JP2015219458A - 電子写真感光体及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体及びそれを用いた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電子写真感光体の電気特性を損なわず、画像形成プロセスにおける感光体表面の耐刷性および耐久性が向上した電子写真感光体およびそれを備え、高品位な画質を形成できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】導電性支持体上に、下引き層を介して電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質、バインダーおよびフッ素樹脂微粒子またはシリカ微粒子の少なくともひとつからなるフィラー微粒子を含む電荷輸送層とがこの順で積層された電子写真感光体であって、前記電荷輸送層が、下記一般式(A):

で表されるテトラアリールエナミン化合物を含有し、前記電荷輸送物質が、ビストリフェニルアミン化合物であることを特徴とする電子写真感光体である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真感光体及びそれを用いた画像形成装置に関する。より具体的には、本発明は、積層型電子写真感光体における電荷輸送層が、バインダーに、フッ素樹脂微粒子またはシリカ微粒子の少なくとも1つからなるフィラー微粒子とともに、特定のテトラアリールエナミン化合物を電荷輸送物質に対して1〜15重量%含むことを特徴とする電子写真感光体およびそれを備える画像形成装置に関する。
電子写真感光体(以下、単に感光体とも称する)の欠点として、耐光性が挙げられる。電子写真感光体は、画像形成装置に内蔵されているため、電子写真感光体を搭載する画像形成装置の通常使用時には、蛍光灯などの外部光にさらされることはない。しかしながら、画像形成装置のメンテナンス時、電子写真感光体の交換時、または紙詰まりが起こった際には、それらの作業時には画像形成装置のカバーを開ける必要があり、電子写真感光体が外部光に曝される場合がある。その場合、電子写真感光体が、長時間に亘り外部光にさらされると、感光体は大きなダメージを受け、画像形成上問題となることがある。
これは、蛍光灯による照射光が、波長440nm付近の鋭く強い光成分を持っていることが多く、その光が電荷輸送層を透過し、電荷発生層に到達することにより光トラップを生成することが原因と考えられる。
これらの対応の一つとして、電荷輸送層への紫外線吸収剤の添加(例えば、特開平05―019497公報:特許文献1)や耐光性に優れた電荷輸送物質の使用が試みられている(例えば、特許3718508号公報:特許文献2)。
また、別の問題として、画像形成プロセスのクリーニング工程における感光体周りのクリーナー等の摺刷にともなう感光体表面の摩耗が、感光体の欠点として挙げられる。この欠点を克服する手段として、感光体表面の材料の機械的および物理的特性を向上させることが、現在までなされている。
そのような取り組みとして、感光体表面層に、フッ素樹脂微粒子やシリカ微粒子等のフィラー微粒子の添加が検討されている(例えば、特許3416310公報:特許文献3、特開2008−176056公報:特許文献4)。フッ素樹脂は、その緻密な構造および滑剤としての材料由来の優れた特性から、フィラー微粒子としての感光体への添加により、感光体の機械的特性を向上させるだけでなく、感光体表面の滑性を付与することによって、感光体の画像形成プロセス中に接触する感光体周囲に配置された部材との摩擦力を低減させ、結果として感光体表面の耐刷性向上にも寄与していると考えられている。
特開平05―019497号公報 特許3718508号公報 特許3416310号公報 特開2008−176056公報
上述のように、画像形成プロセスにおける感光体表面の耐刷性の向上には、感光体の最表面層である電荷輸送層へのフッ素系微粒子やシリカ微粒子の添加が有効である。しかしながら、耐光性の向上を図る場合、フッ素樹脂微粒子やシリカ微粒子を含有した電荷輸送層は、フッ素樹脂微粒子そのものがトラップとなることから、紫外線吸収剤を入れると電気特性の悪化が大きく実使用上問題となる。また、フッ素樹脂微粒子やシリカ微粒子を分散させる際には、高圧ホモジナイザーや高圧の液衝突などを用いるが、特許文献2に示されるような電荷輸送物質は分解/劣化し、残留電位の増加など電気特性に悪影響を及ぼし耐光性と耐刷性の問題の両立が困難になっている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、積層型電子写真感光体における電荷輸送層が、特定のエナミン誘導体を、バインダー(結着樹脂ともいう)中にフッ素樹脂微粒子またはシリカ微粒子の少なくとも1つからなるフィラー微粒子とともに、電荷輸送物質に対して1〜15重量%含むこと電子写真感光体により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、導電性支持体上に、下引き層を介して電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質、バインダーおよびフッ素樹脂微粒子またはシリカ微粒子の少なくともひとつからなるフィラー微粒子を含む電荷輸送層とがこの順で積層された電子写真感光体であって、前記電荷輸送層が、下記一般式(A):
(式中、
aは、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基もしくはアリール基を意味し;
eは1〜6の整数であり、eが2以上のとき、複数のaは、同一または異なって、互いに結合して環構造を形成してもよく;
b、cおよびdは、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基もしくはアリールチオ基を意味し;
f、gおよびhは、互いに同一または異なって、1〜5の整数であり、f、gまたはhが2以上のとき、複数のb、cまたはdのそれぞれは、互いに同一または異なっていてもよく、あるいはベンゼン環の隣接する炭素原子に結合するb、cまたはdのそれぞれは、互いに結合して環構造を形成してもよく;
Ar1およびAr2は、互いに同一または異なって、水素原子、または置換基を有してもよい、アルキル基、アリール基、アラルキル基または複素環基を意味するが、ただし、Ar1およびAr2は同時に水素原子にはなり得ず、かつAr1およびAr2は、原子または原子団を介して互いに結合して環構造を形成してもよい)
で表されるテトラアリールエナミン化合物を、前記電荷輸送物質に対して1〜15重量%含有し、
前記電荷輸送物質が、下記一般式(B):
(式中、R1 及びR2は、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を意味し、R3 、R4、R5およびR6は、互いに同一または異なって、水素原子、アルキル基、アルコキシ基を表し、i、j、kおよびlは、1または2である)
で表されるビストリフェニルアミン化合物であることを特徴とする前記の電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、前記一般式(A)において、次の部分構造:
が、以下の:
であり、次の部分構造:
が、互いに独立して、以下の:
であり、次の部分構造:
が、以下の:
であり、前記Ar1またはAr2が、以下の置換基:
を意味するか、または、前記Ar2またはAr1が、以下の置換基:
を意味するか、あるいは前記Ar1およびAr2が一緒になって、以下の置換基:
を意味する、前記の電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、前記一般式(B)において、R1およびR2は、互いに同一または異なって、水素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基を意味し、R3、R4、R5およびR6は、互いに同一または異なって、水素原子または2−、3−もしくは4−C1〜C4アルキル基、または2−、3−もしくは4−C1〜C4アルコキシ基を意味し、i、j、kおよびlが1または2である、前記の電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、前記電荷輸送物質が、電荷輸送層中に30.0〜45.0重量%含有されている、電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、前記フィラー微粒子が、電荷輸送層中に1.0〜20.0重量%含有されている、前記の電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、前記フッ素樹脂微粒子が、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)微粒子である、前記の電子写真感光体が提供される。
