JP2005164941A - 電子写真感光体ならびにそれを用いる画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

電子写真感光体ならびにそれを用いる画像形成装置および画像形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005164941A
JP2005164941A JP2003403272A JP2003403272A JP2005164941A JP 2005164941 A JP2005164941 A JP 2005164941A JP 2003403272 A JP2003403272 A JP 2003403272A JP 2003403272 A JP2003403272 A JP 2003403272A JP 2005164941 A JP2005164941 A JP 2005164941A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photosensitive member
image
electrophotographic photosensitive
toner
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003403272A
Other languages
English (en)
Inventor
Koutaro Fukushima
功太郎 福島
Koichi Toriyama
幸一 鳥山
Tomoko Kanazawa
朋子 金澤
Takuya Arimura
拓也 有村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2003403272A priority Critical patent/JP2005164941A/ja
Publication of JP2005164941A publication Critical patent/JP2005164941A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract


【課題】 付着物の表面に対する接着仕事を制御することにより、長期の使用においても表面傷を発生しにくく、形成される画像の画質低下を生じることのないクリーニング性に優れる電子写真感光体を提供する。
【解決手段】 導電性支持体2と導電性支持体2上に設けられる感光層6とを備える電子写真感光体1は、その表面に付着する付着物の接着仕事(Wa)が、50mN/m以上、75mN/m以下になるように調整される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる電子写真感光体ならびにそれを備える画像形成装置および画像形成方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、複写機だけでなく、近年需要の伸びの著しいコンピュータ等の出力手段であるプリンターなどにも広く利用されるに至っている。電子写真方式の画像形成装置では、装置に備わる電子写真感光体の感光層を、帯電器によって一様に帯電させ、画像情報に対応するたとえばレーザ光などによって露光し、露光によって形成される静電潜像に対してトナーと呼ばれる微粒子状の現像剤を現像器から供給してトナー画像を形成する。
電子写真感光体の表面に現像剤の成分であるトナーが付着することによって形成されたトナー画像は、転写手段によって記録紙などの転写材に転写されるけれども、電子写真感光体表面のトナーがすべて記録紙に転写して移行されるのではなく、一部が電子写真感光体の表面に残留する。また現像時に電子写真感光体と接触する記録紙の紙粉が、電子写真感光体に付着したまま残留することもある。
このような電子写真感光体表面の残留トナーおよび付着紙粉は、形成される画像の品質に悪影響を及ぼすので、クリーニング装置によって除去したり、また近年ではクリーナーレス化技術が進み、独立したクリーニング手段を有することなく現像手段に付加されるクリーニング機能によって残留トナーを回収する、いわゆる現像兼クリーニングシステムで除去している。このように電子写真感光体には、帯電、露光、現像、転写、クリーニングおよび除電の動作が繰返し実行されるので、電気的および機械的外力に対する耐久性が求められる。具体的には、電子写真感光体表面が摺擦されることによる磨耗および傷の発生、また帯電器による帯電時に発生するオゾンやNOx等の活性物質の付着による表面層の劣化等に対する耐久性が要求される。
電子写真方式の画像形成装置の低コスト化およびメンテナンスフリーを実現するためには、電子写真感光体が、充分な耐久性を有し、長期間安定して動作し得ることが重要となる。このような耐久性および動作の長期安定性を左右する要因の1つに、表面のクリーニング性すなわちクリーニングされ易さがあり、クリーニングされ易さには、電子写真感光体の表面状態が関係する。
電子写真感光体のクリーニングとは、電子写真感光体表面と、付着している残留トナーまたは紙粉などとの間の付着力を超える力を、残留トナーまたは紙粉などに作用させて電子写真感光体の表面から付着物を除去することである。したがって、電子写真感光体表面の濡れ性が低いほどクリーニングし易いということができる。電子写真感光体表面の濡れ性すなわち付着力は、表面自由エネルギー(表面張力と同義)を指標として表すことができる。
表面自由エネルギー(γ)とは、物質を構成する分子間に作用する力である分子間力が最表面において起こす現象である。
電子写真感光体の表面にトナーが固着、融着して転写材に転写されずに残留したトナーが、帯電からクリーニングに至る工程を繰返し経ているうち、電子写真感光体の表面に被膜状に広がる現象は、濡れ性のうち「付着濡れ」に相当する。また紙粉、ロジン、タルクなどが固着し、その後電子写真感光体との接触面積が増大して強固な濡れになる現象も同様に「付着濡れ」に相当する。
図5は、付着濡れの状態を例示する側面図である。図5に示す付着濡れにおいて、濡れ性と表面自由エネルギー(γ)との関係は、Youngの式(1)によって表される。
γ=γ・cosθ+γ12 …(1)
ここで、γ:物質1の表面自由エネルギー
γ:物質2の表面自由エネルギー
γ12:物質1と物質2との界面自由エネルギー
θ:物質1に対する物質2の接触角
式(1)より、物質1に対する物質2の濡れ性の低減、すなわちθを大きくして濡れにくくすることは、電子写真感光体と異物との濡れ仕事に関連する界面自由エネルギーγ12を大きくし、各表面自由エネルギーγおよびγを小さくすることによって達成される。
式(1)において、電子写真感光体の表面への異物または水分等の付着を考える場合、物質1を電子写真感光体、物質2を異物とすればよい。したがって、実際の電子写真感光体をクリーニングする場合、電子写真感光体の表面自由エネルギーγを制御することにより、式(1)右辺の濡れ性すなわち電子写真感光体に対する異物であるトナーまたは紙粉などの付着状態を制御することができる。
そこで電子写真感光体の表面状態を規定する従来技術には、純水との接触角を用いるものがある(たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。しかしながら、特許文献1〜4では、液体である純水と電子写真感光体表面との接触角を規定することによって、液体物質と電子写真感光体との濡れ性について一つの指標を与えるものではあるけれども、固体であるトナー等の異物と電子写真感光体との濡れ性また接触性と、クリーニング性との関係については充分な開示がなされていない。
また電子写真感光体の表面状態を規定する他の従来技術には、電子写真感光体の表面自由エネルギー(以後、略称γで表すことがある)を規定し、電子写真感光体表面に対する異物の濡れ性を抑制するというものがある(たとえば、特許文献5参照)。特許文献5では、電子写真感光体の表面自由エネルギーを35〜65mN/mの範囲に規定することによって、クリーニング性が良好になり、電子写真感光体の寿命延長が実現されるとする。
しかしながら、本発明者らの調査によれば、特許文献5に開示される範囲の表面自由エネルギーを有する電子写真感光体を用いて、たとえば記録紙に対して実際に画像形成する実写性能試験を行ったところ、電子写真感光体表面において、紙粉などの異物との接触によると思われる傷の発生が確認された。またその傷に起因するクリーニング不良によって、記録紙に転写した画像上に黒すじが発生することを確認した。前述のような電子写真感光体表面に発生する傷は、表面自由エネルギーが大きくなるのにともなって顕著になる傾向があった。
