JP2008180235A - 圧縮比給気可変高効率エンジン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可変的な圧縮比と、2つの燃焼室のうち一方に対する可変的な燃料供給とを用いた内燃機関が提供される。圧縮比の変更は、開放位置においてスプリング58で付勢された補助ピストン57により1つの燃焼室53の容積を変更することによって実現される。この変更と希薄燃焼とを組み合わせると、特に乗用車の用途で必要な低トルク出力において効率の高い原動機が得られる。圧縮比と燃料供給との関係はエンジンスピードとともに変化する。燃焼は2つの段階にわたって生じ、その結果、清浄な排気がもたらされる。本発明により、2サイクルエンジンの非常に効率的なスロットリングを実現することができる。
【選択図】図1
Description
非特許文献1(「マークス」として引用)、
非特許文献2(「リカード」として引用)、および、
非特許文献3(「スティーブンソン」として引用)である。
今日の環境において必要とされる本発明のもう1つの目的は、本来的に清浄な方式で燃料を燃焼させる原動機であって、その燃焼過程において内燃機関に関係する汚染物質が本来的にほとんど発生しない原動機を製作することである。そのようなエンジンでは、公共用途に供されるエンジンに対してますます厳しくなる要求を満たすために一緒に使用される触媒コンバータなどのより少ないかまたはより小さい浄化機構を必要とする。
内燃機関の効率は複雑な関係によって決定される。最適な効率を得るためには、多くの個別要因のバランスをとることが必要である。これらの要因はそれぞれその他の要因の効果を何らかの形で打ち消す傾向がある。設計において考慮が必要な主なパラメータは以下の通りである。
a 基礎的な熱効率
b エンジン運転時に発生する内部部品間の摩擦
c 混合気内の化学相互作用による非線形性
d 空気のエンジン流入時および排気生成物のエンジンからの排出時に発生する圧力降下
原動機の効率は、燃料燃焼から得られる熱エネルギーが有効な機械的エネルギーに変換される割合である。図示熱効率(indicated thermal efficiency)とは、エンジン内での摩擦やエンジンの運転に必要な補助機構を動作させるために使用されるエネルギーなどの要因によりエネルギーの一部分がエンジン外部で利用不可能だとしても、エンジン内で機械的エネルギーに変換される、燃料から得られるエネルギーの割合を記述するため用いられる用語である。ブレーキ熱効率とは、使用可能なエネルギーとしてエンジン外部で利用可能な燃料の熱エネルギーの割合によってエンジンの効率を記述するため用いられる用語である。エンジンプロセスから得られる基礎的な機械的エネルギーの一部分は、機械的エネルギーがエンジン外部に伝達される前に、摩擦によって熱に変換される。したがって、図示熱効率とブレーキ熱効率との差は、エンジン内を流れるガスが遭遇する圧力降下においてエンジンの内部摩擦に抗してエンジン部品を動かす際に使い果たされる熱エネルギーの割合と、エンジンの運転に不可欠なエンジン内の付属機構を駆動するために必要なエネルギーである。この最後の部類には燃料ポンプ、ウォータポンプおよび弁装置が含まれる。
上記のように、摩擦はエンジンの正味熱効率を低下させる。内燃機関における機械的摩擦は主としてクランクシャフトを支持する軸受、シリンダ壁に対するピストンの摩擦、およびバルブ機構における摩擦から生じる。軸受およびピストンの摩擦はエンジン内の荷重に左右される。この荷重はエンジンの細部の設計によって変化することになるが、常にエンジンの圧縮比の関数である。圧縮比が高くなると軸受およびピストンの荷重は大きくなる。マークスの第8節には、軸受の寸法とそれらの相対的な機械損失荷重とがそれら軸受にかかる荷重または力に比例することが示されている。またこのデータは、ジャーナルベアリングがベアリングシャフトの回転速度に比例した荷重を支持可能であることを示している。
高い圧縮比は何らかの化学的損失をも招く。高い圧縮比の採用によって生じる効率の増大が得られるのは、圧縮比を大きくするにつれて高温となる燃料から熱が取り出されるからである。ヒートエンジンは、エンジンに熱が加えられる温度をエンジンから熱が排出される温度に対して引き上げるほど効率が高くなる。これは基本的なカルノー(Carnot)の教示によるものである。約2000℃を上回る温度においては、燃焼する有機燃料の基本的な生成物である二酸化炭素と水蒸気という燃料−空気生成物において解離と非線形比熱という2つの効果が生じる。これら2つの事象の効果は、エンジン内でエネルギーを発生させることができる熱の有効な量を低減することにある。したがって、エンジンがますます高い圧縮比を用いるように設計されるにつれて、理論上の効率からのずれが拡大し、前記の摩擦効果のため、また高い圧縮比から得られる付加的な効率のある部分を解離および可変的な比熱の効果が打ち消すという事実により、実際の効率が低下するようになっている。化学的損失は、エンジン内で空気の量が過剰な希薄混合気を使用することにより打ち消される。
