JP2008176054A - 電子写真感光体及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性基体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層をこの順で有する電子写真感光体であって、前記電子写真感光体の最表面層がフィラー粒子を均一な分散状態で含有し、前記最表面層中のフィラー粒子が式(1)1.0×10-3≦(df×b3)/(dm×a3)≦2.5×10-2(式中、aは平均フィラー粒子間距離(nm)を意味し、bは平均フィラー粒子径(nm)を意味し、dfはフィラー粒子の密度(g/cm3)を意味し、dmは最表面層の固形分の平均密度(g/cm3)を意味する)を満足し、前記最表面層は、表面皮膜硬度試験(試験条件:25℃/50%RH、最大荷重:5mN)に付した場合、200N/mm2〜350N/mm2の塑性硬さ値(Hpl)と、40%〜60%の弾性仕事率とを有することを特徴とする電子写真感光体により上記課題を解決する。
【選択図】図1
Description
機系の光導電性材料、すなわち有機光導電体(Organic Photoconductor;略称:OPC)が多用されるようになっている。有機系光導電性材料を用いた電子写真感光体(以下、有機系感光体と称する)は、感度、耐久性及び環境に対する安定性等に若干の問題を有するけれども、毒性、製造原価及び材料設計の自由度等の点において、無機系感光体に比べ、多くの利点を有する。また有機系感光体は、感光層を浸漬塗布法に代表される容易かつ安価な方法で形成することが可能であるという利点も有する。このように多くの利点を有することから、有機系感光体は次第に電子写真感光体の主流を占めてきている。また近年の研究開発によって、有機系感光体の感度及び耐久性は向上されており、現在では、特別な場合を除き、電子写真感光体としては、有機系感光体が用いられるようになってきている。
機能分離型感光体において、その最表面に耐磨耗効果を付与できれば、生産プロセスに余分な工程を含むことがないため、保護層を付与する場合と比較して大きなコスト上のメリットがある。また、感光層と保護層を積層して設けることによっておこる上記の弊害を回避することが可能となる。しかしながら、その一方で、システム上の新たな課題を考慮することが必要となる。例えば、フィラー粒子を添加して耐刷性向上を図る際、フィラー粒子と感光層に含まれる高分子バルク(結着樹脂)との間に数10μmに及ぶ電荷輸送層全体にわたるトラップが生じる。その結果、露光部の残留電位の上昇をまねく危険性が、保護層に添加する場合と比較して、極めて大きくなることとなる。また、積層型感光体の場合に、フィラー粒子と電荷発生層の相互作用によると思われる電荷発生層と電荷輸送層との界面近傍の層の不均一性に由来する画像欠陥が発生する場合もある。
の塑性変形率及びHuにより規定している。しかしながら、規定された機械的特性値Huは、従来の結着樹脂及びフィラー粒子との組み合わせを主体とする塗膜にて実現した場合、硬さが際立ち脆性の悪化が危惧され、長期にわたる耐久性の保持が難しいと考えられる。
前記電子写真感光体の最表面層がフィラー粒子を含有し、
前記最表面層中のフィラー粒子が下記式(1)
1.0×10-3≦(df×b3)/(dm×a3)≦2.5×10-2 (1)
(式中、aは平均フィラー粒子間距離(nm)を意味し、bは平均フィラー粒子径(nm)を意味し、dfはフィラー粒子の密度(g/cm3)を意味し、dmは最表面層の固形分の平均密度(g/cm3)を意味する)を満足する均一な分散状態であり、
前記最表面層は、表面皮膜硬度試験(試験条件:25℃/50%RH、最大荷重:5mN)に付した場合、200N/mm2〜350N/mm2の塑性硬さ値(Hpl)と、40%〜60%の弾性仕事率とを有することを特徴とする電子写真感光体が提供される。
更に、本発明によれば、感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有し、前記感光体が上記電子写真感光体を含むことを特徴とする画像形成装置が提供される。
図1は、本発明の第1の実施の形態である電子写真感光体1の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施の形態の電子写真感光体1(以下、感光体と略称する)は、導電性材料からなる円筒状の導電性基体11と、導電性基体11の外周面上に積層される層であって電荷発生物質を含有する電荷発生層12と、電荷発生層12の上に更に積層される層であって電荷輸送物質を含有する電荷輸送層13とを含む。電荷発生層12と電荷輸送層13とは、感光層14を構成する。すなわち、感光体1は、積層型感光体である。
また、図4に示すように、導電性基体11と電荷発生層12との間に中間層15を設けた積層型感光体であってもよい。
導電性基体11は、感光体1の電極としての役割を果たすとともに、他の各層12、13の支持部材としても機能する。なお導電性基体11の形状は、図1では円筒状であるけれども、これに限定されることなく、円柱状、シート状又は無端ベルト状等であってもよい。
電荷発生層12は、光を吸収することによって電荷を発生する電荷発生物質を主成分として含有する。主成分とは、その成分がその主たる機能を発現できる量を含有することを意味する。電荷発生物質として有効な物質としては、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料等のアゾ系顔料、インジゴ又はチオインジゴ等のインジゴ系顔料、ペリレンイミド又はペリレン酸無水物等のペリレン系顔料、アントラキノン又はピレンキノン等の多環キノン系顔料、金属フタロシアニン又は無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルー、ビクトリアブルー等に代表されるトリフェニルメタン系色素、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジ、フラペオシン等に代表されるアクリジン系色素、メチレンブルー、メチレングリーン等に代表されるチアジン系色素、カプリブルー又はメルドラブ
