JP2004205353A - フローセンサ及びその製造方法 - Google Patents

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JP2004205353A JP2002375021A JP2002375021A JP2004205353A JP 2004205353 A JP2004205353 A JP 2004205353A JP 2002375021 A JP2002375021 A JP 2002375021A JP 2002375021 A JP2002375021 A JP 2002375021A JP 2004205353 A JP2004205353 A JP 2004205353A
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山本  敏雅
Hiroyuki Wado
弘幸 和戸
Takao Iwaki
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Abstract

【課題】発熱体や感温体を半導体にて形成する場合であれ、薄膜部の耐久性を好適に確保することのできるフローセンサ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板10には、シリコン窒化膜20が形成されている。そして、シリコン窒化膜20上には、上流側ヒータRha、下流側ヒータRhb、リード部L2、L5、上流側温度計Rka、下流側温度計Rkbがそれぞれ多結晶シリコンにて形成されている。そして、これら上流側ヒータRhaや、下流側ヒータRhb、リード部L2、L5、上流側温度計Rka、下流側温度計Rkbを覆うようにして、シリコン窒化膜40が積層されている。ここで、上流側ヒータRha、下流側ヒータRhb、リード部L2、L5、上流側温度計Rka、下流側温度計Rkbの表面は、熱酸化膜31によって覆われている。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発熱体と、該発熱体の近傍の温度を感知する感温体とが設けられた薄膜部を有して流体の流量を感知するフローセンサ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種のフローセンサを備えて構成されるフローメータでは、流体の流通経路に配置された発熱体を発熱制御する際、発熱体の生ずる熱が同発熱体付近を流通する流体によって奪われることを利用して流体の流量を検出するようにしている。すなわち、発熱体の生じる熱のうち、流体によって奪われる熱量は、流体の流量が多くなるほど増加することから、この流体によって奪われる熱量に基づいて発熱体付近の流体の流量を検出するようにしている。
【0003】
具体的には、例えば、上記感温体を通じて感知される発熱体の近傍の温度を所定の温度に維持するように上記発熱体へ供給する電力量を制御するとともに、上記発熱体の熱のうち流体によって奪われた熱量の指標としての同発熱体に供給される電力量等に基づいて流体の流量を検出する。またあるいは、例えば、発熱体を所定の温度に制御するとともに、上記発熱体の熱のうち流体によって奪われた熱量の指標としての同発熱体の付近の温度を上記感温体を通じて感知することで流体の流量を検出する。
【0004】
一方、上記フローセンサでは、上記発熱体や感温体の設けられる部分を薄膜部とすることで、同部分の熱容量を低く抑えるとともにフローセンサ内でこの薄膜部を熱的に絶縁し、流体の流量に対する高い応答性を確保するようにしている。
【0005】
ところで、こうしたフローセンサは通常、半導体プロセスによって製造される。ただし、このように半導体プロセスを用いる場合、上記発熱体や感温体を例えば白金(Pt)等を用いて製造すると、同半導体プロセスにおいて汚染源となることから、製造ラインを分ける必要が生じ、設備投資が必要となる等、コスト高になるという問題があった。
【0006】
そこで従来は、例えば下記特許文献1及び特許文献2に見られるように、上記発熱体や感温体を多結晶シリコンや単結晶シリコン等の半導体にて形成することも提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−258021
【特許文献2】
特開2001−12985
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記発熱体や感温体を多結晶シリコンにて形成すると、図11(a)に模式的に示すように、多結晶シリコンが結晶粒界cbを有するために、発熱体や感温体(図中、R)の表面に凹凸が生じる。このため、この発熱体や感温体の上面を覆ってこれを保護する保護膜PFの表面にも凹凸が生じることとなる。そして、このように薄膜部(保護膜PF)に凹凸が生じると、薄膜部への圧力の印加や、同薄膜部に対する砂粒等のパーティクルの衝突などに起因して薄膜部が変形した際に、その表面の凹凸部に応力が集中することとなる。そして、こうした凹凸部への応力の集中は、薄膜部の耐圧の低下や、薄膜部を破壊させない流速の限界値の低下をもたらすこととなる。
【0009】
