JP2008179324A - 駆動輪懸架構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】隙間に入った異物を排出し易くすることができる駆動輪懸架構造を提供する。
【解決手段】フレームに対し揺動自在に支持したサスペンションアームにナックル84を連結し、該ナックル84に対しベアリング85を介して回転自在に駆動輪3に支持したハブ86を連結し、該ハブ86にアクスル87を連結し、該アクスル87には自在継手88aを介してエンジンからの動力を伝達する駆動軸14を連結した駆動輪懸架構造において、ベアリング85をシールベアリングで構成し、ナックル84とアクスル外周面との隙間S1を奥側から手前側に向かって略一定の間隔に形成し、或いは、奥側よりも手前側に向かって徐々に広い隙間となるテーパ状の間隔に形成し、該隙間S1の奥側にシールベアリング85のシール部を対向させるようにした。
【選択図】図8

Description

本発明は、フレームに対し揺動自在に支持したサスペンションアームにナックルを連結し、該ナックルに対しベアリングを介して回転自在に駆動輪に支持したハブを連結し、該ハブにアクスルを連結し、該アクスルには自在継手を介してエンジンからの動力を伝達する駆動軸を連結した駆動輪懸架構造に関する。
ATV車両(All Terrain Vehicle)等の4輪車両は、フレームに対し揺動自在に支持したサスペンションアームにナックルを連結し、該ナックルに対しベアリングを介して回転自在に駆動輪に支持したハブを連結し、該ハブにアクスルを連結し、該アクスルには自在継手を介してエンジンからの動力を伝達する駆動軸を連結している(例えば、特許文献1参照)。この車両では、ナックルとアクスルとの間及びナックルとハブとの間にそれぞれシール部材を配置し、これらシール部材によりベアリングへの泥や土等の侵入を防止している。
特開2005−280619号公報
従来の構成において、上記ベアリングに異物侵入を防ぐシールを備えたシールベアリングを採用した場合、ナックルとアクスルとの間のシール部材及びナックルとハブとの間のシール部材が不要になるものの、シール部材を除く分、ナックル近傍にて、ナックルとアクスルとの間とナックルとハブとの間との隙間が大きくなってしまい、不整地走行時に泥や土等の異物が入り込んでしまうことが考えられる。また、上記シール部材を除いて形成される隙間が比較的大きくなるため、一度入った異物が出にくい構造になってしまう。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、隙間に入った異物を排出し易くすることができる駆動輪懸架構造を提供することにある。
上述課題を解決するため、本発明は、フレームに対し揺動自在に支持したサスペンションアームにナックルを連結し、該ナックルに対しベアリングを介して回転自在に駆動輪に支持したハブを連結し、該ハブにアクスルを連結し、該アクスルには自在継手を介してエンジンからの動力を伝達する駆動軸を連結した駆動輪懸架構造において、前記ベアリングをシールベアリングで構成し、前記ナックルと前記アクスル外周面との隙間を奥側から手前側に向かって略一定の間隔に形成し、或いは、奥側よりも手前側に向かって徐々に広い隙間となるテーパ状の間隔に形成し、該間隔の奥側に前記シールベアリングのシール部を対向させたことを特徴とする。
この発明によれば、ハブを支持するベアリングをシールベアリングで構成し、ナックルとアクスル外周面との隙間を奥側から手前側に向かって略一定の間隔に形成し、或いは、奥側よりも手前側に向かって徐々に広い隙間となるテーパ状の間隔に形成し、該間隔の奥側にシールベアリングのシール部を対向させたので、ナックルと外周面との隙間に泥等の異物が侵入しても、走行時の回転に伴い、外に排出することができる。
この場合において、前記サスペンションアームを上下のアームで形成し、上下のアームに連結したナックルの間に上記間隔をあけてアクスルを延在させることが好ましい。この構成によれば、ナックルとアクスル外表面との間の上下の隙間に泥等の異物が侵入しても、走行時の回転に伴い、外に排出することができる。
また、前記アクスルは、前記自在継手との接続部を太径部とし、前記ナックルは、前記アクスルの外形に沿って延出して前記太径部を覆うことが好ましい。この構成によれば、ナックルとアクスル間の隙間に段差を無くし、泥等の異物を詰まり難くすることができる。
また、前記ナックルと前記ハブ外周面との隙間を、奥側から手前側に向かって略一定の間隔に形成し、或いは、奥側よりも手前側に向かって徐々に広い隙間となるテーパ状の間隔に形成し、該間隔の奥側に前記シールベアリングのシール部を対向させることが好ましい。この構成によれば、ナックルとハブ外周面との隙間に泥等の異物が侵入しても、走行時の回転に伴い、外に排出することができる。
また、本発明は、フレームに対し揺動自在に支持したサスペンションアームにナックルを連結し、該ナックルに対しベアリングを介して回転自在に駆動輪に支持したハブを連結し、該ハブにアクスルを連結し、該アクスルには自在継手を介してエンジンからの動力を伝達する駆動軸を連結した駆動輪懸架構造において、前記ベアリングをシールベアリングで構成し、前記ナックルと前記ハブ外周面との隙間を奥側から手前側に向かって略一定の間隔に形成し、或いは、奥側よりも手前側に向かって徐々に広い隙間となるテーパ状の間隔に形成し、該間隔の奥側に前記シールベアリングのシール部を対向させたことを特徴とする。
