JP2008183976A - 車両用シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両用シート1のシートクッション3の着座領域の中央部には、乗員の着座を検知することのできる第1の着座センサー10が配設されている。そして、シートクッション3の着座領域の周縁部にも、乗員の着座を検知することのできる第2の着座センサー20が配設されている。
【選択図】図1
Description
先ず、第1の発明は、着座部となるシートクッションを備えた車両用シートである。シートクッションの着座領域の中央部には、乗員の着座を検知することのできる第1の着座センサーが配設されている。そして、シートクッションの着座領域の周縁部にも、乗員の着座を検知することのできる第2の着座センサーが配設されている。
この第1の発明によれば、乗員が車両用シートに着座すると、乗員の体重がシートクッションの着座領域の中央部にかかる。したがって、この中央部に配設された第1の着座センサーにより、乗員の着座状態が検知される。また、乗員が着座姿勢から体を前に乗り出したり横に傾けたりすると、重心が動いてシートクッションの着座領域の周縁部に体重がかかる。したがって、この周縁部に配設された第2の着座センサーにより、乗員の着座状態が検知される。
この第2の発明によれば、乗員が着座姿勢から体を横に傾けたり乗り出したりすると、重心が動いてシートクッションの幅方向の周縁部に体重がかかる。
この第3の発明によれば、乗員が着座姿勢から体を前に傾けたり乗り出したりすると、重心が動いてシートクッションの前端側の周縁部に体重がかかる。
この第4の発明によれば、乗員の着座状態は、シートクッションの周縁部に沿って延設された薄膜状のメンブレンスイッチによって検知される。
ここで、本発明が対象とするフォークリフト等の産業車両は、作業者がシートに着座した状態が検知されていないとその機械操作が行えないように安全対策が施された車両である。
この第5の発明によれば、乗員がフォークリフト等の産業車両のシートに着座して機械操作を行う際には、着座状態を維持しながらも体を前に乗り出したり横に傾けたりしてしまうことがある。しかし、このような場合でも、第2の着座センサーによって乗員の着座の検知状態が維持される。
先ず、第1の発明によれば、乗員が着座するシートクッションの着座領域の中央部とその周縁部とに着座センサーをそれぞれ配設したことにより、車両用シートに着座した乗員が姿勢を崩すなどして着座姿勢を変化させても、着座の検知状態を維持できるようにすることができる。
更に、第2の発明によれば、第2の着座センサーをシートクッションの幅方向の周縁部に配設したことにより、乗員が着座姿勢から体を横に傾けたり乗り出したりしても着座の検知状態を維持できるようにすることができる。
更に、第3の発明によれば、第2の着座センサーをシートクッションの前端側の周縁部に配設したことにより、乗員が着座姿勢から体を前に傾けたり乗り出したりしても着座の検知状態を維持できるようにすることができる。
更に、第4の発明によれば、乗員が着座姿勢を変化させた際の着座状態を検知する第2の着座センサーを、薄膜状のメンブレンスイッチを用いた構成として具現化することができる。
更に、第5の発明によれば、この発明の車両用シートをフォークリフト等の産業車両の座席に適用したことにより、産業車両の機械操作中にお尻を浮かしたり体を横に傾けたりしても着座の検知状態を維持することができ、機械操作が継続して行えるように作動制御することができる。
ここで、図1には、本実施例の車両用シート1の概略構成が斜視図によって表されている。この車両用シート1は、フォークリフト等の産業車両に搭載される操縦座席として適用されている。ここで、本実施例で対象とする産業車両には安全装置が設けられており、作業者が車両用シート1に着座した状態が検知されていないと車両を動かしたりフォークを作動させたりする機械操作が行えないようになっている。
この車両用シート1への着座の検知は、着座部となるシートクッション3の形状内部に配設された第1の着座センサー10や第2の着座センサー20によって行われるようになっている。この第1の着座センサー10や第2の着座センサー20は、その少なくとも一方の着座センサーが作業者の着座を検知した状態となっていれば、着座の検知状態を維持できる構成となっている。以下、車両用シート1の各部の構成について詳しく説明していく。
ここで、図2には、シートクッション3の構成部品が分解斜視図によって表されている。同図に示されるように、シートクッション3の骨格を成す樹脂製のクッションフレーム3Fには、第1の着座センサー10の検知スイッチとなる押ボタン式のリミットスイッチ11が設けられている。
この受圧板12は、可撓性を有しており、作業者が車両用シート1に着座した際の着座荷重によってクッションパッド3Pに押圧されて図示下方に撓み変形するようになっている。
ここで、受圧板12を下側から受けるクッションフレーム3Fの上面部の受面形状は、凹状に湾曲した形状に形成されている。これにより、通常時における受圧板12とクッションフレーム3Fの上面部との間には、一定の隙間が形成されている。そして、受圧板12は、作業者がシートクッション3に着座することにより、その着座荷重を受けてクッションフレーム3Fの上面部に向けて図示下方に撓み変形する。これにより、リミットスイッチ11が押下されてその内部で接点同士が通電可能に接触し、作業者が車両用シート1に着座した状態が検知される。
