JP2008185087A - エンジンユニットおよびそれを備えた鞍乗型車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンユニットにおいて、重量および部品点数の増加を招くことなく、クランク軸回りの回転バランスを図る。
【解決手段】クランク軸11は回転中心から偏心したクランクピン7を備えている。クランクピン7にはコンロッド20が連結されており、コンロッド20のクランクピン7と反対側の端部にはピストン19が連結されている。クランク軸11の軸方向視において、クランク軸11の回転中心C1からクランクピン7の中心C2に向かって引いた線を基準線Aとする。さらに、クランク軸11の回転中心C1を中心として、基準線Aからクランク軸11の回転方向B側の角度を正の角度とし、基準線Aからクランク軸11の回転方向Bと反対側の角度を負の角度とすると、キー溝40は、クランク軸11の回転中心C1を中心として、基準線A(0度)と角度X(°)の角度をなす位置に配置されている。Xは−90度より大きく+90度未満の角度である。
【選択図】図5

Description

本発明は、エンジンユニットおよびそれを備えた鞍乗型車両に関する。
以前より、自動二輪車等の鞍乗型車両のエンジンユニットとして、ベルト式無段変速装置(以下、CVTと称する)を備えたエンジンユニットが用いられている。CVTは、クランク軸と共に回転するプライマリーシーブと、プライマリーシーブとベルトを介して連結されたセカンダリーシーブとを備えている。当該エンジンユニットでは、エンジンのクランク軸の回転は、CVTを介して出力軸に伝達される。
クランク軸の中央部には一対のクランクウェブが設けられている。一対のクランクウェブはクランクピンによって連結されており、クランクピンの一端部にはコンロッドが連結されている。コンロッドの他端部にはエンジンのピストンが接続されている。上記エンジンユニットでは、ピストンの往復運動がコンロッドおよびクランクピンによって回転運動に変換され、クランク軸が回転する。
ところで、上述のピストンは高速で往復運動する。そのため、ピストンが上死点または下死点にある際、クランク軸のクランクピン付近には大きな慣性力が働く。これにより、クランク軸が回転する際、クランク軸が振れてしまい、振動の原因となっていた。このような振動は、制御装置等の精密機械に悪影響を及ぼし、また、騒音の原因ともなるため、問題であった。
そこで、クランク軸やクランク軸と平行に設けられたバランサ軸にバランスウェイトを設けることにより、クランク軸回りの回転のアンバランスを解消したエンジンユニットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に示すエンジンユニットでは、ピストンの高速往復運動により発生する慣性力を、クランク軸と同速度で回転するバランスウェイトの遠心力により軽減し、振動等を抑制している。
特開2006−214551号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたエンジンユニットのように、バランスウェイトを設けてアンバランスを解消することとすると、エンジンユニットの重量が増大して車体全体が重くなるという問題がある。また、アンバランスを生じている箇所ごとにそれぞれバランスウェイトを設けてアンバランスを解消することとすると、部品点数が増えるため、取り付けの手間もかかり、コストがかかるという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンジンユニットにおいて、重量および部品点数の増加を招くことなく、クランク軸回りの回転バランスを図ることにある。
本発明に係るエンジンユニットは、回転中心から偏心したクランクピンを有するクランク軸と、一端部が前記クランクピンに連結されたコンロッドと、前記コンロッドの他端部に連結され往復運動するピストンと、を有するエンジンと、前記クランク軸と共に回転するプライマリーシーブと、セカンダリーシーブと、前記プライマリーシーブと前記セカンダリーシーブとに巻き掛けられたベルトと、を有するベルト式無段変速機と、を備え、前記プライマリーシーブは、前記クランク軸の軸方向視において、前記クランク軸の回転中心に対して前記クランクピン側と反対側の重量が大きくなる様に形成されているものである。
