JP5790470B2 - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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本発明は、鋼の連続鋳造方法に関し、詳しくは、鋳造中のタンディッシュ交換や浸漬ノズルの交換、或いは、異鋼種の連続鋳造などのために、鋳造中にタンディッシュから鋳型への溶鋼の注入及び鋳片の引き抜きを一旦停止し、その後、鋳型への溶鋼の注入及び鋳片の引き抜きを再開させて連続鋳造を継続するときに、鋳型への溶鋼の注入を一旦停止したことによって形成される繋ぎ目部分が過冷却にならないように二次冷却水量を適正化して連続鋳造する方法に関する。
鋼の連続鋳造操業では、鋳造を継続させて生産性を拡大するべく、タンディッシュや浸漬ノズルを交換させながら、多ヒートの連続連続鋳造(「連々鋳」という)が実施されている。近年では、更なる生産性の拡大を目的として、溶鋼成分が異なる鋼であっても、一旦タンディッシュから鋳型への溶鋼の注入を停止し、溶鋼成分の混合を防止するための鋼製の仕切り金物を鋳型内に設置して、成分混合部が極力少なくなるようにした連々鋳(「異鋼種連々鋳」という)が、広く行われている。この異鋼種連々鋳では、タンディッシュを交換する場合もあれば、タンディッシュを交換しない場合もある。
上記のタンディッシュ交換、浸漬ノズルの交換及び異鋼種連々鋳では、タンディッシュから鋳型への溶鋼の注入及び鋳片の引き抜きを一旦停止し、タンディッシュの交換、浸漬ノズルの交換、或いは、仕切り金物の設置が完了した後、タンディッシュから鋳型への溶鋼の注入が再開されて鋳片の引き抜きが再開される。引き抜きが停止される期間、鋳片は二次冷却水で冷却されながら連続鋳造機内に停止しており、鋳型への溶鋼の注入を一旦停止したことによって形成される繋ぎ目部分は、溶鋼による熱の供給が一旦途絶えることに起因して過冷却になり、停止時間が長くなるほど過冷却の程度が大きくなる。また、仕切り金物自体が冷却材としての機能を有することから、仕切り金物を使用した異鋼種連々鋳の繋ぎ目部分はより一層過冷却になる。
繋ぎ目部分が過冷却になると、連続鋳造機の出側に設置した同調式ガス切断機による繋ぎ目部分の切断時間が延長されて、鋳片引き抜き速度を低下せざるを得なくなったり、連続鋳造機の矯正帯で鋳片支持ロールに許容以上の負荷がかかり、鋳片支持ロールの変形や鋳片支持ロールのベアリングの破損などの設備トラブルを誘発したり、更には、鋳片に反りが発生したり、鋳片の表面に割れが発生したり、更には、鋳片の中心偏析が悪化したりする。
そこで、繋ぎ目部分が過冷却になることを防止して繋ぎ目部分の過冷却に起因する問題点を解消するために、特許文献1は、二次冷却帯の各二次冷却ゾーンにおける二次冷却水量(Q)を、鋳片の引き抜き速度(V)をパラメータとする「Q=aV2+bV+c(a、b、cは定数)」なる式によって設定した連続鋳造において、仕切り金物を使用した異鋼種連々鋳の繋ぎ目部分の位置を順次把握し、二次冷却帯の各二次冷却ゾーンでは、前記繋ぎ目部分がその二次冷却ゾーンを通過している期間は、その二次冷却ゾーンの二次冷却水量を、鋳片引き抜き速度から算出される二次冷却水量(Q)に補正係数α(α<1.0)を乗じた二次冷却水量(α×Q)に調整し、繋ぎ目部分が通過していない期間は、鋳片引き抜き速度から算出される二次冷却水量(Q)に調整する技術を提案している。
特開2008−246531号公報
しかしながら、上記従来技術には以下の問題点がある。
つまり、異鋼種連続鋳造において、タンディッシュ交換を伴う場合と伴わない場合とで、鋳片の引き抜き停止時間は大きく異なることから、一般に、タンディッシュ交換を伴う場合の方が繋ぎ目部分の過冷却が大きくなる。特許文献1では、二次冷却水量を算出するための補正係数(α)を、鋳片の引き抜き停止時間を考慮することなく一定値に設定しており、繋ぎ目部分を緩冷却するといえども、鋳片の引き抜き停止時間が長い場合には二次冷却が強くなり過ぎて鋳片表面温度が低下し、一方、鋳片の引き抜き停止時間が短い場合には二次冷却が弱くなり過ぎて鋳片表面温度が高くなる。つまり、特許文献1では、鋳片の繋ぎ目部分の温度制御が精度良く行われているとは言いがたい。また、鋳片の繋ぎ目部分から下流側に十数mの範囲も過冷却になるが、特許文献1では繋ぎ目部分だけを配慮しており、この点も鋳片の繋ぎ目部分の温度制御が十分でない原因になっている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、鋳造中のタンディッシュ交換や浸漬ノズルの交換、或いは、異鋼種の連続鋳造などのために、鋳造中にタンディッシュから鋳型への溶鋼の注入及び鋳片の引き抜きを一旦停止し、その後、鋳型への溶鋼の注入及び鋳片の引き抜きを再開させて連続鋳造を継続するときに、停止時間の長短に応じて二次冷却水量を適正化することで、鋳型への溶鋼の注入を一旦停止したことによって形成される繋ぎ目部分が過冷却にならないようにすることのできる、鋼の連続鋳造方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]タンディッシュ交換、浸漬ノズル交換または異鋼種連々鋳のためにタンディッシュから鋳型への溶鋼の注入及び鋳片の引き抜きを一旦停止し、その後、タンディッシュから鋳型への溶鋼の注入を再開するとともに鋳片の引き抜きを再開して鋼を連続鋳造するにあたり、鋳片の引き抜き再開後、鋳型への溶鋼の注入を一旦停止したことによって鋳片に形成される繋ぎ目部分の位置を順次把握し、二次冷却帯の各二次冷却ゾーンでは、前記繋ぎ目部分から鋳造方向下流側に0mないし15mまでの範囲がその二次冷却ゾーンを通過している期間は、その二次冷却ゾーンの二次冷却水量を、鋳片引き抜き速度から算出される二次冷却水量(Q)に、鋳片の引き抜き停止時間が長くなるほど相対的に小さくなるように鋳片の引き抜き停止時間に応じて設定した補正係数α(α<1.0)を乗じた二次冷却水量(α×Q)に調整し、前記繋ぎ目部分から鋳造方向下流側に0mないし15mまでの範囲が通過していない期間は、鋳片引き抜き速度から算出される二次冷却水量(Q)に調整することを特徴とする、鋼の連続鋳造方法。
[2]前記補正係数αを、鋳型に近い二次冷却ゾーンでは相対的に大きく、鋳型から遠く離れた二次冷却ゾーンでは相対的に小さくなるように、二次冷却ゾーンの位置に応じて変更することを特徴とする、上記[1]に記載の鋼の連続鋳造方法。
本発明によれば、タンディッシュから鋳型への溶鋼の注入を一旦停止した際に鋳片に形成される繋ぎ目部分の位置を順次把握し、繋ぎ目部分から鋳造方向下流側に0mないし15mまでの範囲が通過している期間はそこの二次冷却ゾーンの二次冷却水量を、鋳片の引き抜き停止時間が長くなるほど相対的に小さくなるように設定した補正係数α(α<1.0)を通常の場合の二次冷却水量(Q)に乗じた二次冷却水量(α×Q)に減少させるので、繋ぎ目部分の冷却が制御され、鋳片の引き抜き停止時間の長短に拘わらず、繋ぎ目部分を含む鋳片表面温度を目標とする或る一定値に近づけることが可能となる。それに伴って、繋ぎ目部分が過冷却になることに起因する、繋ぎ目部分のガス切断時間の延長に伴う連続鋳造機の生産性低下や鋳片の反り、並びに、鋳片表面及び内部品質の悪化や鋳片支持ロールの変形などが未然に防止される。
本発明を実施する際に用いる垂直曲げ型の連続鋳造機の概略側面図である。 連続鋳造機出口における繋ぎ目部分の鋳片表面温度を本発明例と比較例1、2とで対比して示す図である。 本発明例、比較例1及び比較例2における連続鋳造機出口での繋ぎ目部分の鋳片表面温度と鋳片の反り発生との関係の調査結果を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は、本発明を実施する際に用いる垂直曲げ型の連続鋳造機の概略側面図である。
図1に示すように、鋳片15(スラブ鋳片)を鋳造するための連続鋳造機1には、溶鋼14を注入して凝固させ、鋳片15の外殻形状を形成するための鋳型4が設置されている。この鋳型4の上方所定位置にはタンディッシュ2が設置され、このタンディッシュ2の上方には溶鋼14を収容する取鍋20が設置されており、取鍋20の底部に設けられたロングノズル21を介して、取鍋20からタンディッシュ2に溶鋼14が注入され、タンディッシュ内に注入された溶鋼14は、タンディッシュ内に所定量の溶鋼14を滞在させた状態で、タンディッシュ2の底部に設置された浸漬ノズル3を介して鋳型4に注入されている。一方、鋳型4の下方には、対向する一対のロールを1組とする、サポートロール、ガイドロール、ピンチロールからなる複数組の鋳片支持ロール5が設置されている。また、鋳片15と接触して回転することで、鋳片15の鋳造長さを測定するメジャーロール19が、鋳片支持ロール5のロール間と、鋳片支持ロール5の出側との2箇所に設置されている。そして、鋳片支持ロール5の下流側には、複数本の搬送ロール6と、搬送ロール6の上方に位置して鋳片15の引き抜き速度と同期して移動しながら鋳片15を切断するガス切断機7とが、設置されている。尚、メジャーロール19は、1基のみであっても、或いは、3基以上であっても構わない。
また、鋳片支持ロール5の配置された範囲には、鋳型4の直下から下流側に向かって、第1冷却ゾーン8、第2冷却ゾーン9、第3冷却ゾーン10、第4冷却ゾーン11、第5冷却ゾーン12及び第6冷却ゾーン13の6つに分割され、且つ、鋳片15を挟んで上面側及び下面側に分割された、合計12箇所に分割された二次冷却ゾーンからなる二次冷却帯が設置されている。これらの12箇所に分割された二次冷却ゾーンでは、それぞれ独立して二次冷却水量を調整できるように構成されている。二次冷却帯の各二次冷却ゾーンには、水スプレーノズル或いはエアーミストスプレーノズルなどのスプレーノズル(図示せず)が鋳片支持ロール5のロール間に設けられ、鋳片15の表面に向けて二次冷却水が噴霧される或いは二次冷却水が空気とともに噴霧される。尚、二次冷却ゾーンの設置数は図1では合計12であるが、連続鋳造機1の設備長さなどに応じて幾つに分割しても構わない。
各二次冷却ゾーンにおける二次冷却水量(Q)は、鋳片15の引き抜き速度(V)をパラメータとする下記の(1)式によって算出される値となるように、各二次冷却ゾーン別に、プロセスコンピューター(図示せず)によって自動的に制御されている。但し、(1)式において、a、b、cは各二次冷却ゾーン毎の定数である。
Q=aV2+bV+c…(1)
ここで、各二次冷却ゾーンの長さ、及び、鋳型4からの各二次冷却ゾーンまでの距離などに応じて、各二次冷却ゾーンにおいて用いる定数a、b、cは異なっている。この場合、同じ二次冷却ゾーンであっても、鋳片15の上面側と下面側とでは、二次冷却水量(Q)は異なる。これは、鋳片15の上面側は、噴霧された後の二次冷却水が鋳片表面に溜まりやすく、同一の二次冷却水量であっても上面側の方が、冷却が強くなることに基づく。尚、二次冷却水量(Q)は、(1)式の二次関数に限るものではなく、三次関数以上の式を用いて制御しても構わない。つまり、二次冷却水量(Q)が鋳片15の引き抜き速度(V)の関数(Q=f(V))で制御されるように構成されていればよい。
この構成の連続鋳造機1を用い、取鍋20に収容された溶鋼14をタンディッシュ2に注入し、タンディッシュ2に所定量の溶鋼14を滞在させた状態で、タンディッシュ2から浸漬ノズル3を介して鋳型4に溶鋼14を注入する。鋳型4に注入された溶鋼14は鋳型4で冷却されて鋳型4との接触面に凝固シェル16を形成し、内部に未凝固層17を有する鋳片15として、鋳片支持ロール5に支持されつつ下方に連続的に引き抜かれる。鋳片15は鋳片支持ロール5を通過する間、二次冷却帯で冷却され、凝固シェル16の厚みを増大して、やがて中心部までの凝固を完了する。符号18が凝固完了位置である。そして、鋳造した鋳片15をガス切断機7により切断して、熱間圧延用素材である鋳片15aを製造する。
本発明は、一旦、タンディッシュ2から鋳型4への溶鋼14の注入を停止すると同時に鋳片15の引き抜きを停止し、その状態で数十秒間ないし数分間程度を経過させた後に、再度タンディッシュ2から鋳型4への溶鋼14の注入を開始し、且つ、それに伴って鋳片15の引き抜きを再開する操業を対象とする。鋳型4への溶鋼14の注入を一旦停止することによって、鋳片15には段注ぎ状の繋ぎ目部分(図示せず)が形成される。尚、この繋ぎ目部分はその形状から、「段注ぎ部」とも呼ばれる。
前述した連続鋳造操業において、一旦、鋳型4への溶鋼14の注入を停止すると同時に鋳片15の引き抜きを停止し、数十秒間ないし数分間程度を経た後に、再度タンディッシュ2から鋳型4への溶鋼14の注入を開始し、且つ、それに伴って鋳片15の引き抜きを再開する操業は、同一鋼種の連々鋳におけるタンディッシュ交換や浸漬ノズル交換の場合、及び、成分の異なる鋼種の連々鋳つまり異鋼種連々鋳の場合であり、本発明は、これらの操業を対象とする。
ここで、タンディッシュ交換とは、タンディッシュ2に収容する溶鋼14が少なくなった時点で、タンディッシュ2から鋳型4への溶鋼14の注入を停止し、これと同時に鋳片15の引き抜きを停止し、使用していたタンディッシュ2を鋳型上方から移動させ、溶鋼14を収容していない別のタンディッシュ2を鋳型4の上方所定位置に設置し、取鍋20からタンディッシュ2に溶鋼14を注入し、タンディッシュ内に所定量の溶鋼14が溜まった時点でタンディッシュ2から鋳型4への溶鋼14の注入を再開し、それに伴って鋳片15の引き抜きを再開する操業である。このタンディッシュ交換は、前ヒートの鋳造が終了し、後ヒートの鋳造が開始される時点に合わせて行うことが一般的である。
浸漬ノズル交換とは、タンディッシュ2から鋳型4への溶鋼14の注入を停止し、これと同時に鋳片15の引き抜きを停止し、タンディッシュ2を上昇させ、その状態で使用していた浸漬ノズル3を取り外して新品の浸漬ノズル3を設置し、その後、タンディッシュ2を下降させて浸漬ノズル3から鋳型4への溶鋼14の注入を再開し、それに伴って鋳片15の引き抜きを再開する操業である。
タンディッシュ交換及び浸漬ノズル交換を行う理由は、浸漬ノズル3は鋳型内に添加されるモールドパウダー(図示せず)によって溶損し、この溶損により浸漬ノズル3の使用時間が規定されることによる。
異鋼種連々鋳とは、取鍋内の前ヒートの溶鋼14がなくなり、取鍋20からタンディッシュ2への前ヒートの溶鋼14の注入が終了したなら、この取鍋20を移動させ、タンディッシュ2の上方所定位置に、前ヒートとは成分の異なる後ヒートの溶鋼14を収容した取鍋20を配置し、そして、タンディッシュ2に残留する前ヒートの溶鋼14の鋳型4への注入を続け、タンディッシュ2に残留する前ヒートの溶鋼14が所定量以下になったなら、浸漬ノズル3を閉鎖して鋳型4への前ヒートの溶鋼14の注入を停止する。その後、タンディッシュ2を上昇させ、鋳型内に仕切り金物を設置し、前ヒートの少量の溶鋼14が残留するタンディッシュ2、または、溶鋼14を収容していない別のタンディッシュ2を鋳型4の上方所定位置に設置し、取鍋20からタンディッシュ2に後ヒートの溶鋼14を注入し、タンディッシュ内に所定量の溶鋼14が溜まった時点でタンディッシュ2から鋳型4への溶鋼14の注入を再開し、鋳型4への溶鋼14の注入に伴って鋳片15の引き抜きを再開する操業である。異鋼種連々鋳であっても類似鋼種の場合は、タンディッシュ2を再使用しても問題はなく、また、若干の歩留り低下が発生するものの、仕切り金物の鋳型内設置も異鋼種連々鋳の必須事項ではない。
これらのタンディッシュ交換、浸漬ノズル交換及び異鋼種連々鋳において、鋳型内への溶鋼14の注入停止から鋳型内への溶鋼14の注入再開までの時間は、一般的に、浸漬ノズル交換よりもタンディッシュ交換の方が長く、仕切り金物を鋳型内に設置する異鋼種連々鋳は、タンディッシュ交換よりも更に長くなる。
鋳片15が、連続鋳造機内で停止している期間及び鋳片15の引き抜きの再開後、各二次冷却ゾーンでは、鋳片15の引き抜き速度(ゼロを含む)に応じて、上記の(1)式で定まる二次冷却水量で鋳片15を冷却する。
鋳片15の引き抜きの再開後、鋳片15に形成された繋ぎ目部分の連続鋳造機内における位置を、メジャーロール19による鋳片15の移動長さ測定値と、鋳片15の引き抜き速度から求まる鋳片15の鋳造長さ値と、から順次把握する。
そして、二次冷却帯の各二次冷却ゾーンでは、繋ぎ目部分から鋳造方向下流側に0mないし15mまでの範囲がその二次冷却ゾーンの範囲内に到達したなら、当該二次冷却ゾーンの二次冷却水量を、そのときの鋳片引き抜き速度(V)に応じて上記の(1)式によって定まる二次冷却水量(Q)に対して、補正係数α(α<1.0)を乗じた二次冷却水量(α×Q)となるように変更する。つまり、繋ぎ目部分から鋳造方向下流側に0mないし15mまでの範囲がその二次冷却ゾーンを通過している期間は、その二次冷却ゾーンの二次冷却水量が、(1)式によって定まる二次冷却水量(Q)に補正係数αを乗じた値となるように二次冷却水量を減少させ、鋳片15を緩冷却(「弱冷」ともいう)する。
繋ぎ目部分から鋳造方向下流側に0mないし15mまでの範囲がその二次冷却ゾーンを通りすぎたなら、(1)式によって定まる二次冷却水量(Q)に変更する。この二次冷却水量の調整を、少なくとも、鋳型直下から、鋳片15を円弧形状から平板形状に矯正する矯正帯(「下部矯正帯」とも呼ぶ)の範囲まで、望ましくは全ての二次冷却ゾーンで実施する。つまり、二次冷却水量の少ない範囲を、繋ぎ目部分の移動に応じて、連続鋳造機1の上流側から下流側に向かって移動させる。
繋ぎ目部分の鋳造方向下流側の範囲の鋳片15も過冷却になりやすく、従って、上記のように、本発明では、繋ぎ目部分を緩冷却するが、繋ぎ目部分から鋳造方向下流側に0mないし15mまでの範囲の鋳片15も緩冷却する。例えば、繋ぎ目部分から鋳造方向下流側に5mまでの範囲を緩冷却の対象とするということは、繋ぎ目部分から鋳造方向下流側に5m離れた位置が或る二次冷却ゾーンに到達した時点で、その二次冷却ゾーンでは、二次冷却水量を、補正係数αを乗じた二次冷却水量(α×Q)とし、繋ぎ目部分がこの二次冷却ゾーンを通過するまでは、二次冷却水量(α×Q)を維持し、その後、二次冷却水量(Q)に戻すことを意味している。
ここで、補正係数αは、鋳片15が連続鋳造機内で停止していた時間(以下、単に「停止時間」とも記す)に応じて設定する。即ち、停止時間が短い場合は補正係数αを相対的に大きくし、停止時間が長い場合は補正係数αを相対的に小さくする。つまり、停止時間が長いほど、二次冷却を弱くする。補正係数αをこのように設定することで、停止時間の長短に拘わらず、繋ぎ目部分を含む鋳片表面温度を目標とする或る一定値に近づけることが可能となる。また、鋳片表面温度を目標とする或る一定値に近づけるために、補正係数αは、鋳造方向下流側の二次冷却ゾーンの方が相対的に小さくなるように設定することが好ましい。
表1に、垂直曲げ型の連続鋳造機1において、停止時間に応じて設定した補正係数αの例を示す。尚、表1に示す「曲げ帯」とは、鋳型4で鋳造された平板状の鋳片15を円弧状に矯正する矯正帯(「上部矯正帯」とも呼ぶ)である。
Figure 0005790470
表1に示すように、この例では、停止時間が60秒以下の場合には、補正係数α=1.00、つまり通常と同一の冷却を行っており、停止時間が60秒を超えた場合に繋ぎ目部分の冷却を弱くしている。この補正係数αは炭素含有量が0.20質量%以下の炭素鋼の連続鋳造を対象とした値であり、高炭素鋼や合金鋼などでは、その鋼種の割れ感受性などに応じて補正係数αを変更することが好ましい。
連続鋳造機内における繋ぎ目部分の位置の把握、それに基づく各二次冷却ゾーンにおける二次冷却水量の設定変更は、プロセスコンピューターによって自動的に行われる。
以上説明したように、本発明によれば、繋ぎ目部分から鋳造方向下流側に0mないし15mまでの範囲が通過している期間はそこの二次冷却ゾーンの二次冷却水量を、鋳片15の引き抜き停止時間が長くなるほど相対的に小さくなるように、鋳片15の引き抜き停止時間に応じて設定した補正係数α(α<1.0)を通常の場合の二次冷却水量(Q)に乗じた二次冷却水量(α×Q)に減少させるので、繋ぎ目部分の冷却が制御され、鋳片15の引き抜き停止時間の長短に拘わらず、繋ぎ目部分を含む鋳片表面温度を目標とする或る一定値に近づけることが可能となる。
その結果、繋ぎ目部分であってもガス切断機7による切断が円滑に行われ、ガス切断が遅延しないので、鋳片引き抜き速度を低下する必要はなく、また、鋳片長手方向の反りがなく、表面品質及び内部品質に優れた鋳片15aを製造することができ、更に、繋ぎ目部分も連続鋳造機1によって問題なく矯正されるので、鋳片支持ロール5の変形や鋳片支持ロール5のベアリングの破損などの設備トラブルも回避される。尚、本発明の適用は垂直曲げ型の連続鋳造機に限るものではなく、湾曲型連続鋳造機にも上記に沿って適用することができる。
図1に示す垂直曲げ型のスラブ連続鋳造機で本発明を実施した。垂直部長さは鋳型部(鋳型長さ=0.9m)を含めて3.0mであり、その下方に続く湾曲部の半径は10.0mの垂直曲げ型連続鋳造機である。
二次冷却ゾーンを、鋳型直下から曲げ帯(上部矯正帯)の入り側までの範囲と、曲げ帯から下部矯正帯までの範囲と、下部矯正帯の出側から連続鋳造機の出口までの範囲の3つの領域に区分けし、表1に示すように、補正係数αを、鋳片の引き抜き停止時間が長くなるほど相対的に小さくなるように、鋳片の引き抜き停止時間に応じて設定し、繋ぎ目部分がその二次冷却ゾーンに滞在する期間、二次冷却水量を減じるようにして本発明を実施した。
また、比較のために、鋳片の引き抜き停止時間に拘わらず、補正係数αを、全ての二次冷却ゾーンでα=0.90とする操業(比較例1)、及び、全ての二次冷却ゾーンでα=0.80とする操業(比較例2)も行った。
補正係数αをこのように定め、同一鋼種のタンディッシュ交換、並びに、成分混合防止用の仕切り金物を鋳型内に設置し、且つ、タンディッシュ交換を伴う異鋼種連々鋳を実施した。そして、そのときの繋ぎ目部分の鋳片表面温度を連続鋳造機の出口で測定した。
その結果、図2に、連続鋳造機出口における繋ぎ目部分の鋳片表面温度の測定結果を示すように、本発明例では、鋳片の引き抜き停止時間の長短に拘わらず、繋ぎ目部分の鋳片表面温度をほぼ一定に維持することができた。これに対して、補正係数αを0.90とした比較例1では、停止時間がおよそ75秒以上になると、繋ぎ目部分の鋳片表面温度が本発明例よりも低下し、同様に、補正係数αを0.80とした比較例2では、停止時間がおよそ190秒以上になると、繋ぎ目部分の鋳片表面温度が本発明例よりも低下した。尚、図2は、本発明例、比較例1及び比較例2でのそれぞれ数ヒートの操業結果における繋ぎ目部分の鋳片表面温度の平均値の直線近似を示す図である。
図3は、本発明例、比較例1及び比較例2における連続鋳造機出口での繋ぎ目部分の鋳片表面温度と鋳片の反り発生との関係を調査した結果を示す図である。連続鋳造機出口での繋ぎ目部分の鋳片表面温度が600℃を下回ると、鋳片の反り発生頻度が高くなるが、本発明例では、連続鋳造機出口での繋ぎ目部分の鋳片表面温度が610℃を確保できており、鋳片の反りの発生は皆無であった。
また、本発明例においては、繋ぎ目部分の鋳片表面温度が上昇することによって、ガス切断機による鋳片の切断は何ら問題なく行うことができた。
1 連続鋳造機
2 タンディッシュ
3 浸漬ノズル
4 鋳型
5 鋳片支持ロール
6 搬送ロール
7 ガス切断機
8 第1冷却ゾーン
9 第2冷却ゾーン
10 第3冷却ゾーン
11 第4冷却ゾーン
12 第5冷却ゾーン
13 第6冷却ゾーン
14 溶鋼
15 鋳片
16 凝固シェル
17 未凝固層
18 凝固完了位置
19 メジャーロール
20 取鍋
21 ロングノズル

Claims (1)

  1. タンディッシュ交換、浸漬ノズル交換または異鋼種連々鋳のためにタンディッシュから鋳型への溶鋼の注入及び鋳片の引き抜きを一旦停止し、その後、タンディッシュから鋳型への溶鋼の注入を再開するとともに鋳片の引き抜きを再開して鋼を連続鋳造するにあたり、鋳片の引き抜き再開後、鋳型への溶鋼の注入を一旦停止したことによって鋳片に形成される繋ぎ目部分の位置を順次把握し、二次冷却帯の各二次冷却ゾーンでは、前記繋ぎ目部分から鋳造方向下流側に0mないし15mまでの範囲がその二次冷却ゾーンを通過している期間は、その二次冷却ゾーンの二次冷却水量を、鋳片引き抜き速度から算出される二次冷却水量(Q)に、鋳片の引き抜き停止時間が長くなるほど相対的に小さくなるように鋳片の引き抜き停止時間に応じて設定するとともに、鋳型に近い二次冷却ゾーンでは相対的に大きく、鋳型から遠く離れた二次冷却ゾーンでは相対的に小さくなるように、二次冷却ゾーンの位置に応じて変更させた補正係数α(α<1.0)を乗じた二次冷却水量(α×Q)に調整し、前記繋ぎ目部分から鋳造方向下流側に0mないし15mまでの範囲が通過していない期間は、鋳片引き抜き速度から算出される二次冷却水量(Q)に調整することを特徴とする、鋼の連続鋳造方法。
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