さらに、本発明によれば、前記の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、転写された前記トナー像を前記記録材上に定着する定着手段を備える画像形成装置が提供される。
本発明によれば、積層型電子写真感光体の電荷輸送層に、電荷輸送物質、バインダー、フッ素樹脂微粒子もしくはシリカ微粒子の少なくともひとつからなるフィラー微粒子と特定のテトラアリールエナミン化合物を含有することで、外部光に曝される場合でも問題なく、かつ耐磨耗性が高く長期にわたって電気的に安定な電子写真感光体および該感光体を備える画像形成装置提供することが可能となった。
本発明による感光体の要部の構成を示す模式断面図である。 本発明による画像形成装置の要部の構成を示す模式側面断面図である。 本発明における化合物A−1の340〜460nmの紫外・可視吸収スペクトルを示す図である。 本発明における化合物B−1の340〜460nmの紫外・可視吸収スペクトルを示す図である。
本発明による積層型電子写真感光体は、電荷輸送層が、下記一般式(A):
(式中、
aは、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基もしくはアリール基を意味し;
eは1〜6の整数であり、eが2以上のとき、複数のaは、同一または異なって、互いに結合して環構造を形成してもよく;
b、cおよびdは、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基もしくはアリールチオ基を意味し;
f、gおよびhは、互いに同一または異なって、1〜5の整数であり、f、gまたはhが2以上のとき、複数のb、cまたはdのそれぞれは、互いに同一または異なっていてもよく、あるいはベンゼン環の隣接する炭素原子に結合するb、cまたはdのそれぞれは、互いに結合して環構造を形成してもよく;
Ar1およびAr2は、互いに同一または異なって、水素原子、または置換基を有してもよい、アルキル基、アリール基、アラルキル基または複素環基を意味するが、ただし、Ar1およびAr2は同時に水素原子にはなり得ず、かつAr1およびAr2は、原子または原子団を介して互いに結合して環構造を形成してもよい)
で表されるテトラアリールエナミン化合物を、電荷輸送物質に対して1〜15重量%含有することを特徴とする。
上記一般式(A)の規定における、aの置換基を有してもよいアルキル基としては、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基が挙げられる。より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、1−メトキシエチル基、フルオロメチル基およびトリフルオロメチル基などが挙げられ、これらの中でも、メチル基、イソプロピル基およびトリフルオロメチル基が特に好ましい。
また、aの置換基を有してもよいアルコキシ基としては、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基が挙げられる。より具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基などが挙げられ、これらの中でも、メトキシ基が特に好ましい。
また、aの置換基を有してもよいジアルキルアミノ基としては、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよいジアルキルアミノ基が挙げられる。より具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基およびジイソプロピルアミノ基などが挙げられる。
また、aの置換基を有してもよいアリール基としては、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基が挙げられる。より具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、メトキシフェニル基、4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、ナフチル基およびメトキシナフチル基などが挙げられる。
さらに、aの置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、これらの中でも、フッ素原子が特に好ましい。
上記一般式(A)の規定における、b、cおよびdの置換基を有してもよいアルキル基は、上記aと同義であり、メチル基が特に好ましい。
また、b、cおよびdの置換基を有してもよいアルコキシ基は、上記aと同義であり、メトキシ基が特に好ましい。
また、b、cおよびdの置換基を有してもよいジアルキルアミノ基は、上記aと同義であり、ジメチルアミノ基が特に好ましい。
また、b、cおよびdの置換基を有してもよいアリール基としては、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、C6〜C10アリール基またはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基が挙げられる。より具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、メトキシフェニル基、4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、ビフェニルイル基、ナフチル基、メトキシナフチル基などが挙げられ、これらの中でも、フェニル基およびビフェニルイル基が特に好ましい。
また、b、cおよびdの置換基を有してもよいアリールオキシ基としては、4−メチルフェノキシ基などが挙げられる。
また、b、cおよびdの置換基を有してもよいアリールチオ基としては、フェニルチオ基などが挙げられる。
さらに、b、cおよびdの置換基としてのハロゲン原子は、上記aと同義である。
Ar1およびAr2の置換基を有してもよいアルキル基は、上記aと同義であり、メチル基が特に好ましい。
Ar1およびAr5の置換基を有してもよいアリール基としては、例えばC1〜C4のアルキル基、C1〜C4アルコキシ基、C2〜C6ジアルキルアミノ基またはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基が挙げられる。
より具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、イソプロピルフェニル基、メトキシフェニル基、メチルメトキシフェニル基、t−ブチルフェニル基、4−ジエチルアミノフェニル基、4−クロロフェニル基、2−フルオロフェニル基、4−フルオロエチルフェニル基、ナフチル基およびメトキシナフチル基などが挙げられ、これらの中でも、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基およびナフチル基が特に好ましい。
Ar1およびAr2の置換基を有してもよいアリールアルキル基としては、ベンジル基などが挙げられる。
Ar1およびAr2の置換基を有してもよい複素環基としては、クロマニル基、チエニル基、5−メチルチエニル基およびフリル基などが挙げられる。
より具体的には、前記一般式(A)において、部分構造:
が、以下の:
であり、次の部分構造:
が、互いに独立して、以下の:
であり、次の部分構造:
が、以下の:
であり、前記Ar1またはAr2が、以下の置換基:
を意味するか、または、前記Ar2またはAr1が、以下の置換基:
を意味するか、あるいは前記Ar1およびAr2が一緒になって、以下の置換基:
を意味する。
一般式(A)で示されるテトラアリールエナミン化合物は、特開2004−151666号公報に記載の方法により合成でき、その具体的化合物を以下の表1に示す。
これらの化合物の中でも、化合物A−1、A−43およびA−111が特に好ましい。
また、本発明の実施形態において、一般式(A)の化合物を前記電荷輸送物質に対して1〜15重量%含有することが好ましく、3〜10重量%含有することがより好ましい。
含有量が、1重量%未満だと耐光性効果が得られず、15重量%以上だと電気特性の悪化が見られる。
また、本発明による積層型電子写真感光体は、電荷輸送物質が、下記一般式(B):
(式中、R1 及びR2は、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を意味し、R3 、R4、R5およびR6は、互いに同一または異なって、水素原子、アルキル基、アルコキシ基を表し、i、j、kおよびlは、1または2である)
で表されるビストリフェニルアミン化合物であることを特徴とする
