JP4526766B2 - 半導体センサ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体からなる抵抗体を用いて所定の物理量を感知する半導体センサ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
流体の流路に配置された発熱体を発熱制御する際、発熱体の生ずる熱が同発熱体付近を流通する流体によって奪われることを利用して流体の流量を検出する熱式のフローメータが周知である。すなわち、このフローメータでは、発熱体の生じる熱のうち流体によって奪われる熱量が流体の流量が多いほど増加することに着目し、流体によって奪われる熱量に基づき発熱体付近の流体の流量を検出するようにしている。
【0003】
具体的には、例えば、感温体を通じて感知される発熱体の近傍の温度を所定の温度に維持するように上記発熱体へ供給する電力量を制御するとともに、上記発熱体の熱のうち流体によって奪われた熱量の指標としての同発熱体に供給される電力量等に基づいて流体の流量を検出する。また、例えば、発熱体を所定の温度に制御するとともに、上記発熱体の熱のうち流体によって奪われた熱量の指標としての同発熱体の付近の温度を感温体を通じて感知することで流体の流量を検出する。なおこの感温体は、抵抗体として構成されるとともに自身の抵抗値の変化を利用して温度を感知するものであることが多い。
【0004】
こうしたフローメータに備えられるフローセンサは、通常、半導体プロセスによって製造される。ただし、このように半導体プロセスを用いる場合、上記発熱体や感温体を例えば白金(Pt)等を用いて製造すると、同半導体プロセスにおいては汚染となるという問題があった。
【0005】
そこで従来は、例えば下記特許文献13に見られるように、上記発熱体や感温体と当該フローセンサの外部端子とを接続するリード部等を金属で形成する他に、下記特許文献2に見られるように、上記発熱体や感温体、更にはこれらと当該フローセンサの外部端子とを接続するリード部等を多結晶シリコンや単結晶シリコン等の半導体にて形成することも提案されている。
【0006】
ところで、シリコンを用いて上記発熱体や感温体、リード部等を形成する場合、金属を用いて形成された場合と比較して抵抗率が高くなる。すなわち、通常の製造プロセス温度における固溶度程度の濃度(「1ラ1020cmッ」)の不純物をドーピングするようにしたときのシリコンの抵抗率は、「1ラ10−3ル・cm」程度であるのに対し、白金(Pt)の抵抗率は、「1ラ10−5ル・cm」程度である。
【0007】
ここで、フローセンサの感知精度を好適に確保する上では、またフローセンサの消費電力を抑制する上では、上記リード部の抵抗値を極力低下させることが望ましい。これは、リード部が、上記発熱体や感温体と、これらの感知結果に基づき検出信号を生成する信号生成回路との間で信号を伝搬させる経路に過ぎないためである。
【0008】
しかし、フローセンサでは、流体の流通状態を乱さないために、上記発熱体及び感温体が形成されている領域とフローセンサの外部端子が形成されている領域とを、ある程度離間させることが望まれる。このため、リード部の電流の流通方向の長さを短縮することによって同リード部の抵抗値を低下させることには限界がある。
【0009】
これに対し、例えば特許文献では、上記発熱体や感温体、リード部を構成するシリコン薄膜の膜厚を「1〜2μm」とすることも提案されている。このように、膜厚を厚くすることで、シリコンを用いた場合であれ、その抵抗値を好適に低減させることができる。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−71416号公報
【特許文献2】
特開2002−48616号公報
【特許文献3】
特開2001―12985号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記発熱体や感温体、リード部等を構成するシリコン薄膜の膜厚を厚くする場合には、これらを保護すべくその上面に形成される保護膜の上面の段差も大きなものとなる。そして、このように大きな段差を有する場合には、流体の流通状態を乱しやすくなり、その結果、流量検出精度が低下するという問題がある。
【0012】
また、図10に示すように、発熱体Hや感温体Tを覆う保護膜PFMの上面に大きな段差を有する場合には、この保護膜PFM表面にゴミGが付着しやすくなる。そして、保護膜PFM上にゴミGが付着すると、フローセンサの熱容量や熱伝導特性が変化し、流量の感知精度が低下するおそれがある。
【0013】
なお、上記フローセンサに限らず、例えばガスセンサ等、半導体からなる抵抗体を用いて所定の物理量を感知する半導体センサにあっては、その上面の段差が大きくなることに起因して感知精度の低下が懸念されるこうした実情も概ね共通したものとなっている。
【0014】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、半導体からなる抵抗体を用いて所定の物理量を感知するに際して、その感知精度を好適に確保することのできる半導体センサ及びその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