ルー等に代表されるオキサジン系色素、スクアリリウム色素、ピリリウム塩類及びチオピリリウム塩類、チオインジゴ系色素、ビスベンゾイミダゾール系色素、キナクリドン系色素、キノリン系色素、レーキ系色素、アゾレーキ系色素、ジオキサジン系色素、アズレニウム系色素、トリアリルメタン系色素、キサンテン系色素、シアニン系色素、トリフェニルメタン系色素等の有機光導電性材料、ならびにセレン及び非晶質シリコン等の無機光導電性材料等を挙げることができる。これら電荷発生物質は、一種が単独で使用してもよく、2種以上組み合わせて使用してもよい。
上記の電荷発生物質の中でも、下記一般式(A):
で示されるオキソチタニウムフタロシアニン化合物を用いることが好ましい。
上記一般式(A)における、X1、X2、X3及びX4が示すハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子が挙げられる。
また、上記X1、X2、X3及びX4が示すアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル基のようなC1〜C4のアルキル基が挙げられる。
更に、上記X1、X2、X3及びX4が示すアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ基のようなC1〜C4のアルコキシ基が挙げられる。
またイソインドリンとテトラブトキシチタン等のチタニウムテトラアルコキシドとを、N−メチルピロリドン等の適当な溶剤中で加熱反応させることによっても、オキソチタニウムフタロシアニンを製造できる。
増感染料としては、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルー及びビクトリアブルー等に代表されるトリフェニルメタン系染料、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジ及びフラペオシン等に代表されるアクリジン染料、メチレンブルー及びメチレングリーン等に代表されるチアジン染料、カプリブルー及びメルドラブルー等に代表されるオキサジン染料、シアニン染料、スチリル染料、ピリリウム塩染料又はチオピリリウム塩染料等が挙げられる。増感染料は、電荷発生物質100重量部に対して、10重量部以下の割合で使用することが好ましい、0.5〜2.0重量部の割合で使用することがより好ましい。
するだけでなく、電荷発生物質の分散性が低下して粗大粒子が増大することがある。そのため、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷が減少し、画像欠陥、特に白地にトナーが付着し微小な黒点が形成される黒ぽちと呼ばれる画像のかぶりが多くなることがある。比率W1/W2は、50/100以上、150/100以下であることがより好ましい。
電荷発生物質を結着樹脂溶液中に分散させる際に用いられる分散機としては、ペイントシェーカ、ボールミル及びサンドミル等を挙げることができる。このときの分散条件としては、用いる容器及び分散機を構成する部材の摩耗等による不純物の混入が起こらないように適当な条件を選択することが好ましい。
電荷発生層12上には電荷輸送層13が設けられる。電荷輸送層13は、電荷発生層12に含まれる電荷発生物質が発生した電荷を受入れ、これを輸送する能力を有する電荷輸送物質と、感光体の耐久性を向上させるフィラー粒子とを主成分とし、任意に電荷輸送物質及びフィラー粒子を結着させる結着樹脂とを含んで構成できる。バインダー樹脂は、電荷輸送層全体に対して、30〜80重量%の範囲で含まれていることが好ましい。電荷輸送物質、フィラー粒子、結着樹脂以外に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、可塑剤等が含まれていてもよい。電荷輸送物質としては、ホール輸送物質及び電子輸送物質を用いることができる。
N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリ−9−ビニルアントラセン等又はポリシラン等が挙げられる。
更に、電荷輸送物質として、電子写真プロセス中で発生するオゾン、NOx等のガスに対する耐性のある下記一般式(1)で示される化合物
結果、フィラー粒子以外の成分の屈折率との差の小さい酸化珪素(シリカ)が好適である。
1.0×10-3≦(df×b3)/(dm×a3)≦2.5×10-2 (1)
上記式中、aは平均フィラー粒子間距離(nm)、bは平均フィラー粒子径(nm)、dfはフィラー粒子の密度(g/cm3)、dmは最表面層の固形分の平均密度(g/cm3)を意味する。なお、a、b、df及びdmは、以下の方法により測定できる。
bは、正確にはSEM観察により求めることができるが、市販のフィラー粒子であればカタログ値より引用してもよい。
dfは、作製前のフィラー粒子の体積と重量を測定して計算、又は市販品であればカタログ値を引用してもよい。
dmは、塗膜の体積と重量を測定して計算して求めることができる。
ここで最表面層の固形分とは、塗布液を塗布し溶媒を乾燥して固化した電荷輸送層の塗膜のことである。