エンジンユニットを始動させると、ピストンは短いストロークを高速で往復運動する。そのため、ピストンが上死点または下死点にある際、クランク軸には大きな慣性力が働く。つまり、クランク軸には回転中心からクランクピンへ向かう方向に大きな力がかかり、回転のバランスが崩れることとなる。しかし、上記エンジンユニットのプライマリーシーブは、クランク軸の回転中心に対してクランクピン側と反対側の重量が大きくなる様に形成されている。そのため、クランク軸が回転する際、プライマリーシーブ付近には、回転中心に対してクランクピン側と反対側方向にクランクピン側方向と比して大きな遠心力が生じることとなる。これにより、ピストンの往復運動により生じる回転のアンバランスを、プライマリーシーブにより生じる遠心力のアンバランスにより軽減することができる。そのため、クランク軸回りの回転のバランスを図ることができる。したがって、上記エンジンユニットによれば、回転のアンバランスによる振動または騒音の発生を抑制することができる。
本発明によれば、エンジンユニットにおいて、重量および部品点数の増加を招くことなく、クランク軸回りの回転バランスを図ることができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態では、鞍乗型車両の例として、図1に示すスクータータイプの自動二輪車1を挙げて説明する。しかし、本発明に係る鞍乗型車両は、これに限定されるものではない。例えば、シートの前方に燃料タンクが配置されているいわゆるモータサイクル型の自動二輪車や、オフロードタイプ、いわゆるモペットタイプの自動二輪車等であってもよい。また、本発明に係る鞍乗型車両は、自動二輪車に限らず、四輪バギー等の他の鞍乗型車両であってもよい。
図1は、本実施形態に係る自動二輪車1の側面図である。まず、図1を参照しながら、自動二輪車1の全体構成について説明する。なお、以下の説明において、前後左右の方向は、シート2に着座した乗員から見た方向をいうものとする。
図1に示すように、自動二輪車1の前面、両側面の大半は、風よけのためのカウル30によって覆われている。自動二輪車1は、前輪3と駆動輪である後輪4とを備えており、前輪3と後輪4との間にはシート2が設けられている。また、シート2の下方には、エンジンユニット5が設けられている。本実施形態のエンジンユニット5は、ガソリンを燃料とするガソリンエンジンであるエンジン6(図2参照)を備えている。しかし、本発明に係る自動二輪車1のエンジン6は、ガソリンを燃料とする内燃機関に限定されない。例えば、モータエンジン等であってもよい。
図2は、図1に示した自動二輪車1のエンジンユニット5の断面図である。図2に示すように、エンジンユニット5は、エンジン6と、エンジン6のクランク軸11に連結されたベルト式無段変速機(以下、CVTという)10と、CVT10により回転駆動される従動軸21と、従動軸21に歯車列からなる減速機構12を介して連結された出力軸13と、を備えている。エンジン6の出力は、CVT10、従動軸21、減速機構12により変速され、出力軸13に伝達される。
エンジン6は、クランク軸11と、クランク軸11を収容するクランクケース14と、シリンダブロック17と、シリンダヘッド18と、シリンダヘッドカバー9とを備えている。クランクケース14は左側ケース14aと右側ケース14bとから構成されている。
クランク軸11は、クランクケース14の左側ケース14aと右側ケース14bとをそれぞれ貫く様に配置され、両ケース14a,14bに回転自在に支持されている。また、クランク軸11は、左側部11aと右側部11bとの2つの部分を有している。左側部11aの右端部にはクランクウェブ8aが形成されており、右側部11bの左端部にはクランクウェブ8bが形成されている。クランクウェブ8aとクランクウェブ8bとは、クランクピン7により連結されている。このような構成により、クランクピン7をクランク軸11の周方向に旋回させると、クランク軸11の左側部11aおよび右側部11bが一体的に回転する。
また、シリンダブロック17とシリンダヘッド18とにより囲まれた空間16には、ピストン19が摺動可能に設けられている。ピストン19にはコンロッド20の一端部が連結されており、コンロッド20の他端部は前述のクランクピン7に連結されている。これにより、クランク軸11は、ピストン19の往復運動に伴って回転することとなる。
