JP2014056125A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 トナーおよび磁性体粒子表面に合成樹脂を被覆したキャリアを含有する二成分現像剤を用いる画像形成装置において、感光体表面の表面自由エネルギーを特定の範囲に規定することによって、感光体のクリーニング性に優れ、また高品質な画像を長期にわたって形成可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】
本発明の画像形成装置1は、表面に感光層を有する感光体2と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、クリーニング手段とを備え、磁性体粒子表面に合成樹脂を被覆したキャリアとトナーとを含有する二成分現像剤を用いて、キャリアの真円度を0.85以上、かつ、体積平均粒径を30〜60μmとして、感光体2の表面自由エネルギー(γ)を20〜35mN/mとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば複写機などの電子写真方式の画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、複写機だけでなく、近年需要の伸びの著しいコンピュータ等の出力手段であるプリンターなどにも広く利用されるに至っている。電子写真方式の画像形成装置では、装置に備わる電子写真感光体(以下では単に感光体と呼ぶ)の感光層を、帯電器によって一様に帯電させ、画像情報に対応する例えばレーザー光などによって露光し、露光によって形成される静電潜像に対してトナーと呼ばれる微粒子状の現像剤を現像器から供給してトナー画像を形成する。
近年、このような画像形成装置には、高画質化とともに、安定稼動期間のさらなる延長が期待されているが、これらの特性を向上させるには、装置内における部分的な改良のみでの対応は困難であり、感光体、現像剤、プロセスなどを総合的に改良し、互いの足りない点を補完させ合うことが行われている。
特に感光体は、電子写真方式の中核となる部材であり、長期にわたって安定なものが望まれる。従来、感光体の表面の感光層は、Se、As−Se合金、CdSなどの無機系光導電材料によって形成されていたが、最近では無公害、低コスト、製造の容易さなど、無機系材料には見られない多くの利点を有する有機系光導電材料を含む有機感光層が用いられている。
また、感光体は、安定稼動させるためにクリーニングが行われている。クリーニングは、感光体表面に付着した残留トナーや異物を除去するものであり、感光体表面の濡れ性が低いほど付着力が小さくなり除去され易い。感光体表面の濡れ性は、表面張力と同義である表面自由エネルギーを指標として表すことができる。
従来技術として、例えば、特許文献1には、光導電層が有機材料で構成される感光体において、表面自由エネルギー(γ)を35〜65mN/mの範囲に規定することによって、感光体表面に付着するトナー等の異物の濡れ性を抑制し、クリーニングに必要な負荷を減少し、感光体にダメージを与えずに長寿命化できることが開示されている。
また、感光体を長寿命化するとともに感光体を擦過する現像剤についても見直しが行われている。例えば、特許文献2には、磁性粒子表面上に樹脂被覆層を形成して成る真球状キャリア及びトナーから構成される現像剤を用いることにより、多数回の繰り返し像形成の過程で感光層の減耗、傷等による画像欠陥を低減できることが開示されている。
特開平11−311875号公報 特開平7−219249号公報
しかしながら、高画質化の取組としてキャリアやトナーの小粒径化が進むに従って、感光体表面とキャリアやトナーの付着力が増加し、特許文献1のように表面自由エネルギー(γ)を35〜65mN/mの範囲に規定するだけではクリーニングが不足し、クリーニングに必要な負荷を増やさざるを得ないため、感光体の劣化が進むとともに画質が低下する問題があった。
また、特許文献2のように磁性粒子表面上に樹脂被覆層を形成して成る真球状キャリアを用いる場合も、キャリアを小粒径化するほど、キャリアの微粉や樹脂被覆層の剥がれが生じ易く、これらが感光体表面に付着して傷付けることにより、感光体が劣化して画質が低下する問題があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、小粒径化されたキャリアを用いる画像形成装置の耐久性を向上し、高画質で長期安定稼働を可能にするものである。
上記の課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、表面に感光層を有する感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、クリーニング手段とを備え、磁性体粒子表面に合成樹脂を被覆したキャリアとトナーとを含有する二成分現像剤を用いる画像形成装置であって、キャリアは、真円度が0.85以上、かつ、体積平均粒径が30〜60μmであり、感光体は、表面自由エネルギー(γ)が20〜35mN/mであることを特徴とする。
また、感光体は、表面自由エネルギー(γ)が28〜35mN/mであることを特徴とする。
また、感光体の感光層は、有機系光導電体材料を含むことを特徴とする。
また、感光体の感光層は、電荷発生層と電荷輸送層とが積層されていることを特徴とする。
