JP2008184565A - 重合性組成物及び架橋性樹脂 - Google Patents
重合性組成物及び架橋性樹脂 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008184565A JP2008184565A JP2007020492A JP2007020492A JP2008184565A JP 2008184565 A JP2008184565 A JP 2008184565A JP 2007020492 A JP2007020492 A JP 2007020492A JP 2007020492 A JP2007020492 A JP 2007020492A JP 2008184565 A JP2008184565 A JP 2008184565A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- polymerizable composition
- crosslinkable resin
- crosslinking
- ruthenium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
- Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
Abstract
【解決手段】シクロオレフィンモノマー、ルテニウムカルベン錯体、および式(A):PR1R2R3(式(A)中、R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子、アルケニル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、該シクロアルキル基およびアリール基は、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基またはアリール基で置換されていてもよく、R1〜R3のうち、少なくとも一つはアルケニル基を含む基または水素原子であり、且つR1〜R3のうちの一つ又は二つが水素原子であるときは、残りのR1〜R3はアルケニル基、シクロアルキル基またはアリール基である。)で表されるホスフィン化合物、を含有する重合性組成物を得る。
【選択図】なし
Description
(1) シクロオレフィンモノマー、ルテニウムカルベン錯体、および
式(A) : PR1R2R3
(式(A)中、R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子、アルケニル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、
上記シクロアルキル基およびアリール基は、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基またはアリール基を置換基として有していてもよく、
R1〜R3のうち、少なくとも一つはアルケニル基を含む基または水素原子であり、
R1〜R3のうちの一つ又は二つが水素原子であるときは、残りのR1〜R3はアルケニル基、シクロアルキル基またはアリール基である。)で表されるホスフィン化合物、
を含有する重合性組成物。
(2) 前記のR1〜R3の少なくとも一つが水素原子またはアルケニル基である前記の重合性組成物。
(3) 前記アルケニル基がビニル基である前記の重合性組成物。
(4) さらに連鎖移動剤を含有する前記の重合性組成物。
(5) さらに架橋剤を含有する前記の重合性組成物。
(7) 前記の重合性組成物を支持体に塗布または含浸し、塊状重合して得られる、架橋性樹脂複合体。
(8) 前記の架橋性樹脂を架橋してなる架橋体。
(10) 前記の架橋性樹脂複合体を架橋してなる架橋樹脂複合体。
(11) 前記架橋を別の支持体上で行って得られる、前記の架橋樹脂複合体。
(12) 前記の重合性組成物を塊状重合する工程を含む、架橋性樹脂の製造方法。
(13) 前記塊状重合を100〜200℃で行う、前記の架橋性樹脂の製造方法。
(14) 前記の重合性組成物を支持体に塗布または含浸し、塊状重合する工程を含む、架橋性樹脂複合体の製造方法。
(16) 前記の架橋性樹脂の成形体を支持体上で架橋する工程を含む、架橋樹脂複合体の製造方法。
(17) 前記塊状重合を100〜200℃で行う、前記の架橋性樹脂複合体の製造方法。
(18) 前記の架橋性樹脂複合体を架橋する工程を含む、架橋樹脂複合体の製造方法。
(19) 前記架橋を別の支持体上で行う、前記の架橋樹脂複合体の製造方法。
本発明の重合性組成物を塊状重合し次いで架橋させると、電気絶縁性、密着性、機械的強度、耐熱性、誘電特性などの特性に優れた架橋体が安定的に高効率で生産できる。
この架橋体を、フィルム状の基材に積層することによって、又は繊維材と複合することによって、上記特性を備えた複合体を得ることができる。
本発明の重合性組成物を用いて得られた架橋体、及び複合体は、電気回路基板に使用する電気材料等として好適である。
本発明の重合性組成物は、シクロオレフィンモノマー、ルテニウムカルベン錯体、およびホスフィン化合物を含有するものである
(1)シクロオレフィンモノマー