より具体的には、前記一般式(B)における各置換基は、好ましくは、R1 及びR2は、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、またはC1〜C4アルコキシ基を表し、R3、R4、R5 及びR6は、互いに同一または異なって、水素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基を表し、i、j、kまたはlは、1または2の整数を表す。
これらの電荷輸送物質は従来公知であり、特開2000−256276号公報に記載の方法に従って製造でき、その具体例を以下の表2に示す。
図3は、本発明における化合物A−1の340〜460nmの紫外・可視吸収スペクトルを示す図である。この図から判るように、当該物質は440nm付近の光を吸収することが判る。
図4は、本発明における化合物B−1の340〜460nmの紫外・可視吸収スペクトルを示す図である。この図から判るように、当該物質は440nm付近の光を透過することが判る。
なお、上記の吸収スペクトルは、化合物A−1およびB−1を、それぞれ0.01%濃度でテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、分光光度計(日立株式会社製U−2000)で測定した結果である。
一般に、蛍光灯などの外部光が感光体に与えるダメージは、外部光が電荷輸送層を透過し、その透過した光が電荷発生物質に作用し、電荷トラップを発生することで起こる。通常、蛍光灯などの外部光は、440nm付近の光波長成分を有することから、この光が電荷輸送層を透過すると、電荷発生物質に作用し、電荷トラップを発生させる。
図3に見られるように一般式(A)のテトラアリールエナミン化合物は400〜450nm近傍の光を吸収する。このことで電荷発生層まで外部光のほとんどが到達しないことから、フタロシアニン系電荷発生物質の耐光性の改善、ひいては感光体の耐光性の向上を図ることが期待される。
図4に見られるように、一般式(B)のビストリフェニルアミン化合物は440nm付近に吸収がなく、一般的にバインダーとして用いられるポリカーボネートやポリアリレートも440nm付近に吸収がないことから、電荷発生層まで光が到達することになる。また、一般的に用いられるフタロシアニン系の電荷発生物質はトラップの発生が顕著である。
したがって、本発明において、一般式(A)のテトラアリールエナミン化合物には、電荷発生層への440nm付近の光透過防御作用を有するものと思われる。
また、フッ素樹脂微粒子やシリカ微粒子を含有した電荷輸送層を有する感光体は、それらの微粒子自体が電荷のトラップとなるため、残留電位の上昇など電気特性が悪化し易く、紫外線吸収剤などの添加剤を添加すると大きな電気特性の悪化が見られる。
しかしながら、フッ素樹脂微粒子および/またはシリカ微粒子からなるフィラー微粒子と、一般式(A)のテトラアリールエナミン化合物を併用した場合には、理由はよく判ってないものの、400〜450nm近傍の光を吸収する一般式(A)のテトラアリールエナミン化合物の添加により、フッ素樹脂微粒子やシリカ微粒子を添加した電荷輸送層においても、上記のフッ素樹脂微粒子やシリカ微粒子の添加による電荷輸送層の電気特性に対する弊害はなく、外部光による劣化改善を図ることが出来ることが判った。
したがって、本発明において、一般式(A)のテトラアリールエナミン化合物には、電荷発生層への440nm付近の光透過防御作用により、フッ素系樹脂微粒子および/またはシリカ微粒子からなるフィラー粒子を電荷輸送層に添加した際にも、添加したフィラー粒子、を有するものと思われる。
以下、本発明の実施形態および実施例について、図1、2を参照しながら具体的に説明する。なお、以下に記述する実施形態および実施例は本発明の具体的な一例に過ぎず、本発明はこれらよって限定されるものではない。
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1に係る電子写真感光体の構成を示す模式断面図である。
この実施の形態1に係る電子写真感光体1は、導電性材料から成る円筒状の導電性基体11上に、下引き層18、ならびに電荷発生物質12を含有する電荷発生層15および電荷輸送物質13を含有する電荷輸送層16がこの順で積層された感光層14から構成された積層型感光体である。
導電性基体11(以下、導電性支持体とも称する)
導電性基体11は、感光体1の電極としての役割を果たすとともに、その上に配置される下引き層18および感光層14の支持部材としても機能する。
なお導電性基体11の形状は、この実施形態1では円筒状であるけれども、これに限定されることなく円柱状、シート状または無端ベルト状などであってもよい。
導電性基体11を構成する導電性材料としては、例えばアルミニウム、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、チタン、金、白金等の導電性金属;またはアルミニウム合金などの合金;酸化錫および酸化インジウム等の金属酸化物を用いることができる。
またこれらの金属材料に限定されることなく、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリエステル、ポリオキシメチレンもしくはポリスチレンなどの高分子材料、硬質紙またはガラスなどの表面に上記金属箔をラミネートしたもの;上記金属材料を蒸着したもの;または導電性高分子、酸化錫、酸化インジウムなどの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものなどを用いることもできる。
これらの導電性材料は所定の形状に加工されて使用される。
導電性基体11の表面には、必要に応じて、画質に影響のない範囲内で、陽極酸化皮膜処理、薬品もしくは熱水などによる表面処理、着色処理、または表面を粗面化するなどの乱反射処理を施してもよい。
レーザを露光光源として用いる電子写真画像形成プロセスでは、レーザ光の波長が揃っているので、感光体表面で反射されたレーザ光と感光体内部で反射されたレーザ光とが干渉を起こし、この干渉による干渉縞が画像上に現れて画像欠陥となることがある。
しかしながら、導電性基体11の表面に上記のような処理を施すことによって、この波長の揃ったレーザ光の干渉による画像欠陥を防止することもできる。
下引き層18(以下、中間層とも称する)
導電性基体11と感光層14との間に下引き層18がない場合、導電性基体11または感光層14の欠陥に起因して微小な領域での帯電性の低下が生じ、黒ぽちなどの画像のかぶりが発生し、著しい画像欠陥を生じることがある。しかしながら、下引き層18を設けることによって、導電性基体11からの感光層14への電荷の注入を防止することができる。
したがって、下引き層18を設けることにより、感光層14の帯電性の低下を防ぐことができ、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷の減少を抑え、画像にかぶりなどの欠陥が発生することを防止できる。
さらに下引き層18を設けることによって、導電性基体11表面の凸凹を被覆して均一な表面を得ることができるので、感光層14の成膜性を高め、かつ感光層14の導電性基体11からの剥離を抑え、導電性基体11と感光層14との接着性を向上させることができる。
この下引き層18には、各種樹脂材料から成る樹脂層またはアルマイト層などが用いられる。
下引き層18を構成する樹脂材料としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂およびポリアミド樹脂などの樹脂、ならびにこれらの樹脂を構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂などを挙げることができる。また、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、セルロース、ニトロセルロースおよびエチルセルロースなども挙げられる。
これらの樹脂の中でも、ポリアミド樹脂を用いることが好ましく、特にアルコール可溶性ナイロン樹脂を用いることが好ましい。
好ましいアルコール可溶性ナイロン樹脂としては、例えば6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、11−ナイロン、2−ナイロンおよび12−ナイロンなどの、いわゆるナイロン、ならびにN−アルコキシメチル変性ナイロンおよびN−アルコキシエチル変性ナイロンのように、ナイロンを化学的に変性させた樹脂などを挙げることができる。
そして下引き層に電荷調整機能をもたせるためには、金属酸化物微粒子であるフィラー微粒子を添加できる。このようなフィラー微粒子としては例えば酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムおよび酸化錫などの微粒子を挙げることができる。金属酸化物の微粒子径としては、0.01〜0.3μm程度が適当であり、好ましくは0.02〜0.1μm程度である。
