JP2002048616A - 熱式空気流量センサ及び内燃機関制御装置 - Google Patents
熱式空気流量センサ及び内燃機関制御装置Info
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- JP2002048616A JP2002048616A JP2000244032A JP2000244032A JP2002048616A JP 2002048616 A JP2002048616 A JP 2002048616A JP 2000244032 A JP2000244032 A JP 2000244032A JP 2000244032 A JP2000244032 A JP 2000244032A JP 2002048616 A JP2002048616 A JP 2002048616A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】計測流速(流量)範囲が広く、高速応答で且つ
信頼性の高い内燃機関の吸入空気量の測定に好適な熱式
空気流量センサと、この熱式空気流量センサを用いた内
燃機関制御装置を提供する。 【解決手段】半導体基板2に空洞部3と該空洞部を覆う
ダイヤフラム部(電気絶縁膜7a)を形成する。電気絶
縁膜7aの一面に発熱抵抗体4及びこれを挟んで上流側
と下流側の測温抵抗体5a,5bと5c,5dとを形成
し、上流側と下流側の測温抵抗体の温度差に基づき空気
流量を計測する。電気絶縁膜7aは、空洞部を覆う部分
における空気流れ方向の幅(W)が0.7mm以下、発
熱抵抗体4は、空気流れ方向の幅(Wh)が0.1mm
以上、各測温抵抗体は、空気流れ方向の敷設幅(Ws)
が0.1〜0.2mmの範囲で構成されている。
信頼性の高い内燃機関の吸入空気量の測定に好適な熱式
空気流量センサと、この熱式空気流量センサを用いた内
燃機関制御装置を提供する。 【解決手段】半導体基板2に空洞部3と該空洞部を覆う
ダイヤフラム部(電気絶縁膜7a)を形成する。電気絶
縁膜7aの一面に発熱抵抗体4及びこれを挟んで上流側
と下流側の測温抵抗体5a,5bと5c,5dとを形成
し、上流側と下流側の測温抵抗体の温度差に基づき空気
流量を計測する。電気絶縁膜7aは、空洞部を覆う部分
における空気流れ方向の幅(W)が0.7mm以下、発
熱抵抗体4は、空気流れ方向の幅(Wh)が0.1mm
以上、各測温抵抗体は、空気流れ方向の敷設幅(Ws)
が0.1〜0.2mmの範囲で構成されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱式空気流量セン
サと内燃機関制御装置に係り、特に内燃機関の吸入空気
量の測定に好適な熱式空気流量センサと、この熱式空気
流量センサを用いた内燃機関制御装置に関する。
サと内燃機関制御装置に係り、特に内燃機関の吸入空気
量の測定に好適な熱式空気流量センサと、この熱式空気
流量センサを用いた内燃機関制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱式の空気流量センサは、質量空気量を
直接計測できるという特長があり、このため自動車用内
燃機関制御装置の吸入空気流量センサとして、従来から
広く利用されている。その中でも、最近では、半導体マ
イクロマシニング技術により作成した薄膜型の検出素子
を用いた空気流量センサが、コスト低減と低電力駆動が
可能である点から注目されている。
直接計測できるという特長があり、このため自動車用内
燃機関制御装置の吸入空気流量センサとして、従来から
広く利用されている。その中でも、最近では、半導体マ
イクロマシニング技術により作成した薄膜型の検出素子
を用いた空気流量センサが、コスト低減と低電力駆動が
可能である点から注目されている。
【0003】熱式空気流量センサは、基本的には温度依
存性を有する感温抵抗体を発熱抵抗体や測温抵抗体に利
用するものである。その方式は種々ある。代表的なもの
としては、空気流により熱が奪われる発熱抵抗体と空気
温度測温抵抗体との温度差を所定値に保つように発熱抵
抗体の加熱電流を制御し、その加熱電流を電気信号に変
換して空気流量を計測するものや、さらに、最近では、
半導体基板にマイクロマシニングにより空洞部と該空洞
部を覆う電気絶縁膜(ダイヤフラム部)を形成し、この
ダイヤフラム部の一面に発熱抵抗体と該発熱抵抗体を挟
んで上流側と下流側に位置する測温抵抗体とを形成し、
前記上流側と下流側の測温抵抗体の温度差に基づき空気
流量を計測するものが提案されている(例えば特公平8
−12097号公報、特開平11−14414号公報
等)。
存性を有する感温抵抗体を発熱抵抗体や測温抵抗体に利
用するものである。その方式は種々ある。代表的なもの
としては、空気流により熱が奪われる発熱抵抗体と空気
温度測温抵抗体との温度差を所定値に保つように発熱抵
抗体の加熱電流を制御し、その加熱電流を電気信号に変
換して空気流量を計測するものや、さらに、最近では、
半導体基板にマイクロマシニングにより空洞部と該空洞
部を覆う電気絶縁膜(ダイヤフラム部)を形成し、この
ダイヤフラム部の一面に発熱抵抗体と該発熱抵抗体を挟
んで上流側と下流側に位置する測温抵抗体とを形成し、
前記上流側と下流側の測温抵抗体の温度差に基づき空気
流量を計測するものが提案されている(例えば特公平8
−12097号公報、特開平11−14414号公報
等)。
【0004】後者のタイプは温度差方式といわれ、空洞
部により熱絶縁されたダイヤフラム部(電気絶縁膜)を
発熱抵抗体によって加熱する。ダイヤフラム上に形成さ
れる温度分布は、発熱抵抗体の上流側と下流側とで空気
流量が大きくなるほど温度差が大きくなるので、この温
度差を上流側測温抵抗体及び下流側測温抵抗体を用いて
検出することで空気流量を算出する。
部により熱絶縁されたダイヤフラム部(電気絶縁膜)を
発熱抵抗体によって加熱する。ダイヤフラム上に形成さ
れる温度分布は、発熱抵抗体の上流側と下流側とで空気
流量が大きくなるほど温度差が大きくなるので、この温
度差を上流側測温抵抗体及び下流側測温抵抗体を用いて
検出することで空気流量を算出する。
【0005】すなわち、温度差方式は、発熱抵抗体の上
流と下流に配置された一対の測温抵抗体の抵抗値を比較
して、空気流量を計測する。空洞部上にあるダイヤフラ
ム部の温度分布は、発熱抵抗体の発熱と空気流により支
配される。空気が流れていないときには、発熱抵抗体の
発熱による温度分布は、空気の流れる方向に対して、上
流と下流で対称になるから、上下流の測温抵抗体のある
位置の温度には差が生じない。一方、空気が流れたとす
ると、上流側の測温抵抗体の冷却効果が、下流側の測温
抵抗体に比して大きくなるので、これらの抵抗体の温度
に空気流量に応じた差が生じる。この温度差を上下流の
測温抵抗値の差により検出し、温度差が無いときの流量
をゼロ値として空気流量を計測する。
流と下流に配置された一対の測温抵抗体の抵抗値を比較
して、空気流量を計測する。空洞部上にあるダイヤフラ
ム部の温度分布は、発熱抵抗体の発熱と空気流により支
配される。空気が流れていないときには、発熱抵抗体の
発熱による温度分布は、空気の流れる方向に対して、上
流と下流で対称になるから、上下流の測温抵抗体のある
位置の温度には差が生じない。一方、空気が流れたとす
ると、上流側の測温抵抗体の冷却効果が、下流側の測温
抵抗体に比して大きくなるので、これらの抵抗体の温度
に空気流量に応じた差が生じる。この温度差を上下流の
測温抵抗値の差により検出し、温度差が無いときの流量
をゼロ値として空気流量を計測する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】温度差方式の熱式空気
流量センサは、小形、低消費電力を実現でき、また空気