本発明の画像形成装置によれば、小粒径化されたキャリアを用いて、高画質で長期安定稼働を可能にすることができる。
画像形成装置1に備わる電子写真感光体2の構成を示す部分断面図である。 小粒径キャリアに対応した感光体の表面自由エネルギーについて調べて実験結果である。 キャリアの真円度と粒径から耐久性について調べた実験結果である。
本発明は感光体2のクリーニング性を向上させ、高品質な画像を長期にわたって形成可能とするため、画像形成装置において、現像剤として、磁性体粒子表面に合成樹脂を被覆したキャリアとトナーとを含有する二成分現像剤を用いて、上記キャリアの真円度を0.85以上、且つ体積平均粒径を30〜60μmとして、感光体2の表面自由エネルギー(γ)を20〜35mN/mとしたことを特徴としている。
以下に、本発明の特徴的構成部である感光体2と二成分現像剤に含まれるキャリアについて詳細に説明する。
図1は、画像形成装置に備わる電子写真感光体2の構成を示す部分断面図である。
図1に示すように、感光体2は、導電性素材からなる導電性支持体3と、導電性支持体3上に積層される下引層4と、下引層4上に積層される電荷発生層5と、電荷発生層5の上にさらに積層される電荷輸送層6とを含む。また、電荷発生層5と電荷輸送層6は、感光層7を構成する。
導電性支持体3は、円筒形状を有し、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、ニッケルなどの金属材料や、ポリエステルフィルム、フェノール樹脂パイプ、紙管などの絶縁性物質の表面に、アルミニウム、銅、パラジウム、酸化錫、酸化インジウムなどの導電性層を設けたものが好適に用いられ、その体積抵抗率が1010Ω・cm以下の導電性を有するものである。
下引層4は、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、セルロース、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アルミニウム陽極酸化被膜、ゼラチン、でんぷん、カゼイン、N-メトキシメチル化ナイロンなどによって形成される。下引層4の膜厚は、約0.1〜10μmに形成され、導電性支持体3と感光層7との接着層としての役割を果たすとともに、導電性支持体3から電荷が感光層7へ流れ込むのを抑制するバリア層としても機能する。このように下引層4は感光体2の帯電特性を維持するように作用するので、感光体2の寿命を延ばすことができる。
電荷発生層5は、公知の電荷発生物質を含んで構成することができる。電荷発生物質には、可視光を吸収してフリー電荷を発生するものであれば、無機顔料、有機顔料および有機染料のいずれをも用いることができる。電荷発生物質の中でもフタロシアニン系化合物が好適に用いられ、特にチタニルフタロシアニン化合物を用いることが最適であり、良好な感度特性、帯電特性および再現性が得られる。上記の列挙した顔料および染料の他に、電荷発生層5には、化学増感剤または光学増感剤を添加してもよい。
電荷発生層5は、上記の電荷発生物質をバインダ樹脂とともに、適当な溶媒中に分散させ、下引層4上に積層し、乾燥または硬化させて成膜する。溶媒は、特に限定されることなく、アルコール系、ケトン系、アミド系、エステル系、エーテル系、炭化水素系、塩素化炭化水素系、芳香族系のうちから選択されるいずれかの溶媒系を、単独または混合して用いてもよい。電荷発生物質の粉砕およびミリング時の結晶転移に基づく感度低下、およびポットライフによる特性低下を考慮した場合、無機や有機顔料において結晶転移を起こしにくいシクロヘキサノン、1,2−ジメトキシエタン、メチルエチルケトン、テトラヒドロキノンのいずれかを用いることが好ましい。
電荷発生層5の形成には、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法などの気相堆積法や塗布方法などを適用することができる。塗布方法を用いる場合、電荷発生物質をボールミル、サンドグラインダ、ペイントシェーカー、超音波分散機などによって粉砕して溶剤に分散し、必要に応じてバインダ樹脂を加えた塗布液を、公知の塗布法によって下引層4上に塗布する。導電性支持体3が円筒状の場合、電荷発生層5の塗布法にはスプレイ法、垂直型リング法、浸漬塗布法などを好適に用いることができる。電荷発生層5の膜厚は、約0.05〜5μmであることが好ましく、より好ましくは約0.1〜1μmである。
電荷輸送層6は、公知の電荷輸送物質と結着樹脂とを含んで構成することができる。電荷発生層5に含まれる電荷発生物質で発生した電荷を受け入れ、これを輸送する能力を有するものであればよい。
電荷輸送層6を構成する電荷輸送物質としては、例えば、ポリ-N-ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ-g-カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9-(p-ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1-ビス(4-ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、ピラゾリン誘導体、フェニルヒドラゾン類、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン系化合物、テトラフェニルジアミン系化合物、スチルベン系化合物、3-メチル-2-ベンゾチアゾリン環を有するアジン化合物等の電子供与性物質が挙げられる。