こうした目的を達成すべく、請求項1記載の半導体センサでは、発熱体と、該発熱体の近傍の温度を感知する感温体と、発熱体および感温体と接続してこれに電流を供給する配線であるリード部とが共に半導体膜にて形成されるフローセンサにおいて、半導体膜、少なくとも発熱体と感温を構成する領域を局所的に薄膜化し、発熱体感温体とが流体の流通方向に投影される領域を更に局所的に薄膜化した。これにより、抵抗体近傍の段差を好適に抑制することができる。また、特にこうした半導体センサにあっては、通常、抵抗体やリード部が保護膜で覆われているが、この保護膜のうち抵抗体に対応する部分の近傍における段差を好適に抑制することができる。したがって、その感知精度を好適に確保することができるようになる。また、これにより、こうした発熱体感温体とが流体の流通方向に投影される領域領域において保護膜の段差を好適に抑制することができるため、流体の流通が乱されることを抑制することができる。したがって、その感知精度をいっそう好適に確保することができるようになる。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる半導体センサを車載用内燃機関の吸入空気量を検出するフローメータに適用した第1の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0027】
図1に、上記フローメータFMの回路構成を示す。同図1に示されるように、このフローメータFMは、熱式のフローセンサFSと、該フローセンサFSの感知結果に基づき電気信号を生成する信号生成回路SGとを備えている。
【0028】
ここで、フローセンサFSは、上流側ヒータRhaと下流側ヒータRhbと、当該フローメータFMの環境温度を感知する上流側温度計Rkaと下流側温度計Rkbとを備えている。
【0029】
本実施形態においては、これら上流側ヒータRhaと下流側ヒータRhbは、発熱体であるとともに自身の温度を感知する感温体としても機能する。すなわち、これら上流側ヒータRhaと下流側ヒータRhbは、電流の供給によって発熱する抵抗体としての機能に加えて、同抵抗体の抵抗値の変化に基づいて自身の温度をも感知するものである。そして、フローセンサFSでは、上流側ヒータRhaと下流側ヒータRhbとの生じる熱のうち流体によって奪われる熱に基づき流体の流量を感知する。また、フローセンサFSでは、上流側ヒータRhaと下流側ヒータRhbとのそれぞれの生じる熱のうち流体によって奪われる熱量の差に基づき、流体の流通方向を感知する。
【0030】
一方、信号生成回路SGは、上記フローセンサFSによる流体の流量及び流体の流通方向の感知結果に応じた検出信号を生成する。詳しくは、上流側ヒータRha及び上流側温度計Rkaの温度差と、下流側ヒータRhb及び下流側温度計Rkbの温度差とをそれぞれ所定値(例えば「200℃」)とするように、フローセンサFSへ供給する電流を制御する。そして、このフローセンサFSで消費される電力に基づき上記流体の流量及び流体の流通方向に応じた検出信号を生成する。
【0031】
ここで、上記フローセンサFS及び信号生成回路SGを備えるフローメータFMの具体的な回路構成について更に説明する。
フローメータFMは、吸気通路の上流側に対応した上流側ホィーストンブリッジUHBと、吸気通路の下流側に対応した下流側ホィーストンブリッジDHBとを備えている。
【0032】
ここで、上流側ホィーストンブリッジUHBは、上流側ヒータRhaから抵抗R1aへと、また、上流側温度計Rkaから抵抗R2aへとそれぞれ電流が流れる態様にて、上流側ヒータRha及び抵抗R1aと上流側温度計Rka及び抵抗R2aとが並列接続された回路である。そして、上流側ヒータRhaと上流側温度計Rkaとの接続点PaにトランジスタUTを介してバッテリBから電流が供給される。そして、上流側ヒータRhaでの電圧降下と上流側温度計Rkaでの電圧降下とは差動増幅回路UOPに取り込まれる。そして、この差動増幅回路UOPにより、これら2つの電圧降下を等しくすべく、換言すればブリッジの平衡条件を成立させるべく、これらの電圧降下の差に応じてトランジスタUTが制御される。
【0033】
ここで、上流側ホィーストンブリッジUHBは、平衡条件が成立したときに、上流側ヒータRhaの温度が上流側温度計Rkaの温度よりも上記所定値だけ高くなるように設定されている。なお、環境温度にかかわらず、上流側ヒータRhaの温度が上流側温度計Rkaの温度よりも上記所定値だけ高くなるときに上記平衡条件が成立するようにすべく、これら上流側ヒータRhaと上流側温度計Rkaとは、抵抗温度係数が互いに等しく設定されている。
【0034】
一方、下流側ホィーストンブリッジDHBは、下流側ヒータRhbから抵抗R1bへと、また、下流側温度計Rkbから抵抗R2bへとそれぞれ電流が流れる態様にて、下流側ヒータRhb及び抵抗R1bと下流側温度計Rkb及び抵抗R2bとが並列接続された回路である。この下流側ホィーストンブリッジDHBも、上流側ホィーストンブリッジUHBと同様、平衡条件を成立させるべく、トランジスタDT及び差動増幅回路DOPを備えている。なお、この下流側ホィーストンブリッジDHBの構成は、上流側ホィーストンブリッジUHBの構成と同様であるため、その説明を割愛する。
【0035】