の流量方向も検知できる利点があるが、低流量(低流
速)から高流量(高流速)までの広い計測流速範囲(ダ
イナミックレンジ)で良好な計測精度や応答性を得るこ
とが課題とされており、従来より種々の配慮がなされて
いる。
流量センサは、小形、低消費電力を実現でき、また空気
の流量方向も検知できる利点があるが、低流量(低流
速)から高流量(高流速)までの広い計測流速範囲(ダ
イナミックレンジ)で良好な計測精度や応答性を得るこ
とが課題とされており、従来より種々の配慮がなされて
いる。
【0007】例えば、特開平11−14414号公報で
は、発熱抵抗素子と上流,下流側の測温抵抗素子との間
の熱伝導経路に熱伝導促進部材を配設して流量検出素子
の応答性を向上させており、特開平4−343024号
公報では、基板の絶縁層上に大流量計測部と小流量計測
部とを設け、小流量計測部を構成する発熱抵抗体及び上
下流の測温抵抗体と、大流量計測部を構成する発熱抵抗
体及び上下流の測温抵抗体との大きさを変えて、広い計
測流量範囲を得る等している。
は、発熱抵抗素子と上流,下流側の測温抵抗素子との間
の熱伝導経路に熱伝導促進部材を配設して流量検出素子
の応答性を向上させており、特開平4−343024号
公報では、基板の絶縁層上に大流量計測部と小流量計測
部とを設け、小流量計測部を構成する発熱抵抗体及び上
下流の測温抵抗体と、大流量計測部を構成する発熱抵抗
体及び上下流の測温抵抗体との大きさを変えて、広い計
測流量範囲を得る等している。
【0008】本発明の目的は、一つの流量計測部だけで
計測流速(流量)範囲が広く、高速応答で且つ信頼性の
高い温度差方式の熱式空気流量センサを実現でき、特に
内燃機関の吸入空気量の測定に好適な熱式空気流量セン
サと、この熱式空気流量センサを用いた内燃機関制御装
置を提供することにある。
計測流速(流量)範囲が広く、高速応答で且つ信頼性の
高い温度差方式の熱式空気流量センサを実現でき、特に
内燃機関の吸入空気量の測定に好適な熱式空気流量セン
サと、この熱式空気流量センサを用いた内燃機関制御装
置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次のように構成する。
に、本発明は次のように構成する。
【0010】半導体基板に空洞部と該空洞部を覆う電気
絶縁膜よりなるダイヤフラム部を形成し、このダイヤフ
ラムに発熱抵抗体とこの発熱抵抗体の熱的影響を受ける
測温抵抗体とを形成し、前記測温抵抗体は前記発熱抵抗
体を挟んで空気流の上流側と下流側に配置され、少なく
ともこの上流側と下流側の測温抵抗体の温度差に基づき
空気流量を計測する熱式空気流量センサであって、前記
ダイヤフラムは、空気流れ方向の幅(W)が0.7mm
以下で、前記発熱抵抗体は、空気流れ方向の幅(Wh)
が0.1mm以上で、且つ、前記上流側,下流側の各測
温抵抗体は、空気流れ方向の敷設幅(Ws)が0.1〜
0.2mmの範囲で構成されている。
絶縁膜よりなるダイヤフラム部を形成し、このダイヤフ
ラムに発熱抵抗体とこの発熱抵抗体の熱的影響を受ける
測温抵抗体とを形成し、前記測温抵抗体は前記発熱抵抗
体を挟んで空気流の上流側と下流側に配置され、少なく
ともこの上流側と下流側の測温抵抗体の温度差に基づき
空気流量を計測する熱式空気流量センサであって、前記
ダイヤフラムは、空気流れ方向の幅(W)が0.7mm
以下で、前記発熱抵抗体は、空気流れ方向の幅(Wh)
が0.1mm以上で、且つ、前記上流側,下流側の各測
温抵抗体は、空気流れ方向の敷設幅(Ws)が0.1〜
0.2mmの範囲で構成されている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に示した実施例に基づき詳細に説明する。
面に示した実施例に基づき詳細に説明する。
【0012】図1は、本発明の熱式空気流量センサの素
子を示す平面図、図2は、図1のA―A′線断面図、図
3は、図1の部分拡大図である。これらの図において、
センサ素子1は、全体が半導体基板2をベースとして形
成されている。
子を示す平面図、図2は、図1のA―A′線断面図、図
3は、図1の部分拡大図である。これらの図において、
センサ素子1は、全体が半導体基板2をベースとして形
成されている。
【0013】半導体基板2は、裏面からのエッチング加
工により空洞部8が形成されている単結晶ケイ素(S
i)の板で、その一方の面(図では上側の面)に電気絶
縁膜7aによるダイヤフラム部3が形成されている。こ
こで、空洞部8は輪郭が略矩形の孔として形成されてい
る。電気絶縁膜7aは、一例として二酸化ケイ素(Si
O2)の薄膜で作られている。
工により空洞部8が形成されている単結晶ケイ素(S
i)の板で、その一方の面(図では上側の面)に電気絶
縁膜7aによるダイヤフラム部3が形成されている。こ
こで、空洞部8は輪郭が略矩形の孔として形成されてい
る。電気絶縁膜7aは、一例として二酸化ケイ素(Si
O2)の薄膜で作られている。
【0014】ダイヤフラム部3は、空洞部8の一面全体
を覆う構造であり、測定対象である空気の流れ方向の幅
が(W)である。その表面には、発熱抵抗体4と、その
上流側に位置する測温抵抗体5a,5b及び下流側に位
置する測温抵抗体5c,5dが形成されている。
を覆う構造であり、測定対象である空気の流れ方向の幅
が(W)である。その表面には、発熱抵抗体4と、その
上流側に位置する測温抵抗体5a,5b及び下流側に位
置する測温抵抗体5c,5dが形成されている。
【0015】本例では、上流側測温抵抗体,下流側測温
抵抗体は、符号5a,5b及び5c,5dに示すように
それぞれ2個あり、その回路構成は、図6に示すように
上流側測温抵抗体5aと下流側測温抵抗体5cとが直列
に接続され、下流側測温抵抗体5dと上流側測温抵抗体
5bとが直列に接続され、かつこれらの測温抵抗体によ
り接続端子12b及び12fを介してブリッジ回路を構
成しており、所定の電圧Vrefが印加されている。
抵抗体は、符号5a,5b及び5c,5dに示すように
それぞれ2個あり、その回路構成は、図6に示すように
上流側測温抵抗体5aと下流側測温抵抗体5cとが直列
に接続され、下流側測温抵抗体5dと上流側測温抵抗体
5bとが直列に接続され、かつこれらの測温抵抗体によ
り接続端子12b及び12fを介してブリッジ回路を構
成しており、所定の電圧Vrefが印加されている。
【0016】ダイヤフラム部3の外側にも電気絶縁膜7
aが形成されており、この外側の電気絶縁膜7aの表面
には、空気温度測温抵抗体6が設けられている。
aが形成されており、この外側の電気絶縁膜7aの表面
には、空気温度測温抵抗体6が設けられている。
【0017】発熱抵抗体4と空気温度測温抵抗体6は、
図6に示すように抵抗21aと抵抗21bとによりブリ
ッジ回路が構成され、ブリッジ回路と接続される制御回
路16及びトランジスタ20を介して、発熱抵抗体4と
空気温度測温抵抗体6との温度差が所定の差になるよう
に、発熱抵抗体4に流れる加熱電流が制御されるように
してある。
図6に示すように抵抗21aと抵抗21bとによりブリ
ッジ回路が構成され、ブリッジ回路と接続される制御回
路16及びトランジスタ20を介して、発熱抵抗体4と
空気温度測温抵抗体6との温度差が所定の差になるよう
に、発熱抵抗体4に流れる加熱電流が制御されるように
してある。
【0018】発熱抵抗体4、空気温度測温抵抗体6およ
び測温抵抗体5a〜5dは、不純物ドープ処理された多
結晶又は単結晶のケイ素の薄膜により、所定の導電性
(抵抗値)を持つ細条の抵抗パターンとして形成されて
いる。
び測温抵抗体5a〜5dは、不純物ドープ処理された多
結晶又は単結晶のケイ素の薄膜により、所定の導電性
(抵抗値)を持つ細条の抵抗パターンとして形成されて
いる。
【0019】発熱抵抗体4は、矢印9で示した空気の流