なお、下引き層18は、例えば上記の樹脂を適当な溶剤中に溶解または分散させて中間層用塗布液を調製し、この塗布液を導電性基体11の表面に塗布し、乾燥することによって形成される。
下引き層18に前記の金属酸化物微粒子などの微粒子を含有させる場合には、例えば前記の樹脂を適当な溶剤に溶解させて得られる樹脂溶液中に、酸化チタン等の金属酸化物微粒子を分散させて下引き層用塗布液を調製し、この塗布液を導電性基体11の表面に塗布することによって下引き層18を形成することができる。
下引き層用塗布液の溶剤には、水もしくは各種有機溶剤、またはこれらの混合溶剤が用いられる。たとえば、水またはメタノール、エタノールもしくはブタノールなどのアルコールを単独で、または水とアルコール、2種類以上のアルコール混液、アセトンもしくはジオキソランなどとアルコール、ジクロロエタン、クロロホルムもしくはトリクロロエタンなどのハロゲン系有機溶剤とアルコールなどの混合溶剤が用いられる。
これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。
前記の微粒子を樹脂溶液中に分散させる方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機またはペイントシェーカーなどを用いる一般的な分散方法を使用することができる。
また、微小空隙中に上記分散液を超高圧で通過させることによって発生する非常に強いせん断力を利用したメディアレスタイプの分散装置を利用することによってより、安定な分散塗液を製造することが可能となる。
下引き層用塗布液の塗布方法としては、スプレイ法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法および浸漬塗布法などを挙げることができる。
これらの塗布方法の中でも、特に浸漬塗布法は、塗布液を満たした塗工槽に基体を浸漬した後、一定速度または逐次変化する速度で引上げることによって基体の表面上に層を形成する方法であり、比較的簡単で、生産性および原価の点で優れているので、電子写真感光体を製造する場合に多く利用されている。
下引き層18の膜厚は、0.01〜20μmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜10μmである。
下引き層18の膜厚が0.01μmよりも薄いと、導電性基体11の凸凹を被覆して均一な表面性を得ることができず、実質的に下引き層18として機能せず、導電性基体11からの感光層14への電荷の注入を防止できずに、感光層14の帯電性の低下が生じるので好ましくない。
また、下引き層18の膜厚が20μmよりも厚いと、浸漬塗布法による下引き層18の形成が困難になるとともに、下引き層18上に感光層14を均一に形成できず、感光体の感度が低下するので好ましくない。
電荷発生層15
電荷発生層15は、光を吸収することによって電荷を発生する電荷発生物質12を主成分として含有する。
電荷発生物質12としては、例えば、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料およびトリスアゾ系顔料などのアゾ系顔料;インジゴおよびチオインジゴなどのインジゴ系顔料;ペリレンイミドおよびペリレン酸無水物などのペリレン系顔料;アントラキノンおよびピレンキノンなどの多環キノン系顔料;オキソチタニウムフタロシアニン化合物などの金属フタロシアニンおよび無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系化合物;スクアリリウム色素、ピリリウム塩類およびチオピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素などの有機光導電性材料;ならびにセレンおよび非晶質シリコンなどの無機光導電性材料などが挙げられる。
これらの電荷発生物質12は、1種が単独で使用されてもよく、または2種以上が組合わされて使用されてもよい。
これらの電荷発生物質12の中でも、フタロシアニン化合物、特にオキソチタニウムフタロシアニン化合物を用いることが好ましい。
本発明で用いられるオキソチタニウムフタロシアニン化合物とは、オキソチタニウムフタロシアニンおよびその誘導体のことである。オキソチタニウムフタロシアニン誘導体としては、例えば、オキソチタニウムフタロシアニンのフタロシアニン基に含まれる芳香環の水素原子が塩素原子、フッ素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基などの置換基で置換されたもの、オキソチタニウムフタロシアニンの中心金属であるチタン原子に塩素原子などの配位子が配位したものなどが挙げられる。
オキソチタニウムフタロシアニン化合物は、特定の結晶構造を有することが好ましい。オキソチタニウムフタロシアニン化合物のうち好ましいものとしては、Cu−Kα特性X線(波長:1.54Å)に対するX線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角2θ(誤差:±0.2°)27.2°に回折ピークを示す結晶構造を有するものが挙げられる。ここで、ブラッグ角2θとは、入射X線と回折X線との成す角度のことであり、いわゆる回折角を表す。
このようなオキソチタニウムフタロシアニン化合物を電荷発生物質12として用いると、感度および解像度に更に優れる感光体を実現させることができるので特に好ましい。
すなわち、上記オキソチタニウムフタロシアニン化合物は、電荷発生能力および電荷注入能力に優れるので、光を吸収することによって多量の電荷を発生するとともに、発生した電荷をその内部に蓄積することなく、電荷輸送層16に効率よく注入できる。
前記のオキソチタニウムフタロシアニン化合物は、例えば、MoserおよびThomasによるPhthalocyanine Compounds、Reinhold Publishing Corp.、New York、1963に記載されている方法などの従来公知の製造方法に従って製造することができる。
例えば、オキソチタニウムフタロシアニンは、フタロニトリルと四塩化チタンとを、加熱融解するか、またはα−クロロナフタレンなどの適当な溶媒中で加熱反応させることによってジクロロチタニウムフタロシアニンを合成し、次いで、塩基または水で加水分解することによって製造することができる。また、イソインドリンとテトラブトキシチタンなどのチタニウムテトラアルコキシドとを、N−メチルピロリドンなどの適当な溶媒中で加熱反応させることによっても、オキソチタニウムフタロシアニンを製造することができる。
電荷発生層15の形成方法としては、前記の電荷発生物質12を導電性基体11の表面に真空蒸着する方法、または前記の電荷発生物質12を適当な溶剤中に分散して得られる電荷発生層用塗布液を導電性基体11の表面に塗布する方法などが用いられる。
これらの中でも、結着剤である結着樹脂を溶剤中に混合して得られる結着樹脂溶液中に、電荷発生物質12を従来公知の方法によって分散して電荷発生層用塗布液を調製し、得られた塗布液を導電性基体11の表面に塗布する方法が好適に用いられる。以下、この方法について説明する。
電荷発生層15に用いられる結着樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂およびポリビニルホルマール樹脂などの樹脂、ならびにこれらの樹脂を構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂などを挙げることができる。
共重合体樹脂の具体例としては、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂およびアクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などの絶縁性樹脂などを挙げることができる。
結着樹脂はこれらに限定されるものではなく、一般に用いられる樹脂を結着樹脂として使用することができる。これらの樹脂は、1種が単独で使用されてもよく、また2種以上が混合されて使用されてもよい。
電荷発生層用塗布液の溶剤には、例えばジクロロメタンもしくはジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンもしくはシクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチルもしくは酢酸ブチルなどのエステル類、テトラヒドロフランもしくはジオキサンなどのエーテル類、1,2−ジメトキシエタンなどのエチレングリコールのアルキルエーテル類、ベンゼン、トルエンもしくはキシレンなどの芳香族炭化水素類、またはN,N−ジメチルホルムアミドもしくはN,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶剤などが用いられる。