また、発熱体や抵抗体を、特にドライエッチングを用いてパターニングした場合等にあっては、先の図11(a)のみならず、図11(b)に示すように単結晶シリコンにて形成した場合にも、コーナー部Cが角状に形成されることとなる。そして、この場合、化学気相拡散法(CVD法)等を用いて形成される保護膜PFのうち、コーナー部Cを覆う部分の膜厚が薄くなり、薄膜部の耐圧の低下やパーティクルの衝突に対する耐久性の低下を招くという問題がある。
【0010】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、発熱体や感温体を半導体にて形成する場合であれ、薄膜部の耐久性を好適に確保することのできるフローセンサ及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
こうした目的を達成するため、請求項1記載のフローセンサでは、抵抗体の表面に熱酸化処理が施されるようにした。このため、抵抗体とする半導体薄膜をパターニングした際にその上面端部が角状に形成された場合であれ、これを丸めることができる。これにより、抵抗体の端部を覆う保護膜の膜厚が薄くなるが抑制される。また、抵抗体を構成する半導体が多結晶半導体である場合には、結晶粒界による抵抗体表面の凹凸を抑制することができる。これにより、抵抗体の上面を覆う保護膜の表面の凹凸も抑制されることとなる。このため、薄膜部の表面での特定箇所への応力集中を抑制することができる。したがって、上記フローセンサによれば、薄膜部の耐久性を好適に確保することができるようになる。
【0012】
また、請求項2記載のフローセンサでは、抵抗体の少なくとも上面が熱酸化膜で覆われるようにした。このため、抵抗体はその製造時に少なくとも上面に熱酸化処理が施されるため、抵抗体とする半導体薄膜をパターニングした際にその上面端部が角状に形成された場合であれ、これを丸めることができる。これにより、抵抗体の端部を覆う保護膜の膜厚が薄くなることが抑制される。また、抵抗体はその製造時に少なくとも上面に熱酸化処理が施されるため、抵抗体を構成する半導体が多結晶半導体である場合には、結晶粒界による抵抗体表面の凹凸を抑制することができる。これにより、抵抗体の上面を覆う保護膜の表面の凹凸も抑制されることとなる。このため、薄膜部の表面での特定箇所への応力集中を抑制することができる。したがって、上記フローセンサによれば、薄膜部の耐久性を好適に確保することができるようになる。
【0013】
更に、上記フローセンサでは、抵抗体の少なくとも上面が熱酸化膜で覆われているために、この熱酸化膜が抵抗体の保護膜ともなる。したがって、この熱酸化膜により、外部から抵抗体への不純物の侵入を抑制することもできる。
【0014】
請求項3記載のフローセンサの製造方法では、抵抗体とする半導体薄膜を同抵抗体の形状にパターニングした後、少なくともパターニングされた半導体薄膜の上面に熱酸化処理を施すようにした。このため、パターニングされた半導体薄膜の上面端部が角状に形成された場合であれ、これを丸めることができる。これにより、抵抗体の端部を覆う保護膜の膜厚が薄くなることが抑制される。また、上記半導体薄膜が多結晶半導体である場合には、結晶粒界による抵抗体表面の凹凸を抑制することができる。これにより、抵抗体の上面を覆う保護膜の表面の凹凸も抑制されることとなる。このため、薄膜部の表面での特定箇所への応力集中を抑制することができる。したがって、上記フローセンサの製造方法によれば、薄膜部の耐久性を好適に確保することができるようになる。
【0015】
請求項4記載のフローセンサの製造方法では、熱酸化処理を、パターニングされた半導体薄膜に不純物がドーピングされた状態で行うようにした。このため、熱酸化処理に際して、半導体薄膜が酸化されることで生成される酸化膜の流動性を向上させることができる。したがって、抵抗体の形状をより滑らかとすることができるようになる。
【0016】
なお、この請求項4記載のフローセンサの製造方法においては、請求項5記載のフローセンサの製造方法のように、半導体薄膜にドーピングする不純物の濃度を「5×1019cm-3」以上とするようにしてもよい。これにより、上記酸化膜の流動性を一層高めることができるようになる。
【0017】
また、請求項6記載のフローセンサの製造方法では、熱酸化処理を、パターニングされた半導体薄膜に不純物をドーピングする工程に先立って行うようにした。これにより、製造工程の簡略化を図ることができるようになる。すなわち、半導体薄膜へ不純物をイオン注入法等によってドーピングする際には、通常、半導体薄膜上に、熱酸化膜等からなるいわゆるスルー膜を形成する。しかし、上記フローセンサの製造方法では、上記熱酸化処理によって形成された熱酸化膜をスルー膜として利用することができる。
【0018】
また、請求項7記載のフローセンサの製造方法では、熱酸化処理を、「900℃」以上の温度にて行うようにした。これにより、上記酸化膜の流動性を高めることができるようになる。
【0019】
また、請求項8記載のフローセンサの製造方法では、抵抗体を、その膜厚以上の粒径のものを含む多結晶シリコンにて形成するとともに、熱酸化処理を、前記抵抗体の表面の凹凸がその膜厚の「1/10」以下となる条件で行うようにした。このように、多結晶シリコンにて抵抗体を構成する場合、結晶の大粒径化によりその性能を高く保つことができる。しかし、大粒径化は、抵抗体表面の凹凸を増大させることともなる。この点、上記製造方法によれば、熱酸化処理によってその凹凸を十分に低減させつつも、抵抗体の性能を高く保つことができるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるフローセンサを車載用内燃機関の吸入空気量を検出するフローメータに適用した第1の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0021】