右側ケース14bには発電機ケース22が取り付けられている。前述のクランク軸の右側部11bの右端部は、当該発電機ケース22に回転自在に支持されている。右側ケース14bと発電機ケース22とにより形成された空間23には、発電機24が設けられている。発電機24は、クランク軸11の右側部11bに固定され、共に回転するロータ24aと、ロータ24aの内部にあって発電機ケース22に固定されたステータ24bとを備えている。このような構成により、発電機24は、クランク軸11の回転により発電する。発電機24によって発電された電気は、自動二輪車1(図1参照)に搭載されている電機部品やバッテリー等に供給される。
左側ケース14aは、右側ケース14bよりも後方に延伸している。左側ケース14aには、変速機ケース15が取り付けられている。変速機ケース15は、左側ケース14aに対峙するように設けられており、左側ケース14aと変速機ケース15とは、前後方向に並ぶ第1空間25と第2空間26とを形成している。第1空間25と第2空間26とは連通しており、両空間内に前述のCVT10が格納されている。
第1空間25には、前述のクランク軸11の左側部11aが配置されており、一方、第2空間26には、従動軸21がクランク軸11に平行に設けられている。また、第2空間26には、仕切壁27が設けられており、左側ケース14aの一部と仕切壁27とにより、第3空間28が区画されている。前述の従動軸21は、第3空間28を貫く様に設けられており、従動軸21は、左側ケース14a,仕切壁27,変速機ケース15のそれぞれに回転自在に支持されている。第3空間28内部には、駆動輪である後輪4(図1参照)を回転駆動する出力軸13が設けられている。出力軸13は、仕切壁27および左側ケース14aのそれぞれに回転自在に取り付けられている。また、従動軸21と出力軸13とは、複数の歯車からなる減速機構12によって連結されており、出力軸13は従動軸21が回転駆動されると、従動して回転する。
CVT10は、クランク軸11に取り付けられたプライマリーシーブ31と、従動軸21に取り付けられたセカンダリーシーブ32と、プライマリーシーブ31とセカンダリーシーブ32とに巻き掛けられたVベルト33とを備えている。
図3はCVT10のプライマリーシーブ31付近を拡大した図である。図3に示すように、プライマリーシーブ31は、クランク軸11の一端側に固定された固定シーブ半体34と、クランク軸11の軸方向に摺動可能に取り付けられた可動シーブ半体35とを備えている。固定シーブ半体34は円錐面34aを有しており、可動シーブ半体35は円錐面(シーブ面)35aを有している。これらの円錐面34aと円錐面35aとにより、Vベルト33が巻き掛けられる断面視略V字状のベルト溝36が形成されている。
プライマリーシーブ31の可動シーブ半体35は、前述の円錐面35aを有する本体37と、クランク軸11の外周を覆う円筒状のボス部38とを有している。また、クランク軸11の外周側とボス部38の内周側との間には、略円筒形状のカラー39が設けられている。当該カラー39は、クランク軸11の一部とスプライン嵌合している。また、ボス部38は、カラー39に対して相対回転不能に固定されている。そのため、可動シーブ半体35のボス部38とカラー39とは、クランク軸11の回転に伴って共に回転する。
図4(a)は可動シーブ半体35の側面図であり、図4(b)は可動シーブ半体35の側面断面図である。図4(a)に示すように、可動シーブ半体35のボス部38には、長手方向に延びるキー溝40が形成されている。また、図3に示すように、カラー39には、径方向から視て前述のキー溝40と重なる位置に保持溝41が形成されている。ボス部38のキー溝40にはキー42の外周側端部が軸方向にスライド自在に挿入されている。キー42の内周側端部はカラー39の保持溝41に移動不能に保持されている。これにより、ボス部38には、キー42を介してクランク軸11およびカラー39のトルクが伝達される。このように、ボス部38は、カラー39と相対回転不能であるが、軸方向には相対移動可能に構成されている。