ガスがコンジット状の管などを通過する際には、そのガスにおける圧力勾配は、コンジットを通過するガスの速度を維持するものであることが必要である。同じ論述はコンジットへのポート、すなわち入口またはそのような流路からの出口を通過するガスにも当てはまる。圧力、したがってエネルギーの損失は、ガスが有意の速度で輸送されるところではどこでも見られる。このエネルギーはエンジンによって与えられなければならないので効率の損失が生じる。摩擦に関する節で上記したように、これらの圧力降下は機械的摩擦の一形態と考えることができる。
アヴァロン(Avallone)およびバウマイスター(Baumeister)編「機械技術者のためのマークス標準ハンドブック第10版」、マグローヒル、1996年 リカード、ハリー・R(Ricardo,Harry R.)「高速内燃機関(第4版)」、ブラッキー・アンド・サン社(Blackie & Son, Ltd.)、1967年 スティーブンソン、R・ロアダ(Stephenson, R. Rhoada)「我々は新しいエンジンを手にすべきか?(Should We Have a New Engine?)」、ジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory)、カリフォルニア技術研究所(California Institute of Technology)、1975年 ブルムバーグ(Blumberg,P.)およびクマー(Kummer,J.T.)「火花点火エンジンにおけるNO形成の予測―制御方法の分析("Predictions of NO Formation in Spark-Ignited Engines-An Analysis of Methods of Control")」、「燃焼の科学と技術」(Combustion Science and Technology)、第4巻、73−95頁
上記パラメータのバランスをとることは単純な課題ではない。最適なエンジンは摩擦が無視できるほどわずかであり、圧縮比が高く、すべての移動流路においてガス速度が低いものであり、事実上常時希薄混合気内で燃料を燃焼させるものになるであろう。前記VCRCエンジンは、この理想に近いエンジンを得るために独自のアプローチを採用している。
本発明によるエンジンは、エンジンに要求されるトルクがエンジンのスロットリングレンジ内で低下するにつれて圧縮比を大きくすることによって上記目的を達成する。圧縮比が高くなると同時に、エンジンは分離給気燃焼の方法を用いて、エンジン内に吸入される燃料のより希薄な燃焼を行なわせる。高い圧縮比と希薄燃焼とが組み合わさると、エンジンに要求されるトルクが最大より小さい状況においてエンジンの効率が向上する。原動機の実際上すべての用途は動作の大半をこれらの低トルク値において行なうので、この独創的な方法を用いたシステムの総合効率も同等に向上する。
層状給気は、火花点火エンジンで希薄燃焼を得るための方法として長く用いられている。さまざまな類型が存在するが、そのほとんどが1つの一般的な実施態様を共通に有している。主燃焼室から分離された小容積に、燃料を多く含む燃料と空気の給気が供給される。この給気は火花により着火し、そこからの炎が、燃焼室の残余部内のはるかに希薄な給気を発火させる。このようにして、化学量論比のおよそ50〜60%の希薄な給気を発火させることが可能である。小さな分離された容積内でのみ生じる燃焼は多くの場合、最大値の約10%の非常に低いトルク値を支えるために利用される。およそ10%ないしおよそ40%の間では、通常の層状給気機関は不安定で、他の機構によりその機関のスロットルを適切に絞ることが必要である。また,層状給気による設計には効率に関するいくつかの問題もある。層状給気の方法の希薄限界付近では、主燃焼容積内の給気に運転のため十分急速に着火させるという困難が存在する。緩慢燃焼は給気の熱エネルギーのいくらかの損失を招くとともに、不完全燃焼をも引き起こす。