これら上流側ホィーストンブリッジUHBの上流側ヒータRhaでの電圧降下と、下流側ホィーストンブリッジDHBの下流側ヒータRhbでの電圧降下とは、差動増幅回路COPに取り込まれる。そして、これら2つの電圧降下の差に応じた信号が差動増幅回路COPにて生成され、増幅回路ACによって増幅された後、信号生成回路SGの端子P7を介して外部に出力される。この端子P7を介して出力される検出信号が流体の流量及び流通方向の検出信号である。
【0036】
図2に、上記フローセンサFSの構成を示す。このフローセンサFSは、半導体基板10を備えて構成されている。そして、半導体基板10上に積層されているシリコン酸化膜20上には、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhb、上流側温度計Rkaや下流側温度計Rkbが形成されている。そして、これら上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhb、上流側温度計Rka、下流側温度計Rkbは、リード部L1〜L6を介して、先の図1に示した信号生成回路SGとの接続端子となるパッドP1〜P6と接続されている。
【0037】
ちなみに、半導体基板10は、空洞部Hを有する。詳しくは、半導体基板10は、その裏面側において図2に1点鎖線にて示す矩形状の領域が開口されているとともに、この開口面積が半導体基板10の上面側へ行くほど縮小され、同半導体基板10の上面では図2に破線にて示されるような矩形状の領域となっている。
【0038】
このように空洞部Hを有するために、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbは、フローセンサFSのうち、半導体基板10の空洞部Hを架橋するようにして形成されている薄膜部MBに備えられることとなる。この薄膜部MBは、フローセンサFSの他の箇所と比べてその膜厚が薄く形成されているために、熱容量が低く抑えられ、また、フローセンサFSの他の箇所との熱的な絶縁が図られている。
【0039】
次に、上記フローメータFMが車載内燃機関の吸気通路に配置された際の状態について説明する。
図3(a)に示すように、吸気通路IMFには、同吸気通路IMF内を流通する流体の一部が取り込まれ、この取り込まれた流体を所定に流通させる流路部材FPが取り付けられている。そして、この流路部材FPには、上記フローセンサFSが取り付けられている。一方、吸気通路IMFの外側には、信号生成回路SGが配置されている。そして、フローセンサFSと信号生成回路SGとは、流路部材FP内に収納されている配線(図示略)によって接続されている。
【0040】
なお、図3(a)に示すように、フローセンサFSの薄膜部MBは、上述した上流側ヒータRha及び上流側温度計Rkaが、下流側ヒータRhb及び下流側温度計Rkbよりもエアクリーナ側になるように配置されている。
【0041】
図3(b)に、流路部材FPへのフローセンサFSの取り付け状態を拡大してしめす。同図3(b)に示されるように、フローセンサFSは、その表面が露出されつつも、その側面及び裏面が流路部材FPの収容部pによって保護されている。また、フローセンサFSの表面についても、先の図2に示したパッドP1〜P6の近傍の部分は、流路部材FPの支持部hpによって覆われている。
【0042】
次に、上記フローセンサFSのうち、特に上記薄膜部MBについて更に説明する。
図4に、フローセンサFSのうち薄膜部MB近傍の断面構成を示す。この図4は、先の図2のA−A断面を示している。同図4に示すように、シリコンからなる半導体基板10には、上記シリコン酸化膜20が形成されている。そして、シリコン酸化膜20上には、上流側ヒータRha、下流側ヒータRhb、リード部L2、L5、上流側温度計Rkaがそれぞれ形成されている。そして、これら上流側ヒータRhaや、下流側ヒータRhb、リード部L2、L5、上流側温度計Rka、下流側温度計Rkbを覆う保護膜として、シリコン窒化膜40が積層されている。ちなみに、上記シリコン酸化膜20やシリコン窒化膜40は、空洞部Hを含めて半導体基板10の上方の略全ての領域に積層形成されている。更に、シリコン窒化膜40には、リード部L5に対応してコンタクトホール41が形成されており、このコンタクトホール41にパッドP5が形成されている。
【0043】
ここで、上流側ヒータRhaや、下流側ヒータRhb、上流側温度計Rka、下流側温度計Rkb、リード部L1〜L6は全てシリコンからなる半導体膜にて形成されている。そして、図4に示されるように、この半導体膜のうち、上流側ヒータRhaや、下流側ヒータRhbを構成する領域が局所的に薄膜化されている。
【0044】
詳しくは、先の図2に示すように、半導体膜のうち、フローセンサFSの先端側の領域については全て局所的に薄膜化されている。このため、リード部L2、L5についてもフローセンサFSの先端側は局所的に薄膜化されることとなる。これにより、流体の流通方向に上流側ヒータRhaと下流側ヒータRhbとが投影される領域の近傍の領域については、半導体膜が局所的に薄膜化されることとなる。このため、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhb等の保護膜としてのシリコン窒化膜40の段差を好適に抑制することができる。したがって、流体の流通状態が乱されることや、シリコン窒化膜40上にゴミが付着することを好適に抑制することができるようになる。