さらに他の従来技術では、電子写真感光体表面と付着物との濡れ性を、電子写真感光体表面に対する付着物の接着仕事を規定することによって抑制し、クリーニング性を向上し、電子写真感光体の寿命を延長することを開示する(特許文献6参照)。
接着仕事とは、以下のようにして求められる値である。前述の図5に示すように物質1に物質2が付着しているとき、物質2の物質1に対する接着仕事W12と、物質1および物質2の表面自由エネルギーγ,γならびに物質1と物質2との界面自由エネルギーγ12との関係は、次の式(2)で与えられる。
γ+γ=W12+γ12 …(2)
先の式(1)と、式(2)とから、接着仕事W12は、式(3)で与えられる。
12=γ×(1+cosθ) …(3)
しかしながら、物質1に対する物質2の接触角θは、物質2が液体である場合には、容易に測定することができるけれども、電子写真感光体とトナーとのように、固体物質に対する固体物質の接触角を直接測定することは不可能である。したがって、固体物質間の接着仕事W12は、式(2)に基づいて、物質1および物質2の表面自由エネルギーγ,γと、物質1と物質2との間の界面自由エネルギーγ12とを用いて求められる。
固体物質間の界面自由エネルギーについては、非極性な分子間力について述べたForkes理論を、さらに極性、または水素結合性の分子間力による成分まで拡張できることされている(非特許文献1参照)。この拡張Forkes理論によれば、各物質の表面自由エネルギーは2〜3成分で求められる。たとえば、電子写真感光体表面に対するトナーまたは紙粉の付着に該当する付着濡れの場合における表面自由エネルギーについては、3成分で求めることができる。
拡張Forkes理論では、式(4)に示す表面自由エネルギーの加算則が成立つものと仮定する。
γ=γ+γ+γ …(4)
ここで、γ:双極子成分(極性による濡れ)
γ:分散成分(非極性の濡れ)
γ:水素結合成分(水素結合による濡れ)
さらに拡張Forkes理論を適用すると、固体物質間の界面自由エネルギーγ12は、式(5)のように求めることができる。
γ12=γ+γ−{2√(γ ・γ )+2√(γ +γ
+2√(γ +γ )} …(5)
ここで、γ:物質1の表面自由エネルギー
γ:物質2の表面自由エネルギー
γ ,γ :物質1,物質2の双極子成分
γ ,γ :物質1,物質2の分散成分
γ ,γ :物質1,物質2の水素結合成分
また物質2の物質1に対する接着仕事W12についても加算則と幾何平均則とが成立つとすると、接着仕事W12は、式(6)によって与えられ、式(5)を式(2)に代入することによって、物質2の物質1に対する接着仕事W12が、式(7)で求められる。
12=W12 +W12 +W12 …(6)
ここで、W12 :双極子成分(極性による濡れ)
12 :分散成分(非極性の濡れ)
12 :水素結合成分(水素結合による濡れ)
12={2√(γ ・γ )+2√(γ +γ
+2√(γ +γ )} …(7)
接着仕事はこの式(7)によって求められる値であり、特許文献6では、接着仕事を60〜110mN/mの範囲に規定することによって、電子写真感光体のクリーニング性が向上され、その寿命が延長されることを開示する。
しかしながら、本発明者らの調査によれば、特許文献6に開示される範囲の接着仕事を有する電子写真感光体を用いて、たとえば記録紙に対して実際に画像形成する実写性能試験を行ったところ、電子写真感光体表面に傷が発生し、その傷は接着仕事が大きくなるのにともなって顕著になる傾向があった。
特開昭60−22131号公報 特開昭60−22132号公報 特開平1−269945号公報 特公平4−62579号公報 特開平11−311875号公報 特開平11−311868号公報 北崎寧昭、畑敏雄外;「Forkes式の拡張と高分子固体の表面張力の評価」、日本接着協会誌、日本接着協会、1972年、Vol.8、No.3、p.131−141
本発明の目的は、付着物の表面に対する接着仕事を制御することにより、長期の使用においても表面傷を発生しにくく、形成される画像に画質低下を生じることのないクリーニング性に優れる電子写真感光体を提供することである。
またもう一つの本発明の目的は、付着物の表面に対する接着仕事が好適範囲に規定される電子写真感光体を用いることによって、長期間にわたって画質低下のない画像形成装置および画像形成方法を提供することである
電子写真方式の画像形成においては、トナーを含む様々な物質が電子写真感光体の表面に付着する。これらの付着物のうち、転写材に転写されきらなかった残留トナーまたは紙粉などの異物を、一定期間以内にクリーニング、すなわち電子写真感光体の表面から除去する必要がある。ここで言う一定期間とは、様々な付着物が感光体表面に付着する実時から、該付着物が、拡散および/またはさらなる付着により、電子写真感光体との付着界面の面積が増加するまでの期間を指す。この一定期間における電子写真感光体のクリーニング性には、電子写真感光体の表面に対する付着物の濡れ性が大きく関与し、電子写真感光体およびクリーニング装置の寿命を律する大きな要因となる。
本発明者らは、電子写真感光体とトナーなどの付着物との間の濡れ性に対する接着仕事の関係に着目して鋭意検討を行い、接着仕事について好適な範囲を規定することによって、電子写真感光体の表面を傷付けることなく、またクリーニング性に優れ高耐久な電子写真感光体を実現し、さらに高画質な電子写真画像を得ることができる以下の本発明に至ったものである。
本発明は、感光層を備え、帯電された感光層が画像情報に応じた光で露光されることによって静電潜像が形成され、静電潜像が現像されることによってトナー画像が形成され、トナー画像が転写材に転写された後、付着物が表面から除去される電子写真感光体において、
該表面に対する付着物の接着仕事(Wa)が、50mN/m以上、75mN/m以下であり、好ましくは55mN/m以上、65mN/m以下であり、またより好ましくは55mN/m以上、60mN/m以下であることを特徴とする電子写真感光体である。
また本発明は、前記付着物が、トナー画像形成に用いられるトナーであることを特徴とする。
また本発明は、前記感光層は、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とが、積層されて構成されることを特徴とする。
また本発明は、前記いずれか1つに記載の電子写真感光体を備えることを特徴とする画像形成装置である。
また本発明は、電子写真感光体の感光層を帯電させる帯電ステップと、電子写真感光体の表面を画像情報に応じた光で露光することによって静電潜像を形成する露光ステップと、静電潜像を現像することによってトナー画像を形成する現像ステップと、トナー画像を転写材に転写する転写ステップと、電子写真感光体の表面に残留して付着するトナーを除去するクリーニングステップとを含む画像形成方法において、
現像ステップ、転写ステップおよびクリーニングステップにおけるトナーの電子写真感光体の表面に対する接着仕事(Wa)が、50mN/m以上、75mN/m以下、好ましくは55mN/m以上、65mN/m以下、またより好ましくは55mN/m以上、60mN/m以下になるように調整することを特徴とする画像形成方法である。
本発明によれば、電子写真感光体の表面に対する付着物の接着仕事(Wa)が、50mN/m以上、75mN/m以下、好ましくは55mN/m以上、65mN/m以下、またより好ましくは55mN/m以上、60mN/m以下になるように設定される。接着仕事(Wa)を前記好適な範囲に設定することによって、現像に必要な程度のトナーの付着力を発現するにも関らず過度の付着力を抑制し、また紙粉等の異物に対する付着力を抑制することができるので、電子写真感光体の表面から過剰のトナーおよび異物が除去され易くなる。このようにして、現像性能を低下させることなく、クリーニング性能を向上させることが可能になる。したがって、表面に付着する付着物による傷が発生しにくいので寿命が長く、長期間安定して形成画像に品質低下を生じさせることのない耐久性に優れる電子写真感光体が実現される。
また本発明によれば、電子写真感光体の感光層は、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とが積層されて構成される。このように感光層を複数層が積層されるタイプにすることによって、各層を構成する材料およびその組合せの自由度が増すので、電子写真感光体表面の接着仕事(Wa)を所望の範囲に設定することが容易になる。