本発明によるエンジンの構造は、図1を参照することにより最もよく理解することができる。2サイクルエンジン51は容積が可変的な燃焼室52を備えている。エンジン内のガスはガス流路54を通って燃焼室52とシリンダ容積53との間を自由に往来することができる。点火プラグ55はガス流路54に配置されている。インジェクションノズル56はガス流路54においてエンジン内に燃料を噴射するように配置されている。インジェクションノズル56はおおむねシリンダ容積53に最も近いガス流路54の端部に向けて配置されており、点火プラグ55はおおむね可変的容積52に最も近い流路54の他端部に配置されている。燃焼室52の容積は補助ピストン57の移動に伴って変化させることができる。補助ピストン57は、スプリング58のはたらきによって他の力なしに可変的な燃焼室52の容積を最小化するように移動する。2サイクルエンジン51には、従来のエンジンの様式で連接棒60を介してクランクシャフト61に連結されたパワーピストン59が組み込まれている。クランクシャフトは図1の矢印62で示すように回転する。
図2は前記圧縮比給気可変(Variable Compression Ratio and Charge)すなわちVCRCエンジンの制御リンクシステムによるさまざまなパラメータ制御の基本概念を示している。この図面は、圧縮比、燃料供給およびエンジンスピードという3つの機能がこのVCRC制御システムにおいて連関している様子を概略的に表している。スロットル制御ホイール77がエンジンの運転者によって反時計方向に回され、それによってトルクが増大する。この回転によってスロットル制御リンク機構78が操作され、圧縮比制御ホイール79が回転し、図4に示すような機構の動作を通じてエンジンの圧縮比が調整される。制御ホイール79がスロットル制御ホイール77およびスロットルリンク機構78の作用を受けて反時計方向に回転すると、エンジンの圧縮比は低下する。制御ホイール79は圧縮比リンクロッド80、補助リンクロッド81、速度調節リンクロッド82および燃料供給リンクロッド83を介して燃料供給制御ホイール84に連結されている。制御ホイール84が反時計方向に回転すると、各サイクルにおいてより多くの燃料がエンジンに供給される。このトルク制御システムの最大行程はスロットルストップ92によって制限される。圧縮比および燃料供給を制御するための具体的な機構は図2に示されていない。エンジン設計の当業者は前記の相互に関連した機能を実施するためのさまざまな機構を用いることができる。本発明における圧縮比制御の特別な方法はこれまで論じたように本発明に独特のものである。
再び図1および図4を参照する。アイドリング時のVCRCエンジンは燃焼空間としてガス流路54のみを使用する。VCRCの運転におけるこの状態では、制御ロッド68の操作によってスライド65が移動し、その結果、補助ピストン57は燃焼室52を塞ぐ位置から名目上は移動することができなくなる。この位置において補助ピストン57は燃焼室52の空間を閉鎖し、それによって燃焼室の容積は名目上ゼロになる。アイドリングの間エンジンは、エンジンの付属装置および空調機やパワーステアリングポンプなど他の装置を動作させるために少量のトルクを必要とする。必要なエネルギーを支えるのに要する量の燃料は、細かく時間調節された方式によりインジェクタノズル56を介して供給される。燃料の流れの開始および停止の時間を調整することにより、圧縮行程の間空気流路54には燃料の多い空気と燃料のない空気との間に一時的な境界が存在する。燃料の多い空間は一端では補助ピストン57によって、他端では空気流路54内のある位置において境界が形成されることになる。点火プラグ55は空気流路54の補助ピストン57に近い端部に配置されており、点火プラグの発火と同時に混合気が燃焼するようになっている。アイドリングの間、スロットル制御は燃料噴射のタイミングで行なわれるだけであり、アイドリング状態の間の圧縮比はおおむね一定である。補助ピストン57はアイドリングの間、名目上は不動であるが、エンジンの作用容積内のガス圧に抗して補助ピストン57を保持するアセンブリにおけるすべての部品のコンプライアンスによって、ピストン57はピストン57とシリンダ117との間の表面の潤滑を保つ小さな振動運動を行なうことが可能になる。
a. 掃気(図1参照)
b. 圧縮(図5参照)
c. 燃焼(図6参照)
d. 膨張(図7参照)