れ方向に対して略直交する方向に一直線に配置されてお
り、この発熱抵抗体4の上流側に位置する測温抵抗体5
a,5b及び下流側に位置する測温抵抗体5c,5d
は、それぞれダイヤフラム部3の一端から発熱抵抗体4
に沿って伸びてダイヤフラム部中央付近でユーターンす
るようにパターン形成され、このようなパターン形成に
より測温抵抗体の長さをダイヤフラム部3の中で有効に
確保している。上流側の測温抵抗体5a,5b及び下流
側の測温抵抗体5c,5dは、対称配置されている。
れ方向に対して略直交する方向に一直線に配置されてお
り、この発熱抵抗体4の上流側に位置する測温抵抗体5
a,5b及び下流側に位置する測温抵抗体5c,5d
は、それぞれダイヤフラム部3の一端から発熱抵抗体4
に沿って伸びてダイヤフラム部中央付近でユーターンす
るようにパターン形成され、このようなパターン形成に
より測温抵抗体の長さをダイヤフラム部3の中で有効に
確保している。上流側の測温抵抗体5a,5b及び下流
側の測温抵抗体5c,5dは、対称配置されている。
【0020】電気絶縁膜7aの表面でダイヤフラム部3
の外側には、基板2の一辺寄りの位置に、発熱抵抗体
4,測温抵抗体5a〜5d,空気温度測温抵抗体6の配
線接続部11(11a,11b,11c,11d,11
e,11f,11g,11h,11i,11j,11
k,11l)と、それらの端子電極部12(12a,1
2b,12c,12d,12e,12f,12g,12
h)が形成されている。
の外側には、基板2の一辺寄りの位置に、発熱抵抗体
4,測温抵抗体5a〜5d,空気温度測温抵抗体6の配
線接続部11(11a,11b,11c,11d,11
e,11f,11g,11h,11i,11j,11
k,11l)と、それらの端子電極部12(12a,1
2b,12c,12d,12e,12f,12g,12
h)が形成されている。
【0021】端子電極部12は、アルミニウム(A
l),金(Au)などの薄膜パッドで形成されている。
そして、電気絶縁膜7aの表面には、各抵抗体などを保
護するための電気絶縁膜7bが、図2に示すように設け
られている。
l),金(Au)などの薄膜パッドで形成されている。
そして、電気絶縁膜7aの表面には、各抵抗体などを保
護するための電気絶縁膜7bが、図2に示すように設け
られている。
【0022】本実施例では、空洞部8は異方性エッチン
グにより矩形の輪郭で形成し、その空洞を電気絶縁膜で
覆っているが、このような形態によれば、基板表面に多
数のスリットを形成してこのスリットを通して空洞を形
成する方式に較べて内燃機関用に適している。すなわ
ち、内燃機関の吸気管中には、塵埃,油,水などが空気
流に混じることがあるが、これらがスリットから空洞部
に進入したりスリット部に堆積することがないためであ
る。
グにより矩形の輪郭で形成し、その空洞を電気絶縁膜で
覆っているが、このような形態によれば、基板表面に多
数のスリットを形成してこのスリットを通して空洞を形
成する方式に較べて内燃機関用に適している。すなわ
ち、内燃機関の吸気管中には、塵埃,油,水などが空気
流に混じることがあるが、これらがスリットから空洞部
に進入したりスリット部に堆積することがないためであ
る。
【0023】次に本実施形態による空気流量計測動作に
ついて説明する。
ついて説明する。
【0024】発熱抵抗体4には、加熱電流が供給され、
発熱抵抗体の温度が空気流9の温度よりも一定の温度だ
け高くなるように制御される。この加熱電流制御につい
ての回路動作及び測温抵抗体の回路動作については、図
6により後述する。
発熱抵抗体の温度が空気流9の温度よりも一定の温度だ
け高くなるように制御される。この加熱電流制御につい
ての回路動作及び測温抵抗体の回路動作については、図
6により後述する。
【0025】空気の流量と空気の流れる方向は、発熱抵
抗体4の上流側に設けられている測温抵抗体5a,5b
と下流側に設けられている測温抵抗体5c,5dの温度
(抵抗値)を比較することにより計測される。
抗体4の上流側に設けられている測温抵抗体5a,5b
と下流側に設けられている測温抵抗体5c,5dの温度
(抵抗値)を比較することにより計測される。
【0026】すなわち、空気流量がゼロのときは、上流
側の測温抵抗体5a,5bと下流側の測温抵抗体5c,
5dは、発熱抵抗体4の発熱による加熱条件が同じなの
で、同じ温度を示すことになり、温度差は生じない。換
言すれば、ダイヤフラム部3上の温度分布は、上流側も
下流側も等しいことになる。空気の流れが矢印9方向
(これを順流という)のときは、上流側の測温抵抗体5
a,5bの方が下流側の測温抵抗体5c,5dより空気
流9による冷却効果が大きいことから、上流側測温抵抗
体5a,5bと下流側測温抵抗体5c,5dとの間に温
度差が生じ、この温度差から空気流量が計測される。
側の測温抵抗体5a,5bと下流側の測温抵抗体5c,
5dは、発熱抵抗体4の発熱による加熱条件が同じなの
で、同じ温度を示すことになり、温度差は生じない。換
言すれば、ダイヤフラム部3上の温度分布は、上流側も
下流側も等しいことになる。空気の流れが矢印9方向
(これを順流という)のときは、上流側の測温抵抗体5
a,5bの方が下流側の測温抵抗体5c,5dより空気
流9による冷却効果が大きいことから、上流側測温抵抗
体5a,5bと下流側測温抵抗体5c,5dとの間に温
度差が生じ、この温度差から空気流量が計測される。
【0027】一方、空気の流れが矢印9と反対の方向
(逆流という)のときには、今度は測温抵抗体5c,5
dの温度の方が測温抵抗体5a,5bより低くなり、測
温抵抗体5a,5bと5c,5dとの温度差を表す符合
が逆転する。
(逆流という)のときには、今度は測温抵抗体5c,5
dの温度の方が測温抵抗体5a,5bより低くなり、測
温抵抗体5a,5bと5c,5dとの温度差を表す符合
が逆転する。
【0028】従って、このことから、温度差の大きさに
より空気流量が計測でき、温度差の符号から空気の流れ
方向が判別できる。
より空気流量が計測でき、温度差の符号から空気の流れ
方向が判別できる。
【0029】図4は、図1のセンサ素子1を、例えば自
動車の内燃機関の吸気通路10に実装し、内燃機関制御
装置とした場合の一実施形態を示す断面図で、この場
合、センサ素子1は、支持体14と外部回路15を含ん
だ形で、吸気通路10の内部にある副通路13の中に配
置される。外部回路15は、図6に示す制御回路16,
トランジスタ20,抵抗21a,21bなどで構成さ
れ、支持体14を介してセンサ素子1の端子電極部12
(図1)に電気的に接続されることになる。
動車の内燃機関の吸気通路10に実装し、内燃機関制御
装置とした場合の一実施形態を示す断面図で、この場
合、センサ素子1は、支持体14と外部回路15を含ん
だ形で、吸気通路10の内部にある副通路13の中に配
置される。外部回路15は、図6に示す制御回路16,
トランジスタ20,抵抗21a,21bなどで構成さ
れ、支持体14を介してセンサ素子1の端子電極部12
(図1)に電気的に接続されることになる。
【0030】なお、本実施例における制御回路16は、
加熱電流を制御するほかにCPU及びメモリ22を備え
ることで、センサ素子の測温抵抗体の温度差検出値に基
づき吸入空気量(Q)を算出する。さらにこの吸入空気
量に基づき、図示されないエンジン制御回路により内燃
機関の燃料噴射量を制御するように構成されている。
加熱電流を制御するほかにCPU及びメモリ22を備え
ることで、センサ素子の測温抵抗体の温度差検出値に基
づき吸入空気量(Q)を算出する。さらにこの吸入空気
量に基づき、図示されないエンジン制御回路により内燃
機関の燃料噴射量を制御するように構成されている。
【0031】内燃機関の吸入空気は、通常は矢印9で示
す方向に流れる(順流)。内燃機関の運転条件によって