上記の溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。上記の溶剤は、1種が単独で使用されてもよく、2種以上の混合溶剤として使用してもよい。
電荷発生物質12と結着樹脂とを含んで構成される電荷発生層15において、電荷発生物質12の重量W1と結着樹脂の重量W2との比率W1/W2は、10/100〜400/100であることが好ましい。
前記比率W1/W2が10/100未満であると、感光体1の感度が低下し易い。
逆に、前記比率W1/W2が400/100を超えると、電荷発生層15の膜強度が低下するだけでなく、電荷発生物質12の分散性が低下して粗大粒子が増大するので、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷が減少し、画像欠陥、特に白地にトナーが付着し微小な黒点が形成される黒ぽちと呼ばれる画像のかぶりが多くなる。
したがって、前記比率W1/W2の好適な範囲は、10/100〜400/100である。
電荷発生層用塗布液の塗布方法としては、スプレイ法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法および浸漬塗布法などを挙げることができる。
これらの塗布方法の中でも、特に前記の下引き層の塗布方法で述べた浸漬塗布法が好ましい。
電荷発生層15の膜厚は、0.05〜5μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmである。
電荷発生層15の膜厚が0.05μm未満であると、光吸収による電荷発生効率が低下し、感光体1の感度が低下する。
逆に、電荷発生層15の膜厚が5μmを超えると、光の吸収効率が低下する上に、電荷発生層15内部での電荷移動が感光層14の表面電荷を消去する過程の律速段階となり、感光体1の感度が低下する。
したがって、電荷発生層15の膜厚の好適な範囲は、0.05〜5μmである。
電荷輸送層16
電荷発生層15上には電荷輸送層16が設けられる。電荷輸送層16は、電荷発生層15に含まれる電荷発生物質12が発生した電荷を受入れ、これを輸送する電荷輸送物質13と、電荷輸送物質13を結着させるバインダー17とフッ素樹脂微粒子もしくはシリカ微粒子の少なくともひとつからなるフィラー微粒子19、一般式(A)の化合物を含んで構成される。
上記の電荷輸送物質13としては、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、多環芳香族化合物、インドール誘導体、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、トリアリールメタン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体およびベンジジン誘導体などを挙げることができる。
しかしながら,本発明においては、フィラー微粒子を分散した電荷輸送層16の場合は、特に前記一般式(B)のビストリフェニルアミン化合物を電荷輸送物質として使用することが、好適である。これは微粒子を分散する際、電荷輸送物質の劣化が起こり易く電気特性の悪化が引き起こされるが、前記一般式(A)で表されるテトラアリールエナミン化合物との併用により、フッ素樹脂微粒子および/またはシリカ微粒子の悪影響を生じさせることなく、一般式(B)のビストリフェニルアミン化合物は電気特性の悪化が非常に少ないためである。
電荷輸送層16を構成する結着樹脂には、透明性や耐刷性に優れるなどの理由から、当該分野で周知のポリカーボネートやポリアリレートを主成分とする樹脂が好適に選択される。
また、電荷輸送物質13は、電荷輸送層中に30.0〜45.0重量%含有されていることが好ましい。さらに電荷輸送層中に33.0〜40.0重量%含有されていることがより好ましい。
また、電荷輸送層16には、耐摩耗性等を向上させる目的として、上述したフッ素樹脂微粒子またははシリカ微粒子の少なくともひとつからなるフィラー微粒子19が含有される。
フィラー微粒子19は、電荷輸送層中に1.0〜20.0重量%含有されていることが好ましい。さらに電荷輸送層中に5.0〜15.0重量%含有されていることがより好ましい。
フッ素樹脂微粒子としては、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)微粒子、3フッ化塩化エチレン樹脂微粒子、6フッ化プロピレン樹脂微粒子、フッ化ビニル樹脂微粒子、フッ化ビニリデン樹脂微粒子、2フッ化2塩化エチレン樹脂微粒子およびこれらのユニットを含有する共重合体樹脂微粒子、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)樹脂微粒子、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)樹脂微粒子などのフッ素系樹脂微粒子などが挙げられる。
特に、分散性および分散安定性の観点から、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)微粒子が好ましい。
具体的なフッ素樹脂微粒子としては、4フッ化エチレン樹脂の市販品として、ダイキン工業株式会社の製品名:ルブロンL-2、L-5、L-5F;株式会社喜多村の製品名:KTL-500F、KTL-1N、KTL-2N;旭硝子株式会社の製品名:FLUON PTFE L173J;テクノケミカル株式会社の製品名:microdispers−200;綜研化学株式会社の製品名:MP−300;三井・デュポンフロロケミカル株式会社の製品名:TLP−10F−1などが挙げられる。
また、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)樹脂微粒子としては、三井・デュポンフロロケミカル株式会社の製品名:MP−101などが挙げられる。
テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)樹脂微粒子としては、三井・デュポンフロロケミカル株式会社の製品名:120−JRなどが挙げられる。
フッ素系樹脂微粒子は、0.02〜5μmの平均一次粒子径を有するのが好ましい。
フッ素系樹脂微粒子の平均一次粒子径が0.02μm未満では、微粒子同士の凝集が激しく極めて分散し難く、また分散液の安定性が低くなることがある。一方、フッ素系樹脂微粒子の平均一次粒子径が5μmを超えると、画質欠陥が発生し易くなる 。
より好ましいフッ素系樹脂微粒子の平均一次粒子径は、0.1〜3μmである。
なお、本発明において、平均一次粒子径は、例えば、レーザ回折・散乱式粒度分析計(日機装株式会社製、型式:マイクロトラックMT3000II)を用いて、微粒子が分散された分散液と同じ溶剤に希釈した測定液で測定した値をいう。
また、シリカ微粒子は、分散性向上、表面性改質などを目的として無機物または有機物で表面処理されていてもよい。一般にシリカ微粒子の撥水性処理としては、シランカップリング剤での処理、フッ素系シランカップリング剤での処理、高級脂肪酸処理もしくは高分子材料どうしの共重合処理が挙げられ、無機物処理としてはアルミナ、ジルコニア、酸化スズ、シリカ処理などが挙げられる。
シリカ微粒子の平均一次粒子径は、大き過ぎると摩擦係数が上昇し、光の透過率が小さくなることがあり、逆に小さ過ぎると耐摩耗性が悪くなることがあることから、0.05〜1.0μm、さらに0.1〜0.5μmが好ましい。
具体的なシリカ微粒子としては、日本アエロジル株式会社の製品名:R972、R974、NY50、RX50;キャボットジャパン株式会社の製品名:TS610、TS612、TS620、TS630;信越化学工業株式会社の製品名:X−24-9163A;株式会社アドマテックスの製品名:SO−E1、SO−E2、SE100−GDT、SE100−SPTが挙げられる。
また、フッ素樹脂微粒子および/またはシリカ微粒子からなるフィラー微粒子の分散性向上および分散性安定性向上のために、分散剤を添加してもよい。より具体的には、サーフロンS−611、サーフロンS−385(AGCセイミケミカル社製)、メガファックEXP,TF−1507、メガファックEXP、TF−1535(大日本インキ社製)、FC−4430、FC−4432(3M社製)、GF400(東亜合成社製)が挙げられる。
また、上記フィラー微粒子の分散にはホモジナイザーや高圧衝突タイプ等の公知の分散機を用いることができる。
特に高圧衝突タイプの分散機が微粒子へのダメージ低減の観点から好ましい。
高圧衝突タイプの分散機としては、高圧噴射式乳化分散機が挙げられる。この高圧噴射式乳化分散機とは、高圧プランジャポンプなどで処理液(スラリー、乳化液または分散液等)を微細な流路に圧入し、排出部の特殊バルブの調整で吐出口から高圧で噴射・衝突させることで、微粒子にダメージを与えず乳化・分散・表面処理を行う湿式微粒化装置を意味する。
