形態のポンプ装置10のリップシール29を外嵌して構成される。このように構成すると、第1収納室27aの内圧力で、リップシール29Aの当接部33Aが仕切り板24に圧接され、また貯留室11bの内圧力で、リップシール29の当接部33が仕切り板24に圧接されて、シールが達成される。このように各リップシール29,29Aが、各部屋27a,11bの内圧力によって圧接されるので、第1収納室27aおよび貯留室11bの内圧力が変動し、前記内圧力の大小関係が変化しても、確実にシールを達成することができる。
本実施の形態のポンプ装置10Cによれば、第1および第2の実施の形態のポンプ装置10,10Aと同様の作用効果を達成することができる。
図17は、第5の実施の形態のポンプ装置10Dを示す図である。ポンプ装置10Dのシール部材16Dは、シールベース41とリップシール29とを有する。シールベース41は、その内部にロータ14を挿通可能な雌ねじ状の挿通孔41aが形成され、大略的に円筒状に形成されている。この挿通孔41aには、ロータ14が挿通されている。さらにシールベース41の軸線方向中間部41bの内周部には、半径方向外方に向かって凹む凹部41cが形成され、この凹部41cにOリング30が嵌合されている。このOリング30は、シールベース41に挿通されるロータ14と凹部41cとに挟持され、シールを達成している。またシールベース41は、その軸線方向中間部41bの外周部が周方向全周にわたって半径方向内方に凹み、軸線方向一端部41dに内周部から外周部にわたって半径方向に貫通する位置決め孔位置決め孔41eが形成されている。位置決め孔41eには、位置決め部材である六角孔付きねじ35が螺合されている。
このようにして構成されるシールベース41は、ロータ14に外嵌されている状態で、軸線方向中間部41bが仕切り板24を挿通し、軸線方向一端部41dが収納室11aに配設され、軸線方向他端部41fが貯留室11bに配設される。さらにシールベース41には、軸線方向中間部41bの外周部の軸線方向他端部41f側にリップシール29が外嵌される。リップシール29は、貯留室11bに配設され、第1の実施の形態と同様に、シールベース41をロータ14に沿ってZ方向に変位させることによって、当接部33が仕切り板24の壁面24bに圧接され、シールを達成する。このように構成することによって六角孔付きねじ35が第1収納室27aに配設され、六角孔付きねじ35が移送液に接液しない。それ故、六角孔付きねじ35の経年劣化に伴う移送液の汚染を防止できるとともに、このような移送液の汚染を防止するために六角孔付きねじ35を加工する必要がない。
本実施の形態のポンプ装置10Dによれば、第1の実施の形態のポンプ装置10の特有の作用効果を除き、第1の実施の形態のポンプ装置10と同様の作用効果を達成することができる。
また本実施の形態では、偏心軸継手13がオルダム継手である場合について説明しているけれども、第1収納室27aと貯留室11bとを分断することによって、第1収納室27aで使用可能な潤滑剤が多様化するので、他の種類の軸継手を使用することができる。前記他の種類の軸継手は、駆動軸25の回動力を伝達し、かつ駆動軸25の半径方向に変位可能に、駆動軸25とロータ14とを連結する軸継手であればよい。このように種々の軸継手を用いることができ、ポンプ装置10の設計の自由度が向上する。また本実施の形態では、リップシール29にV字シールを用いているけれども、ばねで付勢して当接部33を仕切り板24に圧接するようなメカニカルシールを用いてもよく、Z方向のシールが確保できればよい。メカニカルシールは、たとえばロータ14にシールを達成して外嵌され、Oリングなどの円環状のシール部材と、前記Oリングを仕切り板24に向って付勢するばね部材から成る。このようなメカニカルシールを用いることによって、仕切り板24とOリングとの間が封止されている状態を維持しつつ、ロータ14の軸方向、つまりZ方向の移動を許容することができる。これによってロータ14が微小な移動又は振動をしても、シールが維持され、貯留室11bから第1収納室27aに移送液が流入することを阻止することができる。
本実施の形態では、仕切り壁として仕切り板24がベース21およびケーシング22に対し別体で設けられているけれども、ベース21またはケーシング22に仕切り壁を一体的に形成してもよい。またシールベース28とリップシール29とが別体で形成されているけれども、これらを一体的に成形してもよい。
以上のように、本発明に係るポンプ装置は、偏心回動運動するロータを軸封する場合に好適に用いられる。
本発明の第1の実施の形態のポンプ装置を示す断面図である。 シールベースを示す斜視図である。 シールベースを示す平面図である。 シールベースを示す底面図である。 シールベースを示す右側面図である。 シールベースを図3の切断線A−Aで切断して見た断面図である。 シールベースを図4の切断線B−Bで切断して見た断面図である。 シールベースを図5の切断線C−Cで切断して見た断面図である。 リップシールを示す斜視図である。 リップシールを示す平面図である。 リップシールを示す底面図である。 図10に示す切断線D−Dで切断して見たリップシールを示す断面図である。 第2の実施の形態のポンプ装置を示す断面図である。 リップシールを示す断面図である。 第3の実施の形態のポンプ装置を示す断面図である。 第4の実施の形態のポンプ装置を示す断面図である。 第5の実施の形態のポンプ装置を示す図である。 従来の技術のポンプ装置を示す断面図である。
符号の説明
10,10A,10B,10C,10D ポンプ装置
11 ハウジング
11a 収納室
11b 貯留室
12 モータ
13 偏心軸継手
14 ロータ
15 ステータ
16 シール部材
24 仕切り板
24a 挿通孔
25 駆動軸
28,28D シールベース
29,29A リップシール
35 六角孔付きねじ