は、矢印9とは反対の方向に流れる場合(逆流)もある
が、この実施形態によれば、順流,逆流いずれの場合で
も空気流量が正しく計測でき、且つ、それらの判別も可
能である。
す方向に流れる(順流)。内燃機関の運転条件によって
は、矢印9とは反対の方向に流れる場合(逆流)もある
が、この実施形態によれば、順流,逆流いずれの場合で
も空気流量が正しく計測でき、且つ、それらの判別も可
能である。
【0032】内燃機関の吸入空気流量は、高流量域で
は、質量流量でQ=600kg/時、流速にてv=50
m/秒の高流量に達し、アイドル運転などの低流量域か
ら高負荷運転による高流量域までの広い範囲(ダイナミ
ックレンジ)での計測が要求される。
は、質量流量でQ=600kg/時、流速にてv=50
m/秒の高流量に達し、アイドル運転などの低流量域か
ら高負荷運転による高流量域までの広い範囲(ダイナミ
ックレンジ)での計測が要求される。
【0033】図5は、センサ素子1と支持体14を拡大
して示した図で、図示のように、センサ素子1は、絶縁
体からなる支持体14に取付けられ、アルミナ等の電気
絶縁基板上に端子電極部17と信号処理回路が形成して
ある外部回路15が、同じく支持体14上に取付けられ
ている。
して示した図で、図示のように、センサ素子1は、絶縁
体からなる支持体14に取付けられ、アルミナ等の電気
絶縁基板上に端子電極部17と信号処理回路が形成して
ある外部回路15が、同じく支持体14上に取付けられ
ている。
【0034】センサ素子1と外部回路15は、端子電極
部12と端子電極部17の間を金線18などでワイヤボ
ンディングして電気的に接続した後、金線18、電極端
子12,17と外部回路15を保護するため、上側から
図示していない支持体を設けることにより保護される。
部12と端子電極部17の間を金線18などでワイヤボ
ンディングして電気的に接続した後、金線18、電極端
子12,17と外部回路15を保護するため、上側から
図示していない支持体を設けることにより保護される。
【0035】次に、図6により、本実施形態の回路構成
及び動作を説明する。
及び動作を説明する。
【0036】図6の回路は、センサ素子1の各抵抗体
4,5a,5b,5c,5d,6と、それらを駆動し制
御する回路を示したものである。この図において、19
は電源、20は加熱電流制御用のトランジスタ、21
a,21bは抵抗、16は制御回路、22はメモリ回路
である。制御回路16は、A/D変換器などを含む出力
回路、それに演算処理などを行なうCPUで構成されて
いる。
4,5a,5b,5c,5d,6と、それらを駆動し制
御する回路を示したものである。この図において、19
は電源、20は加熱電流制御用のトランジスタ、21
a,21bは抵抗、16は制御回路、22はメモリ回路
である。制御回路16は、A/D変換器などを含む出力
回路、それに演算処理などを行なうCPUで構成されて
いる。
【0037】発熱抵抗体4と空気温度測温抵抗体6は、
抵抗21a,21bと共にブリッジ回路を形成し、その
端子12a,12cの電圧が制御回路16に入力され、
発熱抵抗体4の温度(Th)が空気温度に対応する空気
温度測温抵抗体6の温度(Ta)より、或る一定値(Δ
Th=Th−Ta=150℃)だけ高くなるように各抵
抗21a,21bの値が設定され、制御回路16により
加熱電流が制御される。
抵抗21a,21bと共にブリッジ回路を形成し、その
端子12a,12cの電圧が制御回路16に入力され、
発熱抵抗体4の温度(Th)が空気温度に対応する空気
温度測温抵抗体6の温度(Ta)より、或る一定値(Δ
Th=Th−Ta=150℃)だけ高くなるように各抵
抗21a,21bの値が設定され、制御回路16により
加熱電流が制御される。
【0038】すなわち、発熱抵抗体4の温度が設定値よ
り低い場合には、制御回路16の出力によりトランジス
タ20がオンし、発熱抵抗体4に加熱電流が流れ、設定
温度より高くなるとトランジスタ20がオフし、これに
より発熱抵抗体4の温度が設定値を保つように制御され
る。
り低い場合には、制御回路16の出力によりトランジス
タ20がオンし、発熱抵抗体4に加熱電流が流れ、設定
温度より高くなるとトランジスタ20がオフし、これに
より発熱抵抗体4の温度が設定値を保つように制御され
る。
【0039】上流側測温抵抗体5a,5bと下流側測温
抵抗体5c,5dの温度差(抵抗値差)は、これらの抵
抗体により構成されたブリッジ回路の端子12g,12
eの電位差により検出される。
抵抗体5c,5dの温度差(抵抗値差)は、これらの抵
抗体により構成されたブリッジ回路の端子12g,12
eの電位差により検出される。
【0040】予め、空気流量がゼロの時にブリッジ回路
の端子12g,12eの電位が一致するように、調整抵
抗(図示せず)の抵抗値を調整するか、メモリ22に予
め空気流量がゼロの時の端子12g,12eの電位差を
記憶しておく。
の端子12g,12eの電位が一致するように、調整抵
抗(図示せず)の抵抗値を調整するか、メモリ22に予
め空気流量がゼロの時の端子12g,12eの電位差を
記憶しておく。
【0041】空気流量の計測は、予め空気流量(Q)と
ブリッジ回路の端子12g,12eの電位差との関係を
メモリ22にマップとして記憶しておき、端子12g,
12eの電位差及び大小関係から、空気流量(Q)の計
測値と流れ方向を判定して出力することができる。
ブリッジ回路の端子12g,12eの電位差との関係を
メモリ22にマップとして記憶しておき、端子12g,
12eの電位差及び大小関係から、空気流量(Q)の計
測値と流れ方向を判定して出力することができる。
【0042】本実施形態では、図示のブリッジ回路構成
を前提として、発熱抵抗体4と空気温度測温抵抗体6の
抵抗温度係数(α)が等しくなるように、これらを同じ
不純物濃度にした多結晶或いは単結晶のケイ素半導体薄
膜で形成してあり、これにより、発熱抵抗体4の温度
(Th)を設定(例えばΔTh=150℃)する際に必
要な各抵抗21a,21bの抵抗値が単純な比例関係に
なるので、これらの設定が容易で簡便にできる。
を前提として、発熱抵抗体4と空気温度測温抵抗体6の
抵抗温度係数(α)が等しくなるように、これらを同じ
不純物濃度にした多結晶或いは単結晶のケイ素半導体薄
膜で形成してあり、これにより、発熱抵抗体4の温度
(Th)を設定(例えばΔTh=150℃)する際に必
要な各抵抗21a,21bの抵抗値が単純な比例関係に
なるので、これらの設定が容易で簡便にできる。
【0043】本例では、4個の測温抵抗体5a,5b,
5c,5dを用い、温度差検出のためのブリッジ回路
を、上流側測温抵抗体5aと下流側測温抵抗体5cとの
直列接続の組と下流側測温抵抗体5dと上流側測温抵抗
体5bとの直列接続の組とを並列に組み合わせることで
構成し、このようにすることにより、端子12g,12
e間に生じる電位差が、一対の測温抵抗体からなるブリ
ッジ回路に比して、約2倍になりその結果、感度が上が
り、精度が向上する。
5c,5dを用い、温度差検出のためのブリッジ回路
を、上流側測温抵抗体5aと下流側測温抵抗体5cとの
直列接続の組と下流側測温抵抗体5dと上流側測温抵抗
体5bとの直列接続の組とを並列に組み合わせることで
構成し、このようにすることにより、端子12g,12
e間に生じる電位差が、一対の測温抵抗体からなるブリ
ッジ回路に比して、約2倍になりその結果、感度が上が
り、精度が向上する。
【0044】なお、空気流量(Q)の検出に際し、上流
側測温抵抗体5a,5bと下流側測温抵抗体5c,5d
の温度差を検出するのに加えて、発熱抵抗体4に流す加
熱電流(図6における端子12cの電位に相当)を乗算
して流量検出信号とすることも可能である。
側測温抵抗体5a,5bと下流側測温抵抗体5c,5d