電荷輸送層6を構成する結着樹脂としては、電荷輸送物質と相溶性を有するものであればよく、例えば、ポリカーボネートおよび共重合ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリケトン、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂およびポリスルホン樹脂、それらの共重合樹脂などが挙げられる。これらの樹脂を単独または2種以上混合して用いてもよい。上記の結着樹脂の中でもポリスチレン、ポリカーボネートおよび共重合ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステルなどの樹脂は、1013Ω以上の体積抵抗率を有し、成膜性や電位特性などにも優れている。
また、これらの材料を溶解させる溶剤は、メタノールやエタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンやシクロヘキサノンなどのケトン類、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンやジオキソランなどのエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタンやジクロロエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、クロロベンゼンやトルエンなどの芳香族類などを用いることができる。
電荷輸送層6を形成するための電荷輸送層用塗布液は、結着樹脂溶液中へ電荷輸送物質を溶解して調製される。電荷輸送層6に占める電荷輸送物質の割合は、30〜80重量%の範囲が好ましい。電荷発生層5上への電荷輸送層6の形成は、上記の下引層4上に電荷発生層5を形成したのと同様にして行われる。電荷輸送層6の膜厚は、10〜50μmが好ましく、より好ましくは15〜40μmである。
また、電荷輸送層6には、1種以上の電子受容性物質や色素を含有させることによって、感度の向上を図り繰返し使用時の残留電位の上昇や疲労などを抑えるようにしてもよい。電子受容性物質としては、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、4−クロルナフタル酸無水物などの酸無水物、テトラシアノエチレン、テレフタルマロンジニトリルなどのシアノ化合物、4−ニトロベンズアルデヒドなどのアルデヒド類、アントラキノン、1−ニトロアントラキノンなどのアントラキノン類、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノンなどの多環または複素環ニトロ化合物が挙げられ、これらを化学増感剤として用いることができる。
色素としては、例えば、キサンテン系色素、チアジン色素、トリフェニルメタン色素、キノリン系顔料、銅フタロシアニンなどの有機光導電性化合物が挙げられ、これらを光学増感剤として用いることができる。
さらに、電荷輸送層6には、公知の可塑剤を含有させることによって、成形性、可撓性および機械的強度を向上させるようにしてもよい。可塑剤としては、二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、フタル酸エステル、塩素化パラフィン、エポキシ型可塑剤などが挙げられる。また、感光層7には、必要に応じてポリシロキサンなどのゆず肌防止のためのレベリング剤、耐久性向上のためフェノール系化合物、ハイドロキノン系化合物、トコフェロール系化合物、アミン系化合物などの酸化防止剤、紫外線吸収剤などを含有してもよい。
本発明の画像形成装置1では、上記のように構成される感光体2の表面、すなわち感光層7表面を、表面自由エネルギー(γ)が20〜35mN/mになるように制御設定している。
表面自由エネルギーが35mN/mを超えると、トナーの感光体表面に対する付着力が増大するのでクリーニング性が悪化する。また、表面自由エネルギーが20mN/m未満になると、トナーと感光体2表面との付着力が低下するので、装置内へのトナー飛散および感光体2上のトナー画像部以外の部分に付着した微粉トナーの記録紙への移行により画像かぶりが発生する。したがって、表面自由エネルギーは、20〜35mN/mが好適である。
感光体2表面の表面自由エネルギーの上記範囲への制御設定は、以下のようにして行われる。比較的低い表面自由エネルギー値を有する、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を代表とするフッ素系材料、ポリシロキサン系材料などを、感光層7に導入し、その含有量を調整することによって実現できる。また感光層7に含まれる電荷発生物質、電荷輸送物質および結着樹脂の種類、これらの組成比を変化させることによっても実現できる。また感光層7を形成する際の乾燥温度を調整することによっても実現できる。