可動シーブ半体35のボス部38の外周側には、略円筒状の支持部材43が設けられており、キー溝40は当該支持部材43によって覆われている。支持部材43は、可動シーブ半体35のボス部38から突出したサークリップ38aにより、当該ボス部38と軸方向に関して相対移動しない様に規制されている。
支持部材43の外周側には軸受44が設けられている。また、軸受44の外周側には送りねじ45が設けられている。可動シーブ半体35と支持部材43と軸受44と送りねじ45とは軸方向に関して一体的に動作する様に構成されている。具体的に説明すると、軸受44は、サークリップ46により、支持部材43および送りねじ45のそれぞれと軸方向に関して相対移動しない様に規制されている。また、前述のとおり、支持部材43は可動シーブ半体35のボス部38と軸方向に関して相対移動しない様に規制されている。
左側ケース14aにはハウジング57が固定され、ハウジング57には内周面に雌ねじ49が形成された送りガイド48が固定されている。一方、前述の送りねじ45の外周面には雄ねじ47が形成されている。そして、送りねじ45と送りガイド48とは、雄ねじ47と雌ねじ49とが常時噛み合うように配置されている。送りねじ45は、回転駆動されると、雄ねじ47が雌ねじ49上を軸方向に進む様に形成されている。
また、送りねじ45の外周側にはドリブンギヤ50が相対回転不能に嵌合されている。ドリブンギヤ50は、クランク軸11と平行に配置された変速ドライブ軸51の変速ドライブギヤ52と常時噛み合っている。また、変速ドライブギヤ52は、クランク軸11および変速ドライブ軸51と平行に配置されたアイドラ軸53のギヤ部分53aと常時噛み合っている。さらに、アイドラ軸53にはギヤ54が相対回転不能に係合されており、ギヤ54は電動モータ55の回転軸56と常時噛み合っている。
このような構成により、支持部材43、軸受44、送りねじ45、送りガイド48、ドリブンギヤ50、変速ドライブ軸51、およびアイドラ軸53により、電動モータ55の駆動力を受けて可動シーブ半体35をクランク軸11の軸方向にスライド移動させる動力変換機構が構成される。これにより、ドリブンギヤ50が電動モータ55により回転駆動されると、可動シーブ半体35、支持部材43、軸受44、送りねじ45、およびドリブンギヤ50は、一体的に軸方向に往復移動する。これにより、可動シーブ半体35が固定シーブ半体34に対し、接近したり離れたりし、両シーブ半体34,35によって形成されるベルト溝36の幅(軸方向距離)が変化する。よって、これらに巻きかけられたVベルト33の径方向における位置が変化し、変速比が変更されることとなる。
一方、図2に示すように、セカンダリーシーブ32もプライマリーシーブ31と同様に、従動軸21に軸方向に関して固定された固定シーブ半体61と、従動軸21の軸方向に摺動可能に取り付けられた可動シーブ半体62とを備えている。固定シーブ半体61は円錐面61aを有しており、可動シーブ半体62は円錐面62aを有している。これらの円錐面61aと円錐面62aとにより、Vベルト33が巻き掛けられる断面視略V字状のベルト溝66が形成されている。
固定シーブ半体61は、円筒状のガイド63を有している。ガイド63は、軸受64を介して従動軸21の外周側に設けられており、従動軸21に相対回転可能に支持されている。固定シーブ半体61と従動軸21との間には、遠心式クラッチ65が介装されている。遠心式クラッチ65は、固定シーブ半体61のガイド63と一体的に回転する遠心プレート67と、遠心プレート67に支持された遠心ウエイト68と、従動軸21の左端に固定され、従動軸21と共に回転するクラッチハウジング69とを備えている。
このような構成により、固定シーブ半体61と一体的に回転する遠心プレート67の回転数が所定値に達すると、遠心ウエイト68が遠心力により径方向外側に移動する。これにより、遠心ウエイト68がクラッチハウジング69に接触し、固定シーブ半体61の回転が従動軸21に伝達されることとなる。つまり、プライマリーシーブ31がクランク軸11によって回転駆動され、Vベルト33を介してセカンダリーシーブ32が回転駆動されても、回転数が所定値に達するまでセカンダリーシーブ32は従動軸21に対して空転する。そして、回転数が所定値に達すると、セカンダリーシーブ32と従動軸21とは、遠心式クラッチ65により接続され、共に回転することとなる。
