JP2008183608A - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

鋼の連続鋳造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008183608A
JP2008183608A JP2007021526A JP2007021526A JP2008183608A JP 2008183608 A JP2008183608 A JP 2008183608A JP 2007021526 A JP2007021526 A JP 2007021526A JP 2007021526 A JP2007021526 A JP 2007021526A JP 2008183608 A JP2008183608 A JP 2008183608A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slab
temperature
cooling water
secondary cooling
continuous casting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007021526A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5012056B2 (ja
Inventor
Koji Okada
浩二 岡田
Takanori Tanaka
孝憲 田中
Takashi Takaoka
隆司 高岡
Tomonori Omoto
知則 大元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2007021526A priority Critical patent/JP5012056B2/ja
Publication of JP2008183608A publication Critical patent/JP2008183608A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5012056B2 publication Critical patent/JP5012056B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 鋳造中に鋳片表面温度が目標温度よりも低下した場合に、そのときの二次冷却強度を見直して新たに設定し直し、鋳片の表面温度が目標温度を維持するようにする。
【解決手段】 連続鋳造する際に、鋳片12の形状、溶鋼成分及び鋳片引抜き速度に基づいて予め設定した二次冷却帯6の冷却水量で鋳造及び冷却を開始し、二次冷却帯の出側以降に設置した温度検出器10で鋳片コーナー部の温度を測定し、予め設定した目標温度である675℃よりも低い部位を検出したときには、鋳片コーナー部の表面温度が675℃以上になるように二次冷却帯の冷却水量を鋳造中に修正するとともに、鋳片コーナー部の表面温度が675℃未満の部位を、前記温度検出器の出側に設置した加熱手段15を用いて675℃以上になるように加熱する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鋳造条件が変化した場合にも鋳片コーナー部にコーナー割れを発生させることなく溶鋼を連続鋳造することのできる連続鋳造方法に関するものである。
鋼の連続鋳造では、取鍋内の溶鋼を一旦タンディッシュに注入し、タンディッシュ内に所定量の溶鋼が滞在した状態で、タンディッシュ内の溶鋼を、タンディッシュ底部に設置した浸漬ノズルを介して各鋳型に注入している。鋳型内に注入された溶鋼は冷却されて鋳型との接触面に凝固シェルを形成し、この凝固シェルを外殻とし、内部に未凝固溶鋼を有する鋳片は、鋳型下方に設けられた二次冷却帯において冷却水(「二次冷却水」という)によって冷却されながら鋳型下方に連続的に引抜かれ、やがて中心部までの凝固が完了する。
大量生産に対応する連続鋳造機の型式としては、垂直型連続鋳造機、湾曲型連続鋳造機、垂直曲げ型連続鋳造機の3種類が知られているが、連続鋳造機の設備高さを低くすることができる、或いは、鋳造中の鋳片の切断が容易であるなどから、湾曲型連続鋳造機及び垂直曲げ型連続鋳造機が主流となっている。しかしながら、湾曲型連続鋳造機及び垂直曲げ型連続鋳造機では、鋳造中の鋳片を曲げる或いは一旦曲げたものを曲げ戻すなどの矯正が必要である。この矯正時に、鋳造中の鋳片は塑性変形を受け、鋳片表面が脆性温度範囲にある場合には、鋳片表面に働く矯正応力のうちの引張応力によって鋳片表面に、横割れや横割れの1種である、鋳片の長辺面から短辺面にわたるコーナー割れ(「コーナーカギ割れ」ともいう)が発生する。特に、Nb、B、Vなどの合金元素を添加した鋼種でこれら横割れの発生が顕著となる。