図1に、上記フローメータFMの回路構成を示す。同図1に示されるように、このフローメータFMは、熱式のフローセンサFSと、該フローセンサFSの感知結果に基づき電気信号を生成する信号生成回路SGとを備えている。
【0022】
ここで、フローセンサFSは、上流側ヒータRhaと下流側ヒータRhbと、当該フローメータFMの環境温度を感知する上流側温度計Rkaと下流側温度計Rkbとを備えている。
【0023】
本実施形態においては、これら上流側ヒータRhaと下流側ヒータRhbは、発熱体であるとともに自身の温度を感知する感温体としても機能する。すなわち、これら上流側ヒータRhaと下流側ヒータRhbは、電流の供給によって発熱する抵抗体としての機能に加えて、同抵抗体の抵抗値の変化に基づいて自身の温度をも感知するものである。そして、フローセンサFSでは、上流側ヒータRhaと下流側ヒータRhbとの生じる熱のうち流体によって奪われる熱に基づき流体の流量を感知する。また、フローセンサFSでは、上流側ヒータRhaと下流側ヒータRhbとのそれぞれの生じる熱のうち流体によって奪われる熱量の差に基づき、流体の流通方向を感知する。
【0024】
一方、信号生成回路SGは、上記フローセンサFSによる流体の流量及び流体の流通方向の感知結果に応じた検出信号を生成する。詳しくは、上流側ヒータRha及び上流側温度計Rkaの温度差と、下流側ヒータRhb及び下流側温度計Rkbの温度差とをそれぞれ所定値(例えば「200℃」)とするように、フローセンサFSへ供給する電流を制御する。そして、このフローセンサFSで消費される電力に基づき上記流体の流量及び流体の流通方向に応じた検出信号を生成する。
【0025】
ここで、上記フローセンサFS及び信号生成回路SGを備えるフローメータFMの具体的な回路構成について更に説明する。
フローメータFMは、吸気通路の上流側に対応した上流側ホィーストンブリッジUHBと、吸気通路の下流側に対応した下流側ホィーストンブリッジDHBとを備えている。
【0026】
ここで、上流側ホィーストンブリッジUHBは、上流側ヒータRhaから抵抗R1aへと、また、上流側温度計Rkaから抵抗R2aへとそれぞれ電流が流れる態様にて、上流側ヒータRha及び抵抗R1aと上流側温度計Rka及び抵抗R2aとが並列接続された回路である。そして、上流側ヒータRhaと上流側温度計Rkaとの接続点PaにトランジスタUTを介してバッテリBから電流が供給される。そして、上流側ヒータRhaでの電圧降下と上流側温度計Rkaでの電圧降下とは差動増幅回路UOPに取り込まれる。そして、この差動増幅回路UOPにより、これら2つの電圧降下を等しくすべく、換言すればブリッジの平衡条件を成立させるべく、これらの電圧降下の差に応じてトランジスタUTが制御される。
【0027】
ここで、上流側ホィーストンブリッジUHBは、平衡条件が成立したときに、上流側ヒータRhaの温度が上流側温度計Rkaの温度よりも上記所定値だけ高くなるように設定されている。なお、環境温度にかかわらず、上流側ヒータRhaの温度が上流側温度計Rkaの温度よりも上記所定値だけ高くなるときに上記平衡条件が成立するようにすべく、これら上流側ヒータRhaと上流側温度計Rkaとは、抵抗温度係数が互いに等しく設定されている。
【0028】
一方、下流側ホィーストンブリッジDHBは、下流側ヒータRhbから抵抗R1bへと、また、下流側温度計Rkbから抵抗R2bへとそれぞれ電流が流れる態様にて、下流側ヒータRhb及び抵抗R1bと下流側温度計Rkb及び抵抗R2bとが並列接続された回路である。この下流側ホィーストンブリッジDHBも、上流側ホィーストンブリッジUHBと同様、平衡条件を成立させるべく、トランジスタDT及び差動増幅回路DOPを備えている。なお、この下流側ホィーストンブリッジDHBの構成は、上流側ホィーストンブリッジUHBの構成と同様であるため、その説明を割愛する。
【0029】
これら上流側ホィーストンブリッジUHBの上流側ヒータRhaでの電圧降下と、下流側ホィーストンブリッジDHBの下流側ヒータRhbでの電圧降下とは、差動増幅回路COPに取り込まれる。そして、これら2つの電圧降下の差に応じた信号が差動増幅回路COPにて生成され、増幅回路ACによって増幅された後、信号生成回路SGの端子P7を介して外部に出力される。この端子P7を介して出力される検出信号が流体の流量及び流通方向の検出信号である。
【0030】
図2に、上記フローセンサFSの構成を示す。このフローセンサFSは、半導体基板10を備えて構成されている。そして、半導体基板10上に積層されているシリコン窒化膜20上には、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhb、上流側温度計Rkaや下流側温度計Rkbが形成されている。そして、これら上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhb、上流側温度計Rka、下流側温度計Rkbは、リード部L1〜L6を介して、先の図1に示した信号生成回路SGとの接続端子となるパッドP1〜P6と接続されている。