の温度差を検出するのに加えて、発熱抵抗体4に流す加
熱電流(図6における端子12cの電位に相当)を乗算
して流量検出信号とすることも可能である。
【0045】次に、図7,図8,図9及び図10によ
り、本実施形態のセンサ素子1の空気流量計測特性につ
いて説明する。
り、本実施形態のセンサ素子1の空気流量計測特性につ
いて説明する。
【0046】図7は、センサ素子1の上流側測温抵抗体
5a,5bと下流側測温抵抗体5c,5dの温度差(Δ
T)と空気流量(Q)の関係を示したものである。空気
流量(Q)は600kg/hまでの流量範囲で空気流速
(v)に換算すると約50m/秒に対応する高流量範囲
になっている。
5a,5bと下流側測温抵抗体5c,5dの温度差(Δ
T)と空気流量(Q)の関係を示したものである。空気
流量(Q)は600kg/hまでの流量範囲で空気流速
(v)に換算すると約50m/秒に対応する高流量範囲
になっている。
【0047】図中の破線24,実線23および一点鎖線
25は、図2,図3で示したダイヤフラム幅(W)を各
々1mm,0.7mmおよび0.5mmとした例であ
る。ダイヤフラム3を形成する絶縁膜7b,7aの全厚
は1〜2μmで、抵抗体4及び5a〜5d、6の膜厚は
1〜2μmで、各抵抗体間の間隔および抵抗体5a〜5
dから空気流れ方向のダイヤフラムの縁(端部)までの
各間隔は5〜50μmである。上記の間隔が50μm以
上になると、ダイヤフラム部3の熱容量が大きくなり過
ぎ、また、ダイヤフラム部3上の温度分布勾配が必要以
上に小さくなり、センサの熱応答性が低下する。
25は、図2,図3で示したダイヤフラム幅(W)を各
々1mm,0.7mmおよび0.5mmとした例であ
る。ダイヤフラム3を形成する絶縁膜7b,7aの全厚
は1〜2μmで、抵抗体4及び5a〜5d、6の膜厚は
1〜2μmで、各抵抗体間の間隔および抵抗体5a〜5
dから空気流れ方向のダイヤフラムの縁(端部)までの
各間隔は5〜50μmである。上記の間隔が50μm以
上になると、ダイヤフラム部3の熱容量が大きくなり過
ぎ、また、ダイヤフラム部3上の温度分布勾配が必要以
上に小さくなり、センサの熱応答性が低下する。
【0048】ダイヤフラム幅(W)が1mmの破線24
は、低流量域では比較的感度が高くなっているが、空気
流量(Q)が600kg/h以下の流量にて出力(Δ
T)が飽和し、その後、出力が低下する傾向となり、十
分にダイナミックレンジが確保できていない。したがっ
て、この特性は、低流量の空気流量測定に用途が限定さ
れる。
は、低流量域では比較的感度が高くなっているが、空気
流量(Q)が600kg/h以下の流量にて出力(Δ
T)が飽和し、その後、出力が低下する傾向となり、十
分にダイナミックレンジが確保できていない。したがっ
て、この特性は、低流量の空気流量測定に用途が限定さ
れる。
【0049】一方、ダイヤフラム幅(W)が0.7mm
および0.5mmmの実線23および一点鎖線25で
は、空気流量(Q)が600kg/hまで飽和せずに単
調に増加し飽和することがなく広くダイナミックレンジ
が確保できている。
および0.5mmmの実線23および一点鎖線25で
は、空気流量(Q)が600kg/hまで飽和せずに単
調に増加し飽和することがなく広くダイナミックレンジ
が確保できている。
【0050】このように、ダイヤフラム幅(W)が0.
7mmを越え1mmの破線24では、発熱抵抗体4の上
流側測温抵抗体5a,5bは空気流量の増大とともに徐
々に冷却効果が増大し温度が低下する一方、下流側測温
抵抗体5c,5dでは発熱抵抗体4の熱影響で温度が上
昇すべきところが発熱抵抗体4から距離が離れることか
ら熱影響が無くなり温度が低下し、結果的に高流量領域
にて上下流の測温抵抗体の温度差(ΔT)出力が減少す
ることになる。
7mmを越え1mmの破線24では、発熱抵抗体4の上
流側測温抵抗体5a,5bは空気流量の増大とともに徐
々に冷却効果が増大し温度が低下する一方、下流側測温
抵抗体5c,5dでは発熱抵抗体4の熱影響で温度が上
昇すべきところが発熱抵抗体4から距離が離れることか
ら熱影響が無くなり温度が低下し、結果的に高流量領域
にて上下流の測温抵抗体の温度差(ΔT)出力が減少す
ることになる。
【0051】次に、図8に応答特性(立上がり特性)を
示す。図中の破線24、実線23および一点鎖線25
は、図7と同じ構成の熱式空気流量センサに対応してい
る。
示す。図中の破線24、実線23および一点鎖線25
は、図7と同じ構成の熱式空気流量センサに対応してい
る。
【0052】ダイヤフラム幅(W)が0.7mmmおよ
び0.5mmの実線23および一点鎖線25では、応答
速度が10mS以下の高速応答を示しているが、ダイヤ
フラム幅(W)が1mmの破線24では応答速度が急激
に低下している。
び0.5mmの実線23および一点鎖線25では、応答
速度が10mS以下の高速応答を示しているが、ダイヤ
フラム幅(W)が1mmの破線24では応答速度が急激
に低下している。
【0053】これは、ダイヤフラム幅(W)が大きくな
るにしたがい、ダイヤフラム部の体積が増大し熱容量も
大きくなるためで、結果的に発熱抵抗体4への通電開始
からダイヤフラム部を所定の温度に暖めるのに時間を要
することになる。
るにしたがい、ダイヤフラム部の体積が増大し熱容量も
大きくなるためで、結果的に発熱抵抗体4への通電開始
からダイヤフラム部を所定の温度に暖めるのに時間を要
することになる。
【0054】以上の図7および図8の結果から、空気流
量範囲のダイナミックレンジを確保し、且つ、応答速度
を高めるにはダイヤフラム幅(W)を0.7mm以下と
する必要があることが判明した。
量範囲のダイナミックレンジを確保し、且つ、応答速度
を高めるにはダイヤフラム幅(W)を0.7mm以下と
する必要があることが判明した。
【0055】図9に発熱抵抗体4の幅(Wh)と加熱通
電による発熱抵抗体4の抵抗経時変化(ΔR/R)の結
果を示した。発熱抵抗体4の加熱温度は250℃で約1
000時間通電後の抵抗値の経時変化を示している。
電による発熱抵抗体4の抵抗経時変化(ΔR/R)の結
果を示した。発熱抵抗体4の加熱温度は250℃で約1
000時間通電後の抵抗値の経時変化を示している。
【0056】発熱抵抗体4の抵抗経時変化が大きくなる
と、発熱抵抗体4と空気温度測温抵抗体6で構成するブ
リッジ回路の平衡状態が通電初期よりも変化する。この
ため、時間の経過とともに加熱温度が変化することにな
り、結果として上下流の測温抵抗体の温度差(ΔT)出
力が変わり計測精度の劣化となる。
と、発熱抵抗体4と空気温度測温抵抗体6で構成するブ
リッジ回路の平衡状態が通電初期よりも変化する。この
ため、時間の経過とともに加熱温度が変化することにな
り、結果として上下流の測温抵抗体の温度差(ΔT)出
力が変わり計測精度の劣化となる。
【0057】図に見るように、発熱抵抗体4の幅(W
h)が0.1mmより小さくなると急激に発熱抵抗体4
の抵抗経時変化(ΔR/R)が増大している。
h)が0.1mmより小さくなると急激に発熱抵抗体4
の抵抗経時変化(ΔR/R)が増大している。
【0058】これは、発熱抵抗体4の幅(Wh)が小さ
くなるに従い、加熱電流の電流密度が増大し、発熱抵抗
体内部の単位面積当たりの発熱量が増大すること、ま
た、発熱抵抗体4の幅(Wh)内の温度分布が不均一に
なり等価的に局所的に温度上昇することから、発熱抵抗
体4の膜質の変化或いは不純物が拡散する等の原因と考
えられる。
くなるに従い、加熱電流の電流密度が増大し、発熱抵抗
体内部の単位面積当たりの発熱量が増大すること、ま
た、発熱抵抗体4の幅(Wh)内の温度分布が不均一に
なり等価的に局所的に温度上昇することから、発熱抵抗
体4の膜質の変化或いは不純物が拡散する等の原因と考
えられる。
【0059】この結果から、長時間にわたって信頼性を