したがって、高圧噴射式分散機は、吐出口からの噴射時に圧力を調節して高圧噴射液同士の衝突、および高圧噴射液と装置の壁面との衝突による被分散物の乳化・分散または粉砕に使用される。よって、上記の高圧噴射式分散機としては、高圧ポンプとこれに配管により接続された複数の小径のオリフィスを有する治具と、該オリフィスより液が吐出される際に液同士が衝突すべく加工された治具により構成される装置を用いることができる。
このような装置としては、スギノマシン(株)のスターバースト、吉田機械興業(株)のナノヴェイタ、マイクロフルイディックスのマイクロフルイダイザーが利用できる。
なお、衝突パス回数が増えると、液衝突の発熱が蓄積しやすいことから、分散回路に冷却装置をつけるのが望ましい。
本発明でいうところの高圧とは、前記高圧ポンプの吐出量、吐出圧とオリフィス径及び長さ、更には溶媒及び被分散物の粘度によりおおむね決定される10〜300MPaを好適に意味する。
処理圧力が10MPaより低くなると、液同士の衝突エネルギーが足りずに、所望する粒径まで分散できない。
一方、処理圧力が300MPaより高くなると、液同士の衝突エネルギーが高すぎて、分散物の劣化及び分散液の爆発等の恐れがある。もっと好ましい処理圧力は50〜150MPaである。
また、電荷輸送層16には、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。すなわち、成膜性、可撓性または表面平滑性を向上させるために、可塑剤またはレベリング剤などを添加してもよい。
上記可塑剤としては、例えばフタル酸エステルなどの二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、塩素化パラフィンおよびエポキシ型可塑剤などを挙げることができる。
また、上記レベリング剤としては、例えばシリコーン系レベリング剤などを挙げることができる。
電荷輸送層16は、前記の電荷発生層15を塗布によって形成する場合と同様に、例えば適当な溶媒中に、電荷輸送物質13、結着樹脂17、前記フィラー微粒子及び必要な場合には前記添加剤を溶解または分散させて電荷輸送層用塗布液を調製し、得られた塗布液を電荷発生層15上に塗布し、乾燥することによって形成される。
電荷輸送層用塗布液の溶剤としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンおよびモノクロルベンゼンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタンおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよびジメトキシメチルエーテルなどのエーテル類、ならびにN,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒などを挙げることができる。これらの溶媒は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
また上記の溶媒に、必要に応じてアルコール類、アセトニトリルまたはメチルエチルケトンなどの溶媒をさらに加えて使用することもできる。
これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。
電荷輸送層用塗布液の塗布方法としては、スプレイ法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法および浸漬塗布法などを挙げることができる。これらの塗布方法の中でも、特に浸漬塗布法は、前記のように種々の点で優れているので、電荷輸送層16を形成する場合にも利用できる。
電荷輸送層16の膜厚はそれぞれ、5〜40μmであることが好ましく、より好ましくは10〜30μmである。
電荷輸送層16の膜厚が5μm未満であると、帯電保持能が低下し、鮮明な画像が得られ難くなるので好ましくない。
また、電荷輸送層16の膜厚が40μmを超えると、感光体1の解像度が低下する。
したがって、電荷輸送層16の膜厚は、5〜40μmの範囲が好ましい。
また感光層14の各層15および16には、酸化防止剤または紫外線吸収剤などを添加してもよい。特に電荷輸送層16には、酸化防止剤または紫外線吸収剤などを添加することが好ましく、各層を塗布によって形成する際の塗布液の安定性を高めることができる。
さらに、電荷輸送層16には、酸化防止剤を添加するのが特に好ましい。この酸化防止剤の電荷輸送層への添加により、オゾン、窒素酸化物などの酸化性ガスに対する感光層の劣化を低減することができる。
上記酸化防止剤としては、フェノール系化合物、ハイドロキノン系化合物、トコフェロール系化合物またはアミン系化合物などが挙げられる。これらの中でも、ヒンダードフェノール誘導体もしくはヒンダードアミン誘導体、またはこれらの混合物が好適に用いられる。
実施の形態2
図2は、本発明による画像形成装置の構成を示す模式断面図である。
図2に示す画像形成装置30は、本発明の実施の形態1の感光体1を搭載するレーザプリンタである。
以下、図2を参照してレーザプリンタ30の構成および画像形成動作について説明する。
なお図2に記載のレーザプリンタ30は、本発明の例示であり、以下の記載内容によって本発明の画像形成装置をなんら限定するものではない。
画像形成装置であるレーザプリンタ30は、感光体1、半導体レーザ31、回転多面鏡32、結像レンズ34、ミラー35、帯電手段であるコロナ帯電器36、現像手段である現像器37、転写紙カセット38、給紙ローラ39、レジストローラ40、転写手段である転写帯電器41、分離帯電器42、搬送ベルト43、定着器44、排紙トレイ45およびクリーニング手段であるクリーナ46から構成される。
なお、上記の半導体レーザ31、回転多面鏡32、結像レンズ34およびミラー35は、露光手段49を構成する。
感光体1は、図示しない駆動手段によって矢符47の方向に回転可能なようにレーザプリンタ30に搭載される。半導体レーザ31から出射されるレーザビーム33は、回転多面鏡32によって感光体1の表面に対してその長手方向(主走査方向)に繰返し走査される。結像レンズ34は、f−θ特性を有し、レーザビーム33をミラー35で反射させて感光体1の表面に結像させて露光させる。感光体1を回転させながらレーザビーム33を前記のように走査して結像させることによって、感光体1の表面に画像情報に対応する静電潜像が形成される。
前記のコロナ帯電器36、現像器37、転写帯電器41、分離帯電器42よびクリーナ46は、矢符47で示す感光体1の回転方向上流側から下流側に向ってこの順序で設けられる。
また、コロナ帯電器36は、レーザビーム33の結像点よりも感光体1の回転方向上流側に設けられ、感光体1の表面を均一に帯電させる。したがって、レーザビーム33が、均一に帯電された感光体1表面を露光することになり、レーザビーム33によって露光された部位の帯電量と露光されなかった部位の帯電量とに差異が生じて前記の静電潜像が形成される。
現像器37は、レーザビーム33の結像点よりも感光体1の回転方向下流側に設けられ、感光体1表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、静電潜像をトナー像として現像する。転写紙カセット38に収容される転写紙48は、給紙ローラ39によって1枚ずつ取出され、レジストローラ40によって感光体1への露光と同期して転写帯電器41に与えられる。転写帯電器41によって、トナー像が転写紙48に転写される。転写帯電器41に近接して設けられる分離帯電器42は、トナー像が転写された転写紙を除電して感光体1から分離する。
感光体1から分離された転写紙48は、搬送ベルト43によって定着器44に搬送され、定着器44によってトナー像が定着される。このようにして画像が形成された転写紙48は、排紙トレイ45に向けて排紙される。なお分離帯電器42によって転写紙48が分離された後、さらに回転を続ける感光体1は、その表面に残留するトナーおよび紙粉などの異物がクリーナ46によって清掃される。クリーナ46によってその表面が清掃された感光体1は、クリーナ46と共に設けられる除電器(除電ランプ)50によって除電された後、さらに回転され、前記の感光体1の帯電から始まる一連の画像形成動作が繰り返される。
したがって、本発明によれば、本発明による電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段および定着手段を備えることを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明の画像形成装置は、図2に示す画像形成装置の構成に限定されるものではなく、上記感光体を使用することができるものであれば、モノクロ、カラーを問わず、電子写真形成プロセスを利用する種々のプリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機などに好適に利用され得る。