4サイクルエンジンの概略図が図16に示されている。エンジンのシリンダ壁における吸気ポート109および排気ポート110の代わりに、それらの機能は吸気ポート159を備えた吸気弁157および排気ポート158を備えた排気弁156によって果たされる。4サイクルVCRCエンジンの運転は、圧縮、燃焼および膨張の過程に関して2サイクル装置とまったく同様である。2サイクルエンジンの掃気過程は4サイクルピストンの2つの別個の行程によって置き換えられる。すなわちピストンが下死点(BDC)の周辺から排気弁156が開いている上死点(TDC)の付近まで移動する排気行程と、それに続いてピストンがTDCから吸気弁157が開いているBDCまで後退する吸気行程である。
図13は、図2に示した制御システムを実施するための機構の概略を示している。ここでは、機能的なシステムが基本的な機械的構造によりどのように構成可能かが示されている。図示の機構は、図4に示す補助ピストン制御機構123、図14に示す燃料ポンプ制御装置135、および前記のように速度の効果を補正するためのサーボモータ132と組み合わせた組合せ歯車連結器制御装置162である。以下の段落では運転の説明を行なう。
2サイクルエンジンには、この形態のエンジンは4サイクルの相当物と異なり直接エアポンプとしては機能しないので、ブロワを設けなければならない。4サイクルVCRCエンジンの運転に関する議論において上記したように、吸気行程および排気行程は周囲の環境から空気を導入するためのエアポンプとして機能する。2サイクルエンジンの低価格品では、このポンプ機能はピストンの下部によって実行される。適切な弁の使用によって、パワーピストンの下部が空気をまず外部環境からパワーピストンの下側のクランクケースに、さらに作用容積にポンプ吸入できるようになっている。これは簡潔性とそれに付随する低コストという利点を備えているが、その他に推奨すべき点はほとんどない。そのようにポンプ吸入された空気はクランクケースおよびピストンからの熱を吸収するとともに、オイル消費量を高めてしまう。
2サイクル型エンジンが、より一般的な4サイクルエンジンよりも潜在的に非常に軽量かつ効率的であるということはよく認識されている。これは、4サイクルにおける各動力行程に対して2サイクルエンジンでは2つの動力行程が対応するからである。したがって前記エンジンの重量は同等の4サイクルエンジンの半分を大きく上回ることはない。前記エンジンは同じまたはより少数の部品を用いながら2倍の出力を発生させるので、2サイクルエンジンでは基本的に摩擦が少ない。
以下の分析はVCRCの概念の可能性を説明するために行なう。これは相当に単純化されたものであり、基本概念をより簡潔に示すために多くの仮定がなされている。より精密な分析によれば、特により高いレベルの指示平均実効圧力(indicated mean effective pressure)(IMEP)においてさらに良好な効率が実際に示されている。
ηm = (IMEP−Pf)/IMEP
(式中、ηmは機械効率、Pfは摩擦圧力当量)
ηoa = η0 × ηm
(式中、ηoaは総合効率、η0は図12からの図示熱効率)
点124、100%トルク 35%
点125、76%トルク 41%
点126、44%トルク 47%
点127、26%トルク 50%
リカードは、「コメット・マークIII」燃焼室を用いた圧縮点火(ディーゼル)エンジンの効率を示している。このエンジンは、最大値の約26%のトルクレベルにおけるVCRCエンジンのおよその比率である15対1の圧縮比を用いている。同等のVCRCエンジンとリカードの例とを比較することが可能である。そのような比較はやや人為的なものである。無過給のリカードの例の最大正味平均有効圧力は約125psiである。最適に設計されたVCRCエンジンはそのターボブロワの能力を利用して最大正味平均有効圧力は約170psiになり、設計を適正にバランスのとれたものにすればさらに効率的になる。
Claims (22)
- 主シリンダ(111)を有する少なくとも1つのピストン/シリンダ(59、111)の組合せと、流路(54)を介して前記主シリンダと連通する補助シリンダ(117)とを備えていて、
前記補助シリンダ(117)と前記流路(54)とが副容積(52)を形成し、
前記補助シリンダ(117)が、位置を変えることができる補助ピストン(57)と、前記副容積(52)内に燃料を供給する燃料噴射システム(56)と、前記燃料噴射システム(56)のための第1制御装置と、前記副容積を変化させるための第2制御装置(123)と、前記副容積(52)と連通する点火装置(55)とを備えている内燃機関(51)を操作する方法であって、
a. 前記内燃機関に供給されるすべての空気を、主シリンダ容積(63)内および前記副容積(52)内の双方に導入するステップと、