確保するには、加熱抵抗体4の幅(Wh)として0.1
mm以上とする必要があることがわかった。
確保するには、加熱抵抗体4の幅(Wh)として0.1
mm以上とする必要があることがわかった。
【0060】図10には、測温抵抗体5a,5b,5
c,5dの敷設幅(Ws)と図7に示した温度差(Δ
T)―空気流量(Q)特性曲線の高流量域の傾き(ΔT
/ΔQ)の関係を示したものである。
c,5dの敷設幅(Ws)と図7に示した温度差(Δ
T)―空気流量(Q)特性曲線の高流量域の傾き(ΔT
/ΔQ)の関係を示したものである。
【0061】この傾き(ΔT/ΔQ)は、流量センサと
しての流量感度を表すパラメータであり、大きい値が要
求される。図から、測温抵抗体の幅(Ws)が0.2m
mを越えると、流量感度(ΔT/ΔQ)が急激に低下し
始める。
しての流量感度を表すパラメータであり、大きい値が要
求される。図から、測温抵抗体の幅(Ws)が0.2m
mを越えると、流量感度(ΔT/ΔQ)が急激に低下し
始める。
【0062】これは、測温抵抗体の敷設幅(Ws)が増
大すると、測温抵抗体の敷設幅(Ws)を小さくした場
合よりも、測温抵抗体は、ダイヤフラム部3上の温度分
布(図2の破線イ,1点鎖線ロで示す)における温度が
低い方の領域にまでかかることになり(換言すれば、敷
設幅の一端が発熱抵抗体から遠ざかる)ので、特に下流
側の測温抵抗体5c,5dは、その分だけ発熱抵抗体4
からの熱影響が無くなり、結果的に高流量域にて測温感
度が低下し上下流の測温抵抗体の温度差(ΔT)出力が
減少することになるためである。なお、図2の温度分布
イは、空気流のゼロの状態の場合、温度分布ロは空気流
がある場合である。
大すると、測温抵抗体の敷設幅(Ws)を小さくした場
合よりも、測温抵抗体は、ダイヤフラム部3上の温度分
布(図2の破線イ,1点鎖線ロで示す)における温度が
低い方の領域にまでかかることになり(換言すれば、敷
設幅の一端が発熱抵抗体から遠ざかる)ので、特に下流
側の測温抵抗体5c,5dは、その分だけ発熱抵抗体4
からの熱影響が無くなり、結果的に高流量域にて測温感
度が低下し上下流の測温抵抗体の温度差(ΔT)出力が
減少することになるためである。なお、図2の温度分布
イは、空気流のゼロの状態の場合、温度分布ロは空気流
がある場合である。
【0063】また、測温抵抗体の幅(Ws)が0.1m
m以下では、発熱抵抗体4に比較して大きな抵抗値とす
る必要がある測温抵抗体パターンを有効に形成する領域
が確保できなくなる。発熱抵抗体4の抵抗値としては、
50〜1000Ωの範囲で、測温抵抗体の抵抗値として
は、1k〜30kΩの範囲とする必要がある。
m以下では、発熱抵抗体4に比較して大きな抵抗値とす
る必要がある測温抵抗体パターンを有効に形成する領域
が確保できなくなる。発熱抵抗体4の抵抗値としては、
50〜1000Ωの範囲で、測温抵抗体の抵抗値として
は、1k〜30kΩの範囲とする必要がある。
【0064】以上の結果から、測温抵抗体の幅(Ws)
としては0.1〜0.2mmが最も適切な値であること
が分かる。
としては0.1〜0.2mmが最も適切な値であること
が分かる。
【0065】本発明は、上記知見にしたがってW,W
h,Wsを構成することにより、内燃機関のような広範囲
のダイナミックレンジが要求される熱式空気流量センサ
においても、従来のように大流量計測部と小流量計測部
といったそれぞれ別の測温抵抗体や発熱抵抗体を用意す
ることなく、一つの流量計測部によって、高速応答で且
つ信頼性の高い熱式空気流量センサを実現することがで
きた。
h,Wsを構成することにより、内燃機関のような広範囲
のダイナミックレンジが要求される熱式空気流量センサ
においても、従来のように大流量計測部と小流量計測部
といったそれぞれ別の測温抵抗体や発熱抵抗体を用意す
ることなく、一つの流量計測部によって、高速応答で且
つ信頼性の高い熱式空気流量センサを実現することがで
きた。
【0066】以上の実施例では、発熱抵抗体4のパター
ン形状としては一直線のI上パターンとしていたが、図
11(a),(b),(c)および(d)に示すような
パターン形状であっても本発明の効果に変わりはない。
ン形状としては一直線のI上パターンとしていたが、図
11(a),(b),(c)および(d)に示すような
パターン形状であっても本発明の効果に変わりはない。
【0067】単結晶ケイ素基板2の表面を熱酸化或いは
CVD等の方法により、例えば約0.4〜1μmの厚さ
の二酸化ケイ素層と窒化ケイ素層の積層膜を形成する。
これは電気絶縁膜7aとなる。
CVD等の方法により、例えば約0.4〜1μmの厚さ
の二酸化ケイ素層と窒化ケイ素層の積層膜を形成する。
これは電気絶縁膜7aとなる。
【0068】次いで抵抗体となる多結晶ケイ素膜を同じ
くCVD等の方法により、約1〜2μmの所定の厚さに
形成する。次に、この抵抗体形成用の半導体薄膜に、熱
拡散又はイオン打ち込みなどの方法により不純物拡散を
行なう。
くCVD等の方法により、約1〜2μmの所定の厚さに
形成する。次に、この抵抗体形成用の半導体薄膜に、熱
拡散又はイオン打ち込みなどの方法により不純物拡散を
行なう。
【0069】次に、公知のホトリソグラフィ技術により
所定の形状にレジストを形成した後、反応性イオンエッ
チングなどの方法により、半導体薄膜をパターニング
し、各抵抗体4,5a,5b,5c,6と配線接続部1
1(11a,11b,11c,11d,11e,11
f,11g,11h,11i,11j,11k,11
l)を得る。
所定の形状にレジストを形成した後、反応性イオンエッ
チングなどの方法により、半導体薄膜をパターニング
し、各抵抗体4,5a,5b,5c,6と配線接続部1
1(11a,11b,11c,11d,11e,11
f,11g,11h,11i,11j,11k,11
l)を得る。
【0070】次いで後工程として、CVD等の方法によ
り、例えば約0.4〜1μmの厚さの二酸化ケイ素層と
窒化ケイ素層の積層膜を形成する。これは保護膜7bと
なる。
り、例えば約0.4〜1μmの厚さの二酸化ケイ素層と
窒化ケイ素層の積層膜を形成する。これは保護膜7bと
なる。
【0071】ここで、電気絶縁膜7aおよび保護膜7b
の材質としては、熱膨張係数が単結晶ケイ素の半導体基
板2の1/10である二酸化ケイ素の層と、熱膨張係数
が半導体基板2より若干大きい窒化ケイ素の層による多
層構成とし、熱膨張係数のマッチングを図った構成とす
ることもでき、これによれば、温度変化による半導体基
板2と保護膜8b間の熱応力が低減できるので、強度の
向上を更に図ることができる。
の材質としては、熱膨張係数が単結晶ケイ素の半導体基
板2の1/10である二酸化ケイ素の層と、熱膨張係数
が半導体基板2より若干大きい窒化ケイ素の層による多
層構成とし、熱膨張係数のマッチングを図った構成とす
ることもでき、これによれば、温度変化による半導体基
板2と保護膜8b間の熱応力が低減できるので、強度の
向上を更に図ることができる。
【0072】次に、外部回路と接続のための端子電極部
12(12a,12b,12c,12d,12e,12
f,12g,12h)となる部分の保護膜8bを除去
し、アルミニウム、金などにより端子電極12を形成す
る。
12(12a,12b,12c,12d,12e,12
f,12g,12h)となる部分の保護膜8bを除去
し、アルミニウム、金などにより端子電極12を形成す
る。
【0073】ここで、配線接続部11も、単結晶ケイ素
半導体薄膜とアルミニウム,金などの金属膜による多層
膜構成にしてもよい。
半導体薄膜とアルミニウム,金などの金属膜による多層
膜構成にしてもよい。
【0074】最終工程では、半導体基板2の裏面にエッ
チング用のマスク材を所定の形状にパターニングし、水
酸化カリウム(KOH)などのエッチング液を用いて異