そこで、これらの横割れを防止するために様々な提案がなされている。例えば、特許文献1には、湾曲型連続鋳造機によって中炭素鋼を毎分1.5m以上の引抜き速度で連続鋳造する際に、鋳型直下の最降下温度領域における鋳片両コーナー部の表面温度の最低値を600℃以下とし、且つ鋳片の矯正部領域における鋳片両コーナー部の表面温度を700℃以下となるように冷却することが提案されている。
また、特許文献2には、鋳型出口から鋳造方向に1.5mまでの間において、二次冷却の比水量(鋳片1kg当りの水量)が0.4〜1.5L/kgとなる条件で鋳片を冷却し、鋳片の表面温度をいったんAr3変態点以下に冷却した後に、Ar3変態点以上に復熱させ、その後に鋳片を矯正することが提案されている。
特開平10−34302号公報 特開2002−86252号公報
上記の特許文献1や特許文献2などによって、鋳片表面温度の制御が容易な定常鋳込み中の鋳片の横割れは減少した。
しかしながら、連続鋳造操業では、生産性を拡大するべく、タンディッシュや浸漬ノズルを交換しながら多ヒートの連続連続鋳造(「連々鋳」という)が実施されている。タンディッシュ交換時や浸漬ノズル交換時には鋳片を連続鋳造機の機内で一旦停止させ、新しいタンディッシュや新しい浸漬ノズルが設置され、溶鋼の鋳型への注入が開始されてから、鋳片の引抜きを再開する。この期間、鋳片は二次冷却水で冷却されるが、鋳片のコーナー部は長辺面及び短辺面の両方から冷却されるために過冷却になりやすい。特に、幅の狭い鋳片では、鋳片の短辺面に鋳片長辺面を冷却するための二次冷却水が噴霧されるので、過冷却になりやすい。また、機内停止時間は一定ではなく、長くなるほど過冷却になりやすい。
このような場合には、鋳片コーナー部は、上記の特許文献1及び特許文献2に提案された温度範囲を逸脱し、鋳片コーナー部に横割れ及びコーナー割れが発生する。尚、鋳片表面温度が目標温度に対して変化するのは、上記のタンディッシュ交換及び浸漬ノズル交換に限るわけではなく、何らかの理由によって鋳片引抜き速度が極端に遅くなった場合や、冬季に二次冷却水の温度が低下した場合などでも発生する。
上記の特許文献1及び特許文献2を始めとして従来の技術は、鋳造中の鋳片の表面温度が目標温度を外れても、鋳片温度を適正な範囲にするために、鋳造中に二次冷却帯の冷却水量を変更することは考慮されておらず、連々鋳の期間はそのまま鋳造せざるを得なかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、鋳造中に鋳片表面温度が目標温度よりも低下した場合に、そのときの二次冷却帯の冷却水量を見直して新たに設定し直し、鋳片の表面温度が目標温度を維持するようにするとともに、二次冷却帯の冷却水量の設定見直しが間に合わない鋳片部位には強制的に加熱して、常に鋳片コーナー部の表面温度が目標温度を維持して鋳造することができ、コーナー割れの少ない鋳片を製造することのできる、鋼の連続鋳造方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、連続鋳造する際に、鋳片の形状、溶鋼成分及び鋳片引抜き速度に基づいて予め設定した二次冷却帯の冷却水量で鋳造及び冷却を開始し、二次冷却帯の出側以降に設置した温度検出器で鋳片コーナー部の温度を測定し、予め設定した目標温度である675℃よりも低い部位を検出したときには、鋳片コーナー部の表面温度が675℃以上になるように二次冷却帯の冷却水量を鋳造中に修正するとともに、鋳片コーナー部の表面温度が675℃未満の部位を、前記温度検出器の出側に設置した加熱手段を用いて675℃以上になるように加熱することを特徴とするものである。
第2の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、第1の発明において、前記二次冷却帯の冷却水量を修正する際に、鋳片の長辺方向に複数配列したスプレーノズルの冷却水量を個別に調整することによって二次冷却帯の冷却水量を修正することを特徴とするものである。
第3の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、第1または第2の発明において、前記二次冷却帯の冷却水量を修正する際に、鋳片の長辺方向に複数配列したスプレーノズルの内、少なくとも鋳片のコーナー部に配置したスプレーノズルの冷却水量を減少させることによって二次冷却帯の冷却水量を修正することを特徴とするものである。