【0045】
更に、リード部L2、L5のうちパッドP2、P5側の部分やリード部L1、L3、L4、L6と比較して、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbの膜厚を薄くすることで、リード部L1〜L6に対する上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbの抵抗値の比を大きく確保することができる。詳しくは、リード部L2、L3に対する上流側ヒータRhaの抵抗値の比や、リード部L4、L5に対する下流側ヒータRhbの抵抗値の比を大きく確保することができる。そして、この抵抗値の比を大きくすることで、フローセンサFSの消費電力の抑制及び感度の向上を図る。
【0046】
ちなみに、先の図2及び図3に示したように、フローセンサFSのパッドP1〜P6の近傍は、支持部hpによって覆われている。そして、図2に示す支持部hpと薄膜部MBとの間の距離Lgは、流体の流通状態を乱さないためには、ある程度の長さ(例えば「2.0mm」以上)を確保することが望ましい。このため、リード部L1〜L6の電流の流通方向の長さには下限があることがわかる。
【0047】
一方、フローセンサFSは、極力小面積にて形成することが望まれている。これは、例えば一枚の半導体ウエハから製造することのできるフローセンサの数を極力大きなものとするためである。こうした観点からすれば、上記支持部hpと薄膜部MBとの間の距離Lgについての制約の範囲で極力フローセンサFSの面積を小さくすることが望ましい。このため、リード部L1〜L6の線幅を拡大させることでその抵抗値を低減することには限界があることとなる。
【0048】
更に、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbの抵抗を大きくすべく、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbの長さを増大させることは薄膜部MBの面積の増大をもたらす。これは、フローセンサFSの小型化と両立しないのみならず、薄膜部MBの熱容量の増大に起因したフローセンサFSの消費電力の増大を招くこととなる。
【0049】
以上の点からも、上記抵抗値の比を大きくするために、リード部L2、L5のうちパッドP2、P5側の部分やリード部L1、L3、L4、L6と比較して、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbの膜厚を薄くすることは有効である。
【0050】
なお、図4に示すフローセンサFSの断面図は、模式図であり、その縦横比は正確ではない。例えば、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbは、実際には、その幅は膜厚の数十倍に設定されることが望ましい。
【0051】
次に、本実施形態にかかるフローセンサFSの製造工程を図5及び図6を用いて説明する。ちなみに、図5及び図6に示す断面は、先の図2に示したA−A断面である。
【0052】
この一連の製造工程においては、まず図5(a)に示すようなSOI(Silicon On Insulator)基板を用意する。ここでは、このSOI基板は、例えばN型の導電型を有する単結晶シリコンからなる半導体基板10上に、シリコン酸化膜20と、例えばP型の導電型を有する単結晶シリコン膜30とが積層されたものである。なお、ここで、単結晶シリコン膜30には、例えば「2×1015cm―2」のボロンが注入されることで、P型の導電型が付与されている。また、半導体基板10の厚さは例えば「625μm」とし、シリコン酸化膜20の膜厚は、例えば「1μm」とし、また、単結晶シリコン膜30の膜厚は例えば「1.0〜5.0μm」とすればよい。
【0053】
次に、図5(b)に示す工程において、上記単結晶シリコン膜30にボロンを所定の濃度(例えば「2×1016cm―2」)にて注入する。そして、不純物の注入された上記単結晶シリコン膜30を活性化すべく、所定温度(例えば「1150℃」)にて所定時間(例えば「5時間」)の熱処理を行う。
【0054】
次に、図5(c)に示す工程において、上記単結晶シリコン膜30のうち、先の図2に示した薄膜化する領域以外の部分をレジスト31にてマスクする。そして、レジスト31をマスクとして用いつつ単結晶シリコン膜30の上面を局所的に反応性イオンエッチングにてエッチングすることで、先の図2に示した領域を薄膜化する。この単結晶シリコン膜30のうち薄膜化された領域における膜厚は、「0.5〜1.5μm」とすることが望ましい。ちなみに、この単結晶シリコン膜30の上面のエッチング量は、反応性エッチングのエッチング時間によって制御するようにすればよい。
【0055】
次に、図6(a)に示す工程において、上記レジスト31を除去する。次に、局所的に薄膜化された単結晶シリコン膜30を反応性イオンエッチングにてパターニングすることで、上流側温度計Rkaや、上流側ヒータRha、下流側ヒータRhb、リード部L2、L5を形成する。なお、ここでは図示しないが、この工程においては、下流側温度計Rkbや、リード部L1、L3、L4、L6も形成する。
【0056】