方性エッチングして空洞部8を形成してやれば、この実
施形態による熱式空気流量のセンサ素子1が完成するこ
とになる。
チング用のマスク材を所定の形状にパターニングし、水
酸化カリウム(KOH)などのエッチング液を用いて異
方性エッチングして空洞部8を形成してやれば、この実
施形態による熱式空気流量のセンサ素子1が完成するこ
とになる。
【0075】ところで、この実施形態では、図6に示さ
れているように、発熱抵抗体4と空気温度測温抵抗体7
は、一方の端子が直接接続される。
れているように、発熱抵抗体4と空気温度測温抵抗体7
は、一方の端子が直接接続される。
【0076】また、ダイヤフラム部3上の上流,下流の
温度分布測定用の測温抵抗体5a,5b,5c,5d
も、ブリッジ回路を形成しているので、相互に直接接続
されている端子がある。
温度分布測定用の測温抵抗体5a,5b,5c,5d
も、ブリッジ回路を形成しているので、相互に直接接続
されている端子がある。
【0077】そこで、この実施形態では、図1に示され
るように、各抵抗体が直接接続される部分の配線接続部
11については、センサ素子1内で共通にして端子電極
12を設けるようにしている。
るように、各抵抗体が直接接続される部分の配線接続部
11については、センサ素子1内で共通にして端子電極
12を設けるようにしている。
【0078】具体的には、図1の通りで、端子電極部1
2hは、発熱抵抗体4の一方の配線接続部11lと空気
温度測温抵抗体6の一方の配線接続部11bとの共通の
+電源端子としている。
2hは、発熱抵抗体4の一方の配線接続部11lと空気
温度測温抵抗体6の一方の配線接続部11bとの共通の
+電源端子としている。
【0079】上流側測温抵抗体5aの一方の配線接続部
11dと下流側測温抵抗体5cの一方の配線接続部11
kとは直列に接続され、配線接続部11dと配線接続部
11kの間が電位取り出し用の電極12gになってい
る。
11dと下流側測温抵抗体5cの一方の配線接続部11
kとは直列に接続され、配線接続部11dと配線接続部
11kの間が電位取り出し用の電極12gになってい
る。
【0080】端子電極12fは、下流側測温抵抗体5c
の他方の配線接続部11jと上流側測温抵抗体5bの配
線接続部11eの共通−電源端子になっている。
の他方の配線接続部11jと上流側測温抵抗体5bの配
線接続部11eの共通−電源端子になっている。
【0081】上流測温抵抗体5bの他方の配線接続部1
1fと下流側抵抗体5dの一方の配線接続部11iは直
列に接続され、その接続部12eが電位検出用の端子電
極部となっている。
1fと下流側抵抗体5dの一方の配線接続部11iは直
列に接続され、その接続部12eが電位検出用の端子電
極部となっている。
【0082】したがって、この実施形態によれば端子電
極の共通化が図られ、端子電極の数が減少することか
ら、センサ素子1のチップ面積を小さくでき、基板当た
りのチップ取り数が多くなることと、外部回路との接続
のためのワイヤボンディングなどの工数が低減できるこ
とにより、低コスト化が図れる。
極の共通化が図られ、端子電極の数が減少することか
ら、センサ素子1のチップ面積を小さくでき、基板当た
りのチップ取り数が多くなることと、外部回路との接続
のためのワイヤボンディングなどの工数が低減できるこ
とにより、低コスト化が図れる。
【0083】ところで、以上は、各抵抗体を多結晶ケイ
素半導体薄膜で形成した場合の実施形態について説明し
たが、本発明は、各抵抗体を単結晶ケイ素半導体薄膜で
形成しても、或いは白金などの金属材料で各抵抗体を形
成してもよく、いずれの実施形態によっても、同様の効
果を得ることができる。
素半導体薄膜で形成した場合の実施形態について説明し
たが、本発明は、各抵抗体を単結晶ケイ素半導体薄膜で
形成しても、或いは白金などの金属材料で各抵抗体を形
成してもよく、いずれの実施形態によっても、同様の効
果を得ることができる。
【0084】また、上記実施形態では、発熱抵抗体4の
上下流に2対の測温抵抗体5a,5b,5c,5dを配
した場合について説明したが、1対の測温抵抗体を配し
た実施形態によってもよく、この場合も同様の効果を得
ることができる。
上下流に2対の測温抵抗体5a,5b,5c,5dを配
した場合について説明したが、1対の測温抵抗体を配し
た実施形態によってもよく、この場合も同様の効果を得
ることができる。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、半導体基板の空洞を電
気絶縁膜により全面を一様に覆う構成にし、且つ、ダイ
ヤフラム、発熱抵抗体及び上下流の測温抵抗体の配置を
最適な構造にすることにより、計測流速範囲(ダイナミ
ックレンジ)が広く、高速応答で且つ信頼性の高い温度
差方式の熱式空気流量計を実現でき、特に内燃機関用に
好適な熱式空気流量センサと、これを用いた内燃機関制
御装置を提供することができる。
気絶縁膜により全面を一様に覆う構成にし、且つ、ダイ
ヤフラム、発熱抵抗体及び上下流の測温抵抗体の配置を
最適な構造にすることにより、計測流速範囲(ダイナミ
ックレンジ)が広く、高速応答で且つ信頼性の高い温度
差方式の熱式空気流量計を実現でき、特に内燃機関用に
好適な熱式空気流量センサと、これを用いた内燃機関制
御装置を提供することができる。
【図1】本発明の一実施形態における熱式空気流量セン
サの素子を示す平面図。
サの素子を示す平面図。
【図2】図1のA―A′線断面図。
【図3】図1の部分拡大図
【図4】上記熱式空気流量センサの実装状態の一例を示
す説明図。
す説明図。
【図5】上記センサ素子の実装状態の一例を示す説明
図。
図。
【図6】本発明の一実施形態における熱式空気流量セン
サの回路構成図。
サの回路構成図。
【図7】上記実施形態におけるセンサ素子の上流側測温
抵抗体と下流側測温抵抗体の温度差(ΔT)と空気流量
(Q)の関係を示す特性線図。
抵抗体と下流側測温抵抗体の温度差(ΔT)と空気流量
(Q)の関係を示す特性線図。
【図8】上記実施形態におけるセンサ素子のダイヤフラ
ム幅(W)の効果を説明するための立ち上がり時間特性
図。
ム幅(W)の効果を説明するための立ち上がり時間特性
図。
【図9】上記実施形態におけるセンサ素子の発熱抵抗体
の幅(Wh)の効果を説明するための抵抗経時変化の特
性図。
の幅(Wh)の効果を説明するための抵抗経時変化の特
性図。
【図10】上記実施形態におけるセンサ素子の測温抵抗
体の敷設幅(Ws)の効果を説明するための流量感度特
性図。
体の敷設幅(Ws)の効果を説明するための流量感度特
性図。
【図11】本発明に適用される発熱抵抗体の他の例を示
す平面図。
す平面図。
1…センサ素子、2…半導体基板、3…ダイヤフラム
部、4…発熱抵抗体、5a,5b…上流側測温抵抗体、
5c,5d…下流側測温抵抗体、6…空気温度測温抵抗
体、7a…電気絶縁膜、7b…保護膜、8…空洞部、9
…空気流。
部、4…発熱抵抗体、5a,5b…上流側測温抵抗体、
5c,5d…下流側測温抵抗体、6…空気温度測温抵抗
体、7a…電気絶縁膜、7b…保護膜、8…空洞部、9
…空気流。
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 泉 茨城県ひたちなか市高場2477番地 株式会 社日立カーエンジニアリング内 (72)発明者 中田 圭一 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器グループ内 Fターム(参考) 2F035 EA05 EA08 EA09
Claims (5)
- 【請求項1】 半導体基板に空洞部と該空洞部を覆う電
気絶縁膜よりなるダイヤフラム部を形成し、このダイヤ
フラムに発熱抵抗体とこの発熱抵抗体の熱的影響を受け