本発明によれば、二次冷却帯の出側以降に鋳片の矯正部が設置された連続鋳造機を用いて鋼を連続鋳造するに際し、二次冷却帯の出側以降で且つ矯正部に至る前で鋳造中の鋳片のコーナー部の表面温度を測定し、測定される表面温度が目標温度である675℃よりも低い場合には、表面温度が675℃以上になるように、二次冷却帯の冷却水量を鋳造中に修正するので、二次冷却の過冷却に起因して鋳片コーナー温度が675℃よりも低くなる範囲を大幅に削減することができる。また、675℃よりも低い範囲は、温度検出器と矯正部との間に設置した加熱手段を用いて加熱するので、鋳片コーナー温度が675℃よりも低くなる範囲を無くすることができる。そして、鋳片コーナー部の表面温度が目標温度を確保することで、鋳片コーナー部は脆性域を外れ、鋳片の曲げ部或いは曲げ戻し部において鋳片コーナー部に矯正時の引張応力が作用しても、コーナー割れの発生を防止することができ、歩留りの向上、鋳片の熱片直送圧延が可能となるなど、工業上有益な効果がもたらされる。特に、タンディッシュ交換などで鋳片を連続鋳造機の機内で停止する場合に、本発明の効果が発揮される。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は、本発明を適用した、二次冷却帯の出側以降に鋳片の矯正部が設置された垂直曲げ型連続鋳造機の側面概略図である。
図1に示すように、垂直曲げ型連続鋳造機1は、鋳型4と、鋳型4の上方に配置されるタンディッシュ2と、鋳型4の直下に配置されるローラーエプロン5と、ローラーエプロン5の下方に設置される複数対のピンチロール7と、ピンチロール7の下方に設置される、鋳造される平板状の鋳片12を円弧状に曲げ矯正するための曲げロール8と、円弧状に曲げられた鋳片12を平板状に曲げ戻し矯正するためのストレートナー9と、を備えている。タンディッシュ2の底部には浸漬ノズル3が設置されている。この垂直曲げ型連続鋳造機1における矯正部は、曲げロール8及びストレートナー9が該当し、鋳型4から曲げロール8までの範囲が垂直部となっている。
ローラーエプロン5には複数対のガイドロール(図示せず)が配置されており、ローラーエプロン5の領域が二次冷却帯6となっている。この二次冷却帯6は、鋳型4の直下側から順に、第1ゾーン6a、第2ゾーン6b、第3ゾーン6c、第4ゾーン6d、第5ゾーン6e、第6ゾーン6f、第7ゾーン6g、第8ゾーン6h、第9ゾーン6iの9つの冷却ゾーンに分かれており、これらの冷却ゾーンには、それぞれ、図2に示すように水スプレーノズルまたはエアーミストスプレーノズルからなるスプレーノズル13が、鋳造方向に隣り合うガイドロールの間隙に設置されている。尚、図2は、スプレーノズル13の配置を示す概略図で、図2(A)は鋳造方向に平行な方向から見た配置図で、図2(B)は鋳造方向に垂直な方向から見た配置図である。
この場合、スプレーノズル13への冷却水供給配管14は、ルート1,2,3の3つの系統に分かれており、ルート1が鋳造可能な最大幅の鋳片に対してその中央部を冷却し、ルート3がその端部を冷却し、ルート2がルート1とルート3との間を冷却するように構成されている。第1ゾーン6aから第9ゾーン6iまでの各冷却ゾーンで、それぞれ独立して二次冷却水の供給量が調整可能となっているのみならず、各冷却ゾーンのルート1,2,3の3つの系統でも独立して二次冷却水の供給量が調整可能となっている。それぞれのスプレーノズル13は、鋳造方向に千鳥配置されており、これらのスプレーノズル13から噴霧される二次冷却水によって鋳片12は冷却されるようになっている。
二次冷却帯6とピンチロール7との間には、鋳片12のコーナー部の温度を測定するための温度検出器として温度計測センサー10が設置されている。温度計測センサー10による計測値は演算機(図示せず)に入力され、温度計測値が表示されるようになっている。また、温度計測センサー10とピンチロール7との間には、鋳片12のコーナー部を加熱するための加熱手段15が配置されている。加熱手段15としては、ガスバーナー、高周波加熱などを用いることができるが、局所的な加熱が容易である及び設備が小型化できることなどから、高周波加熱が好ましい。つまり、鋳片コーナー近傍に電磁コイル(図示せず)を設置し、この電磁コイルに高周波電源を供給する方式を採用することが好ましい。尚、温度計測センサー10及び加熱手段15は、二次冷却帯6と曲げロール8との間であるならばどこに配置しても構わない。但し、加熱手段15は、温度計測センサー10よりも鋳造方向下流側に配置する必要がある。