このようにして制御設定される感光体2表面の表面自由エネルギーは、表面自由エネルギーの双極子成分、分散成分および水素結合成分が既知である試薬を使用し、その試薬との付着性を測定することによって求められる。具体的には、試薬に純水、ヨウ化メチレン、α−ブロモナフタレンを使用し、接触角計CA−X(商品名;協和界面株式会社製)を用いて、感光体2表面に対する接触角を測定し、測定結果に基づき表面自由エネルギー解析ソフトEG−11(商品名;協和界面株式会社製)を用いて各成分の表面自由エネルギーを算出することができる。なお、試薬は、上記の純水、ヨウ化メチレン、α−ブロモナフタレンに限定されるものではなく、双極子成分、分散成分、水素結合成分が適宜な組合せの試薬を用いてもよい。また、測定方法も、上記の方法に限定されるものではなく、例えばウィルヘルミ法(つり板法)やデュヌイ法などが用いられてもよい。
次に、本発明の画像形成装置1で用いられる二成分現像剤について詳細に説明する。二成分現像剤は、画像を形成するためのトナーと、トナーに適正な電荷を与え、感光体と対向する現像領域にトナーを搬送するためのキャリアを含有している。
二成分現像剤に含まれるトナーは、体積平均粒径が9μm以下、好ましくは2〜7μm、さらに好ましくは3〜6μmである小粒径の非磁性トナーである。体積平均粒径が2μm未満では、トナーの制御性が低下し、画像かぶり、トナー飛散などが発生しやすくなる。また、体積平均粒径が9μmを超えると、解像力が低下する。したがって、本発明の画像形成装置1において、体積平均粒径9μm以下のトナーを用いれば、高解像度の画像を得ることができる。
トナーは、結着樹脂、外添剤、離形剤、着色剤等によって構成されている。トナーに用いられる結着樹脂としては、スチレン‐アクリル系共重合体、アクリル系重合体、ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの中でも、樹脂の化学構造設計における自由度の高いポリエステル樹脂が好適に用いられる。
トナーに用いられる外添剤としては、例えば、シリカ微粉体、アルミナ微粉体、酸化チタン微粉体、酸化ジルコニウム微粉体、酸化マグネシウム微粉体、酸化亜鉛などの金属酸化物の微粉体、また窒化ホウ素微粉体、窒化アルミニウム微粉体、窒化炭素微粉体のような窒化物の微粉体、さらにチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウムなどが挙げられる。なお外添剤には、特に平均一次粒子径が0.001〜0.2μmの無機微粉体を用いることが好ましい。
トナーには、必要に応じて離型剤が含有されてもよい。離型剤としては、それ自体公知の任意の離型剤、例えば脂肪族系樹脂、脂肪族系金属塩、高級脂肪酸類、脂肪酸エステル類もしくはその部分ケン化物類等の脂肪族系化合物が挙げられる。具体的には、例えば低分子量ポリプロピレン、高分子量ポリエチレン、パラフィンワックス、炭素数4以上のオレフィン単体からなる低分子量オレフィン重合体、シリコーンオイル、各種ワックス等を使用することができる。
トナーの着色剤には、公知のカーボンブラックを使用することができる。例えば米国キャボット社製リーガル(REGAL)400R、500R、660R、コロンビヤン・カーボン日本(株)製ラベン(RAVEN)H20、ラベン16、ラベン14、ラベン430、ラベン450、ラベン500、西独デグサ社製プリンテクス(Printex)200、プリンテクスA、スペシャルブラック4、プリンテクスGなどが挙げられる。なお着色剤のカーボンブラックは、これらに限定されるものではなく、他のものが用いられてもよい。また、これらのカーボンブラックを、単独でまたは2種以上を種々の組成に組合せて用いることができる。
トナーを搬送するためのキャリアは、磁場によってその方向に強く磁化する磁性体粒子が用いられ、例えば、鉄、フェライト、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属、これらの金属の1または2以上を含む合金または化合物、マンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫などのホイスラー合金、二酸化クロムといった熱処理によって強磁性化する合金または金属化合物などが挙げられる。これらの中でも、フェライトは、比較的磁化が低く、小粒径トナーを損傷する恐れが少なく現像剤の耐久性向上に有効であり、鉄粉、ニッケル粉などに比べて比重が小さいことから、トナー濃度の均一化およびトナーの帯電量の適正化を容易に実施できるので好適である。
フェライト系粒子としては公知のものを使用でき、例えば、亜鉛系フェライト、ニッケル系フェライト、銅系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、マンガン−マグネシウム系フェライト、銅−マグネシウム系フェライト、マンガン−亜鉛系フェライト、マンガン−銅−亜鉛系フェライトなどが挙げられる。これらのフェライト系粒子は、原料を混合し、仮焼および粉砕を経た後に焼成して得られ、焼成温度を変化させることにより、粒子の表面形状を変化させることが可能となる。なお、仮焼はバッチ式またはロータリーキルンなどの連続式のいずれによっても行うことができる。
磁性体粒子は、磁気特性として、1000エルステッドの外部磁場中における飽和磁化が10〜80emu/g(1.0×10−5〜1.0×10−4Wb・m/kg)であり、かつ保磁力が0.1〜100エルステッドであることが好ましく、さらに1×10〜1011Ωcmの固有抵抗で4.0〜5.5の比重を持つものがさらに好ましい。