このように、上流側ヒータRhaと上流側温度計Rkaとを、また、下流側ヒータRhbと下流側温度計Rkbとを同一工程にて形成することで、上流側ヒータRha及び上流側温度計Rkaの抵抗温度係数や、下流側ヒータRhb及び下流側温度計Rkbの抵抗温度係数を簡易に一致させることができる。
【0057】
更に、図6(b)に示す工程において、低圧CVD法にてシリコン窒化膜40を所定の膜厚(例えば「1.5μm」)にて堆積する。このときの成膜条件を以下に例示する。
【0058】
ガス流量比 SiH2Cl2:NH3=4:1
雰囲気温度 850℃
圧力 20Pa
次に、図6(c)に示す工程において、シリコン窒化膜40を反応性イオンエッチングにてエッチングすることでコンタクトホール41を形成する。更に、図6(c)に示すように、メタル(例えばアルミニウム)を所定の膜厚(例えば「1.0μm」)に成膜した後、パターニングすることで上記コンタクトホール41に先の図2に示したパッドP5を形成する。なお、この図6(c)に示す工程においては、図示しないパッドP1〜P4、P6も同様にして形成される。
【0059】
続いて、同図6(c)に示すように、半導体基板10の裏面側に、シリコン窒化膜50を、プラズマCVD法により所定の膜厚(例えば「1μm」)にて成膜する。更に、同図6(c)に示すように、先の図2に一点鎖線にて示した領域に対応した開口部を形成すべく、反応性イオンエッチングにてシリコン窒化膜50をエッチングする。
【0060】
更に、シリコン窒化膜50をマスクとして半導体基板10をエッチングすることで、半導体基板10に先の図4に示した空洞部Hを形成する。これにより、空洞部Hを架橋するように薄膜部MBが形成されることとなる。
【0061】
なお、この図6(c)に示すエッチングは、以下のようにして行うことが望ましい。
A.エッチング液としてKOHやTMAH等のアルカリ性のエッチング液を用いたウェットエッチングとする。
B.半導体基板10の裏面を単結晶シリコンの基本格子の等価な6面である{100}とする。
C.上記シリコン窒化膜50の開口部を矩形にして形成すると共に、その各辺を結晶方位<110>と一致させる。
【0062】
これにより、半導体基板10を上記エッチング液により{111}面に沿ってエッチングすることができる。したがって、薄膜部MBを矩形に形成することができる。更に、この際、薄膜部MBの2つの辺を流通方向に直交させるような設定とすることも容易となる。
【0063】
もっとも、薄膜部MBの形成に際しては、必ずしもウェットエッチングに限らず、ドライエッチングによって行うようにしてもよい。このようにドライエッチングを用いる場合には、少なくとも同ドライエッチングからの要請として半導体基板10の面方位が規定されることはない。
【0064】
このように、本実施形態では、単結晶シリコン膜30の上面の局所的なエッチングや、パターニングに先立ち、同単結晶シリコン膜30へ不純物を注入するようにした。これにより、その下地膜であるシリコン酸化膜20へ不純物が注入されることを好適に抑制することができる。したがって、単結晶シリコン膜30への不純物の注入後、同不純物の拡散及や活性化のための熱処理を的確に行うことができる。これに対し、シリコン酸化膜20に不純物が注入された状態で上記熱処理を行うと、シリコン酸化膜20に熱流動性が生じ、熱処理に際して不都合が生じることがある。
【0065】
更に、本実施形態では、単結晶シリコン膜30を局所的にエッチングした後、これをパターニングするようにした。これにより、局所的にエッチングする工程においてその下地膜であるシリコン酸化膜20がエッチングされるおそれを回避することができる。また、パターニング後に局所的なエッチングを行う場合には、パターニングされる各抵抗体(上流側ヒータRhaや下流側ヒータRh等)の線幅が細るおそれがあるが、これを回避することもできる。
【0066】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhb、上流側温度計Rka、下流側温度計Rkbと、リード部L2、L5のうちの先端側の領域を局所的に薄膜化して形成した。これにより、こうした領域においてシリコン窒化膜40の段差を好適に抑制することができる。このため、シリコン窒化膜40へのゴミの付着や、段差によって流体の流通が乱されることを抑制することができる。したがって、その感知精度をいっそう好適に確保することができるようになる。
【0067】
更に、リード部L1〜L6に対する上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbの抵抗値の比を大きく確保することができるため、フローセンサFSの消費電力の抑制及び感度の向上を図ることもできる。
【0068】
(2)単結晶シリコン膜30の上面の局所的なエッチングや、パターニングに先立ち、同単結晶シリコン膜30へ不純物を注入するようにした。これにより、その下地膜であるシリコン酸化膜20へ不純物が注入されることを好適に抑制することができる。
【0069】
(3)単結晶シリコン膜30を局所的にエッチングした後、これをパターニングするようにした。これにより、パターニング後に局所的なエッチングを行う場合には、パターニングされる各抵抗体(上流側ヒータRhaや下流側ヒータRh等)の線幅が細るおそれがあるが、これを回避することもできる。
【0070】