このように構成される垂直曲げ型連続鋳造機1において、以下のようにして本発明を実施する。
溶鋼11を取鍋(図示せず)からタンディッシュ2に注入し、タンディッシュ2に所定量の溶鋼11が収容された状態を維持しつつ、浸漬ノズル3を介してタンディッシュ2に収容された溶鋼11を鋳型4に注入する。そして、溶鋼11が鋳型4と接触して形成される凝固シェル(図示せず)を外殻とし、内部を未凝固層(図示せず)とする鋳片12をピンチロール7によって連続的に鋳型4の下方に引抜く。鋳型4から引抜かれた、内部に未凝固層を有する鋳片12は、下方に引抜かれながらローラーエプロン5の領域に設けられた二次冷却帯6の二次冷却水によって冷却され、ピンチロール7に至る以前のローラーエプロン5の領域で鋳片中心部までの凝固を完了する。つまり、垂直曲げ型連続鋳造機1の垂直部で凝固を完了する。この場合に、二次冷却帯6の各冷却ゾーンの冷却水量は、鋳片12の形状(サイズ)、溶鋼成分及び鋳片引抜き速度を構成因子とする鋳造条件に応じて予め設定した基準値に基づくものとする。
凝固が完了し、ピンチロール7を通過した鋳片12は、曲げロール8によって円弧状に曲げられ、次いで、円弧状に曲げられた鋳片12は、ストレートナー9によって平板状に曲げ戻される。平板状に曲げ戻された鋳片12は、ストレートナー9の下流側に配置されたトーチ式切断機(図示せず)によって所定の長さに切断される。
この垂直曲げ型連続鋳造機1において、鋳片12の表面に引張応力が作用する位置は、主に、曲げロール8によって鋳片12を円弧状に曲げるときの鋳片下面側、及び、ストレートナー9によって円弧状の鋳片12を平板状に曲げ戻すときの鋳片上面側であり、引張応力が作用するときに鋳片12のコーナー表面温度が鋼の脆性域に入ると、鋳片12にコーナー割れが発生する。
この連続鋳造中に、温度計測センサー10によって鋳片12のコーナー部の温度を連続的に測定する。そして、鋳片コーナー部の表面温度が目標温度の675℃よりも低い範囲が検出されたなら、この675℃よりも低い部分の測温値に基づいて、当該部分の二次冷却における冷却条件を演算して求め、求めた冷却条件に基づいて、鋳片コーナー部の表面温度が675℃になるように、二次冷却帯の冷却水量つまり二次冷却パターンを、鋳造中に直ちに修正する。二次冷却帯の冷却水量を変更する期間は、温度の低い部位と同様の鋳造条件で鋳造された鋳片が存在する期間とし、それ以外の期間は予め定めた二次冷却帯の冷却水量で鋳造する。具体的には、例えばタンディッシュ交換などで機内停止した部位と、それ以降の機内停止していない部位とで境界を設け、機内停止した鋳片部位では二次冷却帯の冷却水量を変更し、それ以降の機内停止していない部位では予め設定した二次冷却帯の冷却水量で鋳造する。
本発明においては、鋳片コーナー温度を測定し、その測定値に基づいて二次冷却帯の冷却水量を修正することから、675℃未満の部位を検出した場合には、二次冷却帯の冷却水量を修正するのみでは675℃未満の範囲が必然的に発生する。そこで、本発明では、鋳片コーナー温度が675℃未満である部位が検出されたなら、そこの部位は加熱手段15を用いて675℃以上となるように加熱し、その後に矯正する。
本発明は、鋳片12のコーナー部の過冷却に起因して発生するコーナー割れを防止すること目的としており、従って、二次冷却帯6の冷却水量を修正する場合に、鋳片12のコーナー部の冷却水量を正確に調整できることから、図2に示すような鋳片12の幅方向で二次冷却水の供給流量を制御できる装置を用い、鋳片幅方向で個別に冷却水量を調整することが好ましい。具体的には、鋳片コーナー部に相当する位置のスプレーノズル13からの供給流量を減少させる、或いは停止するなどして、鋳片コーナー側の冷却水量を減少させることが好ましい。
尚、本発明において、鋳片コーナー部表面温度の目標温度を675℃と定めた理由は以下の通りである。図3は、温度計測センサー10の設置位置における鋳片コーナー温度と曲げロール8及びストレートナー9で矯正後の鋳片におけるコーナー割れとの関係を調査した図である。図3からも明らかなように、温度計測センサー10の設置位置における鋳片12のコーナー温度が674℃よりも低下した場合に、鋳片コーナー割れが発生することが確認できた。従って、本発明では、矯正前の鋳片コーナー温度の目標温度を675℃以上と定めた。尚、鋳片12のコーナー表面温度は鋳造方向下流側になるほど放熱によって低下するが、曲げロール8までの距離はそれほど長くなく、従って、温度計測センサー10を二次冷却帯6と曲げロール8との間に設置する限り、目標温度として675℃を設定しても何ら問題はない。