この発明によれば、ハブを支持するベアリングをシールベアリングで構成し、ナックルとハブ外周面との隙間を奥側から手前側に向かって略一定の間隔に形成し、或いは、奥側よりも手前側に向かって徐々に広い隙間となるテーパ状の間隔に形成し、該間隔の奥側にシールベアリングのシール部を対向させたので、ナックルとハブ外周面との隙間に泥等の異物が侵入しても、走行時の回転に伴い、外に排出することができる。
本発明では、ハブを支持するベアリングをシールベアリングで構成し、ナックルとアクスル外周面との隙間を奥側から手前側に向かって略一定の間隔に形成し、或いは、奥側よりも手前側に向かって徐々に広い隙間となるテーパ状の間隔に形成し、該間隔の奥側にシールベアリングのシール部を対向させたので、ナックルと外周面との隙間に泥等の異物が侵入しても、走行時の回転に伴い、外に排出することができる。
また、サスペンションアームを上下のアームで形成し、上下のアームに連結したナックルの間に上記間隔をあけてアクスルを延在させたので、ナックルとアクスル外表面との間の上下の隙間に泥等の異物が侵入しても、走行時の回転に伴い、外に排出することができる。
また、アクスルは、自在継手との接続部を太径部とし、ナックルは、アクスルの外形に沿って延出して太径部を覆うので、ナックルとアクスル間の隙間に段差を無くし、泥等の異物を詰まり難くすることができる。
また、ナックルとハブ外周面との隙間を、奥側から手前側に向かって略一定の間隔に形成し、或いは、奥側よりも手前側に向かって徐々に広い隙間となるテーパ状の間隔に形成し、該間隔の奥側にシールベアリングのシール部を対向させたので、ナックルとハブ外周面との隙間に泥等の異物が侵入しても、走行時の回転に伴い、外に排出することができる。
また、本発明は、ハブを支持するベアリングをシールベアリングで構成し、ナックルとハブ外周面との隙間を奥側から手前側に向かって略一定の間隔に形成し、或いは、奥側よりも手前側に向かって徐々に広い隙間となるテーパ状の間隔に形成し、該間隔の奥側にシールベアリングのシール部を対向させたので、ナックルとハブ外周面との隙間に泥等の異物が侵入しても、走行時の回転に伴い、外に排出することができる。
以下、本発明の一実施形態を添付した図面を参照して説明する。なお説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は車体に対してのものとする。
(第1実施形態)
図1は鞍乗り型車両の側面図、図2は同じく平面図である。鞍乗り型車両1はATV車(不整地走行車両)に分類される4輪車両であり、農業、牧畜業、狩猟、安全監視等の移動用、或いはレジャー用に適した車両であり、小型軽量に構成された車体の前後に比較的大径の低圧バルーンタイヤである左右の前輪2及び後輪3を備え、最低地上高を大きく確保して不整地の走破性を高めている。
鞍乗り型車両1は、車体フレーム4を有し、この車体フレーム4の前部には、独立懸架式(ダブルウィッシュボーン)式のフロントサスペンション57を介して左右の前輪2が懸架され、フレーム4の後部にも同じく独立懸架式(ダブルウィッシュボーン)式のリヤサスペンション81を介して左右の後輪3が懸架されている。
車体フレーム4は、車体のほぼ前後方向に延出するフレーム本体4aを有している。フレーム本体4aは、複数種の鋼材を溶接等により結合して形成され、左右のアッパパイプ41及びロアパイプ42を主として左右一対の閉ループ構造体を形成し、これらを複数のクロスメンバを介して結合することで、車幅方向中央部において前後に長いボックス構造を形成する。アッパパイプ41は、車体前後方向に後下がりで緩やかに傾斜して延びる上部傾斜部41aと、上部傾斜部41aの前端部から斜め前下方に延びる前部傾斜部41bとを備え、ロアパイプ42は、アッパパイプ41の前部傾斜部41bの下端に連結されて車体前後方向に略水平に延びている。
そして、上記アッパパイプ41の前部傾斜部41bの前部と上記ロアパイプ42とが、後下がりに傾斜した左右一対の前方連結傾斜部46及び左右一対のフロントサブパイプ47で連結され、アッパパイプ41の後部とロアパイプ42との間は、ロアパイプ42からこれに対して鈍角となるように斜め上方に延びる左右一対のリヤサブパイプ62で連結される。また、リヤサブパイプ62とアッパパイプ41との間には左右一対のリヤクロスメンバ63が取り付けられる。
ロアパイプ42前部のフロントロアパイプ45は、車体前方に延びてその前端部にフロントプロテクタ34が連結され、このフロントプロテクタ34は、フロントキャリア35を支持するキャリーパイプを兼ねている。ロアパイプ42前方向の略中央部には、ステップバー56が設けられ、このステップバー56及びステップバー56の下方のステップボード(不図示)が乗員用ステップを構成する。
フロントロアパイプ45の前端部には、上述した左右の前部傾斜部41bが接合され、前部傾斜部41bは、斜め後上側に向けて延び、その上端部が各アッパパイプ41の前端部に連続している。左右の前部傾斜部41b間には、クロスメンバ51が渡設され、左右のフロントロアパイプ45間にも前後に間隔を空けてクロスメンバ53、54が渡設され、左右の前方連結傾斜部46及び前部傾斜部41b間にもクロスメンバ52、55が渡設される。これらクロスメンバ51〜55によってフロント周りのフレーム剛性が十分に確保されると共に、クロスメンバ52、53及び54等が前輪側終減速装置11を支持する支持部材を兼ねている。
前部傾斜部41b間に渡したクロスメンバ55の左右には、図1に示すように、ブラケット(不図示)を介して左右一対のフロントクッションユニット58の上端が支持され、このフロントクッションユニット58を含む左右一対のフロントサスペンション57によって前輪2が懸架される。