b. 前記副容積(52)内にすべての燃料を導入するステップと、
c. 前記燃料と前記主シリンダ容積内の空気との燃焼を開始させるステップと、
d. 前記燃料と前記主シリンダの容積内の空気との燃焼を完了させるステップと、
e. 前記補助シリンダ(117)の容積を変化させて、前記シリンダ/ピストンの組合せの圧縮比を変えるステップとを含んでいて、
f. 前記内燃機関が火花点火式エンジンであり、
g. 前記燃料を、前記内燃機関の圧縮行程の全部又は一部において、前記流路(54)内を前記副容積(52)に向かって流れている空気と混合させることにより前記副容積(52)内に導入して、燃料の点火燃焼の前に、燃料と空気とが実質的に均一に混合された可燃性の混合物を前記副容積内に形成することを特徴とする方法。 - 前記燃料を、実質的に、前記流路(54)内を前記補助シリンダ(117)へ流れている前記空気にのみ噴射することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 少なくとも化学量論比かそれより燃料が多い空燃比で燃料および空気を前記副容積(52)に供給するステップをさらに含んでいることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
- 化学量論比よりも燃料が少なくとも40%多い空燃比で燃料および空気を前記副容積(52)に供給することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
- 前記シリンダ/ピストンの組合せに対するトルク需要に応じて燃料供給量を変化させるとともに、前記トルク需要に応じて圧縮比を変化させるステップをさらに含んでいることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1つに記載の方法。
- 前記補助シリンダの容積の大きさを変化させる前記ステップが、該容積を、最小値と各燃焼手順に関する望ましい値との間で変化させる過程を含んでいることを特徴とする、請求項2〜5のいずれか1つに記載の方法。
- 前記補助シリンダの容積の大きさを変化させる前記ステップが、該容積を、前記内燃機関が最小圧力にある内燃機関サイクルの一部分の期間に、最小値と各燃焼手順に関する望ましい値との間で変化させる過程を含んでいること特徴とする、請求項2〜6のいずれか1つに記載の方法。
- 前記補助シリンダの容積の大きさの制御が前記内燃機関のスピードに応じて変化し、前記内燃機関のスピードに応じて圧縮比を変化させることを特徴とする、請求項2〜7のいずれか1つに記載の方法。
- 前記内燃機関が1サイクル・2ストロークエンジンであることを特徴とする、請求項2〜8のいずれか1つに記載の方法。
- 前記補助シリンダの容積の大きさを変化させる前記ステップが、該容積を、前記内燃機関が圧縮行程にある内燃機関サイクルの一部分の期間に、最小値と各燃焼手順に関する望ましい値との間で変化させる過程を含み、
かつ、前記補助シリンダの容積を、前記内燃機関が最小圧力にある期間に最小容積に復帰させること特徴とする、請求項2〜6のいずれか1つに記載の方法。 - 前記内燃機関に供給される空気が再循環された排気ガスを含んでいること特徴とする、請求項2〜10のいずれか1つに記載の方法。
- 主シリンダ(111)を有する少なくとも1つのピストン/シリンダ(59、111)の組合せと、
流路(54)を介して前記主シリンダと連通する補助シリンダ(117)であって、前記流路(54)とともに副容積を形成し、かつ、補助ピストン(57)により制御されてその容積を変化させて圧縮比を変えることができる補助シリンダ(117)と、
前記副容積に燃料を供給する燃料噴射器を有する燃料噴射システム(56)と、
前記燃料噴射器への燃料供給を制御する第1制御装置と、
前記補助シリンダの容積を変化させるための第2制御装置(123)、および、前記副容積(52)と連通する点火装置(55)とを備えている内燃機関(51)であって、
前記補助ピストン(57)のための前記第2制御装置(123)は、特定のエンジンサイクルの期間における該内燃機関の需要トルクを供給するのに必要な燃料の量に応じて、前記特定のエンジンサイクルの期間に前記補助シリンダ(117)の最大容積を変化させるように構成されていて、
a. 前記第1制御装置は、該内燃機関の圧縮行程の全部又は一部において、前記副容積(52)に燃料を噴射して、燃料の点火燃焼の前に、燃料と空気とが実質的に均一に混合された可燃性の混合物を前記副容積内に形成するように構成され、