また本発明によれば、画像形成装置には、クリーニング性能に優れる前記いずれかの電子写真感光体が備えられる。したがって、長期間に亘り安定して画質低下のない画像形成が可能であり、かつ低コストでメンテナンス頻度の少ない画像形成装置が提供される。
また本発明によれば、好適範囲の接着仕事(Wa)に設定される電子写真感光体を用いて電子写真方式の画像形成を行うので、高画質な電子写真画像を得ることができる画像形成方法が実現される。
図1は、本発明の実施の一形態である電子写真感光体1の構成を示す部分断面図である。電子写真感光体1(以後、感光体と略称する)は、導電性素材からなる導電性支持体2と、導電性支持体2上に積層される下引層3と、下引層3上に積層される層であって電荷発生物質を含む電荷発生層4と、電荷発生層4の上にさらに積層される層であって電荷輸送物質を含む電荷輸送層5とを含む。電荷発生層4と電荷輸送層5とは、感光層6を構成する。
感光層6を備える感光体1の表面を帯電器などで負に帯電し、電荷発生層4に吸収波長を有する光を照射すると、電荷発生層4中に電子および正孔の電荷が発生する。正孔は、電荷輸送層5に含まれる電荷輸送物質によって感光体1の表面に移動され、表面の負電荷を中和し、電荷発生層4中の電子は、正電荷が誘起された導電性支持体2の側に移動し、正電荷を中和することによって、積層型の感光体1が機能する。
この積層型の感光体1は、導電性支持体2上に形成された下引層3の上に、電荷発生物質の粒子を溶剤またはバインダ樹脂中に分散して得られた分散液を塗布し、形成された電荷発生層4上に電荷輸送物質およびバインダ樹脂を溶解した溶液を塗布乾燥し、電荷輸送層5を形成することによって作製される。
以下、積層型の感光体1について詳細に説明する。
導電性支持体2は、感光体1の電極としての役目を果たすとともに、他の各層の支持体でもある。導電性支持体2の形状は、円筒状、板状、フイルム状およびベルト状のいずれであってもよい。導電性支持体2の材質としては、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、ニッケルなどの金属材料、また表面にアルミニウム、銅、パラジウム、酸化錫、酸化インジウムなどの導電性層を設けたポリエステルフィルム、フェノール樹脂パイプ、紙管などの絶縁性物質が挙げられる。いずれの材質のものが用いられる場合においても、体積抵抗が1010Ω・cm以下の導電性を示すものが好ましく、体積抵抗を調整する目的で表面に酸化処理が施されてもよい。
下引層3は、たとえば、ポリアミド、ポリウレタン、セルロース、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アルミニウム陽極酸化被膜、ゼラチン、でんぷん、カゼインおよびN−メトキシメチル化ナイロンなどから形成される。下引層3には、酸化チタン、酸化錫または酸化アルミニウムの粒子を分散させてもよい。下引層3の膜厚は、約0.1〜10μmであることが好ましい。この下引層3は、導電性支持体2と感光層6との接着層としての役割を果たすとともに、導電性支持体2から感光層6へ電荷が流れ込むのを抑制するバリア層としても作用する。このように下引層3は感光体1の帯電特性を維持することができるので、感光体1自身の寿命を延ばすことができる。
電荷発生層4は、公知の電荷発生物質を含んで構成される。本発明の実施の形態において適当な電荷発生物質としては、可視光を吸収してフリー電荷を発生するものであれば、無機顔料、有機顔料および有機染料のいずれをも用いることができる。無機顔料としては、セレンおよびその合金、ヒ素−セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、アモルファスシリコン、ならびにその他の無機光導電体が挙げられる。有機顔料としては、フタロシアニン系化合物、アゾ系化合物、キナクリドン系化合物、多環キノン系化合物、ペリレン系化合物などが挙げられる。有機染料としては、チアピリリウム塩、スクアリリウム塩などが挙げられる。中でもフタロシアニン系化合物が好適であり、特にチタニルフタロシアニン化合物を用いることが最適である。後述する構造式(II)で表されるブタジエン系化合物と組合せることで、特に良好な感度特性、帯電特性および繰返し特性が得られる。
これら列挙した顔料および染料の他に、電荷発生層4には、化学増感剤または光学増感剤を添加してもよい。化学増感剤として、電子受容性材料、たとえば、テトラシアノエチレンおよび7,7,8,8−テトラシアノキノジメタンなどのシアノ化合物、アントラキノンおよびp−ベンゾキノンなどのキノン類、ならびに、2,4,7−トリニトロフルオレノンおよび2,4,5,7−テトラニトロフルオレノンなどのニトロ化合物が挙げられる。光学増感剤として、キサンテン系色素、チアジン色素、トリフェニルメタン系色素などの色素が挙げられる。本発明の実施の形態における電荷発生物質としては、有機顔料または有機染料などの有機光導電性化合物が好適に用いられる。
電荷発生層4の形成に必要に応じてバインダ樹脂が用いられる場合、バインダ樹脂としては、具体的に、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン、ポリアクリレートなどが挙げられる。
電荷発生層4の形成に用いる溶媒としては、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、エチルセロソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロルベンゼン、エチレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。またこれら以外の溶媒でもよく、アルコール系、ケトン系、アミド系、エステル系、エーテル系、炭化水素系、塩素化炭化水素系、芳香族系のいずれかの溶媒系を、単独でまたは混合して用いてもよい。ただし、電荷発生物質の粉砕およびミリング時の結晶転移に基づく感度低下、ならびにポットライフによる特性低下を考慮した場合、両顔料において結晶転移を起こしにくいシクロヘキサノン、1,2−ジメトキシエタン、メチルエチルケトンおよびテトラヒドロキノンのいずれかを用いることが好ましい。
電荷発生層4の形成方法としては、一般に真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法などの気相堆積法、塗布法などが用いられる。塗布法が用いられる場合、電荷発生物質をボールミル、サンドグラインダ、ペイントシェイカ、超音波分散機などによって粉砕して溶媒に分散し、必要に応じてバインダ樹脂を加えた塗布液を、導電性支持体2上に形成された下引層3の上に塗布する。たとえば、導電性支持体2がシート状である場合、ベーカアプリケータ、バーコータ、キャスティング、スピンコートなどを用い、導電性支持体2が円筒状の場合、スプレイ法、垂直型リング法、浸漬塗布法などを用いて塗布する。いずれの塗布方法による場合でも、塗布液を塗布した後、乾燥または硬化させて成膜し、電荷発生層4を形成する。この電荷発生層4の膜厚は、約0.05〜5μmが好ましく、より好ましくは約0.1〜1μmである。
電荷輸送層5は、公知の電荷輸送物質とバインダ樹脂とを含んで構成することができる。電荷輸送物質は、電荷発生層4に含まれる電荷発生物質で発生した電荷を受け入れ、これを輸送する能力を有するものであればよい。電荷輸送物質としては、たとえばポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−g−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、ピラゾリン誘導体、フェニルヒドラゾン類、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン系化合物、テトラフェニルジアミン系化合物、スチルベン系化合物、3−メチル−2−ベンゾチアゾリン環を有するアジン化合物等の電子供与性物質が挙げられる。