なお、本発明の画像形成装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の思想を逸脱しない範囲で種々の変形、変更が可能であって、その他の形態は本明細書および図面の記載から容易に理解される。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の記載内容に限定されるものではない。
実施例1
下引き層の作製
酸化チタン(商品名:タイベークTTO−D−1、石原産業株式会社製)3重量部および市販のポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ株式会社製)2重量部を、メチルアルコール25重量部に加え、ペイントシェーカーにて8時間分散処理し、下引き層形成用塗工液3Kgを調製した。得られた下引き層用塗布液を塗布槽に満たし、導電性支持体として直径30mm、長さ357mmのアルミニウム製のドラム状支持体を浸漬した後引き上げ、膜厚1μmの下引き層を形成した。
電荷発生層の作製
次いで、電荷発生物質12としてCuKα1.541ÅのX線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)が、27.2°に主要なピークを示すX線回折スペクトルを有するチタニルフタロシアニン1重量部およびバインダーとしてブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−2、積水化学工業株式会社製)1重量部をメチルエチルケトン98重量部に混合し、ペイントシェーカーにて8時間分散処理して電荷発生層形成用塗布液3Kgを調製した。
得られた電荷発生層形成用塗布液を、下引き層形成の場合と同様の方法で先に設けた下引き層表面に塗布し、自然乾燥して膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
電荷輸送層の作製
電荷輸送物質として化合物B−1:D2448 東京化成工業社製)100重量部、ポリカーボネート樹脂(TS2050:帝人化成社製)140重量部、PTFE微粒子(ルブロンL−2:ダイキン工業株式会社製)27重量部、化合物A−1 5重量部、分散剤(GF400:東亜合成社製)0.5重量部を混合し、テトラヒドロフランを溶剤として固形分21重量%の懸濁液を作成後、湿式乳化分散装置マイクロフルイダイザー 社製M−110P装置を用いて、設定圧力:100MPaの条件で5pass操作実施し、電荷輸送層形成用塗工液3Kgを調製した。この電荷輸送層形成用塗工液を浸漬法により、先に設けた電荷発生層表面に塗布し、130℃で1時間乾燥して膜厚28μmの電荷輸送層を形成した。このようにして、図1に示す積層型感光体を作製した。
実施例2
化合物A−1を化合物A−43に変更した以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を得た。
実施例3
化合物A−1を化合物A−111に変更した以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を得た。
実施例4
化合物A−1 5重量部を1重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を得た。
実施例5
化合物A−1 5重量部を15重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を得た。
実施例6
PTFE微粒子(ルブロンL−2:ダイキン工業社製)27重量部を2.5重量部に、分散剤(GF400:東亜合成社製)0.5重量部を0.05重量部にした以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を得た。
実施例7
PTFE微粒子(ルブロンL−2:ダイキン工業社製)27重量部を61重量部に、分散剤(GF400:東亜合成社製)0.5重量部を1.2重量部にした以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を得た。
実施例8
PTFE微粒子(ルブロンL−2:ダイキン工業社製)をPTFE微粒子(KTL−1N:株式会社喜多村)に変更した以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を得た。
実施例9
PTFE微粒子(ルブロンL−2:ダイキン工業社製)をPFA微粒子(MP−101:三井・デュポンフロロケミカル株式会社)に変更した以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を得た。
実施例10
PTFE微粒子(ルブロンL−2:ダイキン工業社製)をシリカ微粒子(SO-E2:アドマテックス製)に変更した以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を得た。
実施例11
PTFE微粒子(ルブロンL−2:ダイキン工業社製)をシリカ微粒子(TS610:キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ製)に変更した以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を得た。
実施例12
電荷輸送物質である化合物B−1を化合物B−2に変更した以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を得た。
実施例13
電荷輸送物質である化合物B−1を化合物B−10に変更した以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を得た。
実施例14
電荷輸送物質である化合物B−1を化合物B−51に変更した以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を得た。
実施例15
ポリカーボネート樹脂(TS2050:帝人化成社製)140重量部を190重量部にし、PTFE微粒子(ルブロンL−2:ダイキン工業社製)27重量部を33重量部にした以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を得た。
実施例16
ポリカーボネート樹脂(TS2050:帝人化成社製)140重量部を100重量部にし、PTFE微粒子(ルブロンL−2:ダイキン工業社製)27重量部を23重量部にした以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を得た。
比較例1
電荷輸送層中に化合物A−1を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして感光体を作成した。
比較例2
化合物A−1 5重量部を20重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を得た。
比較例3
電荷輸送物質である化合物B−1を化合物A−1に変更した以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を得た。
比較例4
PTFE微粒子(ルブロンL−2:ダイキン工業社製)27重量部を82重量部に、分散剤(GF400:東亜合成社製)0.5重量部を1.64重量部にした以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を得た。
比較例5
PTFE微粒子(ルブロンL−2:ダイキン工業社製)を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして感光体を作成した。
比較例6
電荷輸送物質である化合物B−1を4-(2,2-diphenylethyl)-4',4''-dimethyl-triphenylamine(高砂香料工業製)に変更した以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を得た。
比較例7
ポリカーボネート樹脂(TS2050:帝人化成社製)140重量部を210重量部にし、PTFE微粒子(ルブロンL−2:ダイキン工業社製)27重量部を35重量部にした以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を得た。
比較例8
ポリカーボネート樹脂(TS2050:帝人化成社製)140重量部を90重量部にし、PTFE微粒子(ルブロンL−2:ダイキン工業社製)27重量部を21重量部にした以外は、実施例1と同様にして積層型感光体を得た。
上記の実施例1〜16および比較例1〜8において用いられた電荷輸送物質、フィラー微粒子、およびテトラアリールエナミン化合物について、以下の表3にまとめて示す。
評価