また、セカンダリーシーブ32と従動軸21とが共に回転している際、前述の電動モータ55を駆動させてプライマリーシーブ31のベルト溝36の幅を変動させると、セカンダリーシーブ32のベルト溝66の幅も変動し、変速比が変更されることとなる。具体的には、プライマリーシーブ31のベルト溝36の幅が小さくなると、Vベルト33の位置が前方にシフトし、セカンダリーシーブ32のベルト溝66の幅が大きくなる。これにより、変速比は小さくなる。一方、プライマリーシーブ31のベルト溝36の幅が大きくなると、Vベルト33が後方にシフトし、セカンダリーシーブ32のベルト溝66の幅は小さくなる。これにより、変速比が大きくなる。
以上のような構成により、エンジン6を始動させてクランク軸11が回転駆動されると、CVT10を介して従動軸21が回転する。そして、従動軸21の回転は、減速機構12を介して出力軸13に伝達される。これにより、駆動輪である後輪4が回転駆動されて、自動二輪車1が走行することとなる。
図5は、クランク軸11の軸方向視における、ピストン19,コンロッド20およびクランクピン7と、キー溝40との関係を模式的に表した図面である。以下、図5に示すクランク軸11の軸方向視において、クランク軸11の回転中心C1からクランクピン7の中心C2に向かって引いた線を基準線Aとする。さらに、クランク軸11の回転中心C1を中心として、基準線Aからクランク軸11の回転方向B側の角度を正の角度とし、基準線Aからクランク軸11の回転方向Bと反対側の角度を負の角度として以下説明する。
キー溝40は、クランク軸11の回転中心C1を中心としてクランクピン7側に設けられている。ここで、「クランクピン7側に設けられている」とは、キー溝40が、クランク軸11の回転中心C1を中心として、基準線A(0度)と角度X(°)の角度をなす位置に配置されているとすると、Xが以下の式(1)に示す角度範囲にあることを指す。なお、図5では、キー溝40が基準線A上(X=0)に設けられている場合を示している。
−90<X<+90 …(1)
ところで、エンジン6を始動させると、混合気(燃料含有空気)が燃焼し、ピストン19には大きな力が加えられ、ピストン19は高速で往復運動する。ピストン19は短いストロークを高速で往復運動するため、ピストン19が上死点または下死点にある際、クランク軸11には大きな慣性力が働くこととなる。つまり、エンジン6の運転の際、クランク軸11には回転中心C1からクランクピン7へ向かう方向に大きな力がかかるため、回転のバランスが崩れることとなる。
しかし、本発明に係るエンジンユニット5では、キー溝40が軸方向視において、中心C1に対し、クランクピン7側に設けられている。これにより、ボス部38では、キー溝40の分だけ中心C1に対しクランクピン7側の重量が小さくなる。そのため、クランク軸11の回転の際、ボス部38では、キー溝40側にかかる遠心力が他の部分よりも小さくなる。これにより、ボス部38では、軸回りの遠心力が打ち消しあわず、中心C1に対してキー溝40と反対側の向きの力が生ずることとなる。したがって、本実施形態に係るエンジンユニット5では、ピストン19の往復運動によって回転中心C1からクランクピン7へ向かう方向に生じる慣性力を、キー溝40によって中心C1に対してクランクピン7と反対側の方向に生じる力により軽減することができる。そのため、ピストン19の往復運動によるクランク軸回りの回転のアンバランスを、キー溝40によって軽減することが可能となる。これにより、クランク軸11回りの回転のバランスを図ることができる。したがって、本エンジンユニット5によれば、回転のアンバランスによる振動または騒音の発生を抑制することができる。
本エンジンユニット5では、キー溝40をクランクピン7側に設けることにより、ピストン19の往復運動により生じる慣性力を軽減することができる。そのため、従来のように、バランスウェイト等の新たな部材を設けて部品点数が増加させることなく、クランク軸11回りの回転のバランスを図ることができる。したがって、本エンジンユニット5によれば、バランスウェイトを取り付ける必要がないため、組み付けの手間を削減することができる。さらに、以上の効果より、製作におけるコストの軽減を図ることもできる。