本発明においては、キャリアとなる磁性体粒子の体積平均粒径が、30〜60μmの範囲にあることが好ましい。体積平均粒径30μmを大きく下回るとが、静電潜像の担持体である感光体2へのキャリア付着が発生しやすくなり、感光体2表面に傷が発生するおそれがある。また、体積平均粒径が60μmを超えると、キャリアの比表面積が小さくなり、必要量のトナーを適正に摩擦帯電することが困難になり、かぶりなどの画像欠陥を発生するおそれがある。
磁性体粒子は、耐久性を向上するための合成樹脂が表面に被覆されている。合成樹脂は、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、エチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、これらの樹脂を構成する2種類以上のモノマーの共重合体、これら樹脂の2種以上の混合物などが挙げられる。これらの中でも、樹脂被覆率の比を規定範囲内に調整することを考慮すると、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂とフッ素樹脂との混合物などが好ましい。合成樹脂の使用量は特に制限されないけれども、磁性体粒子100重量部に対して好ましくは0.1〜10重量部である。
磁性体粒子表面に被覆する合成樹脂は、キャリアの抵抗値を制御するために、各種添加剤を含むことができる。該添加剤としては、例えば、酸化ケイ素、アルミナ、カーボンブラック、グラファイト、酸化亜鉛、チタンブラック、酸化鉄、酸化チタン、酸化スズ、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの抵抗調整剤が挙げられる。添加剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。添加剤の使用量は特に制限はないけれども、好ましくは合成樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部である。
磁性体粒子への合成樹脂の被覆方法としては、例えば、機械的混合法、噴霧法、流動層法、転動層法などの、粉体と合成樹脂とを混合するための一般的な方法が挙げられる。
このようにして得られるキャリアは、形状が均一であることが好ましい。その形状は、好ましくは真円度0.8以上、好ましくは0.85以上、さらに好ましくは0.9以上の真球状である。0.8未満では、キャリアが破壊され易くなり、また、破壊が進行して半球状粒子となって、感光体へ突き刺さり残留異物となる。また画像再現性が低下し、特に細線の再現性が不充分になる。
上記のトナーおよびキャリアを一般的な混合装置にて混合することによって、本発明の画像形成装置1にて用いられる二成分現像剤が得られる。
本発明は、感光体2のクリーニング性を向上させ、高品質な画像を長期にわたって形成可能とするため、磁性体粒子表面に合成樹脂を被覆したキャリアとトナーとを含有する二成分現像剤を用いて、上記のようにキャリアの真円度を0.85以上、且つ体積平均粒径を30〜60μmとして、感光体2の表面自由エネルギー(γ)を20〜35mN/mとしたことを特徴としている。
図2は、小粒径キャリアを用いたときの感光体の表面自由エネルギー(γ)について、最適な範囲を調べた結果を示したものである。小粒径キャリアを用いる場合に最適な感光体2を求めるため、表面自由エネルギー(γ)の異なる各種の感光体を作製した。感光体には、直径:30mm、長さ:326.3mmのアルミニウム製導電性支持体3を用い、電荷輸送層用塗布液に含まれる樹脂の種類および含有比率を変化させるとともに、塗布後の乾燥温度を変化させることによって、感光体表面の表面自由エネルギー(γ)が所望の値になるように調整した。図2に、実施例のS1〜S6感光体と比較例のR1〜R4感光体の表面自由エネルギー(γ)を示す。また、それぞれの感光体の作製条件を以下に示す。
(S1感光体);酸化チタン(TTO55A:石原産業社製)7重量部および共重合ナイロン(CM8000:東レ社製)13重量部を、メチルアルコール159重量部と1,3−ジオキソラン106重量部との混合溶剤に加え、ペイントシェーカーにて8時間分散処理して下引層用塗布液を調整した。この塗布液を塗布槽に満たし、導電性支持体を浸漬後引上げ、自然乾燥して層厚1μmの下引層を形成した。
オキソチタニルフタロシアニン3重量部とブチラール樹脂(BL−1:積水化学社製)2重量部とを、メチルエチルケトン245重量部に混合し、ペイントシェーカーにて分散して電荷発生層用塗布液を調整した。この塗布液を、下引層の場合と同様の浸漬塗布法にて上記の下引層上に塗布し、 自然乾燥して層厚0.4μmの電荷発生層を形成した。
電荷輸送物質としてスチリル系化合物5重量部、ポリカーボネート樹脂(Vylon290:東洋紡株式会社製)2.75重量部、同じくポリカーボネート樹脂(G400:出光興産株式会社製)5.25重量部、スミライザーBHT(住友化学株式会社製)0.05重量部を混合し、テトラヒドロフラン47重量部を溶剤として電荷輸送層用塗布液を調整した。この塗布液を、浸漬塗布法にて上記の電荷発生層上に塗布し、110℃で1時間乾燥して層厚28μmの電荷輸送層を形成した。このようにして作製したS1感光体の表面自由エネルギー(γ)は28.3mN/mであった。