また、受圧板12は、作業者が車両用シート1から離席したり体を浮かした姿勢状態となったりすることにより、その弾性により撓み変形する前の形状状態に戻る。これにより、リミットスイッチ11の押下状態が解除され、着座の検知状態が解除される。
なお、リミットスイッチ11の基本的構成は一般的な公知のものであるため、これについての詳細な説明は省略する。
このメンブレンスイッチ21は、図5及び図6に示されるように、複数の薄膜状のフィルムが積層された構成となっており、シートクッション3の周縁形状に沿った「コ」符号状に延びる形状に形成されている。なお、図6では、メンブレンスイッチ21の積層構造を分かり易く示すために、各層の厚みが実際の厚みよりも誇張して描かれている。
図2に戻って、このメンブレンスイッチ21のシートクッション3の前端側の周縁部や幅方向の両周縁部に配置される長さ方向の6箇所の位置には、内部に円形状の空間部21T・・(・・は複数を表す)を有した押圧式のスイッチ部が形成されている(詳しくは図5参照)。このメンブレンスイッチ21は、空間部21T・・の形成されたいずれかの部位に作業者の着座に伴う図示下方への押圧荷重が作用することにより、空間部21T・・が厚さ方向に押し潰されるかたちで押圧操作される。これにより、空間部21T・・に設けられた接点同士が通電可能に接触し、作業者の着座状態が検知される。
ここで、図1に戻って、クッションパッド3Pは、その前端側の周縁部や幅方向の両周縁部が着座領域の中央部よりも上方に盛り上がった形状に形成されている。これにより、車両用シート1に着座した作業者が着座姿勢から体を前に乗り出したり横に傾けたりした際に、重心の移動に伴ってシートクッション3の周縁部に体重がかかり易くなっている。したがって、このように作業者の着座姿勢が変化した場合には、シートクッション3の周縁部に沿って配設されたメンブレンスイッチ21によって乗員の着座状態が検知される。
以下、メンブレンスイッチ21の構成について詳しく説明する。
このメンブレンスイッチ21は、空間部21T・・の形成されたいずれかの部位に作業者の着座に伴う図示下方への押圧荷重が作用することにより、上部側電極シート21Aが図示下方に撓んで下部側電極シート21Bに接触する。これにより、接点となる上部側パターン21Xが下部側パターン21Yと通電可能に接触し、作業者の着座状態が検知される。
そして、上部側電極シート21Aは、作業者が車両用シート1から離席したり体を浮かした姿勢状態となったりすることにより、その弾性により撓み変形する前の形状状態に戻される。これにより、上部側パターン21Xと下部側パターン21Yとが離間して、着座の検知状態が解除される。
すなわち、カーペットCaの貼着によってメンブレンスイッチ21全体の厚みが増大することにより、メンブレンスイッチ21の溝部Pdに対するホールド性が高められて位置ずれが起こり難くなる。ここで、カーペットCaの横幅はメンブレンスイッチ21の横幅よりもひとまわり大きく形成されており、溝部Pdの横幅はカーペットCaの横幅とほぼ合致する大きさに形成されている。したがって、カーペットCaを溝部Pdに嵌め込むかたちでメンブレンスイッチ21を設置することにより、メンブレンスイッチ21がクッションパッド3Pに収まり良く水平方向に位置決めされた状態として組み付けられる。
このカーペットCaは、ニードルパッチカーペット2層構造となっており、メンブレンスイッチ21側はフラット面で形成され、反対側(クッションフレーム3F側)はざつ面で形成されている。このカーペットCaは、メンブレンスイッチ21よりも高い形状保持力(曲げ剛性)を有するが、その一方で、自由に曲げ変形させることのできるフレキシブルな構成となっている。したがって、このカーペットCaの貼着されたメンブレンスイッチ21は、その持ち歩きの際にはばたつきが抑えられ、溝部Pdへの設置の際には自由に曲げ変形させながら溝部Pdに組み付けていくことができる。
これにより、メンブレンスイッチ21は、図7に示されるように、溝部Pdに設置された状態では、凹部Pt・・の形成されている6箇所の位置においてはクッションパッド3Pの押圧部位と互いに離間した非接触の関係とされる。したがって、この6箇所の位置においては、クッションパッド3Pの弾発力が空間部21T・・において吸収されるため、メンブレンスイッチ21にはクッションパッド3Pによる押圧力は作用しない。したがって、作業者が車両用シート1に着座する前の状態において、メンブレンスイッチ21が誤って着座を検知してしまうような誤作動が起こらないようにすることができる。
上記構成のメンブレンスイッチ21は、上部側パターン21Xや下部側パターン21Yの配線端子となるコネクタ21C(図2参照)に、図示しないハーネスが接続されることにより、車体側の制御回路に電気信号が送られるようになっている。また、このハーネスは、前述したリミットスイッチ11の図示しないコネクタとも接続されており、リミットスイッチ11からの電気信号も車体側の制御回路に送るようになっている。これにより、第1の着座センサー10及び第2の着座センサー20の少なくとも一方が作業者の着座を検知した状態となることによって、着座の検知状態が維持される構成とされている。
すなわち、図1を参照して、作業者が車両用シート1から離席している状態では、第1の着座センサー10や第2の着座センサー20は作業者の着座を検知せず、車両を動かしたりフォークを作動させたりする機械操作が行えないようになっている。