実施例1〜16および比較例1〜8で得られた感光体を、デジタル複写機(商品名:MX−5141FN、シャープ株式会社製)を改造した試験用複写機に搭載し、画像形成工程における感光体の表面電位を測定できるように表面電位計(TREC JAPAN社製、model344)を設けて、各感光体の電気特性評価、画像評価、膜べり評価およびクリーニング評価をそれぞれ実施した。
尚、光源は、波長:780nmのレーザ光を使用した。
1.電気特性評価
この複写機を用いて、温度25℃、相対湿度50%の常温/常湿(N/N:Normal Temperature/Normal Humidity)環境中において、レーザ光による露光を施さなかった場合の感光体の表面電位を−600Vに調整した。その状態でレーザ光により露光(0.4μJ/cm2)を施した場合の感光体の初期表面電位を露光電位VL(V)として測定した。
得られたVLから下記の基準で感度を評価した。この露光電位VLの絶対値が小さい程、高感度であると評価した。
判定基準
G(good:良好): |VL|<110V
NB(not bad:悪くはない): 110V≦|VL|<130V
B(bad:悪い): 130V≦|VL|
2.膜べり評価
実写評価前および、100k枚実写後の感光体膜厚の変化を、渦電流式膜厚計(フィッシャー社製)を用いて測定し、複写機上の感光体100k回転あたりの膜べり量に換算した。
G: 膜べり量<0.6μm/100k回転
NB: 0.6μm/100k回転≦膜べり量<0.9μm/100k回転
B: 膜べり量≧0.9μm/100k回転
3.光暴露評価
感光体表面の一部分以外を黒紙でマスクし、マスクしていない部分に白色蛍光灯の光強度が400Lux照射されるように調整し、5分間照射、その後、5分間放置し、ハーフトーン画像の確認を行った。その画像を以下の評価基準に基づいて評価した。
G:照射部分と非照射部分に差なし。
NB:照射部分と非照射部分に若干の差が見られる(実使用では問題なし)。
B:照射部分と非照射部分に大きな差が見られる(実使用上問題あり)。
4.総合判定
上記の2〜4の判定結果に基づき以下の基準で判定し、総合判定とした。
G: 全てがG以上:長寿命化と高画質化に対し良好。
NB: NBは1つのみ、その他はG:長寿命化と高画質化に対し実使用可能なレベル。
B: Bが1つ以上。
実施例1〜16および比較例1〜8で作製した感光体における各項目に対する上記の評価結果を以下の表4に示す。
上記の表4に示す結果から、次のことが判った。
(1)実施例1〜16による感光体は、フッ素樹脂微粒子もしくはシリカ微粒子を含有した電荷輸送層に一般式(A)の化合物を電荷輸送物質に対して1〜15重量部含有することで、電気特性、耐刷性に優れ、耐光性も良好なことが判った。
(2)一般式(A)の化合物を含有しない比較例1による感光体は、外部光による光暴露により問題となることが判った。
(3)一般式(A)の化合物を20%添加した比較例2による感光体は、電気特性の悪化が大きく問題となることが判った。
(4)一般式(A)の化合物を電荷輸送物質に用いた比較例3による感光体は比較例2による感光体よりもさらに電気特性の悪化が大きく問題となることが判った。これは、一般式(A)の化合物がフッ素樹脂微粒子と共に分散されることで劣化したものと考えられる。
(5)電荷輸送層に微粒子を全く含有しない比較例5による感光体は、膜べり量が非常に多く、ライフが短くなることが判った。また、微粒子を25%添加した比較例4による感光体は電気特性の悪化が大きく問題となることが判った。
(6)電荷輸送物質として、一般式(B)のビストリフェニルアミン化合物以外の電荷輸送物質を用いた比較例6による感光体は、一般式(B)の化合物を用いた時より、電気特性の悪化が見られた。
本発明によれば、積層型電子写真感光体の電荷輸送層に、フッ素もしくはシリカ微粒子および特定の化合物を含有させることにより、外部光による光暴露に強く、かつ耐磨耗性が高く長期にわたって電気的に安定な電子写真感光体および該感光体を備える画像形成装置が提供される。
1 電子写真感光体
11 導電性基体
12 電荷発生物質
13 電荷輸送物質
14 感光層
15 電荷発生層
16 電荷輸送層
17 バインダー(結着樹脂)
18 下引き層
19 フィラー微粒子
30 レーザプリンタ(画像形成装置)
31 半導体レーザ
32 回転多面鏡
34 結像レンズ
35 ミラー
36 コロナ帯電器
37 現像器
38 転写紙カセット
39 給紙ローラ
40 レジストローラ
41 転写帯電器
42 分離帯電器
43 搬送ベルト
44 定着器
45 排紙トレイ
46 クリーナ
47 矢符
48 転写紙
49 露光手段
50 除電器

Claims (7)

  1. 導電性支持体上に、下引き層を介して電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質、バインダーおよびフッ素樹脂微粒子またはシリカ微粒子の少なくともひとつからなるフィラー微粒子を含む電荷輸送層とがこの順で積層された電子写真感光体であって、前記電荷輸送層が、下記一般式(A):
    (式中、
    aは、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基もしくはアリール基を意味し;
    eは1〜6の整数であり、eが2以上のとき、複数のaは、同一または異なって、互いに結合して環構造を形成してもよく;
    b、cおよびdは、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基もしくはアリールチオ基を意味し;
    f、gおよびhは、互いに同一または異なって、1〜5の整数であり、f、gまたはhが2以上のとき、複数のb、cまたはdのそれぞれは、互いに同一または異なっていてもよく、あるいはベンゼン環の隣接する炭素原子に結合するb、cまたはdのそれぞれは、互いに結合して環構造を形成してもよく;
    Ar1およびAr2は、互いに同一または異なって、水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基または複素環基を意味するが、ただし、Ar1およびAr2は同時に水素原子にはなり得ず、かつAr1およびAr2は、原子または原子団を介して互いに結合して環構造を形成してもよい)
    で表されるテトラアリールエナミン化合物を、前記電荷輸送物質に対して1〜15重量%含有し、
    前記電荷輸送物質が、下記一般式(B):
    (式中、R1 及びR2は、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を意味し、R3 、R4、R5およびR6は、互いに同一または異なって、水素原子、アルキル基、アルコキシ基を表し、i、j、kおよびlは、1または2である)
    で表されるビストリフェニルアミン化合物であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記一般式(A)において、次の部分構造:
    が、以下の:
    であり、次の部分構造:
    が、互いに独立して、以下の:
    であり、次の部分構造:
    が、以下の:
    であり、前記Ar1またはAr2が、以下の置換基:
    を意味するか、または、前記Ar2またはAr1が、以下の置換基:
    を意味するか、あるいは前記Ar1およびAr2が一緒になって、以下の置換基:
    を意味する、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記一般式(B)において、R1およびR2は、互いに同一または異なって、水素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基を意味し、R3、R4、R5およびR6は、互いに同一または異なって、水素原子または2−、3−もしくは4−C1〜C4アルキル基、または2−、3−もしくは4−C1〜C4アルコキシ基を意味し、i、j、kおよびlが1または2である、請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記電荷輸送物質が、電荷輸送層中に30.0〜45.0重量%含有されている、請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  5. 前記フィラー微粒子が、電荷輸送層中に1.0〜20.0重量%含有されている、請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  6. 前記フッ素樹脂微粒子が、4フッ化エチレン樹脂微粒子である、請求項1〜5にいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、転写された前記トナー像を前記記録材上に定着する定着手段を備える画像形成装置。
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