重合性組成物を構成するシクロオレフィンモノマーとして、例えば、ノルボルネン系モノマーが挙げられる。ノルボルネン系モノマーは、ノルボルネン環を含むモノマーである。具体的には、ノルボルネン類、ジシクロペンタジエン類、テトラシクロドデセン類などが挙げられる。これらは、アルキル基、アルケニル基、アルキリデン基、アリール基などの炭化水素基や、カルボキシル基又は酸無水物基などの極性基が置換基として含まれていてもよい。また、ノルボルネン環の二重結合以外に、さらに二重結合を有していてもよい。これらの中でも、極性基を含まない、すなわち炭素原子と水素原子のみで構成されるノルボルネン系モノマーが好ましい。ノルボルネン系モノマーを構成する環の数は、3〜6であるものが好ましく、3または4であるものがより好ましく、4であるものが特に好ましい。
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチレンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチリデンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−ビニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−プロペニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、などの環の数が4であるテトラシクロドデセン類;
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−4,10−ジエン、ペンタシクロ[9.2.1.14,7.02,10.03,8]ペンタデカ−5,12−ジエン、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]ヘプタデカ−4−エンなどの環の数が5以上であるその他のノルボルネン系モノマー;などが挙げられる。
重合性組成物を構成するルテニウムカルベン錯体は、シクロオレフィンモノマーを、メタセシス開環重合させるものであれば特に限定されない。
ルテニウムカルベン錯体は、ルテニウム原子を中心にして、イオン、原子、多原子イオン及び/又は化合物が複数結合してなる錯体である。
活性剤の使用量は、(ルテニウム金属原子:活性剤)のモル比で、通常、1:0.05〜1:100、好ましくは1:0.2〜1:20、より好ましくは1:0.5〜1:10の範囲である。
本発明の重合性組成物を構成するホスフィン化合物は、式(A) : PR1R2R3 で表されるものである。
式(A)中、R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子、アルケニル基、シクロアルキル基またはアリール基である。R1〜R3のうち少なくとも一つはアルケニル基を含む基または水素原子である。ここで、「アルケニル基を含む基」は、アルケニル基、またはアルケニル基を置換基として有するシクロアルキル基もしくはアリール基である。また、R1〜R3のうちの一つ又は二つが水素原子であるときは、残りのR1〜R3はアルケニル基、シクロアルキル基またはアリール基である。
このようなホスフィン化合物を添加することにより、室温以下での重合反応の進行を抑制することができる。また、分子内にアルケニル基を有しているホスフィン化合物を用いると、重合性組成物を加熱して重合反応が進行すると、得られる重合体の分子内に該ホスフィン化合物が取り込まれるので、樹脂中に残留することがない。そのため、架橋時に揮発してフクレの原因となることが抑制されるので好ましい。
アルケニル基を置換基として有するシクロアルキル基もしくはアリール基としては、スチリル、ビニルシクロヘキシル、ビニルシクロペンチル及びアリルシクロヘキシルなどが挙げられる。
アリール基としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等が挙げられる。
該シクロアルキル基およびアリール基は、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基またはアリール基が置換基として有していてもよい。
なお、アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル等が挙げられる。
式(A)で表されるホスフィン化合物の量は、(ルテニウム金属原子:ホスフィン化合物)のモル比で、通常、1:0.01〜1:100、好ましくは1:0.1〜1:10、より好ましくは1:0.1〜1:5の範囲である。
本発明の重合性組成物は、重合反応の連鎖移動剤をさらに含有することが好ましい。連鎖移動剤を含むことにより、室温以下での重合反応の進行を抑制することができる。
連鎖移動剤としては、通常、置換基を有していてもよい鎖状のオレフィン類を用いることができる。
具体的には、1−ヘキセン、2−ヘキセンなどの脂肪族オレフィン類;スチレン、ジビニルベンゼン、スチルベンなどの芳香族基を有するオレフィン類;ビニルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素基を有するオレフィン類;エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;メチルビニルケトン、1,5−ヘキサジエン−3−オン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン−3−オンなどのビニルケトン類;アクリル酸スチリル、エチレングリコールジアクリレート;アリルトリビニルシラン、アリルメチルジビニルシラン、アリルジメチルビニルシラン;アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル;アリルアミン、2−(ジエチルアミノ)エタノールビニルエーテル、2−(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、4−ビニルアニリン;などが挙げられる。