ここで、aは、光散乱及び系中での電気的キャリア(電子及び/又は正孔)への弊害をできるだけ少なくするために小さいことが好ましい。具体的には、400nm以下(1次粒子径)が好適である。より好ましくは、aの範囲は20〜200nmである。
S−610:キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ製:一次粒子径17μm)3.1gをテトラヒドロフラン55.9gに混合)にて2種類の分散を実施した場合、分散処理後の塗布液中での粒度分布状態の違いが比較されている。図2中◆はボールミルにて5時間分散処理して得られた電荷輸送層用一次分散塗布液中のシリカ粒子の粒度分布を、□はペイントシェーカにて5時間分散処理して得られた塗布液中のシリカ粒子の粒度分布を示す。◆は、1次粒子径に近い状態まで安定に分散されており、他方□は、ミクロンオーダーの凝集体が形成されていることがわかる。□は再凝集による凝集体が形成されていることを示していることは確かであるが、この状態が得られる詳細な原因は解明されていない。図2のような凝集状態の変化は、最終塗膜の電気特性や表面の均一性等に直接対応し、分散液中での均一かつ1次粒子径に近い分散体の形成が、塗膜中でも反映される。そのため、◆の分散手法は、結果として耐久性に優れた最表面層が形成できるため好ましい。
なお、上記塗布液中のフィラー粒子の分散状態は、例えば光散乱式粒度分布測定装置等を用いて評価できる。
また、弾性回復仕事量(弾性変形仕事量)Welastには瞬時弾性変形成分と遅延弾性変形成分とが含まれる。
弾性仕事率ηHUは材料の粘弾性の程度を表し、特に材料の弾性回復に寄与するパラメータである。本実施の形態における弾性仕事率ηHUは、以下の通り求められる。
ηHU=Welast/Wtotal×100(%) …(2)
(ただし、Wtotal=Welast+Wplast である)
によって表される。
Hplast=Fmax/A(hr)
式中、Fmax:最大押し込み荷重、A(hr):反発押し込み深さhrでの圧痕表面積を意味する。
感光層14の各層には、感度の向上を図り、更に繰返し使用による残留電位の上昇及び疲労等を抑えるために、電子受容物質及び色素等の増感剤を1種又は2種以上添加してもよい。
電子受容物質としては、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、4−クロルナフタル酸無水物等の酸無水物、テトラシアノエチレン、テレフタルマロンジニトリル等のシアノ化合物、4−ニトロベンズアルデヒド等のアルデヒド類、アントラキノン、1−ニトロアントラキノン等のアントラキノン類、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン等の多環もしくは複素環ニトロ化合物、又はジフェノキノン化合物等の電子吸引性材料等を用いることができる。またこれらの電子吸引性材料を高分子化したものを用いることもできる。
また、感光層14の各層には、酸化防止剤又は紫外線吸収剤等を添加してもよい。特に電荷輸送層13には、酸化防止剤又は紫外線吸収剤等を添加することが好ましい。これによって、オゾン、窒素酸化物等の酸化性のガスに対しての劣化を少なくできる。また各層を塗布によって形成する際の塗布液の安定性を高めることができる。
図4は、本発明の第2の実施の形態である電子写真感光体2の構成を簡略化して示す部分断面図である。電子写真感光体2は、電子写真感光体1に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
電子写真感光体2において注目すべきは、導電性基体11と感光層14との間に、中間層(下引き層)15が設けられていることである。
中間層15には、各種樹脂材料からなる樹脂層又はアルマイト層等が用いられる。
金属酸化物粒子としては、例えば酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム及び酸化スズ等の粒子を挙げることができる。
前述の粒子を樹脂溶液中に分散させる方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機又はペイントシェーカ等を用いる一般的な方法を使用できる。
用されている溶剤の重量Dとの比率C/Dは、1/99〜40/60であることが好ましく、より好ましくは2/98〜30/70である。また樹脂の重量Eと金属酸化物の重量Fとの比率E/Fは、90/10〜1/99であることが好ましく、より好ましくは70/30〜5/95である。
感光体の製造方法に際して、好ましくは電荷発生層12、電荷輸送層13、中間層15等、各層の形成毎に乾燥工程が含まれることが好ましい。感光体の乾燥温度としては、約50℃〜約140℃が適当であり、特に約80℃〜約130℃の範囲が好ましい。感光体の乾燥温度が約50℃未満では乾燥時間が長くなる又は溶剤が充分に蒸発せず感光層中に残るため好ましくない。また、乾燥温度が約140℃を越えると、繰返し使用時の電気的特性が悪くなり、感光体を使用して得られる画像が劣化することがあるため好ましくない。
図5は、本発明の画像形成装置30の構成を簡略化して示す配置側面図である。図5に示す画像形成装置30は、感光体1を搭載するレーザプリンタである。以下、図5を参照してレーザプリンタ30の構成及び画像形成動作について説明する。なお、図5に記載のレーザプリンタ30は、本発明の画像形成装置の単なる例示であり、以下の記載内容によって本発明の画像形成装置が限定されるものではない。
また、感光体を複数設けることで複数の異なるトナーを用いて重ね併せ画像を形成可能な構成も採用できる。この構成はタンデム方式と称される。