また、本エンジンユニット5では、クランク軸11の外周側とボス部38の内周側との間には、クランク軸11にスプライン嵌合されたカラー39を設けることとし、キー42をカラー39に形成された保持溝41に移動不能に保持させることとしている。したがって、本エンジンユニット5によれば、製作が容易なカラー39を用いることより、キー42をクランク軸11と一体的に回転させることを容易に実現することができる。また、製作におけるコストの軽減を図ることもできる。
本エンジンユニット5では、プライマリーシーブ31のボス部38に設けられたキー溝40は、基準線A(0度)と−90度より大きく+90度未満の角度をなす位置にキー溝40が配置されている。そのため、キー溝40の存在により、クランクピン7側とは反対側方向(−180度以上−90度以下、および、90度以上180度以下の角度範囲内であって径方向外側向きの方向)に大きな遠心力が働くこととなる。これにより、本エンジンユニット5によれば、ピストン19の往復運動により生じる大きな慣性力を、キー溝40によって軽減することができる。これにより、クランク軸11回りの回転のバランスを図ることができる。
なお、本実施形態では、特に、キー溝40は、クランク軸11の軸方向視において、クランクピン7と等しい角度位置(0度)に設けられている。これにより、本エンジンユニット5によれば、ピストン19の往復運動により生じる慣性力を、キー溝40によってより効果的に軽減することができる。
また、本実施形態では、エンジン6の一例として単気筒エンジンを用いているが、エンジン6は単気筒エンジンに限定されない。しかし、クランク軸回りの回転バランスを図ることを目的とする本発明は、単気筒エンジンを用いたエンジンユニットにおいて、上述の効果をより発揮することができる。
以上より、本エンジンユニット5を備えることにより、振動および騒音の発生が抑制された自動二輪車1を提供することができる。
(第2の実施形態)
図6(a),(b)に示すように、第2の実施形態に係るエンジンユニット5は、第1の実施形態に係るエンジンユニット5の可動シーブ半体35の本体37に切り欠き部71を設けたものである。図6(b)に示すように、切り欠き部71は、軸方向視において、クランク軸11の回転中心C1を中心とすると、本体37のキー溝40と同方向に設けられている。
このことにより、第2の実施形態に係るエンジンユニット5では、クランク軸11の軸方向視において、クランクピン7側にはキー溝40に加え、さらに、切り欠き部71が形成されている。したがって、本エンジンユニット5によれば、クランク軸11の回転時、クランクピン7と反対側に生じる遠心力がさらに大きくなり、ピストン19の往復運動による慣性力をより効果的に軽減することができる。
また、本実施形態によれば、本体37はボス部38より大径に形成されているため、切り欠き部71をボス部38よりも外周側に設けることができる。このように切り欠き部71をクランク軸11のより外周側に設けることにより、クランク軸11の回転時、切り欠き部71側(クランクピン7側)と反対側に生じる遠心力をさらに大きくすることが可能となる。したがって、ピストン19の往復運動による慣性力をより効果的に軽減することができる。
また、本実施形態では、エンジンユニット5の切り欠き部71は、本体37の径方向外側端部に設けられている。そのため、本体37の強度を損なうことなく、切り欠き部71を大きく形成することができる。したがって、クランクピン7と反対側に生じる遠心力をさらに大きくして、ピストン19の往復運動による慣性力をより効果的に軽減することができる。なお、切り欠き部71は、本体37の径方向外側端部ではなく、径方向内側部分に設けられていてもよい。
以上説明したように、本発明は、エンジンユニットおよびそれを備えた鞍乗型車両に有用である。
第1の実施形態に係る自動二輪車の側面図である。 第1の実施形態に係るエンジンユニットの断面図である。 図2のプライマリーシーブ付近を拡大して示す図である。 (a)は可動シーブ半体の側面図であり、(b)は可動シーブ半体の一部を示す側面断面図である。 クランク軸の軸方向視における、ピストン,コンロッドおよびクランクピンと、キー溝との関係を模式的に表した図である。 (a)は第2の実施形態に係るエンジンユニットの可動シーブ半体の一部を示す側面断面図であり、(b)は可動シーブ半体の一部を示す側面図である。
符号の説明
1 自動二輪車
5 エンジンユニット
6 エンジン
7 クランクピン