アルキレン基の炭素数は特に制限されないが、通常1〜20、好ましくは4〜12である。この構造の連鎖移動剤を用いることで、より強度の高い架橋樹脂成形体または架橋樹脂複合体を得ることが可能になる。
式(B)で表される化合物としては、メタクリル酸アリル、メタクリル酸3−ブテン−1−イル、アクリル酸アリル、アクリル酸3−ブテン−1−イル、メタクリル酸ウンデセニル、メタクリル酸ヘキセニルなどが挙げられる。中でも、メタクリル酸ウンデセニルおよびメタクリル酸ヘキセニルが特に好ましい。
重合性組成物は、塊状重合後に架橋性を有する樹脂とするために、架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤は架橋性の官能基を有する化合物である。該官能基としては、例えば、炭素−炭素二重結合、カルボン酸基、酸無水物基、水酸基、アミノ基、活性ハロゲン原子、エポキシ基などが挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド類;ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンなどのジアルキルペルオキシド類;ジプロピオニルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド類;2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタン、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどのペルオキシケタール類;t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエートなどのペルオキシエステル類;t−ブチルペルオキシイソプロピルカルボナート、ジ(イソプロピルペルオキシ)ジカルボナートなどのペルオキシカルボナート;t−ブチルトリメチルシリルペルオキシドなどのアルキルシリルペルオキサシド類およびペルオキシケタール類;などが挙げられる。中でも、メタセシス重合反応に対する障害が少ない点で、ジアルキルペルオキシドおよびペルオキシケタール類が好ましい。
前記重合性組成物には、各種の添加剤、例えば、重合反応遅延剤、ラジカル架橋遅延剤、強化材、改質剤、酸化防止剤、難燃剤、充填剤、着色剤、光安定剤などを含有させることができる。これらは、後述するモノマー液又は触媒液に予め溶解又は分散させて用いることができる。
また、ノルボルネン系モノマーと共重合可能な環状オレフィン系モノマーのうち、分子内に1,5−ジエン構造や1,3,5−トリエン構造を有する環状オレフィンは重合反応遅延剤としても機能する。このような化合物としては、1,5−シクロオクタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどが挙げられる。
本発明の架橋性樹脂は、前記重合性組成物を塊状重合することによって得られる。
重合性組成物を塊状重合する方法としては、(a)重合性組成物を支持体に注ぐか又は塗布し、塊状重合する方法、(b)重合性組成物を型内に注ぎこみ、塊状重合する方法、(c)重合性組成物を支持体に含浸し塊状重合する方法などが挙げられる。なお、(a)又は(c)の方法によって前記重合性組成物を塊状重合すると、支持体と架橋性樹脂とを含む架橋性樹脂複合体が得られる。
重合性組成物を所定温度に加熱する方法としては特に制約されず、加熱プレート上に載せて加熱する方法、プレス機を用いて加圧しながら加熱(熱プレス)する方法、加熱したローラーで押圧する方法、加熱炉を用いる方法などが挙げられる。
熱プレス又はローラーによって得られる架橋性樹脂のフィルムは、厚さが通常15mm以下、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下である。
また、本発明の重合性組成物は反応に関与しない溶媒等の含有量が少ないので、繊維材に含浸させた後に溶媒を除去するなどの工程が不要であり、生産性に優れ、残存溶媒による臭気やフクレ等も生じない。
さらに、本発明の架橋性樹脂は保存安定性に優れるので、得られるプリプレグは保存安定性に優れる。
また、本発明の架橋性樹脂複合体は、該架橋性樹脂と前記支持体とが一体化されてなる複合材料である。
さらに、前記の非極性ラジカル発生剤として分解温度の高いものを用いると、架橋時において、架橋性樹脂が適度に流動し、金属箔などの支持体との密着性、配線板への埋め込み性が良好になる。また、得られる架橋体の誘電損失(tanδ)が著しく小さくなっており、電気特性に優れている。
本発明の架橋体は前記架橋性樹脂を架橋してなるものである。
架橋性樹脂の架橋は、例えば、本発明の架橋性樹脂を加熱溶融するなどして、架橋性樹脂が架橋反応を起す温度以上に維持することによって行うことができる。架橋性樹脂を架橋させるときの温度は、前記塊状重合時のピーク温度より20℃以上高いことが好ましく、通常170〜250℃、好ましくは180〜220℃である。また、架橋する時間は特に制約されないが、通常数分間から数時間である。