ロアパイプ42の後部とリヤクロスメンバ63とは上下方向に延びる左右一対のリヤメンバ64で連結され、これらロアパイプ42、リヤサブパイプ62、リヤクロスメンバ63及びリヤメンバ64を主として左右一対の閉ループ構造体が形成され、後輪側終減速装置12を支持するボックス構造60が形成される。そして、リヤクロスメンバ63間にはクロスメンバ69が渡設され、ロアパイプ42の後部間にはクロスメンバ67が渡設され、リヤメンバ64の下端部近傍間にはクロスメンバ68が渡設される。これらクロスメンバ67〜69によってリヤ周りのフレーム剛性が十分に確保される。
図3に示すように、アッパパイプ41とリヤクロスメンバ63との間にはブラケット70を介して左右一対のリヤクッションユニット80の上部が支持され、このリヤクッションユニット80を含む左右一対のリヤサスペンション81によって後輪3が懸架される。
本構成では、図1及び図2に示すように、車体フレーム4の略中央に例えば水冷式2気筒エンジンからなる原動機としてのエンジン5が搭載され、このエンジン5はクランクシャフト等を軸支するクランクケース6と、このクランクケース6の上に連結されるシリンダ部7とを備え、クランクシャフトの回転軸線を車両前後方向に沿わせたいわゆる縦置きレイアウトとされている。クランクケース6は変速機を収容する変速機ケースを兼ね、クランクケース6の前後からは、クランクケース6内の変速機に連結された前輪用と後輪用の各プロペラシャフト8、9が各々前方及び後方に向けて導出される。
各プロペラシャフト8、9は、車体フレーム4の前部下側及び後部下側において、前輪側終減速装置11及び後輪側終減速装置12と、これら終減速装置11、12の左右に延びるドライブシャフト(駆動軸)13、14等を介して前輪2及び後輪3に各々動力伝達可能に接続され、エンジン5からの回転動力は、クランクケース6内の変速機を介して各プロペラシャフト8、9に伝達された後、各終減速装置11、12及びドライブシャフト13、14を介して前輪2及び後輪3に伝達される。
エンジン5のシリンダ部7の上部にはシリンダヘッド部20が接続され、このシリンダヘッド部20の上方には、スロットルボディ21が設けられる。そして、このスロットルボディ21には、エアクリーナケース22が接続され、これらがエンジン5の吸気系を構成している。エンジン5のシリンダヘッド部20の一側(左側面部)には、エンジン5の2気筒に対応して、2本の排気管23が接続されている。これら排気管23は、シリンダ部7の左側面部から左方に延び、かつ屈曲してエンジン後方に延びた後に、クランクケース6とシリンダ部7の境界部左側方に位置する合流管26で合流し、ここから後方に延びた後に、車体後部左側方に先上がりに斜め傾斜して配置されたサイレンサ24に接続され、これらがエンジン5の排気系を構成している。
車体フレーム4の車幅方向中央には、図1及び図2に示すように、車体前側から順にエンジン冷却用のラジエータ25、送風ファン25a、シェラウド25b、フロントクッションユニット58、ステアリングシャフト27、エアクリーナケース22、スロットルボディ21、鞍乗り型のシート29及び燃料タンク28がそれぞれ配設されている。ステアリングシャフト27の上端部には、エアクリーナケース22の斜め上方に位置するバー型のハンドル30が取り付けられ、ステアリングシャフト27の下端部には、電動パワーステアリング機構91及び前輪操舵機構31が連結されている。
車体フレーム4の前部には、車体前部をエアクリーナケース22及びスロットルボディ21を含めて上方から覆う樹脂製の車体カバー32と、両前輪2をその上方から後方に渡って覆う樹脂製のフロントフェンダ33と、主に鋼材からなるフロントプロテクタ34及びフロントキャリア35とが設けられている。また、車体フレーム4の後部には、両後輪3をその前方から上方に渡って覆う樹脂製のリヤフェンダ36と、主に鋼材からなるリヤキャリア37が設けられている。
本構成では、エンジン5がフレーム4に懸架した前輪2と後輪3との間に位置しており、特に、エンジン5のシリンダ部7のセンター(気筒間の略中心)が、該前輪2寄りに位置するように設けられる。鞍乗り型車両では、シート29の位置が決まると、これに連れてエンジン5の配置レイアウトが決まる。シート29の着座部が低く、該着座部よりも前方にエンジン5が配置されるためである。
このエンジン5は、クランクケース6と該クランクケース6から上方に張り出すシリンダ部7とを備え、クランクケース6には車体前後方向に延びる縦置きクランク軸が設けられ、クランク軸の前端にはACG(交流発電機)190が接続され、クランク軸の後端にはトルクコンバータ等を含む動力伝達系部材200が接続されている。即ち、エンジン5がACG190を車体前方側に向け、動力伝達系部材200を車体後方側に向けて配置されている。また、エンジン5の前側には前輪側終減速装置11が位置し、後側には後輪側終減速装置12が位置し、エンジン5から各終減速装置11、12までの距離は、後輪側終減速装置12までの距離が長く設定されている。
ACG190及び動力伝達系部材200は、シリンダ部7よりもエンジン前後方向に張り出し、動力伝達系部材200の後方への張り出し幅W1が、ACG190の前方への張り出し幅W2よりも大きい。後方に張り出した動力伝達系部材200の上部にはエンジンオイルを貯蔵するオイルタンク92が設けられ、オイルタンク92の上部にはバッテリ93が配置されている。