参考例
以下、本発明にかかる半導体センサを車載用内燃機関の吸入空気量を検出するフローメータに適用した参考例について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。なお、本参考例では、先の第1の実施形態と同一の機能を有する部材の一部には、便宜上、同一の符号を用いる。
【0071】
上記フローメータも先の図1と同様の構成を有し、先の図3に示す態様にて吸気通路に配置される。また、本参考例にかかるフローセンサの平面構成も、先の図2に示した構成と同様である。
【0072】
図7に、本参考例にかかるフローセンサFSの断面構成を示す。この図7は、先の図2に示したA−A断面と同様の断面を示している。同図7に示すように、例えばシリコンからなる半導体基板110上には、シリコン酸化膜120が形成されている。このシリコン酸化膜120上には、上流側ヒータRhaや、下流側ヒータRhb、リード部L2、L5、上流側温度計Rkaがそれぞれ単結晶シリコンにて形成されている。そして、これら上流側ヒータRha、下流側ヒータRhb、リード部L2、L5、上流側温度計Rkaを覆うようにして、シリコン窒化膜140が積層されている。更に、シリコン窒化膜140には、リード部L5に対応してコンタクトホール141が形成されており、このコンタクトホール141にパッドP5が形成されている。ちなみに、上記シリコン窒化膜140やシリコン酸化膜120も、空洞部Hを含めて半導体基板110の上方の略全ての領域に積層形成されている。
【0073】
ここで、上流側ヒータRha、下流側ヒータRhb、リード部L2、L5、上流側温度計Rkaは、単結晶シリコン膜に部分的に熱酸化処理が施されることでパターン形成されたものである。すなわち、単結晶シリコン膜が部分的に熱酸化処理されたときに、熱酸化膜(シリコン酸化膜)131とならない領域としてパターン形成されたものである。
【0074】
こうした態様にて形成されることで、上流側ヒータRha、下流側ヒータRhb、リード部L2、L5、上流側温度計Rkaの上面と熱酸化膜131の上面とはその高さが略等しくなる。このため、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhb等の保護膜としてのシリコン窒化膜140の段差を好適に抑制することができる。したがって、流体の流通状態が乱されることや、シリコン窒化膜140上にゴミが付着することを好適に抑制することができるようになる。
【0075】
なお、図7に示すフローセンサFSの断面図は、模式図であり、その縦横比は正確ではない。例えば、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbは、実際には、その幅は膜厚の数十倍に設定されることが望ましい。
【0076】
次に、本参考例にかかるフローセンサFSの製造工程を図8及び図9を用いて説明する。ちなみに、図8及び図9に示す断面は、先の図7に示したものと同様の断面である。
【0077】
この一連の製造工程においては、まず図8(a)に示す工程において、先の図5(a)と同様、SOI(Silicon On Insulator)基板を用意する。ここでも、このSOI基板は、例えばN型の導電型を有する単結晶シリコンからなる半導体基板110上に、シリコン酸化膜120と、例えばP型の導電型を有する単結晶シリコン膜130とが積層されたものである。なお、ここで、単結晶シリコンには、例えば「2×1015cm―2」のボロンが注入されることで、P型の導電型を有している。また、半導体基板110の厚さは例えば「625μm」とし、シリコン酸化膜120の膜厚は、例えば「1.0〜3.0μm」とし、また、単結晶シリコン膜130の膜厚は例えば「0.6〜2.0μm」とすればよい。
【0078】
次に、図8(b)に示す工程において、上記単結晶シリコン膜130にボロンを所定の濃度(例えば「2×1016cm―2」)にて注入する。そして、ボロンの注入された上記単結晶シリコン膜130を活性化すべく、所定温度(例えば「1150℃」)にて所定時間(例えば「5時間」)の熱処理を行う。
【0079】
次に、図8(c)に示す工程において、上記単結晶シリコン膜130の上面に、パッド酸化膜135及び所定の膜厚(例えば「100nm」)のシリコン窒化膜136を積層形成する。次に、これらパッド酸化膜135及びシリコン窒化膜136のうち、上記熱酸化膜131に対応する部分をエッチング除去する。
【0080】
次に、図9(a)に示す工程において、上記シリコン窒化膜136をマスクとして単結晶シリコン膜130に熱酸化処理を施すことで、これを部分的に絶縁物化し、上記熱酸化膜131を形成する。これにより、上記単結晶シリコン膜130のうち、熱酸化処理によって絶縁物化のなされない領域として、上流側ヒータRha、下流側ヒータRhb、リード部L2、L5、上流側温度計Rkaがパターン形成される。その後、上記パッド酸化膜135及びシリコン窒化膜136を除去する。
【0081】
ちなみに、これら図8(c)及び図9(a)に示した工程は、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)酸化工程と同様の工程である。なお、ここでは図示しないが、これら図8(c)及び図9(a)に示した工程においては、下流側温度計Rkbや、リード部L1、L3、L4、L6も形成する。