【0031】
ちなみに、半導体基板10は、空洞部Hを有する。詳しくは、半導体基板10は、その裏面側において図2に1点鎖線にて示す矩形状の領域が開口されているとともに、この開口面積が半導体基板10の上面側へ行くほど縮小され、同半導体基板10の上面では図2に破線にて示されるような矩形状の領域となっている。
【0032】
このように空洞部Hを有するために、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbは、フローセンサFSのうち、半導体基板10の空洞部Hを架橋するようにして形成されている薄膜部MBに備えられることとなる。この薄膜部MBは、フローセンサFSの他の箇所と比べてその膜厚が薄く形成されているために、熱容量が低く抑えられ、また、フローセンサFSの他の箇所との熱的な絶縁が図られている。
【0033】
次に、上記フローセンサFSのうち、特に上記薄膜部MBについて更に説明する。
図3に、フローセンサFSのうち薄膜部MB近傍の断面構成を示す。この図3は、先の図2のA−A断面を示している。同図3に示すように、例えばシリコンからなる半導体基板10には、上記シリコン窒化膜20が形成されている。そして、シリコン窒化膜20上には、上流側ヒータRha、下流側ヒータRhb、リード部L2、L5、上流側温度計Rka、下流側温度計Rkbがそれぞれ多結晶シリコンにて形成されている。そして、これら上流側ヒータRhaや、下流側ヒータRhb、リード部L2、L5、上流側温度計Rka、下流側温度計Rkbを覆うようにして、シリコン窒化膜40が積層されている。ちなみに、上記シリコン窒化膜20、40は、空洞部Hを含めて半導体基板10の上方の略全ての領域に積層形成されている。
【0034】
ここで、上流側ヒータRha、下流側ヒータRhb、リード部L2、L5、上流側温度計Rka、下流側温度計Rkb、及び図示しないリード部L1、L3、L4、L6(以下、これらを総称して抵抗体という)の表面は、熱酸化膜31によって覆われている。このため、抵抗体の表面には、製造時に熱酸化処理が施されるため、抵抗体とする半導体薄膜をパターニングした際にその上面端部が角状に形成されたとしても、これを丸めることができる。これにより、抵抗体の端部を覆う保護膜であるシリコン窒化膜40の膜厚が薄くなることが抑制される。また、抵抗体の表面には、製造時に熱酸化処理が施されるため、結晶粒界による抵抗体表面の凹凸を抑制することもできる。これにより、抵抗体の上面を覆う保護膜である上記シリコン窒化膜40の表面の凹凸も抑制されることとなる。
【0035】
更に、抵抗体の表面が熱酸化膜31で覆われているために、この熱酸化膜31が、外部から抵抗体への不純物の侵入に対する保護膜ともなる。
ここで、上記フローセンサFSの製造手順の一例を図4〜図6に基づいて説明する。図4〜図6に示す断面は、先の図2に示すB−B断面である。
【0036】
この一連の工程においては、まず図4(a)に示すように、例えばN型の導電型を有するシリコンからなる半導体基板10上に、熱反応を用いた低圧CVD法にてシリコン窒化膜20を例えば膜厚「1.5μm」にて堆積する。このときの成膜条件を以下に例示する。
【0037】
ガス流量比 SiH2Cl2:NH3=4:1
雰囲気温度 850℃
圧力 20Pa
更に、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbやリード部L5を形成すべく、アモルファスシリコン30を、低圧CVD法にて例えば膜厚「1.0μm」にて成膜する。このときの成膜温度は、例えば「550℃」とすればよい。
【0038】
次に、図4(b)に示すように、アモルファスシリコン30の上面にSiO2よりなる、スルー膜32を形成する。そして、このスルー膜32を介して、アモルファスシリコン30に、ボロンを所定量注入する。
【0039】
更に、上記アモルファスシリコン30の結晶化、及び注入されたボロンの熱拡散、及び活性化のための熱処理を施す。ここでの熱処理は、アモルファスシリコン30を結晶化することで生成される多結晶シリコンを大粒径化することができるような条件とすることが望ましい。特に本実施形態では、この多結晶シリコンの結晶粒径がアモルファスシリコン30の膜厚以上となるものがあるようにする。そしてこれにより、上記各抵抗体の膜厚方向においては、隣接する結晶の界面である結晶粒界の存在を極力低減する。
【0040】
こうした熱処理としては、例えば、第1の所定温度(例えば「600℃」)で所定時間(例えば「10時間」)のアニールを行った後、更に第1の所定温度よりも高い第2の所定温度(例えば「1150℃」)で所定時間(例えば「2時間」)のアニールを行うという処理がある。このように、第1の所定温度にて保持する熱処理を行った後、これよりも高い温度の第2の熱処理を行うことで、アモルファスシリコン30から生成される多結晶シリコンの大粒径化が図られることとなる。
【0041】