図3に示すように、後輪側終減速装置12の前側には、後輪駆動用のプロペラシャフト9に同軸固定されたブレーキディスク9aにパッドを押しつけるブレーキキャリパ9bが支持される。なお、図3において、符号71、72は、リヤサスペンション81の後述するリヤアッパアーム82を支持するアッパアーム支持部であり、符号73、74は、リヤサスペンション81の後述するリヤロアアーム83を支持するロアアーム支持部であり、符号74は、リヤ用のスタビライザ(不図示)を支持するスタビライザ支持部である。
図4はリヤサスペンション81を示す図である。左右のリヤサスペンション81は左右対称構造であるため、以下、一方の後輪3を懸架するリヤサスペンション81を説明する。リヤサスペンション81は、リヤサスペンションアームを構成するリヤアッパアーム82及びリヤロアアーム83とを備え、リヤアッパアーム82の基端部が、図3に示すアッパアーム支持部71、72を介して車体フレーム4に上下に揺動自在に支持され、リヤロアアーム83の基端部が図3に示すロアアーム支持部73、74を介して車体フレーム4に上下に揺動自在に支持される。
リヤアッパアーム82及びリヤロアアーム83の先端にはナックル84が連結され、このナックル84にはベアリング85を介してハブ86が回転自在に支持され、このハブ86の外側(車体外方)に後輪3のホイール3aが接続される。リヤロアアーム83には、リヤクッションユニット80の下端が接続され、これらにより、後輪3が揺動自在に独立懸架される。ハブ86を支持するベアリング85には、シールベアリングが使用され、これにより、ナックル84と後輪3のホイール3aとの間のシールと、ナックル84と以下に述べるアクスル87との間のシールが不要とされる。
このハブ86の内側(車体内方)には、ドライブシャフト14が自在継手88aを介して接続されたアクスル87が設けられ、これらによって、エンジン5の動力が後輪側終減速装置12からドライブシャフト14を介してアクスル87及びハブ86に伝達され、後輪3が回転駆動される。このドライブシャフト14は、後輪側終減速装置12に対しても自在継手88bを介して接続され、これら自在継手88a、88bは、入力側(後輪側終減速装置12側)と出力側(後輪3側)の速度を等しくする等速ジョイントにより構成されている。
ドライブシャフト14の両端部の自在継手88a、88bとドライブシャフト14との連結部分は、ゴム製又は樹脂のブーツ89a、89bでそれぞれ覆われる。後輪3側のブーツ89aは、自在継手88aとドライブシャフト14の先端部とを覆うためにホイール3aのリム3bより車体内方側へはみ出しており、また、後輪側終減速装置12側のブーツ89bは、自在継手88bとドライブシャフト14の基端部とを覆うためにロアパイプ42よりも車体外方側へはみ出している。
図5はリヤロアアーム83を示す図である。リヤロアアーム83は、略U字状に屈曲するパイプ部材である屈曲管100と、ナックル84の下端部を支持するナックル支持部(ピボット部ともいう)110とを備えている。
屈曲管100は、前アーム101と、前アーム101の後方に配置した後アーム102と、これら前アーム101及び後アーム102との間に渡したクロスメンバ103とを備えている。前アーム101及び後アーム102の端部には、略車体前後方向に貫通孔を有するボルト挿通部101a、102aがそれぞれ取り付けられている。これらボルト挿通部101a、102aは、ロアアーム支持部73、74に長軸ボルト75、76(図3参照)を介して連結される。ここで、長軸ボルト75、76の軸部には膨出部75a、76aが設けられ、この膨出部75a、76aがロアアーム支持部73、74に支持されることによって、リヤロアアーム83は、長軸ボルト75、76の軸線を中心にして、上下に揺動自在、かつ、前後に傾き自在に支持される。
前アーム101には、ロアパイプ42に設けられたスタビライザ支持部77と共にスタビライザを支持するアーム側スタビライザ支持部101bが取り付けられ、このスタビライザによって左右の後輪3が上下逆相に動くときにリヤロアアーム83の動きを押さえて車体の傾き(ローリング)を押さえ込むことができる。
後アーム102には、ブラケット104が取り付けられ、このブラケット104とクロスメンバ103とにはボルト孔104a、103aが設けられ、これらボルト孔104a、103aによりボルト及びナットでインボード側ブーツカバー120が取り付けられる。このインボード側ブーツカバー120は、ドライブシャフト14の基端部側のブーツ89bを下方から覆う樹脂製の板部材であり、これにより、車体前方や下方からの飛び石や障害物からブーツ89b及びブーツ89b内の自在継手88b等を保護する。
ナックル支持部110は、プレス成形された金属製の板部材で形成され、その基端部が屈曲管100の先端部に溶接等で接合される。このナックル支持部110の先端部111は、上方に開口する断面略コ字状に形成され、この車体前後方向に間隔を有する側壁111a、111b間には、ナックル84の下端部とリヤクッションユニット80の下端部とが車体前後方向に並べて配置される。これらナックル84及びリヤクッションユニット80の下端部は、側壁111a、111b間を貫通する長軸ボルト113を介してナックル支持部110に連結され、この長軸ボルト113はナット114によりナックル支持部110に固定される。