まず、直径:30mm、長さ:340mmのアルミニウム製円筒状支持体上に種々の条件にて感光層を形成し、実施例及び比較例として準備した感光体について説明する。
酸化チタンTTO−MI−1(石原産業製)3g、CM−8000(東レ社製):アルコール可溶性ナイロン樹脂3g、メタノール60g、1,3−ジオキソラン40gとをペイントシェーカにて10時間分散処理することで、下引き層用塗布液を調製した。調整した下引き層用塗布液を、直径30mm、長さ340mmのアルミニウム製円筒状支持体上に膜厚0.9μmとなるように浸漬塗布法によって成膜することで、下引き層を形成した。
実施例1と同様に電荷発生層まで形成した後、前記ポリカーボネート樹脂(G400)1.8gとシリカ(TS−610)1.8gをTHF32.4gに混合して、ボールミルにて5時間分散処理することで電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(I)で示されるブタジエン系化合物(T-405)100g、前記ポリカーボネート樹脂(G400)138.3g、酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン984gに混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
実施例1と同様に電荷発生層まで形成した後、実施例2と同様に電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(I)で示されるブタジエン系化合物(T-405)100g、前記ポリカーボネート樹脂(GH503)13.8g及び(M300:出光興産製)124.4g、酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン984gに混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗
布液に使用すること以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
実施例1と同様に電荷発生層まで形成した後、2種類のポリカーボネート樹脂(GH503)と(TS2040)をそれぞれ0.62g及びシリカ(TS−610)1.25gをテトラヒドロフラン22.5gに混合して、ボールミルにて5時間分散処理することで電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(I)で示されるブタジエン系化合物(T-405)100g、前記ポリカーボネート樹脂GH503とTS2040をそれぞれ69.9g及び酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン984gに混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
実施例1と同様に電荷発生層まで形成した後、2種類のポリカーボネート樹脂(GH503)と(TS2040)をそれぞれ1.55g及びシリカ(TS−610)3.1gをテトラヒドロフラン55.9gに混合して、ボールミルにて5時間分散処理して電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(I)で示されるブタジエン系化合物(T-405)100g、前記ポリカーボネート樹脂GH503とTS2040をそれぞれ68.5g及び酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン992gに混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
実施例1と同様に電荷発生層まで形成した後、実施例5と同様にして、電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(I)で示されるブタジエン系化合物(T-405)100g、前記ポリカーボネート樹脂(G400)137g、酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン984gに混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例5と同様にして、感光体を作製した。
実施例1と同様に電荷発生層まで形成した後、実施例5と同様にして、電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(I)で示されるブタジエン系化合物(T-405)100g、前記ポリカーボネート樹脂(GH503)13.7g及び(M300)123.3g、酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン984gに混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例5と同様にして、感光体を作製した。
実施例1と同様に電荷発生層まで形成した後、実施例5と同様にして、電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(I)で示されるブタジエン系化合物(T-405)100g、前記ポリカーボネート樹脂(GH503)123.3g及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE:ルブロンL−2:ダイキン工業製)13.7g、酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン984gに混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例5と同様にして、感光体を作製した。