このようにして鋼の連続鋳造操業を行うことで、仮に鋳片コーナー部の表面温度が目標温度よりも低くなったとしても、鋳造中にその都度、その温度の低い部位の上流側の鋳片における二次冷却帯の冷却水量を変更するので、変更した以降、その鋳造条件に該当する鋳片のコーナー表面温度を目標温度とすることができる。また、675℃よりも低い範囲は加熱されるので、鋳片コーナー温度が675℃よりも低くなる範囲を無くすることができる。その結果、鋳片コーナー割れの発生が大幅に低減され、製造コストを大幅に削減することが可能となる。
定常鋳込み中の鋳片12の表面温度はほぼ一定値で安定しており、本発明を適用する機会は少ないが、タンディッシュ交換や浸漬ノズル交換を伴う連々鋳の場合は、鋳片12を機内で停止させることから過冷却になりやすく、特に、本発明の効果を発揮することができる。
尚、上記説明は、図1に示す垂直曲げ型連続鋳造機1に本発明を適用した例で説明したが、本発明が適用される連続鋳造機は、図1に示す垂直曲げ型連続鋳造機1に限るものではなく、二次冷却帯6の以降に曲げ矯正部が設置された湾曲型連続鋳造機であっても、上記に沿って本発明を適用することができる。但し、二次冷却帯6の範囲に矯正部の設置された連続鋳造機では、鋳片12のコーナー温度を測定する場所を矯正部の上流側に配置する必要がある、或いは、矯正部を境に二次冷却の冷却条件を考える必要があるなど、上記の方法ではそぐわないことがあり、上記方法をそのまま適用することはできない。
図1に示す垂直曲げ型連続鋳造機において本発明を適用した例について説明する。
厚みが310mm、幅が2450mmの中炭素鋼の鋳片を、5ヒート毎にタンディッシュ交換を行いながら10ヒートの連々鋳を実施した。タンディッシュ交換では鋳片を連続鋳造機の機内でおよそ1分間停止し、新たに設置されたタンディッシュから鋳型への溶鋼の注入開始と同時に、機内で停止していた鋳片の引抜きを再開した。そして、この鋳片のコーナー部を温度測定センサーによって連続的に測定した。
この場合に、図4の(B)に示すように、タンディッシュ交換時に機内の二次冷却帯で停止していた鋳片のコーナー温度が675℃未満となったので、機内停止した鋳片部位の二次冷却帯での冷却水量を、比水量(鋳片1kg当りの水量)で0.83L/kgから0.75L/kgへ減少させた。この場合、図2に示すルート3の二次冷却水量を減少させた。
その結果、図4の(B)に示すように、675℃未満を検出して約2分間経過した時点から、鋳片コーナー温度は675℃以上となった。675℃未満を検出した以降675℃以上となるまでの期間は、電磁コイルに高周波電源を供給して、鋳片コーナーが675℃以上となるように加熱した。タンディッシュ交換後の機内停止していない部位の鋳片は、予め設定した二次冷却帯の冷却水量で鋳造した。鋳込み長さをトラッキングすることで、このような二次冷却帯の冷却水量の調整を容易に行うことができる。尚、図4は、鋳片コーナー温度の推移を示す例である。
図4(A)は、比較のために、予め設定したままの二次冷却帯の冷却水量でタンディッシュ交換を実施したときの鋳片コーナー温度の経緯を示す図であり、タンディッシュ交換時に二次冷却帯に存在した鋳片部位の鋳片コーナー温度は675℃未満であった。
図5は、本発明を適用した場合(本発明例)と、本発明を適用せずに予め設定した二次冷却帯の冷却水量で鋳造した場合(従来例)とで、鋳片コーナー割れの発生率を比較調査した結果である。図5からも明らかなように、本発明によって鋳片のコーナー割れを大幅に低減できることが確認された。尚、鋳片のコーナー割れは、鋳造後の鋳片を冷却し、浸透探傷法を用いて調査した。
本発明を適用した垂直曲げ型連続鋳造機の側面概略図である。 スプレーノズルの配置を示す概略図である。 鋳片コーナー温度と鋳片におけるコーナー割れとの関係を示す図である。 鋳片コーナー温度の推移を示す例であり、(A)は従来例、(B)は本発明を適用した例である。 本発明例と従来例とで、コーナー割れの発生率を比較調査した結果である。
符号の説明
1 垂直曲げ型連続鋳造機
2 タンディッシュ
3 浸漬ノズル
4 鋳型
5 ローラーエプロン
6 二次冷却帯
7 ピンチロール
8 曲げロール
9 ストレートナー
10 温度計測センサー
11 溶鋼
12 鋳片
13 スプレーノズル
14 冷却水供給配管
15 加熱手段