本発明の架橋樹脂複合体は、前記架橋体と支持体とを含んでなるものである。
本発明の架橋樹脂複合体は、前述の架橋性樹脂複合体を架橋することによって得られる。また、架橋性樹脂成形体を支持体上で加熱して架橋することによって、または、架橋性樹脂複合体を別の支持体上で加熱して架橋することによっても得られる。
ここで用いられる新たな支持体としては、銅箔、アルミ箔、ニッケル箔、クロム箔、金箔、銀箔などの金属箔;プリント配線板;導電性ポリマーフィルム、他の樹脂フィルムなどのフィルム類;などが挙げられる。また、該支持体としてプリント配線板を用いると、多層プリント配線板を製造することができる。
銅箔などの金属箔やプリント配線板上の導電層は、その表面が、シランカップリング剤、チオール系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、各種接着剤などで処理されているものが好ましい。これらのうちシランカップリング剤で処理されているものが特に好ましい。
(粘度上昇率)
調製直後の重合性組成物1.5mlについて、E型粘度計を用いて、25℃、回転数10rpmで粘度を測定した。該重合性組成物を20℃に保持した恒温槽内で保管し、4時間後の粘度を同様に測定し、下式により粘度の上昇率を求め、以下の基準で評価した。
粘度上昇率=(4時間後の粘度/調製直後の粘度−1)×100(%)
A:粘度上昇率が20%未満
B:20%以上、100%未満
C:100%以上、1,000%未満
D:粘度が高すぎて測定不可
プリプレグを目視により観察し、重合性組成物のガラスクロスへの含浸性を以下の基準で評価した。
A:プリプレグに空隙が見られなかった。
B:プリプレグに空隙があった。
C:ガラスクロスへ含浸出来ず、プリプレグを作製出来なかった。
プリプレグの中央部分を一部切り取り、ガスクロマトグラフィーで残留モノマー量を測定した。残留モノマー量から重合転化率を算出し、以下の基準で評価した。
A:重合転化率が98%以上
B:95%以上、98%未満
C:90%以上、95%未満
D:重合せず
プリプレグの中央部分を一部切り取り、テトラヒドロフランを展開溶媒とする、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによる測定結果を標準ポリスチレンの分子量に換算して求めた。
積層板における、回路パターンへの樹脂の埋め込み性を目視にて確認した。
A:回路パターンへの樹脂の埋め込み性は良好であった。
B:回路パターン中に、樹脂が埋め込まれなかった部分が見られた。
C:回路パターンに全く樹脂が埋め込まれなかった。
ガラス製フラスコ内で、式(8)で表されるベンジリデン(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド 0.04部を、テトラヒドロフラン 0.7部に溶解させて、ルテニウム濃度が0.05モル/リットルの溶液を調製した。これにジシクロヘキシルホスフィン 0.008部(ルテニウム:ホスフィンのモル比=1:1)を添加し溶解させて触媒溶液を得た。
ジシクロヘキシルホスフィン 0.008部に代えて、ビニルジフェニルホスフィン 0.008部(ルテニウム:ホスフィンのモル比=1:1)を使用した以外は、実施例1と同様にして重合性組成物、プリプレグおよび積層板を得た。評価結果を表1に示す。
ジシクロヘキシルホスフィン 0.008部に代えて、アリルジフェニルホスフィン 0.008部(ルテニウム:ホスフィンのモル比=1:1)を使用した以外は、実施例1と同様にして重合性組成物、プリプレグおよび積層板を得た。評価結果を表1に示す。
ベンジリデン(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド 0.04部に代えて、式(9)で表される(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(2−ピロリドン−1−イルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド 0.04部(ルテニウム:ホスフィンのモル比=1:1)を使用した以外は、それぞれ実施例1〜3と同様にして重合性組成物、プリプレグおよび積層板を得た。評価結果を表2に示す。
ジシクロヘキシルホスフィン 0.008部に代えて、トリアリルホスフィン 0.006部(ルテニウム:ホスフィンのモル比=1:1)を使用した以外は、実施例4と同様にして重合性組成物、プリプレグおよび積層板を得た。評価結果を表2に示す。
ベンジリデン(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド 0.04部に代えて、式(10)で表されるベンジリデン(1,3−ジメシチル−イミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド 0.04部(ルテニウム:ホスフィンのモル比=1:1)を使用した以外は、それぞれ実施例1〜3と同様にして重合性組成物、プリプレグおよび積層板を得た。評価結果を表3に示す。
ビニルジフェニルホスフィンを添加しなかった以外は、実施例7と同様にして重合性組成物を調製した。該重合性組成物は、調製から4時間後には粘度が高くなりすぎてガラスクロスへ含浸出来ず、プリプレグおよび積層板を作製出来なかった。