実施例1と同様に電荷発生層まで形成した後、実施例5と同様にして、電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(I)で示されるブタジ
エン系化合物(T-405)100g、前記ポリカーボネート樹脂(GH503)130.2g及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE:ルブロンL−2)6.8g、酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン984gに混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
実施例1と同様に電荷発生層まで形成した後、実施例5と同様にして、電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(I)で示されるブタジエン系化合物(T-405)100g、前記ポリカーボネート樹脂(GH503)133.6g及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE:ルブロンL−2)3.4g、酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン984gに混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例5と同様にして、感光体を作製した。
実施例1と同様に電荷発生層まで形成した後、実施例5と同様にして、電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(I)で示されるブタジエン系化合物(T-405)100g、前記ポリカーボネート樹脂(GH503)137.0g、酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン984gに混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
実施例1と同様に電荷発生層まで形成した後、実施例5と同様にして、電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(I)で示されるブタジエン系化合物(T-405)100g、前記ポリカーボネート樹脂(GH503)と(TS2040)をそれぞれ27.4g及び109.6g、酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン984gに混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例5と同様にして、感光体を作製した。
実施例1と同様に電荷発生層まで形成した後、実施例5と同様にして、電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(I)で示されるブタジエン系化合物(T-405)100g、前記ポリカーボネート樹脂(GH503)と(TS2040)をそれぞれ6.9g及び130.2g、酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン984gに混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例5と同様にして、感光体を作製した。
実施例1と同様に電荷発生層まで形成した後、電荷輸送層用塗布液として、前記ポリカーボネート樹脂:GH503及びTS2040をそれぞれ2.33g、及びシリカ(TS−610)4.65gをテトラヒドロフラン83.7gに混合して、ボールミルにて5時間分散処理して電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(I)で示されるブタジエン系化合物(T-405)100g、前記ポリカーボネート樹脂:GH503及びTS2040をそれぞれ67.7g、酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン998gに混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例5と同様にして、感光体を作製した。
実施例1と同様に電荷発生層まで形成した後、実施例14と同様にして、電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(I)で示されるブタジエン系化合物(T-405)100g、前記ポリカーボネート樹脂(G400)135.4g、酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン998gに混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例14と同様にして、感光体を作製した。
実施例1と同様に電荷発生層まで形成した後、実施例14と同様にして、電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(I)で示されるブタジエン系化合物(T-405)100g、前記ポリカーボネート樹脂;GH503及びM300をそれぞれ、13.5g及び121.9g、酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン998gに混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例14と同様にして、感光体を作製した。