このナックル支持部110は、ナックル84に支持されたハブ86に後輪3を接続した場合、図4に示すように、ホイール3aのリム3bと屈曲管100との間に延在してドライブシャフト14の先端部側のブーツ89a下方とリヤクッションユニット80の下端部下方を覆う。このため、このナックル支持部110は、リヤロアアーム83の一部品として機能するだけでなく、車体前方や下方からの飛び石や障害物からブーツ89a、ブーツ89b内の自在継手88b及びリヤクッションユニット80を保護するアウトボード側ブーツカバーの機能を兼用することができる。
図6はリヤアッパアーム82を示す図である。リヤアッパアーム82は、パイプ部材からなる前アーム151及び後アーム152と、これら前アーム151及び後アーム152との間に渡したクロスメンバ153と、ナックル84の上端部を支持するナックル支持部(ピボット部ともいう)160とを備えている。
前アーム151及び後アーム152の端部には、略車体前後方向に貫通孔を有するボルト挿通部151a、152aがそれぞれ取り付けられ、これらボルト挿通部151a、152aが図3に示す長軸ボルト154、155及びナット157、158を介してアッパアーム支持部71、72(図3参照)にそれぞれ連結される。
ナックル支持部160は、下方に開口する断面略コ字状の金属板部材で形成され、その基端部が前アーム151及び後アーム152の先端部に溶接等で接合され、ナックル84の上端部が長軸ボルト163を介して回動自在に連結され、この長軸ボルト163はナット164によりナックル支持部160に固定される。
図7(A)はリヤのナックル84を示し、図7(B)は、図7(A)の縦断面(Y1−Y1断面)を示している。ナックル84は、ハブ86を回転自在に支持するナックル本体84aと、リヤアッパアーム82に連結されるアッパアーム連結部84bと、リヤロアアーム83に連結されるロアアーム連結部84cとを一体に備えている。ナックル本体84aは、ベアリング85(図4参照)が挿入される挿入孔84a1を有し、この挿入孔84a1の奥部にベアリング85の外輪が当接してベアリング85を位置決めする内方凸部84a2が形成されている。
アッパアーム連結部84bは、ナックル本体84a1の上部から斜め上方に延出し、その端部に設けられたボルト挿通部84b1が長軸ボルト163(図6参照)を介してリヤアッパアーム82に回動自在に連結される。また、ロアアーム連結部84cは、ナックル本体84a1の下部から斜め下方に延出し、その端部に設けられたボルト挿通部84c1が長軸ボルト113(図5参照)を介してリヤアッパアーム82に回動自在に連結される。
そして、図8に示すように、これらアッパアーム連結部84bとロアアーム連結部84cとの間には、ナックル本体84a1に支持されたハブ86に接続されたアクスル87が位置し、ナックル84、ハブ86及びアクスル87が連結始点(長軸ボルト113、163の軸心)を基準に一体に移動自在に構成されている。
本構成では、図8に示すように、アクスル87がハブ86の軸部(ベアリング85で支持される軸部)よりも大径の太径部87aを有し、この太径部87aの基端部がハブ86から離れるに従って徐々に大径となるテーパ部87bに形成され、ナックル84のアッパアーム連結部84b及びロアアーム連結部84cが、奥側から手前側(車体中心側)に向かってテーパ部87bとの隙間S1が略一定となる形状に形成されている。
より具体的には、アッパアーム連結部84b及びロアアーム連結部84cの基端部は、アクスル87のテーパ部87bに沿って斜め上方及び斜め下方にそれぞれテーパ部87bと略同じ長さに延びた後、図9に示すように、アクスル87及びブーツ89aの外周に略沿って滑らかに屈曲してリヤアッパアーム82及びリヤロアアーム83に連結される。
これによって、アッパアーム連結部84b及びロアアーム連結部84cのテーパ状に延びる部分(以下、テーパ状延出部という)とアクスル87のテーパ部87bとが略同じ長さに形成され、ナックル84とアクスル87の外周面との隙間S1が略一定の間隔に形成される。
従って、不整地走行時にナックル84とアクスル87との隙間S1に泥や土等の異物が侵入した場合でも、この隙間S1が略一定の間隔であるため、アッパアーム連結部84bとアクスル87との間に入った異物が、走行時のアクスル87の回転による遠心力によって容易に外に排出することができ、また、ロアアーム連結部84cとアクスル87との間に入った異物も、上記遠心力及び重力によって容易に外に排出することができる。さらに、隙間S1の奥側にベアリング85のシール部が対向配置されるので、ベアリング85への異物侵入をより確実に防止することができる。
また、ナックル84がアクスル87のテーパ部87bに沿って延びるテーパ状延出部を有し、このテーパ状延出部がテーパ部87bと略同じ長さに形成されているので、ナックル84とアクスル87との隙間S1に段差がなくなり、泥等の異物を詰まり難くすることができる。
また、ナックル84のアクスル87を覆う面(上記テーパ状延出部の内周側面)が、異物の出入り口(車体中心側の開口)に向かって外周側に傾斜するテーパ面に形成されるので、隙間S1に侵入した異物がアクスル87の回転に伴って遠心方向に移動した際にそのテーパ面に沿ってより容易に外に排出させることが可能になる。
なお、本実施形態では、リヤロアアーム83のナックル支持部110をブーツ89aの下方を覆う板部材で形成したので、車体下方からの異物を板状のナックル支持部110で遮断でき、ナックル84とアクスル87との隙間S1への異物侵入をより低減することができる。従って、これらによって上記隙間S1に異物が詰まってしまう事態を確実に回避することが可能である。