電荷輸送層5を構成するバインダ樹脂としては、電荷輸送物質と相溶性を有するものであればよく、たとえば、ポリカーボネートおよび共重合ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリケトン、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂およびポリスルホン樹脂、ならびにそれらの共重合樹脂などが挙げられる。これらの樹脂を単独または2種以上混合して用いてもよい。中でもポリスチレン、ポリカーボネートおよび共重合ポリカーボネート、ポリアリレート、ならびにポリエステルなどの樹脂は、体積抵抗率が1013Ω以上あり、成膜性および電位特性などにも優れている。
またこれらの材料を溶解させる溶剤には、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソランなどのエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエンなどの芳香族類などを用いることができる。
電荷輸送層5は、バインダ樹脂溶液中へ電荷輸送物質を溶解して調製された電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層4の上に塗布することによって形成される。電荷輸送層5中の電荷輸送物質の割合は、30〜80重量%の範囲が好ましい。電荷輸送層5の膜厚は、10〜50μmが好ましく、より好ましくは15〜40μmである。
また、電荷輸送層5には、1種以上の電子受容性物質や色素を含有させることによって、感度の向上を図り繰返し使用時の残留電位の上昇や疲労などを抑えるようにしてもよい。電子受容性物質としては、たとえば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、4−クロルナフタル酸無水物などの酸無水物、テトラシアノエチレン、テレフタルマロンジニトリルなどのシアノ化合物、4−ニトロベンズアルデヒドなどのアルデヒド類、アントラキノン、1−ニトロアントラキノンなどのアントラキノン類、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノンなどの多環または複素環ニトロ化合物が挙げられ、これらを化学増感剤として用いることができる。
色素としては、たとえば、キサンテン系色素、チアジン色素、トリフェニルメタン色素、キノリン系顔料、銅フタロシアニンなどの有機光導電性化合物が挙げられ、これらを光学増感剤として用いることができる。
さらに、電荷輸送層5には、公知の可塑剤を含有させることによって、成形性、可撓性および機械的強度を向上させるようにしてもよい。可塑剤としては、二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、フタル酸エステル、塩素化パラフィン、エポキシ型可塑剤などが挙げられる。
また、電荷発生層4と電荷輸送層5とから成る感光層6には、必要に応じてポリシロキサンなどのゆず肌防止のためのレベリング剤、耐久性向上のためフェノール系化合物、ハイドロキノン系化合物、トコフェロール系化合物、アミン系化合物などの酸化防止剤、紫外線吸収剤などを含有してもよい。
前述のように構成される感光体1の表面に対する付着物の接着仕事(Wa)は、50mN/m以上、75mN/m以下、好ましくは55mN/m以上、65mN/m以下、またより好ましくは55mN/m以上、60mN/m以下になるように調整される。接着仕事(Wa)が75mN/mを超えると、付着物の感光体表面に対する付着力が増大するのでクリーニング性が悪化する。接着仕事(Wa)が50mN/m未満になると、付着物と感光体1表面との付着力が低下し過ぎるので、付着物の中でも現像に必要なトナーが、装置内へ飛散したり、感光体1上のトナー画像部以外の部分に付着して記録紙へ移行することによって、画像かぶりが発生する。
感光体1表面に対する付着物の接着仕事(Wa)の前述範囲への調整は、以下のようにして行われる。接着仕事(Wa)は、前述のように表面自由エネルギーによって定まるので、バインダ樹脂に、比較的低い表面自由エネルギー値を有するものを感光層6に導入することによって、感光体1の接着仕事(Wa)の所望値への調整を実現する事ができる。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を代表とするフッ素系材料、ポリシロキサン系材料等を、バインダ樹脂として感光層6に導入する。また接着仕事(Wa)の調整は、感光層6の最表層である電荷輸送層5に含まれる電荷輸送物質および/または樹脂の種類、混合比を変化させることによっても、所望の値に調整することができる。さらに、感光層6、特に最表層である電荷輸送層5の乾燥温度によっても接着仕事(Wa)を調整することができる。
なお、感光体には、感光層のさらに上層に表面保護層の設けられる場合があり、このような場合、表面保護層の素材として、低い表面自由エネルギー値を有する材料を主成分として用い、その成分組成比を変化させることによって、表面保護層の接着仕事(Wa)を所望の値にすることができる。
図2は、本発明の実施の第2形態である感光体7の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施の形態の感光体7は、実施の第1形態の感光体1に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。感光体7において注目すべきは、導電性支持体2上に単層から成る感光層8が形成されることである。
感光体7は、導電性支持体2の上に、電荷発生物質と電荷輸送物質とを結着剤であるバインダ樹脂に分散した感光層8が設けられる単層型感光体である。感光体7では、その表面を構成する感光層8を正帯電し、電荷発生物質に吸収波長を有する光を照射すると、感光層8の表面近傍において電子および正孔の電荷が発生する。電子が表面の正電荷を中和し、正孔が負電荷の誘起された導電性支持体2側に移動して電子を中和することによって、単層型感光体が機能する。
感光層8は、実施の第1形態の積層型感光体1に用いるのと同様の電荷発生物質、電荷輸送物質、バインダ樹脂などを用いて形成される。バインダ樹脂中に電荷発生物質および電荷輸送物質を分散したり、電荷輸送物質を含むバインダ樹脂中に電荷発生物質を顔料粒子の形で分散させたりして調製した感光層用塗布液を用い、実施の第1形態の感光体1における電荷発生層4を形成するのと同様の方法によって単層の感光層8が導電性支持体2上に形成される。本実施の形態の単層型感光体7は、オゾン発生が少ない正帯電型画像形成装置用の感光体として好適であり、また塗布されるべき感光層8が一層のみであるので、製造原価および歩留が電荷発生層および電荷輸送層の積層して構成される積層型に比べて優れている。
積層型または単層型のいずれの感光体においても、画像形成装置に搭載されて画像形成に用いられるとき、感光体の表面には、種々の付着物が付着するけれども、画質および感光体のクリーニング性に最も大きな影響を及ぼす付着物は、現像剤成分のトナーである。したがって、トナーの感光体表面に対する接着仕事(Wa)の調整が重要である。以下、現像剤成分のトナーについて説明する。
トナーは、バインダ樹脂、着色剤、ワックス、帯電制御剤、必要に応じてその他の添加剤をヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどの混合機により充分混合し、得られた混合物を二軸混練機で溶融混練することによって混練物を作製し、混練物をジェット式粉砕機にて粉砕後、分級することによって作製することができる。さらに、該トナーに無機微粒子を添加し、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどの混合機により付着、均一分散させて現像剤とする。
バインダ樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル−無水マレイン酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等が単独または混合物で使用できるほか、ブロック重合体、グラフト重合体として使用することができる。また、これらのバインダ樹脂は1山あるいは2山分布のものなどトナー用として公知の分子量分布を有するものがすべて使用可能である。
また、バインダ樹脂の熱的特性としては、40℃〜70℃の範囲のガラス転移点Tgを有することが望ましい。40℃以下のガラス転移点を有するものでは、装置内温度が上昇した場合に、溶融し、トナー同士の凝集が発生してしまう可能性が高い。また70℃以上のガラス転移点を有するものでは、定着性能が劣り、実使用に耐えない。