【0082】
このように、上流側ヒータRha及び上流側温度計Rkaとを、また、下流側ヒータRhb及び下流側温度計Rkbとを同一工程にて形成することで、上流側ヒータRha及び上流側温度計Rkaの抵抗温度係数や、下流側ヒータRhb及び下流側温度計Rkbの抵抗温度係数を簡易に一致させることができる。
【0083】
更に、図9(b)に示す工程において、低圧CVD法にてシリコン窒化膜140を所定の膜厚(例えば「1.5μm」)にて堆積する。このときの成膜条件は、先の図6(b)に示したものと同様である。
【0084】
次に、図9(c)に示す工程において、先の図6(c)に示す工程と同様、シリコン窒化膜140を反応性イオンエッチングにてエッチングすることでコンタクトホール141を形成する。更に、図9(c)に示すように、メタル(例えばアルミニウム)を所定の膜厚(例えば「1.0μm」)に成膜した後、パターニングすることで上記コンタクトホール141に先の図2に示したパッドP5を形成する。なお、この図9(c)に示す工程においては、図示しないパッドP1〜P4、P6も同様にして形成される。
【0085】
続いて、同図9(c)に示すように、半導体基板110の裏面側に、シリコン窒化膜150を、プラズマCVD法により所定の膜厚(例えば「1μm」)にて成膜する。更に、同図9(c)に示すように、先の図2に一点鎖線にて示した領域に対応した開口部を形成すべく、反応性イオンエッチングにてシリコン窒化膜150をエッチングする。
【0086】
更に、シリコン窒化膜150をマスクとして半導体基板110をエッチングすることで、半導体基板110に先の図6に示した空洞部Hを形成する。これにより、空洞部Hを架橋するように薄膜部MBが形成されることとなる。
【0087】
なお、この図9(c)に示すエッチングは、先の図6(c)に示したものと同様である。以上説明した本参考例によれば、以下の効果が得られるようになる。
【0088】
(4)熱酸化処理によって部分的に単結晶シリコン膜130を絶縁物化することで、上流側ヒータRha、下流側ヒータRhb等をパターン形成した。このため、保護膜としてのシリコン窒化膜140の段差を好適に抑制することができる。したがって、その感知精度を好適に確保することができるようになる。
【0089】
なお、上記第1の実施形態および参考例は、以下のように変更して実施してもよい。
・第1の実施形態について、必ずしも図2に示した領域全てを薄膜化するものに限らない。例えば、流体の流通方向に上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbが投影される領域を局所的に薄膜化するなら、流体の流通状態の乱れを好適に抑制することができる。また、少なくとも上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbを(リード部L1〜L6と比べて)薄膜化することで、これらを覆う保護膜上の段差を好適に抑制することはできる。
【0090】
・第1の実施形態について、単結晶シリコン膜30を形成した後、これを局所的に薄膜化する代わりに、単結晶シリコン膜を一旦堆積した後、薄膜化したい部分をマスクして再度単結晶シリコン膜を堆積するようにしてもよい。
【0091】
・第1の実施形態について、製造プロセスとしては、必ずしも図5(c)及び図6(a)に示す工程に限らない。例えば、単結晶シリコン膜をパターニングして上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbを形成した後、これら上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhb等を局所的に薄膜化するようにしても上記(1)等の効果を得ることはできる。なお、この場合、薄膜化のためのエッチング工程において、下地膜(シリコン酸化膜20)との選択比を確保することが望ましい。
【0092】
・第1の実施形態について、製造プロセスとしては、必ずしも図5(b)〜図6(a)に示す工程に限らない。例えば、単結晶シリコン膜を局所的に薄膜化した後に不純物の注入を行ったとしても、先の第1の実施形態の上記(1)の効果を得ることはできる。
【0093】
・第1の実施形態及びその変形例について、製造プロセスとしては、必ずしもSOI基板を使用するものに限らない。
・第1の実施形態及びその変形例において、上流側ヒータRhaや、下流側ヒータRhb等を形成する半導体膜としては、単結晶シリコン膜に限らない。例えば多結晶シリコン膜でもよい。
【0094】
上記参考例について、必ずしも上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhb、上流側温度計Rka及び下流側温度計Rkb、リード部L1〜L6の全てを単結晶シリコン膜の局所的な熱酸化処理によって形成するものに限らない。例えば上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbのみこうした態様にて形成するようにしても、薄膜部MB上のシリコン窒化膜140の段差を好適に抑制することはできる。
【0095】
上記参考例において、熱酸化処理を施す工程は、図8(c)〜図9(a)に例示したものに限らない。