次に、図4(c)に示すように、上記スルー膜32を除去した後、反応性イオンエッチング(RIE)によって、上記多結晶シリコンをパターニングすることで、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbやリード部L5を形成する。ちなみに、図4(c)に示す断面図は、あくまでも模式図であり、フローセンサFSのスケールを正確に示すものではない。例えば、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbの幅は、その膜厚の数十倍程度(例えば「数十μm」)とすることが望ましい。
【0042】
なお、ここでは図示しないが、この図4(c)に示す工程において、先の図2に示した上流側温度計Rkaや下流側温度計Rkb、リード部L1〜L4、L6をも同時に形成する。
【0043】
図4(c′)は、これらパターニングされた多結晶シリコンである上記各抵抗体(ここでは、上流側ヒータRhaを例示)の拡大図を示している。図4(c′)に示されるように、上流側ヒータRhaは、多結晶シリコンにて形成されているために、各結晶の境界である結晶粒界cbが存在する。ただし、本実施形態では、先の図4(b)に示した工程において、結晶粒径が膜厚よりも大きくなるように熱処理を施したために、膜厚方向に対しては、結晶粒界が現れず、その上面から下面まで単一の結晶によって形成されている。このように結晶を大粒径化することで、上記各抵抗体の性能を向上させることはできるものの、この場合、図4(c′)に示されるように、その表面の凹凸も大きなものとなっている。
【0044】
次に、図5(a)に示す工程において、上流側ヒータRhaや、下流側ヒータRhb等、各抵抗体の表面に、常圧、高温(例えば「900℃〜1150℃」)にて熱酸化処理を施すことで、これら各抵抗体の表面に熱酸化膜31を形成する。この熱酸化膜31は、上記抵抗体の膜厚の「1/10」程度の膜厚(例えば「0.1μm」)にて形成する。そして、これにより図5(a′)に示すように、結晶粒界cbにより生じる凹凸が低減される。
【0045】
上記熱処理に際しては、同処理にて形成される熱酸化膜31の流動性の発現が顕著となる「1000℃」以上の温度にて行うことが特に望ましい。また、先の図4(b)に示した工程におけるボロンの注入量を大きくすることによっても上記熱酸化膜31の流動性を向上させることができる。こうした観点からは、ボロンの注入量は、「5×1019cm―3」以上であることが望ましく、「1×1020cm―3」以上であることがより望ましい。
【0046】
また、上記熱酸化処理は、上記ボロンの濃度や温度、熱酸化処理時間等についての条件を、上記各抵抗体の表面の凹凸を膜厚の「1/10」以下とするような条件とすることが望ましい。
【0047】
こうして熱酸化膜31を形成すると、図5(b)に示すように、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbやリード部L5等の形成された半導体基板10(シリコン窒化膜20)上面に、これらを保護する保護膜としての上記シリコン窒化膜40を堆積する。このシリコン窒化膜40の膜厚や成膜条件は、同図5(b)に示す例では、上記シリコン窒化膜20の膜厚や成膜条件と同一とする。
【0048】
次に、図5(c)に示すように、シリコン窒化膜40及びリード部L5の上面を覆う熱酸化膜31を反応性イオンエッチングにてエッチングすることでコンタクトホール41を形成する。更に、図6(a)に示すように、メタル(例えばアルミニウム)を所定の膜厚(例えば「1.0μm」)に成膜した後、パターニングすることで上記コンタクトホール41に先の図2に示したパッドP5を形成する。なお、図5(c)〜図6(a)に示す工程においては、図示しないパッドP1〜P4、P6も同様にして形成される。
【0049】
続いて、図6(b)に示すように、半導体基板10の裏面側に、シリコン窒化膜50を、プラズマCVD法により所定の膜厚(例えば「1μm」)にて成膜する。次に、同図6(b)に示すように、先の図2に一点鎖線にて示した領域に対応した開口部を形成すべく、反応性イオンエッチングにてシリコン窒化膜50をエッチングする。
【0050】
更に、図6(c)に示すように、シリコン窒化膜50をマスクとして半導体基板10をエッチングすることで、半導体基板10に空洞部Hを形成する。これにより、空洞部Hを架橋するように薄膜部MBが形成されることとなる。
【0051】
なお、この図6(c)に示すエッチングは、以下のようにして行うことが望ましい。
A.エッチング液としてKOHやTMAH等のアルカリ性のエッチング液を用いたウェットエッチングとする。
B.半導体基板10を単結晶シリコン基板とするとともに、同半導体基板10の裏面を該単結晶シリコンの基本格子の等価な6面である{100}とする。
C.上記シリコン窒化膜50の開口部を矩形にして形成すると共に、その各辺を結晶方位<110>と一致させる。
【0052】
これにより、半導体基板10を上記エッチング液により{111}面に沿ってエッチングすることができる。したがって、薄膜部MBを矩形に形成することができる。更に、この際、薄膜部MBの2つの辺を流通方向に直交させるような設定とすることも容易となる。
【0053】
もっとも、薄膜部MBの形成に際しては、必ずしもウェットエッチングに限らず、ドライエッチングによって行うようにしてもよい。このようにドライエッチングを用いる場合には、少なくとも同ドライエッチングからの要請として半導体基板10の面方位が規定されることはない。
【0054】