フィラー粒子をアルミナ(スミコランダムAA−04:住友化学工業製)に変更したこと以外は、実施例5と同様にして感光体を作製した。
フィラー粒子をシリカ(X−24−9163A:信越化学工業製)に変更したこと以外は、実施例5と同様にして感光体を作製した。
フィラー粒子をシリカ(SO−E5:アドマテックス製)に変更したこと以外は、実施例5と同様にして感光体を作製した。
電荷輸送物質を下記構造式(II)で示されるトリアリールアミン化合物(日本蒸溜工業社製)90gと下記構造式(III)に示されるブタジエン系化合物(高砂香料社製)10gに変更したこと以外は、実施例5と同様にして感光体を作成した。
電荷輸送物質を上記構造式(II)で示されるトリアリールアミン化合物(日本蒸溜工業社製)100gに変更したこと以外は、実施例5と同様にして感光体を作製した。
電荷輸送物質を下記構造式(IV)で示されるスチリル系化合物(保土谷化学工業社製)100gに変更したこと以外は、実施例5と同様にして感光体を作製した。
電荷輸送層用一次分散塗布液に、酸化防止剤(スミライザーBHT)を添加しないこと以外は、実施例5と同様にして感光体を作製した。
ポリカーボネート樹脂(GH503)3.1g及び(TS2040)をそれぞれ1.55gずつ、シリカ(TS−610)3.1gをテトラヒドロフラン55.8gに混合して、ペイントシェーカにて5時間分散処理することで電荷輸送層用一次分散塗布液を調整し
た。その後、塗布液中のシリカの粒度分布を測定したところ、明らかに1次粒子径より極めて大きな粗大凝集体が形成されていることを確認した。この一次分散塗布液を使用すること以外は、実施例5と同様にして感光体を作製した。
ポリカーボネート樹脂(TS2040)1.2g及びシリカ(TS−610)1.2gをテトラヒドロフラン21.6gに混合して、ボールミルにて5時間分散処理して電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(I)で示されるブタジエン系化合物(T-405)100g、前記ポリカーボネート樹脂:GH503及びTS2040をそれぞれ69.9gずつ、酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン980gに混合して溶解した。得られた電荷輸送層用二次分散塗布液に一次分散塗布液2.4gを添加し、更に15時間攪拌すること以外は、実施例5と同様にして、感光体を作製した。
比較例2と同様にして電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した後、電荷輸送物質として上記構造式(I)で示されるブタジエン系化合物(T-405)100g、前記ポリカーボネート樹脂(J500:出光興産製)及び(G400)をそれぞれ69.5g、酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン980gに混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、比較例2と同様にして、感光体を作製した。
比較例2と同様にして電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した後、電荷輸送物質として下記構造式(V)で示されるエナミン系化合物(特開2004−151666号記載の方法にて作製した)100g、前記ポリカーボネート樹脂GH503及びM300をそれぞれ13.9及び125.1g、酸化防止剤(イルガノックス1010:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)2.5gをテトラヒドロフラン980gに混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、比較例2と同様にして、感光体を作製した。
実施例1と同様に電荷発生層まで塗布した後、実施例5と同様にして電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次いで、電荷輸送物質として上記構造式(I)で示されるブタジエン系化合物(T-405)100g、前記ポリカーボネート樹脂J500及びG400をそれぞれ68.5g、酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン984gに混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例5と同様にして、感光体を作製した。
実施例1と同様に電荷発生層まで塗布した後、実施例5と同様にして電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次いで、電荷輸送物質として上記構造式(V)で示されるエナミン系化合物(特開2004−151666号記載の方法にて作製した)100g、前記ポリカーボネート樹脂GH503及びM300をそれぞれ13.7g及び123.3g、酸化防止剤(イルガノックス1010)5gをテトラヒドロフラン984gに混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例5と同様にして、感光体を作製した。
実施例1と同様に電荷発生層まで形成した後、電荷輸送層用塗布液として、2種類のポリカーボネート樹脂(GH503)と(TS2040)をそれぞれ2.5g及びシリカ(TS−610)5.0gをテトラヒドロフラン90gに混合して、ボールミルにて5時間分散処理して電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(I)で示されるブタジエン系化合物(T-405)100g、前記ポリカーボネート樹脂GH503とTS2040をそれぞれ67.5g及び酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン1005.6gに混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例5と同様にして、感光体を作製した。