着色剤としては、カーボンブラック、鉄黒、合金アゾ染料、その他各種の油溶性染料・顔料等を用いることができ、これらの着色剤は、樹脂成分100重量部に対して、1〜10重量部を添加することが望ましい。
ワックスとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン重合体、ポリオレフィン系ワックス群から選ばれる少なくとも1種類を樹脂成分100重量部に対して、1〜10重量部含有することが望ましい。
帯電制御剤には、正帯電制御用と負帯電制御用の2種類があり、たとえば、アゾ系染料、カルボン酸金属錯体、四級アンモニウム化合物、ニグロシン系染料等を用いることができ、これらの帯電制御剤は、樹脂成分100重量部に対して、0.1〜5重量部添加することが望ましい。
トナーに添加する無機微粒子としては、シリカ、チタン、アルミナ、マグネタイト、フェライトなどの金属酸化物微粒子、チッ化けい素、チッ化ホウ素などの金属チッ化物微粒子などの微粉末が挙げられる。さらにこれらの微粉末表面をジメチルジクロルシラン、アミロシラン等のシランカップリング処理またはシリコーンオイル処理を施したもの、フッ素含有成分などを付与したものなどを使用することができる。添加無機微粒子としては、これらのうちの1種または複数種を添加すればよく、特に導電性無機微粒子であるマグネタイトが好適である。
たとえば感光体1の感光層6に形成される静電潜像は、このトナーを現像剤成分として含む磁性あるいは非磁性の1成分現像剤または2成分現像剤が、接触または非接触で供給されることによって、現像される。いずれの方式で現像される場合も、光が照射された明部電位を現像する反転現像方式が採用される。
接着仕事(Wa)に関与するトナーの表面自由エネルギーは、トナーに含まれるバインダ樹脂の組成比および/または外添剤の混合比を調整することによって調整される。
トナーの感光体表面に対する接着仕事(Wa)は、感光体表面およびトナーの表面自由エネルギーの双極子成分、分散成分および水素結合成分から求めることができるので、表面自由エネルギーの双極子成分、分散成分および水素結合成分が既知である試薬を使用し、その試薬との付着性を測定することによって求められる。具体的には、試薬に純水、ヨウ化メチレン、α−ブロモナフタレンを使用し、接触角計CA−X(商品名;協和界面株式会社製)を用いて、感光体表面に対する接触角を測定し、測定結果に基づき表面自由エネルギー解析ソフトEG−11(商品名;協和界面株式会社製)を用いて各成分の表面自由エネルギーを算出することができる。なお試薬は、前述の純水、ヨウ化メチレン、α−ブロモナフタレンに限定されるものではなく、双極子成分、分散成分、水素結合成分が適宜な組合せの試薬を用いてもよい。また測定方法も、前述の方法に限定されるものではなく、たとえばウィルヘルミ法(つり板法)またはドゥ・ヌイ法などが用いられてもよい。
なお前述の試薬を用いる感光体およびトナーの表面自由エネルギー成分は、具体的には次のようにして求める。感光体の場合、試薬の液体を、未使用の清浄な感光体表面に直接滴下し、接触角を測定して表面自由エネルギー値を算出する。トナーの場合、予め圧縮成形または加熱圧縮成形等によって平坦面を持ったトナー試料を作製し、該平坦面に試薬の液体を滴下し、接触角を測定して表面自由エネルギー値を算出する。
図3は、本発明の他の実施の形態である積層型感光体1を備える画像形成装置10の構成を簡略化して示す配置側面図である。本実施の形態として例示する画像形成装置10は、複写機であり、本発明の積層型感光体1が搭載されることを特徴とする。図3を参照して、感光体1を備える複写機10の構成および画像形成動作について説明する。
複写機10は、大略スキャナ部11と、レーザー記録部12とを含む構成である。スキャナ部11は、透明ガラスからなる原稿載置台13と、原稿載置台13上へ自動的に原稿を供給搬送するための両面対応自動原稿送り装置(RADF)14と、原稿載置台13上に載置された原稿の画像を走査して読取るための原稿画像読取りユニットであるスキャナユニット15とを含む。このスキャナ部11にて読取られた原稿画像は、画像データとして画像データ入力部へと送られ、画像データに対して所定の画像処理が施される。RADF14は、RADF14に備わる図示しない原稿トレイ上に複数枚の原稿を一度にセットしておき、セットされた原稿を1枚ずつ自動的に原稿載置台13上へ送給する装置である。またRADF14は、オペレーターの選択に応じて原稿の片面または両面をスキャナユニット15に読取らせるように、片面原稿のための搬送経路、両面原稿のための搬送経路、搬送経路切り換え手段、各部を通過する原稿の状態を把握し管理するセンサー群、制御部などを含んで構成される。
スキャナユニット15は、原稿面上を露光するランプリフレクターアセンブリ16と、原稿からの反射光像をCCD23に導くために原稿からの反射光を反射する第1反射ミラー17を搭載する第1走査ユニット18と、第1反射ミラー17からの反射光像をCCD23に導くための第2および第3反射ミラー19,20を搭載する第2走査ユニット21と、原稿からの反射光像を前述の各反射ミラー17,19,20を介して電気的画像信号に変換するCCD23上に結像させるための光学レンズ22と、前記CCD23とを含む構成である。
スキャナ部11は、RADF14とスキャナユニット15との関連動作によって、原稿載置台13上に読取るべき原稿を順次送給載置させるとともに、原稿載置台13の下面に沿ってスキャナユニット15を移動させて原稿画像を読取るように構成される。第1走査ユニット18は、原稿載置台13に沿って原稿画像の読取り方向(図3では紙面に向って左から右)に一定速度Vで走査され、また第2走査ユニット21は、その速度Vに対して2分の1の速度(V/2)で同一方向に平行に走査される。この第1および第2走査ユニット18,21の動作によって、原稿載置台13上に載置された原稿画像を1ライン毎に順次CCD23へ結像させて画像を読取ることができる。
原稿画像をスキャナユニット15で読取って得られた画像データは、画像処理部へ送られ、各種画像処理が施された後、画像処理部のメモリに一旦記憶され、出力指示に応じてメモリ内の画像を読出してレーザー記録部12に転送して記録媒体である記録紙上に画像を形成させる。
レーザー記録部12は、記録紙の搬送系33と、レーザー書込みユニット26と、画像を形成するための電子写真プロセス部27とを備える。レーザー書込みユニット26は、前述のスキャナユニット15にて読取られてメモリに記憶された後にメモリから読出される画像データ、または外部の装置から転送される画像データに応じてレーザー光を出射する半導体レーザー光源と、レーザー光を等角速度偏向するポリゴンミラーと、等角速度で偏向されたレーザー光が電子写真プロセス部27に備えられる感光体1上で等角速度で偏向されるように補正するf−θレンズなどを含む。
電子写真プロセス部27は、前述の感光体1の周囲に帯電器28、現像手段である現像器29、転写手段である転写器30、クリーニング手段であるクリーニング器31が、矢符32で示す感光体1の回転方向の上流側から下流側に向ってこの順番に備えられる。前述のように感光体1は、帯電器28によって一様に帯電され、帯電された状態でレーザ書込みユニット26から出射される原稿画像データに対応するレーザー光によって露光される。露光されることによって感光体1表面に形成される静電潜像は、現像器29から供給されるトナーによって現像され、可視像であるトナー画像となる。感光体1表面に形成されたトナー画像は、後述する搬送系33によって供給される記録紙上に転写器30によって転写される。転写器30には、コロナ放電方式または転写ローラ方式のいずれが用いられてもよい。
記録紙の搬送系33は、画像形成を行う電子写真プロセス部27の特に転写器30の配置される転写位置へ記録紙を搬送する搬送部34と、搬送部34へ記録紙を送込むための第1〜第3カセット給紙装置35,36,37と、所望の寸法の記録紙を適宜給紙するための手差給紙装置38と、感光体1から記録紙に転写されたトナー画像を定着する定着器39と、トナー画像定着後の記録紙の裏面(トナー画像の形成された表面の反対側の面)に、さらに画像を形成するために記録紙を再供給するための再供給経路40とを含む。この搬送系33の搬送経路上には、多数の搬送ローラ41が設けられ、記録紙は搬送ローラ41によって搬送系33内の所定の位置に搬送される。