図10はフロントサスペンション57を示す図である。左右のフロントサスペンション57は左右対称構造であるため、以下、一方の前輪2を懸架するフロントサスペンション57を説明する。フロントサスペンション57は、フロントサスペンションアームを構成するフロントアッパアーム171及びフロントロアアーム172(不図示)とを備え、これらアーム171、172の基端部が車体フレーム4に上下に揺動自在に支持され、これらアーム171、172の先端部がボールジョイント173、174をそれぞれ介してナックル175に連結される。このナックル175には、ハブ176がベアリング177を介して回転自在に支持され、このハブ176の外側(車体外方)に前輪2のホイール2aが接続される。また、フロントロアアーム172には、フロントクッションユニット58の下端が接続され、これらにより、前輪2が揺動自在に独立懸架される。
ハブ176を支持するベアリング177には、シールベアリングが使用され、これにより、ナックル175と前輪2のホイール2aとの間のシールと、ナックル175と以下に述べるアクスル180との間のシールが不要とされている。
このハブ176の内側(車体内方)には、ドライブシャフト13が自在継手(等速ジョイント)181aを介して接続されたアクスル180が設けられ、これらによって、エンジン5の動力が前輪側終減速装置11からドライブシャフト13を介してアクスル180及びハブ176に伝達され、前輪2が回転駆動される。また、自在継手181aとドライブシャフト13との連結部分は、ゴム製のブーツ182aで覆われる。
図11(A)はフロントのナックル175を示し、図11(B)は、図11(A)の縦断面(Y2−Y2断面)を示している。ナックル175は、ハブ176を回転自在に支持するナックル本体175aと、フロントアッパアーム171に連結されるアッパアーム連結部175bと、フロントロアアーム172に連結されるロアアーム連結部175cと、ディスクブレーキ用のプレーキキャリパを取り付ける第1アーム175d及び第2アーム175eと、操舵系に連結される第3アーム175fとを一体に備えている。ナックル本体175aは、ベアリング177が挿入される挿入孔175a1を有し、この挿入孔175a1の奥部にベアリング177の外輪が当接してベアリング177を位置決めする内方凸部175a2が形成されている。
第1アーム175d及び第2アーム175eには、ハブ176に取り付けられたブレーキディスク9c(図10参照)にパッドを押しつけるブレーキキャリパ9dが取り付けられ、これにより、前輪2のホイール2a内に収まるいわゆるホイールイン型のディスクブレーキ装置が構成される。そして、ナックル175の第3アーム175fには、操舵系が図示せぬボールジョイントを介して連結され、ハンドル操作に応じてナックル175と一体に前輪2が操舵される。
本構成では、図10に示すように、アクスル180がハブ176の軸部(ベアリング177で支持される軸部)よりも大径の太径部180aを有し、この太径部180aの基端部がハブ176から離れるに従って徐々に大径となるテーパ部180bに形成され、ナックル175のアッパアーム連結部175b及びロアアーム連結部175cが、奥側から手前側(車体中心側)に向かってテーパ部180bとの間隔S2がそれぞれ略一定となる形状に形成されている。
より具体的には、アッパアーム連結部175b及びロアアーム連結部175cの基端部は、図10に示すように、アクスル180のテーパ部180bに沿って斜め上方及び斜め下方にテーパ部180bと略同じ長さでそれぞれ延びて、フロントアッパアーム171及びフロントロアアーム172に連結される。
これによって、アッパアーム連結部175b及びロアアーム連結部175cのテーパ状に延びる部分(以下、テーパ状延出部という)とアクスル180のテーパ部180bとが略同じ長さに形成され、ナックル175とアクスル180の外周面との隙間S2が略一定の間隔に形成される。
従って、不整地走行時にナックル175とアクスル180との隙間S2に泥や土等の異物が侵入した場合でも、この隙間S2が略一定間隔であるため、アッパアーム連結部175bとアクスル180との間に入った異物が、走行時のアクスル180の回転による遠心力によって容易に外に排出することができる。また、ロアアーム連結部175cとアクスル180との間に入った異物も、上記遠心力及び重力によって容易に外に排出することができる。さらに、間隔S2の奥側にベアリング177のシール部が対向配置されるので、ベアリング177への異物侵入をより確実に防止することができる。
また、ナックル175がアクスル180のテーパ部180bに沿って延びるテーパ状延出部を有し、このテーパ状延出部がテーパ部180bと略同じ長さに形成されているので、ナックル175とアクスル180との隙間S2に段差がなく、泥等の異物を詰まり難くすることができる。
また、ナックル175のアクスル180を覆う面(上記テーパ状延出部の内周面)が、異物の出入り口(車体中心側の開口)に向かって外周側に傾斜するテーパ面に形成されるので、隙間S2に侵入した異物がアクスル180の回転に伴って遠心方向に移動した際にそのテーパ面に沿ってより容易に外に排出させることが可能になる。
このように本実施形態では、リヤサスペンション81及びフロントサスペンション57の両方において、ナックル84、175とアクスル87、180の外周面との隙間S1、S2を奥側から手前側に向かって略一定の間隔にしたので、これら隙間S1、S2に入った異物を走行時のアクスル87、180の回転に伴い、容易に外に排出することができ、また、隙間S1、S2の奥側にベアリング85、177のシール部が対向配置されるので、ベアリング85、177への異物侵入をより確実に防止することができる。