Claims (3)

  1. 連続鋳造する際に、鋳片の形状、溶鋼成分及び鋳片引抜き速度に基づいて予め設定した二次冷却帯の冷却水量で鋳造及び冷却を開始し、二次冷却帯の出側以降に設置した温度検出器で鋳片コーナー部の温度を測定し、予め設定した目標温度である675℃よりも低い部位を検出したときには、鋳片コーナー部の表面温度が675℃以上になるように二次冷却帯の冷却水量を鋳造中に修正するとともに、鋳片コーナー部の表面温度が675℃未満の部位を、前記温度検出器の出側に設置した加熱手段を用いて675℃以上になるように加熱することを特徴とする、鋼の連続鋳造方法。
  2. 前記二次冷却帯の冷却水量を修正する際に、鋳片の長辺方向に複数配列したスプレーノズルの冷却水量を個別に調整することによって二次冷却帯の冷却水量を修正することを特徴とする、請求項1に記載の鋼の連続鋳造方法。
  3. 前記二次冷却帯の冷却水量を修正する際に、鋳片の長辺方向に複数配列したスプレーノズルの内、少なくとも鋳片のコーナー部に配置したスプレーノズルの冷却水量を減少させることによって二次冷却帯の冷却水量を修正することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の鋼の連続鋳造方法。
JP2007021526A 2007-01-31 2007-01-31 鋼の連続鋳造方法 Active JP5012056B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007021526A JP5012056B2 (ja) 2007-01-31 2007-01-31 鋼の連続鋳造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007021526A JP5012056B2 (ja) 2007-01-31 2007-01-31 鋼の連続鋳造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008183608A true JP2008183608A (ja) 2008-08-14
JP5012056B2 JP5012056B2 (ja) 2012-08-29