ジシクロヘキシルホスフィン 0.008部に代えて、トリフェニルホスフィン 0.01部(ルテニウム:ホスフィンのモル比=1:1)を使用した以外は、実施例7と同様にして重合性組成物を調製した。該重合性組成物は、調製から4時間後には粘度が高くなりすぎてガラスクロスへ含浸出来ず、プリプレグを作製出来なかった。
トリフェニルホスフィンの量を0.05部(ルテニウム:ホスフィンのモル比=1:5)とした以外は、比較例2と同様にして重合性組成物を調製した。該重合性組成物は、調製から4時間後には粘度が高くなりすぎてガラスクロスへ含浸出来ず、プリプレグを作製出来なかった。
トリフェニルホスフィンの量を0.1部(ルテニウム:ホスフィンのモル比=1:10)とした以外は、比較例2と同様にして重合性組成物、プリプレグおよび積層板を得た。評価結果を表4に示す。重合性組成物の経時による粘度上昇は抑えられたが、トリフェニルホスフィンの過剰添加により、重合転化率が低下した。また分子量の制御ができず、Mwが4.0万と大きくなった。
ジシクロヘキシルホスフィン 0.008部に代えて、トリ−n−ブチルホスフィン 0.006部(ルテニウム:ホスフィンのモル比=1:1)を使用した以外は、実施例7と同様にして重合性組成物を調製した。該重合性組成物は、調製から4時間後には粘度が高くなりすぎてガラスクロスへ含浸出来ず、プリプレグを作製出来なかった。評価結果を表5に示す。
トリ−n−ブチルホスフィンの量を0.03部(ルテニウム:ホスフィンのモル比=1:5)とした以外は、比較例5と同様にして重合性組成物、プリプレグおよび積層板を得た。評価結果を表5に示す。重合性組成物の経時による粘度上昇は抑えられたが、トリ−n−ブチルホスフィンの過剰添加により、重合転化率が低下した。また分子量の制御ができず、Mwが4.3万と大きくなった。
トリ−n−ブチルホスフィンの量を0.06部(ルテニウム:ホスフィンのモル比=1:10)とした以外は、比較例5と同様にして重合性組成物を得た。評価結果を表5に示す。重合性組成物の経時による粘度上昇は抑えられたが、トリ−n−ブチルホスフィンの過剰添加により重合反応が進行せず、プリプレグおよび積層板を作製出来なかった。
Claims (14)
- シクロオレフィンモノマー、ルテニウムカルベン錯体、および
式(A) : PR1R2R3
(式(A)中、R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子、アルケニル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、
上記シクロアルキル基およびアリール基は、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基またはアリール基を置換基として有していてもよく、
R1〜R3のうち、少なくとも一つはアルケニル基を含む基または水素原子であり、
R1〜R3のうちの一つ又は二つが水素原子であるときは、残りのR1〜R3はアルケニル基、シクロアルキル基またはアリール基である。)
で表されるホスフィン化合物、
を含有する重合性組成物。 - 前記のR1〜R3の少なくとも一つが水素原子またはアルケニル基である請求項1記載の重合性組成物。
- 前記アルケニル基がビニル基である請求項2記載の重合性組成物。
- さらに連鎖移動剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の重合性組成物。
- さらに架橋剤を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の重合性組成物。
- 請求項5に記載の重合性組成物を塊状重合して得られる架橋性樹脂。
- 請求項5に記載の重合性組成物を塊状重合する工程を含む、架橋性樹脂の製造方法。
- 前記塊状重合を100〜200℃で行う、請求項7に記載の架橋性樹脂の製造方法。
- 請求項5に記載の重合性組成物を支持体に塗布または含浸し、塊状重合する工程を含む、架橋性樹脂複合体の製造方法。
- 請求項6に記載の架橋性樹脂を架橋する工程を含む、架橋体の製造方法。
- 請求項6に記載の架橋性樹脂の成形体を支持体上で架橋する工程を含む、架橋樹脂複合体の製造方法。
- 前記塊状重合を100〜200℃で行う、請求項9に記載の架橋性樹脂複合体の製造方法。
- 請求項9に記載の製造方法で得られた架橋性樹脂複合体を架橋する工程を含む、架橋樹脂複合体の製造方法。
- 前記架橋を別の支持体上で行う、請求項13に記載の架橋樹脂複合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007020492A JP5186770B2 (ja) | 2007-01-31 | 2007-01-31 | 重合性組成物及び架橋性樹脂 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007020492A JP5186770B2 (ja) | 2007-01-31 | 2007-01-31 | 重合性組成物及び架橋性樹脂 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008184565A true JP2008184565A (ja) | 2008-08-14 |
JP2008184565A5 JP2008184565A5 (ja) | 2010-02-25 |
JP5186770B2 JP5186770B2 (ja) | 2013-04-24 |
Family
ID=39727818