しかも、ナックル84、175がアクスル87、180のテーパ部87b、180bに沿って延びるテーパ状延出部をそれぞれ有し、これらテーパ状延出部がテーパ部87b、180bと略同じ長さに形成されるので、ナックル84、175とアクスル87、180との隙間S1、S2に段差がなく、泥等の異物を詰まり難くすることができる。
また、本構成では、ナックル84、175のアクスル87、180を覆うテーパ状延出部をアクスル87、180に近接させるので、ナックル84、175とアクスル87、180との隙間S1、S2を小さくすることができ、これによっても、隙間S1、S2に異物が侵入し難くすることができる。この場合、ナックル84、175のテーパ状延出部をナックル支持部110、160に近づけることができるので、ナックル84、175の強度アップを図ることも可能になる。
(第2実施形態)
図12は第2実施形態に係るフロントサスペンション57を示し、図13は、第2実施形態に係るリヤサスペンション81を示している。この実施形態では、フロントサスペンション57及びリヤサスペンション81のナックル175、84を形状変更することによって、ナックル175、84とハブ176、86との間の隙間S3、S4を、それぞれ略一定の間隔にした構成を示している。なお、説明の便宜上、第1実施形態と略同一の部品については同一の符号を付して示し、重複する説明は省略する。
図12に示すように、フロントサスペンション57のハブ176は、前輪2との接続部176mを前輪2に向かって拡径する拡径部としている。そして、フロントサスペンション57のナックル175は、ハブ176の上記接続部176mの外周を覆う部分(以下、ハブ覆い部175mという)を有し、このハブ覆い部175mの内周面175m1が、接続部176mの外周面に沿って延びるテーパ面に形成されている。
これによって、ナックル175とハブ176との間の隙間S3が奥側から手前側(駆動輪(前輪2)側)に向かって略一定の間隔となり、この隙間S3に泥等の異物が侵入した場合でも、走行時のハブ176の回転に伴い、容易に外に排出することができる。しかも、ナックル175のハブ外周を覆う面175m1がテーパ面に形成されるので、この隙間S3に侵入した異物がハブ176の回転に伴って遠心方向に移動した際に、このテーパ面175m1に沿ってより容易に外に排出させることができる。また、間隔S3の奥側にベアリング177のシール部が対向配置されるので、ベアリング177への異物侵入をより確実に防止することができる。
また、図13に示すように、リヤサスペンション81のハブ86においても、上記ハブ176と同様に、後輪3との接続部86mを後輪3に向かって拡径する拡径部としており、ナックル84は、ハブ86の上記接続部86mの外周を覆う部分(以下、ハブ覆い部84mという)を有し、このハブ覆い部84mの内周面84m1が、接続部86mの外周面に沿って延びるテーパ面に形成されている。
これにより、ナックル84とハブ86との間の隙間S4を奥側から手前側(駆動輪(後輪3)側)に向かって略一定の間隔にすることができ、この隙間S4に泥等の異物が侵入した場合でも、走行時のハブ86の回転に伴い、容易に外に排出することができる。また、ナックル84のハブ外周を覆う面84m1がテーパ面に形成されるので、この隙間S4に侵入した異物がハブ86の回転に伴って遠心方向に移動した際に、このテーパ面84m1に沿ってより容易に外に排出させることができる。また、間隔S3の奥側にベアリング85のシール部が対向配置されるので、ベアリング85への異物侵入をより確実に防止することができる。
(第3実施形態)
図14は第3実施形態に係るフロントサスペンション57を示し、図15は、第3実施形態に係るリヤサスペンション81を示している。この実施形態では、フロントサスペンション57及びリヤサスペンション81のハブ176、86を形状変更することによって、ナックル175、84とハブ176、86との間の隙間S3、S4を、それぞれ略一定の間隔にした構成を示している。なお、説明の便宜上、上述した実施形態と略同一の部品については同一の符号を付して示し、重複する説明は省略する。
図14に示すように、フロントサスペンション57のナックル175は、ハブ176における前輪2との接続部176mの外周を覆うハブ覆い部175mが、その内周面175m1を略水平面にした形状に形成されている。そして、フロントサスペンション57のハブ176は、ナックル175のハブ覆い部175mによって覆われる面176m1が、ハブ覆い部175mの内周面175m1に沿った面とされる。これにより、ナックル175とハブ176との間の隙間S3が奥側から手前側(駆動輪(前輪2)側)に向かって略一定の間隔とされ、この隙間S3に泥等の異物が侵入した場合でも、走行時のハブ176の回転に伴い、容易に外に排出することができる。また、間隔S3の奥側にベアリング177のシール部が対向配置されるので、ベアリング177への異物侵入がより確実に防止される。
図15に示すように、リヤサスペンション81のナックル84においても、ハブ86における後輪3との接続部86mの外周を覆うハブ覆い部84mが、その内周面84m1を略水平面にした形状に形成されており、ハブ86は、ナックル84のハブ覆い部84mによって覆われる面86m1が、ハブ覆い部84mの内周面84m1に沿った面とされる。これにより、ナックル84とハブ86との間の隙間S4が奥側から手前側(駆動輪(後輪3)側)に向かって略一定の間隔とされ、この隙間S4に泥等の異物が侵入した場合でも、走行時のハブ86の回転に伴い、容易に外に排出することができる。また、間隔S4の奥側にベアリング85のシール部が対向配置されるので、ベアリング85への異物侵入がより確実に防止される。