Family

ID=39726978

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007021526A Active JP5012056B2 (ja) 2007-01-31 2007-01-31 鋼の連続鋳造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5012056B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011218403A (ja) * 2010-04-09 2011-11-04 Nippon Steel Corp 鋼の連続鋳造方法
CN103958094A (zh) * 2011-12-05 2014-07-30 西门子Vai金属科技有限责任公司 在浇铸起始、浇铸结束以及制造过渡件时连铸机中工艺技术方面的措施
JP2014217849A (ja) * 2013-05-07 2014-11-20 Jfeスチール株式会社 連続鋳造機における鋳片表面欠陥及び設備異常の検出方法
JP2014237168A (ja) * 2013-06-10 2014-12-18 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 鋳片加熱装置及び鋳片の加熱方法
CN106987775A (zh) * 2017-05-26 2017-07-28 江苏省沙钢钢铁研究院有限公司 一种提高低碳加硼钢盘条表面质量的生产方法
CN107630172A (zh) * 2016-07-18 2018-01-26 鞍钢股份有限公司 一种防止低碳含硼钢表面裂纹的方法
WO2021259375A1 (zh) * 2020-06-25 2021-12-30 宝山钢铁股份有限公司 一种提升铸坯质量的板坯冷却与压下方法
CN114042880A (zh) * 2021-10-15 2022-02-15 柳州钢铁股份有限公司 一种微合金钢连铸板坯角部裂纹解决方法
CN115090847A (zh) * 2022-05-31 2022-09-23 天津钢铁集团有限公司 一种出结晶器后板坯角部喷淋冷却控制系统及控制方法

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5233616U (ja) * 1976-07-28 1977-03-09
JPS5250933A (en) * 1975-10-22 1977-04-23 Nippon Steel Corp Method and apparatus for production of cast piece with better surface property by curved type continuous casting machine
JPS5542109A (en) * 1978-09-19 1980-03-25 Nippon Steel Corp Surface defect preventing method of continuously cast slab
JPS58224055A (ja) * 1982-06-23 1983-12-26 Nippon Steel Corp 連続鋳造鋳片の表面割れ防止方法
JPS6049850A (ja) * 1983-08-30 1985-03-19 Sumitomo Heavy Ind Ltd 連続鋳造設備における二次冷却材流量制御方法
JPH0437460A (ja) * 1990-06-02 1992-02-07 Nippon Steel Corp 直送圧延用高温鋳片の製造方法及びその圧延方法
JPH07241656A (ja) * 1994-03-04 1995-09-19 Nkk Corp 連続鋳造機内鋳片加熱装置
JPH1034302A (ja) * 1996-07-18 1998-02-10 Nippon Steel Corp 連続鋳造鋳片の表面割れ防止方法
JPH1043850A (ja) * 1996-07-31 1998-02-17 Kawasaki Steel Corp 鋼の連続鋳造方法
JP2000237856A (ja) * 1999-02-19 2000-09-05 Sanbo Copper Alloy Co Ltd 連続鋳造機の冷却装置
JP2001353564A (ja) * 2000-06-13 2001-12-25 Nkk Corp 鋼板の製造方法
JP2002086252A (ja) * 2000-09-12 2002-03-26 Sumitomo Metal Ind Ltd 連続鋳造方法
JP2006315011A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Jfe Steel Kk スラブ連続鋳造における鋳片の二次冷却方法