実施例1と同様に電荷発生層まで塗布した後、比較例7と同様にして電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次いで、電荷輸送物質として上記構造式(I)で示されるブタジエン系化合物(T-405)100g、前記ポリカーボネート樹脂J500及びG400をそれぞれ67.5gずつ、酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン1005.6gに混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、比較例7と同様にして、感光体を作製した。
実施例1と同様に電荷発生層まで塗布した後、比較例7と同様にして電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次いで、電荷輸送物質として上記構造式(V)で示されるエナミン系化合物(特開2004−151666号記載の方法にて作製した)100g、前記ポリカーボネート樹脂GH503及びM300をそれぞれ13.5g及び121.5g、酸化防止剤(イルガノックス1010)5gをテトラヒドロフラン1005.6gに混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、比較例7と同様にして、感光体を作製した。
実施例5と同様にして電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した後、電荷輸送物質として上記構造式(I)で示されるブタジエン系化合物(高砂香料社製T-405)100g、前記ポリカーボネート樹脂GH503及びTS2040をそれぞれ63gずつ、酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン980gに混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例5と同様にして、最表面層にフィラー粒子の存在しない感光体を作製した。
[a、b、df及びdmの測定方法]
aは、本実施例では均一な分散状態が確認できたのでフィラー粒子の添加量と媒体であ
る塗膜の体積より計算値として求めた。
bは、市販のフィラー粒子なのでカタログ値より引用した。
dfは、市販品のフィラー粒子なのでカタログ値を引用した。
dmは、塗膜の体積と重量を測定して計算して求めた。
[フィラー粒子の分散状態]
フィラー粒子の分散状態の優劣については、粒度分布を粒度分布測定装置(UPA−150(日機装製))にて測定した。フィラー粒子が、一次粒子径に近い状態まで安定に分散されている状態(分布を示している場合)を○、ミクロンオーダーの凝集体が形成されている状態(分布を示している場合)を×とした。
[塑性硬さ値及び弾性仕事率測定(表面皮膜物性試験)]
弾性仕事率及び塑性硬さ値は、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、フィッシャースコープH100V(フィッシャー・インストルメンツ製)によって測定した。測定条件は、押込み最大荷重W=5mN、押込み最大荷重までの負荷所要時間5秒、荷重保持時間t=5秒、除荷時間5秒とした。
以上の実施例及び比較例の各感光体の最表面層の表面自由エネルギー(γ)は、接触角測定機CA−X(協和界面製)及び解析ソフトEG−11(協和界面製)によって求めた。
[感度(電気特性)評価]
試験用複写機から現像器を取外し、代わりに現像部位に表面電位計(トレック・ジャパン製:model 344)を取り付けた。この複写機を用い、温度25℃、相対湿度50%の常温/常湿(N/N:Normal Temperature/Normal Humidity)環境中において、レーザ光による露光を施さなかった場合の感光体の表面電位を−650Vに調整し、その状態でレーザ光により露光(0.4μJ/cm2)し、感光体の初期の表面電位を露光電位VL(V)として測定した。露光電位VLの絶対値が小さい程、高感度であると評価した。
<判定基準>
○:|VL|<90(V)
△:90(V)≦|VL|<130(V)
×:130(V)≦|VL|
AR−450改造機に備わるクリーニング器のクリーニングブレードが、感光体に当接する圧力、いわゆるクリーニングブレード圧を初期線圧で21gf/cm(2.06×10-1N/cm:初期線圧)に調整した。N/N環境中で、各感光体毎に上記文字テストチャートを記録紙10万枚に形成して耐刷試験を行なった。
耐刷試験開始時と10万枚画像形成後の感光層の厚みを、膜厚測定装置(商品名:F−20−EXR、フィルメトリックス製)を用いて測定した。耐刷試験開始時の膜厚と10万枚画像形成後の膜厚との差から、感光体ドラム10万回転あたりの削れ量を求めた。得られた削れ量から以下の基準で耐刷性を評価した。削れ量が多い程、耐刷性が悪いと評価した。
<判定基準>
○:削れ量d<0.8μm/100k回転
△:0.8μm/100k回転≦削れ量d<1.0μm/100k回転
×:1.0μm/100k回転≦削れ量d
1.耐キズ判定
耐刷試験後の画質の低下レベルを調査するため、半導体レーザのパルス幅を変調させて255階調分の80階調としたハーフトーン画像における感光体表面キズに起因する白スジ(ドラム周方向に沿った鋭敏なコントラスト)の有無を観察した。画像劣化の判定基準は、以下の通りである。