b. 該内燃機関が火花点火式エンジンであることを特徴とする内燃機関。 - 前記燃料噴射システム(56)が、実質的に、前記流路(54)内を前記補助シリンダ(117)へ流れている前記空気にのみ噴射するように配置されていることを特徴とする、請求項12に記載の内燃機関。
- 前記補助ピストン(57)に接続された前記第2制御装置(123)が、前記第1制御装置によって供給される燃料の量に応じて圧縮比を制御することを特徴とする、請求項13に記載の内燃機関。
- 前記補助ピストン(57)に接続された前記第2制御装置(123)が、実質的に、該内燃機関内の圧力がエンジンサイクルの期間における最小値に接近したときにのみ前記補助ピストン(57)が移動するよう、前記補助ピストン(57)を制御又は操作することを特徴とする、請求項13又は14に記載の内燃機関。
- 前記第2制御装置(123)は、前記容積を、最小値と各燃焼手順に関する望ましい値との間で変化させることを特徴とする、請求項13〜15のいずれか1つに記載の内燃機関。
- 前記第2制御装置(123)は、該内燃機関のスピードに応じて圧縮比が変化するように、該内燃機関のスピードに応じて前記補助シリンダの容積の大きさを変化させることを特徴とする、請求項13〜16のいずれか1つに記載の内燃機関。
- 前記第2制御装置(123)は、内燃機関の圧縮行程の間に前記補助シリンダ(117)に供給された燃料・空気混合物の量に応じて前記補助シリンダの容積の大きさを変化させ、かつ、該内燃機関が最小圧力であるときに前記補助シリンダ(117)の容積を最小値に戻すことを特徴とする、請求項13〜17のいずれか1つに記載の内燃機関。
- 前記第2制御装置(123)は、前記補助ピストン(57)に力を作用させて、該内燃機関内の圧力が最小であるときに前記補助シリンダの容積が最小に維持されるように前記補助ピストンを付勢するように構成され、
かつ、前記第2制御装置(123)は、該内燃機関の圧力の作用の下で前記補助ピストン(57)の周期的移動を案内および制限するように構成されていることを特徴とする、請求項13〜18のいずれか1つに記載の内燃機関。 - 前記第2制御装置(123)は、該内燃機関の圧力の作用の下で前記補助ピストン(57)の周期的移動を案内および制限するための液圧制動装置を備えていて、該液圧制動装置は、
a. 前記補助ピストンに取り付けられ、前記補助ピストンと同時に移動するように強制される液圧ピストン(65)と、
b. 前記液圧ピストン(65)の周囲に密接して嵌装され、実質的に圧縮不可能な流体が満たされる液圧コントロールシリンダ(66)と、
c. 前記液圧コントロールシリンダ(66)における前記流体の流出・流入を許容する孔(112)と、
d. 前記液圧ピストンのさまざまな位置において前記孔を閉じ、必要を越える前記液圧ピストンの運動を防止するようになっている、前記液圧制動装置内の補助バルブ機構(123、68、64)とを備えていることを特徴とする、請求項13〜19のいずれか1つに記載の内燃機関。 - 前記補助バルブ機構は、前記液圧ピストン(65)が該液圧ピストン(65)の所望の位置において前記孔を覆うときに、前記液圧コントロールシリンダ(66)からの前記液体の流動を阻止するように配置された前記液圧コントロールシリンダの壁部に配置されている前記孔で構成され、
前記液圧コントロールシリンダ(66)は、前記液圧ピストン(65)の制動を制御するよう前記液圧コントロールシリンダ(66)を位置決めするように構成された機構により移動自在であり、これによって制動が望ましい位置に前記液圧ピストン(65)が位置するときに、前記孔を通る前記液体の流動が前記液圧ピストン(65)の外径によって実質的に阻止されるように前記孔を配置することを特徴とする、請求項20に記載の内燃機関。 - 前記補助バルブ機構は、前記液圧コントロールシリンダ(66)と直径が実質的に同一である、移動しない静止液圧ピストン(67)を備えていて、
前記静止液圧ピストン(67)は、前記液圧コントロールシリンダ(66)に同軸に取り付けられ、
かつ、前記静止液圧ピストン(67)は、前記液圧ピストン(65)とは反対側の端部において前記液圧コントロールシリンダ(66)内に配置され、
前記液圧コントロールシリンダ(66)は、その両端部で開いていて、前記静止液圧ピストン(67)および前記液圧ピストン(65)と同軸方向に移動するように摺動自在に取り付けられていることを特徴とする、請求項20又は21に記載の内燃機関。
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