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5250933A (en) * 1975-10-22 1977-04-23 Nippon Steel Corp Method and apparatus for production of cast piece with better surface property by curved type continuous casting machine
JPS5233616U (ja) * 1976-07-28 1977-03-09
JPS5542109A (en) * 1978-09-19 1980-03-25 Nippon Steel Corp Surface defect preventing method of continuously cast slab
JPS58224055A (ja) * 1982-06-23 1983-12-26 Nippon Steel Corp 連続鋳造鋳片の表面割れ防止方法
JPS6049850A (ja) * 1983-08-30 1985-03-19 Sumitomo Heavy Ind Ltd 連続鋳造設備における二次冷却材流量制御方法
JPH0437460A (ja) * 1990-06-02 1992-02-07 Nippon Steel Corp 直送圧延用高温鋳片の製造方法及びその圧延方法
JPH07241656A (ja) * 1994-03-04 1995-09-19 Nkk Corp 連続鋳造機内鋳片加熱装置
JPH1034302A (ja) * 1996-07-18 1998-02-10 Nippon Steel Corp 連続鋳造鋳片の表面割れ防止方法
JPH1043850A (ja) * 1996-07-31 1998-02-17 Kawasaki Steel Corp 鋼の連続鋳造方法
JP2000237856A (ja) * 1999-02-19 2000-09-05 Sanbo Copper Alloy Co Ltd 連続鋳造機の冷却装置
JP2001353564A (ja) * 2000-06-13 2001-12-25 Nkk Corp 鋼板の製造方法
JP2002086252A (ja) * 2000-09-12 2002-03-26 Sumitomo Metal Ind Ltd 連続鋳造方法
JP2006315011A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Jfe Steel Kk スラブ連続鋳造における鋳片の二次冷却方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011218403A (ja) * 2010-04-09 2011-11-04 Nippon Steel Corp 鋼の連続鋳造方法
CN103958094A (zh) * 2011-12-05 2014-07-30 西门子Vai金属科技有限责任公司 在浇铸起始、浇铸结束以及制造过渡件时连铸机中工艺技术方面的措施
JP2014217849A (ja) * 2013-05-07 2014-11-20 Jfeスチール株式会社 連続鋳造機における鋳片表面欠陥及び設備異常の検出方法
JP2014237168A (ja) * 2013-06-10 2014-12-18 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 鋳片加熱装置及び鋳片の加熱方法
CN107630172A (zh) * 2016-07-18 2018-01-26 鞍钢股份有限公司 一种防止低碳含硼钢表面裂纹的方法
CN106987775A (zh) * 2017-05-26 2017-07-28 江苏省沙钢钢铁研究院有限公司 一种提高低碳加硼钢盘条表面质量的生产方法
WO2021259375A1 (zh) * 2020-06-25 2021-12-30 宝山钢铁股份有限公司 一种提升铸坯质量的板坯冷却与压下方法
CN114042880A (zh) * 2021-10-15 2022-02-15 柳州钢铁股份有限公司 一种微合金钢连铸板坯角部裂纹解决方法
CN115090847A (zh) * 2022-05-31 2022-09-23 天津钢铁集团有限公司 一种出结晶器后板坯角部喷淋冷却控制系统及控制方法
CN115090847B (zh) * 2022-05-31 2024-03-08 天津钢铁集团有限公司 一种出结晶器后板坯角部喷淋冷却控制系统及控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5012056B2 (ja) 2012-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5012056B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP5692451B2 (ja) 連続鋳造用鋳型及び鋼の連続鋳造方法
JP2010110813A (ja) 連続鋳造鋳片の二次冷却方法及び装置
WO2013094194A1 (ja) 連続鋳造における鋳片温度推定方法、鋳片の凝固完了状態推定方法、及び連続鋳造方法
JP2010069496A (ja) 連続鋳造における二次冷却装置及び方法
JP2008055454A (ja) 表内質に優れた鋳片の製造方法
JP6384679B2 (ja) 熱延鋼板の製造方法
JP5790470B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP2003062647A (ja) 連続鋳造鋳片の直送圧延方法
JP2010069499A (ja) 連続鋳造鋳片の製造方法
JP4987545B2 (ja) 連続鋳造機の二次冷却装置およびその二次冷却方法
JP4935383B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP2007307574A (ja) ビレットの連続鋳造方法
JP6561822B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP2010194574A (ja) 鋼鋳片の連続鋳造方法
JP2006255729A (ja) 連続鋳造における鋳片の冷却方法
JP2011005525A (ja) 鋼鋳片の連続鋳造方法
JP2001191158A (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP2001353564A (ja) 鋼板の製造方法
JP5556073B2 (ja) 連続鋳造における二次冷却方法
JP2011152580A (ja) 鋼の連続鋳造方法
JPH10109150A (ja) 鋳片2次冷却装置
TWI753487B (zh) 連續鑄造鑄片之二次冷卻方法及裝置
JP5839181B2 (ja) 熱鋼板の冷却方法およびその冷却設備
JPH04305338A (ja) 薄鋼板用鋼片の連続鋳造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090821

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100519

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120131

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20120321

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120327

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120329

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120508

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120521

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150615

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5012056

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250