このように、本実施形態では、先の図5(c)に示したように抵抗体に熱酸化処理を施すことで、これを覆うシリコン窒化膜40の上面の凹凸が低減される。これにより、当該フローセンサFSの製造工程において、半導体基板10のダイシング時や、フローセンサFS表面の洗浄時等、シリコン窒化膜40に圧力が加わる際にも、その特定箇所への応力の集中を抑制することができる。更に、このように熱酸化膜31を有して製造されたフローセンサFSは、薄膜部MB上を流通する流体の流量の変動による圧力変動や、同薄膜部MBへのパーティクルの衝突に対しても十分な耐久性を有するものとなる。
【0055】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)抵抗体(上流側ヒータRha、下流側ヒータRhb、リード部L1〜L6、上流側温度計Rka、下流側温度計Rk)に熱酸化処理を施すようにした。このため、これらの結晶粒界による凹凸を抑制することができる。
【0056】
(2)抵抗体とする半導体薄膜にボロンを注入した後に、熱酸化処理を施した。これにより、熱酸化処理時に、同処理によって形成される熱酸化膜の流動性の発現を促進することができる。
【0057】
(3)抵抗体の表面が熱酸化膜31で覆われるようにした。これにより、この熱酸化膜31を、外部から抵抗体への不純物の侵入に対する保護膜とすることができる。
【0058】
(4)抵抗体の表面の凹凸を膜厚の「1/10」以下とした。これにより、シリコン窒化膜40の表面の凹凸を好適に低減することができる。
(5)抵抗体を構成する多結晶シリコンを、結晶粒径が膜厚よりも大きくなるものが存在するように大粒径化した。これにより、抵抗体の性能を向上させることができる。
【0059】
(第2の実施形態)
次に、本発明にかかるフローセンサを車載用内燃機関の吸入空気量を検出するフローメータに適用した第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0060】
上記フローメータも先の図1と同様の構成を有する。また、本実施形態にかかるフローセンサの平面構成も、先の図2に示した構成と同様である。
図7に、本実施形態にかかるフローセンサFSの断面構成を示す。この図7も、先の図2に示したA−A断面と同様の断面を示している。同図7に示すように、シリコンからなる半導体基板110には、シリコン酸化膜120が積層形成されている。このシリコン酸化膜120上には、上流側ヒータRhaや、下流側ヒータRhb、リード部L2、L5、上流側温度計Rka、下流側温度計Rkbがそれぞれ単結晶シリコンにて形成されている。そして、これら上流側ヒータRha、下流側ヒータRhb、リード部L2、L5、上流側温度計Rka及び下流側温度計Rkbを覆うようにして、シリコン酸化膜135及びシリコン窒化膜140が積層されている。ちなみに、上記シリコン窒化膜140やシリコン酸化膜135、120も、空洞部Hを含めて半導体基板10の上方の略全ての領域に積層形成されている。
【0061】
ここで、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhb、上流側温度計Rka及び下流側温度計Rkb、リード部L1〜L6(これらを総称して抵抗体という)は、全て単結晶シリコンで形成されている。更に、本実施形態では、これら抵抗体の表面は、熱酸化膜131で覆われている。このため、抵抗体の表面には、製造時に熱酸化処理が施されるため、抵抗体とする半導体薄膜をパターニングした際にその上面端部が角状に形成されたとしても、これを丸めることができる。
【0062】
ここで、図7に示したフローセンサFSの製造工程の一例を図8及び図9を用いて説明する。図8及び図9に示す断面は、先の図2に示したB−B断面と同様の断面である。
【0063】
この一連の製造工程においては、まず図8(a)に示すようなSOI(Silicon On Insulator)基板を用意する。ここでは、このSOI基板は、例えばN型の導電型を有する単結晶シリコンからなる半導体基板110上に、例えば膜厚「2μm」からなるシリコン酸化膜120、例えばP型の導電型を有して所定の膜厚(例えば「1μm」)からなる単結晶シリコン膜130が積層されたものである。
【0064】
次に、図8(b)に示す工程において、上記単結晶シリコン膜130の上面を熱酸化することで、スルー膜132を形成する。そして、このスルー膜132を介して、単結晶シリコン膜130に、ボロンを所定量注入する。
【0065】
更に、上記単結晶シリコン膜130に注入されたボロンの熱拡散や活性化のために、所定温度(例えば「1150℃」)にて所定時間(例えば「2時間」)の熱処理を行う。
【0066】
次に、図8(c)に示すように、先の図4(c)に示した工程と同様、スルー膜132を除去した後、上記単結晶シリコン膜130を反応性イオンエッチングにてパターニングすることで、上流側ヒータRhaや、下流側ヒータRhb、リード部L5を形成する。なお、ここでは、図示しないが、この工程においては、上流側温度計Rkaや、下流側温度計Rkb、リード部L1〜L4、L6も形成する。
【0067】
図4(c′)には、これらパターニングされた単結晶シリコン膜130(抵抗体)について、上流側ヒータRhaを例にとってその拡大図を示している。同図(c′)に示されるように、上流側ヒータRhaのコーナー部Cは、角状に形成される。