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007020492A Expired - Fee Related JP5186770B2 (ja) | 2007-01-31 | 2007-01-31 | 重合性組成物及び架橋性樹脂 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5186770B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009123209A1 (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-08 | 日本ゼオン株式会社 | 重合性組成物、樹脂成形体、及び架橋樹脂成形体 |
WO2010047349A1 (ja) * | 2008-10-21 | 2010-04-29 | 日本ゼオン株式会社 | 重合性組成物、樹脂成形体、積層体、及び誘電体デバイス |
WO2012121342A1 (ja) | 2011-03-08 | 2012-09-13 | 日本ゼオン株式会社 | 重合性組成物、樹脂成形体、及び積層体 |
CN114276491A (zh) * | 2021-12-31 | 2022-04-05 | 上海中化科技有限公司 | 液态钌卡宾催化剂组合物及其在制备环烯烃树脂中的应用 |
WO2024085043A1 (ja) * | 2022-10-20 | 2024-04-25 | Rimtec株式会社 | 触媒液及び重合性組成物 |
WO2024085044A1 (ja) * | 2022-10-20 | 2024-04-25 | Rimtec株式会社 | 重合性組成物及びノルボルネン系樹脂 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7104904B1 (ja) | 2021-06-21 | 2022-07-22 | 大日本印刷株式会社 | プリフォーム及びプラスチックボトルの製造方法 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002121266A (ja) * | 2000-10-12 | 2002-04-23 | Sekisui Chem Co Ltd | ノルボルネン系モノマーの重合方法 |
JP2002338792A (ja) * | 2001-05-18 | 2002-11-27 | Nippon Zeon Co Ltd | ノルボルネン系樹脂成形体の製造方法および合成木材 |
JP2003026834A (ja) * | 2001-07-12 | 2003-01-29 | Nippon Zeon Co Ltd | コート層を有する成形体の製造方法 |
JP2004244609A (ja) * | 2002-07-29 | 2004-09-02 | Nippon Zeon Co Ltd | 熱可塑性樹脂、架橋樹脂及び架橋樹脂複合材料の製造方法 |
JP2007016247A (ja) * | 1995-12-07 | 2007-01-25 | Advanced Polymer Technologies | オレフィンメタセシス重合反応の可使時間の延長方法 |
-
2007
- 2007-01-31 JP JP2007020492A patent/JP5186770B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007016247A (ja) * | 1995-12-07 | 2007-01-25 | Advanced Polymer Technologies | オレフィンメタセシス重合反応の可使時間の延長方法 |
JP2002121266A (ja) * | 2000-10-12 | 2002-04-23 | Sekisui Chem Co Ltd | ノルボルネン系モノマーの重合方法 |
JP2002338792A (ja) * | 2001-05-18 | 2002-11-27 | Nippon Zeon Co Ltd | ノルボルネン系樹脂成形体の製造方法および合成木材 |
JP2003026834A (ja) * | 2001-07-12 | 2003-01-29 | Nippon Zeon Co Ltd | コート層を有する成形体の製造方法 |
JP2004244609A (ja) * | 2002-07-29 | 2004-09-02 | Nippon Zeon Co Ltd | 熱可塑性樹脂、架橋樹脂及び架橋樹脂複合材料の製造方法 |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009123209A1 (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-08 | 日本ゼオン株式会社 | 重合性組成物、樹脂成形体、及び架橋樹脂成形体 |
JP5365625B2 (ja) * | 2008-03-31 | 2013-12-11 | 日本ゼオン株式会社 | 重合性組成物、樹脂成形体、及び架橋樹脂成形体 |
WO2010047349A1 (ja) * | 2008-10-21 | 2010-04-29 | 日本ゼオン株式会社 | 重合性組成物、樹脂成形体、積層体、及び誘電体デバイス |