○:目視にて、ハーフトーン画像に白スジなし。良好な画像。
△:目視にて、ハーフトーン画像に白スジ確認。実使用上問題ないレベル。
×:目視にて、ハーフトーン画像に明らかに白スジ発生。実使用上問題となるレベル。
2.耐ガス判定
耐刷試験後の画質の低下レベルを調査するため、ハーフトーン画像における濃度ムラ(主にドラム軸方向に沿ったドラム円周の長さと対応して発生する周期的なムラ)の有無を観察した。濃度ムラの判定基準は、以下の通りである。
○:目視にて、ハーフトーン画像に濃度ムラなし。良好な画像。
△:目視にて、ハーフトーン画像に濃度ムラあり。実使用上問題ないレベル。
×:目視にて、ハーフトーン画像に濃度ムラあり。実使用上問題となるレベル。
前述の文字テストチャート及び記録紙を共通して用い、画像形成初期(≒0k)、及び100,000(100k)枚において、形成された画像を目視することによって、黒白2色の境界部の鮮明度、感光体回転方向へのトナー漏れによる黒すじの有無を試験した。更に、後述の測定器によってかぶり量Wkを求めて、クリーニング性を評価した。形成画像のかぶり量Wkは、日本電色工業製Z−Σ90 COLOR MEASURING SYSTEMを用いて反射濃度を測定することで求めた。具体的には、まず画像形成前の記録紙の反射平均濃度Wrを測定した。次にその記録紙に対して画像形成し、画像形成後、記録紙の白地部分各所の反射濃度を測定した。最もかぶりの多いと判断された部分、すなわち白地部でありながら濃度の最も濃い部分の反射濃度Wsを測定した。WrとWsとから式{100×(Wr−Ws)/Wr}で求められるWkをかぶり量と定義した。得られたWkから以下の基準でクリーニング性を評価した。
○:良好。鮮明度よく黒すじなし。かぶり量Wkが5%未満。
△:実用上問題なし。鮮明度実用上問題のないレベルであり黒すじの長さが2.0mm以下かつ5個以下。かぶり量Wkが5%以上10%未満。
×:実用不可。鮮明度実用上問題あり。黒すじの上記△の範囲を超えるもの。かぶり量Wkが10%以上。
上記5項目の判定結果を基に、下記のとおり判定する。
◎:5項目すべて○
○:5項目とも○或いは△
×:少なくとも1つ以上×
評価結果を表5及び6に示す。
比較例3〜6及び8〜9は、主として感光体表面の機械的特性値が規定の範囲になくその結果弊害が発生することとなった。すなわち、比較例3、5、8については、塑性硬さが規定値より小さいため、最表面層の塑性が著しく小さい。その結果、クリーニング不良が発生した。他方、塑性硬さが規定値より大きい比較例4、6、9については、逆に最表面層の脆性が際立ち、感光体表面にキズが発生した。
1.0×10-3≦(df×b3)/(dm×a3)≦2.5×10-2の範囲外のフィラー粒子を使用した比較例1〜4及び7〜10は、いずれも感度/安定性あるいは膜べり量が所望の値に至らないことがわかった。
8 ヒステリシスライン
11 導電性基体
12 電荷発生層
13 電荷輸送層
14 感光層
15 中間層
30 レーザプリンタ(画像形成装置)
31 半導体レーザ
32 回転多面鏡
34 結像レンズ
35 ミラー
36 コロナ帯電器
37 現像器
38 転写紙カセット
39 給紙ローラ
40 レジストローラ
41 転写帯電器
42 分離帯電器
43 搬送ベルト
44 定着器
45 排紙トレイ
46 クリーナ
47 矢符
48 転写紙
49 露光手段
Claims (8)
- 導電性基体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層をこの順で有する電子写真感光体であって、
前記電子写真感光体の最表面層がフィラー粒子を含有し、
前記最表面層中のフィラー粒子が下記式(1)
1.0×10-3≦(df×b3)/(dm×a3)≦2.5×10-2 (1)
(式中、aは平均フィラー粒子間距離(nm)を意味し、bは平均フィラー粒子径(nm)を意味し、dfはフィラー粒子の密度(g/cm3)を意味し、dmは最表面層の固形分の平均密度(g/cm3)を意味する)を満足する均一な分散状態であり、
前記最表面層は、表面皮膜硬度試験(試験条件:25℃/50%RH、最大荷重:5mN)に付した場合、200N/mm2〜350N/mm2の塑性硬さ値(Hpl)と、40%〜60%の弾性仕事率とを有することを特徴とする電子写真感光体。 - 前記フィラー粒子が酸化珪素からなる請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記フィラー粒子が100nm以下の粒子径を有する請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
- 酸化防止剤を更に含有する請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
- 最表面層が、20(mN/m)以上35(mN/m)以下の表面自由エネルギー(γ)を有する請求項1〜5のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
- 最表面層が、28(mN/m)以上35(mN/m)以下の表面自由エネルギー(γ)を有する請求項6に記載の電子写真感光体。
- 感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有し、前記感光体が請求項1〜7のいずれか1つに記載の電子写真感光体を含むことを特徴とする画像形成装置。
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