10 CVT(ベルト式無断変速機)
11 クランク軸
19 ピストン
20 コンロッド
21 従動軸
31 プライマリーシーブ
32 セカンダリーシーブ
33 Vベルト(ベルト)
34 固定シーブ半体
35 可動シーブ半体
37 本体
38 ボス部
39 カラー
40 キー溝
41 保持溝
42 キー
55 電動モータ

Claims (9)

  1. 回転中心から偏心したクランクピンを有するクランク軸と、一端部が前記クランクピンに連結されたコンロッドと、前記コンロッドの他端部に連結され往復運動するピストンと、を有するエンジンと、
    前記クランク軸と共に回転するプライマリーシーブと、セカンダリーシーブと、前記プライマリーシーブと前記セカンダリーシーブとに巻き掛けられたベルトと、を有するベルト式無段変速機と、
    を備え、
    前記プライマリーシーブは、前記クランク軸の軸方向視において、前記クランク軸の回転中心に対して前記クランクピン側と反対側の重量が大きくなる様に形成されている、エンジンユニット。
  2. 前記クランク軸の軸方向視において、前記プライマリーシーブは、前記クランク軸の回転中心を中心として、前記クランク軸の前記クランクピン側に切り欠き部を有する、請求項1に記載のエンジンユニット。
  3. 前記プライマリーシーブは、
    前記クランク軸に固定された固定シーブ半体と、
    前記クランク軸の外周を覆うボス部を有し、前記クランク軸の軸方向に移動自在な可動シーブ半体と、
    を備えており、
    前記ボス部には、前記クランク軸の軸方向に延びるキー溝が形成され、
    モータと、
    前記キー溝にスライド自在に挿入され、前記クランク軸と共に回転し、前記クランク軸の回転力を前記ボス部に伝達するキーと、
    前記モータと前記可動シーブ半体とを連結し、前記モータの駆動力を受けて前記可動シーブ半体を前記クランク軸の軸方向にスライド移動させる動力変換機構と、
    を備え、
    前記切り欠き部は前記キー溝である、請求項2に記載のエンジンユニット。
  4. 前記プライマリーシーブは、
    前記クランク軸に固定された固定シーブ半体と、
    前記クランク軸の外周を覆うボス部を有し、前記クランク軸の軸方向に移動自在な可動シーブ半体と、
    を備えており、
    前記ボス部には、前記クランク軸の軸方向に延びるキー溝が形成され、
    前記クランク軸の外周側と前記ボス部の内周側との間に配置され、前記クランク軸にスプライン嵌合され、保持溝が形成されたカラーと、
    モータと、
    内周側に位置する一端部が前記保持溝に移動不能に保持され、かつ、外周側に位置する他端部が前記キー溝にスライド自在に挿入され、前記カラーを介して前記クランク軸の回転力を前記ボス部に伝達するキーと、
    前記モータと前記可動シーブ半体とを連結し、前記モータの回転力を受けて前記可動シーブ半体を前記クランク軸の軸方向にスライド移動させる動力変換機構と、
    を備え、
    前記切り欠き部は前記キー溝である、請求項2に記載のエンジンユニット。
  5. 前記クランク軸の軸方向視において、前記クランク軸の回転中心から前記クランクピンの中心に向かって引いた線を基準線とし、さらに、前記クランク軸の回転中心を中心として、前記基準線から前記クランク軸の回転方向側の角度を正の角度とし、前記基準線から前記クランク軸の回転方向と反対側の角度を負の角度としたときに、
    前記キー溝は−90度より大きく+90度未満の角度範囲内に設けられている、請求項3または4に記載のエンジンユニット。
  6. 前記キー溝は、前記基準線上に設けられている、請求項5に記載のエンジンユニット。
  7. 前記可動シーブ半体は、前記ボス部よりも大径に形成され、前記ベルトと接触するシーブ面を有する本体を備え、
    前記本体には、前記クランク軸の軸方向視において、前記クランクピン側に切り欠き部が設けられている、請求項3または4に記載のエンジンユニット。
  8. 前記切り欠き部は、前記本体の径方向外側端部に設けられている、請求項7に記載のエンジンユニット。
  9. 請求項1に記載のエンジンユニットを備えた鞍乗型車両。
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