定着器39によってトナー画像を定着処理された記録紙は、裏面に画像形成するべく再供給経路40に送給されるか、または排紙ローラ42によって後処理装置43へ送給される。再供給経路40に送給された記録紙には、前述の動作が繰返し実行されて裏面に画像形成される。後処理装置43に送給された記録紙は、後処理が施された後、後処理工程に応じて定められる排紙先である第1または第2排紙カセット44、45のいずれかに排紙されて、複写機10における一連の画像形成動作が終了する。
この複写機10では、画像形成過程において、感光体表面に形成される静電潜像を現像する際に現像剤成分であるトナーが付着する。現像ステップで、感光体表面に付着したトナーは、トナー画像が記録紙に転写される転写ステップにおいてその大半が転写移行されるけれども、一部が残留し、クリーニング器31によって除去されるまで、付着状態が継続される。この付着トナーの感光体表面に対する接着仕事(Wa)が、50〜75mN/mの範囲内になるように調整されている。
このように搭載される感光体1に対するトナーの接着仕事(Wa)を前記好適な範囲に調整することによって、現像に必要な程度のトナーの付着力を発現するにも関らず過度の付着力を抑制することができる。またトナー以外の付着物である紙粉等に対する付着力も抑制することができる。したがって、感光体1の表面から過剰のトナーおよび紙粉等の異物が除去され易くなる。このようにして、現像性能を低下させることなく、クリーニング性能を向上させることが可能になり、表面に付着する付着物による傷が発生しにくいので寿命が長く、長期間に亘り安定して画質低下のない画像形成を実現することができる。また複写機10のメンテナンス頻度およびそのコストを低減することができる。
(実施例)
以下本発明の実施例について説明する。まず、直径:30mm、長さ:326.3mmのアルミニウム製導電性支持体上に種々の条件にて感光層を形成した感光体について説明する。
(感光体S1);酸化チタン(TTO55A:石原産業社製)7重量部および共重合ナイロン(CM8000:東レ社製)13重量部を、メチルアルコール159重量部と1,3−ジオキソラン106重量部との混合溶剤に加え、ペイントシェーカーにて8時間分散処理して下引層用塗布液を調整した。この塗布液を塗布槽に満たし、導電性支持体を浸漬後引上げ、自然乾燥して層厚1μmの下引層を形成した。
オキソチタニウムフタロシアニン3重量部とブチラール樹脂(BL−1:積水化学社製)2重量部とを、メチルエチルケトン245重量部に混合し、ペイントシェーカーにて分散して電荷発生層用塗布液を調整した。この塗布液を、下引層の場合と同様の浸漬塗布法にて前述の下引層上に塗布し、 自然乾燥して層厚0.4μmの電荷発生層を形成した。
電荷輸送物質として下記構造式(I)で示されるスチリル系化合物5重量部、ポリエステル樹脂(Vylon290:東洋紡株式会社製)2.25重量部、ポリカーボネート樹脂(G400:出光興産株式会社製)5.25重量部、スミライザーBHT(住友化学株式会社製)0.05重量部を混合し、テトラヒドロフラン47重量部を溶剤として電荷輸送層用塗布液を調整した。この塗布液を、浸漬塗布法にて前述の電荷発生層上に塗布し、110℃で1時間乾燥して層厚28μmの電荷輸送層を形成した。このようにして感光体S1を作製した。
Figure 2005164941
(感光体S2);感光体S1と同様にして下引層および電荷発生層を形成した。ついで電荷輸送物質として下記構造式(II)で示されるブタジエン系化合物を5重量部、4種類のポリカーボネート樹脂、J500(出光興産株式会社製)2.4重量部、G400(出光興産株式会社製)1.6重量部、GH503(出光興産株式会社製)1.6重量部、TS2020(帝人化成株式会社製)2.4重量部、さらにスミライザーBHT(住友化学株式会社製)0.25重量部を混合し、テトラヒドロフラン49重量部を溶剤として電荷輸送層用塗布液を調整した。この塗布液を、浸漬塗布法にて電荷発生層上に塗布し、130℃で1時間乾燥して層厚28μmの電荷輸送層を形成した。このようにして感光体S2を作製した。
Figure 2005164941
(感光体S3);電荷輸送層形成に際し、ポリカーボネート樹脂に、GH503(出光興産株式会社製)44重量部、TS2020(帝人化成株式会社製)4重量部を用いた以外は、感光体S2と同様にして、感光体S3を作製した。
(感光体S4);感光体S1と同様にして下引層および電荷発生層を形成した。次いで電荷輸送物質として前記構造式(II)で示されるブタジエン系化合物を3.5重量部、下記構造式(III)で示されるスチリル系化合物を1.5重量部、4種類のポリカーボネート樹脂、J500(出光興産株式会社製)2.2重量部、G400(出光興産株式会社製)2.2重量部、GH503(出光興産株式会社製)1.8重量部、TS2020(帝人化成株式会社製)1.8重量部、さらにスミライザーBHT(住友化学株式会社製)1.5重量部を混合し、テトラヒドロフラン55重量部を溶剤として電荷輸送層用塗布液を調整した。この塗布液を、浸漬塗布法にて電荷発生層上に塗布し、120℃で1時間乾燥して層厚28μmの電荷輸送層を形成した。このようにして感光体S4を作製した。
Figure 2005164941
(感光体S5,S6);感光体S1と同様にして下引層および電荷発生層を形成した。次いで、電荷輸送層形成に際し、ポリカーボネート樹脂の一部に代えて、表面自由エネルギー(以後、実施例中ではγと略記する)の低い樹脂であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いた以外は、感光体S2と同様にして塗布液を調整した。この塗布液を、浸漬塗布法にて電荷発生層上に塗布し、120℃で1時間乾燥して層厚28μmの電荷輸送層を形成した。なお電荷輸送層形成用の塗布液中に占めるPTFEの含有比率は、感光体S5の方が感光体S6よりも大きくなるようにして、感光体S5のγが、感光体S6のγよりも小さくなるようにそれぞれ作製した。
(感光体S7);感光体S1と同様にして下引層および電荷発生層を形成した。次いで電荷輸送物質として前記構造式(II)で示されるブタジエン系化合物を5重量部、2種類のポリカーボネート樹脂、G400(出光興産株式会社製)2.4重量部、TS2020(帝人化成株式会社製)4重量部、およびポリエステル樹脂Vylon290(東洋紡株式会社製)1.6重量部、さらにスミライザーBHT(住友化学株式会社製)0.25重量部を混合し、テトラヒドロフラン49重量部を溶剤として電荷輸送層用塗布液を調整した。この塗布液を、浸漬塗布法にて電荷発生層上に塗布し、130℃で1時間乾燥して層厚28μmの電荷輸送層を形成した。このようにして感光体S7を作製した。
(感光体S8);感光体S1と同様にして下引層および電荷発生層を形成した。次いで、電荷輸送物質として前記構造式(II)で示されるブタジエン系化合物を5重量部、2種類のポリカーボネート樹脂、J500(出光興産株式会社製)4.4重量部、TS2020(帝人化成株式会社製)3.6重量部、さらにスミライザーBHT(住友化学株式会社製)0.25重量部を混合し、テトラヒドロフラン49重量部を溶剤として電荷輸送層用塗布液を調整した。この塗布液を、浸漬塗布法にて電荷発生層上に塗布し、120℃で1時間乾燥して層厚28μmの電荷輸送層を形成した。このようにして感光体S8を作製した。
(感光体S9);電荷輸送層形成に際し、ポリカーボネート樹脂として、J500(出光興産株式会社製)4.4重量部を、G400(出光興産株式会社製)4.4重量部に置換えた以外は、感光体S8と同様にして感光体S9を作製した。
(感光体S10);感光体S1と同様にして下引層および電荷発生層を形成した。次いで、電荷輸送層形成に際し、ポリカーボネート樹脂の一部に代えて、γの低い樹脂であるPTFEを用いた以外は、感光体S7と同様にして塗布液を調整した。この塗布液を、浸漬塗布法にて電荷発生層上に塗布し、120℃で1時間乾燥して層厚28μmの電荷輸送層を形成した。このようにして、感光体S10を作製した。
以上のように、感光体S1〜S10の作製において、電荷輸送層用塗布液に含まれる樹脂の種類および含有比率を変化させるとともに、塗布後の乾燥温度を変化させることによって、感光体表面のγが所望の値になるように調整した。
これら感光体S1〜S10の感光体表面のγは、接触角測定機CA−X(協和界面株式会社製)および解析ソフトEG−11(協和界面株式会社製)によって求めた。
次に、作製した3種類のトナーT1〜T3について説明する。