・熱処理によって部分的に単結晶シリコン膜を絶縁物化するとともに、同絶縁物化のなされない領域として上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbをパターン形成する際の熱処理としては、必ずしも熱酸化処理に限らない。例えば熱窒化処理でもよい。
【0096】
・熱処理を施すに先立ち、不純物を注入する代わりに、熱処理後に不純物を注入するようにしても上記参考例の上記(4)の効果を得ることはできる。
上記参考例及びその変形例について、製造プロセスとしては、必ずしもSOI基板を使用するものに限らない。
【0097】
上記参考例及びその変形例において、上流側ヒータRhaや、下流側ヒータRhb等を形成する半導体薄膜としては、単結晶シリコン膜に限らない。例えば多結晶シリコン膜でもよい。
【0098】
・上記第1の実施形態と参考例、及びそれらの変形例において、注入する不純物としては、これら実施形態及び参考例で例示したものに限らない。
・半導体への不純物のドーピング手法としては、イオン注入法に限らない。例えば、気相から半導体中へドーパント原子(不純物)を拡散させる手法でもよい。
【0099】
・当該フローメータFMの環境温度を感知する上流側温度計Rkaや下流側温度計RkbをフローセンサFSに備える構成とする代わりに、信号生成回路SGに備える構成としてもよい。この場合であれ、上流側ヒータRhaと上流側温度計Rkaとの抵抗温度係数や、下流側ヒータRhbと下流側温度計Rkbとの抵抗温度係数は、互いに一致させるようにする。
【0100】
・発熱体と、該発熱体の近傍(発熱体自身又は発熱体の付近)の温度を感知する感温体とを上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbのように同一とする代わりに、これらを別部材にて構成してもよい。
【0101】
・上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbを備えなくても、単一のヒータ(発熱体、及び該発熱体の近傍の温度を感知する感温体)を備える構成であっても、発熱体に供給される電力量等に基づいて流体の流量を感知することはできる。更に、例えば上記特許文献1に記載のように、発熱体自身を第2の感温体としてこれによって自身の温度を感知しつつ発熱体を所定に制御するとともに、この付近の温度を上記感温体によって感知し、これに基づいて発熱体の生じる熱量のうち流体によって奪われた熱量を感知する構成としてもよい。
【0102】
・フローセンサFSの構成としては、a.半導体膜は、少なくとも発熱体及び該発熱体の近傍の温度を感知する感温体を構成する領域が局所的に薄膜化されてなる。又は、b.発熱体及び該発熱体の近傍の温度を感知する感温体は、熱処理によって部分的に絶縁物化された半導体薄膜において、同絶縁物化のなされない領域としてパターン形成されてなる。という構成要件を備える範囲において、適宜変更してよい。例えば、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbを覆う保護膜は、シリコン窒化膜に限らず、シリコン酸化膜としてもよい。
【0103】
・フローセンサFSとしては、車載用内燃機関の吸入空気量を感知するものに限らず、適宜の流体の流量を感知するものであればよい。
・半導体からなる抵抗体により所定の物理量を感知する半導体センサとしては、フローセンサに限らず、例えば、ガスセンサやIRセンサ、赤外線センサ等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態にかかるフローメータの回路図。
【図2】同実施形態にかかるフローセンサの構成を示す平面図。
【図3】同実施形態にかかるフローメータの配置態様を示す図。
【図4】同実施形態にかかるフローセンサの断面構成を示す断面図。
【図5】同実施形態の製造工程を示す断面図。
【図6】同実施形態の製造工程を示す断面図。
【図7】参考例にかかるフローセンサの断面構成を示す断面図。
【図8】同参考例の製造工程を示す断面図。
【図9】同参考例の製造工程を示す断面図。
【図10】従来のフローセンサにおいて、ヒータや温度計を覆う保護膜の上部の段差を示す断面図。
【符号の説明】
10・・・半導体基板、20・・・シリコン酸化膜、30・・・単結晶シリコン膜、31・・・レジスト、40・・・シリコン窒化膜、41・・・コンタクトホール、50・・・シリコン窒化膜、110・・・半導体基板、120・・・シリコン酸化膜、130・・・単結晶シリコン膜、131・・・熱酸化膜、135・・・パッド酸化膜、136・・・シリコン窒化膜、140・・・シリコン窒化膜、141・・・コンタクトホール、150・・・シリコン窒化膜。

Claims (1)

  1. 発熱体と、該発熱体の近傍の温度を感知する感温体と、前記発熱体および前記感温体と接続してこれに電流を供給する配線であるリード部とが共に半導体膜にて形成されるフローセンサにおいて、前記半導体膜は、少なくとも前記発熱体と前記感温を構成する領域が局所的に薄膜化され、前記発熱体前記感温体とが流体の流通方向に投影される領域が更に局所的に薄膜化されてなることを特徴とするフローセンサ。
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