る測温抵抗体とを形成し、前記測温抵抗体は前記発熱抵
抗体を挟んで空気流の上流側と下流側に配置され、少な
くともこの上流側と下流側の測温抵抗体の温度差に基づ
き空気流量を計測する熱式空気流量センサであって、 前記ダイヤフラムは、空気流れ方向の幅(W)が0.7
mm以下で、前記発熱抵抗体は、空気流れ方向の幅(W
h)が0.1mm以上で、且つ、前記上流側,下流側の
各測温抵抗体は、空気流れ方向の敷設幅(Ws)が0.
1〜0.2mmの範囲で構成されていることを特徴とす
る熱式空気流量センサ。 - 【請求項2】 前記発熱抵抗体と前記測温抵抗体との空
気流れ方向の間隔、及び前記測温抵抗体と前記ダイヤフ
ラム部の端部との空気流れ方向の間隔は、5〜50μm
の範囲で構成されている請求項1記載の熱式空気流量セ
ンサ。 - 【請求項3】 前記発熱抵抗体と前記測温抵抗体が、そ
れぞれの接続配線部含めて不純物ドープした多結晶又は
単結晶の半導体膜で構成されている請求項1又は2記載
の熱式空気流量センサ。 - 【請求項4】 前記半導体基板には、前記ダイヤフラム
部から外れた位置の電気絶縁膜上に空気温度測温抵抗体
が形成され、前記発熱抵抗体と前記空気温度測温抵抗体
とがブリッジ回路に組み込まれ、このブリッジ回路は、
前記発熱抵抗体に流れる加熱電流を前記空気温度測温抵
抗体に対して所定の温度差を保つように制御する電流制
御回路と接続され、 一方、前記上流側,下流側の各測温抵抗体は、それぞれ
2個用いられ、これらの測温抵抗体によって、前記ダイ
ヤフラム部における電気絶縁膜上の上流,下流の温度差
を検出可能なもう一つのブリッジ回路が形成されている
請求項1から3のいずれか1項記載の熱式空気流量セン
サ。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱
式空気流量センサを用いて内燃機関の吸入空気量を計測
し、この計測値に基づき内燃機関の燃料噴射量を制御す
るように構成したことを特徴とする内燃機関制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000244032A JP2002048616A (ja) | 2000-08-07 | 2000-08-07 | 熱式空気流量センサ及び内燃機関制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000244032A JP2002048616A (ja) | 2000-08-07 | 2000-08-07 | 熱式空気流量センサ及び内燃機関制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002048616A true JP2002048616A (ja) | 2002-02-15 |
Family
ID=18734781
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000244032A Pending JP2002048616A (ja) | 2000-08-07 | 2000-08-07 | 熱式空気流量センサ及び内燃機関制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002048616A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004106863A1 (ja) * | 2003-05-30 | 2004-12-09 | Hitachi, Ltd. | 熱式流量センサ |
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JP2007024589A (ja) * | 2005-07-13 | 2007-02-01 | Hitachi Ltd | 気体流量計測装置 |
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KR100974515B1 (ko) * | 2002-05-29 | 2010-08-10 | 씨케이디 가부시키 가이샤 | 열식 유량계 |
DE102010044110A1 (de) | 2009-12-18 | 2011-06-22 | DENSO CORPORATION, Aichi-pref. | Luftstrommessvorrichtung |
WO2011125923A1 (ja) | 2010-04-01 | 2011-10-13 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 熱式流量センサ |
CN113811744A (zh) * | 2019-06-17 | 2021-12-17 | 日立安斯泰莫株式会社 | 热式传感器装置 |
-
2000
- 2000-08-07 JP JP2000244032A patent/JP2002048616A/ja active Pending
Cited By (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7270000B2 (en) | 2004-09-28 | 2007-09-18 | Hitachi, Ltd. | Fluid flow sensor and fluid flow measurement device |
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US8069718B2 (en) | 2007-05-16 | 2011-12-06 | Hitachi, Ltd. | Thermal flowmeter |
DE102010044110A1 (de) | 2009-12-18 | 2011-06-22 | DENSO CORPORATION, Aichi-pref. | Luftstrommessvorrichtung |
WO2011125923A1 (ja) | 2010-04-01 | 2011-10-13 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 熱式流量センサ |
CN102822641A (zh) * | 2010-04-01 | 2012-12-12 | 日立汽车系统株式会社 | 热式流量传感器 |
US8935959B2 (en) | 2010-04-01 | 2015-01-20 | Hitachi Automotive Systems, Ltd. | Thermal type flow rate sensor |
CN102822641B (zh) * | 2010-04-01 | 2016-05-18 | 日立汽车系统株式会社 | 热式流量传感器 |
CN113811744A (zh) * | 2019-06-17 | 2021-12-17 | 日立安斯泰莫株式会社 | 热式传感器装置 |
CN113811744B (zh) * | 2019-06-17 | 2024-05-07 | 日立安斯泰莫株式会社 | 热式传感器装置 |
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Legal Events
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050304 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050315 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050516 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050614 |