(トナーT1);ポリエステル樹脂100重量部に対し、ワックスとしてポリエチレン(クラリアントジャパン社製:PE130)1.0重量部、ポリプロピレン(三井化学社製:NP−505)1.5重量部、帯電制御剤(保土ケ谷化学工業社製:S−34)1重量部、マグネタイト(関東電化社製:KBC−100)1.5重量部、着色剤としてカーボンブラック(キャボット社製:330R)5重量部を加え、スーパーミキサー(川田社製:V−20)で充分混合し、得られた混合物を二軸混練機(池貝鉄工社製:PCM−30)によって溶融混練した。この混練物をジェット式粉砕機(日本ニューマチック工業社製:IDS−2)にて粉砕後分級し、体積平均粒径で7.0μmのトナーを得た。次に、一次粒子の平均粒子径が0.1μmの市販シリカを1重量部混合分散し、外添処理を行った。
(トナーT2);外添処理に用いる市販シリカを、0.7重量部混合分散に変更した以外は、トナーT1と同様にしてトナーT2を作製した。
(トナーT3);外添処理に用いる市販シリカを、1.2重量部混合分散に変更した以外は、トナーT1と同様にしてトナーT3を作製した。
作製された各トナーを圧縮成形して平坦な面を有する試料を形成し、該平坦面に対して前述の試薬を滴下し、感光体の場合と同一の装置およびソフトを用いてγを求めた。
感光体S1〜S10に対する付着物であるトナーT1〜T3のすべての組合わせ(合計30組)について、各感光体および各トナーについて求めたγの成分から、接着仕事(Wa)を求めた。得られた結果を表1に示す。
Figure 2005164941
表1に示す30組の各感光体と各トナーとの組合せを、それぞれ試験用に改造したデジタル複写機AR−450(シャープ株式会社製)に搭載し、画像形成することによって、クリーニング性、画質安定性、および感光体表面粗さの評価試験を実施した。
以下に、各性能の評価方法について説明する。
[クリーニング性];前述のデジタル複写機AR−450に備わるクリーニング器のクリーニングブレードが、感光体に当接する当接圧力、いわゆるクリーニングブレード圧を初期線圧で21gf/cm(2.06×10−1N/cm)に調整した。温度:25℃、相対湿度:50%の常温/常湿(N/N:Normal Temperature/Normal Humidity)環境中で、前記複写機を用いて、シャープ株式会社製文字テストチャートを、記録紙SF−4AM3(シャープ株式会社製)10万(100k)枚に形成した。
なお本実施例では、後述する他の評価試験においても、この文字テストチャートおよび記録紙を共通して用いた。画像形成初期(数十枚の画像形成を行った時点)と、50k枚の画像形成実施後および100k枚の画像形成実施後とにおいて、形成された画像を目視することによって、黒白2色の境界部の鮮明度、感光体回転方向へのトナー漏れによる黒すじの有無を試験し、さらに後述の測定器によってかぶり量Wkを求めて、クリーニング性を評価した。形成画像のかぶり量Wkは、日本電色工業株式会社製Z−Σ90 COLOR MEASURING SYSTEMを用いて反射濃度を測定して求めた。まず画像形成前の記録紙の反射平均濃度Wrを測定した。次にその記録紙に対して画像形成し、画像形成後、記録紙の白地部分各所の反射濃度を測定した。最もかぶりの多いと判断された部分、すなわち白地部でありながら濃度の最も濃い部分の反射濃度Wsと、前記Wrとから以下の式{100×(Wr−Ws)/Wr}で求められるWkをかぶり量と定義した。
クリーニング性の評価基準は以下のようである。
◎:非常に良好。鮮明度良く黒すじ無し。かぶり量Wkが3%未満。
○:良好。鮮明度良く黒すじ無し。かぶり量Wkが3%以上5%未満。
△:実用上問題無し。鮮明度実使用上問題のないレベルであり黒すじの長さが2.0mm以下かつ5個以下。かぶり量Wkが5%以上10%未満。
×:実用不可。鮮明度実使用上問題あり。黒すじの上記△の範囲を超えるもの。かぶり量Wkが10%以上。
[画質安定性];前述のクリーニング性を評価するのと同様にして100k枚の文字テストチャートを形成し、画像形成初期の黒ベタチャートにおける反射濃度Drと、100k枚画像形成実施後の黒ベタチャートにおける反射濃度Dsとを、サカタインクス株式会社製Machbes RD918を用いて測定することによって、画質安定性の評価試験を行った。反射濃度Dr,Dsから以下の式{100×(Dr−Ds)/Dr=ΔD}で求められるΔDを画像濃度低下レベルと定義し、画像濃度低下レベルΔDによって画質安定性を評価した。
画質安定性の評価基準は以下のようである。
◎:非常に良好。ΔDが5%未満。
○:良好。ΔDが5%以上10%未満。
△:やや不良。ΔDが10%以上20%未満。
×:不良。ΔDが20%以上。
[表面粗さ];前述のクリーニング性の評価試験と同様の条件にて、100k枚の画像形成を行い、画像形成終了後、株式会社東京精密社製SurfCom570Aを用いて、感光体表面の日本工業規格(JIS)B0601に規定される最大高さRmaxを測定した。100k枚の画像形成終了後における最大高さRmaxの小さい方が、耐久性に優れるものと評価した。
[評価結果]
(クリーニング性評価結果)
画像形成初期のクリーニング性評価試験結果を表2に、50k枚画像形成後のクリーニング性評価試験結果を表3に、100k枚画像形成後のクリーニング性評価試験結果を表4に示す。接着仕事(Wa)が50〜75mN/mの範囲に含まれる感光体とトナーとの組合せにおいては、50k枚画像形成後までクリーニング性が、良好(○)以上の結果が得られた。そして、接着仕事(Wa)が55〜65mN/mの範囲に含まれる感光体とトナーとの組合せにおいては、100k枚画像形成後までクリーニング性が良好(〇)以上な結果であり、さらに、接着仕事(Wa)が55〜60mN/mの範囲に含まれる感光体とトナーとの組合せにおいては、ライフ100k枚を通じてクリーニング性が非常に良好(◎)な結果が得られた。
一方、接着仕事(Wa)が50mN/m未満で小さい場合、トナーの感光体に対する付着力の減少による弊害が顕著になる。一つは、トナーの感光体への付着力の減少に伴い、転写率が向上して、クリーニングブレードへ向かう残留トナーが減少する結果、感光体にブレードの反転、ブレードスキップマークなどが発生し、画質の低下が生じた。また、付着力の減少に伴いトナー飛散が加速されるので、記録紙表面または裏面にトナーの飛散する現象が見られた。その結果、形成された画像の黒すじおよびかぶりが発生した。
接着仕事(Wa)が75mN/mを超える場合、接着仕事(Wa)が大きくなるのに伴って、トナー、紙粉などがクリーニングブレードに引掛ることによって感光体表面を傷付けるので、感光体表面に発生する傷に起因してクリーニング性が悪化した。
Figure 2005164941
Figure 2005164941
Figure 2005164941
(画質安定性評価結果)
画質安定性すなわち画像濃度低下レベルΔDの評価結果を表5に示す。30組が形成された各感光体と各トナーとのいずれの組合わせにおいても、画質安定性の評価は、非常に良好(◎)であり、画像濃度低下レベルΔDに差異が認められなかった。したがって、接着仕事(Wa)と画像濃度低下レベルΔDとの間に、特に相関が認められなかった。
Figure 2005164941
(表面粗さ評価結果)
トナーT1と感光体S1〜S10との各組合せについて、100k枚の画像形成後における各感光体表面の最大高さRmaxを測定した結果を表6に示す。また図4は、接着仕事(Wa)とRmaxとの関係を示す図である。接着仕事(Wa)が大きい感光体S8,S9では、接着仕事(Wa)の増大に伴って、表面粗さの粗くなる傾向が顕著であった。また、トナーT2およびトナーT3と感光体S1〜S10との各組合せについても同様に表面粗さRmaxを測定した結果、図4に示す結果と、その傾向において顕著な差異が認められなかった。すなわち、接着仕事(Wa)の増大に伴って、付着したトナー等により発生する傷等に起因して表面粗さの粗くなることが確認された。
Figure 2005164941
本発明の実施の一形態である電子写真感光体1の構成を示す部分断面図である。 本発明の実施の第2形態である感光体7の構成を簡略化して示す部分断面図である。 本発明の他の実施の形態である積層型感光体1を備える画像形成装置10の構成を簡略化して示す配置側面図である。 接着仕事(Wa)とRmaxとの関係を示す図である。 付着濡れの状態を例示する側面図である。
符号の説明
1,7 電子写真感光体
2 導電性支持体
3 下引層
4 電荷発生層
5 電荷輸送層
6,8 感光層
10 画像形成装置

Claims (9)