WO2012121342A1 (ja) | 2011-03-08 | 2012-09-13 | 日本ゼオン株式会社 | 重合性組成物、樹脂成形体、及び積層体 |
CN114276491A (zh) * | 2021-12-31 | 2022-04-05 | 上海中化科技有限公司 | 液态钌卡宾催化剂组合物及其在制备环烯烃树脂中的应用 |
WO2024085043A1 (ja) * | 2022-10-20 | 2024-04-25 | Rimtec株式会社 | 触媒液及び重合性組成物 |
WO2024085044A1 (ja) * | 2022-10-20 | 2024-04-25 | Rimtec株式会社 | 重合性組成物及びノルボルネン系樹脂 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5186770B2 (ja) | 2013-04-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2083032B1 (en) | Polymerizable composition, crosslinkable resin, and manufacture methods and applications thereof | |
US7666966B2 (en) | Method of manufacturing thermoplastic resin, crosslinked resin, and crosslinked resin composite material | |
JP4329441B2 (ja) | 熱可塑性樹脂、架橋樹脂及び架橋樹脂複合材料の製造方法 | |
JP4661594B2 (ja) | 重合性組成物、及びそれを用いてなる成形体 | |
US20080125531A1 (en) | Polymerizable Composition, Thermoplastic Resin Composition, Crosslinked Resin, And Crosslinked Resin Composite Materials | |
JP5186770B2 (ja) | 重合性組成物及び架橋性樹脂 | |
JPWO2005017033A1 (ja) | 架橋性樹脂組成物およびその樹脂成形体 | |
JP5365625B2 (ja) | 重合性組成物、樹脂成形体、及び架橋樹脂成形体 | |
JP2008143956A (ja) | 重合性組成物、架橋性樹脂およびその製造方法 | |
JPWO2008047894A1 (ja) | 重合性組成物、架橋性樹脂及びそれの製法、並びに用途 | |
JP2008163249A (ja) | 重合性組成物及び架橋性樹脂並びにそれの製造方法 | |
JP5434589B2 (ja) | 重合性組成物および架橋性樹脂 | |
JP5407857B2 (ja) | 重合性組成物 | |
JP2011074271A (ja) | 重合性組成物、樹脂成形体、及び積層体 | |
JP2013129716A (ja) | 重合性組成物 | |
JP2008150569A (ja) | 重合性組成物および架橋性樹脂並びにそれの製造方法 | |
JP2008133417A (ja) | 重合性組成物および架橋性樹脂 | |
JP2008138050A (ja) | 重合性組成物、架橋性樹脂および架橋体 | |
JP2012214589A (ja) | 重合性組成物、その調製方法、架橋性樹脂成形体、架橋樹脂成形体、及び積層体 | |
JP2013129717A (ja) | 重合性組成物 | |
JP2008195798A (ja) | 複合材料の製造方法 | |
JP2013129718A (ja) | 重合性組成物 | |
JP2015086287A (ja) | 重合性組成物、架橋性樹脂、架橋性樹脂複合体、架橋樹脂及び架橋樹脂複合体 | |
JP2010168488A (ja) | 重合性組成物、架橋体および架橋樹脂複合体 | |
JP2010168486A (ja) | 重合性組成物、架橋体および架橋樹脂複合体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100107 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100107 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120525 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120529 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120918 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121101 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20121225 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130107 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160201 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |