JP2008180739A - フローセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】消費電力の浪費を抑制しつつ、その感度の好適な向上を図ることのできるフローセンサを提供する。
【解決手段】半導体基板10には、シリコン酸化膜20が形成されている。そして、シリコン酸化膜20上には、上流側ヒータRha、下流側ヒータRhb、リード部L1〜L6、上流側温度計Rka、下流側温度計Rkbが形成されている。これら上流側ヒータRhaや、下流側ヒータRhbは、ボロンの注入された単結晶シリコンにて形成されているとともに、その線幅が「7μm以上」に設定されている。上流側ヒータRha、下流側ヒータRhbには、シリコン酸化膜20よりも熱伝導性の高い熱伝導部材(図示略)をダミーパターンとして設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、発熱体の生ずる熱が同発熱体付近を流通する流体によって奪われることを利用して流体の流量を感知するフローセンサに関する。
一般に、この種のフローセンサを備えて構成されるフローメータでは、発熱体の生じる熱のうち、流体によって奪われる熱量は、流体の流量が多くなるほど増加することから、この流体によって奪われる熱量に基づいて発熱体付近の流体の流量を検出するようにしている。
具体的には、例えば下記特許文献1に記載されているように、発熱体の温度を所定の温度に制御するとともに、上記発熱体の熱のうち流体によって奪われた熱量の指標としての同発熱体の付近の温度を、感温体を通じて感知することで流体の流量を検出するようにしている。
図33に、この特許文献1に記載されているフローセンサの構造を示す。
このフローセンサにおいては、半導体基板300の一部に空洞部が形成され、この空洞部上に、上記流体の流量を感知する部分となる薄膜部310が設けられている。そして、この薄膜部310には、発熱体311と、同発熱体311の上流側の温度を感知する上流側感温体312と、同発熱体311の下流側の温度を感知する下流側感温体313とが備えられている。更に、半導体基板300には、当該フローセンサの環境温度を感知する温度計320が備えられている。
そして、同図33に示されるように、上記発熱体311や、上流側感温体312、下流側感温体313、温度計320は、それぞれリード部330〜337を介してパッド340〜347と接続されている。そして、上記発熱体311や、上流側感温体312、下流側感温体313、温度計320は、これらパッド340〜347を介して、流体の流量についての検出信号を生成する信号生成回路(図示略)と接続される。
ここで、上記発熱体311や、上流側感温体312、下流側感温体313、温度計320は、いずれも抵抗値の変化に基づき温度を感知する機能を有する。そして、信号生成回路では、発熱体311の感知する同発熱体311自身の温度を、温度計320の感知する環境温度よりも所定の温度だけ高くなるように発熱体311へ供給する電力量を制御する。また、信号生成回路では、発熱体311の熱量のうち薄膜部310を通過する流体によって奪われた熱量を上流側感温体312や、下流側感温体313の感知する温度に基づいて検出する。
更に、この特許文献1には、流体の流通方向についての発熱体311の幅である発熱体311の線幅Wを「0.1mm」以上とすることが提案されている。このように、発熱体311の線幅Wをある程度確保することで、同発熱体311の放熱量を十分に確保することができる。そして、このため、上流側感温体312や下流側感温体313による発熱体311の生じる熱の感知精度を向上させることができる。
特開2002−48616号公報
ところで、上記発熱体311の線幅Wを広くすることは、(イ)発熱体311を用いて
感知される流体の流量感知精度の低下や、(ロ)フローセンサとしての消費電力の増大を招くこととなる。以下、これら(イ)及び(ロ)の不都合が生じる理由について説明する。
まず、上記(イ)の不都合が生じる理由について説明する。
上記発熱体311の線幅Wの拡大は同発熱体311の抵抗値の低下を招く。すなわち、上記リード部330、331の抵抗値に対する発熱体311の抵抗値の比が低下することとなる。一方、発熱体311の抵抗値の変化に基づきその温度を感知するとはいえ、この感知結果には、リード部330、331での電圧降下が含まれている。このため、リード部330、331の抵抗値に対する発熱体311の抵抗値の比が小さい場合には、このリード部330、331での電圧降下分が無視できないものとなり、発熱体311による自身の温度の感知精度が低下することとなる。そしてひいては、この温度感知精度の低下に起因して流体の流量感知精度も低下する。
次に、上記(ロ)の不都合が生じる理由について説明する。
上記発熱体311と上記リード部330、331とには同じ量の電流が流れる。そして、発熱体311とリード部330、331との発熱量は、そこに流れる電流をI、発熱体311の抵抗値をR1、リード部330、340の抵抗値をR2とすると、それぞれ「R1×I」、「R2×I」となる。すなわち、リード部330、331では、電流の大きさの2乗に比例した量「R2×I」の電力が無駄に消費されていることになる。結局、上記発熱体311の線幅Wの拡大は、同発熱体311の抵抗値の低下を招き、これにより、発熱体311で必要とされる発熱を得るための電流量の増大を招く。そしてこのことが、リード部330、331での電力の無駄な消費を助長する結果を招いている。
そこで、これら(イ)及び(ロ)の不都合に対する解決策の1つとして、リード部330、331の抵抗値を低下させることが考えられる。しかし、上記半導体基板300におけるパッド340〜347の近傍は通常、フローセンサを支持するための支持部材(図示略)によって覆われており、この支持部材により流体の流通が乱されやすい。このため、リード部330、331の抵抗値を低減すべく、流体の流量を感知する薄膜部310及びパッド340〜347間の距離Lを短縮すると、薄膜部310付近における流体の流通が上記支持部材によって影響を受けやすくなる。このように、上記薄膜部310付近における流体の流通が上記支持部材によって影響される場合には、流体の流量感知精度の低下も避けられない。
また、上記(イ)の不都合に対する他の解決策としては、発熱体311自体の電流流通方向にかかる長さを伸張させることも考えられる。しかし、こうした発熱体311自身の伸張は、半導体基板300における薄膜部310の面積の増大を招くことともなる。そして、このような薄膜部310の面積の増大は、同薄膜部310としての熱容量の増大に起因した消費電力の増大を招き、上記(ロ)の不都合を助長するばかりか、チップサイズの増大によるコスト増加という新たな問題を招くことともなる。
なお、上記特許文献1に記載のフローセンサに限らず、発熱体と、該発熱体の近傍の温度を感知する感温体とを備えて流体の流量を感知するフローセンサにあっては、上記発熱体や感温体の線幅の増大に伴う上述した課題も概ね共通したものとなっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、消費電力の浪費を抑制しつつ、その感度の好適な向上を図ることのできるフローセンサを提供することにある。
請求項1記載のフローセンサでは、発熱体に、絶縁膜よりも熱伝導性の高い熱伝導部材を、電流の流れないダミーパターンとして設けた。このため、発熱体からの放熱量を上昇させることができる。したがって、流体によって奪われる熱量を増大することができるため、発熱体で消費される電力量を十分に確保することができる。したがって、流体に対するフローセンサの感度を向上させることができるようになる。
しかも、熱伝導部材は、電流が流れない態様にて形成されるために、発熱体の抵抗値を下げることはない。従って、上記(ロ)の不都合を回避しつつ、その感度の好適な向上を図ることができる。
請求項2記載のフローセンサでは、上記絶縁膜によって熱伝導部材の周囲を電気的に絶縁したために、その電気的な絶縁を確実に行うことができるようになる。
請求項3記載のフローセンサでは、熱伝導部材を、上記絶縁膜よりも熱伝導性の大きな熱連結線によって発熱体と一カ所で接続するようにした。このように熱連結線を用いることで、熱伝導部材の温度がただちに発熱体の温度に追従するようになり、応答性を向上させることができる。しかも、熱伝導部材は、発熱体と単一の熱連結線にて接続されているために、この熱連結線が導電性を有していたとしても、熱伝導部材への電流の流入はなく、同熱伝導部材によって電力が消費されることを回避することができる。
請求項4記載のフローセンサでは、熱伝導部材を、発熱体に接続されて且つ、同発熱体の線幅方向に延設されるかたちで設けた。このように熱連結線を用いることで、熱伝導部材の温度がただちに発熱体の温度に追従するようになり、応答性を向上させることができる。しかも、熱伝導部材は、発熱体と熱連結線にて一カ所で接続されているために、この熱連結線が導電性を有していたとしても、熱伝導部材への電流の流入はなく、同熱伝導部材によって電力が消費されることを回避することができる。
請求項5記載のフローセンサでは、熱伝導部材を発熱体に近接して形成し、且つ該熱伝導部材と発熱体とを導電性を有する複数の熱連結線にて接続するとともに、これら各熱連絡線と熱伝導部材との接点を互いに同電位に設定するようにした。このため、発熱体からの放熱量を上昇させることができ、発熱体で消費される電力量を十分に確保することができる。したがって、流体に対するフローセンサの感度を向上させることができるようになる。
請求項6記載のフローセンサでは、発熱体の付近の温度を感知する感温体を設けるようにした。上記感温体には、熱伝導部材からなるダミーパターンにより発熱体の熱が迅速に伝達されるようになる。
請求項7記載のフローセンサでは、発熱体をシリコンからなるようにした。これにより、発熱体を半導体プロセスにて簡易に形成することができるようになる。
請求項8記載のフローセンサでは、発熱体をボロンのドーピングされた単結晶シリコンからなるようにし、発熱体の電流流通方向に直交する線幅もしくはその極小値を「7μm」以上に設定することとした。これにより、高温、長時間での使用環境に起因する経時変化を好適に抑制することができるようになる。
また、請求項9記載のフローセンサでは、発熱体の電流流通方向に直交する線幅もしくはその極小値を「15μm」以上に設定したことで、高温、長時間での使用環境に起因する経時変化をいっそう好適に抑制することができるようになる。
また、請求項10記載のフローセンサでは、発熱体をリンのドーピングされた多結晶シリコンからなるようにした。一般に、上記発熱体を単結晶のシリコンにて形成するとき、
絶縁体の上に単結晶のシリコン膜を成膜することは困難であるため、適宜の基板上に絶縁膜およびシリコン膜が形成されたSOI(Silicon On Insulator)基板が用いられる。一方、上記発熱体を多結晶シリコンからなるようにすることで、同発熱体を絶縁体の上にも容易に形成することができるようになる。また、リンをドーピングすることにより、大粒径化が促進されて発熱体の抵抗温度係数を大きくすることができる。そのため、流体に対するフローセンサの感度を向上させるためには上記構成が特に有効である。
また、請求項11記載のフローセンサでは、多結晶のシリコンにドーピングされるリンの濃度を「2×1020cm−3」以上とした。上記発熱体の抵抗温度係数は、当該発熱体にドーピングされるリンの濃度とともに大きくなり、このリンの濃度が略「2×1020cm−3」になるところで略最大値に達して飽和することが発明者らによって確認されている。そのため、上記構成は、流体に対するフローセンサの感度を向上させる上で特に有効である。
また、請求項12記載のフローセンサでは、前記多結晶のシリコンにドーピングされるリンの濃度を「7×1020cm−3」以上とした。
一般に、不純物をドーピングした後に、活性化等の目的で熱処理が行われる。上記発熱体が多結晶シリコンからなるとき、上記ドーピング後の熱処理において、多結晶シリコンの大粒径化が進行する。この際、該熱処理の温度を大きくするほど、多結晶シリコンを構成する多数の単結晶シリコンの平均粒径を大きくすることができる。すなわち、上記熱処理の温度を大きくすることで、その抵抗温度係数を大きくすることができる。一方、高温環境においては、例えば基板等にクラックやスリップ(結晶欠陥)が発生するといった不具合が起こり易くなる。そのため、上記ドーピング後の熱処理の温度のみによって上記発熱体の抵抗温度係数を大きくするには限界がある。この点、上記構成によれば、発熱体にドーピングされるリンの濃度の最適化を図ることで、多結晶シリコンの大粒径化が促進される。
より詳しくは、発熱体にドーピングされるリンの濃度を大きくしていくと、リンの濃度が略「6×1020cm−3〜8×1020cm−3」になるところで多結晶シリコンの粒径は急激に大きくなり、リンの濃度が「7×1020cm−3」以上になる領域で所望とされる抵抗温度係数が確保されることが発明者らによって確認されている。
そのため、上記構成は、流体に対するフローセンサの感度を向上させる上で特に有効である。
請求項13記載のフローセンサでは、熱伝導部材を発熱体と同一の材料にて形成するようにした。これにより、これら熱伝導部材と発熱体とを同一の工程にて形成することができるようになり、製造工程を低減することができる。
以下、本発明にかかるフローセンサを具体化した実施の形態の説明に先立って、その比較例を図面を参照しつつ説明する。
(第1の比較例)
はじめに、第1の比較例について説明する。
図1に、上記フローメータFMの回路構成を示す。同図1に示されるように、このフローメータFMは、熱式のフローセンサFSと、該フローセンサFSの感知結果に基づき電気信号を生成する信号生成回路SGとを備えている。
ここで、フローセンサFSは、上流側ヒータRhaと下流側ヒータRhbと、当該フローメータFMの環境温度を感知する上流側温度計Rkaと下流側温度計Rkbとを備えて
いる。
本比較例においては、これら上流側ヒータRhaと下流側ヒータRhbは、発熱体であるとともに自身の温度を感知する感温体としても機能する。すなわち、これら上流側ヒータRhaと下流側ヒータRhbは、電流の供給によって発熱する抵抗体としての機能に加えて、同抵抗体の抵抗値の変化に基づいて自身の温度をも感知するものである。そして、フローセンサFSでは、上流側ヒータRhaと下流側ヒータRhbとの生じる熱のうち流体によって奪われる熱に基づき流体の流量を感知する。また、フローセンサFSでは、上流側ヒータRhaと下流側ヒータRhbとのそれぞれの生じる熱のうち流体によって奪われる熱量の差に基づき、流体の流通方向を感知する。
一方、信号生成回路SGは、上記フローセンサFSによる流体の流量及び流体の流通方向の感知結果に応じた検出信号を生成する。詳しくは、上流側ヒータRha及び上流側温度計Rkaの温度差と、下流側ヒータRhb及び下流側温度計Rkbの温度差とをそれぞれ所定値(例えば「200℃」)とするように、フローセンサFSへ供給する電流を制御する。そして、このフローセンサFSで消費される電力に基づき上記流体の流量及び流体の流通方向に応じた検出信号を生成する。
ここで、上記フローセンサFS及び信号生成回路SGを備えるフローメータFMの具体的な回路構成について更に説明する。
フローメータFMは、吸気通路の上流側に対応した上流側ホィーストンブリッジUHBと、吸気通路の下流側に対応した下流側ホィーストンブリッジDHBとを備えている。
ここで、上流側ホィーストンブリッジUHBは、上流側ヒータRhaから抵抗R1aへと、また、上流側温度計Rkaから抵抗R2aへとそれぞれ電流が流れる態様にて、上流側ヒータRha及び抵抗R1aと上流側温度計Rka及び抵抗R2aとが並列接続された回路である。そして、上流側ヒータRhaと上流側温度計Rkaとの接続点PaにトランジスタUTを介してバッテリBから電流が供給される。そして、上流側ヒータRhaでの電圧降下と上流側温度計Rkaでの電圧降下とは差動増幅回路UOPに取り込まれる。そして、この差動増幅回路UOPにより、これら2つの電圧降下を等しくすべく、換言すればブリッジの平衡条件を成立させるべく、これらの電圧降下の差に応じてトランジスタUTが制御される。
ここで、上流側ホィーストンブリッジUHBは、平衡条件が成立したときに、上流側ヒータRhaの温度が上流側温度計Rkaの温度よりも上記所定値だけ高くなるように設定されている。なお、環境温度にかかわらず、上流側ヒータRhaの温度が上流側温度計Rkaの温度よりも上記所定値だけ高くなるときに上記平衡条件が成立するようにすべく、これら上流側ヒータRhaと上流側温度計Rkaとは、抵抗温度係数が互いに等しく設定されている。
一方、下流側ホィーストンブリッジDHBは、下流側ヒータRhbから抵抗R1bへと、また、下流側温度計Rkbから抵抗R2bへとそれぞれ電流が流れる態様にて、下流側ヒータRhb及び抵抗R1bと下流側温度計Rkb及び抵抗R2bとが並列接続された回路である。この下流側ホィーストンブリッジDHBも、上流側ホィーストンブリッジUHBと同様、平衡条件を成立させるべく、トランジスタDT及び差動増幅回路DOPを備えている。なお、この下流側ホィーストンブリッジDHBの構成は、上流側ホィーストンブリッジUHBの構成と同様であるため、その説明を割愛する。
これら上流側ホィーストンブリッジUHBの上流側ヒータRhaでの電圧降下と、下流側ホィーストンブリッジDHBの下流側ヒータRhbでの電圧降下とは、差動増幅回路C
OPに取り込まれる。そして、これら2つの電圧降下の差に応じた信号が差動増幅回路COPにて生成され、増幅回路ACによって増幅された後、信号生成回路SGの端子P7を介して外部に出力される。この端子P7を介して出力される検出信号が流体の流量及び流通方向の検出信号である。
図2に、上記フローセンサFSの構成を示す。このフローセンサFSは、半導体基板10を備えて構成されている。そして、半導体基板10上に積層されているシリコン酸化膜20上には、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhb、上流側温度計Rkaや下流側温度計Rkbが形成されている。そして、これら上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhb、上流側温度計Rka、下流側温度計Rkbは、リード部L1〜L6を介して、先の図1に示した信号生成回路SGとの接続端子となるパッドP1〜P6と接続されている。
ちなみに、半導体基板10は、空洞部Hを有する。詳しくは、半導体基板10は、その裏面側において図2に1点鎖線にて示す矩形状の領域が開口されているとともに、この開口面積が半導体基板10の上面側へ行くほど縮小され、同半導体基板10の上面では図2に破線にて示されるような矩形状の領域となっている。
このように空洞部Hを有するために、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbは、フローセンサFSのうち、半導体基板10の空洞部Hを架橋するようにして形成されている薄膜部MBに備えられることとなる。この薄膜部MBは、フローセンサFSの他の箇所と比べてその膜厚が薄く形成されているために、熱容量が低く抑えられ、また、フローセンサFSの他の箇所との熱的な絶縁が図られている。
次に、上記フローメータFMが車載内燃機関の吸気通路に配置された際の状態について説明する。
図3(a)に示すように、吸気通路IMFには、同吸気通路IMF内を流通する流体の一部が取り込まれ、この取り込まれた流体を所定に流通させる流路部材FPが取り付けられている。そして、この流路部材FPには、上記フローセンサFSが取り付けられている。一方、吸気通路IMFの外側には、信号生成回路SGが配置されている。そして、フローセンサFSと信号生成回路SGとは、流路部材FP内に収納されている配線(図示略)によって接続されている。
なお、図3(a)に示すように、フローセンサFSの薄膜部MBは、上述した上流側ヒータRha及び上流側温度計Rkaが、下流側ヒータRhb及び下流側温度計Rkbよりもエアクリーナ側になるように配置されている。また、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbは、その長手方向が流通方向と直交する方向となるようにして配置されている。更に、先の図2に示したように、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbは、互いに鏡像対称且つサイズ同一の形状とされると共に、流体の流通方向に直交する方向であって且つこれら上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbを2分する中心線に対して対称に配置される。
図3(b)に、流路部材FPへのフローセンサFSの取り付け状態を拡大して示す。同図3(b)に示されるように、フローセンサFSは、その表面が露出されつつも、その側面及び裏面が流路部材FPの収容部Rpによって保護されている。また、フローセンサFSの表面についても、先の図2に示したパッドP1〜P6の近傍の部分は、流路部材FPの支持部hpによって覆われている。
次に、上記フローセンサFSのうち、特に上記薄膜部MBについて更に説明する。
図4に、フローセンサFSのうち薄膜部MB近傍の断面構成を示す。この図4は、先の図2のA−A断面を示している。同図4に示すように、シリコンからなる半導体基板10
には、上記シリコン酸化膜20が形成されている。そして、シリコン酸化膜20上には、上流側ヒータRha、下流側ヒータRhb、リード部L2、L5、上流側温度計Rka、下流側温度計Rkbがそれぞれ単結晶シリコンにて形成されている。そして、これら上流側ヒータRhaや、下流側ヒータRhb、リード部L2、L5、上流側温度計Rka、下流側温度計Rkbを覆うようにして、シリコン窒化膜40が積層されている。ちなみに、上記シリコン酸化膜20やシリコン窒化膜40は、空洞部Hを含めて半導体基板10の上方の略全ての領域に積層形成されている。
ここで、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbについて更に説明する。
本比較例では、これら上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbをボロン(B)が注入されることでP型の導電型を有する単結晶シリコンにて形成する。そして、これにより、高温、長時間の使用環境におけるこれら上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbの経時変化を抑制する。
以下、このボロンの注入された単結晶シリコン(シリコン抵抗体)の経時変化について、図5を用いて説明する。
図5は、ボロンの注入されたシリコン抵抗体を「310℃」の高温下に「1500時間」保持することによる抵抗値の変化率について、そのシリコンの線幅への依存性を調べる実験結果を示すものである。ここで、実際に実験で用いたシリコン抵抗体の線幅は、「0.5μm」、「1μm」、「2μm」、「3μm」、「5μm」、「7μm」、「10μm」、「15μm」、「30μm」、「100μm」である。
同図5に示されるように、シリコン抵抗体の抵抗値の変化率は、同シリコン抵抗体の線幅が「15μm」以下の領域ではその線幅が細いほど大きいが、同線幅が「7μm」以上の領域では抵抗値の変化率が徐々に低下する。更に、線幅が「15μm」以上であると抵抗値の変化率はさらに小さくなり、この値は線幅の増大によってもほとんど変化しない。したがって、ボロンの注入されたシリコン抵抗体の場合、その線幅を「7μm」以上に設定することで、高温、長時間の使用環境における経時変化を十分に抑制することができる。そして、同線幅を「15μm」以上とすることで、抵抗値の変化を最小とすることができる。
次に、同じくボロンの注入されたシリコン抵抗体の特性について、その不純物濃度の影響について考察する。
図6は、上記シリコン抵抗体の抵抗変化率について、その不純物濃度への依存性を調べる実験結果を示すものである。この実験は、線幅「30μm」のシリコン抵抗体を「310℃」の高温にて「500時間」保持した場合の抵抗値の変化率を調べたものである。同図6に示されるように、抵抗変化率は高濃度であるほど小さくなる。すなわち、シリコン抵抗体の不純物濃度が高濃度であるほど同シリコン抵抗体の経時変化を抑制することができる。
更に、図7に、シリコンについて、注入される不純物濃度と抵抗温度係数との関係を示す。ちなみに、ここで示す特性は、バルク値であるため線幅等によっては変化しない。同図7に示されるように、「5×1018cm−3」以上の濃度においては、不純物濃度が大
きければ大きいほど抵抗温度係数が大きくなる。したがって、自身の温度を抵抗値の変化に基づいて感知する上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbは、不純物濃度を高くすればするほど、その感度を向上させることができる。
以上、図6及び図7に示した実験結果に基づく考察から、ボロンの注入されたシリコン抵抗体の不純物濃度は、キャリア濃度の最大値である固溶度程度であることが望ましい。
すなわち、不純物濃度は、「1×1020cm−3」以上であって固溶度以下の濃度とすることが望ましいことがわかる。なお、この際、ボロンの注入されたシリコン抵抗体の不純物濃度は、その上面から下面まで略一定とすることが望ましい。
なお、上述した性質は、ボロンの注入されたシリコン抵抗体についてのものである。このボロンに代えて、リンを注入した単結晶シリコンからなるシリコン抵抗体について、先の図5と同様の実験を行った実験結果を図8に示す。同図8に示されるように、リンの注入されたシリコン抵抗体では、ボロンの注入されたシリコン抵抗体のような抵抗変化率の線幅依存性は見られない。また、抵抗変化率は、ボロンの注入されたシリコン抵抗体の「10倍」以上となっている。
次に、本比較例における上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbの具体的な線幅の設定態様について考察する。
本比較例では、図9に示す上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbの線幅Wを、「7μm〜30μm」とする。これは以下の理由による。
フローセンサFSの消費電力の抑制及び感度の向上の観点から、リード部L2、L3に対する上流側ヒータRhaの抵抗値の比や、リード部L4、L5に対する下流側ヒータRhbの抵抗値の比は大きくすることが望ましい。
ところで、先の図2及び図3に示したように、フローセンサFSのパッドP1〜P6の近傍は、支持部hpによって覆われている。そして、図2に示す支持部hpと薄膜部MBとの間の距離Lgは、流体の流通状態を乱さないためには、ある程度の長さ(例えば「2.0mm」以上)確保することが望ましい。このため、リード部L1〜L6の電流の流通方向の長さには、下限があることがわかる。
一方、フローセンサFSは、極力小面積にて形成することが望まれている。これは、例えば一枚の半導体ウエハから製造することのできるフローセンサの数を極力大きなものとするためである。こうした観点からすれば、上記支持部hpと薄膜部MBとの間の距離Lgについての制約の範囲で極力フローセンサFSの面積を小さくすることが望ましい。このため、リード部L1〜L6の線幅を拡大させることでその抵抗値を低減することには限界があることとなる。
更に、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbの抵抗を大きくすべく、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbの長さを増大させることは薄膜部MBの面積の増大をもたらす。これは、フローセンサFSの小型化と両立しないのみならず、薄膜部MBの熱容量の増大に起因したフローセンサFSの消費電力の増大を招くこととなる。
以上の考察から、本比較例では、薄膜部MBを「800μm×800μm」以下、薄膜部MB及び上記パッドP1〜P6間の長さを「2.5mm〜4.0mm」とするとともに、図9に示す上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbの線幅Wを「7μm〜50μm」とする。好ましくは、上記薄膜部MBを、「700μm×700μm」以下、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbの線幅Wを「7μm〜30μm」とする。なお、同線幅Wを「15μm」以上とすることがより望ましい。
このような設定とすることで、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbを、経時変化の抑制された抵抗体として形成することができると共に、フローセンサFSの消費電力の抑制や感度の向上を図ることができる。
次に、本比較例にかかるフローセンサFSの製造工程を図10及び図11を用いて説明
する。図10及び図11に示す断面は、先の図2に示したB−B断面である。
この一連の製造工程においては、まず図10(a)に示すようなSOI(Silicon On Insulator)基板を用意する。ここでは、このSOI基板は、例えばN型の導電型を有する単結晶シリコンからなる半導体基板10上に、例えば膜厚「1μm」からなるシリコン酸化膜20、例えばP型の導電型を有して所定の膜厚(例えば「0.6μm〜1.5μm」)からなる単結晶シリコン膜30が積層されたものである。
次に、図10(b)に示す工程において、同単結晶シリコン膜30にボロンを所定の濃度(例えば「1×1020cm−3〜2×1020cm−3」)にて注入する。そして、不純物の注入された上記単結晶シリコン膜30を活性化すべく、所定温度(例えば「1150℃」)にて所定時間(例えば「2時間」)の熱処理を行う。
次に、図10(c)に示す工程において、上記単結晶シリコン膜30を反応性イオンエッチングにてパターニングすることで、上流側温度計Rkaや、上流側ヒータRha、下流側ヒータRhb、リード部L2、L5を形成する。なお、ここでは図示しないが、この工程においては、下流側温度計Rkbや、リード部L1、L3、L4、L6も形成する。
このように、上流側ヒータRha及び上流側温度計Rkaとを、また、下流側ヒータRhb及び下流側温度計Rkbとを同一工程にて形成することで、上流側ヒータRha及び上流側温度計Rkaの抵抗温度係数や、下流側ヒータRhb及び下流側温度計Rkbの抵抗温度係数を簡易に一致させることができる。
更に、図10(d)に示す工程において、低圧CVD法にてシリコン窒化膜40を例えば膜厚「1.5μm」にて堆積する。このときの成膜条件を以下に例示する。
ガス流量比 SiH2Cl2:NH3=4:1
雰囲気温度 850℃
圧力 20Pa
次に、図11(a)に示す工程において、シリコン窒化膜40を反応性イオンエッチングにてエッチングすることでコンタクトホール41を形成する。更に、図11(b)に示すように、メタル(例えばアルミニウム)を所定の膜厚(例えば「1.0μm」)に成膜した後、パターニングすることで上記コンタクトホール41に先の図2に示したパッドP5を形成する。なお、図11(a)〜図11(b)に示す工程においては、図示しないパッドP1〜P4、P6も同様にして形成される。
続いて、同図11(b)に示すように、半導体基板10の裏面側に、シリコン窒化膜50を、プラズマCVD法により所定の膜厚(例えば「1μm」)にて成膜する。更に、同図11(b)に示すように、先の図2に一点鎖線にて示した領域に対応した開口部を形成すべく、反応性イオンエッチングにてシリコン窒化膜50をエッチングする。
更に、図11(c)に示すように、シリコン窒化膜50をマスクとして半導体基板10をエッチングすることで、半導体基板10に空洞部Hを形成する。これにより、空洞部Hを架橋するように薄膜部MBが形成されることとなる。
なお、この図11(c)に示すエッチングは、以下のようにして行うことが望ましい。A.エッチング液としてKOHやTMAH等のアルカリ性のエッチング液を用いたウェットエッチングとする。
B.半導体基板10の裏面を単結晶シリコンの基本格子の等価な6面である{100}とする。
C.上記シリコン窒化膜50の開口部を矩形にして形成すると共に、その各辺を結晶方位<110>と一致させる。
これにより、半導体基板10を上記エッチング液により{111}面に沿ってエッチングすることができる。したがって、薄膜部MBを矩形に形成することができる。更に、この際、薄膜部MBの2つの辺を流通方向に直交させるような設定とすることも容易となる。
もっとも、薄膜部MBの形成に際しては、必ずしもウェットエッチングに限らず、ドライエッチングによって行うようにしてもよい。このようにドライエッチングを用いる場合には、少なくとも同ドライエッチングからの要請として半導体基板10の面方位が規定されることはない。
以上詳述した本比較例によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbをボロンの注入された単結晶シリコンにて形成するとともに、その線幅を「7μm〜50μm」に設定するようにした。これにより、その感度の向上や消費電力の抑制を図るとともに、高熱、長時間の使用による経時変化を抑制することができるようになる。
(2)上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbの不純物濃度を、「1×1020cm−3〜2×1020cm−3」とした。これにより、高熱、長時間の使用による経時変化をいっそう好適に抑制することができるとともに、抵抗温度係数を高く保つことができることから、感度を高く保つこともできるようになる。
(3)上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbと同時に、上流側温度計Rka、下流側温度計Rkbを形成した。これにより、上流側ヒータRhaと上流側温度計Rkaとの抵抗温度係数や、下流側ヒータRhbと下流側温度計Rkbとの抵抗温度係数を簡易に一致させることができる。
(4)上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbを鏡像対称且つサイズ同一の形状とすると共に、流体の流通方向に直交する方向であって且つこれら上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbを2分する中心線に対して対称に配置することで、流体の流量や流通方向の感知精度を向上させることができる。
(5)上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbと同時に、リード部L1〜L6を形成した。これにより、製造工数を低減させることができる。
(第2の比較例)
次に、第2の比較例について、先の第1の比較例との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図12は、本比較例にかかる上流側ヒータRhaを示す。本比較例では、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbには、便宜上、先の第1の比較例のものと同一の符号を用いる。また、本比較例においては、上流側ヒータRhaと下流側ヒータRhbとは鏡像対称であって且つサイズが同一であるために、図12では、上流側ヒータRhaのみを示す。
図12に示されるように、上流側ヒータRhaは、電流の流通方向が少なくとも隣り合うもの同士で異なる複数の線路の直列接続体として形成されている。具体的には、図12では、リード部L3から延びる上流側ヒータRhaは、リード部L2付近に反転部RV1を有してその電流の流通方向を一旦反転させる。更に、上流側ヒータRhaは、リード部L3付近に反転部RV2を有してその電流の流通方向を再度反転させる。そして、上流側ヒータRhaは、リード部L2と接続されている。
このように反転部RV1、RV2を有することで、上流側ヒータRhaの流体の流通方向に直交する方向の幅である敷設幅Whは、その線幅Wよりも広く形成されることとなる。このように上流側ヒータRhaの敷設幅を確保することで、流体の流通に際して上流側ヒータRhaの放熱量を増大させることが可能となる。
しかも、上流側ヒータRhaを反転部RV1、RV2を有して形成することで、上流側ヒータRhaの電流の流通方向の長さを稼ぐことができ、その抵抗値を確保することもできる。このため、リード部L2、L3に対する上流側ヒータRhaの抵抗値の比を大きくすることが容易となり、消費電力の低減や感度の向上を図ることが可能となる。
また、上流側ヒータRhaは、先の第1の比較例同様、ボロンの注入された単結晶シリコンからなるとともに、その線幅Wが「7μm」以上に設定されている。ちなみに、上記反転部RV1、RV2についてもその電流の流通方向の幅(図中、縦方向の幅)が「7μm」以上に設定されている。これにより、高熱、長時間の使用による経時変化の抑制を図る。なお、上記線幅Wは、「15μm」以上とすることがより望ましい。
なお、図12においては、上記線幅Wを例えば「7μm」とし、間の幅Δを例えば「5μm」とし、敷設幅Whを例えば「55μm」とするなどする。
ちなみに、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbは、上記第1の比較例と同様、互いに鏡像対称且つサイズ同一の形状とすると共に、流体の流通方向に直交する方向であって且つこれら上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbを2分する中心線に対して対称に配置する。これにより、流体の流量や流通方向の感知精度を向上させる。
以上説明した本比較例によれば、先の第1の比較例の上記(1)〜(5)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(6)上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbに反転部を備えることで、フローセンサFSの感度をいっそう向上させることができるとともに、消費電力をいっそう抑制することができるようになる。
(第3の比較例)
次に、第3の比較例について、先の第1の比較例との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図13は、本比較例にかかる上流側ヒータRhaを示す。本比較例では、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbには、便宜上、先の第1の比較例のものと同一の符号を用いる。また、本比較例においては、上流側ヒータRhaと下流側ヒータRhbとは鏡像対称且つサイズ同一の形状を有するために、図13では、上流側ヒータRhaのみを示す。
図13に示されるように、上流側ヒータRhaは、リード部L2及びリード部L3間において、複数の発熱抵抗体h1〜h5が並列接続されることで構成されている。
このように複数の発熱抵抗体h1〜h5を並列接続して上流側ヒータRhaを構成することで、上流側ヒータRhaの流体の流通方向に直交する方向の幅である敷設幅Whは、各発熱抵抗体h1〜h5の線幅Wの和よりも広く形成されることとなる。このように上流側ヒータRhaの敷設幅Whを確保することで、流体の流通に際して上流側ヒータRhaの放熱量を増大させることが可能となる。しかも、この場合、電流の流通に供される幅は敷設幅よりも小さいために、上流側ヒータRhaの抵抗値の低減を抑制することができる。
すなわち、敷設幅Whの拡大によって放熱量を増大させつつも、リード部L2、L3に対する上流側ヒータRhaの抵抗値の比を大きくすることが容易となる。したがって、放
熱量の増大によってフローセンサFSの感度の向上が図られるとともに、リード部L2、L3に対する上流側ヒータRhaの抵抗値の比の増大によって消費電力の低減や感度の向上が図られる。
また、上流側ヒータRhaの各発熱抵抗体h1〜h5は、先の第1の比較例同様、ボロンの注入された単結晶シリコンからなるとともに、その線幅Wが「7μm」以上に設定されている。これにより、高熱、長時間の使用による経時変化の抑制を図る。なお、上記線幅Wは、「15μm」以上とすることがより望ましい。
ちなみに、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbは、上記第1の比較例と同様、互いに鏡像対称且つサイズ同一の形状とされると共に、流体の流通方向に直交する方向であって且つこれら上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbを2分する中心線に対して対称に配置する。これにより、流体の流量や流通方向の感知精度を向上させる。
以上説明した本比較例によれば、先の第1の比較例の上記(1)〜(5)に準じた効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(7)複数の発熱抵抗体を並列接続して上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbを構成することで、フローセンサFSの感度をいっそう向上させることができるとともに、消費電力を抑制することができるようになる。
(第4の比較例)
次に、第4の比較例について、先の第1の比較例との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図14は、本比較例にかかる上流側ヒータRhaを示す。本比較例では、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbには、便宜上、先の第1の比較例のものと同一の符号を用いる。また、本比較例においては、上流側ヒータRhaと下流側ヒータRhbとは同一の構成を有するために、図14では、上流側ヒータRhaのみを示す。
図14に示されるように、上流側ヒータRhaは、その流体の流通方向の幅である敷設幅Wh内で電流の流通を制限する6つの縮幅部を有し、該縮幅部の極小値Wmが「7μm」以上に設定されるようにした。なお、この縮幅部の極小値Wmは、「15μm」以上とすることがより望ましい。
このように、流体の流通方向の幅である敷設幅Whに対し、同方向における電流の流れに供される幅が小さくなる縮幅部を備えて形成することで、この電流の流れに供される幅を敷設幅Whと同一とした場合と比較して、その抵抗を大きくすることができる。このため、まず、敷設幅Whを広く設定することで上流側ヒータRhaの放熱量が増大される。そして、上流側ヒータRhaの抵抗値を確保することで、リード部L2、L3に対する上流側ヒータRhaの抵抗値の比が高められる。これらにより、フローセンサFSの感度の向上や消費電力の低減を図ることができる。
なお、図14に示す上流側ヒータRhaにおいて、図中横方向に電流が流れないように設定することが望ましい。これにより、上流側ヒータRhaの消費電力を低減することができる。
また、上流側ヒータRhaをボロンにて形成すると共に、該縮幅部の極小値Wm(電流の流通に供される幅の最小値)を「7μm」以上に設定することで、高温、長時間での使用環境に起因する経時変化を好適に抑制する。
ちなみに、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbは、上記第1の比較例と同様、互いに鏡像対称且つサイズ同一の形状とすると共に、流体の流通方向に直交する方向であって且つこれら上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbを2分する中心線に対して対称に配置する。これにより、流体の流量や流通方向の感知精度を向上させる。
以上説明した本比較例によれば、先の第1の比較例の上記(1)〜(5)に準じた効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(8)上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbを、その流体の流通方向の幅である敷設幅Wh内で電流の流通を制限する1乃至複数の縮幅部を有して形成することで、フローセンサFSの感度の向上や消費電力の抑制を図ることができるようになる。
(第1の実施形態)
次に、本発明にかかるフローセンサを車載用内燃機関の吸入空気量を検出するフローメータに適用した第1の実施形態について、先の第1の比較例との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図15は、本実施形態にかかる薄膜部MBの構成を示す。同図15において、薄膜部MBや、上流側ヒータRha、下流側ヒータRhbには、便宜上、先の第1の実施形態のものと同一の符号を付した。
図15に示されるように、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbには、先の図4に示したシリコン窒化膜40よりも熱伝導性の高い熱伝導部材が、電流の流れないダミーパターンDP1、DP2として設けられている。詳しくは、ダミーパターンDP1、DP2は、シリコン窒化膜40によってその周囲を覆われることで、電気的に絶縁されている。
このようにダミーパターンDP1、DP2を設けることで、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbからの放熱量を上昇させることができる。したがって、流体によって奪われる熱量を上昇させることができることから、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbで消費される電力量をこれらの線幅の割に増大させることができる。したがって、流体に対するフローセンサの感度を向上させることができるようになる。
しかも、ダミーパターンDP1、DP2は、電流が流れない態様にて形成されるために、同ダミーパターンDP1、DP2にて電力が消費されることはない。このため、フローセンサFSの消費電力の上昇を回避しつつも、その感度を高めることができる。
更に、ダミーパターンDP1は、上流側ヒータRhaに近接した領域のうち、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhb間の領域と対向する領域側に配置される。これにより、ダミーパターンDP1は、上流側ヒータRhaの生じる熱をその上流側に放熱させることとなる。このため、上流側ヒータRhaは、上流側での流体の流通状態に応じてその放熱量を迅速に変化させることとなる。
また、ダミーパターンDP2は、下流側ヒータRhbに近接した領域のうち、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhb間の領域と対向する領域側に配置される。これにより、ダミーパターンDP2は、下流側ヒータRhbの生じる熱をその下流側に放熱させることとなる。このため、下流側ヒータRhbは、下流側での流体の流通状態に応じてその放熱量を迅速に変化させることとなる。
以上のように、ダミーパターンDP1、DP2を図15のように配置することによって、流体の流量及び流体の流通方向に対する応答性を向上させることが可能となる。
なお、これらダミーパターンDP1、DP2は、互いに鏡像対称且つサイズ同一の形状
を有すると共に、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhb間を分離する中心線に対して線対称に配置することが望ましい。これにより、流通方向の感知精度を向上させることができる。
また、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbは、先の第1の比較例同様、ボロンの注入された単結晶シリコンからなるとともに、その線幅Wが「7μm以上」に設定されている。これにより、高熱、長時間の使用による経時変化の抑制を図る。なお、この線幅Wは、「15μm」以上とすることがより望ましい。
更に、これら上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbをはじめ、リード部L1〜L6、ダミーパターンDPは、同一の材料から同一工程において形成される。このため、ダミーパターンDP1、DP2の熱抵抗を十分に低下させる設定が容易となり、同ダミーパターンDP1、DP2の熱伝導性を好適に確保することができる。以下、これについて図16を参照しつつ説明する。
図16は、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、白金(Pt)、銅(Cu)、不純物の注入されたシリコン(Si)についての熱伝導率kや電気抵抗率ρ等を示す図である。なお、これら熱伝導率kや電気抵抗率ρ等の特性は、温度「0℃」のものであるが、シリコンに関しては便宜上「300K」となっている。また、シリコンの不純物濃度は、「1×1020cm−3」としてある。
同図16に示されるように、シリコンは、熱伝導率kについては金属とさほど変らないが、電気抵抗率ρについては金属よりも大きなものとなっている。このため、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhb、リード部L1〜L6の線幅等、平面的なパターンが規定されている場合、シート抵抗を所定の値にするためには、これらをシリコンで形成する方が金属で形成するよりも膜厚が厚くなる。このため、これらと同一工程にて形成されるダミーパターンDP1、DP2についてもその膜厚が厚くなることなどから、ダミーパターンDP1、DP2の熱抵抗は、これらをシリコンで形成した方が金属で形成するよりも小さくなる。以下、これについて更に説明する。
ダミーパターンDP1、DP2の長さy、線幅w、膜厚dとすると、熱抵抗TRは、下式(c1)となる。
TR=y/kwd …(c1)
また、ダミーパターンDP1、DP2の膜厚と同一の膜厚を有する上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbのシート抵抗SRは、下式(c2)となる。
SR=ρ/d …(c2)
上式(c1)及び(c2)より、膜厚dを消去すると、熱抵抗TRは下式(c3)となる。
TR=(1/kρ)×(y×SR)/w …(c3)
したがって、シート抵抗SRや、線幅w、長さy等が固定されているとすると、ダミーパターンDP1、DP2の熱抵抗TRは、(1/kρ)に比例することとなる。したがって、(1/kρ)が小さい部材ほどダミーパターンDP1、DP2の熱抵抗を低下させることが、換言すれば熱伝導性を向上させることができる。そして、図16に示されるように、シリコンは金属と比較して(1/kρ)が小さなものとなっている。
したがって、これらダミーパターンDP1、DP2を金属で形成した場合と比較して、その熱伝導性を十分に高めることができる。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の比較例の上記(1)〜(5)に準じた効
果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(9)上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbに、電流の流れないダミーパターンDP1、DP2を設けた。これにより、フローセンサFSの感度の向上や消費電力の抑制を図ることができるようになる。
(10)ダミーパターンDP1を上流側ヒータRhaよりも上流側に、ダミーパターンDP2を下流側ヒータRhbよりも下流側に配置した。これにより、流体の流量及び流体の流通方向に対する応答性を向上させることが可能となる。
(11)上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbをはじめ、リード部L1〜L6、ダミーパターンDPを、同一の材料から同一工程において形成した。このため、ダミーパターンDP1、DP2の熱抵抗を十分に低下させる設定が容易となり、同ダミーパターンDP1、DP2の熱伝導性を好適に確保することができるようになる。
(第2の実施形態)
次に、本発明にかかるフローセンサを車載用内燃機関の吸入空気量を検出するフローメータに適用した第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図17は、本実施形態にかかる上流側ヒータRhaを示す。本実施形態では、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbには、便宜上、先の第1の実施形態のものと同一の符号を用いる。また、本実施形態においては、上流側ヒータRhaと下流側ヒータRhbとは鏡像対称且つサイズ同一の構成を有するために、図17では、上流側ヒータRhaのみを示す。
図17に示されるように、本実施形態においても、上流側ヒータRhaには、先の図4に示したシリコン窒化膜40よりも熱伝導性の高い熱伝導部材が、電流の流れないダミーパターンDP1として設けられている。ただし本実施形態では、ダミーパターンDP1は、単結晶シリコンからなる熱連結線qc1を介して、上流側ヒータRhaと一カ所で接続されるようにした。
このように、熱連結線qc1を用いてダミーパターンDP1を上流側ヒータRhaと接続させることで、ダミーパターンDP1の温度がただちに上流側ヒータRhaの温度に追従するようになり、応答性を向上させることができる。
更に、各ダミーパターンDP1は、上流側ヒータRhaと単一の熱連結線qc1で接続されるようにした。これにより、熱連結線qc1を介してダミーパターンDP1へ電流が流入することはなく、同ダミーパターンDP1によって電力が消費されることを回避することができる。
なお、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbのそれぞれに対応した熱連結線は、互いに鏡像対称且つ同一サイズであり、且つ、流体の流通方向に直交する線であって、これら上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbの中心線に対して線対称となるように配置することが望ましい。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の比較例の上記(1)〜(5)や、先の第1の実施形態の上記(9)〜(11)の効果に準じた効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(12)上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbとダミーパターンDP1、DP2とを熱連結線にて接続させた。これにより、ダミーパターンDP1の温度がただちに上流側ヒータRhaの温度に追従するようになり、応答性を向上させることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明にかかるフローセンサを車載用内燃機関の吸入空気量を検出するフローメータに適用した第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図18は、本実施形態にかかる上流側ヒータRhaを示す。本実施形態では、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbには、便宜上、先の第1の実施形態のものと同一の符号を用いる。また、本実施形態においては、上流側ヒータRhaと下流側ヒータRhbとは同一の構成を有するために、図18では、上流側ヒータRhaのみを示す。
図18に示されるように、本実施形態においても、上流側ヒータRhaには、先の図4に示したシリコン窒化膜40よりも熱伝導性の高い熱伝導部材が、電流の流れないダミーパターンDP3〜DP8として設けられている。ただし本実施形態では、ダミーパターンDP3〜DP8を、上流側ヒータRhaと図中破線で示す部分で接続されて且つ、同上流側ヒータRhaの線幅方向に延設されるかたちで設けられている。
これにより、上流側ヒータRhaの生じる熱がダミーパターンDP3〜DP8へと迅速に伝わるために、ダミーパターンDP3〜DP8の温度がただちに上流側ヒータRhaの温度に追従するようになり、応答性を向上させることができる。しかも、各ダミーパターンDP3〜DP8は、上流側ヒータRhaと一カ所で接しているため、各ダミーパターンDP3〜DP8への電流の流入はなく、同ダミーパターンDP3〜DP8によって電力が消費されることを回避することができる。
なお、これらダミーパターンは、互いに鏡像対称且つサイズ同一の形状を有すると共に、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhb間を分離する中心線に対して線対称に配置することが望ましい。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の比較例の上記(1)〜(5)や、先の第1の実施形態の上記(9)〜(11)の効果に準じた効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(13)ダミーパターンDP3〜DP8を、上流側ヒータRhaと図中破線で示す部分で接続されて且つ、同上流側ヒータRhaの線幅方向に延設されるかたちで設けた。これにより、上流側ヒータRhaの放熱をいっそう促進することができ、ひいては、流体に対するフローセンサFSの感度をいっそう向上させることができるようになる。
(第4の実施形態)
次に、本発明にかかるフローセンサを車載用内燃機関の吸入空気量を検出するフローメータに適用した第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図19は、本実施形態にかかる上流側ヒータRhaを示す。本実施形態では、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbには、便宜上、先の第1の実施形態のものと同一の符号を付した。また、本実施形態においては、上流側ヒータRhaと下流側ヒータRhbとは鏡像対称且つサイズ同一であるため、図19では、上流側ヒータRhaのみを示す。
同図19に示すように、上流側ヒータRhaに近接して、先の図4に示したシリコン窒化膜40よりも熱伝導性の高い部材であるダミーパターン(熱伝導部材)DP9〜DP12を形成した。ここで、ダミーパターンDP9〜DP12も単結晶シリコンにて形成されている。更に、ダミーパターンDP9〜DP12と上流側ヒータRhaとを単結晶シリコンからなる複数の熱連結線qc2〜qc9にて接続するとともに、これら各熱連結線qc2〜qc9とDP9〜DP12との接点を互いに同電位となるようにした。
詳しくは、上流側ヒータRhaは、並列に接続される2本の発熱抵抗体h6、h7と、これら発熱抵抗体h6、h7を結ぶ単結晶シリコンからなる結線c1〜c3とを備えて構成されている。そして、リード部L2及び結線c1間にダミーパターンDP9が、結線c1及び結線c2間にダミーパターンDP10が、結線c2及び結線c3間にダミーパターンDP11が、結線c4及びリード部L3間にダミーパターンDP12がそれぞれ配置されている。
そして、ダミーパターンDP9は、熱連結線qc2を介して発熱抵抗体h6と接続され、また熱連結線qc3を介して発熱抵抗体h7と接続されている。そして、これら熱連結線qc2、qc3とダミーパターンDP9との接続点における電位は互いに等しくなるように設定されている。なお、ダミーパターンDP10〜DP12と熱連結線qc4〜qc9との関係についても、ダミーパターンDP9と熱連結線qc2、qc3との関係と同様であるためその説明を割愛する。
こうした構成により、上流側ヒータRhaからの放熱量を増大させることができる。したがって、流体によって奪われる熱量を増大させることができ、上流側ヒータRhaで消費される電力量を増大させることができる。このため、流体に対するフローセンサFSの感度を向上させることができるようになる。
しかも、各熱連結線qc2〜qc9とダミーパターンDP9〜DP12との接点が互いに同電位となるように配置することで、ダミーパターンDP9〜DP12中を電流が流れることはなく、同ダミーパターンDP9〜DP12にて電力が消費されることはない。このため、フローセンサFSの消費電力の上昇を回避しつつも、その感度を高めることができる。
なお、上記結線c1〜c3についてもこれに電流が流れないようにしてもよい。この場合、これら結線c1〜c3は、上記ダミーパターンと同様の機能を有する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の比較例の上記(1)〜(5)や、先の第1の実施形態の上記(9)〜(11)の効果に準じた効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(14)ダミーパターンDP9〜DP12と上流側ヒータRhaとを複数の熱連結線qc2〜qc9にて接続するとともに、これら各熱連結線qc2〜qc9とDP9〜DP12との接点を互いに同電位となるように配置した。これにより、上流側ヒータRhaの放熱をいっそう促進することができ、ひいては、流体に対するフローセンサFSの感度をいっそう向上させることができるようになる。
ここで、上記各実施形態あるいは各比較例において、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbをボロンの注入された単結晶シリコンにて形成したメリットについて更に検討する。
図20(a)〜図20(d)に、上述した特許文献1に記載の発熱体の形状を示す。これら各発熱体の敷設幅Whは、「100μm」に設定されている。そして、これら各発熱
体は、リンの注入された単結晶シリコンにて形成されたものである。図21に、図20(a)〜図20(d)に示した発熱体について、これを所定の高温にて保持した場合の保持時間に対する抵抗変化率の関係を示す。同図21に示されるように、保持時間が長くなるほど、抵抗変化率が上昇することがわかる。
これに対し、上記各実施形態あるいは各比較例では、ボロンの注入された単結晶シリコンを用いると共に、その最小線幅を「7μm」以上とすることで、抵抗変化率を好適に抑制している。
(第5の実施形態)
次に、本発明にかかるフローセンサを車載用内燃機関の吸入空気量を検出するフローメータに適用した第5の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態にかかるフローセンサでは、単結晶シリコン膜30(図10)に代えて多結晶シリコン膜を用いるとともに、同多結晶シリコン膜にドーピングされる不純物濃度の最適化を図ることで、所要の抵抗温度係数を確保しつつ、その製造に際しての制限を緩和するようにしている。
まず、図22及び図23を参照して、本実施形態にかかるフローセンサの製造工程について説明する。なお、これら各図において、先の図10及び図11に示した要素と同一の要素には各々同一の符号を付して示しており、それら要素についての重複する説明は割愛する。
この一連の製造工程においては、まず、図22(a)に示すように、例えばN型の導電型を有する単結晶シリコンからなる半導体基板60の表面及び裏面に、例えば低圧CVD法により、膜厚「0.3μm」のシリコン窒化膜61及び62を成膜する。なお、このシリコン窒化膜61及び62の成膜は、膜厚「0.15μm」毎、2回に分けて行う。次いで、この半導体基板60の表面に成膜されたシリコン窒化膜61の上に、例えば常圧CVD法により、膜厚「0.2μm」のシリコン酸化膜70を成膜する。
次に、例えば「1000℃」の温度で、「10分間」の熱処理を行う。その後、図22(b)に示すごとく、この基板の表面及び裏面に、例えば低圧CVD法等により、膜厚「0.74μm」の多結晶シリコン(poly−Si)膜81及び82を成膜するとともに、基板表面の多結晶シリコン膜81に対してリンをドープし、さらに所望の形状にバターンニングする。なお、多結晶シリコン膜81及び82の成膜は、膜厚「0.37μm」毎、2回に分けて行う。
この多結晶シリコン膜81の成膜後のリンドープ及びパターンニングについて詳しく説明する。多結晶シリコン膜81を成膜した後に、例えば「1000℃」の温度で熱酸化処理を行い、上記多結晶シリコン膜81の表面に、例えば膜厚「400Å〜500Å」のシリコン酸化膜(図示略)を形成する。次いで、例えば加速電圧「130keV」、ドーズ量「3×1016cm−2」でイオン注入を行い、上記多結晶シリコン膜81に、例えば濃度「2×1020cm−3」以上のリン(P)を注入する。そして、このリンの注入された多結晶シリコン膜81を活性化すべく、例えば「1150℃」の温度で、「2時間」の熱処理(活性化アニール)を行う。またこの際、多結晶シリコン膜81の大粒径化が進行する。より詳しくは、上記多結晶シリコン膜81は、多数の単結晶シリコンの粒から構成されており、これら各粒と隣り合う粒との間には粒界が形成されている。そして、この多結晶シリコン膜81に対して熱処理を行うと、これら粒界が消滅するとともに、隣り合う粒同士が結びついて、より大きな単結晶シリコンの粒が形成される。
そして、例えばHFやBHF等により、上記熱酸化処理により形成されたシリコン酸化膜をエッチング除去する。次いで、上記多結晶シリコン膜81の上面にレジスト材を塗布した上で、フォトリソグラフィによりパターンニングした後、リンをドープした多結晶シリコン膜81を選択的にエッチングする。これにより、上流側温度計Rka、下流側温度計Rkb、上流側ヒータRha、下流側ヒータRhb、リード部L1〜L6(いずれも図2に図示)、ダミーパターンDP1及びDP2(図15)等が形成される。
引き続き、例えば「1000℃」の温度で熱酸化処理を行い、リンをドープした多結晶シリコン膜81の表面に例えば膜厚「700Å〜800Å」のシリコン酸化膜(図示略)を形成する。そして、その上に、図22(c)に示すごとく、例えばCVD法等により膜厚「0.84μm」のBPSG膜83を成膜して、例えば温度「950℃」でリフロー(熱処理)を行う。そして、BPSG膜83の上面にレジスト材を塗布した上で、フォトリソグラフィによりパターンニングして選択的にエッチングすることで、コンタクトホール84等を形成する。
更に、図23(a)に示すごとく、例えばスパッタリングにより、例えば膜厚「1.1μm」のAlSi(アルミニウムシリコン)膜を成膜した後、パターニングすることで上記コンタクトホール84にパッドP5(図2)を形成する。そして、該パッドP5に対してシンタリング処理(熱処理)を施す。なお、パッドP1〜P4、及びP6(図2)も、このパッドP5と同様に形成される。
さらに、例えばプラズマCVD法により、膜厚「2.7μm」のシリコン窒化膜90を成膜する。
次いで、図23(b)に示すように、このシリコン窒化膜90の上面にレジスト材を塗布した上で、フォトリソグラフィによりパターンニングして選択的にエッチングすることで、コンタクトホール91を形成する。そして、アニール(熱処理)を行った後、半導体基板60の厚さが「500μm」になるように、同半導体基板60の裏面側にバックポリッシュを施す。これにより、同半導体基板60の裏面に形成された多結晶シリコン膜82及びシリコン窒化膜62が除去される。また、半導体基板60の裏面に、例えばプラズマCVD法により、膜厚「0.5μm」のシリコン窒化膜100を成膜する。そして、このシリコン窒化膜100の表面にレジスト材を塗布した上で、フォトリソグラフィによりパターンニングして選択的にエッチングすることで、薄膜部MBを形成すべく開口部101を形成する。更に、このシリコン窒化膜100をマスクとして、例えばウェットエッチングにより、半導体基板60の裏面を選択的にエッチングする。これにより、図23(c)に示すように、空洞部Hが形成されるとともに、薄膜部MBが形成される。また、上記パッドP5は、例えばAu(金)等からなる外部配線に接続(ボンディング)される。
このように、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhb等を多結晶シリコン膜81にて形成することで、SOI基板を用いずとも当該フローセンサが実現されるようになる。
図24に、上述した製造工程により作製した線幅「10μm」の多結晶シリコン膜81(シリコン抵抗体)について、注入される不純物の濃度と抵抗温度係数(TCR)との関係をグラフとして示す。なお、このグラフは、発明者らによる測定の結果である。ここでは、上記製造工程にて作製されるシリコン抵抗体と、上記製造工程において用いられる不純物としてリン(P)の代わりにボロン(B)を用いて作製されるシリコン抵抗体とについて対比して示している。
同図24に示されるように、上記シリコン抵抗体の抵抗温度係数は、ボロンがドーピングされたシリコン抵抗体よりも、リンがドーピングされたシリコン抵抗体のほうが大きくなる。これは、リンがボロンよりも多結晶シリコンの大粒径化を促進するためである。よ
り詳しくは、一般に、多結晶シリコンの抵抗温度係数は単結晶シリコンの抵抗温度係数よりも小さくなっている。これは、多結晶シリコンを構成する単結晶粒間に存在する粒界に起因する。この点、上記リンがドーピングされたシリコン抵抗体によれば、多結晶シリコンを構成する多数の単結晶シリコンの粒が大粒径化されることで、上記粒界の影響は相対的に小さくなるため、単結晶シリコンにより近い抵抗温度係数が得られるようになる。すなわち、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbを、リンがドーピングされる多結晶シリコンにより形成することで、センサ感度を向上させることができる。
また、図24に示されるグラフによれば、当該シリコン抵抗体の抵抗温度係数は、同シリコン抵抗体にドーピングされるリンの濃度とともに大きくなり、リンの濃度が「2×1020cm−3」になるあたりで略最大値(「1400ppm/℃〜1500ppm/℃」)に達して飽和することが分かる。すなわち、リンの注入されたシリコン抵抗体の不純物濃度は、「2×1020cm−3」以上であって固溶度(固溶限界)以下の濃度とすることが望ましい。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の比較例の上記(3)〜(5)や、先の第1の実施形態の上記(9)〜(11)の効果に準じた効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(15)上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbを、多結晶のシリコンにて形成した。一般に、絶縁体の上に単結晶のシリコン膜を成膜することは困難であるため、絶縁膜上に単結晶シリコン膜を形成するときには、基板としてSOI基板が用いられる。一方、多結晶のシリコンは、絶縁体の上により容易に形成することができる。よって、上記構成によれば、上記各ヒータを単結晶のシリコンにて形成するときと同様、もしくはそれに準ずる抵抗温度係数を得ることが可能になるとともに、上記各ヒータの作製に際しての下地基板の制限は緩和されるようになる。また、コストの高いSOI基板を用いずとも上記各ヒータを作製することができるようになるため、高コスト化を抑制することもできる。
(16)また、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbを、多結晶シリコンにリンをドーピングして形成するようにした。これにより、多結晶シリコンの大粒径化が促進され、流体に対するフローセンサの感度の向上を図ることができる。
(17)また、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbにドーピングされるリンの濃度を「2×1020cm−3」以上とした。これにより、流体に対するフローセンサの感度の向上が図られる。
(第6の実施形態)
次に、本発明にかかるフローセンサを車載用内燃機関の吸入空気量を検出するフローメータに適用した第6の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態にかかるフローセンサも、上記第5の実施形態と同様、単結晶シリコン膜30(図10)に代えて多結晶シリコン膜を用いることで、その製造に際しての制限を緩和するようにしている。ただし、本実施形態にかかるフローセンサにおいては、上記多結晶シリコン膜にドーピングされる不純物濃度の最適化を図ることで、不純物注入後における熱処理(活性化アニール)の温度制限についてもこれを緩和するようにしている。
本実施形態にかかるフローセンサの製造工程も、基本的には、上記第5の実施形態の製造工程と同様である。ただし、本実施形態にかかるフローセンサの製造に際しては、多結晶シリコン膜81に注入するリンの濃度を例えば「7×1020cm−3」以上に、つま
りドーズ量「5.2×1016cm−2」以上に、該リンを注入した後の熱処理(活性化アニール)の温度を例えば「1000℃」にしている。
図25及び図26に、上記活性化アニール温度を「1000℃」とした製造工程により作製した線幅「10μm」の多結晶シリコン膜81(シリコン抵抗体)について、同多結晶シリコン膜81に注入されるリンの濃度と、多結晶シリコン膜81の粒径及び抵抗温度係数(TCR)との関係をグラフとして示す。なお、このグラフは、発明者らによる測定の結果である。
ところで、リンを注入した後の熱処理(活性化アニール)において、多結晶シリコン膜81の大粒径化が進行する。この際、該熱処理の温度を大きくするほど、多結晶シリコン膜81を構成する多数の単結晶シリコンの平均粒径を大きくすることができる。すなわち、上記活性化アニールの温度を大きくすることで、多結晶シリコン膜81(シリコン抵抗体)の抵抗温度係数を大きくすることができる。例えば不純物(リン)の濃度が「6.3×1020cm−3」の場合、温度「1000℃」の熱処理では抵抗温度係数が「1160ppm/℃」となるが、温度「1150℃」の熱処理では抵抗温度係数が「1450ppm/℃」となる。
しかし、例えば温度「1150℃」以上の高温環境においては、シリコン窒化膜61等にクラックが入ったり、半導体基板60にスリップ(結晶欠陥)が入ったりするといった不具合が起こり易くなる。そのため、上記熱処理の温度のみによって上記シリコン抵抗体の抵抗温度係数を大きくするには限界がある。この点、本実施形態にかかるフローセンサでは、多結晶シリコン膜81に注入されるリンの濃度の最適化を図ることで、同多結晶シリコン膜81の大粒径化を促進するようにしている。図25に示されるように、上記多結晶シリコン膜81に注入されるリンの濃度を大きくしていくと、該リンの濃度が「6×1020cm−3〜8×1020cm−3」になるところで、多結晶シリコン膜81の粒径は急激に大きくなる。また、図26に示されるように、リンの濃度が「7×1020cm−3」以上のところで、上記熱処理の温度を「1150℃」としたときと略同様の抵抗温度係数「1400ppm/℃〜1600ppm/℃」が得られる。
このように、多結晶シリコン膜81にドーピングされるリンの濃度を「7×1020cm−3」以上とすることにより、抵抗温度係数を向上させることができ、ひいてはフローセンサの感度を高めることができる。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の比較例の上記(3)〜(5)や、先の第1の実施形態の上記(9)〜(11)や、先の第5の実施形態の上記(15)〜(17)の効果に準じた効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(18)上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbにドーピングされるリンの濃度を「7×1020cm−3」以上とした。これにより、流体に対するフローセンサの感度を向上させることができる。また、所要のセンサ感度を確保しつつ、不純物を注入した後の熱処理(活性化アニール)の温度をより低い温度に設定することができるため、歩留まりの向上が図られるようにもなる。
なお、上記各実施形態あるいは各比較例は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第1〜第4の実施形態あるいは第1〜第4の比較例において、ボロンの注入量は、「1×1020cm−3〜2×1020cm−3」に限らない。
・上記第2の比較例において、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbの形状は、先の図12に示したものに限らない。例えば図27に例示するようなものであってもよい。
この図27においては、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbが、反転部を4つ有して構成されている。なお、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbは、流体の流通方向に直交する線であってこれらを分離する中心線に対して線対称な形状とすることが望ましい。
・上記第3の比較例において、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbを構成する発熱抵抗体の数は2以上の任意の数でよい。
・上記第4の比較例において、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbの形状は、その流体の流通方向の幅である敷設幅内で電流の流通を制限する1乃至複数の縮幅部を有し、該縮幅部の極小値が「7μm」以上に設定する範囲で適宜変更してよい。
・上記第1の実施形態において、ダミーパターンの形状及びその数は任意でよい。すなわち、例えば図28(a)に上流側ヒータRhaについて例示するように、同上流側ヒータRhaの上流側及び下流側にそれぞれダミーパターンDPを配置してもよい。また、例えば図28(b)に上流側ヒータRhaについて例示するように、先の図19において熱連結線qc2〜qc9を除いた構成としてもよい。更に、例えば図28(c)及び図28(d)に上流側ヒータRhaについて例示するように、反転部を備える上流側ヒータRhaに近接していくつかのダミーパターンDPを配置する構成としてもよい。なお、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbとこれらに対応する各ダミーパターンDPとは、流体の流通方向に直交する線であって上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbを分離する中心線に対して線対称な形状とすることが望ましい。
・上記第2の実施形態において、ダミーパターンの形状及びその数は任意でよい。すなわち、例えば図29(a)〜図29(c)に上流側ヒータRhaについて例示するように、反転部を有して構成される上流側ヒータRhaといくつかのダミーパターンDPとを熱連結線qcにて接続するようにしてもよい。なお、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbとこれらに対応するダミーパターンDP、熱連結線qcとは、流体の流通方向に直交する線であって上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbを分離する中心線に対して線対称な形状とすることが望ましい。
・上記第3の実施形態において、ダミーパターンの形状や、その数、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbの形状等は任意でよい。なお、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbとこれらに対応する各ダミーパターンDPとは、流体の流通方向に直交する線であって上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbを分離する中心線に対して線対称な形状とすることが望ましい。
・上記第4の実施形態において、ダミーパターンや熱連結線の形状や、その数、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbの形状等は任意でよい。なお、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbとこれらに対応するダミーパターンDP、熱連結線qcとは、流体の流通方向に直交する線であって上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbを分離する中心線に対して線対称な形状とすることが望ましい。
・上記第1〜第4の実施形態におけるダミーパターンDPは、必ずしも上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbに対して対称に備えられていなくても、先の第1の実施形態の上記(9)の効果を得ることはできる。
・上記第5及び第6の実施形態では、第1の実施形態のセンサ構成において、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbを多結晶シリコン膜81にて形成する場合について例示したが、第2〜第4の実施形態のセンサ構成についても同様に適用することができる。また、上記第1〜第6の実施形態及びそれらの変形例において、ダミーパターンDPは、
必ずしも上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbと同一の工程において製造されなくてもよい。また、同ダミーパターンDPは、必ずしも上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbと同一の材料でなくてもよい。すなわち、例えばダミーパターンDPを金属にて形成してもよい。更に、上記第1〜第4の実施形態において、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbを、金属にて形成してもよい。
更に、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbの線幅(又は電流の流通に供される最小値)を「7μm〜50μm」としなくとも、上記第1の実施形態の上記(9)の効果を得ることはできる。
加えて、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhb、ダミーパターン等を半導体で形成する場合には、注入する不純物はボロンやリンに限らない。これによっても、上記第1の実施形態の上記(9)の効果を得ることはできる。
・上記第1〜第4の比較例において、P型の半導体としては、ボロンの注入された単結晶シリコンに限らず、例えばインジウムの注入されたシリコンであってもよい。
・上記各実施形態あるいは各比較例においては、発熱体と該発熱体の近傍(発熱体自身又は発熱体の付近)の温度を感知する感温体とを、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbのように同一とした。そして、発熱体自身によって感知される温度を所定の温度とするとともに、このときの発熱体の消費電力に基づき流体の流量を感知した。しかし、これら発熱体と該発熱体の近傍の温度を感知する感温体とを別部材としてもよい。この場合、例えば上記感温体によって感知される発熱体付近の温度を所定の温度とするように発熱体を制御するとともに、このときの発熱体の消費電力に基づいて流量を感知するようにしてもよい。
・当該フローメータFMの環境温度を感知する上流側温度計Rkaや下流側温度計RkbをフローセンサFSに備える構成とする代わりに、信号生成回路SGに備える構成としてもよい。この場合であれ、上流側ヒータRhaと上流側温度計Rkaとの抵抗温度係数や、下流側ヒータRhbと下流側温度計Rkbとの抵抗温度係数は、互いに一致させるようにする。
・上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbを備えなくても、単一の発熱体、及び該発熱体の近傍の温度を感知する感温体を備える構成であっても、発熱体によって消費される電力量等に基づいて流体の流量を感知することはできる。
・発熱体と、該発熱体の近傍の温度を感知する感温体とを備えて流体の流量を感知するフローセンサとしては、上記各実施形態あるいは各比較例やそれらの変形例に記載のものにも限らない。例えば、上記特許文献1に記載のように、発熱体自身を第2の感温体としてこれによって自身の温度を感知しつつ発熱体を所定に制御するとともに、この付近の温度を上記感温体によって感知し、これに基づいて発熱体の生じる熱量のうち流体によって奪われた熱量を感知する構成としてもよい。
こうした構成にあっても、上記第1〜第4の実施形態やそれらの変形例に記載したダミーパターン(熱伝導部材)を設けることで、フローセンサの応答性を向上させることができる。すなわち、熱伝導部材は熱抵抗が小さいため、熱伝導部材によって発熱体の熱が感温体へと迅速に伝達されるようになる。このため、流体の流量や流速が急激に変化したとしても、この変化は熱伝導部材を通じて速やかにフローセンサの温度分布に反映されることとなる。これにより、感温体ではこの温度変化を速やかに感知することができるようになる。したがって、フローセンサの応答性を向上させることができる。更に、この際、発熱体及び熱伝導部材を同一の材料であるシリコンで形成することで、これらを同一工程に
て形成することができるとともに、熱伝導部材の熱伝導性を高く維持することができる。
・薄膜部MB等のサイズについては、上記各実施形態、各比較例及びそれらの変形例において例示したものに限らない。例えば、薄膜部MBのサイズを「1.0mm×1.0mm」以下、薄膜部MB及び上記パッドP1〜P6間の長さを「2.5mm〜4.5mm」としてもよい。こうした設定によっては、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbの線幅Wの最大値をある程度拡大することができる。しかし、線幅Wの増大は、放熱量の増大につながり、その結果、これら上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbに供給する電力量の増大を招くこととなる。以下、これについて説明する。
図30は、長さ「400μm」の発熱体の線幅と放熱量との関係を示すものである。同図30に示されるように、線幅が増大するほど放熱量は増大する。これは、線幅が増大するにつれて放熱面積が増大するためである。一方、図31に、上記発熱体の放熱量と必要電圧との関係を示す。同図31に示されるように、放熱量が増大するほど必要電圧が増大する。そして、これら長さ「400μm」の発熱体の線幅、放熱量、要求される電圧の関係を図32に示す。同図32に示されるように、発熱体の線幅の増大は、同発熱体に対する印加電圧として要求される電圧値の増大を招くこととなる。
そして、例えば車載バッテリとして安定供給可能な電圧が「12V」以下であるとすると、この電圧値にて駆動可能な発熱体の線幅の最大値は約「80μm」となる。なお、線幅の増加による放熱量の増加を抑制すべく、発熱体の長さを「400μm」以下とすることも考えられる。しかし、この場合、発熱体と接続されるリード部との抵抗比が低下することとなる。更に、発熱体の長さが十分でなくなるため、発熱体の端部からの熱の逃げの影響を受けやすくなり、発熱体全体の平均温度を所定の温度とするための消費電力がかえって大きくなる。
以上から、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbの線幅は、「7μm〜80μm」とすることが望ましい。
なお、上記各実施形態及び各比較例の変形例として示したように、フローセンサによっては、発熱体と感温体とを別部材とする構成もあり得る。しかし、この場合であれ、上記第1の比較例で示した理由等により、感温体についてもその線幅の最大値は、発熱体の線幅の最大値以下に設定することが望ましい。
・薄膜部MBの構造としては、図2等に例示されているものに限らない。例えば薄膜部MBを矩形状に形成しつつその2辺のみが半導体基板上の薄膜と接続されるようにしてもよい。また、薄膜部MBの形状は、矩形にも限らない。また、薄膜部MBを矩形としつつも、半導体基板の裏面の開口部の形状が矩形でないようなものでもよい。これは、先の図11(c)に示した工程において、上述したBの条件の代わりに、半導体基板10の裏面を{110}面とする条件を適用することで形成される。
・吸気通路内へのフローメータFMの配置態様については、先の図3に例示したものに限らない。例えば、フローセンサFSの裏側も吸気通路内に露出させてもよい。
・その他、フローセンサFSの構成としては、発熱体と、該発熱体の近傍の温度を感知する感温体とを備える限りにおいて、適宜変更してよい。すなわち例えば、例えば薄膜部MBを構成する絶縁膜としては、シリコン酸化膜や、シリコン窒化膜に限らず、これ以外の絶縁膜を用いてもよい。
・更に、フローセンサFSの製造方法としても、先の図10及び図11、図22及び図23に例示する工程によるものに限らない。例えば、半導体薄膜への不純物の注入は、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhb等のパターニング後に行うようにしてもよい。ま
た、半導体薄膜への不純物の注入は、イオン注入法に限らず、気相から半導体中へドーパント原子(不純物)を拡散させる手法や、ドーパント原子(不純物)のドープされた酸化膜ソースを使って表面から半導体中へ上記ドーパント原子(不純物)を拡散させる手法等でもよい。
・フローセンサFSとしては、車載用内燃機関の吸入空気量を感知するものに限らず、適宜の流体の流量を感知するものであればよい。
第1の比較例にかかるフローメータの回路図。 同比較例にかかるフローセンサの構成を示す平面図。 (a)及び(b)は、同比較例にかかるフローメータの配置態様を示す図。 同比較例にかかるフローセンサの断面構成を示す断面図。 ボロンの注入されたシリコン抵抗体の経時変化を示す図。 ボロンの注入されたシリコン抵抗体について、その不純物濃度と経時変化との関係を示す図。 ボロンの注入されたシリコン抵抗体について、その不純物濃度と抵抗温度係数との関係を示す図。 リンの注入されたシリコン抵抗体の経時変化を示す図。 上記比較例にかかる薄膜部の構成を示す平面図。 (a)〜(d)は、同比較例にかかるフローセンサの製造工程を示す断面図。 (a)〜(c)は、同比較例にかかるフローセンサの製造工程を示す断面図。 第2の比較例の上流側ヒータの構成を示す平面図。 第3の比較例の上流側ヒータの構成を示す平面図。 第4の比較例の上流側ヒータの構成を示す平面図。 第1の実施形態の薄膜部の構成を示す平面図。 シリコンや金属の特性を示す図。 第2の実施形態の上流側ヒータの構成を示す平面図。 第3の実施形態の上流側ヒータの構成を示す平面図。 第4の実施形態の上流側ヒータの構成を示す平面図。 (a)〜(d)は、リンの注入されたシリコン抵抗体の構造を示す平面図。 上記リンの注入されたシリコン抵抗体の経時変化の特性を示す図。 (a)〜(c)は、第5の実施形態にかかるフローセンサの製造工程を示す断面図。 (a)〜(c)は、第5の実施形態にかかるフローセンサの製造工程を示す断面図。 同実施形態にかかるフローセンサと同様の製造方法により作製されたシリコン抵抗体について、その不純物濃度と抵抗温度係数との関係を示す図。 第6の実施形態にかかるフローセンサと同様の製造方法により作製されたシリコン抵抗体について、その不純物濃度と粒径との関係を示す図。 第6の実施形態にかかるフローセンサと同様の製造方法により作製されたシリコン抵抗体について、その不純物濃度と抵抗温度係数との関係を示す図。 上記第2の比較例の変形例を示す平面図。 (a)〜(d)は、上記第1の実施形態の変形例を示す平面図。 (a)〜(c)は、上記第2の実施形態の変形例を示す平面図。 発熱体の線幅と放熱量との関係を示す図。 発熱体の放熱量と同発熱体に印加される電圧との関係を示す図。 発熱体の線幅と放熱量、印加電圧との関係を示す図。 従来のフローセンサの構造を示す平面図。
符号の説明
10、60…半導体基板、20、70…シリコン酸化膜、30…単結晶シリコン膜、40、50、61、90、100…シリコン窒化膜、41、91…コンタクトホール、81…多結晶シリコン膜、83…BPSG膜、Rha…上流側ヒータ、Rhb…下流側ヒータ、MB…薄膜部、DP1〜DP12…ダミーパターン、qc1〜qc9…熱連結線。

Claims (13)

  1. 発熱体と、該発熱体を覆う絶縁膜とを備える薄膜部を有し、且つ前記発熱体で消費される電力に基づいた流体の流量検出に用いられるフローセンサにおいて、
    前記発熱体には、前記絶縁膜よりも熱伝導性の高い熱伝導部材が、電流の流れないダミーパターンとして設けられてなる
    ことを特徴とするフローセンサ。
  2. 前記熱伝導部材は、前記絶縁膜によってその周囲が電気的に絶縁されてなる
    請求項1記載のフローセンサ。
  3. 前記熱伝導部材は、前記絶縁膜よりも熱伝導性の高い熱連結線によって前記発熱体と一カ所で接続されてなる
    請求項1記載のフローセンサ。
  4. 前記熱伝導部材は、前記発熱体に接続されて且つ、同発熱体の線幅方向に延設されるかたちで設けられてなる
    請求項1記載のフローセンサ。
  5. 前記熱伝導部材は、前記発熱体に近接して形成されてなり、且つ、該熱伝導部材と前記発熱体とは導電性を有する複数の熱連結線にて接続されてなるとともに、これら各熱連結線と前記熱伝導部材との接点が互いに同電位に設定されてなる
    請求項1記載のフローセンサ。
  6. 前記発熱体の付近の温度を感知する感温体が設けられてなる
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のフローセンサ。
  7. 前記発熱体がシリコンからなる
    請求項1〜6のいずれか一項に記載のフローセンサ。
  8. 前記発熱体が単結晶のシリコンからなり、該単結晶のシリコンにはボロンがドーピングされているとともに、その電流流通方向に直交する線幅もしくはその極小値が「7μm」以上に設定されてなる
    請求項7に記載のフローセンサ。
  9. 前記発熱体の電流流通方向に直交する線幅もしくはその極小値が「15μm」以上に設定されてなる
    請求項8記載のフローセンサ。
  10. 前記発熱体が多結晶のシリコンからなり、該多結晶のシリコンにはリンがドーピングされてなる
    請求項7記載のフローセンサ。
  11. 前記多結晶のシリコンにドーピングされるリンの濃度が「2×1020cm−3」以上である
    請求項10記載のフローセンサ。
  12. 前記多結晶のシリコンにドーピングされるリンの濃度が「7×1020cm−3」以上である
    請求項11記載のフローセンサ。
  13. 前記熱伝導部材が前記発熱体と同一の材料にて形成されてなる
    請求項1〜12のいずれか一項に記載のフローセンサ。
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