  1. 感光層を備え、帯電された感光層が画像情報に応じた光で露光されることによって静電潜像が形成され、静電潜像が現像されることによってトナー画像が形成され、トナー画像が転写材に転写された後、付着物が表面から除去される電子写真感光体において、
    該表面に対する付着物の接着仕事(Wa)が、50mN/m以上、75mN/m以下であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記接着仕事(Wa)が、
    55mN/m以上、65mN/m以下であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 前記接着仕事(Wa)が、
    55mN/m以上、60mN/m以下であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  4. 前記付着物は、
    トナー画像形成に用いられるトナーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  5. 前記感光層は、
    電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とが、積層されて構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  6. 前記請求項1〜5のいずれか1つに記載の電子写真感光体を備えることを特徴とする画像形成装置。
  7. 電子写真感光体の感光層を帯電させる帯電ステップと、電子写真感光体の表面を画像情報に応じた光で露光することによって静電潜像を形成する露光ステップと、静電潜像を現像することによってトナー画像を形成する現像ステップと、トナー画像を転写材に転写する転写ステップと、電子写真感光体の表面に残留して付着するトナーを除去するクリーニングステップとを含む画像形成方法において、
    現像ステップ、転写ステップおよびクリーニングステップにおけるトナーの電子写真感光体の表面に対する接着仕事(Wa)が、50mN/m以上、75mN/m以下になるように調整することを特徴とする画像形成方法。
  8. 前記接着仕事(Wa)が、
    55mN/m以上、65mN/m以下になるように調整することを特徴とする請求項7記載の画像形成方法。
  9. 前記接着仕事(Wa)が、
    55mN/m以上、60mN/m以下になるように調整することを特徴とする請求項7記載の画像形成方法。
JP2003403272A 2003-12-02 2003-12-02 電子写真感光体ならびにそれを用いる画像形成装置および画像形成方法 Pending JP2005164941A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003403272A JP2005164941A (ja) 2003-12-02 2003-12-02 電子写真感光体ならびにそれを用いる画像形成装置および画像形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003403272A JP2005164941A (ja) 2003-12-02 2003-12-02 電子写真感光体ならびにそれを用いる画像形成装置および画像形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005164941A true JP2005164941A (ja) 2005-06-23

Family

ID=34726623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003403272A Pending JP2005164941A (ja) 2003-12-02 2003-12-02 電子写真感光体ならびにそれを用いる画像形成装置および画像形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005164941A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007248914A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
WO2008026665A1 (fr) * 2006-08-31 2008-03-06 Kyocera Corporation Appareil de formation d'image et procédé de formation d'image
JP2008176054A (ja) * 2007-01-18 2008-07-31 Sharp Corp 電子写真感光体及びこれを用いた画像形成装置
WO2009107299A1 (ja) * 2008-02-26 2009-09-03 京セラ株式会社 画像形成装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007248914A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
WO2008026665A1 (fr) * 2006-08-31 2008-03-06 Kyocera Corporation Appareil de formation d'image et procédé de formation d'image
CN101341447B (zh) * 2006-08-31 2010-12-08 京瓷株式会社 图像形成装置及图像形成方法
JP2008176054A (ja) * 2007-01-18 2008-07-31 Sharp Corp 電子写真感光体及びこれを用いた画像形成装置
JP4648909B2 (ja) * 2007-01-18 2011-03-09 シャープ株式会社 電子写真感光体及びこれを用いた画像形成装置
WO2009107299A1 (ja) * 2008-02-26 2009-09-03 京セラ株式会社 画像形成装置
JPWO2009107299A1 (ja) * 2008-02-26 2011-06-30 京セラ株式会社 画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011248249A (ja) 画像形成装置
CN105182705A (zh) 电子照相感光体和具备它的图像形成装置
US7625682B2 (en) Electrophotographic photoreceptor and image forming apparatus
JP4050176B2 (ja) 電子写真感光体およびそれを備える画像形成装置
JP4064229B2 (ja) 電子写真感光体
US7693453B2 (en) Image forming apparatus equipped with an electrographic photoreceptor having a surface with low surface free energy
JP4105588B2 (ja) 電子写真感光体およびそれを備える画像形成装置
JP2008191488A (ja) 電子写真装置
JP2005164941A (ja) 電子写真感光体ならびにそれを用いる画像形成装置および画像形成方法
CN104698776A (zh) 电荷输送层形成用涂布液、使用其制作的电子照相感光体及图像形成装置
JP4037786B2 (ja) 画像形成装置
JP4037771B2 (ja) 画像形成装置
JP4037793B2 (ja) 画像形成装置
JP2013134374A (ja) 電子写真感光体および画像形成装置
JP4260671B2 (ja) 画像形成装置
JP2005121832A (ja) 画像形成装置
JP4133545B2 (ja) 電子写真感光体およびそれを備える画像形成装置
JP4871197B2 (ja) 画像形成装置
JP5718413B2 (ja) 電子写真感光体及びそれを用いた画像形成装置
JP2004341136A (ja) 画像形成装置
JP2005010637A (ja) 電子写真感光体およびそれを備える画像形成装置
JP2005292470A (ja) 電子写真感光体およびそれを備える画像形成装置
JP2008164715A (ja) 電子写真感光体
JP2014056125A (ja) 画像形成装置
JP2015148784A (ja) 画像形成装置