Claims (5)

  1. 偏心回動運動する偏心軸と、この偏心軸が偏心回動運動自在に挿通する挿通孔を有する仕切り壁との間を封止する偏心軸の軸封構造であって、
    前記偏心軸に取り付けられた第1シール部材が、前記仕切り壁の壁面に対して封止状態で当接することを特徴とする偏心軸の軸封構造。
  2. 前記第1シール部材は、その軸線方向に向かうに従って半径方向外側に向かって広がる
    円環状のシール、前記軸線方向に向かうに従って半径方向内側に向かってすぼむ円環状のシール、又は前者を後者の外周に装着したものであることを特徴とする請求項1記載の偏心軸の軸封構造。
  3. 前記第1シール部材は、メカニカルシールであることを特徴とする請求項1記載の偏心軸の軸封構造。
  4. 前記第1シール部材は、前記仕切り壁に当接する当接体と、この当接体が装着され前記当接体を前記偏心軸に取り付けるためのシール取付部とを有し、
    前記シール取付部は、その内周部と、前記偏心軸の外周面との間が第2シール部材で封止され、前記偏心軸の軸方向に移動自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の偏心軸の軸封構造。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の偏心軸の軸封構造を備えるポンプ装置であって、
    前記偏心軸は、一軸偏心ねじポンプのロータであり、このロータは、ステータの内孔に回動自在に装着され、
    前記仕切り壁を基準にして前記ステータと反対側の位置に偏心軸継手が配置され、この偏心軸継手は、ロータの端部と、回転駆動軸の端部とを互いに連結することを特徴とするポンプ装置。
JP2007019859A 2007-01-30 2007-01-30 偏心軸の軸封構造およびポンプ装置 Pending JP2008185146A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007019859A JP2008185146A (ja) 2007-01-30 2007-01-30 偏心軸の軸封構造およびポンプ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007019859A JP2008185146A (ja) 2007-01-30 2007-01-30 偏心軸の軸封構造およびポンプ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008185146A true JP2008185146A (ja) 2008-08-14

Family

ID=39728328

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007019859A Pending JP2008185146A (ja) 2007-01-30 2007-01-30 偏心軸の軸封構造およびポンプ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008185146A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010113410A1 (ja) * 2009-03-31 2010-10-07 兵神装備株式会社 ロータ駆動機構及びそれを備えるポンプ装置
CN110762214A (zh) * 2019-11-18 2020-02-07 大连双龙泵业制造有限公司 搅拌器机械密封泵送循环装置
KR102172863B1 (ko) * 2020-07-30 2020-11-02 심재만 오일 펌프

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010113410A1 (ja) * 2009-03-31 2010-10-07 兵神装備株式会社 ロータ駆動機構及びそれを備えるポンプ装置
JP2010236424A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Heishin Engineering & Equipment Co Ltd ロータ駆動機構及びそれを備えるポンプ装置
CN102356238A (zh) * 2009-03-31 2012-02-15 兵神装备株式会社 转子驱动机构及具备转子驱动机构的泵装置
KR101315634B1 (ko) * 2009-03-31 2013-10-08 헤이신 엘티디. 로터 구동 기구 및 그것을 구비하는 펌프 장치
CN110762214A (zh) * 2019-11-18 2020-02-07 大连双龙泵业制造有限公司 搅拌器机械密封泵送循环装置
KR102172863B1 (ko) * 2020-07-30 2020-11-02 심재만 오일 펌프

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5087396B2 (ja) メカニカルシール装置
CN105569736B (zh) 涡旋膨胀机
JP4564583B2 (ja) 横型遠心分離装置
JP2008185146A (ja) 偏心軸の軸封構造およびポンプ装置
JP4289460B2 (ja) 電動オイルポンプ
JP2013177914A (ja) メカニカルシール
TWI629415B (zh) Oil-free screw compressor
JP2007231774A (ja) 電動ポンプ
WO2017047484A1 (ja) カートリッジ式ベーンポンプ
JP4164549B2 (ja) 偏心軸継手構造とその偏心軸継手構造を備えた一軸偏心ねじポンプ
JP2014190245A (ja) スクロール型圧縮機
JP2005291271A (ja) 安全弁装置
JP2018071554A (ja) 流路切替弁
JP2010150958A (ja) ベーンポンプ
JP4250713B2 (ja) 一軸偏心ねじポンプ及びその取扱方法
JP2007211741A (ja) ポンプの軸封装置
JP2007211742A (ja) ポンプの軸封装置
JP2006187076A (ja) 防水モータの出力軸部防水構造
JP5448614B2 (ja) シール構造及び給水ポンプ
JP2008082218A (ja) 回転ポンプ
CN114635854B (zh) 电动泵
JP5785733B2 (ja) ポンプ装置
CN217927134U (zh) 一种双端面机械密封件
JP2006233854A (ja) 一軸偏心ねじポンプのジョイント構造
EP2643589B1 (en) Pumps and pump-heads with separately removable field-serviceable portion