【0068】
次に、図9(a)に示す工程において、先の図5(a)に示した工程と同様の熱酸化条件により、抵抗体の表面を熱酸化する。これにより、抵抗体の表面に熱酸化膜131が形成される。なお、この膜厚も、抵抗体の膜厚の「1/10」程度となるようにする。
【0069】
これにより、図9(a′)に、上流側ヒータRhaを例にとってこれを拡大して示すように、抵抗体のコーナー部Cは丸められることとなる。
次に、図9(b)に示す工程において、プラズマCVD法にてシリコン酸化膜135を、例えば膜厚「0.2μm」にて堆積する。その後、このシリコン酸化膜135の応力の安定化を図るべく、所定温度(例えば「1100℃」)にて所定時間(例えば「2時間」)の熱処理を行う。更に、先の図4(a)に示した工程における成膜条件にて、シリコン窒化膜140を例えば膜厚「3.0μm」にて形成する。
【0070】
その後、図9(c)に示す工程において、リード部L5と上層とのコンタクトを取るべく、シリコン窒化膜140及びシリコン酸化膜135、リード部L5上の熱酸化膜131を反応性イオンエッチングにてエッチングすることで、コンタクトホール141を形成する。なお、この図9(c)に示す工程では、上記リード部L1〜L4、L6と上層のコンタクトをとるコンタクトホールも同時に形成される。
【0071】
そして、その後、先の図6に示した一連の工程と同様にして、リード部L1〜L6の端部へのパッドP1〜P6の形成や、薄膜部MBの形成を行う。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(2)及び(3)の効果に加えて、更に以下の効果を得ることができる。
【0072】
(6)抵抗体(上流側ヒータRha、下流側ヒータRhb、リード部L1〜L6、上流側温度計Rka、下流側温度計Rk)に熱酸化処理を施すようにした。このため、これらのコーナー部Cを丸めることができる。
【0073】
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・抵抗体に含まれる不純物としては、ボロンに限られず、リン等でもよい。
・上記各実施形態では、パターニングされた半導体薄膜(抵抗体)に不純物を導入してから、熱酸化処理を施したが、これに限らず、例えばパターニングされた半導体薄膜を熱酸化処理してから不純物を注入するようにしてもよい。以下、これについて、先の第2の実施形態の変形例の場合を例にとって、図10を用いて説明する。
【0074】
すなわち、図10(a)に示すように、先の図8(a)と同様、半導体基板210、シリコン酸化膜220、単結晶シリコン膜230からなるSOI基板を用意する。次に、図10(b)に示すように、反応性イオンエッチングにて単結晶シリコン膜230を上記各抵抗体の形状にパターニングする。更に、図10(c)に示すように、先の図5(a)や図9(a)に示した工程における処理と同様の処理によって、パターニングされた半導体薄膜の表面に熱酸化膜231を形成する。そしてその後、図10(d)に示すように、不純物を注入する。
【0075】
このように、熱酸化後に不純物を注入するようにすれば、この熱酸化膜231をスルー膜として用いることで、スルー膜を別途形成する工程を削除することができるため、工程の簡略化を図ることができる。
【0076】
・上記第2の実施形態においては、SOI基板を用いてフローセンサFSを形成したが、これに限らない。
・熱酸化処理としては、常圧にて行うものに限らず、高圧や減圧にて行うものであってもよい。
【0077】
・発熱体と、該発熱体の近傍(発熱体自身又は発熱体の付近)の温度を感知する感温体とを上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbのように同一とする代わりに、これらを別部材にて構成してもよい。
【0078】
・当該フローメータFMの環境温度を感知する上流側温度計Rkaや下流側温度計RkbをフローセンサFSに備える構成とする代わりに、信号生成回路SGに備える構成としてもよい。この場合であれ、上流側ヒータRhaと上流側温度計Rkaとの抵抗温度係数や、下流側ヒータRhbと下流側温度計Rkbとの抵抗温度係数は、互いに一致させるようにする。
【0079】
・上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhbを備えなくても、単一のヒータ(発熱体、及び該発熱体の近傍の温度を感知する感温体)を備える構成であっても、発熱体に供給される電力量等に基づいて流体の流量を感知することはできる。更に、例えば上記特許文献1や特許文献2に記載のように、発熱体自身を第2の感温体としてこれによって自身の温度を感知しつつ発熱体を所定に制御するとともに、この付近の温度を上記感温体によって感知し、これに基づいて発熱体の生じる熱量のうち流体によって奪われた熱量を感知する構成としてもよい。
【0080】
・薄膜部MBの構造としては、図2等に例示されているものに限らない。例えば薄膜部MBを矩形状に形成しつつその2辺のみが半導体基板上の薄膜と接続されるようにしてもよい。また、薄膜部MBの形状は、矩形にも限らない。
【0081】