(S2感光体);S1感光体と同様にして下引層および電荷発生層を形成した。次いで電荷輸送物質としてブタジエン系化合物を5重量部、4種類のポリカーボネート樹脂、J500(出光興産株式会社製)2.4重量部、G400(出光興産株式会社製)1.6重量部、GH503(出光興産株式会社製)1.6重量部、TS2020(帝人化成株式会社製)2.4重量部、さらにスミライザーBHT(住友化学株式会社製)0.25重量部を混合し、テトラヒドロフラン49重量部を溶剤として電荷輸送層用塗布液を調整した。この塗布液を、浸漬塗布法にて電荷発生層上に塗布し、130℃で1時間乾燥して層厚28μmの電荷輸送層を形成した。このようにして作製したS2感光体の表面自由エネルギー(γ)は30.5mN/mであった。
(S3感光体);電荷輸送層おいて、バインダ樹脂を、GH503(出光興産株式会社製)4重量部、TS2020(帝人化成株式会社製)4重量部とした以外は、S2感光体と同様にしてS3感光体を作製した。このようにして作製したS3感光体の表面自由エネルギー(γ)は30.5mN/mであった。
(S4感光体);S1感光体と同様にして下引層および電荷発生層を形成した。次いで電荷輸送物質としてブタジエン系化合物を3.5重量部、スチリル系化合物を1.5重量部、4種類のポリカーボネート樹脂、J500(出光興産株式会社製)2.2重量部、G400(出光興産株式会社製)2.2重量部、GH503(出光興産株式会社製)1.8重量部、TS2020(帝人化成株式会社製)1.8重量部、さらにスミライザーBHT(住友化学株式会社製)1.5重量部を混合し、テトラヒドロフラン55重量部を溶剤として電荷輸送層用塗布液を調整した。この塗布液を、浸漬塗布法にて電荷発生層上に塗布し、120℃で1時間乾燥して層厚28μmの電荷輸送層を形成した。このようにして作製したS4感光体の表面自由エネルギー(γ)は33.0mN/mであった。
(S5感光体、S6感光体);S1感光体と同様にして下引層および電荷発生層を形成した。次いで、電荷輸送層形成に際し、ポリカーボネート樹脂の一部に代えて、表面自由エネルギー(γ)の低い樹脂であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いた以外は、S2感光体と同様にして塗布液を調整した。この塗布液を、浸漬塗布法にて電荷発生層上に塗布し、120℃で1時間乾燥して層厚28μmの電荷輸送層を形成した。そして電荷輸送層形成用の塗布液中に占めるPTFEの含有比率を変更して、γを大きくしたS5感光体とγを小さくしたS6感光体をそれぞれ作製した。S5感光体の表面自由エネルギー(γ)は34.8mN/mであった。また、S6感光体の表面自由エネルギー(γ)は22.0mN/mであった。
(R1感光体);S1感光体と同様にして下引層および電荷発生層を形成した。次いで電荷輸送物質としてブタジエン系化合物を5重量部、3種類のポリカーボネート樹脂、G400(出光興産株式会社製)2.4重量部、TS2020(帝人化成株式会社製)4重量部、Vylon290(東洋紡株式会社製)1.6重量部、さらにスミライザーBHT(住友化学株式会社製)0.25重量部を混合し、テトラヒドロフラン49重量部を溶剤として電荷輸送層用塗布液を調整した。この塗布液を、浸漬塗布法にて電荷発生層上に塗布し、130℃で1時間乾燥して層厚28μmの電荷輸送層を形成した。このようにして作製したR1感光体の表面自由エネルギー(γ)は36.0mN/mであった。
(R2感光体);R1感光体と同様にして下引層および電荷発生層を形成した。次いで、電荷輸送物質としてブタジエン系化合物を5重量部、2種類のポリカーボネート樹脂、J500(出光興産株式会社製)4.4重量部、TS2020(帝人化成株式会社製)3.6重量部、さらにスミライザーBHT(住友化学株式会社製)0.25重量部を混合し、テトラヒドロフラン49重量部を溶剤として電荷輸送層用塗布液を調整した。この塗布液を、浸漬塗布法にて電荷発生層上に塗布し、120℃で1時間乾燥して層厚28μmの電荷輸送層を形成した。このようにして作製したR2感光体の表面自由エネルギー(γ)は40.5mN/mであった。
(R3感光体);電荷輸送層形成に際し、ポリカーボネート樹脂として、J500(出光興産株式会社製)4.4重量部を、G400(出光興産株式会社製)に置換えた以外は、R2感光体と同様にしてR3感光体を作製した。このようにして作製したR3感光体の表面自由エネルギー(γ)は44.3mN/mであった。
(R4感光体);R1感光体と同様にして下引層および電荷発生層を形成した。次いで、電荷輸送層形成に際し、ポリカーボネート樹脂の一部に代えて、γの低い樹脂であるPTFEを用いた以外は、R1感光体と同様にして塗布液を調整した。この塗布液を、浸漬塗布法にて電荷発生層上に塗布し、120℃で1時間乾燥して層厚28μmの電荷輸送層を形成した。このようにして作製したR3感光体の表面自由エネルギー(γ)は19.8mN/mであった。
以上のように、実施例のS1感光体〜S6感光体、および比較例のR1感光体〜R4感光体は、電荷輸送層用塗布液に含まれる樹脂の種類および含有比率を変化させるとともに、塗布後の乾燥温度を変化させることによって、感光体表面の表面自由エネルギー(γ)が所望の値になるように調整して作製した。これらの感光体表面の表面自由エネルギー(γ)は、接触角測定機CA−X(協和界面株式会社製)および解析ソフトEG−11(協和界面株式会社製)によって求めた。
次に、上記感光体に対して用いた二成分現像剤について説明する。二成分現像剤に含まれるトナーとキャリアは従来と同様の製法により製造される。