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものでないことは明らかである。例えば、上述の実施形態では、ナックルとアクスルとの隙間S1、S2を略一定の間隔に形成する場合について説明したが、これに限らず、例えば、図16に一例を示すように、これら隙間S1、S2を奥側よりも手前側に向かって徐々に広い隙間となるテーパ状の隙間S5にしてもよい。この構成によれば、異物の出入り口(車体中心側の開口)に向かって徐々に広くなる隙間となるので、異物の出入り口(車体中心側の開口)が狭く、奥側が広いために異物が奥に入り込んで詰まってしまうといった事態を回避でき、例え、泥等の異物が侵入しても、走行時のアクスル180の回転に伴い、容易に外に排出することができる。同様に、ナックル175、84とハブ176、86との間の隙間S3、S4についても、略一定の間隔に限らず、奥側よりも手前側(駆動輪(前輪2、後輪3)側)に向かって徐々に広い隙間となるテーパ状の隙間にしてもよい。
また、上述の実施形態では、本発明をダブルウィッシュボーン式のサスペンションに適用する場合を説明したが、これに限らず、他方式のサスペンションに本発明を適用してもよい。さらに、上述の実施形態では、ATV(不整地走行車両)の駆動輪懸架構造に本発明を適用する場合について説明したが、これに限らず、ATV以外の車両の駆動輪懸架構造に広く適用が可能である。
本発明に係るサスペンションアーム構造を適用した鞍乗り型車両の側面図である。 鞍乗り型車両の平面図である。 鞍乗り型車両の後部側面図である。 第1実施形態に係るリヤサスペンションを示す図である。 リヤロアアームをその周辺構成と共に示す図である。 リヤアッパアームをその周辺構成と共に示す図である。 (A)はリヤのナックルを示し、(B)は(A)の縦断面(Y1−Y1断面)を示す図である。 リヤサスペンションの一部拡大図である。 リヤサスペンションの斜視図である。 第1実施形態に係るフロントサスペンションを示す図である。 (A)はフロントのナックルを示し、(B)は(A)の縦断面(Y2−Y2断面)を示す図である。 第2実施形態に係るフロントサスペンションを示す図である。 第2実施形態に係るリヤサスペンションを示す図である。 第3実施形態に係るフロントサスペンションを示す図である。 第3実施形態に係るリヤサスペンションを示す図である。 変形例に係るリヤサスペンションの一例を示す図である。
符号の説明
1 鞍乗り型車両
2 前輪(駆動輪)
3 後輪(駆動輪)
4 車体フレーム
5 エンジン
57 フロントサスペンション
80 リヤクッションユニット
81 リヤサスペンション
82 リヤアッパアーム
83 リヤロアアーム
84、175 ナックル
85、177 ベアリング(シールベアリング)
86、176 ハブ
87、180 アクスル
87a、180a 太径部
87b、180b テーパ部
88a、88b、181a 自在継手
S1〜S5 隙間

Claims (5)

  1. フレームに対し揺動自在に支持したサスペンションアームにナックルを連結し、該ナックルに対しベアリングを介して回転自在に駆動輪に支持したハブを連結し、該ハブにアクスルを連結し、該アクスルには自在継手を介してエンジンからの動力を伝達する駆動軸を連結した駆動輪懸架構造において、
    前記ベアリングをシールベアリングで構成し、
    前記ナックルと前記アクスル外周面との隙間を奥側から手前側に向かって略一定の間隔に形成し、或いは、奥側よりも手前側に向かって徐々に広い隙間となるテーパ状の間隔に形成し、該間隔の奥側に前記シールベアリングのシール部を対向させたことを特徴とする駆動輪懸架構造。
  2. 前記サスペンションアームを上下のアームで形成し、上下のアームに連結したナックルの間に前記間隔をあけて前記アクスルを延在させたことを特徴とする請求項1に記載の駆動輪懸架構造。
  3. 前記アクスルは、前記自在継手との接続部を太径部とし、前記ナックルは、前記アクスルの外形に沿って延出して前記太径部を覆うことを特徴とする請求項1または2に記載の駆動輪懸架構造。
  4. 前記ナックルと前記ハブ外周面との隙間を、奥側から手前側に向かって略一定の間隔に形成し、或いは、奥側よりも手前側に向かって徐々に広い隙間となるテーパ状の間隔に形成し、該間隔の奥側に前記シールベアリングのシール部を対向させたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の駆動輪懸架構造。
  5. フレームに対し揺動自在に支持したサスペンションアームにナックルを連結し、該ナックルに対しベアリングを介して回転自在に駆動輪に支持したハブを連結し、該ハブにアクスルを連結し、該アクスルには自在継手を介してエンジンからの動力を伝達する駆動軸を連結した駆動輪懸架構造において、
    前記ベアリングをシールベアリングで構成し、
    前記ナックルと前記ハブ外周面との隙間を奥側から手前側に向かって略一定の間隔に形成し、或いは、奥側よりも手前側に向かって徐々に広い隙間となるテーパ状の間隔に形成し、該間隔の奥側に前記シールベアリングのシール部を対向させたことを特徴とする駆動輪懸架構造。
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