・その他、フローセンサFSの構成としては、発熱体と該発熱体の近傍の温度を感知する感温体との少なくとも一方が半導体からなる抵抗体にて形成されるとともに、この抵抗体の表面に熱酸化処理が施されてなる範囲で適宜変更してよい。すなわち例えば、保護膜としてシリコン窒化膜と、シリコン酸化膜以外の絶縁膜とを併用してもよい。また、例えば、発熱体や感温体のいずれか一方はシリコン材料にて形成するものに限らない。更に例えば、感温体は、自身の抵抗値の変化を利用して温度を感知するものに限らない。加えて、例えば、リード部等を半導体にて形成する場合であれ、これについては熱酸化処理を施さなくてもよい。更に、抵抗体の膜厚についても上記各実施形態で例示したものに限らず、例えば「0.6μm〜1.5μm」ほどでもよい。
【0082】
・更に、フローセンサFSの製造方法としても、発熱体と該発熱体の近傍の温度を感知する感温体との少なくとも一方を半導体からなる抵抗体として形成すると共に、この抵抗体の少なくとも上面に熱酸化処理を施す範囲において、適宜変更してよい。例えば、半導体薄膜へ不純物をドーピングする手法は、イオン注入法に限らず、気相から半導体中へドーパント原子(不純物)を拡散させる手法や、ドーパント原子(不純物)のドープされた酸化膜ソースを使って表面から半導体中へ上記ドーパント原子(不純物)を拡散させる手法等でもよい。また、例えば半導体基板10上に積層されているシリコン窒化膜20、抵抗体の上面を覆う保護膜である上記シリコン窒化膜40は、シリコン窒化膜だけでなく、シリコン酸化膜等との複合膜として形成してもよい。
【0083】
・フローセンサFSとしては、車載用内燃機関の吸入空気量を感知するものに限らず、適宜の流体の流量を感知するものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態にかかるフローメータの回路図。
【図2】同実施形態にかかるフローセンサの構成を示す平面図。
【図3】同実施形態にかかるフローセンサの断面構造を示す断面図。
【図4】同実施形態にかかるフローセンサの製造工程を示す断面図。
【図5】同実施形態にかかるフローセンサの製造工程を示す断面図。
【図6】同実施形態にかかるフローセンサの製造工程を示す断面図。
【図7】第2の実施形態にかかるフローセンサの断面構造を示す断面図。
【図8】同実施形態にかかるフローセンサの製造工程を示す断面図。
【図9】同実施形態にかかるフローセンサの製造工程を示す断面図。
【図10】上記第2の実施形態の変形例にかかるフローセンサの製造工程を示す断面図。
【図11】従来のフローセンサの断面構造を示す断面図。
【符号の説明】
10…半導体基板、20…シリコン窒化膜、30…アモルファスシリコン、31…熱酸化膜、32…スルー膜、40…シリコン窒化膜、41…コンタクトホール、50…シリコン窒化膜、110…半導体基板、120…シリコン酸化膜、130…単結晶シリコン膜、131…熱酸化膜、132…スルー膜、135…シリコン酸化膜、140…シリコン窒化膜、141…コンタクトホール、210…半導体基板、220…シリコン酸化膜、230…単結晶シリコン膜、231…熱酸化膜。

Claims (8)

  1. 発熱体と該発熱体の近傍の温度を感知する感温体との少なくとも一方が半導体からなる抵抗体にて形成されるとともに、これら発熱体と感温体とを保護する保護膜を備える薄膜部を有して流体の流量を感知するフローセンサにおいて、
    前記抵抗体の少なくとも上面に熱酸化処理が施されてなる
    ことを特徴とするフローセンサ。
  2. 発熱体と該発熱体の近傍の温度を感知する感温体との少なくとも一方が半導体からなる抵抗体にて形成されるとともに、これら発熱体と感温体とを保護する保護膜を備える薄膜部を有して流体の流量を感知するフローセンサにおいて、
    前記抵抗体の少なくとも上面が熱酸化膜で覆われてなる
    ことを特徴とするフローセンサ。
  3. 発熱体と該発熱体の近傍の温度を感知する感温体との少なくとも一方が半導体からなる抵抗体にて形成されるとともに、これら発熱体と感温体とを保護する保護膜を備える薄膜部を有して流体の流量を感知するフローセンサを製造する方法であって、
    前記抵抗体とする半導体薄膜を同抵抗体の形状にパターニングした後、少なくとも前記パターニングされた半導体薄膜の上面に熱酸化処理を施す
    ことを特徴とするフローセンサの製造方法。
  4. 前記熱酸化処理を、前記パターニングされた半導体薄膜に不純物がドーピングされた状態で行う
    請求項3記載のフローセンサの製造方法。
  5. 前記半導体薄膜にドーピングする不純物の濃度を「5×1019cm-3」以上とする
    請求項4記載のフローセンサの製造方法。
  6. 前記熱酸化処理を、前記パターニングされた半導体薄膜に不純物をドーピングする工程に先立って行う
    請求項3記載のフローセンサの製造方法。
  7. 前記熱酸化処理を、「900℃」以上の温度にて行う
    請求項3〜6のいずれかに記載のフローセンサの製造方法。
  8. 請求項3〜7のいずれかに記載のフローセンサの製造方法において、
    前記抵抗体を、その膜厚以上の粒径のものを含む多結晶シリコンにて形成するとともに、前記熱酸化処理を、前記抵抗体の表面の凹凸がその膜厚の「1/10」以下となる条件で行う
    ことを特徴とするフローセンサの製造方法。
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