トナーは以下のようにして製造される。まず、結着樹脂(商品名:EPA501、三洋化成(株)製)75部およびカーボンブラック(着色剤、商品名:♯44、三菱化学(株)製)25部からなる原材料10kgをヘンシェルミキサにて混合したのち、連続式2本ロール式混練機に供給して混練を行い、混練物を得る。この混練物を冷却後、ハンマータイプの粉砕機にて2mmスクリーンを使用して粗砕し、混練粗砕物を得た。
次に、結着樹脂(商品名:EPB602、三洋化成(株)製)60部、上記で得られた混練粗砕物36部および電荷制御剤(サリチル酸クロム錯体)4部の割合で10kgを計量し、ヘンシェルミキサ(羽根回転数850rpm)にて2分間混合し、原料混合物を得た。得られた原料混合物を2軸混練機(商品名:PCM−30、(株)池貝製、シリンダ設定温度100℃、バレル回転数:300rpm、原料混合物供給速度:20kg/h)にて混練して混練物を得た。
得られた混練物を冷却ベルトにて冷却した後、φ2mmスクリーンを有するスピードミルにて粗粉砕し、次にI型ジェットミルにて粉砕し、エルボージェット分級機にて微粉および粗粉を取り除き、平均粒子径(D50)6.7μmのトナー粒子を製造した。なお、平均粒子径(D50)は、コールターカウンター(TA−II)にて測定した。
図2に示すV1キャリアは以下のようにして製造される。フェライト粉末を計量してボールミルにて混合した後、ロータリーキルンにて900℃で仮焼した。次に、フェライトの仮焼粉を、湿式粉砕機により粉砕媒体としてスチールボールを用いて平均粒径2μm以下にまで微粉砕した。得られたフェライト微粉末をスプレードライ方式により粒径100〜200μmに造粒した。フェライト粉末の造粒物を1300℃で焼成した後、クラッシャにより解砕および粉砕してふるいで分級することにより、所定の粒径および真円度のフェライト粒子を得た。
シリコーン樹脂(商品名:TSR115、信越化学(株)製)と、チタン酸カリウム粉末(抵抗調整剤)とをトルエンに溶解または分散し、被覆用塗液を調製した。この被覆用塗液を、スプレーコーティング装置によりフェライト粒子に被覆し、自然乾燥してトルエンを除去し、キャリアを製造した。V1キャリアは、粒径45μm、真円度0.92、シリコーン樹脂被覆率1.04%であった。なお、シリコーン樹脂被覆率(%)は、蛍光X線分析装置により、フェライト粒子由来のFeの含有量およびシリコーン樹脂由来のSiの含有量を測定し、それらの値に基づいて算出した。
上記で得られたV1キャリアを96.5重量部と、上記で得られたトナー3.5重量部をナウターミキサー(商品名:VL−0、ホソカワミクロン(株)製)にて20分間攪拌混合し、二成分現像剤を得た。
上記の実施例となるS1感光体〜S6感光体、及び比較例となるR1感光体〜R4感光体と、上記のV1キャリアを含有する二成分現像剤を用いて、長期稼働時の耐久性について調べた。耐久性の評価は、上記感光体および二成分現像剤を市販の画像形成装置を改造した実験機に組み込んで、10万枚印字後の画像の劣化(カブリ、黒スジ、白スジ)を調べた。
具体的には、クリーニング条件として、クリーニングブレードの感光体に当接する当接圧力を初期線圧で21gf/cm(2.06×10−1N/cm)に調整して、温度:25℃、相対湿度:50%の常温/常湿(N/N:Normal Temperature/Normal Humidity)環境中で、上記実験機を用いて、シャープ株式会社製文字テストチャートを、記録紙SF−4AM3(シャープ株式会社製)10万枚に形成した。
画像の劣化を示す評価項目の一つであるカブリは、印字されていないプリント用紙(白紙)の20カ所で画像濃度を測定し、その平均値を白紙濃度とし、次に、無地画像の印字がなされたプリント用紙の白地部分を同様に20カ所、画像濃度を測定し平均濃度を算出し、その平均濃度から上記白紙濃度を引いた値をカブリ濃度として評価した。測定は反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて行った。
カブリの評価基準
◎:カブリ濃度が、0.003以下で良好
○:カブリ濃度が、0.008以下で実用上問題ないレベル
×:カブリ濃度が、0.008より大きく実用上問題となるレベル
また、評価項目の黒スジ、白スジは、10万枚印字後において白ベタ画像、黒ベタ画像を印字し、白ベタ画像上に形成された黒スジ、または、黒ベタ画像上に形成された白スジの程度を目視で評価した。
黒スジ/白スジの評価基準
◎:黒スジ/白スジが、見られず良好
○:黒スジ/白スジが、かすかに見られるが良好
×:黒スジ/白スジが、明らかに見られ問題となるレベル
図2に示すように、表面自由エネルギー(γ)が20〜35mN/mの範囲内にある実施例のS1〜S6感光体は、10万枚印字後の画像評価がすべて良好(○)以上の評価結果であった。特に、表面自由エネルギー(γ)が28〜35mN/mの範囲内にある実施例のS1〜S5感光体では、非常に良好(◎)な画像特性性が得られた。
一方、表面自由エネルギー(γ)が20mN/mより小さい比較例のR4感光体においては、画像のカブリが増加し、さらに記録紙裏面にも汚れが発生し、10万枚印字後の画像評価として実用不可となるものであった。これは、表面自由エネルギー(γ)が小さいと、感光体へのトナーの付着力の減少に伴い転写効率が向上するものの、付着力が過度に減少して装置内でのトナー飛散が加速されたものと考えられる。