そして、作業者が車両用シート1に着座することにより、作業者の体重がシートクッション3の着座領域の中央部にかかり、第1の着座センサー10によって着座が検知される。そして、この着座状態で、作業者が着座姿勢から体を前に乗り出したり横に傾けたりすると、重心が動いてシートクッション3の着座領域の周縁部に体重がかかる。これにより、作業者のお尻が浮いて第1の着座センサー10による着座の検知が解除されても、第2の着座センサー20によって着座が検知されるため、着座の検知状態は継続される。
更に、第2の着座センサー20を構成するメンブレンスイッチ21をシートクッション3の幅方向の周縁部に配設したことにより、作業者が着座姿勢から体を横に傾けたり乗り出したりしても着座の検知状態を維持できるようにすることができる。
更に、メンブレンスイッチ21をシートクッション3の前端側の周縁部に配設したことにより、作業者が着座姿勢から体を前に傾けたり乗り出したりしても着座の検知状態を維持できるようにすることができる。
更に、車両用シート1をフォークリフト等の産業車両の座席に適用したことにより、産業車両の機械操作中にお尻を浮かしたり体を横に傾けたりしても着座の検知状態を維持することができ、機械操作が継続して行えるように作動制御することができる。そして、産業車両の機械操作中に離席した際には機械操作が行えないように作動を中断し、着座することによって再び機械操作が行えるようにするといった作動制御を行うことができる。
更に、第2の着座センサー20とクッションパッド3Pの押圧部位との間に隙間部となる凹部Pt・・を形成したことにより、第2の着座センサー20に誤作動を招くような押圧力が作用しないようにすることができる。
更に、メンブレンスイッチ21をクッションパッド3Pの溝部Pdに収まり良く位置決めした状態で組付けられるようにしたことにより、着座センサーのON/OFFの切換え作動を安定して行うことができる。
例えば、車両用シートをフォークリフト等の産業車両に適用された例を示したが、自動車等の他の車両にも適用することができる。
また、シートクッションの着座領域の中央部に配設される第1の着座センサーや周縁部に配設される第2の着座センサーは、上記実施例で示したリミットスイッチやメンブレンスイッチに限定されず、種々の押圧式のスイッチ構造を適用することができる。したがって、第1の着座センサーにメンブレンスイッチを適用したり第2の着座センサーにリミットスイッチを適用したりしてもよい。
また、クッションパッドがその通常時の弾発力の作用によってメンブレンスイッチを押圧しようとする力を吸収する構成として隙間部である凹部を例示したが、メンブレンスイッチとこれを押圧するクッションパッドの押圧部位との間にクッションパッドよりも剛性の低い部材(脆弱部)を介在させた構成であってもよい。但し、この場合には、その介在する脆弱部の剛性によって少なからずメンブレンスイッチに押圧力が作用することがあるため留意が必要である。
また、クッションパッドの形状が着座領域の中央部よりも周縁部が上方に盛り上がったように形成されたものを示したが、フラットな形状のものであってもよい。
また、クッションパッドに表皮が一体成形されたものを示したが、表皮が別途に張設される構成であってもよい。このような場合でも、表皮の張設力によってクッションパッドに多少の負荷がかかっても、メンブレンスイッチには誤作動を招くような押圧力がかからないようにすることができるため好適である。
2 シートバック
2C 表皮
2P クッションパッド
3 シートクッション
3C 表皮
3P クッションパッド
Pd 溝部
Pt 凹部
3F クッションフレーム
10 第1の着座センサー
11 リミットスイッチ
12 受圧板
20 第2の着座センサー
21 メンブレンスイッチ
21A 上部側電極シート
21B 下部側電極シート
21E 粘着層
21X 上部側パターン
21Y 下部側パターン
21S スペーサ
21T 空間部
21C コネクタ
Ca カーペット
Wc 不織布
Claims (5)
- 着座部となるシートクッションを備えた車両用シートであって、
前記シートクッションの着座領域の中央部には乗員の着座を検知することのできる第1の着座センサーが配設されており、
かつ、該シートクッションの着座領域の周縁部にも乗員の着座を検知することのできる第2の着座センサーが配設されていることを特徴とする車両用シート。 - 請求項1に記載の車両用シートであって、
前記第2の着座センサーの配設位置はシートクッションの幅方向の周縁部であることを特徴とする車両用シート。 - 請求項1に記載の車両用シートであって、
前記第2の着座センサーの配設位置はシートクッションの前端側の周縁部であることを特徴とする車両用シート。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両用シートであって、
前記第2の着座センサーは、複数のスイッチが列ねて構成される薄膜状のメンブレンスイッチによって構成されており、前記シートクッションの着座領域の周縁部に沿って延設されていることを特徴とする車両用シート。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両用シートであって、
当該車両用シートがフォークリフト等の産業車両の座席に適用されていることを特徴とする車両用シート。
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