また、表面自由エネルギー(γ)が35mN/mより大きい比較例のR1〜R3感光体では、表面自由エネルギー(γ)が大きくなるのに伴って、黒スジや白スジが増加し、10万枚印字後の画像評価として実用不可となるものであった。これは、表面自由エネルギー(γ)が大きいと、キャリア微粉や被覆層の剥がれにより発生した異物などがクリーニングブレードや感光体に付着しやすくなり、クリーニングブレードや感光体を傷付けたり欠損させることにより、黒スジや白スジを生じさせたと考えられる。
図3は、上記実施例の感光体において、さらに最適なキャリア形状の範囲を調べた結果を示したものである。ここでは、感光体として画像評価が良好であった、表面自由エネルギー(γ)が28mN/mのS1感光体を用い、図3に示すように真円度と粒径の異なるV2〜V5キャリア(実施例)と、V6〜V8キャリア(比較例)を作製して、長期稼働時のキャリアの耐久性と10万枚印字後の画像状態を調べた。
実施例および比較例のV2〜V8キャリアは、フェライト粉末の造粒物を焼成した後、クラッシャにより解砕および粉砕してふるいで分級することにより、所定の真円度および粒径のフェライト粒子を抽出して用いた。
キャリアの耐久性は、フェライト粒子を被覆する樹脂被覆層の10万枚印字後の残存率D1/D0(%)で評価した。残存率D1/D0(%)は、まず、印字前の樹脂被覆層の被覆率D0(%)を、蛍光X線分析装置により、フェライト粒子由来のFeの含有量およびシリコーン樹脂由来のSiの含有量を測定して算出し、再び、10万枚印字後の樹脂被覆層の被覆率D1(%)を算出し、それらの比率を残存率D1/D0(%)とした。
また、画像評価は、図2に示したカブリ、黒スジ、白スジと同様の評価方法を用いた。
図3に示すように、キャリアの真円度が0.85であり、かつ、体積平均粒径が30〜60μmであるV2〜V5キャリアは、10万枚印字後の樹脂被覆層の残存率D1/D0(%)が85.3〜91.0%と良好な被覆状態を維持していることが判った。また、画像評価におけるカブリ、黒スジ、白スジの全てが良好(○)以上の評価結果であった。このように実施例のV2〜V5キャリアは、10万枚印字後も樹脂被覆層で充分に被覆されていることにより、良好なクリーニング性能を発現させることができ、長期間安定して高品質および高解像度の画像を形成することができる。
一方、比較例V6のように真円度が0.85より小さいキャリアにおいては、残存率D1/D0(%)が71.6%に低下しており、樹脂被覆層の剥がれやキャリアの微粉が発生することにより、10万枚印字後の画像評価では明らかな黒スジ及び白スジが視認され、実用不可となるものであった。また、粒径が30μmより小さい比較例V7のキャリアにおいても、残存率D1/D0(%)が74.8%に低下しており、画像評価において実用不可となるものであった。
また、比較例V8のように粒径が60μmより大きいキャリアにおいては、残存率D1/D0(%)が92.2%であり、良好な被覆状態を維持しているため、画像評価において黒スジおよび白スジは視認されないものの、画像カブリが発生した。これは、キャリア表面がトナーの外添剤等により汚染され、キャリア自体の抵抗値が大きくなったため、適正な画像濃度にコントロールできなくなったものと考えられる。
以上、実施例および比較例を用いて説明したように、本発明の画像形成装置によれば、表面に感光層を有する感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、クリーニング手段とを備え、磁性体粒子表面に合成樹脂を被覆したキャリアとトナーとを含有する二成分現像剤を用いて、キャリアの真円度を0.85以上、かつ、体積平均粒径を30〜60μmとして、感光体の表面自由エネルギー(γ)を20〜35mN/mとすることにより、高解像度化に対応した小粒径のキャリア粒子を用いた場合にも、良好なクリーニング性能を発現させることができ、長期間安定して高品質および高解像度の画像を形成できる画像形成装置を実現することができる。
2 感光体
3 導電性支持体
4 下引層
5 電荷発生層
6 電荷輸送層
7 感光層

Claims (4)

  1. 表面に感光層を有する感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、クリーニング手段とを備え、磁性体粒子表面に合成樹脂を被覆したキャリアとトナーとを含有する二成分現像剤を用いる画像形成装置であって、
    前記キャリアは、真円度が0.85以上、かつ、体積平均粒径が30〜60μmであり、
    前記感光体は、表面自由エネルギー(γ)が20〜35mN/mであることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記感光体は、表面自由エネルギー(γ)が28〜35mN/mであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記感光体の感光層は、電荷発生層と電荷輸送層とが積層されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記感光体の感光層は、有機光導電性化合物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
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